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総合評価

23件)
3.2
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    ソメヤさんの、自分がなく流されまくって結果的に卑屈になってる様子にイライラしたり、ミナイの脈絡のない言動に唖然としたり、乙部さんのまあまあな身勝手ぶりにへきえきとしながらも、絶対に交わらなそうな人たちがなぜかつながっていく様子が、ありえないようで、もしかしたら現実はこうかもと思ったりもした。 現実の他人とのつながりって、決して共感と理解の上になりたってるわけじゃない。 社会のなかで生きていれば、絶対に分かり合えないと思う人とつながることもあるし、他人にはきっと解ってもらえないだろうと思う自分だけの感覚や気持ちを抱えながら人と付き合ってる。 共感できなかったり分かり合えないことを理由に人とつながらないって、もしかしたらもったいないことなのかもしれないと思った。

    0
    投稿日: 2025.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    不愉快な登場人物しか出てこないというトンデもない設定の小説。出てくるヤツがみんな俺の嫌いなタイプ。良くてケンカ別れ、酷いのは一緒の空気も吸いたくないような嫌悪感。 なのに、どんどん読めてしまうのは文章の上手さとストーリーの構成の巧みさ。良くできた不愉快な小説なのだ、こんなの描ける作者は凄いとは思う。 私生活に思いっきり干渉されて自分の居場所を無くすような環境でも妥協してしまうような優柔不断さ、自分の興味を満たすために他人に痛みを与えるような治具を終始身につけさせてぶしつけに感想を訊けるような無神経さ、明らかに育て方を間違った息子から離れたいがために、ほとんど見ず知らずの女性に嘘をついてまで見合いを目論む母親、不愉快な食事であっても、自分の食事代すら払わずに席を立つエエ歳のおっさん… こういう不愉快なヤツばっかりの小説を読んで思うことは、俺もきっと不愉快なヤツなんだろうな…ってこと。 こんな風にはなりたくないと思うってことは、もうすでに片足以上はそんな風の世界に足を突っ込んでるんじゃないかな?と。最近、自分の思っている普通や常識が世間とずれてる違和感も良く感じることがあるし。 まぁ、ここまでイヤな雰囲気を周囲に与えないよう、でも自分の快適さもある程度追求できるよう、静かにしたたかに生きていこうと、なんか妙な感想をもってしまった。

    1
    投稿日: 2025.11.04
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    登場人物の誰をも応援する気にならない?親しみを覚えない?そんな感じで読み進めた。名前がカタカナなのはなぜ?とも。 3人目の主人公、乙部さんだけが感じ。幸子さんと下の名前も出てくる。その息子も、カタカナから漢字になる。 それは、そのことによって、何かを意図しているんだろうが、わからないまま… とここまで書いて、他の人の感想を読んだら、多くの人が「共感できない」的な感想を持っていて、なんか、ドヤ顔。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    何の記念日だったんだろう。他人との繋がりってどこでできるかわからないもんだ。乙部さんと知り合ったのも偶然で、1回きりの付き合いっぽかったのにね。

    0
    投稿日: 2025.10.08
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    タイトルと装丁から想像した内容とだいぶ違った。ある種の生きづらさを描いた物語。 暗い話ではあるけど語り口が柔らかく、不思議な魅力がある。

    1
    投稿日: 2025.09.25
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    不思議な空気感流れる小説。 ただ老女の心の中はひしひしと伝わってきた。ワタシも仲間入り近いのか? ところどころでこの表現の仕方がいいなぁって思う事多し青山七恵さん。

    0
    投稿日: 2025.09.24
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    ハマる人にはハマるのだと思うけれど、私にはちょっとよく分からない世界観だった。 登場人物の誰にも感情移入も共感も理解も出来ない。孤独とか理不尽とか苛立ちとか、なんかそういうものを感じ取らないといけないのかもしれないけど、「変な人たち」「絶対かかわりたくない」としか思えない。この作者さんにはあまり縁がないようだ。

    8
    投稿日: 2025.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今回は作家が「デビュー20周年、筑波大学図書館情報専門学群卒業の作家、登場人物が図書館職員で非正規雇用の人」であることから気になり読んでみました。過去の作品『ひとり日和』では若者から見た年長者の生き方、距離感が描かれていました。類似性、語りの視点の変化(若者一人称から三人称)、作家自身が年齢を重ねたことによる作風の変化も気になりました。 タイトルの『記念日』は、誕生日などの一般的な記念日ではなく、人生の中でふとした瞬間、世代を超えた接触や共感の瞬間が「記念日」であると読み手に委ねています。 異なる世代の女性三人が語り手となることで、日常の中で揺れる心や身体の感覚を通じて、他者との関わりや自分自身の変化を表現しています。 ソメヤは「朝起きたときに、自分の体が貯金箱の中の小銭みたいになって、ガチャガチャ不愉快な音を立てている気がする」と表現します。「貯金箱の中の小銭」=身体のざわめきと不協和音は、統一感のない身体感覚です。目覚めとともに訪れる不快なノイズや自分の体が“他人のもの”のように感じられるままならさ。貯金箱の中の小銭は、持ち主の手に渡るまで“使われない存在”。ソメヤにとって、自分の体は「自分のものなのに、思い通りにならない」ものです。体の不快さに苛立ちながらも、それを否定せず、「揺れていい」と不快感を受け入れ「記念日」のように記憶します。 ミナイは「若い体がしっくりこない」、自分の若さに違和感を覚え、「早く老いたい」と願う感性の持ち主です。また、“若さ”への社会的期待、若い女性としての振る舞いや見た目に対する無言の圧力に反発を持ち、居心地の悪さを感じています。「老いへの憧れ」を「みの虫」と表現し、体現しようとします。この老いを“まとって”生きること、老いを演じる、模倣する、体験しようとする姿は、「みの虫」の外から素材を集めて自分を覆う行為です。自分の身体を自分の意志で定義したい、切実な願いです。また、老いへの憧れ=自己決定権の象徴ととらえ、彼女の中では老いた身体は、社会的に“自由”や“諦め”を許される存在でもあります。ミナイはその自由を先取りしたいのかもしれません。他者との距離を測る日、自分の変化をそっと記憶する日もある意味「記念日」です。 ミナイに憧れられる乙部さんはどうでしょうか。キャリーケースを「隠れ蓑」として扱う気持ちは、老いの可視性をコントロールしたいという切実な願いです。「老人らしく」見えるように振る舞い、自分の存在を“社会的に理解されやすい形”に整えるための演出です。他者の視線を和らげ、説明しなくて済む安心感、自分の身体の不自由さを“見せる”ことで、逆に守られる、社会に馴染ませる行為です。乙部さんは、親子というより“同居人”に近い疲れた距離感で、息子の世話から解放されたいという切実な願望を抱えています。「老いの仮面」を押して歩くことで、自分の内面の揺らぎや孤独を覆い隠しています。物語終盤では他者との接触を通じて自分の人生を再び見つめ直します。「自分の人生を取り戻す第一歩」となる記念日を迎えます。 三人に関わる乙部さんの息子マサオは、無職で引きこもり気味の中年男性です。マサオ自身は物語の中で大きな変化を遂げるわけではなく、女性たちの人生の選択や揺れを際立たせる“対照”として描かれています。 全体として、『記念日』は、「物語の起伏」や「感動のクライマックス」を期待すると、エンタメ性に物足りなさを感じるかもしれません。また、読者がどの登場人物に自分を重ねるかで印象が大きく変わります。“自分の人生を生きる”その向き合い方をそっと触れる“感覚”重視の構成は、共感より、読者にゆだねるスタイルのため、「何だったんだろう」と好みが分かれる作品だと思います。

    5
    投稿日: 2025.08.26
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    最初は違和感  登場人物たちの感情についていけない  でも第一印象が良くないのに、相手を知るためにさらに交流を続けるとか謎の行動をとるのを、はああ?と思いながら読んでいく 3人めのさっちゃんのあたりから、頷く部分も出てくる 年をとると、『心が広くなるどころか狭くなる一方だし、我慢できないものが増えてくるし辛抱する元気もなくなる』とか、ホントそう。 ニコニコして、なんでも肯定して受け入れてくれる年寄りって、もう幻想世界にしかいないのでは。

    1
    投稿日: 2025.08.15
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    42歳のソメヤと23歳のミナイのルームシェアから始まるストーリー。ミナイの年をとりたい願望が76歳の乙部さんへとうつり、不思議な内容だ。文章が流れるようなので長い話だがすぐ読めた。年を取る感覚はこんな感じなのだろうな。

    1
    投稿日: 2025.08.04
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    日本語を大切にする作者。吟味された言葉が紡がれていく文章はとても素敵。長い話ではあるが、それを保つだけの強度を備えたストーリーとキャラクター。不思議な作品である。3.6

    1
    投稿日: 2025.08.03
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    静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓ https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=uVf6TDEZofqfT6VqNlKPIQ%3D%3D

    0
    投稿日: 2025.07.17
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    乙部さんと息子とソメヤさんとミナイさんとロミと。 面白く読んだんだけど、テーマはよくわからない。 でも年配の独身息子と暮らす乙部さんと私は同じかも。息子、早く幸せに、私は一人でも大丈夫。できたら、ソメヤさん達のような知り合いできるといいな。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    『自分の体が貯金箱』はわからないが 何かとぶつかった時だけ自分のかたちと重さがわかる という感じはわかる

    0
    投稿日: 2025.07.02
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    ためになるでもものすごく共感できるでもないんだけど笑 とてもひきこまれて、グイグイ読んだ。 冴えない中年女性、ソメヤさん。いつもすみませんと謝ってばかり。老いたい、老いを研究するミナイさん。無職の中年男性の息子正雄と二人暮らしのおばあさんサッちゃん。3人の女性の話だが、無茶苦茶なミナイさんや、失礼なサッちゃんなのになぜか憎めない。正雄もいい男ではないのに、憎めない。不器用な登場人物たち。ハリーまさおとか言葉選びに笑った。

    1
    投稿日: 2025.06.28
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    この作家の小説は話の筋より展開に伴う感覚や内面の描写を読むものだという認識で、今回もそれは素晴らしい。 女性の体と内面を描くとなるとジェンダー思想に寄りすぎてことさら男性の有害性に晒される女性性みたいな話になりがちな所、この作品は中年・若年・老年と三人の女性の身体感覚に寄りながらちゃんとバランスよく描いている。 そして展開が一筋縄で行かない所がまたこの作家らしい。 中年ソメヤが若年ミナイが家主の物件のルームシェアに入る所から始まるが、老人の体に思う所のあるミナイがソメヤに「老人にならないか」と持ちかける所から始まる。 中年ソメヤは勤務先の図書館の上司と不倫してた過去、若年ミナイは大学の頃の友人の男の浮気相手。二人はそれぞれに違う背景で自ら望んで膣内射精を伴うセックスをしてきて、ソメヤは女性のその部分に細菌性の炎症を患い閉塞を感じていて、もう最初から一筋縄では行かない。 図書館での応酬や老人を疑似体験できるサポーターの末、ソメヤと老婆の一人息子・正雄の中年男女二人が食わせ者たちにかなりミニマムに振り回される中で、正雄もしっかり途中から人間になった所で四つ足になりたいと言ったり、ミナイが正雄に侵食しようとして拒まれた後に別の場所できっちり暴力を振るわれたり、老婆が福の神になったつもりで歩いてたらその後にきっちり絶望に突き落とされたりと、とにかく一筋縄で行かないながらも、老婆が中年息子から離れて一人で過ごす日を迎える。それは中年一人息子の解放の「記念日」でもあるのだろう。

    1
    投稿日: 2025.06.27
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    初めての作者。言葉遊びばかり、なんかよくわからないまま読了。もう一展開あるのかと思ったが…「出来ればわたしはもう何にもなりたくない」そう言えば別の何者かになりたいと思ったことないなぁ。みんな思うのか?「人間はまともに生きてたら、そう簡単に優しくなんかならない。心が広くなるどころか狭くなる一方だし、我慢できないものが増えてくるし、辛抱する元気もなくなる」面白くはなかったが読後感は悪くない。

    2
    投稿日: 2025.06.18
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    芥川賞作家ということで読んでみた。3人の女性の、あるようでないような不思議な関係とその日常が描かれて、最後まで面白いのかそうでないのか、わからず。こういう場合は、面白くないということ

    57
    投稿日: 2025.06.16
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    登場人物達の不器用さや自己主張の強さ、真面目さがお互いの居心地の悪さに繋がっている感じがしましたが、根底はなんとなく似ている人たち。息苦しさを感じつつも、先の展開がどうなるのかと気になり、グイグイとひき込まれました。装丁と内容が良い意味でちょっと違う感じですが、好きな物語でした。

    1
    投稿日: 2025.06.12
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    帯から受けた印象とはまったく違った展開。 「小さなハレの日」そして「記念日」とは。 出てくる誰にも共感できず、好ましさも持てなかったが、なぜか読後感はさほど悪くもない不思議。

    2
    投稿日: 2025.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結構とんでもない作品だった。ミナイみたいなまさに無神経な人と共存生活できないし、ソメヤのようにミナイの言いなりになっておばあさんの頼みを聞いて引きこもりのような中年男とデートしたり、私には到底無理だし、おばあさんの息子の元カノのようなものへの未練は狂気的で…そう、まさに狂気。疲れる本だったけど面白かった。そしてこの作品に記念日とつけた著者のセンスも好き

    3
    投稿日: 2025.05.30
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    『ソメヤ』『ミナイ』『サッちゃん』。この3人の関係性が、終始異様でモヤモヤした。更に『マサオ』も加わり、歪さ、不愉快さはMAXに。共感度ゼロな彼らだが、何故か見守りたい気持ちが勝り、無事読了。

    5
    投稿日: 2025.05.27
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    歳を重ねる、という事は。 体が老いる事。誰かと過ごす事。 一つとして同じ時はない事。 なんのために、どうしたくて歳を取るのか分からないけど、そのモヤモヤを抱えながら生きるしかないんだろう。そんな事を考えた。

    1
    投稿日: 2025.05.06