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アメリカのプロレスラーはなぜ講道館柔道に戦いを挑んだのか 大正十年「サンテル事件」を読み解く
アメリカのプロレスラーはなぜ講道館柔道に戦いを挑んだのか 大正十年「サンテル事件」を読み解く
藪耕太郎/集英社
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    100年以上前の異種格闘技戦「サンテル事件」を、トランスナショナルな視点から分析を試みた意欲作。 20世紀前半のアメリカ西海岸で、異種格闘技戦に挑む柔道家が、日本人移民が心情を投影する対象であったという事実は興味深く感じた。抑圧に苦しんだ移民が、対等なルールの下白人と勝負出来る異種格闘技戦に並々ならぬ関心を注いだことは、日本移民史の観点からより研究されるべき論点であると感じた。 また、プロフェッショナル/アマチュアイズム、スポーツ/武道などの対立点に注目すれば、サンテル事件が当時の柔道界にとって極めて解決困難なアポリアであったことが容易に理解できた。嘉納治五郎や岡部平太の苦悩は、柔道とは何かという根本の問いであったことを鑑みれば、まさしくサンテル事件は哲学的問いを当時の柔道界に投げかけたものであると言える。

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    投稿日: 2025.08.27