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飲中八仙歌―杜甫と李白―
飲中八仙歌―杜甫と李白―
千葉ともこ/新潮社
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総合評価

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    杜甫を主人公とした小説。杜甫の「飲中八仙歌」をベースに登場人物との関わりを描いていく。杜甫と李白の描き方、関わりは常識的とも思えるが、これ以上上手くは書けないだろう。なかなかである。他の登場人物が素晴らしい。特に賀知章、崔宗之。それほど有名ではない人物だが、さもありなんという感じ。焦遂は歴史上の人物かどうか不明で作者の創作に近いか。八仙の中にない阿倍仲麻呂も登場させる。これがまた絵に描いたような仲麻呂のイメージにピッタリ。素晴らしい。 よく分からないのが粛宗。若い頃はそれなりに魅力的で、杜甫との交わりは創作だろうが面白い。そして即位後の再会。面白くない。事実に近いのかもしれないが、もう少し面白く書けなかっただろうか。

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    投稿日: 2025.12.21