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失われた手稿譜 ヴィヴァルディをめぐる物語
失われた手稿譜 ヴィヴァルディをめぐる物語
フェデリーコ・マリア・サルデッリ、関口英子、栗原俊秀/東京創元社
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    ~ お借りした単行本の感想(2021年) ~ ヴィヴァルディが亡くなった。残された手稿譜は時の流れに埋もれてしまう。その重要性を知らないものの手にあったり、大切に保管されていたり大事な人の記念の銘を冠されたり。その楽譜が世に出た時、関わった人のみが知る履歴は埋もれてしまったのだろう。不完全ながらも大まかな来歴が見えた時、苦労を重ねた関係者は天国でほっとしているのか、少し悔しく思っているのか…… 最後の関係者はジェンティーリ、イタリア人種ではないため教職を追われ、多くのユダヤ人のように逃亡生活に入る。その時目にした新聞には「ヴィヴァルディの楽譜発見」の記事。発見者とされるのは…… それでも ヴィヴァルディの音楽は 美しい 美しい う つ く し い 1740年から1780年、1893年、1922年から1927年を行ったり来たりしながら物語が進むので、わけがわからなくなったりしたけれど、何度読み返しても第十二章の最後の文章には涙が出てしまう ~ 文庫で再読 ~ 目次を年の順に書き直したメモを片手にゆっくり読み進む 受けるイメージはそれほど変わらない 同じところで呆れ返り 同じところでほっとして 同じところで涙ぐむ 美しい音楽はそこにあった まだ

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    投稿日: 2025.10.27