
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
集英社オレンジ文庫「短編小説新人賞アンソロジー」は、単なる新人作家の寄せ集めではなく、物語が生まれる瞬間の熱量そのものを封じ込めた一冊だと感じた。短編という制約の中で、それぞれの作品は無駄な装飾を削ぎ落とし、感情や主題の核へと一直線に踏み込んでくる。その潔さが、読み手の想像力を強く刺激する。 収録作には粗さも確かに残っている。しかしそれは欠点というより、書きたい衝動が理性より先に走った痕跡のように映る。登場人物の感情がときに不器用で、ときに過剰なほどまっすぐなのは、新人賞作品ならではの真剣さゆえだろう。その必死さが、むしろ物語に嘘のない重みを与えている。 また、短編という形式が際立たせるのは、作家ごとの「視線の違い」だ。何を切り取り、どこで物語を終わらせるのか。その選択一つひとつに、後の作風へとつながる萌芽が確かに感じられる。人気作家の初期作品として読むと、現在の洗練された筆致との対比が興味深く、作家という存在が時間をかけて育っていく過程を垣間見ることができる。 本書は派手なカタルシスを約束する一冊ではない。だが、読み終えたあとには、静かに胸の奥に残る余韻がある。それは物語の完成度以上に、「書くこと」「語ること」への真摯な姿勢が伝わってくるからだろう。 新人賞アンソロジーでありながら、文学の原石に触れる喜びと、物語の未来を想像する楽しさを同時に味わえる、確かな厚みを持った一冊である。
1投稿日: 2026.02.05
powered by ブクログ佐原ひかりさんと宮島未奈さんのデビュー作目当てで購入したのだけれどもどの作品もめちゃめちゃ面白かったです。オススメです。 『ままならないきみに』も『二位の君』もマイレボリューションなんだろうな。
10投稿日: 2026.01.24
powered by ブクログ人気作家さんたちの原点となった作品。どの短編も個性的で、とても楽しめた。 短編を書くのってとても難しいのだろうなと、読んでいるだけの私も思う。限られたページの中で、物語を作る。この本の短編はそれぞれ、全く違う良さを持っている。書き方はそれぞれもちろん違うし、少し変わった設定があったり、どこか自分と似たような境遇が描かれていたりする。 作家さんの数だけその色があって、短い物語に込められた熱意や感情がとても伝わってきた。 今までよく読んでいた作家さんはもちろん、この本で初めて出会った作家さんがこの後、どのような本を書いているのだろうと気になり、読んでみたくなった。
2投稿日: 2026.01.22
