
総合評価
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powered by ブクログ相続の手続きをしたこともあるので戸籍についてはある程度はわかっているつもりだったが、読んでみて現状に合わない歪な仕組みだなあと思った。作成の目的と仕組みがすでに陳腐化しているのに、過大イメージだけが日本人に刷り込まれている。結果、住民登録とかマイナンバーとかつぎはぎな仕組みを維持しなければならなくなってしまった。 植民地時代の戸籍。朝鮮人と結婚して朝鮮戸籍に入った日本人女性は戦後日本国籍を自動的に失う。 つまり日本人の国籍は血統主義ではない(戸籍主義?) 実際のところ夫婦別姓に反対な本当の理由は戸籍システムの構造(筆頭者とメンバーの氏は必ず同じ)を壊したくないってだけかも。 戸籍の筆頭者に家長の名残をとどめておけるし。 戸籍がなくても住民票の登録もできるしパスポートも取れる。かたや相続時に法定相続人を確定するためと、結婚するときに相手の両親が健在か兄弟姉妹は何人いるかを確認するためには戸籍はないと困る。(でも相手が再婚だと直近戸籍では確認できない。なんとも使いにくい構造) 西暦2000年頃以前に生まれた人は電子化以前の戸籍があるから、あと70年くらいは相続時に戸籍集めをしないといけないことになるのか。 構造をリニューアルしてから電子化したかった、と思ってるかも。
0投稿日: 2026.01.29
powered by ブクログ面白すぎる!!!! 戸籍の存在を知らずとも普通に生活している、つまり戸籍は日常生活とは無縁な存在と感じられる。が、マイノリティの立場になると(本書でいう無宿や「外地人」、婚外子など)戸籍という制度が自身の生活を縛る・抑圧の方向へ強烈に作用する点に 日本の伝統的な差別体制が見て取れた。 ・戸籍に登録されてはじめて日本人となる その背景に、外圧 国難にどう対応するか→天皇を頂点とし、家単位で従う 国体 85頁 江戸時代の人別帳(戸籍というよりは、世帯単位の記録のため住民台帳にあたる) しかし、機能としては不十分 身分制の中でカバーしきれない そうした中で人別帳から漏れ落ちた「無宿」→階級と職能を全うすることが国家の安定となると考えられていたため、自然と「反体制勢力」とみなされ差別された 佐渡送りなど 95頁 壬申戸籍においては、今日のような血統主義ではなく、移住地主義によって日本人が確定されていた ex.鹿児島 苗代川 朝鮮人集落 101頁 戸籍への登録による同化 例えば苗字など=創氏改名政策は、朝鮮支配以前から行われていた 141頁 明治において 戸籍がない という理由で人間を蔑視する 江戸時代の無宿に対する抑圧的空気と通じる 143頁 無戸籍解消のための方面委員(今の民生委員) 145頁 無戸籍であっても特段の不利益は生じていなかった(ex.昭和初期 無戸籍の世帯であっても隣近所が手伝って葬式(本来死亡届がないと火葬できない)を行っていた) →戸籍は特段の恩恵がない 一方で 146頁 戸籍事業を精神的救済と位置付け 家の秩序に回収しようとした 149頁 的が浜事件 無戸籍のサンカの集落に対する焼き払い 172頁 朝鮮併合の際「同じ日本国籍でも平等にあらず」=国家にとって国籍とは国益に照らして個人に与えるもの、国家の裁量によって左右されるもの という論理
0投稿日: 2026.01.25
powered by ブクログこれは素晴らしい本! 選択的夫婦別姓制度が裏テーマとしてありながら、そんなことはおくびにも出さす 大和時代の壬申戸籍に始まる日本の戸籍の歴史を追いかける。 国家という概念がはじまり、税の徴収のために生まれた仕組み。 しかし荘園制度とともに立ち消えになる。 それが復活したのが幕末。尊王開国のために徴兵が必要となり、戸籍の必要性が 改めて生まれる。それまで農民は姓などなかった。 それも家単位の戸籍となり、家父長制が制度としても確立する。 その後、明治政府が生まれ、戸籍はより強固になる。 長男は徴兵されない、ということで、新たな戸籍を無理くり作り、 徴兵逃れがはびこる。夏目漱石も北海道に転居し、逃れた。 当時は北海道民には徴兵の義務がなかったとか。 やがて敗戦となり、占領軍に旧来の仕組みを否定されても戸籍は生き残った。 様々な問題があり、住居と紐づかなくなり、それを補うための住民票、 マイナンバー制度が誕生しても、なお戸籍は生き残った。 それはもはやイデオロギー。 明治時代に幻想のように生まれた家父長制の維持だけのために、戸籍制度は残る。 制度が残るということは、その維持のためにコストがかかる。無駄にかかる。 戸籍がないと、姓が違うと、家庭が壊れる。 何て言い草だろうか。 同じ姓でも壊れている家庭はいくらでもある。違う姓でも家庭は成り立つ。 明治時代、ほんの百数十年前に徴兵のために生まれた戸籍制度に何の意味があるか。 男系天皇制を維持するため、国民にも家父長制を強いる? 次の天皇にふさわしいのは愛子さんだろうし、今のやり方では維持できないのは 誰が見てもわかる。 なぜそれを無理やり守ろうとするのか。 戸籍の歴史を追うことで、今の問題点を明らかにしてくれる、良書!
2投稿日: 2026.01.23
powered by ブクログ「日本史」の時間に覚えたキーワードが沢山出てきて、今更ながらに驚くことばかり。昔は高校受験程度で戸籍謄本提出したものだけど、プライバシーもへったくれも無かったなーとつくづく。 今も続く不平等や、差別感情の根っこはそもそも、不完全でご都合主義な「戸籍制度」から生まれたものなのでは?と思うほどだが、マイナンバー制度がもっと普及したら(それはそれで嫌なんだけど)戸籍制度自体が無くなる!なんてこともあるかもね? 「寄り道」のコラムも楽しく勉強になりました。 S氏に感謝を込めて。
4投稿日: 2026.01.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戸籍の本質は、日本人であることの証明。日本は血統主義なので、親のいずれかが日本人であれば、どこで生まれても日本人として戸籍に入る。無国籍の日本人は出生届が出されていない人。親が日本人か、よりも戸籍の有無が重視されてしまう問題。日本人同士の結婚であれば、新しい戸籍が作られる。国際結婚の場合、夫婦の戸籍は作られない。しかし、外国人の相手の戸籍は作られない。 アメリカは出生地主義なので、不法に入国してもアメリカで生まれればアメリカ人。トランプ大統領が移民の排除に熱心な理由のひとつ。 古代日本にも戸籍制度はあったが、有名無実化していた。明治になって復活させた。明治4年壬申戸籍が編まれた。もともとは670年に庚午年籍、690年庚寅年籍が作られた。口分田を与えて、税を徴収するための名簿。税負担を逃れるために、出家して戸籍を脱するものが現れた。僧侶の公認制度のために授戒師を招聘した。鑑真和尚のこと。税を逃れるために、性別を偽ったり貴族に寄進するものが現れて公地公民は破綻して、戸籍も形骸化した。 明治政府の戸籍は、家長制度(戸主制度)を武家に習って設定した。明治民法には家族の規定があるが、今の民法にはない。一緒に住んでいても戸主が認めたもの以外は家族ではない。一緒に住んでいなくても家族になれる。戸籍とは家のこと。婚姻によって家に入る、は戸籍に入るのこと。子ハ父ノ家ニ入ル、は子供は父の戸籍に入る、という意味。戸主とは家=戸籍における天皇。 イエとは、イヘ、のこと。ヘとはへっつい(竈)のこと。同じ釜の飯を食うのが家。使用人も同じ釜の飯を食うが、明治民法では家族ではない。 民法にはフランスのナポレオン民法をお手本にしたボアソナード民法が作られたが、個人主義的との批判があり、民法典論争で御蔵入りになった。明治民法と同時に戸籍法が改定された。紙の上では大家族。弟も残っていれば一緒の戸籍に入る。武家社会の慣習と同じ体裁を整えた。 律令制では、隠居年齢は70歳。明治民法では60歳から。個人の意志プラス裁判所の許可が必要。女戸主は許可は不要。応急的な措置に過ぎないから。 家の存続のために婿取りをする風習は世界で稀。 中国、朝鮮では、血統を重んじる。姓は血筋を表すもの。古来より夫婦別姓が基本。同姓の結婚もできない。朝鮮では、姓の数が少ないので、同姓本貫(出身地)が同じだと結婚できない。韓国では2008年に家単位の戸籍が廃止。個人単位の家族関係登録制度になった。 日本も明治の苗字の義務化のときは、夫婦別姓が原則だった。明治民法で夫婦同姓になった。 日本は、儒教精神を曲げてでも、家の存続に意義を見出した。 阿Q正伝でも、血統が途絶えて子孫から供養されないことを恐れた。 妾は明治維新後も残った。妾は妻と同じ2親等。不平等条約の改正に生涯となって、1880年刑法で妾が削除。明治民法で廃止、一夫一婦制が確立。 宗門別人別帳は江戸時代の戸籍。秀吉の太閤検地から始まる家数人数帳が始まり。課税台帳の役割。江戸時代の寺請制度で宗門改のもととなったのが、宗門別人別帳。毎年作成された。武士は分限帳、僧尼や神官も別のもの。人別帳から漏れているものは無宿、木枯し紋次郎。勘当が主な要因。 札付きの語源=勘当されそうな物を人別帳上で札を付けておいたことから。 長谷川平蔵野作った人足寄場は、無宿でも前科者でも、手に職を持てば生きていける、ことを実現する場。 佐渡送りは、死刑宣告に近い。原則無期。出るのは金より人の首のほうが多い、と言われた。 壬申戸籍(明治4年)で、戸籍に記載があるものが日本国民となった。血統主義でなく居住地主義。そこでアイヌと琉球をどうするかが問題になった。 北海道屯田兵として家族を含めて4万人を送り、北海道を本籍と定めさせた。この結果北海道が日本になった。アイヌには苗字がなかったが、アイヌ向け創氏政策でロシア風の名前を変えさせた。ロシアからロシア国民との主張をされないように。 琉球は中国への朝貢国だった。苗字は地名を表すもので移動すれば変わった。それを変えた。 小笠原は、定住者がいなかったが、捕鯨ブームで1830年に西欧人など20数名が移住。それを戸籍を作って日本人として日本の村をつくった。戸籍を作ることで帰化させた。 戸籍は徴兵のためのもの。徴兵告諭には血税と書かれていて、各地で血税一揆がおきた。 徴兵は国民皆兵wぽ原則としたが、戸主、長男、養子、家産家業の管理者は兵役を免除。養子になって徴兵を忌避することを徴兵養子という。立憲政友会総裁の鈴木キサブローは、徴兵逃れのためもあり、鈴木家へ養子になった。高村光雲(高村光太郎の父)も高村家へ養子にいった。 北海道、沖縄に本籍を移すことも徴兵逃れ。夏目漱石は25歳のとき、岩内郡に転籍。 失踪宣告制度も徴兵逃れに利用された。死亡診断書を偽造してニセの死亡届を出す者もいた。戸籍から抹消されても、生きていけた。 除籍簿があるおかげで、明治時代までは家系図を作ることができる。 国勢調査は、戸籍制度の欠陥を埋めるために行われた。 戸籍はどこにおいてもいい。日本人が最も多いのは皇居(千代田区千代田1番)。日本の領土ならどこにでも戸籍は置ける。歯舞諸島、北方四島、尖閣諸島、竹島などに本籍を置いている人もいる。領土関係で対外的主張の根拠となっている。 戦前の無国籍問題。資本主義の発展で東京大阪に人口移動がおきた=日雇い労働者、浮浪者の流入でスラム街が発生、無戸籍の人が集中。住民票制度がなかったため、戸籍がないと年齢を証明できない。 方面委員=戦後は民生委員に変更、が戸籍整理を担当。 一家揃って無戸籍でも、近隣扶助があれば問題なく生きていけた。 サンガ(山窖)の民=戸籍がない漂泊集団も存在したが、国勢調査で戸籍を申告させた。 族称=華族、士族、平民の3つにわけた。壬申戸籍には、職業、前科、檀那寺も記載されていた。元穢多、元非人、新平民なども記載された。警察行政のため。 これらが公開されていたため、犯罪調査、探偵興信所による身元調査に使われた。1968年まで公開。それ以降もなりすましや、職務上請求書などで公開させることはできたが、2008年改正で制限が厳しくなった。 婚外子差別は21世紀まで。明治民法では婚外子は認知されても戸主の許可がなければ、父親の戸籍に入れない。婚外子は私生子男、と記載された。 犬神家の一族では、3姉妹はいずれも庶子女と記載されていた。横溝正史は、家族の複雑さを経験していた。 新たに日本の領土となった台湾、朝鮮の問題が生まれた。 台湾は2年以内に退去しない場合は日本臣民となるとされた。ただし漢族のみ。それ以前の部族は番人と総称。国籍日強制の原則=国籍選択条項を設けることが通例。 朝鮮では国籍法が施行されなかった。満州にもたくさんの朝鮮人がいた。中国に帰化してしまえば、取り締まれない。朝鮮人の保護のため、という理由で派兵できる。 旧慣習を尊重するために異なる法律体系を用意せざるを得ず、そのため、外地、異法地域という区別ができた。 慣習をもとに朝鮮戸籍をつくった。 樺太は内地の戸籍法が施行されてない知人になった。アイヌは1933年から戸籍法が適用された。 台湾には戸籍制度がなく、結婚などで手続きが煩雑。内縁が増える原因。内地延長主義で台湾戸籍が作られた。種族、前科、アヘンの吸引歴なども記載された。 帝国臣民の中は、内地人、朝鮮人、台湾人の区別ができた。兵役は外地人は対象外。忠誠心が期待できない。最終的には招集されたが軍属として徴収された。武器をもたせることに危惧があったのだろう。その代わり参政権が制限選挙で与えられた。 創氏改名は強制だったか。届け出までは設定創氏、届出後は強制的に従来の姓を氏とした。法定創氏と呼ばれる。 近代国家は国民が存在しなければその体をなさない。 国籍法は満洲国になかった。 日本の国籍法は、帰化したものは日本国籍を失う=満洲国に移住したものを満州国民とすると、日本国籍を失う。 国籍法がなくても、建国宣言で慣習法として扱うこととした。そのかわりに民籍法を定め、徴兵の導入をした。大多数90%は漢民族。 戸籍は多数が戦災で消失。本人の申し出で再編された。特に東京の戸籍。なりすまし事件も起きた。松本清張『砂の器』はその例。 家制度は戦争で機能不全になり、御家断絶が激増。 日本国憲法で夫婦が平等となり、民法改正の前に、「日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律」ができた。家制度が廃止。 p221
0投稿日: 2026.01.07
powered by ブクログ「戸籍は家を管理し、維持するための制度」という論旨で貫徹され、その制度運営上の困難や矛盾について歴史を具体的に紐解きながら著述されており、大変おもしろかった。 すごく硬い印象の文がずっと続いた後、「サザエさん」の章で雲行きがやや怪しくなり、後書きでコンカフェに通うヲタクであることが明らかにされたところで、読み手としてはズッコケた笑
0投稿日: 2025.12.10
powered by ブクログ「家」とは「戸籍」のことである。家は家父長制においては国家の基本単位である。そうすると戸籍は国家の基本単位であり、それは「国家が個人をいかに統治するかという、いわば国家と個人との権力関係を帯びたもの」(あとがき)となるのであろう。 ただし、戸籍は無用のものであるとしている。政治学者の手による戸籍の真相を明らかにした本書を読了した。
0投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログ外国人と結構しても正式には戸籍には載らない 離れた暮らしの人の勘当は窮理 ルース・ベネディクト 菊と刀 武士と上人の結婚 功利主義 無宿 の意味
0投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
<目次> 第1章 「日本人」としての証明書 第2章 「古代の制度」がなぜ復活したか 第3章 明治国家が作り出した「家制度」 第4章 戸主という名の「君主」 第5章 「婿」と「妾」の国・日本 第6章 創り出された「日本人」 第7章 早くも現れた「限界」 第8章 戦前の「無国籍」問題 第9章 差別の温床として 第10章 「大日本帝国」の戸籍~朝鮮、台湾、そして満洲 第11章 国破れて「家」あり 第12章 「日本人」の再編 第13章 天皇に戸籍はあるか 第14章 『サザエさん』に見る戦後の「家」 終章 戸籍がなくても生きていける <内容> 戸籍をめぐる近代の歴史の本。こういう視点は歴史学にはないよね。著者は政治学者。日本史と歌いながら、古代から中世はちょっとだけ(最も中世に戸籍的発想はない。みんな自力救済)。近代以降の戸籍および「家」の追究。「家制度」が壊れている中、この本を読んでも保守陣営はなぜこだわるのかわからない。著者は、「家制度」はもう終ったから、夫婦別姓などを柔らかくと考えるべき、言っているが…。
0投稿日: 2025.11.07
