
総合評価
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powered by ブクログ重度障害者にとって、本は紙じゃないとねーというのは、まさに五体満足な人間の傲慢に他ならないという事を、それを小説で書いちゃうんだ…っていうのが驚きというか…だけど本当にそのとおりだなと身につまされる思いだった。 いろいろと、常識をぶち壊してくる視点からの言葉が鋭い作品。
9投稿日: 2026.04.29
powered by ブクログ作者自身に重なるところもあるだろう、湾曲した脊髄から絞り出された生の言葉たち。 田中さんとのやりとりからのラストは呆気に取られた。 そこまでしてやることなんだ生きるとは。
0投稿日: 2026.04.29
powered by ブクログ強者であるか弱者であるかなんて、いつだって環境次第で立場が入れ替わる、社会で生まれるだけの不安定な評価。意識せずとも強者側に立ってしまい誰かを傷つけることだってあるし、弱者側に回って否応なく存在を否定されることもある。 差をなくす、手を貸すという発想が両者の関係に格差を生み、差別の根源となっているのか。 近頃多様性を振りかざして障害を個性と捉えようとする社会的な風潮が見受けられる。優しい子が生まれますようにと願うなか、障害を持つ子が生まれますようにと願う人はいるのか。望んでいないものを持ち合わせている人に「個性」と押しつけるのはなんと浅はかな配慮。配慮ですらない。残酷な仕打ち。扱いづらいものを自分の体裁の内側に振り分けるための、見て見ぬふりをするためだけのカテゴライズ。自立するのも保護対象にされるのも、周りの扱い方次第。それこそが差別の正体なのでは。 障害を福祉として捉えるから、自分とは関係ない遠いものとして認識されるんだ。
0投稿日: 2026.04.28
powered by ブクログ色々想像していた内容と違くて、どんな話なのかと言われても表現に難しい本というのもなかなか珍しくて斬新だったなと思った。 読書のことを、健常者の贅沢と表現しているところに衝撃を受けた。 確かに、我々が今も普通にできることが難しい人もいるのは頭では分かっているのに、具体的にこれと思い浮かばない自分がいかに傲慢だったのかと気付かされた。 でもこれを言うと全否定になってしまうかもしれないが、充分なお金があるからここまでサポートして貰えるんだなぁと思ってしまう。 そうじゃない人はどう生きていく術があるのか、知っておきたいなと思った。
52投稿日: 2026.04.27
powered by ブクログ苦しい読書だった。その辛さは、あたかも主人公の井沢釈華が、いわゆる『紙の本』を、先天的な身体的拘束によって苦しんで読む時の、あの一連の呪詛に満ちた苦しみのようであった。 だがこれはこの作品を否定しての表現ではない。苦しい読書だったという表現は、もしかすると著者の市川沙央さんへの大きな激励になるかもしれないからである。僕は、半ばそう信じながらこの感想文を綴っている。 そしてその苦しさは、まさに彼女の(比喩としての、または直接的表現としての)呼吸の苦しさを、図らずも追体験したからこそ、生まれ出たものだと思っている。 ここからは、さらにこの『ハンチバック』の深淵に、可能な範囲で踏み込んでみよう。 ネタバレを含みうるため、未読の方は作品を読んでからもう一度来てほしい。 釈華はその障害特性から、一見すると弱者と思われがちだが、実は金銭面では強者性を併せ持っている。 ヘルパーの田中さん(小説の文面のまま記載)は、彼女を介助したり、あるいは文字通り色々なことをしたりしている間に、しばしば彼女のその強者性を指摘して羨む。 そこでその強弱関係が入れ替わる。その模様はあたかも二人のダンサーが、華麗にツーステップを踏みながら踊るかのようだ。 もちろん『華麗に』のような言葉は相応しくない。しかしそれでは一体、どのような言葉が相応しいと言えるのだろう? 例えば『無惨に』というような言葉が、さらに相応しくないことは、誰の目にも明らかだろう。 そう、僕は今、この感想文を書くことにも一縷の苦しみを味わっているのだ。これは、極めて難解なこの作品の感想文において、適切な言語表現を捜す苦しみである。 たとえば僕がその障害に心から共感し、読書中に自分を投影できたかのように、いわば美しく書いたとしても、彼女たちはすぐさまその欺瞞を喝破し、僕の健常者至上主義(マチズモ=男性的強者主義)を嗤うだろう。 かと言って、僕はこの作品を口汚く罵るつもりは毛頭ないし、そんなこともできない。 思ったことをそのまま、時として挑戦的に書けばいい、そう気づかせてくれたのは、奇しくも小説本編に匹敵する分量を持つ、付録の往復書簡集だった。 この書簡集の荒井裕樹さん(先生と呼ぶと、途端にマチズモが顔を出すため、あえてこのように記載する)の文章でのやりとりは見事だ。 時にあえて挑戦的に書くことで、かえって市川さんに誠意を見せながら対応することに成功しているように見えるのだ。 それに対しての市川さんの挑発に満ちた返事も、漆黒の輝きを放っている。特に感銘を受けた一節を引用しよう。 「本当は障害者だけでなく、この世界の誰でも、ありとあらゆる他者の手を間接的に借りて生きているのです。障害者はそれを直接的に体感してしまうというだけです」 市川さんは言葉を嫌うと言う。それはたとえば障害者を『障がい者』と記載するような、見たくないものに中途半端な蓋をするかのごとくの、着飾った『言葉』にこそ向けられている嘔吐感だろう。 彼女はおそらくこのような記載も憎み、嘲弄しているのではないだろうか。彼女の冷徹な眼差しは、今日もスクリーンの向こうにいる、僕ら読者を見据えて鋭利な光を放っている。
54投稿日: 2026.04.21
powered by ブクログ障害者が書いた障害者の小説はあまりない上に、完成度も高いと感じた。意義のある作品という強い印象と共に頭に残る。そしてとても今の社会の現代性ともいうべきものが描かれているのもよかったと思う。障害者と性との関係性はかなりセンシティブなことだと思うが、そこを避けるのではなく飛び込んで書いた姿勢もよき。
2投稿日: 2026.04.16
powered by ブクログものすごい読書体験でした。 芥川賞作品らしい重厚さと、聞き慣れない専門用語の多さ、当事者だからこそ書ける生々しい事実が物語を難しく感じさせられた。 読み終えた今、今までどれだけ自分が無自覚だったかを思い知らされて、正直、恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。 私たちが何気なく楽しむ「紙の本の手触り」さえ、障害当事者には物理的な障壁でしかない。電子書籍やオーディブルが、どれほど切実な「読書のバリアフリー」であるか、本書に出会わなければ気付かなかったかもしれない。 特に刺さったのは、主人公が自分を「ハンチバック(怪物)」と呼ぶこと。 元ネタの『リチャード三世』では、怪物は外見ではなくその心が醜かった。そう考えると、無意識に差別やバリアを放置している「健常者」の心こそが、本当は歪んでいる(ハンチバックである)のではないか……そんな疑問が頭から離 れない。 また、「妊娠して中絶したい」という願いには衝撃を受けた。しかしそれは、出生前診断による命の選別や、「障害者は生まれてこない方が幸せだ」という健常者の独善的な価値観への強烈な抗議である。女性として、そして一人の人間として対等に扱われたいという、心の叫びにも聞こえる。 常に喉に絡み付く痰の描写も、彼女の飲み込むことができない気持ちを表しているようで息苦しさを感じさせる。 ふとアメリカと日本の障害者に対する違いは何だろうと疑問に思い調べてみたら、アメリカでは戦争で障害を負ったベトナム帰還兵が抗議の声をあげたことが強力な法律を作る原動力になったようだ。その当時のスローガンが【私達のことを私達抜きで決めないで】という姿勢が社会に徹底されているようだ。 結局、当事者じゃないと本当に必要なことなんて分からない。 多数派(健常者)の声にかき消されそうな意見を、汲み上げる。そんな社会の構造こそが必要だと痛感した。物語としても、社会問題を提起するだけでなく、ラストも「これってどっちなんだ?」と背筋をゾクッとさせられ凄みのある力強い一冊でした。
61投稿日: 2026.04.13
powered by ブクログ読後は、うーん。。モヤモヤという感じだったが、後から色々と考える材料を与えてくれるいい作品かもしれない。 紙の本を読むのは健常者の贅沢というのは,あまり考えたことがなかったが,そうなのかもしれない。 主人公は重度の障害を持っているため,普段は気を遣われてしまい、遠い距離でしかコミュニケーションが取れない中、介護士の弱者男性の田中さんは距離感を間違えて、感じの悪い失礼な事を普通に主人公に言うのだが、主人公にとってはむしろ対等な距離で接してくれたことに喜びを感じる。 障害者の気持ち、接し方は本当に多種多様で難しい。自分が普段考えないことを考えさせてくれる本だった。 メタ的な視点になってしまうが、著者は当事者としての作品しか書けないのかなと思うと切なくなった。あまりにも当事者性が強く、それでも良いと思っての作品なのか、、?疑問に思った。
1投稿日: 2026.04.12
powered by ブクログ色々なことに気を使いながら生きていたと思っていたけれど、そんな自分の中にも無意識に存在していたマチズモをガツンと認識させられた。 「本好き」たちの無知な傲慢さがあったと思う。月並みだけど、障害者についてもっとよく知りたい、知っておかなきゃと思った。
0投稿日: 2026.04.07
powered by ブクログ赤裸々というのか露悪的というのか? 性的な、インモラルな欲求をあけすけに表現する障害当事者女性の放つ猫騙しだった。 障害当事者の話しか書いちゃいけないなんてことはないんだけどこの人が感じてきた怒りをもっと知りたいと思った。
0投稿日: 2026.04.03
powered by ブクログエロとかブラックなユーモアはやっぱり笑える、というのが本音。嘲笑的なことではないし、障害者に対して差別的な意識はない、と自分では思うけどそのへんはよく分からない。とにかく作者・市川さんのユーモアセンスは自分に合ってるように感じた。 障害者である自身への諦めが染み付いている感じ。僕は障害を持っていないけどこの感覚は自分にもある、分かるよ、と思った。健常者と一緒にすんじゃねえよって感じだろうけど、でも分かる。 痰の描写がすごく多い。何度も出てきて、状況や感情の描写に絡ませてくる。当事者にとっては生活の中でずーっと付き纏うもの、それ中心に動いているといっても過言ではないんだろうな、というのが伝わってくる。 最後の展開は賛否が分かれそうだなあとは思って、文學界に掲載された選評でもほとんどの意見がマイナスだった。が、個人的には好きだった。 障害をテーマにしているが、暗すぎず、むしろカラッとした印象を持ちながら読んでいたところ、最後の章で一転してじめっとしていて、かつ凄く寂しい気持ちになった。これが現実なのか、主人公・釈華の願いなのか分からないけど。
1投稿日: 2026.04.03
powered by ブクログ障害についての自分の考えがあまりにも表層的で、傲慢であることに気付かされた。この本を読むまで、自分は思慮ある人間くらいに思っていたのが恥ずかしい。それくらいに知らない世界で、知ろうともしてこなかったんだなぁと反省… 話自体は短いけど、すごく衝撃を受けました。再読したい。
0投稿日: 2026.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ハンチバック(作中ではせむしとも)とは、先天性ミオパチーによる重度障害で背骨がS字に湾曲した状態を意味するらしい。 障害を抱える女性の生活が描かれる。 ハンチバック以外にも、マチズモ(健常者優位主義)、インセル(不本意な禁欲主義者)、きょうだい児(障害や難病のある兄弟姉妹)、プロチョイスとプロライフ(中絶における母体の選択権と胎児の生存権どちらを優先するかの立場)、インターセクショナリティ(複数のアイデンティティが組み合わさることによって起こる差別)など、知らない単語がたくさん出てきた。はっきり言うと、私が健常者で当事者じゃないから深く考えたことがなかった。 作者自身が先天性ミオパチーを患っていることを知り、当事者の思考だったのかと主人公の思考に説得力が増した。 普通の女性みたいに妊娠して、(生むのも育てるのも難しいから)中絶したい。 そのためにヘルパーの男性(自称弱者男性)にお金を渡して性行為をしようとするが、行為中に喉が詰まって体調をくずしてしまう。ままならないなと思った。 障害を持っていること、女性であること、この2つの属性を持つことで生じる苦悩が妊娠。障害を持っているから子供は産んではいけないのか、産めないのか。 主人公は腰の関係で紙の本を読むのもままならなくて、読書も健常者優位な行為として書かれていた。そこまで考えたことがなかった。 作中にはプロチョイスプロライフに関する実在する団体や活動が紹介されていて勉強になった。
0投稿日: 2026.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
率直な感想、小説としてはかなり好きな部類。 100ページ足らずの文章の中にいくつもパンチラインが記されていて常に私に問いかけてくる。 先天性ミオパチーと呼ばれる重度障害を患う釈華が「健常」と「障害」という視点から生活、社会…さまざまなのに斬りかかるような文面が面白い。覚悟を持ってはっきり言うと自らを「せむし」と表現するだけあってすべての物事に対して捻くれていて、それでいて人間味があるところが他の小説とは一線を画すところ。 例えば、弱者を自認する介護スタッフ、田中に対して「うわあ、やべえ奴だ。」と言い切ったり。 だけど、個人的にはあとがきの往復書簡は微塵もささらず…。障害者と健常者に線を引いたり、多目的トイレや紙の書籍に対して障害者を排他的に、あるいは見ないものにしていると言うような主張が多々、見受けられたが誤解を恐れず言えば「結局、多数決の国のやること」なので期待しすぎても難しい。 そして、障害者を障害者という括りで見ていいのか?とか、じゃあ個人個人のパーソナリティはどこまで拾えば満足なの?とか。 なんか、とても賢い方々がゴネてるから正論のように聞こえる現象に見えてしまうのは、私の精神が曲がってる?
1投稿日: 2026.03.17
powered by ブクログえぐい 痰が溜まり肺が詰まり、読んでいる間なんかずっと息苦しい感覚 色んな意味で、当事者でなければ絶対に書けない 障害者は清らかなものではないと健常者には描けないと思った 往復書簡も読んでいて、停電で命を繋げなくなる恐怖とか、当たり前だけど想像が及ばなかったな 目が悪い=視覚障害者は眼鏡やコンタクトレンズのおかげで健常者として生活できていて、本来全てにおいてそうなるべきという言説を聞いたことがある 健常者優位主義とはまさにだな
1投稿日: 2026.03.17
powered by ブクログ「通俗道徳に抗する破壊的な物語」(文庫版に追加収録された往復書簡より)という著者の表現が一切大袈裟なものではなく、むしろその破壊性は二重にも三重にも折り重り、かつ簡単には消化させないものを読突きつけられた。複雑で破壊的なものを同時に体験する稀有な体験だった。
0投稿日: 2026.03.08
powered by ブクログ「私は紙の本を憎んでいた。…その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。」という言葉が印象的だった。 (『ハンチバック』市川沙央 著) 当たり前として見てる世界、偏狭なものの見方している自分の中にグッと入り込んできた。自分は健常者であることを自覚して、本当の世界は自分が一方的に認識している世界とは違ってるんだいうことを強く突きつけられた。健常者優位主義か。
0投稿日: 2026.03.07
powered by ブクログ文学を感じる一冊。正直まだわかってないが、往復書簡のやり取りを見て、一つの解釈として捉えられるものがあった。シンプル化した世界において、コンテキストに深みのある作品でもあることを認識し、また読み直そうと思いました。 健常者、非健常者の人間性みたいなとこに感じれる作品。 (非健常者の人間らしさをひとつ感じ取れるものと、機械によって生きやすくなってるものの、機械に生かされてることにる人間らしさが損なわれることもあるのなーと思いつつ。。) 文学に普段触れてない自分には難しく、知り合いにも紹介はしづらいものの、また読みたいと思う作品でもあり3.0にしました。
0投稿日: 2026.03.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても感想なんて書けない。衝撃。 …何が?驚くようなことないでしょう。 往復書簡のやりとりがセクシーでかっこよかった。
0投稿日: 2026.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 読んでいる間に、主人公と著者本人を重ねて理解してしまうあまり、主人公に反感を覚えることに罪悪感を覚えるような不思議な感覚だった。 主人公の中絶したいという感覚や、性的な関心の大きさに引いてしまうところがあったし、違う惑星に住む人のような違和感を覚えたり、苛つく部分もあった。不思議の国のアリスのような。でも、この作者が書いてくれなかったら、この世界があったことに気づけなかったのだし、怒りを感じることも目論見通りなのかもしれないわけだから、書いてくれたことに感謝したい。 お話自体の話を考えるならば、主人公以外の登場人物の造形がやはり少し弱いだろうと思った。それから、エンディングの未来へのシーンの転換は唐突で、私にはちょっと早すぎる 感じがした。
1投稿日: 2026.02.15
powered by ブクログ「憎しみ」は「憧れ」を内在している。そして、その僅かに混じった「憧れ」に己の尊敬や実在を託すことで生きていける事もあるなどと思った。
6投稿日: 2026.02.09
powered by ブクログ障害を持って生まれた人間の人生観。主人公の性格が悪くて、哀れな感じに映らない描き方が良かった。 障害をもった体で潔癖症で古本が読めない、読書もバリアフリーではないというのが印象に残っている。
5投稿日: 2026.02.08
powered by ブクログYouTubeで評価の高かった芥川賞受賞作、予想以上に面白かったです。ミオチュブラー・ミオパチーによる重度疾患をかかえる主人公が語る諦念・願望・怒りなどが、アイロニーを混えて軽快に豊かな表現で描かれ、たった70ページとは思えないほどの重厚な物語に感じられました。 主人公が言う「堕胎がしてみたい」「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」という願望も、その合理的理由に納得感がありました。
15投稿日: 2026.02.08
powered by ブクログおいおい、刃がこっちを向いてるぞ。 真の平等とは何かを考えさせられた。同じ人間である以上、特別扱いも腫れもの扱いも違うんだよなあ。「個人を尊重しよう」と言えば簡単だが、この尊重という言葉も難しい。 何をもって尊重と言えるのか。個々人のバックグラウンドを考慮せずに均一的な接し方をするのも多分違う。 多様な価値観を理解する必要がある。いや、価値観を理解し受け入れる土壌を持つべきであるというのが正しい気がする。 読書そのものも、あるいは特権的な行為と言えるだろうが、それでもなお、多くの物語に触れて自身を耕していきたい。
0投稿日: 2026.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なかなか内容が難しめと感じました。 表現も普段関わりが内容医療の分野、そして生活の様子のためイメージがしにくいところですが、それでも情景が浮かんでくるところに著者の表現のうまさを感じました。
0投稿日: 2026.01.11
powered by ブクログ純文学って、本当に難しい。 なんとも言えない心の中とかすごく繊細に描けてると思うけど、本当に難しい。
0投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログ『ハンチバック』読了。 ケア関連の本が続いていますが、、、すごく衝撃的な本でした。健常者ではない方しか分からない感覚を身体的精神的社会的なあらゆる角度から突きつけられ問題提起しているような内容でした。 普通の人が普通にできていること対し人の手を借りなきゃできない。そんな人たちの尊厳や生きる権利を保つために点数化加算され福祉サービスを受けなければ成り立たないとなれば、すごく憤りを感じるよなあと思う。健常者がやってそうなことをしてみたいと大金を払ってまでしてしたわけだけど、結果的に入院してしまうことになる。そんなことも制限されてしまうのかって思う。 障害やハンデを持った人たちはこの世に誕生しちゃいけないのか。当事者たちや現場で関わる人たちはどんな気持ちでいるんだろう。きいてみたい。 2026.1.10(1回目)
8投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログ口内で数年前の田中順さんの手術痕を判別できたのは、麻雀でいう盲牌以上の繊細な感覚の持ち主なのか、それとも凡人にでも丸分かりなのか気になるところです。その後の飲む行為は、願望のほんの一部が叶ったと理解します。順さんは、当初の約束を放棄してまで職場を離れた理由についても考えたい。小柄でモテない男と障害を持つ女の話というより深い深い物語でした。
1投稿日: 2026.01.09
powered by ブクログ今まで読んだ作品の中でも群を抜いて衝撃的な作品。 内容そのものも素晴らしかったが、特に本編終了後の往復書簡がなりよりも面白かった。 健常者至上主義や、特権性に気づけない話は無意識下での偏見や差別を認知できる体験になった。
8投稿日: 2026.01.06
powered by ブクログ会見の時の作者のドルバガの服が印象的でずっと読みたかったもの。 障害、排除、権利、弱者、すべてこれまで健常者としての意味しかしらなかった言葉たちの、新しい意味を知ることができた一冊だった。 主人公がお金で中絶を買ったこと、それは異質なのか?強者と弱者の関係では誤ったことではないのだろうか?それは健常者に与えられた権利と同等なのか? 平等とは難しい課題だ。
1投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログ作者と井沢釈華が終始重なって見え、エッセイを読んでいるような感覚にもなる作品だった。文庫版後半の往復書簡を拝読すると、作者は主人公である井沢釈華をしっかり別人格として生を与えており、作者と主人公の重なる部分と非なる部分が明確になってそれも面白かった。 強者と弱者が多角的に、かつ相対的に表現されている作品だなと思う。絶対的な強者、弱者は存在し得ないからこそ、人間は自己や他者に対して複雑な感情を持ち、苦悩するのかもしれないと感じた。
2投稿日: 2025.12.18
powered by ブクログこの作者の視点でしか書けない作品。 健常者という劣等者であることを自覚させられた。 視野はそれぞれが狭く、それぞれがその狭い世界を生きていることを実感させられる。
0投稿日: 2025.12.15
powered by ブクログいつもエンタメ小説ばかり読んでるのでたまには純文学もいくかと思って手に取った 話の中身が面白いとかはなかったけど、文章の手触りがエンタメ小説とは違くてなんかハマるきっかけになりそうな感じした
0投稿日: 2025.12.15
powered by ブクログこじらせ女子が初期衝動で書いたパンクのような作品と思いながらも、芥川賞授賞式の車イスの市川沙央さんを思い浮かべると勝手にバイアスがかかってしまい、なんか自分の中の色んなものが炙り出されてしまいます。 でもパンクのような小説、嫌いじゃないです。面白かった。 授賞の3年後に読んだくせに「出来れば作者が無名時代に予備知識なしに読みたかったな」とは私の勝手な願望です。
23投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログどうしても普段障害者目線で物事を見ることがないので、紙の本を読めるのは5つの健全性が揃っていてこそというくだりは、今まで考えたこともない視点だったなと感じた。
0投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・読者バリアフリーという概念を知る。読むという行為自体が強者性を帯びたものだというのは考えたこともなかったので、すごく勉強になりました。 ・一方、文庫版の往復書簡内でも話されていたように、ある観点では強者である人物がまた別の観点では弱者になり得るというのは、障がい者でなくても起こり得ること。そのために福祉が存在するというのも、福祉が誰にでも開かれたものであるべきという視点を再認識させられる内容だった。
0投稿日: 2025.11.20
powered by ブクログ恥ずかしながら「ハンチバック」という言葉を知らなかった 読書文化のマチズモ、そんなこと想像もしたことがなかった 日々勉強
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ自分の無自覚な差別意識に気づいて苦しみながらも、どうしても先が気になって読み進めてしまうあたり、さすが芥川賞受賞作 すごくよかったのに、いい感想思い浮かばんのがくやしい
0投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログ私が障害について考えるようになった原点は、小学生の時に乙武さんの五体不満足を読んだこと。それから、私なりにいろんな視点を持って生きてきたつもりだったけど、全く知らない・考えたこともなかった世界が描かれていて、強烈なパンチを食らった気分。おもしろかった!(という感想がふさしいのか?という疑問がよぎりつつ、あえて普通の感想を述べる。)
0投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やな小説。別に障害者だから品行方正お涙頂戴をやれとは言わないが、インテリを気取りペダンチズム丸出しで、逆に安っぽい。ネットスラングもまた現代を表す日本語表現なのかも知れないが、どうなんだろう。まあこれ一発で終わりじゃないすか、という感じ。
0投稿日: 2025.11.12
powered by ブクログ読後感を表すなら、どんと鈍い音を立ててぶつかられたような感じ。攻撃性のある言葉によろけても、理解出来なかったで終わらせたくない。 紙の本を捲る指を見つめて考える。当たり前だったことが、今は当たり前に思えないのだ。 この変化こそ読書の醍醐味だなと思うのです。
12投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログ本作の文庫版には、作者と文学者との往復書簡も掲載されています。そのなかで作者は次のように言います。 「ある一面では弱者であっても、別の一面では強者である――このようにして強者と弱者の相対性を自覚することは、誰であろうと必ず持つべき観点であり、現代の社会に広がる意識の分断に呑まれないためにも効果的な処方箋せんだと思っています。何よりも大事なこととして、こうした思考法を自己正当化のために用いるのではなく、相互理解ということを忘れないでほしい、絶対に諦めないでほしいと私は思います」 障がい者が住むグループホームを舞台とした本作。そのように限られた空間においてはケアする者とケアされる者とのあいだ、あるいはケアされる者どうしのあいだにも、強弱の関係が生まれ、その関係性は絶対的となる傾向が強いです。しかし、それでも本作は「ある一面では弱者であっても、別の一面では強者である」と伝えようとしていることが、本作からはひしひしと伝わってきます。 語り手の主人公は悲観的な状況にあるともいえます。しかし、サイトでTL小説を書き、SNSで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」などと呟き、そのように言葉を飛び道具として使うことで、ある種の出口を見出します。主人公は閉塞された環境に置かれていますが、不思議と閉塞感はあまり感じられないのは、オンラインで書くという行為ゆえかもしれません。 芥川賞作家による本作。まずは作家のインタビューを読んで、その快活さと新奇さに惹かれて読んでみました。予想していたより短く、短篇と長編のあいだの中篇に近い長さです。個人的には適度でした。
2投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ強者と弱者の2項対立はシチュエーションによっていくらでも入れ替わってしまう。圧倒的大多数強者側の人間には想像もつかない弱者の苦悩があり、その表現が切実に書かれていた。 でもいわゆるネットスラング?などの言い回しがなんだか受け付けられなくて⭐︎3つになってしまった…
0投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログルサンチマンの中にあるルサンチマンを知る 自分の知らない事情が世の中にはまだまだ多すぎることを知る
0投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ正直なところ、初読ではうまく咀嚼出来なかった。自分とは違う視点、考え方を伝えてくれる文章を読むことが好きなのですが、性格上、自分と違う意見を飲み込むためにはどうしても時間がかかってしまう。時間を空けて再読したい。
13投稿日: 2025.10.28
powered by ブクロググループホームで過ごす背骨が極度に歪曲した釈華の日々、そして健常者だったならなんてことないはずの一大事。 どう終わるのかと思っていたら、それまでの釈華の視点から健常者に戻されたような、読んだ後で〈強者〉や〈弱者〉ということを考える一作。 芥川賞受賞後に、読書のバリアフリーについて触れるニュースが多いと思ったら作中でそのことに触れていたのかと今更知る。 巻末の往復書簡のおかげで、飲み込むための時間や猶予をもらえた気がする。
0投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ本文だけでは自己完結も一切できず難しかった。ただ、その後の往復書簡にて理解を深める手助けがあったので、段々と再読が楽しくなった。
0投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ第169回芥川賞受賞作 著者によると怒りだけで書いたとのことだが、渦巻くような、それでいて淡々とした怒り、妬み、蔑み、諦念がその露悪を突出させたように感じた 『私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページをめくれること、ーその特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。』
1投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ社会は多数派によってデザインされてる。身体が健康じゃないと、できないことって読書以外にもたくさんあるよ。選挙とか。運転免許証を身分証として使うとか。
2投稿日: 2025.10.24
powered by ブクログネットスラングやビジネス用語、医療器具など小難しい言葉で、強烈な表現をしているのでドン引きしながら読んだ。 読書好きをグサグサ刺す棘のせいで評価ガタ落ちになっているのが面白い。 それに加えてホラー映画好きの私としては、見世物が禁止されてホラーが流行ったという指摘に「ウッ」となったが、『ヘレディタリー』や『マリグナント』など最近のホラー映画は平気で障がい者をホラー要素として使っており、隔離するつもりのない表現者もいるということは弁明しておきたい。
1投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログ短くて読みやすい。障害があるということ、その大変さや生きづらさを、思わぬ角度からも教えてくれる、重たいような感じがするのに、なぜかそんなに心が暗くならない。絶妙なバランス感覚が、作者のセンスなんだと思った。
0投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログ世界から宙ぶらりんになっているように感じる人は絶対に読んだ方がいいと思う。だからと言ってこの本が自分を受け入れてくれる様な存在ではないけど。もはやそういうことがこの本という感じだった
1投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログキレキレの社会風刺。あなたにとっての当たり前は私にとっての当たり前じゃない。簡単にあなたたちは言うけど、そもそもそれをできるものじゃない私たちはどうしたら?という社会の当たり前の概念を壊してくれる。 内容は性的要素があり、そう言う本として読まず、なぜこれがテーマに描かれてこんな描写があるのか、考えてみるべきだとおもう。
8投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログ紙の本が好き、という言葉を発する時、その先に障害者の姿は無かった。先天性ミオパチーという難病により背骨が大きく湾曲し、気管切開や人工呼吸器を使用する女性の苛烈で生々しい「生(性)」を描く。障害者に対する社会や世間への怒りとアイロニーが、鋭利な言葉と瑞々しい感性、そして呪詛とユーモアと共に炸裂する。迂闊に感想を呟けない。今年ベスト級の傑作。
0投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログ身体の感覚とか生活の描き方に、自分の骨が軋むのを想像して苦しくなるような切実さがあった これは作者の実感ありきの描写なんかな 重度障害者の性についてとか、問いかけたいことは色々あるんかなと思うけど、シンプルに小説として、どうなるん?!?っていうストーリー展開の面白さですぐ読んだ 身体の障害っていう要素が入ることで、見てはいけないものを見てるときに近いドキドキ感が明確に増した場面があって、自分のその感情って正しいかと言うとどうなんやろうとも思ったし、でもリアルとしてそこにあるものに対してそうやって思うこと自体が傲慢やな
0投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログ読んでみてどういう風に受け止めていいのか当惑した、というのが率直な感想でした。 それはやはり「障害者に対してどう接していいかわからない」という気持ちと同じなのかもしれません。 怒りとも諦めともちょっと違う、自らも障害を持つ当事者作家としての「これを書かずにはいられない」という強い執念のようなものを感じました。
2投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
往復書簡まで読んだ上でのこの評価です。 健常者に罪悪感を抱かせて行動させるのはさすがにちょっとどうよ…言葉で傷つけられたからそれより強い言葉でナイフを振り回すのは、Xやヤフコメで数多繰り広げられる喧嘩とやってることが一緒では?と思いました。 ルサンチマン、冷笑系、知性化と他責。この人に与えられるべきは社会の福祉制度とか教祖みたいに礼賛されるとかではなく、慈悲とあわれみなのではとか色々思いました。表面上は障がい云々の体をとっているのがまた…
0投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログ芥川賞の候補者としてニュースで取り上げられているのを観て、興味を持った。 性への関心や、動かない身体に対する描写など、生々しくも目が離せない内容。
0投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ【23の国と地域で翻訳決定! 芥川賞受賞作 】重度障害者の釈華はライター仕事やSNS、小説サイト投稿など様々な言葉を発信する。圧倒的迫力で話題をさらった衝撃のデビュー作。
0投稿日: 2025.09.12
