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ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか
ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか
西方ちひろ/集英社
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総合評価

5件)
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    2020年1月か2月か忘れてしまったけど、ミャンマーのヤンゴンとバガンに行ったことがあったので、タイトルを見た時すごく興味があって読み出した。 ミャンマー市民がSNSを使って世界に助けを求めていたのに関心を持たれず、自分たちで戦う… 私もそのうちの1人で今になって事態の深刻さを知りました。私1人で何かを変える力はないけれど、知ることは出来るんではないかと思った。どれだけ自分の世界が狭いのかを思い知った。たくさんの人に読んでほしい。ちょっと辛いけれど

    0
    投稿日: 2026.03.01
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    2人のミャンマー人にお世話になったことがある。 「Visit Myanmar Year 1996」で観光元年のミャンマーを旅行したときに、ガイドをしてくれた女性とドライバーの男性、たぶん、30代と20代くらいだったんだと思う。 2人のおかげで、今でも人生で1番心に残る旅行になっている。 それ以来、ミャンマーの動向はいつも気になっていて、死者数や負傷者数の発表があると、その2人は数に入っていませんように、と密かに願っている。 P.210 電話を切る前に、彼はこう言った。「君は今のミャンマーの不条理に、僕らと一緒になって怒っている。でも、君には僕たちの気持ちを本当に理解することはできないよ。自由で、お金持ちで、人権の守られた国で育った君には、絶対にわからない。・・・・・でも、わかろうとしてくれてありがとう」 --- この本を手に取ってくれる人が、1人でも増えますように。 表現に少し幼い感じがあって、ときどき読みにくいけど、きっと率直な戸惑いなのだろうと思うし、平易な言葉で書かれているので理解しやいと思う。 P.244 軍政打倒に挑むPDFの武力闘争も続いている。クーデター後の四年間で、全土で三万件近い武力衝突が起き、国軍による空爆は七〇〇〇回を超えた。軍の弾圧によって殺された市民は少なくとも約六五〇〇人、さらに二万人以上の「政治犯」が、今も刑務所の中にいる。 --- 2026年の今もこの状況は変わらない。 数字だけが増えたのだろう。 世界的にも民主主義が揺らいでいる昨今、著者の友人や元同僚は何を思うだろう。 私がお世話になったあの2人は、どうしているのだろう。 終章では少しだけ、救われる話も出てくる。 小さな積み重ねが大きな変化へと繋がりますように。 こういう世界はたくさんある、というか、こういう世界に住んでいる人の方が多いのだ。 自分の生活も、「こういう世界」になることがない、とはいえないことも、忘れてはいけない。 と思うなどした。 西方氏と高野氏の対談 (関係ないリンクって貼っていいのかな) https://wpb.shueisha.co.jp/news/politics/20251115-129192/

    3
    投稿日: 2026.02.15
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    高野秀行 "ミャンマーウォッチャーの私が強烈にお薦めしたい反軍・民主化闘争のベスト本" 『悪魔のいけにえ 公開50周年記念版』を映画館で観た翌日にこの本を読んだ チェンソーで人間を切り刻むレザーフェイス一家の恐怖よりも何十倍も何百倍も、ミャンマーの軍事政権がやっていることはグロテスクで恐ろしかった 2021年に軍事クーデターが起こり、産声を上げたばかりの民主主義が失われたミャンマー ベネズエラのように資源国ではないから他国からの関心は薄い クーデター前後のリアルを現地で見ていた著者のこの本も、 『出版社に送っても、このテーマでは売り伸ばせない、と断られ、幾度となく諦めかけた。』 軍事政権は、声を上げる市民を執拗に挑発し、罠を仕掛け、それにも乗ってこないと丸腰の彼らを殺し始める 市民がどれだけ徹底的に非暴力・不服従で闘っても何も変わらず、他国も助けてくれない 『何が正解かわからない。ただ、尊厳なき生に絶望したとき、武力闘争が唯一の希望になることがあるのだと、私はミャンマーで初めて知った。』 軍事政権の正義からしたら、武力闘争をする市民たちはテロリスト 『情報統制と、教育と、賄賂。軍政時代を知らない私が「軍政になると何が嫌なの?」と、周囲の人に聞いたときのトップ三だ。』 強力な組織の陰に隠れて、自己の利益を追求している顔の見えない強欲な人間が権力を持ち、善良な公務員も医療従事者もそしてたくさんの市民も拒否しているのに、中国・ロシアの強力な支援を受けてクーデターから5年経った今も軍事政権は揺るぎなく存続している The day after watching The Texas Chain Saw Massacre (Devil's Sacrifice: 50th Anniversary Edition) in theaters, I read this book. Compared to the terror of Leatherface's family dismembering humans with chainsaws, the acts of Myanmar's military regime were dozens, hundreds of times more grotesque and horrifying. Myanmar lost its nascent democracy overnight with the 2021 military coup. Unlike Venezuela, it's not a resource-rich nation, so international interest remains low. The author, who witnessed the reality before and after the coup firsthand, faced repeated rejections: "Even if sent to publishers, they said this theme won't sell well." The military regime relentlessly provokes protesting citizens, sets traps—and when they don't take the bait, slaughters them unarmed. No matter how thoroughly citizens resist with nonviolence and civil disobedience, nothing changes, and other countries offer no help. "I don't know what's right. But I learned in Myanmar for the first time that when people despair of a life without dignity, armed struggle can become their only hope." From the regime's "justice," these armed citizens are terrorists. "Information control, education, and bribes." Those were the top three answers when I, unfamiliar with military rule, asked locals, "What's bad about military rule?" Hidden behind a powerful organization, faceless greedy individuals pursue self-interest while holding power. Despite refusals from good civil servants, medical workers, and countless citizens, backed strongly by China and Russia, the regime endures unshaken five years after the coup.

    162
    投稿日: 2026.01.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ミャンマーで開発の仕事をしていた著者は、2021年2月の軍事クーデターからの1年間、軍政に反対し、行動する市民の声を丁寧に拾い上げて、SNSで発信しました。実際のところ、圧倒的な軍隊の暴力に対して、当初徹底的に非暴力で対抗した市民の唯一の希望は、自由と民主主義を標榜する国が軍事独裁政権に対して圧力をかけること、そのことでこのクーデター劇が終わることだったのです。著者が日本語で発信し続けることで、日本政府からの圧力を引き出すことをミャンマーの市民の期待していました。結局日本政府は市民の側ではなく、軍政の側につくことになるのですが。  クーデターの5年前まで、ミャンマーは軍事独裁制のもとにあり、市民は自由を奪われ、経済的に搾取されて非常な貧困の中に留め置かれていました。長い長い民主化闘争によってようやく自由と民主主義を勝ち取り、凄まじい経済発展が始まったばかりでした。  長い軍事独裁のもとで、市民は、軍がどれだけ酷いものか知っています。ある市民は著者に言います「覚えておいて。軍はあなたが思うより残酷よ」  著者は、市民が発信するSNSや、市民に直接話を聞いて、どれだけ軍が残酷なのか自らのSNSで発信しています。しかし、軍の残酷さのリアルは、そんなものではないとミャンマー市民は知っているわけです。  そんな残酷な軍は非暴力で抵抗していた市民を虐殺し始めます。そしてついに、市民は武器を取らざるを得なくなる。その一部始終が本書にあります。  クーデターから5年経ったいま(2026年)、軍政はまだ続いており、市民は自由も民主主義も奪われたままです。そして、本書にあるミャンマー市民は今もまだ静かに、勇敢に闘争しています。  ミャンマー市民の抵抗、闘争に僕は多くのことを学び、勇気づけられます。そして、いま何をすべきなのか、考えさせられます。

    20
    投稿日: 2026.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界でいろいろな境遇な人がいる中で、そういった人と対面した時に私はどうしたらいいんだろう、と思って読んでみた。 民主化してたった5年だったのか、なんて不条理なんだと思った。市民レベルでどのような変化があったのか、どんな思いで日々を過ごしているのか、そして将来にも大きな影響が及んでしまうことも、想像できるようになった。 この時に見た景色が確かに力になり、絶対前には戻りたくないという強い思いになっていると感じた 心に残った言葉 ◾️Freedom from fear スーチーさんの言葉。自分の中にある恐怖心から自分を解き放ってこそ本当の自由 この言葉に沿って、一人ひとりができることをしていた。前線で戦うことも、夜鍋を叩くことも、デモ参加者の帰り時間に無料バスを出すことも、不買運動も、CDMに参加することも全てリスクがある。未来の子供たちのために、という言葉が何度も出てきて心を打たれた 強いんじゃない、強くあろうとしているんだ 特に8888を知らない若い世代の勇敢な姿が、親世代も巻き込んでいると聞いた ◾️あなた方の自由を持たない人のために使ってください これもスーチーさんの言葉。著者はその力を使って本を出したし、私は最新のニュースに触れることができる自由を使ってミャンマーの情勢を追っていきたい⭐️何も詳しくない私は著者のように情報発信することはできないけど、難しく考えずに、背伸びせずにできることをすれば良いと思う。何をしないより全然良い 同様に国際社会にも助けを求め、平和的デモを英語でアピールする姿はすごく必死さを感じて辛かった。国際社会が無視したのか、無力だったのか、私にはわからないけど、国内でどうにもならない時、いかに外からのサポートが必要なのかよくわかった ◾️預けた暴力の権利を取り戻す 国が暴力の権利は本来正しく使われるため。なのにいまのミャンマーではそれが正しく機能しない、だからそれを自分たちの手に取り戻すことは仕方ないのではないか、そう言われるとそうなのかもしれないと思ってしまった。

    3
    投稿日: 2025.12.31