
総合評価
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powered by ブクログ「手探りで体重を増やしていく」 という言葉に、ぞくりとするリアリティがある。 野毛の寮の改築も宣伝活動と考えた 偉丈夫の口から聞く若手時代の実話は 「筋肉はドレスですから」時流の最先端を捉えた発言だと思いながら、彼の変貌ぶりに驚かされた。もやしとは言わないけれど、以前は葱位には白くて細かったのに、首や肩の筋肉が盛り上がって別人のように逞しく、そもそもこういう強気の物言いをする人ではなかった。筋肉という存在は、人間の内面をも変えるのだろうか。 可能性と限界との間、曖昧な領域に属するもの。稀代のナチュラル・ボーン・マスターの言葉は、サプリメントの本質を鋭く突いていた。 拙速に結果を求めては本末転倒になると釘を刺す 筋肉は年齢に関わらず成長する。この事実が、「筋肉は裏切らない」という言葉の根拠だ。 筋肉は、自分の身体の中で鳴りを潜めている野獣であり、摂理であり、宇宙。筋肉という名前の無限大の宇宙のあちこちには、幾つものパンドラの筺か浮かんでいた。 身体の内側に潜んでいる無限の数値が、自分を承認したり変えたりする原動力になり得る。 「言い方悪いけど、キモチワルイ。写真は無月経になってしまった25歳の私。メンタルを破壊して無月経になるまで追い込む事が本当に格好良いものなのか。女子選手はしっかり考えて欲しい」 スポーツの良さは、自分でも想像出来ない自分に出会える事。その一方、弱さに打ち克つ事は、自己否定と背中合わせになる事があります。 自分の柔道人生に向き合って繰り出した、痛快な一本。「嫌いな訳じゃ無いですけど、好きって訳でも無かった」という言葉の余韻が深い。 そのアイスクリームは「ギルト(罪悪感)フリー」 強さへの惜しみ無い拍手。弱さや痛みへの共感、或いは想像力。スポーツは、人間の強さや弱さ、迷いや決断、全てを引き受け、試し、露わにし、余すとこ無く描き出す。だからこそ、人間を惹きつけてやまない。 多様な問題が坩堝の中で紛糾した「スポーツの祭典」を介して あからさまに女性の健康を国が求めたのだから”お上“のやる事は恐ろしい 高齢者にとってはフレイル(虚弱)やサルコペニア(筋肉現象)予防の側面も見逃せず 置き換えてみれば余情が入る隙の無い無機質な数字だが、しかし、その内部には熱い血の迸りや複雑な感情が有る。 鈍重なもやもやを取り払えたら ジャンルを問わずスポーツを観る事そのものに不思議なカタルシスを覚える事に驚きや発見が有った 『我が友、スミス』
0投稿日: 2025.12.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
エストロゲンは明らかに身体機能の一部として重要な役割を果たしている可能性がある。エストロゲンが女性における筋力維持や運動能力レベルにおいて生物学的役割を果たすことを示唆している。骨量や筋肉量・筋力の維持作用があると言われている。 スポーツに関する本は今まで縁がなかったけれど、食事の重要性やアスリートの食事や精神面など、自分に参考になることは多かった。筆者のアスリートの心情などの表現力が富んでいる。
1投稿日: 2025.10.29
powered by ブクログ食をライフワークとして書き続けてきた著者の集大成にして新境地、格闘技や陸上などの一流アスリートと食を通じて彼らの競技を支えるスポーツ栄養士や研究者らとの対話から食べることと身体の関係をあらためて問い直す。元は「小説新潮」の連載で、単行本『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』(2023)から文庫化に当たって改題し、巻末に「それぞれの現在」と文庫版あとがきが加筆されている。 最初の相撲部屋の話がいきなりおもしろすぎて、読み始めたらぐんぐん読める。次のプロレスラーの話もおもしろい。勝つために必要な筋肉や重みをつけつつ動くうえで負担にならないベスト体重を見定めてストイックに食事管理している姿にはおどろかされた。戦える身体を維持し強くなるためには、専門家と組むのも大事だけど、なにより自分の身体と相談しながら食べ物を自覚的に選んでとることが大事なのだとうかがえる。 続くタニタの体脂肪系開発者のお話や腸内環境の研究者、陸上競技の選手や公認スポーツ栄養士などの話もそれぞれ興味深く、話は脂肪や筋肉といった身体づくりのみにとどまらず、(アスリートの)心身を整えることひいては自己実現に話は広がっていく。女性アスリートの身体づくりをめぐる問題などはさらに深堀りしたいところ。 わたしたちはみな、ままならない身体(や心)からのがれられないけれど、ままならぬなりに自分の心身の声を聞いて自分の目標にかなう動きができるように工夫することはできるから、もっと自分の体と相談してくらすのがいいのだと思えた。
1投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログルポと銘打っているからか、説明が多かったり、著者の感想が冗長に感じるところが多数あったが、現場のアスリートや研究者などのコメントの数々は興味深かった。 なお、最後のそれぞれの現在の章をざっと読むと分かりやすいと思うが、序盤、全体の40%ぐらいは相撲からプロレスの話で、そこから研究者、栄養士、陸上の方など別のタイプの方の話が出てくる。 最終的には他のアスリートも裏方も出てくるのだが、最初はこれずっとデカい男性の話がずっと続くのかな、と思ってしまった。 食べた物でカラダが出来る、というのはよく言われる事ではあるものの、様々な方のインタビューから改めて感じた。
0投稿日: 2025.10.06
