
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【収録作品】 風になるにはまだ 手のなかに花なんて 限りある夜だとしても その自由な瞳で 本当は空に住むことさえ 君の名残の訪れを 生身の身体で生きることが難しい事情を抱えた人々が、〈情報人格〉として仮想世界で暮らせるようになった近未来を描く。 そちらを選択する人としない人、当事者と周囲の人、散逸の恐れと非現実的な行動の可能性、それぞれについて描きながら、近未来への希望をつなぐ物語。 死とは何か。 仮想空間で生き延びるというのは、優秀な第三者の善意による管理あってのこと。その前提が危うく思われてしまう。
1投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログみんなが真剣に生きていた。 タイトルだけではわからない世界観で 自分だったらとか 歳を取りたくない人もいるだろうとか 読了後に 頭でごちゃごちゃ考えた この作品が 心に残り 別の物語を作る人もいるだろうと思う。
31投稿日: 2025.10.16
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肉体はなくなっても意識だけは残って「情報人格」になるという設定の中でいろいろとご苦労なさったと思いますが、やはり年寄りにはついていけなかった。 とくに引きこもっていた女性がそこでなら生き生きとできるから家族に別れを告げてそちらの世界に移るって、これはいかんでしょ。こうなると現実世界を捨てる人が続出ですよ。 歌舞伎町のトー横でオーバードーズしている若者たちはこんな気持ちなのかなあ。そっちに行っちゃってもいいとは言えないなあ。
0投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログSF作品と思って読み始めたが、 読み心地や読後感はむしろ純文学に近いものだった。 電脳世界に意識を移して生き続ける、という設定はありふれたものだが、 そこで永遠の命を生きるのではなく、 「散逸」という概念を取り入れているのが新しい。 SF的世界観を背景に、純文学的に人の心の営みを描く、 という潮流は今後もますます強くなりそう。
6投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ連作短編。 仮想現実の中で生きることができる近未来、逆に他人の体を借りて現実世界にアクセスするとした場合。そんな世界について描かれた物語でした。SFファンタジーというよりは、起こるであろう未来の中で葛藤する人間の姿が静謐な文章で綴られているようで好印象でした。 星3つの評価といたしました。
1投稿日: 2025.09.28
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身体はなくとも、情報人格として、少しでも生きてさえいればいいのだろうか。それとも、死や痛みが伴っても、現実世界に存在しているからこそ意味があるのだろうか。この価値観は個人によって大きく異なるのだろう。 こんな世界はありえない、とも言えないような、今から程遠くない未来が描かれているようで、少し恐怖や不安を覚えた。私の想像力が欠けているため、なかなか物語の世界に入りこめない箇所もあったが、人としての生き方や死に方を考えさせられる内容だった。
2投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ繊細で優しく、美しい、人が人を想う気持ちに満ちた物語。 ・地の文が図抜けて上手い。作者の観察眼がすごい。 ・嫌なやつに固執しない。殊更に書き立てないのがいい。 ・単身赴任でフルリモートっていう働き方の人は、情報人格の人の気持ちがよく分かるかもと思った。 ・情緒も風情もなく言うと、片道切符の異世界転移モノ(前の世界と通信はできる)。
1投稿日: 2025.08.17
