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翠雨の人
翠雨の人
伊与原新/新潮社
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総合評価

105件)
4.1
29
57
14
1
0
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    推理小説に比べれば続きが気になる、というものではないが、読んで良かった。 恥ずかしながらDr.猿橋のことは初めて知った。理系を選び、研究者になったが、ここまでストイックに向き合ったかというと自分が恥ずかしくなる。 しかも女性研究者の権利を日本に、世界に示した方なんて。恩恵を今受けているのだ、とひしひしと感じる。今は研究者では無い仕事をしているが、勝子さんのように、コツコツ前を見て生きていきたいと思った。

    0
    投稿日: 2026.01.12
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    伊予原さんの著書はいろいろ勉強になって好きなんだけどその点で言うと今回のはちょっと難しかったし、面白く無かった(じっくり読まない自分の読み方に問題があるんだけど)。自伝メインなのでしょうがないけど前半はそれらの説明がメインで今ひとつ。著者の想いがあまり伝わってこなかった。後半はいつもの伊予原節で面白かった。こういう話を教科書、ドラマ、映画で展開していけばリケジョも増えるのかな?

    0
    投稿日: 2026.01.08
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    研究者である著者でしか書けないであろう(言い過ぎ)、研究に向かう科学者たちの思考や姿勢が反映された描写は、同じ理系の者として深く理解できた。(工学部の森さんも同様のテイストを醸し出しているので、唯一無二とは言えないのが残念だが)。猿橋賞の名前だけは知っていたが、その設立に結びつく猿橋さんの話にはぐいぐい引き込まれた。 特に印象に残ったのは、「(前略)核兵器とそれのもたらす災害について、誰よりよく理解しているのは我々科学者であり、科学者には等しくそれを全人類に伝える義務があります。科学者のもっと尊い職務は今や、人類の幸福と平和に貢献する事であり、科学を人間の殺戮と文明の破壊につかわせないことなのです」の文章。右や左関係なく、核兵器の使用がどの様な結果になるのか、科学に携わる者はこの発言を胸に刻み、伝えていかなければいけないと思う(自戒も含めて)。「宙わたる教室」もそうだが、中高生には読んでもらいたい一冊である。 余談だが、本文中に山下奉文(マレーの虎)が出てきたり、参考文献にビキニの海は忘れない(幡多高校生ゼミナール)が出てきたりと、高知県が絡んできてるのも個人的にうれしかった。 この本を読んで、幡多ゼミの活躍に興味を持ってくれる人が出てくると、うれしいなぁ。

    0
    投稿日: 2026.01.07
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    日本のそれも女性の科学者で、放射能について研究していた人がいたこと知らなかった。平塚らいちょうと接点があって、国際会議で登壇してるなんて!科学者はどういう立場であるべきか、考えさせられた。

    0
    投稿日: 2026.01.06
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    (借.新宿区立図書館) 気象化学者で猿橋賞の猿橋勝子の伝記的小説。時々のエピソードをつないでいく方式なのでちょっと盛り上がりに欠けると思っていたら、最後の渡米しての海水放射能測定対決でけっこう盛り上がった。 当時放射能雨とかけっこう問題になっていたことを思い出す。私を含め今の人たちが忘れている(あるいは知らない)ことを再度確認(認識)するという意味もある小説だと思う。

    0
    投稿日: 2026.01.05
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    猿橋賞で知られる猿橋勝子さんの、真っ直ぐな生き方を描く。 とても面白かった。 1人の人生を通して、戦争、敗戦、核を巡る世界の動きが浮かび上がる。女性活躍が議論されるいま、示唆するところは多い。

    1
    投稿日: 2026.01.03
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    猿橋勝子さんのことを、この本を読んで初めて知った。 戦前・戦中・戦後を科学者として力強く駆け抜けていった、このような日本人女性がいたことに、大変誇らしく思った。 中高生の時にこの本を読んでいれば、私の生きる目標になっていたんだろうな。 伊予原新さんが実験や科学についての記述も大変勉強になった。

    13
    投稿日: 2025.12.30
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    科学に人生を捧げた女性、猿橋勝子の生涯。 すごいなぁ。生きかたも、研究への姿勢も、すべてにおいて妥協がない。 そのとき、自分の正直な気持ちに向き合い、決断し、ひたすら努力し続ける。 結婚し子どもを授かることが女性の幸せとされていた時代に、それとは別の選択をする。 もちろん葛藤も孤独もあったが、それでも信じて前進し、世界が戦乱の中にあるときも、戦争が終わってからも、研究者として闘い続けた。 それには恩師の存在もあり、出会いは大事だと思った。 女性科学者としての功績を重ねるにつれて、背負うものも大きくなっていく。 被爆した友。女性を軽視する社会。権威ある存在となった「猿橋勝子」だからこそできることを行動に移してきたのだろう。「猿橋賞」もそのうちの一つ。 猿橋勝子の残してくれたものの大きさを感じるとともに、彼女のひたむきな生きかたに胸をうたれた。

    55
    投稿日: 2025.12.29
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    実在する女性科学者の先駆、猿橋勝子さんの生涯を描いた作品。 あとがきに記されていたように、本作は一部架空の出来事や人物が含まれるフィクションらしい。 けれど、実在する事案を扱った物語は、巻末の膨大な参考文献からも、ノンフィクションのように錯覚してしまった。 日本が戦争モードに突入していく時代。 女性が高学歴であることが疎まれ、学問を志すことが叶わなかった当時、好きな学問で社会的地位を得て自立することの重要性を悟り、その道を貫いた猿橋勝子という女性。 猿橋勝子さんの生い立ちから、科学への信念、科学者としての誇りや責任、女性の生き方にいたるまで、本当に学びが多い作品だった。 理系分野なので苦手意識をもつ方も多いと思うが、伊与原新さんの丁寧な筆致は、平易な言葉を選んで描かれているのでとても分かりやすい。 ご本人は勿論のこと、猿橋さんの師である三宅氏、同僚の奈良岡の存在も大きく、立場や境遇は違っても、志を同じくする同志の大切さを実感した。 特に、奈良岡が猿橋さんに向けた手紙の中で「面倒くささ」について触れた一文がとても素敵だった。 以下、抜粋 『あなたの一番近くで被害を、もとい、ご指導を受けてきた私が保証しますが、あなたの面倒くささは、世界に通用します。面倒くささはすなわち、真面目さであり、粘り強さであり、正しさです。どうか自倍を持ってください。』 私の身近にも、愛すべき面倒くさい人がいる。 面倒くささは、懸命に生きている証だと思う。 その良さを、身近で被害を受けながら笑、理解できる人であり続けたいと思った。 作中で、少し気になったのが、時の流れるスピードにムラがあり、読み進めながらそれに気付かなければならない点。 生涯を描く作品なので、区切りや章、あるいはエピソード毎に、年代などの表記があると、もっと内容がスムーズに理解しやすいような気がした。

    38
    投稿日: 2025.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    科学小説が多い伊与原新作品 4冊目 今回は実在の女性科学者 猿橋勝子(さるはしかつこ)の史実ベースのフィクション小説 まだ女性が「若くして嫁ぐことこそ女の幸せ」と言われていた大正時代。 マリー・キュリーに憧れて科学を学ぶため 親を説き伏せ、できたばかりの日本初の女性のための理系専門学校に入学する。 そして 出逢った生涯の師 三宅泰雄 地球化学分野の先駆者で、中央気象台で大気の電場を研究している科学者だ そこで 何も知らない学生の勝子に一から研究の基礎を教え 科学者へと導いていく 戦時中の科学者の想いとは違う 軍との関わり、そして 原爆・・・・ 小さい頃 (雨は何だろう?)と考えた 勝子が放射能の雨に挑んでいく 東大の大学院で地球惑星科学を専攻していた科学者 伊与原らしい切り口で 事細かに勝子の研究の様子を綴っていく。 本物だけに 難しい専門用語がいっぱいでついていけないのだが、それを上回る勝子の研究へのエネルギーが感じられて、文章を追う目がもどかしく思うほどだ。 そして 勝子を応援する周囲の人々が暖かい。 うん これはお盆の特別番組 2時間枠ドラマでやるべきだな ただ学生時代 化学や物理で頭を悩ませた方には ちょっとトラウマになるレベルのお話しかもね。

    1
    投稿日: 2025.12.19
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    最近まで、医学部入試で男女の合格ラインに差を付けていた事を考えれば、猿橋博士の凄さは、想像を絶するものです。

    0
    投稿日: 2025.12.19
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     女性科学者に与えられる「猿橋賞」は知っていた。しかし、猿橋勝子さんの業績等はよく知らなかった。  1920年生まれで、第六高等女学校を経て、帝国女子理学専門学校(現東邦大学理学部)の第1期生として入学した。在学中より中央気象台(現気象庁)研究部の三宅泰雄氏の指導を受け、卒業はそこに就職した。もともと彼女は物理が専門だったのだが、三宅に師事後は地球化学を専門とするようになった。  戦後の1954年のビキニ水爆実験による「死の灰」による大気・海洋汚染の研究以後、三宅と大気及び海洋の放射能汚染の調査研究を行った。その研究成果は部分的核実験禁止条約成立に繋がることになる。  東京大学から女性初の化学での博士号を授与。日本学術会議の女性会員第1号など、女性科学者のパイオニアとして活躍した。そして本書は、彼女の生涯にわたる科学に対しての情熱を描いている。ただし、本書は史実に基づいた「小説」、フィクションである。できれば朝ドラで取り上げてほしいと思った。

    57
    投稿日: 2025.12.18
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    猿橋勝子さん、日本女子科学者の先駆者。戦中、戦後、科学の分野、いや女性へのステレオタイプをぶち破ってくれた。今でも女性の地位が確立したとは言えないが。研究とは、後継を育成する、持続可能な科学の発展。アメリカに渡り、道場破りごとくの実験検証。猿橋賞、猿橋女史の魂が続いている。

    11
    投稿日: 2025.12.14
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    直木賞受賞第一作との帯、 表紙の絵とタイトルに惹かれて購入 表紙、タイトルのイメージとは いい意味で全く違う激しいお話だった 激しいと言っても アクション、出来事がではなく 主人公の内面が 場面転換が映画みたいで ストーリーとしては朝ドラのような… いずれにしても 近いうちに映像化されそう

    1
    投稿日: 2025.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    100年ほど前に生まれ、物理数学の頭脳を持ちつつ、「その時々を辞本で洗濯して歩んできた」女性、猿橋勝子さん。 これほどまでに胸を打たれると思わなかった。 幾度も目頭が潤み、最後は胸に迫るものが。 男性なら異なるだろうが・・・・女性が生きたこの時間、まして研究者学者の世界がいかに男性優位であったかは周知の事。 信州諏訪、気象大学校から始まった研究と勤務の日々・・職場はもとより、10代からの付き合いの仲間がフィクションとはいえ、「そうであったろう」描き方が、非常に心地よい。 三宅氏、奈良橋氏といった直接顔を合わす上司、同僚の言葉が作り物めいてなく、頁が進む。 こういった優れた作品を読むと、個人的だが「ドラマに作って手垢にまみれて欲しくない」と心から思う~ファンには申し訳ないが。 後半の大団円は日米の相互検定バトル。 単身乗り込んで行った彼女がまさに孤軍奮闘~しかし、米のやり口は極めてアンフェア‥しかし、結果を見ると誰しもが納得し、口をはさむ余地なし。。胸がすくとはこのこと! 装丁の紫陽花の花・・定年を迎えた奈良橋、紫陽花の雨に濡れた画像、そしてラスト~出来すぎと言ったらけなすことになりそうだが。 奈良橋賞に定めた規定にある「50歳以下の研究者へ」と実証するかの如き、奈良橋の孫が、新たな医学分野へ歩を進める絵図。 結婚せずとも 子がいなくても、こうして未来へ繋がっていく事の素晴らしさで、また涙が出そう。 勝子の脳裏に常にあったキュリー夫人の像∼第五福竜丸と黒い雨∼炭酸カルシウムと海水…学びが多すぎる至福の読書となった。

    2
    投稿日: 2025.12.05
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    伊与原さんの新作です お恥ずかしい話ですが、本作で初めて猿橋勝子さんのことを知りました 猿橋さんは日本の女性科学者の草分けで、優れた女性科学者に贈られる「猿橋賞」の創始者として知られています。 猿橋さんの学生時代から研究の道へと進むところから、戦時中の研究、戦後の放射線汚染の調査を行い核実験の危険性を訴え続ける様が描かれています 実話を元にしたフィクションとありますが、すごい参考文献の数で、いかに伊与原さんがこの作品と、猿橋さんと向き合ってきたかがわかります。 女は大学に行くのも許されない時代に、科学者として生きていくことにどれほど苦労があったか、、、 それでも生涯をかけて研究を続けていかれた姿に感服しました。 研究内容や実験については、専門的な話も多いのですが、専門用語がよくわからなくても伝わってくるものがあり、アメリカとの対決の場面は胸が熱くなりました。 日本人で、女で、ひとりで、ただひたすらに、コツコツと研究を続ける姿が美しくもありました。 時代背景も含め、なんだか朝ドラを見ているような気持ちがしました(*´꒳`*) 猿橋さんの師でもある三宅の存在が大きく、その一言の重さを感じます。 特に戦時中、誰も日本の勝利を疑ってない学生たちについて 『国の教育としては成功 科学教育としては失敗』 という言葉が印象的でした 雨が好きだという猿橋さん。 幼い頃、何もない空から雨が降ってくるのを不思議に思い、ずっと空を眺めていたそうです 『気になる』から『やりたい!』に変わっていく。 『好き』ってすごいパワーですよね 子どもの『好き』を伸ばせるように 接していきたいと思いました(^^) あっという間に11月も終わろうとしてますね。 毎年思いますが、この時期くらいから急に忙しくなりません?? 師走とはよく言ったものです(・_・; (まだ12月じゃないけど) あっという間に今年も終わりそうですね〜(´∀`)

    100
    投稿日: 2025.11.29
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    理系小説の第一人者である伊与原氏の直木賞受賞後 の一冊目の作品です。 自然科学分野の女性科学者を表彰する「猿橋賞」を 創設した、女性科学者の先達として道を切り拓いた 猿橋勝子氏の生涯が描かれています。 戦後、超大国が核兵器装備を進める中、核実験に よる大気汚染を正確な実験データに基に、超大国 を相手に戦う姿勢に感動を覚えます。 科学の分野では日本は世界レベルにあると言って いいのでしょう。 その陰にはこのような先人たちの努力があったから こそなのだと、改めて尊敬の念を抱かずにはいられ ない一冊です。

    1
    投稿日: 2025.11.24
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    日本女性科学者の草分け的存在・猿橋勝子さんの 伝記を読んでいるような気分。 戦争が日常と隣り合わせで描かれていて、改めて「平和」や「科学」というものに考えや思いを巡らせる読書でもありました。 アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」の分析など、女性が科学の世界で生きることが難しい時代に、放射能汚染の研究をされていた猿橋さん。 今の暮らしがあるのは、こうして様々な分野で活躍する科学者がいてこそなんだろうな……。 疑問を解き明かしたり、暮らしを豊かにするはずの科学技術が、誰かを苦しめるために使われるなんて悲しいし愚行としか言いようがない。 今も当たり前の日常に歓喜する人々の描写には、ハッとさせられました。 戦争が、私たちからどれほどの日常を奪っていったのかは計り知れない。 猿橋さんのどんな逆境でも立ち上がり、向かっていく不屈の精神と行動力が素敵。 言葉から熱が伝わってくる彼女の演説には痺れました! 世界に大きな影響をもたらした猿橋勝子という女性の人生を、共に駆け抜けたよう。 この本を読めて良かった。朝ドラで見てみたい作品です。 『核兵器とそれのもたらす災害について、誰よりよく理解しているのは我々科学者であり、科学者には等しくそれを全人類に伝える義務があります。科学者のもっとも尊い職務は今や、人類の幸福と平和に貢献することであり、科学を人間の殺戮と文明の破壊に使わせないことなのです』

    3
    投稿日: 2025.11.22
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    読み応えある一冊!分析法とか少々難しいところもあったけど全く嫌悪感なく読めた。こうした面から科学をみれたらもうちょっとたのしめたのかな。

    0
    投稿日: 2025.11.19
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    雨にも色々な呼び名があります。 この本のタイトルの「翠雨」とは、どんな雨なんだろうと思い、調べてみました。新緑の季節に降る、木々の青葉を濡らす雨のことで、夏の季語でした。雨が葉の緑色を翡翠のように美しく見せる情景が思い浮かぶ言葉でした。 主人公の猿橋勝子は、大正九年生まれ。彼女は、雨はどこから降るのだろうと疑問をもつ子どもでした。家族の後押しと自分の納得できる場所を求めて、帝国女子理学専門学校へ行くことになりました。結果的にこの事が彼女の人生を決めたことになりました。 始めは気象研究所に派遣され、研究者として歩んだ彼女は、微量分析の達人と呼ばれ、第五福竜丸事件や原水爆実験による放射能汚染の調査、単身アメリカへ渡っての相互検定などをこなしました。研究に向き合う真摯な姿勢が書かれていました。 一人の自立した女性としての彼女の生き方に背筋が延びる思いがしました。『翠雨の人』というタイトルがぴったりの女性だと思いました。 日々研究に励んだ猿橋勝子さんのことが、この本でより多くの人に知られることを願います。私のように科学の知識がなくても大丈夫。読みやすいです。

    59
    投稿日: 2025.11.19
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    猿橋勝子さんをこのお話を読んで初めて知りました。女性が科学者として戦中戦後を生きていくのは、とても大変な時代に、その先駆者として生きてこられた姿は素晴らしいなと思いました。三宅博士との出会いが猿橋さんの人生に与えたものは大きかったんだろうなと思います。良き師に出会える大切さを改めて感じました。

    1
    投稿日: 2025.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

     水爆実験による放射能汚染を科学的に実証した女性科学者、猿橋勝子さんの伝記ですね。伊与原さんらしく、実験のあれこれを端折ることなく克明に描いています。  男性に負けないような気概をもつ女性はたくさんいると思いますが、それと繊細な実験を行う技能を伴う人であったわけですね。日本側の数値がいかさまであると主張するアメリカに単身で対照実験に挑んだときの心境を考えると、あの時代にほんとうにご苦労だったことだろうと思います。毎朝海水を汲んで掘っ立て小屋の実験室で実験を行う姿は神々しさも感じます。  これは朝ドラでやるんじゃないですかね。楽しみです。

    1
    投稿日: 2025.11.17
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    一部に架空の人物・出来事が含まれているとは言え、ほぼノンフィクションの作品。 世界大戦前後の話なので、湯川秀樹・仁科芳雄といった有名どころも登場する。 猿橋勝子さんが生きた時代背景や、人となりがよく描かれている。 「翠雨」とは新緑の季節、初夏から梅雨にかけて降る雨で、強く降る雨ではなく、大地や葉を優しく濡らす、しっとりとした雨のこと。 夏の季語としても使われる言葉だそうだ。 自分の周りには空気しかなくて、その空気は空まで続いている。 空気しかないはずの空から雨という水が落ちてくる。 このことが不思議で空を見つめてしまう。 猿橋勝子さんは、こういう人だから「翠雨の人」 B29による空襲が民家にまで広がり、広島・長崎に原爆が落とされ、何も罪のない人々が死んでいく。 国のためなら自分の命と引き換えることは美徳という愛国主義が支配している日本。 本書の前半は、戦争が終わるまでの時期で、猿橋勝子さんが学生時代や新入社員の時にどのように生きてきたかの話。 後半は、戦争が終わっても核実験をやめない世界に対して、放射能の地球への影響を測定し、データで示すことで核の危険性を発信する話。 軍国主義、男尊女卑、敗戦国としての復興処理、猿橋勝子さんを通して抑圧された悲惨な日本の姿が想像できます。 常に不利な状況にいながら、活路を見出し結果を残していく猿橋さんの生き方に敬服します。 この本は猿橋勝子という女性科学者の伝記なのですが、扱う事象が核兵器がもたらす放射線であり、戦争と密接に繋がっています。 核兵器を持っていれば、戦争になっても自国の安全は守られる、とか、攻撃を踏み留ませる抑止力になる、という人がいます。 この考えは、いざという時は「核兵器を使う」ことが前提なので賛成できません。 戦争になった時に有利に戦いを進めるために科学技術を磨くという一面は確かにあります。 気合と根性の精神論で戦っていた日本が、科学技術と戦略を駆使したアメリカに負けることは自明でした。 今の世界を見ていると、科学技術の進歩が戦争の方法を変えていることは事実です。 ですが、科学技術の進歩が戦争の必要がない社会作りに貢献することを切に願います。

    47
    投稿日: 2025.11.14
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    女性科学者猿橋勝子さんの生涯を描いたフィクション リズム良く進み「虎に翼」などの朝ドラをイメージしながら時代を切り開く勝子先生にワクワクしながら読む 最終章、それまでの勝子先生の集大成のような出来事には何度も目頭が熱くなった これは女子中高生たちに読んでもらいたい! 娘たちにも大きくなったら勧めたい1冊 平塚らいてうのボス感がものすごい きっと女性として許せないことや嫌なことが数え切れないほどあったと思うけど、そこには触れずに勝子先生の優秀さや信念をメインに進むのでさわやかな読後感

    0
    投稿日: 2025.11.13
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    現実の固有名詞がよくでてくるなぁと思ってたら、最後に史実にもとづいたフィクションってあって、なるほど!ってなった。こんな原子力の研究をしていた女性がいたとは、全く知らなかったな。朝ドラにできそう。 化学も物理学も全然縁がないし、研究とか実験の話の内容は全然わからんけど。この世界を紐解いていく研究者達が、ただただ平和のために世界をよくしていくためにその力を使える世の中であってほしいな。

    0
    投稿日: 2025.11.12
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    新聞やテレビのニュースで「今年の猿橋賞は〇〇さんに贈られました」と毎年見ていて、「猿橋」というのはどんな人だとずっと思ってきた。その猿橋勝子さんという研究者について書いた本だと知って、飛びついた。大きな功績があり、名前だけが知られていて、どんな人であるかあまり知られていない科学者について、丁寧に、一般の読者にわかるように書かれたこの本は一読の価値がある。

    2
    投稿日: 2025.11.12
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    猿橋勝子さん。科学者として名前は知っていたが。1949年設立で200人ほどの会員がいる日本学術会議でさえ30年経って初めて女性会員。大変な先駆者だ。淡々とした評伝もいい。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    猿橋勝子さんのフィクション。第五福竜丸やビキニ島の原水爆実験のくだりはとても悲しくて死の灰、広島原爆の黒い雨と辛すぎる歴史に分析でこんなに素晴らしい業績をもった人がいたことに感動した。ひたむきに実験に取り組み続ける姿勢は男女の垣根も越えるものかと。奈良岡さんが物語を支えるとても重要な立ち位置のひとだったね。

    15
    投稿日: 2025.11.06
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    猿橋勝子という人を初めて知った。世の中知らないことばかり。 伊与原新の小説は、いろんなことを知ることができるので好き。

    1
    投稿日: 2025.11.05
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    女性で初めて東京大学の理学博士号を取得した猿橋勝子。 東邦大の前身である帝国女子理学専門学校を経て中央気象台で地球化学を修めた勝子は、微量成分分析を究め、米ソ冷戦の中各国で行われた原水爆実験の残留放射能計測(洋上、地上)に力を注ぐ。 戦後の女性地位向上運動の流れを受けて女性科学者の地位向上運動にも関わり、研究と後進育成に生涯を捧げた一途な生きざまを、作者らしい真摯で愛情深い筆致で描く。 題名の「翠雨」は勝子が好んだ紫陽花を象徴する言葉。

    1
    投稿日: 2025.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    猿橋勝子って誰。戦時下から昭和後期男尊女卑の時代。キュリー夫人にあこがれ、中央気象台研究部で三宅泰雄教授の指導の下、一人の科学者として自分に何ができるのか、純粋に科学と向き合いそして後進の行く末を案ずる。原爆投下と終戦。終戦から約10年後ビキニ環礁での水爆実験。黒い雨、死の灰。多分に書かれていること以外にもかなりの障害があったと思われるが、猿橋勝子と言う人物を知れてよかった。フィクションとあったが限りなくノンフイクションに近い物語。そのうち、映像作品になっても不思議ではないと思うし、是非とも観てみたい。

    3
    投稿日: 2025.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    猿橋賞はなんとなく聞いたことはあったけれど、こんな偉業を成した女性だったとは知らなかった。 よく女性初と言われ、その女性がもてはやされる傾向がある。特に日本においては。それだけ日本が昔から男尊女卑の傾向が強いからだ。 現代でもそうなのに、戦前から戦後にかけての混沌とした時代に男性に混じって理系の最先端を行き、科学の力を信じ分析を続ける女性がいたとは驚いた。 雨を降らす天を一人飽かずに見上げ、その不思議さに胸を震わせていた少女が成し遂げた偉業。 「何よりも大事なのは、どんな状況にあっても、科学の火を絶やさずにいること」 放射能汚染を科学的に解明する勝子のひたむきな姿勢に感服するばかり。そしてこれが史実ということに驚いた。 さすが伊与原さん。6頁にも渡る参考文献の多さに感心する。伊与原さんの猿橋勝子に対する熱量が伝わってきた。

    31
    投稿日: 2025.11.03
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    この本を読むまで存じ上げなかったですが、素晴らしい方だったことや研究のことなどを知れる良い機会となりました。ドラマ化されるのかな。

    1
    投稿日: 2025.11.02
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    猿橋勝子という実在した科学者の生涯をもとにしたフィクション。なんの予備知識もなしに読んだので、あとがき読んで本物だったの..?とびっくりし、参考文献の多さにも『えぇ...』となった。 戦争の時代を勝子や科学者達がどう戦ってきたかの視点も興味深かった。 家庭に入り子を産むことが『女性の普通』であったはずの時代で、流されることなく『自分』を持てる勝子の強さがすごい。常に全力なのだなと。 『わたしが決めていることがあるとしたら、そのときの自分の気持ちに正直な選択をするってこと』

    1
    投稿日: 2025.11.02
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    女性先駆者という人たちには、いつも頭が下がる。まだまだ理不尽な性による不平等がはびこっている世の中。時代が違えばその苦労は異なるだろうけれど、後世のために動けるということも憧れる。私もそんな先人の人になれるだろうか。それはそうと、どうしてこのひとは女性主人公をこんな魅力的に書けるのだろう。 2025/9/12読了 2025年の50冊め

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    戦前から戦後にかけて、女性でありながら科学者として生きた猿橋勝子さん。 戦争がいかに愚かなものか、そして広島、長崎に投下された原爆。 その後の核実験による第五福竜丸の被害。それによる海洋、大気汚染がどれだけの被害を生んだかを猿橋やその上司三宅先生によって明らかにされる。 内容は科学的実験などの表現も多く、読み辛いかもしれないが、核実験が何をもたらすのか淡々と科学の観点から述べている。 後半はその結果に対し、批判的なアメリカ側から 検定方法を通して猿橋とフォルサムが対決。 どちらに軍配が上がるか。 ドキドキしながら、読み続けた。 アメリカ側との実験条件も悪い不利な戦いの中でも毅然と自分を信じて一途に科学者としての 矜持を貫く猿橋。 最後にはアメリカの核実験の中止にまで、影響を与えたことは、大きな働きであった。 あの時代に女性科学者はどれほど軽んじられていただろう。 その中で生き抜いた猿橋の生き方には尊敬を覚える。 そして、今現在核武装は安上がりとさえ言う政治家がこの日本にいる事にも、またアメリカが核実験を再開すると言い始めてることに戦慄する。 海洋汚染、大気汚染、そして大量殺戮しかなさない核を今も大量にもっている多くの国々。 地球を滅ぼしてまで、持つべきものか。 人間はいつまで愚かなのか。 猿橋さんが生きていらしたら、なんと言うだろう。 つくづく平和は良いと思った。 そして、戦争は何も産まない。 愚かな行為と思う。

    5
    投稿日: 2025.10.31
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    「月まで三キロ」「八月の銀の雪」、そして著者の名を広く知らしめた「宙わたる教室」。 伊与原新さんの直木賞受賞後第一作は、実在の科学者を描くという、伝記とフィクションを融合させた著者らしい作品です。 今年のノーベル生理学・医学賞を受賞された坂口志文氏。その妻である教子氏もまた研究者であり、今回の受賞研究も二人三脚で成し遂げられたと会見で語られていました。未だ女性研究者の立ち位置が厳しい現状に残念な思いを抱いていた私にとって、この作品は一筋の光のように感じられました。 猿橋勝子という女性科学者が、被爆国である日本人の立場から、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定に携わり、アメリカが主張するよりも放射能汚染が深刻であることを証明したという事実。 昨今の冷戦を彷彿とさせる核保有国の外交状況において、この事実をもっと世に広めるべきだと、著者は筆を執ったに違いありません。 とても読みやすい文章で、分量も手頃な作品です。 これくらいの感想しか書けない自分が情けないですが、少しでも多くの方にこの作品を手に取っていただけたら幸いです。

    11
    投稿日: 2025.10.28
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    6冊目の伊与原新さん。 戦前、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代に科学の道を志した猿橋勝子さん。私は存じ上げなかったのですが、実在の人物である猿橋さんの生涯を描いたフィクションです。 猿橋さんは戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、後年、核実験の抑止に影響を与える研究成果をあげたそうです。 この水爆実験で「死の灰」を浴びた漁船「第五福竜丸」って、現在東京夢の島に保存展示されているんですよね。実は私の亡くなった伯父が、この船の保存運動に関わっていたので、展示館がオープンした時(調べたら1976年でした!)と、数年前にも娘たちに平和について考えて欲しくて行きました。実際にこの船や当時の資料を見ていたので、特に後半はとても興味深かったです。 女性のしあわせは家庭に入り子どもを産み育てること、という価値観だった時代に、結婚せず科学の道を邁進した猿橋さん。女性であるがために様々な困難があったと思うんですよね。でもただひたすらに熱意を持って努力を積み重ねる姿には感銘を受けました。 前半は比較的淡々と描かれているのですが、最後はムネアツな展開が待っています。専門用語も多いですが、ぜひ最後まで頑張って読んで欲しいです。 こちらもぜひ映像化して欲しいですね。映画『オッペンハイマー』も、ずっと観たいと思っていたので、今なら逆視点的に観られそう。 この本を読んで改めて、実験も含め、原水爆による惨事が二度と起こらないよう願うばかりです。 汐文社から猿橋さんの伝記が出ているようなので、そちらならブックサンタにいいかも。

    3
    投稿日: 2025.10.25
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    直木賞受賞後の第一作目は、実在の人物・猿橋勝子さんの生涯に基づいたフィクション。女学校時代から専門学校を目指すまで、専門学校時代の恩師との出会い、中央気象台での軍との共同研究、原水爆実験による放射能汚染の研究、国際的な活躍。まるで朝ドラのヒロインを応援するような感覚だった。 女性であることの珍しさではなく、1人の科学者として認められたい。どんな困難な状況でも諦めずにコツコツ積み重ねていく、主人公の真面目さ、ひたむきさ、強さにとても勇気付けられた。おすすめ。 20251014読了、図書館本。

    1
    投稿日: 2025.10.25
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    今年も猿橋さんが創設した猿橋賞が女性化学者に贈られたそうです。 自分の研究だけでなく、自分と同じ道を歩く女性を育てようとした猿橋勝子、 その生涯を主軸に書かれたフィクション小説です。 巻末の膨大な参考資料をみると本当の話がほとんどではないかと想像できます。 今までの伊与原さんのテイストとは違いますが 分かりやすい文章で興味深く読みました。 特に1954年の第五福竜丸事件をきっかけに核実験による大気・海洋の放射能汚染を追究。 核兵器廃絶を訴える姿勢に感銘を受けました。

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    実在の女性の話という重しがあるため、それほど劇的な展開もなく、前半は楽しめたが後半は飛ばし読みだった。

    1
    投稿日: 2025.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p19 吉岡彌生 東京女子医学専門学校の創設者 設立したときの状況 地位も資産もない一介の町医者 学校と言っても、医院の一室を教室に当て、東京女医学校という看板を掲げてただけ。最初の年に集まった学生は、たったの4人だったそうだ p177 saruhashi table p223 サンディエ スクリプスのフォルサムのところへ行って、二ファー法と猿橋のAMP法の比較を行って、勝った p264 帝国女子医専は後の東邦大学 p272 自然科学分野で優れた業績をあげた女性研究者を毎年一名顕彰 猿橋賞

    0
    投稿日: 2025.10.18
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    地球科学者、猿橋勝子の伝記的小説。太平洋戦争での原爆投下から、第五福竜丸事件など、を化学者の立場で放射能の影響を明らかにしていく。 また女性科学者の地位向上にも努めた人。 猿橋賞、はどこかで聞き覚えがあったが、何をした人かは初めて知った。著者の科学者としての知識と、小説家としての巧みさがあって書かれた物語だな、と思う。 今まで何度も、聞いてよく知っていると思っていた原水爆のあれこれについて、もう一度学ぶ、深く心に刻まれた。

    1
    投稿日: 2025.10.18
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    初めて存在を知った人。 こんなふうに科学に貢献した女性がいたのか。 どんな分野でも、後進の女性のために 先頭を走った人がいるんだなあ。 それでも、まだまだ女性の扱いが軽い日本だけれど。

    1
    投稿日: 2025.10.18
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    放射線被曝の研究に勤しんだ、猿橋勝子さんの物語で、研究に対する真摯な姿勢や、時代風景に抗って女性として活躍する強さみたいなものを感じられて良き作品だったなと思います。 本作は、戦後理系学者として活躍した猿橋勝子さんの生涯を描いた作品。女性は家庭に嫁ぐものという世代間の中で、科学者としてプライドをもって取り組む姿に、同じ理系科学者として勇気をもらえたような気がしました。 科学というと専門用語が多く読みづらいイメージがありますがストーリーの筋が分かりやすく書けれているため、理系の知識がなくても読みやすいように感じました。

    64
    投稿日: 2025.10.17
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    日本の女性科学者の先駆者、猿橋勝子の生涯を描いたノンフィクションのような長編小説。 毎年、新聞に掲載される猿橋賞の受賞者を楽しみにしている。でも、猿橋勝子さんが日本版キュリー夫人のような方というイメージだけで、実際にはどのようなことを行った方なのかは知らなかった。 放射能の恐ろしさ、第五福竜丸の被害の深刻さを世界中に知らしめた猿橋さん。彼女のがいなかったら、もっともっと世界中は水素爆弾や原子爆弾の実験を繰り返していたのではないだろうか。 今以上に男女差別のひどい戦時下に科学の道に進んだ猿橋さんには人一倍努力が必要だったはず。それを苦に感じていなかったのだから、よっぽど性に合ってたんだろうな。 家族を持たず、仕事に一生を捧げた猿橋さん。きっと孤独を感じることもあったかと思う。けど、好きなことをやり遂げたのだから、人生に悔いはなかったんだろうな。

    54
    投稿日: 2025.10.15
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    透き通るように静かで強い。 女性が理系に進むのが難しかった時代、幼いころから雨を不思議に思い、気象に興味を持ち、放射能汚染調査、女性科学者の支援などに情熱を貫いた猿橋勝子という科学者の話。 彼女のお名前すら知りませんでしたが、日本人女性の芯の強さを誇りに思いました。

    0
    投稿日: 2025.10.15
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    ●読前#翠雨の人 第172回直木賞受賞作『藍を継ぐ海』が楽しめたので、受賞後第一作は読みたい。実在の女性科学者が主人公のフィクションのようだし、伊与原さんの表現は情景がイメージしやすいので現実感を伴って楽しめそう。戦時中の女性科学者はどんな人生を送ったのだろう https://amzn.to/4n2dpVW ●読後#翠雨の人 派手な感動はないけれどおもしろくないわけでなく、静かにドラマを観るような感じで読み進めることになった。主人公が向き合うものが科学に関することが中心となるので、人間交流の機微が好きな僕にとっては、感情的な盛り上がりが少ない淡々読書であった https://amzn.to/4n2dpVW

    11
    投稿日: 2025.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    〜日本のキュリー夫人 猿橋勝子の伝記。〜 私は、彼女のことを本作がなければ知ることはなかった。 そう感じると、悲しくなる。 やっぱり、人を知ることも一期一会だなぁと思う。 日本史の授業では学ばないけど、今の社会にとって重大な功績をした人がたくさんいる。そう思うと、もっと多くの偉人の歴史を知りたい。  それが今の率直な感想です。 彼女の困難があっても、どんなことにも手を抜かず、信念を曲げず、真面目に努力し続ける。そんな姿勢に、同じ女性として尊敬する。 私自身のことを優秀な人だとは思っていない。 彼女のような生き方に少しでも近づけるように、今できることは全力で努力していこうと勇気をもらえる1冊でした! 原子爆弾の恐ろしさを身にしみて感じた…。 今まで戦争の恐ろしさを描いた小説は読んだことがあった。 しかし本作は、研究者としての面だけでなく、原爆症の人に対する描写もあり、「原爆はもう決して起きてはいけない!」という思いが強くなりました。 そして、非核三原則の必要性を改めて知った作品です。 年代関係なく、多くの人に読んでいただきたい作品です。

    0
    投稿日: 2025.10.12
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    3.5 気楽に読みたいので、専門用語がわからず断念しそうになりました。 でもそれを乗り越え、途中からは勝子さんのご活躍にのみこまれました。 日本女性の先駆者。多くの理解者。

    0
    投稿日: 2025.10.12
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    猿橋勝子さんの人生を知ることができました。科学者として、自分を信じ一途に未知の学問分野を切り拓く姿は、一人の女性の生き方として、尊敬すべきだと思います。 戦時中の研究生活で“戦争のための研究はしたくない”という思い。彼女の研究への純粋さと意思の強さを感じさせるものでした。 戦後、放射性物質の検出に携わり、核実験抑止につながる研究成果を後世に遺した道のりを、記憶に留めておきたいと思います。 表紙の紫陽花が描かれた中での女性の絵は、猿橋勝子さんの美しい心がそのまま投影されていると感じます。 マリー・キュリーに憧れて科学者になった猿橋勝子さん。彼女に憧れる若者が多く輩出されることを願います。 今年、理系の分野でノーベル賞を受賞された日本人、坂口志文さん、北川進さん。両者共に、自分を信じ目指す道を愉しまれていらっしゃることがお話から分かりました。昨年私は、書の師から同じことを言われ、叱咤激励されました。本書の猿橋さんもそうですが、一つの道を究められた方は、共通するものをもっていると思います。

    28
    投稿日: 2025.10.12
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    『女性が理系の道を選ぶことも困難な時代に、 地球化学の分野で世界的な業績をあげた猿橋勝子氏。東邦大学理学部の前身である帝国女子理学専門学校のご出身で、物理学科の第1回生であります』(東邦大学のホームページ、猿橋勝子さんについて の紹介文) 私はこの方を全く存じ上げなかった。 女の幸せは家庭に入ることとされたあの時代に、 猿橋勝子さんが女性科学者として活躍されて いたことは、同じ女性として誇らしい限りだ。 自ら開発した微量拡散分析法を持ちいて、 原水爆実験の放射能汚染を最前線で分析 していた女性研究者。 本の内容としては、途中、いささか退屈に思うかも しれない。専門的な用語で理解できないところも 多いが、後半のフォルサムとの対決は、 引き込まれるほど面白く、実験の上に実験を 重ねてきた猿橋さんの、たゆまむ努力があった上での勝利に、思わず涙ぐんだ。 それにしてもアメリカの、核に対しての傲慢な 認識は、昔も今もあまり変わらないのだろうか。 60年以上前に、核兵器実験の放射能汚染を 実証し、世界にいち早く警鐘を鳴らした 地球科学者、猿橋勝子さん。 今年出会えて良かったと、思える本だった。

    30
    投稿日: 2025.10.11
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    戦争の時代にこんなにも前を向いて、科学や女性や平和に貢献していた方がいたなんて、感動が止まらない。最後のフォルサムとの対決は鳥肌もの。

    1
    投稿日: 2025.10.11
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    実在した人物、猿橋勝子さんの物語。女性研究員の地位を高めた方がいたとは知りませんでした。今回は理系色がより強く書かれていて理解できない所がありましたが、楽しめました。

    0
    投稿日: 2025.10.11
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    猿橋勝子さんの生涯を元にしたお話。小5光村国語の伝記単元で本の表紙が掲載されている人物の一人で、読まなきゃ!と思っていた方(ちなみに教科書本文はやなせたかしさん)です。 戦前の幼かった時に降ってくる雨に興味を持ったエピソードから、女性が進学しない時代にどこでどのように学問を納めたか、研究者時代、そして、戦争中のことと、その頃の仕事内容、終戦、そして研究者として認知される大きな出来事2つ。 前半の戦争が終わるまではとにかく勝子のひたむきな研究者としての様子などが描かれるものの、大きなことは起こらないので、ちょっと単調です。でも、最後に最高に格好いい見せ場あるので、楽しみに読み進めて欲しいです。 単調で難しい検査などに日々取り組んでいた勝子の人生を、基礎知識なくても、読みやすく仕立てて頂いたことが有難い小説でした。次は早めに汐文社の高学年向け伝記の方を読みたいです(パラパラとめくった感じではかなり同じようなエピソード展開でした)。また、日本に落とされた原爆のことを話している様子など、科学的にもなるほど、と思わされて面白かったです。 放射線の検査の叙述やひたむきで淡々と過ごす毎日の研究の様子など楽しく読むのが難しいと思うので、基本は中学以上。でも、読みたがったり読めそうな児童は小学校から大丈夫。

    3
    投稿日: 2025.10.10
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    化学小説。設定は面白い。猿橋勝子さんの生き様を全く知らないで読んだが、日本の女性科学者の先駆けとして、日本や戦勝国のアメリカに渡って邁進する姿は心打たれた。前半で張り巡らせた伏線が回収しきれてない感じがしたので、星4評価にしました。

    0
    投稿日: 2025.10.10
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    静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓ https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=BsOajdYZIPo2afMb99jWnQ%3D%3D

    0
    投稿日: 2025.10.08
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    この本を読んで猿橋勝子さんのことを初めて知りました 専門的な言葉も多くて難しいところもあったけれど、こんなに逞しくて勤勉な人、しかも放射性のあるものを扱う仕事、少しの量でも被爆しないのだろうかと心配しながら読んでました 研究に一生を捧げたと言っても過言ではないですね

    11
    投稿日: 2025.10.07
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    星4.5 『波』2022.1〜2023.4、2023.6〜2024.1に加筆修正 今でも女性科学者に送られる猿橋賞で知られる猿橋勝子の物語。 女性の一代記が好きな私なので、正直、科学的な記述はよく分からず読み終えたが、読み終えてじんとするものがあった。 気の遠くなるような手順を踏んで、放射性物質を検出するくだりなど、同僚の人たちを含め、尊敬に値する。 猿橋勝子は生涯、気象庁に所属する人だったのだが、気象学がこんなに、物理とか化学を駆使するものだということも初めて知った。 そして、原爆や水爆が及ぼす放射能の被害について、気象学に携わる人々が、世界中で測定し、研究していることもわかった。 勝子は、東京女子医専を創設した吉岡弥生に憧れ、女子医専を受験するが、面接での吉岡弥生の態度にがっかりし、戦時中に開設されたばかりの帝国女子理学専門学校(現東邦大)に入学し、物理学や化学にのめり込んでいく。 戦後、数年の差で、女子でも大学に入ることになるのだが(ただし、東北大、大阪大など少数の大学は戦前から女子に門戸を開いていた)、学歴がないことをコンプレックスに思いながらも、次第に男社会の中でも認められる存在になっていくのだった。 特に、アメリカでの実験方法の対決には、思わず応援してしまった。 本書に出てくる、第五福竜丸事件についてググると、なんと同じ時に一千隻以上の日本船も被曝しているらしい。第五福竜丸だけが有名だが、実際はあまたの被害者がいたということで驚いた。

    24
    投稿日: 2025.10.06
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    専門的な分野のためぼんやりとした理解になってしまった部分もあるなかで、悩みながらもひたむきに進んでいく姿が強く印象に残った。

    9
    投稿日: 2025.10.06
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    伊予原新さんの新刊。 またもや科学の知識満載で、全く理解不能な箇所も多かった…けれども 存じ上げなかった女性科学者の猿橋勝子さんの生涯を描いたもので、なかなかの読み応え。 放射線の研究者として戦中に抱えた葛藤。 自分は戦争とは関係ないと思っていたのに、知らぬ間に戦争に加担していた… 戦中、科学者だけでなく多くの国民が抱えていた憂いだったはず。 けれども猿橋さんは戦中の悔しさを胸にしながら戦後の地道な研究で、原水爆実験の影響を科学的観点で証明されたとのこと。 素晴らしいとしかいいようがない… 第五福竜丸の被爆のこともなんとなく耳にしたことはあったけれど、死の灰の威力についてはよく知らずにいた。 そして、放射性の塵は地球を何周もして拡散し、汚染を広げていることも。 夢の島熱帯植物館の近くに第五福竜丸の博物館があったはず。 全く興味がなかったけれど、この本を読んだ後なら、展示への理解も深まりそうだ。 印象的だったのは、戦中に愛国心が強く国の戦利を信じる学生が多いことについて、 猿橋の師匠である三宅が放った言葉 「国の教育としては、成功。科学教育としては、失敗。」 現代でも数年前、科学者が科学的事実を考察できてないないのでは…と思う世の中だったと思う。 あの時も、国の教育としては成功、科学教育としては失敗だったのでは。 科学者であっても戦時下では言いたいことも言えなかった時代と、何も変わらなかったな… 戦後80年経っても、本質は何も変わっていないのかもしれない。

    47
    投稿日: 2025.10.05
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    この本を読むまでは猿橋さんのことは知らなかった。 精神的にとても強い人だと感じた。 そして改めて原子爆弾の恐ろしさを感じた。

    4
    投稿日: 2025.10.05
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    戦後の放射能汚染の実態究明に尽力された、猿橋勝子さんの生涯を描いた物語です。 実験のシーンは専門用語で書かれて素人には想像が難しかった。しかし、それ以外の猿橋勝子さんの考えや所作が丁寧に描かれているのでつまずくことなく読めた。 改めて、猿橋勝子さんたち研究者のおかげで平和な日本で生きていられることに、感謝しなくてはならないと思った。 猿橋勝子さんのような崇高な人の足元にも及ばないが、子どもたちや次世代の人たちに私にできることは何があるだろうかと考えさせられた。

    9
    投稿日: 2025.10.05
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    猿橋勝子さんという方を初めて知った。 専門的な用語が多いのでちょっと難しく感じたが、それ以上に猿橋勝子という人物に惹き込まれた。こんなに凄い人を知らなかっただなんて、失礼いたしました。。

    14
    投稿日: 2025.10.04
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    戦前、女子が高等教育を受けることに偏見や障害があった時代、力強く道を切り開いて研究の第一人者になった女性。放射能物質の特定など化学の知識もだいぶわかりやすく書かれていて難しさは感じなかった。

    19
    投稿日: 2025.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私は猿橋勝子という人のことも、 放射能汚染の起きる実験の多かったことも、 ほとんど知らないで生きてきた。 知らないままにならなくてよかった。

    3
    投稿日: 2025.10.01
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    恥ずかしながら猿橋勝子さんのことは今作で初めて知った。 戦前から化学研究をされていた偉大な女性。今でこそ女性研究者も増えてきたけど、この時代に一線で研究をするということがどれだけ大変だったか。 伊与原新さんの理系目線と地道な調査で、この時代の雰囲気をリアルに感じることができた。 勝子のとことん追究する姿はまさに研究者向き。そして、それを開花させた三宅先生と出会えたことは本当に良かった。 知らなかった世界にどっぷり浸かって、楽しい読書だった。

    52
    投稿日: 2025.10.01
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    勝子は三宅という良い師と出会えて良かったと思う。彼は勝子のことを最初から研究者として見てくれていた。三宅の研究に対する姿勢とはこういうものだという考えが勝子の考えとなって勝子自身どんどん成長していくサクセスストーリーという側面と女性研究者が軽んじられているという差別問題という根深い問題も扱っている。日本はまだまだ女性を軽んじる面が多々あるのでわたしは女性を重んじられる人になりたいという思いを強くした。

    0
    投稿日: 2025.09.30
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    サイエンス領域をテーマにする伊予原新らしさが出ている素晴らしい物語。多くの参考文献数が物語るリアリティ感がすごい。NHK朝ドラになりそう。

    24
    投稿日: 2025.09.28
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    CL 2025.9.23-2025.9.25 実在の科学者、猿橋勝子の史実に基づくフィクション。猿橋勝子という名前も知らなかった。この作品を読むともっと一般にも知られるべき人物だと思う。女性であることのハンディ、日本人であることのハンディを克服すべく、ひたすら実験に取組む姿勢が胸を熱くする。 本人の熱意や努力はもちろんだけど、この時代にしては両親、兄がとても理解があったことが素晴らしいし、三宅という師に出会えたことが彼女にとっていかに幸運であったかを感じる。 それにしても巻末の参考文献が多くて驚く。

    1
    投稿日: 2025.09.25
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     女性科学者に送られる「猿橋賞」これに関しては、私も知っていたが、肝心な猿橋勝子さんがどういう人か?という事には、今まで関心が無かった。  表紙の紫陽花が咲く野原で、雨の雫を手に取る女性の姿が素敵だった。  猿橋さんの、根気強さ、忍耐力、真理をどこまでも追求する姿勢に圧倒された。こんな素晴らしい日本版キュリー夫人がいたとは。  「アメリカに道場破りに出かけ、大将を倒した」というくだりが、胸がすく思いだった。  もっと早くこんな素晴らしい本に出会いたかった。

    5
    投稿日: 2025.09.23
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    科学者の猿橋勝子さんの物語。 好きな作家さん。読むのを楽しみにしていた作品です。 猿橋さんの研究に取組む姿勢に胸熱くなりました。当時は女性が学ぶこと自体が本当に大変だったと思う。猿橋さんのことを全く知らなかったからこそ、この作品を読んでよかった。 猿橋さんの活躍のきっかけにもなった恩師も素敵な人でした。

    14
    投稿日: 2025.09.23
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    猿橋勝子さんの研究に対する姿勢に心打たれた。 この小説に早くに出会っていたら研究への向き合い方も変わったのではなかろうかと思う。 研究者を志す若い人たちにぜひ読んでもらいたい。

    1
    投稿日: 2025.09.23
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    猿橋勝子の自伝風小説。戦前から戦後にかけて、女性ながら物理化学の世界で研究を続け世界にも認められるその一生にハラハラどきどきしながら読み進めました。 本人の資質は勿論ですが、彼女は三宅先生という素晴らしい師に出会えたことそして理解のある両親や兄がいたことが本当に良かったです。

    1
    投稿日: 2025.09.23
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    研究者猿橋勝子ドキュメント。 この人知らなかった。この人もそれを小説にする人もすごい。 原爆がなぜいけないのか、ヒシヒシとわかる。

    1
    投稿日: 2025.09.19
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    主人公の猿橋と聞いてすぐに「猿橋賞」を思い浮かべたが何を成し遂げた人かは知らなかった。 静岡県民にはよく聞く「第五福竜丸」にも関わったんだね。また日米相互検定の結果には溜飲を下げた。

    1
    投稿日: 2025.09.17
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    知られてほしい生き様ではある。 しかし、しんどい。 今なお、女性科学者を始めとする「女性」たちが置かれている状況が決して好転してはいないことを感じるだけに。

    9
    投稿日: 2025.09.17
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    科学者、猿橋勝子の物語。科学者が作り出した原子爆弾とは。科学が戦争に使われるという悲劇を繰り返さないために、科学者に何ができるのか。女性が下に見られていた時代に勝子がやったことは。戦争が終わった後でも水爆実験で放射能汚染の犠牲になった人がいたこと。話は難しかったけど、猿橋勝子について、もっと知りたくなった。

    0
    投稿日: 2025.09.16
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    科学者・猿橋勝子さんの史実をもとにしたフィクション。といえど、実験や研究の記述がとても多くて、途中ちょっと挫折しかけたぐらい詳細な内容。 戦前・戦時下・戦後にわたって活躍され、日本の女性科学者の未来を切り拓き、地位向上に尽力された偉大なお方だった。 〈何より大事なのは、どんな状況にあっても、科学の火を絶やさずにいること〉 放射能研究の第一人者でもあり、放射能汚染の実態を世界に先駆けて明らかにしたりと、その並々ならぬ貢献が記されていた。

    14
    投稿日: 2025.09.16
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    女性科学者・猿橋勝子の話。 読むのにほぼ一日かかってしまった。実験の説明がいくら読んでも頭に入ってこないのよ…。何となくは分かるんだけど、かなり薄ぼんやりとした理解。 まあそんな私の勉強不足は置いといて、勝子は凄い人物だった。子どもの頃から夢を持ち、憧れの人からの心無い言葉を逆境にやりたいことを見つけていく。 とにかく研究熱心で、微量分析では右に出る者はいないと言っていいほどの技量も持っている。 私が特に凄いと思っているのは、勝子の芯が通っているところだ。戦争のために科学を利用するのではなく、いつか科学が社会のためになると信じて、研究を続けている。研究への姿勢は妥協を許さず、自らにも他人にも決して甘くなかったであろう人柄を見るに、たしかに「面倒くさそう」な人だったのかもしれないが。 あとは、米国の権威者と実験対決をするため、単身渡米し、1人で実験を全てやり遂げたフィナーレも最高だった。弱気になったときもあったが、なんて強い人なんだろうか。 しかし、こういう女性が活躍することの難しい時代に見事な活躍をした話を読むと、同性として恥ずかしい気持ちになる。比較するのも烏滸がましいが、世のため後進のためと動いている勝子に対し、私には社会を良くしたいという思いが欠けているのだ。ああ…泣

    8
    投稿日: 2025.09.15
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    本書を読むまで猿橋勝子という科学者の存在は知らなかった 女性が学ぶことが難しかった時代に「なぜ雨は降るのだろう」という、当たり前だと思っていたことに疑問を感じ、科学の道へと進んでいく 戦前・戦中・戦後と、時代の波に翻弄されながらも、ただ研究し続ける姿に感服する 勝子の情熱を支え、導いてくれる人々に出会えたのも幸いだったのだろう ただ科学に疎い者にとっては作中の実験過程が辛い その分、勝子という人物の内面を読んでみたかった

    1
    投稿日: 2025.09.15
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    著名な猿橋勝子のことを深く知りはしなかった。 少女時代から「なぜ雨は降るのだろう」と疑問に思い、理系に興味を抱く。 一度は、生命保険会社に就職したが21歳で医学専門学校の受験する。 そこからずっと科学を信じて、ひたすら研究に打ち込んだ。 戦時下で科学と戦争の関係を問い続け、戦後はビキニ水爆実験による放射能汚染の実態研究に…。 彼女の生涯は、科学が全てであったのだろう。 マリー・キュリーに憧れ、三宅と出会ってひたすら実習に打ち込んだことで、気象と化学の関わりを深く知ることになったのかもしれない。 自らを奮い立たせ、諦めないということは凄いことだと改めて感じた。

    84
    投稿日: 2025.09.14
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    猿橋勝子さんのことは知らなかった。 女性が高等教育を受けることが一般的ではない時代に好きな物理の勉強をしたい一心で進んだ科学への道。 ただひたすらに真理を追い求め、手間を厭わず、失敗を恐れず、突き進む姿。女だから、大学を出ていないからと歯牙にもかけられない中、腐らず、好きな道を極めていくパワー。 実績を認められ、東大から博士の学位を授与され、女性だからという珍しさではなく、その実績をもって世界に認められた女性。 決して自分の満足のためだけじゃなく、後に続く女性たちのためにと、ガラスの天井を突き破り、道を作り続けた人。 こういった女性たちの努力の積み重ねがあって今があるんだなとしみじみ思う。

    3
    投稿日: 2025.09.12
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    ビキニ環礁の水爆実験の頃、残留元素を定量分析することから、世界的な権威になった 猿橋勝子さんの伝記です。ごちゃごちゃ言わんと読むべき。 アメリカやソ連がやっていた水爆実験てなんだったの? 恐ろしく愚かな人間たち。

    1
    投稿日: 2025.09.10
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    猿橋賞(優れた女性科学者に与えられる賞)の猿橋勝子博士(1920〜2007)の半生を描いた物語。 女性である、日本人であるというハンディにもめげず、地道な研究を重ねて、日本で、そして世界で、科学者としての信頼を勝ち得ていった猿橋。ただただ尊敬する。 1954年の第五福竜丸が被爆した際の研究に続き、原水爆実験による放射能汚染について研究。「核兵器とそれのもたらす災害について、科学者には全人類に伝える義務がある。科学者の職務は、科学を人間の殺戮と文明の破壊に使わせないこと」オッペンハイマーの孫弟子の東大の先生も出てくる。 戦争について、「これからの世界に必要なものは、社会を形づくる共通の言語。それは、英語という意味ではなく、自由、人権、民主主義、そして何より科学という言葉。これらの言葉を社会の礎にしていることを互いに認め合ってさえいれば、戦争など起きないのではないか」 科学!yes, science!global warming is not a hoax!どこかの大統領に言って聞かせたい

    76
    投稿日: 2025.09.09
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    科学者として尊敬するべき方です。 恥ずかしながら猿橋勝子さんは存じ上げませんでした。ですがこの本を通じて、猿橋先生を科学者として所作を見習いたい方と思いました。 戦前から戦後の怒涛の時代を生き抜き、まだ女性科学者という立場が軽視されていた時代に風穴をあけた素晴らしい方でした。 本小説は内容として伝記に近いものですが、科学者を描くならば適当だと思います。時折、分析に関する専門的な用語はでますが、すごく根気のいる作業ととして受けとれば通読には影響ないと思います。ですがちょっと調べてみると、どれだけ大変な作業をされていたかが分かると思います。 この小説で猿橋先生を知れてよかった。 ありがとうございました。

    1
    投稿日: 2025.09.08
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    戦前から戦後にかけて、まだ「リケジョ」が異端視されていた時代に、「雨はなぜ降るのだろう」という素朴な疑問を抱いて科学の道を志し、やがて「微量分析の達人」と呼ばれるようになった猿橋勝子の半生を描いた長編小説です。(あとがきには「猿橋勝子氏の生涯に基づいたフィクション」と明記されています。) 私自身も大学では化学を専攻していました。有機合成化学なので分野は異なりますが、アスピレーターといった実験器具の名が登場するたびに懐かしく感じました。作中では主人公の分析技師としての側面が強調されている印象を受けます。もちろん、その卓越した技術は、物語の最大の山場――単身渡米し、現地の研究者と同一サンプルを用いた海中セシウム濃度の「分析競争」に勝利し、核実験による汚染の深刻さをアメリカに突きつける――という展開へとつながります。 ただし実際には、分析手法そのものを発案し、実証実験を通して改善確立するといったクリエイティブな研究活動もあったはずです。さらに、後に第一線で活躍する女性科学者を顕彰する「猿橋賞」を設立したことを考えれば、社会的活動や後進育成にも力を注いだ広い視野の持ち主だったのでしょう。その点についてももう少し書き込んで欲しかったかな。 そんな訳で、少し小ぶりな印象を受けつつも、全体としては骨太でかつ感動的なしっかりした作品でした。 それにしても巻末に挙げられた「主要参考文献」が6ページ80項目以上って・・・。

    9
    投稿日: 2025.09.03
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    女性科学者猿橋勝子の生涯を描いた小説。 理系の方には知られた存在なのかもしれなきが恥ずかしながら本書を手に取るまで名前を知らなかった。母校(あの駒場東邦の母体の大学)についても。 理系作家として売り出し中、選んだテーマが素晴らしい。地道な基礎研究の先に見える世界、その魅力について。 ビキニ環礁の水爆実験、放射性物質の拡散など、猿橋勝子の果たした研究が後の世に与えた影響は限りなく大きい。 市井の目立たぬ人にスポットをあてた、プロジェクトX的な内容でした。

    3
    投稿日: 2025.09.01
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    TVで放送されて知った猿橋勝子博士の伝記小説。理系作家の伊与原さんに最適な題材。 空から降る雨に関心を持ち、理系の研究に憧れた猿橋さんは、親にも自分の希望を言えずに女学校の後は一般の会社に。兄の強い勧めもあって専門の道を目指すことになる。女子医大の吉岡彌生に憧れ、最初は女子医大を受験。ここで吉岡の面接で失望を感じて合格するもまた別の道へ。もう一人の憧れ、キューリー夫人と同じ道へ。 ビキニの水爆実験での放射線量測定で次々と新事実を見つけて行く。アメリカに不都合なデータから、アメリカで権威者との競争測定に臨む辺りから、猿橋博士を応援したくなってくる。 生涯を研究と女性科学者の育成に捧げた博士の生き方に感動させられた。

    79
    投稿日: 2025.09.01
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    『藍を継ぐ海』で第172回直木賞を受賞した伊与原さんの受賞後第一作。「女性科学者に明るい未来をの会」が毎年、優れた研究業績を挙げた女性科学者に贈呈している「猿橋賞」。この団体及び賞を設立した猿橋勝子を主人公とした著者初の伝記小説だ。 戦中戦後を通して現・気象庁気象研究所にて様々な研究を行い、ビキニ環礁での水爆実験による放射能汚染の調査が高い評価を受けた猿橋。最大の読みどころは敵地アメリカに乗り込んで行われたフォルサムとの“分析測定法”対決だ。全篇を通して女性科学者の魁としての猿橋の言行に感銘を受けた。

    5
    投稿日: 2025.08.30
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    著者の直木賞受賞後の1作目。戦後80年にプラス科学者出身の著者らしく、猿橋賞で高名な女性科学者の先駆たる猿橋勝子を題材にもってくるあたり渋い人選。人となりまで存じ上げなかったので大変面白く拝読。科学者の矜持と流麗な文体が混ざり合ってとても心地良く読める。

    3
    投稿日: 2025.08.30
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    #読了 #翠雨の人 #伊与原新 愛や友情といった人間の感情ではなく、自然科学という題材がなぜこれほど心を揺さぶるのか。それは作者が真理を追求する科学者たちの地道な努力や溢れる熱意を掬い取って表現してくれているから。巻末に記された膨大な参考文献と論文の量に現れているように、途中までは実験シーンのリアリティが圧巻の、ストイックなドキュメンタリーのような展開。でも終盤のフォルサムとの対決には胸が熱くなったよ。 #読書好きな人と繋がりたい

    9
    投稿日: 2025.08.29
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    猿橋勝子さんの生涯に基づいたフィクション。 研究というものは基本、失敗の連続。 そうやって研究を重ねてたくさんの発見、発明がされていった結果が今。そんな事を思うとどの分野の研究者さんたちに脱帽。 勝子が子供の頃(雨とはなんだろう,なぜ降るのだろう)大抵の人が当たり前に受け止めているような事に疑問を持つ事が研究者に向いてるんだろうなと思った。そして、そんな子供でありたかったななんて考えた。 戦場がメインではなかったけど、戦時中の物語を読むと悲しい気持ちでいっぱいになってしまった。

    1
    投稿日: 2025.08.27
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    美しい色彩の装丁とタイトル 雨が不思議で好きだった少女が ビキニ環礁の水爆実験等、 放射能汚染の最前線で活躍し、 世界で演説するまでに至る 女性科学者・猿橋勝子の物語 様々な別れ、女性蔑視、戦争も体験しながら、 科学やその在り方に常に信念を持ち、 邁進してきた勝子さんの生き様に感銘を受ける とくに、4章の単身で渡米し、 アメリカの科学権威と戦う様は 圧巻だった 科学の在り方について、考えさせられる物語でした

    36
    投稿日: 2025.08.25
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    『翠雨の人』 は、ビキニ環礁の水爆実験によって太平洋に拡散された放射性物質の検出に挑んだ女性科学者、猿橋勝子(さるはし かつこ) の生涯を描いた、心に深く響くノンフィクション小説です。 私は恥ずかしながら、この偉大な科学者の存在を全く知りませんでした。そして、戦前から戦後の日本科学史についても、ほとんど無知だったことに気づかされました。しかし、ページをめくるたびに、彼女の人生の重みに引き込まれていきました。 本書の最大の魅力は、猿橋勝子が示した「静かな怒り」と「ひたむきな探究心」を鮮やかに描き出している点です。彼女は、理不尽な状況や偏見に声を荒げるのではなく、ただひたすらに目の前のデータと向き合い、真実を追い求めました。その姿は、私たちに「本当に大切なこと」とは何かを問いかけます。 科学の知識がない人でも、この物語は心に響くはずです。猿橋勝子の人生を通して、科学の真髄とは何か、そして一人の人間が世界に与える影響の大きさを感じることができるでしょう。読後には、きっとあなたの心にも、彼女の「静かなる戦い」が残した感動の雨が降るはずです。 『翠雨の人』 は、知識だけでなく、生きる上で大切な姿勢を教えてくれる一冊です。彼女の人生に触れることで、あなたの世界観は少し変わるかもしれません。

    3
    投稿日: 2025.08.25
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    理数系が苦手なので、科学や物理とは無縁の生活をしているが、この作品は難しい題材ながらもどんどん読み進められる内容だった。気付いたら涙がボロボロと流れてしまう。戦時中に活躍した女性の科学者がいた事を初めて知り、科学者でありながら平和を訴えた彼女の生き様に深く感動した。伊予原先生の緻密な文章力と構成力はさすがの一言。

    0
    投稿日: 2025.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    猿橋勝子博士の生涯を描いた小説。 坂本龍一のピアノ曲をBGMに、世界観に没入しあっという間に読了。科学とは何か、信念を貫くということはどういうことかに触れられた。 いくら有能で高名な科学者であっても、人間性が豊かでなければ、師と仰ぎついていくことはできない。猿橋勝子博士は、尊敬する師に巡り逢うことができた。敗戦国や性別といった当時のハンデに屈することなく、信念を貫いた姿勢に感銘を受けた。

    13
    投稿日: 2025.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今のところ今年読んだ本の中で一番よかったです。とにかく周りの人に薦めて回りたい。 第二章でのんちゃんが広島に引っ越すときはああーと心配になり、第四章はアメリカに対して酷い奴らだと憤り、でも最後に共著で論文を出そうというところではべしょべしょに泣きながら読みました。最終章も泣きました。 東邦大学や学術・科学技術情報とか研究支援に昔多少なりとも関わっていた頃を思い出して懐かしい気持ちにもなりました。 伊与原新さんの小説を読むといつも科学や学術について自分もできる支援はなんでもしようという気持ちになります。 NHKの朝ドラはこういう偉人の話を見たいです。

    9
    投稿日: 2025.08.14
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    子供のころの疑問が将来への道を作る 果敢にアメリカで研究に没頭する姿がとても素敵に描写されていた 女性の第一人者として研究に捧げた人生は誰にでも歩めるものではない 猿橋勝子さんの人生を追体験できて良かった 伊予原さんの参考文献の数、 多すぎて圧倒されました

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    Amazonの紹介より 私は闘う。科学だけが導いてくれる真実を手に――。 「雨とは何だろう。なぜ降るのだろう」。少女時代に雨の原理に素朴な疑問を抱き、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代に、科学の道を志した猿橋勝子。戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、アメリカが主張するよりも放射能汚染が深刻であることを証明した。勝子の研究成果は、後年、核実験の抑止につながる影響を国際社会に与えた。研究を愛した実在の女性科学者の先駆けの、生涯にわたる科学への情熱をよみがえらせる長篇小説。『藍を継ぐ海』で科学の壮大さとあたたかさを伝えた著者による直木賞受賞第一作。 読んでいた時は全然小説として読んでいたのですが、小説に出てくる猿橋勝子さんは実在の人物ということで、恥ずかしながら存じ上げなかった方だったので、今回を機に勉強になりました。 猿橋さんは、放射線測定における研究に関わっていたということで、その生涯が描かれています。 当時は、女性が仕事現場にいる人がとても少ない時代であり、それも戦争時代。 その辺りが描かれているのですが、放射線の恐ろしさ・危険性、科学における影響力が凄いなと思いました。 特に原爆。この時期に発売されたということは、こういった内容が含まれているということを狙っているのかという考察をしたくなるくらい、旬だなと思いました。 伊与原さんは、ジャンルは違いますが、理系出身者ということで、より高度な科学の言葉が使われています。 なかなか詳細に理解することは難しかったのですが、嚙み砕いてわかりやすく書いています。 本の最後には、多くの参考文献が使用されたということで、その熱意が伝わってきます。 今迄は、科学の話題を絡めながら、登場人物達の心を癒す物語が多かったのですが、今回は時に人を傷つけ、時に悪い意味で影響力を与えるといったダークな部分も含まれているため、異色の作品だなと思いました。 結婚ではなく、研究に人生を捧げた猿橋さん。その生涯を読み解くと、科学に対する愛情や仕事としての誇りなど研究者としての情熱があって、色んな方に知ってほしいなと思いました。 史実を元にしたフィクションであるものの、猿橋さんの人生を通じて、放射能の危険性や科学における影響力を学びました。 小説として、雨の表現も印象的でした。 原爆の「黒い雨」やビキニ環礁での「死の灰」といったダークな表現やシトシトと降る切ない時に使われる表現に「雨」が使われたりと色んな所で、「雨」に関する表現が印象深く、しっとりと心に刺さりました。

    11
    投稿日: 2025.08.12