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グッナイ・ナタリー・クローバー
グッナイ・ナタリー・クローバー
須藤アンナ/集英社
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総合評価

30件)
4.2
13
8
7
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    本や映画ではあまり泣かないのだが、涙が出た。子どもにとってはどんな親でも親がすべて。臨床心理の現場で出会う子どもたちのことが思い出された。そう、悲惨な状況から自分で抜け出すことはとても難しいのだ、自分は無力だと思い込まされているから。寄り添ってくれる友達や大人がいれば、すこしずつ自分を信頼出来るようになる。救われるストーリー。DVの被害者のお母さん、逃げる時に子どもを置いていかないでください。

    0
    投稿日: 2026.01.13
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    傷を抱えた少女たちのひと夏の冒険物語 好きなフレーズ "宝石の中を泳いで踊る。喉が渇いたら、雨を飲み込んだ。私たちはずっと走っていられた。" ソフィアとナタリーがしがらみから解放されて、軽やかに楽しげに夜の街を走るシーンがありありと思い浮かんだ。美しく、かつ臨場感が伝わる表現で大好き。 "どうしようもなく傷ついてきたわたしたちは、身を寄せ合ったって、体温じゃ傷跡が埋まってくれないことを、いやというほど味わってきた。そんな意地悪な人生でも、友達がいれば、不器用な自分を許して、顔を上げられる。" 人と群れないソフィアがナタリーに徐々に心を開いて、自分のことも認められるようになっていく中でのこの言葉はとても重みがある。暗闇の中にいても希望を捨てないソフィアの強さに心を打たれた。

    5
    投稿日: 2025.11.18
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    この本が紹介されているのを聞いて、面白そう!と思って読んだけど、私には少し合わなかったかな。翻訳物みたいな書かれ方がその根本にあるのだと思う。 あとはソフィアがかわいそうで毎日が暗くて悲しくなる。 ナタリー・クローバーが町に来て少しずつ霧が晴れそうな瞬間は見えてきたのに、やっぱり苦しい感じがして。子供がつらい目に合うのを読むのは嫌だな。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    凄く考えさせられる。親子や家族だけでなく親戚、会社、学校、国家、社会、、、多かれ少なかれみんなに当てはまるとこあると思う。

    1
    投稿日: 2025.10.16
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    ナタリーとソフィアの永遠の友情が素敵。 父親の暴力に耐え続け、機嫌を損ねないようにただひたすら自分を押し殺してきたソフィアが切なすぎた。 『今を楽しめ 君は自由だ』

    9
    投稿日: 2025.10.03
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    書店で題名と素敵な表紙に惹かれて手に取りました。 主人公のソフィアのが住む町のモットーは「壊れていないなら直すな」 余計なことをすれば話がややこしくなるだけと、見て見ぬが教育方針の大人たち。 支配的な父、見て見ぬふりをする兄と暮らすソフィアには町が灰色に映っていた。 十三歳の夏、向かいの家にナタリー・クローバーが越してくる。 ソフィアは町長から見張りを頼まれる。 ナタリー・クローバーが町の地図を作ると言い出す。 ナタリー・クローバーの地図作りに協力していくうちに、ソフィア自身がしたいことに気がつき旅立っていく物語です。 言葉選びが個性的だと思いました。 例えば、時間がたつのが遅いと感じたときの表現は「あの時計こんなに足が遅かったけ」とか、変わらない日々の表現は「町は変わらず曇り空で、特別なことは起こらない。昨日を切り刻んでつなげ直した、使いまわしの一日が果てしなく続く」など秀逸で可愛らしい言葉が素敵だと思います。   ナタリー・クローバーが住む家の家主のブラックさんが、ソフィアに言った言葉が一番印象に残りました。 「数字のように、安易に捉えられるものばかりではない。些細な善行が、他人の人生を大きく変えてしまうことがある」 「時に因果は逆転し、結果のために原因をでっちあげるという矛盾が生じる。個人の為に存在するはずの町が、先人の捻りだしたくだらないモットーのせいで、町のための個人へと精神の規範がすり替えられたように。長く続いているものは強大だが、正しいから残ったのだとは限らない。伝統は往々にして取り返しのつかない負債へと醜く変貌してしまうものだ。真に残されるべきは、歴史の皮をかぶった呪いなのではなく、真心から成る財産だ文化遺産など。物質的なものでも、感情の授受でも構わない。」 歴史的な遺産は伝統を守ることは大切だと思うが、個人にも当たり前のように長く続いていることがあると思う。当たり前のことはあまり深く考えたりしない。ブラックさんが言うように「真心からなる財産」なのかを一度考えてみる必要を感じ、「真心からなる財産」は大切にしていきたいと思いました。 次の作品が楽しみです。

    8
    投稿日: 2025.09.07
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    第37回小説すばる新人賞受賞作。 なんか変わった設定です。場所も時代も明示されていいませんが、雰囲気からして舞台は70~80年代のアメリカ南部の閉鎖的な小さな町でしょう。主人公は父親の抑圧的支配(&暴力)を受ける13歳の女の子のソフィア。母親は子どもを置いて逃げ出し、父親と合わない兄が一人と言う家族。 夏休み、そんなソフィアの前の家に現れたのがナタリ―・クローバー。ナタリ―は『博士の愛した数式』の前向性健忘の博士に似て、1週間おきに記憶がリセットされ別人格になる。彼女は毎週月曜日にそれまでの日記を読み返し「初めまして」とソフィアの家に現れる。そんな破天荒なナタリ―と付き合ううちにソフィアは・・。 少女(と、その兄)の自立の物語です。前半は一風変わった舞台や設定について行けず少々苦戦しましたが、後半は良い盛り上がりです。ただ出版社の書いたうたい文句「まばゆくきらめく、エバーグリーンな青春小説が誕生!」という感じでは無く、かなり重い家族の物語。 最終盤に書かれた「親なんて、生まれたときにたまたま一番近くにいたってだけで、人生の中で出会う沢山の他人の中の一人でしかない。」という兄の言葉が寂しい。なかなか良い話なのですが、私の様なシニア世代の男性ではなく、YA世代が読むにふさわしい作品の様です。

    4
    投稿日: 2025.08.19
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    『当然だけど、わたしはいつも独りぼっち。だから、橋を見る。町の端っこにある、ささくれの目立ったベンチに座って、霧ににじんだ橋の影をにらむ。町では日中、どこからか汚い言葉やヒソヒソ声が湧いているのに、そこだけはいつも静か』―『第一週 お向かいのナタリー・クローバー』 出会い頭に読んでしまう本というものが偶にはあるけれど、残りの読書時間(もっと無駄にしている時間を節約すれば増やすこともできるとは思うけれど、なかなかね)を考えると余り考えもせずに読む本を選んでしまうことは本来避けるべきなのかも知れない。とは言え世の中に出回る読むべき本を全て読める訳もなく、結局のところ一期一会ということなのだろう。なんてことをちょっとだけ思ったりする。この本を手に取ったのも「52ヘルツのクジラたち」を読んだ余韻が残っていたからか、あるいはそう言う方向に思考が向いていたからか。普段なら読まないような一冊。 決して読後感が悪い訳でもないし、詰まらない訳でもない。けれど、脳が活性化されて何か言葉が出て来るという感じでもない。そういう本に出会ってしまうと息苦しくなるけれど、決して本のせいではない。本を読むことに対する過度の偏向した志向のせい。上手に構成され、現代的なジェンダーの問題などもそこはかとなく漂い、抑圧と解放という構図も判り易い。ただその判り易さが素直に呑み込めない。歳を取るというのは少々厄介なことだなと噛み締める。

    2
    投稿日: 2025.08.07
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    暴君の父親の機嫌を損ねないことを最優先に生きるソフィア。一週間ごとに人格が変わるナタリーと出会い、浮き立つ気持ちや誰かと心を通わすことを思い出す。架空の町が舞台の寓話的なストーリーで、読後に残るものがあってよかった。

    15
    投稿日: 2025.07.31
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    暴力の街で、暴力の父親に囚われた兄妹 ソフィアは、ナタリーと出会うことで、自分の心を解き放つきっかけをもらった ナタリーは、ソフィアと出会って、初めての友達を手に入れた 兄は父親に怯えながら、少しずつ父親の恐怖に打ち勝つ力を蓄えていた 友情、毒親、兄妹、変わらない街、いろんなテーマが散りばめられていた とても心に沁みた作品だった

    8
    投稿日: 2025.07.08
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    父に虐待されているソフィア。「壊れていないなら、なおすな」と見て見ぬふりがモットーのチェリータウンに彼女を助ける存在は無かった。そんな彼女は父に内緒でお金を貯め、18歳になったら死ぬと決めている。そんな彼女の前に現れたのはナタリー・クローバー、彼の記憶は1週間でリセットされる。その彼がソフィアを救い出す…舞台が日本じゃないこともあるけど、町の雰囲気や周りの感じがちょっと翻訳物、「ザリガニの住むところ」のような感じがする。働かされ、虐待されても、父を愛そうとするソフィア、無関心な町の人たち。誰に縛られなくても「自由」に生きることを教えてくれたナタリー・クローバー。そんな2人の関係性が心地よい良作。

    3
    投稿日: 2025.06.22
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    今自分が置かれている箱以外にも色んな素敵な世界があると教えてもらった。仕事が辛い時とか、逃げてもいいんだよってそっと背中を押してくれる、そんな素敵な本だった。

    3
    投稿日: 2025.06.16
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    父親はどうしようもないがエディーが今後同じようにDVをしないかはわからない。 凶暴性は見てしまうと、存在してしまい繰り返す。強い意志がないと止められない。カッコつけな立派な兄は少し父と似ているように思えた。 ブラックさん、母親目線の物語はひょっとすると温かいものかもしれない。大人の事象と子供の真剣さに乖離がある。同年代で読んだら受け取り方は全く違ったかな。

    6
    投稿日: 2025.05.25
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    どことなく陰鬱な町で暮らす主人公。暗い毎日を過ごしていると、向かいの家にちょっと変わった子がやってきて… というシンプルな導入。それぞれのおかれた悲しくて辛い境遇がどんどん明らかになるにつれて、かえって二人の関係がかけがえのないものになっていく感じがとても良かった。 切ないけど、救われる。

    3
    投稿日: 2025.05.20
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     まず、冒頭部分の抜粋です。   「子供は誰だっていつだって、親にとって一番の自慢でありたいと願う。だって、親は世界のすべてだから。もし期待に沿えなかったら、鏡を見ながら、自分で自分のおでこに、「ダメな子」と泣きながら書かないといけない。~中略~ 子供は何歳になっても親の子供で、自分が粉々に砕け散ってしまうのを覚悟で暴走しない限り、レールから外れることはできない。つまり、わたしたちは生まれを選べないだけでなく、生き方さえもほとんど選べない。~中略~ 十三歳のわたしにとって、世界は霧の町、チェリータウンだけだった。町のモットーは、「壊れていないなら直すな」。 余計なことをすれば話がややこしくなるというのが大人たちの言い分で、見て見ぬふりが 教育目標。~中略~ 褒められたものではない大人たちに認められなかった子供たちが、他にすることもなく安い安いスリルに手を出し、後先を考えずに 子供を作っては、親にされて悲しかったことを自分の子供にする。~中略~ 町はある意味で安定していた。日常は時計の針のように機械的に進み、みんないつか自分がすりつぶされる番を待ちながら、くすんだ日々を過ごしている。誰も正常を知らないから、何が間違いなのかもわからない。」  チェリータウンは、まるで現代社会のメタファーのような町だと思いませんか。  主人公の13歳の少女ソフィアは、そんな霧の町から一度も外に出たことはありません。彼女の父親は酒場を経営する町一番の人気者スタンリー、兄のエディは部屋にこもりっきり、母親は5年前に家を出て行きました。ソフィアはひとりぼっちでうつむいて暮らしています。  そんなある日、お向かいのミスター・ブラックおじいさんの家に、とても変わった「その人」がやってきます。胸まで伸びた髪はボサボサ、服はボロボロ、最初は何歳かも分かりませんでした。なんとブランコの柵の上で逆立ちしたりします。その人の名は、ナタリー・クローバーと言いました(ソフィアのクローバー柄の服を見ながらそう名乗りました)。  ナタリー・クローバーは、夏休みの間だけブラックさんの元に預けられるということでした。町長はナタリーが変なことをしでかさないように、ソフィアに見張り役を頼みますが、自由奔放を絵に描いたようなナタリーは、好き勝手に町を歩き回り、自分だけの町の地図を作っていきます(巻末にナタリー作成の地図が掲載されています)。  そんなナタリーを見ていてソフィアの心に変化が起こります。長~い間押し殺してきた自分の願いに気づいていくのです。。。  本の紹介文には、「孤独を抱えた二つの心が奏でる〈ひと夏の、永遠の物語〉。まばゆくきらめく、エバーグリーンな青春小説が誕生!」とあります。  ナタリーの言動が「実に面白い」のです。霧の町の霧を吹き飛ばすかのようなナタリー。「空気読むって、なに?」、そう言っているかのようです。  このお話を読んでいて、象さんの足かせの鎖の話を思い出しました。象さんは、子象の時に足かせの鎖でつながれます。もがいてももがいても子どもの象の力では鎖は切れません。これを繰り返すうちに子象は足かせから逃れようとしなくなるそうです。子象が大きくなれば本当なら鎖など簡単に引きちぎれるはずなのに、一度諦めた象は足かせを切って逃げようとはしないそうです。  わたしたちも、知らず知らずのうちに暗示にかかっていて、無意識に自分を自分で抑え込んでいることがあるのかもしれません。そして、なんとなく諦めている。。。  そういう限界を破っていくのが若者であり青春なのかもしれません。  (複雑な事情もあるでしょうが)、ナタリーとソフィアを見習って、わたしたちもエバーグリーンを心がけましょう!  みなさん、限界突破ですよ!♡  作者の須藤アンナさんは、2001年 東京都生まれ。本作で第37回小説すばる新人賞を受賞してデビューされたそうです。 (わたし、この作品を読書感想文コンクールの課題図書に推したくなりました♡)

    169
    投稿日: 2025.05.20
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    13歳の少女の閉鎖的な町で生まれ育ってそこで出会った一週間しか記憶が持たない少女との出会いでひと夏を過ごすうちに成長し箱の中と表現した町を出ていくまでの話でこの先幸せになって欲しいと願わずにはいられないぐらいの素直で優しく思慮深い少女だった。 純粋になれた気がする。

    4
    投稿日: 2025.05.19
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    Amazonの紹介より 霧の町チェリータウンのモットーは「壊れていないなら直すな」。酒場を経営する町一番の人気者である父スタンリー、部屋にこもりっきりの兄エディ、そして5年前に家を出て行った母。13歳になるソフィアは町から一度も出たことがなく、独りぼっちでうつむいて生きてきた。 ある日、お向かいに住む無口な老人ミスター・ブラックの家に、風変わりな人物がやってくる。自称「毎週生まれ変わる」ナタリー・クローバーは、夏休みの間だけブラックの元に預けられるという。 町長はナタリーが変なことをしでかさないよう、ソフィアに見張り役を頼む。人の目を気にせず自由気ままに町を歩き回り、自分だけの町の地図を作っていくナタリー。やがてソフィアは、長い間押し殺してきた自分の願いに気づいて――。 孤独を抱えたふたつの魂が奏であう〈ひと夏の、永遠の物語〉。まばゆくきらめく、エバーグリーンな青春小説が誕生! 第37回小説すばる新人賞受賞作。 まさかの外国を舞台にした物語だったので驚きでした。ナタリーと出会ったのを機に、ソフィア自身の人生が大きく変わっていく物語になっています。 父親の暴力に耐えながら、淡々と過ごしている日々は「グレー」な雰囲気があったのですが、段々と明るい色へと気持ちが変化する描写になんとも尊く映りました。 友達ができることの喜びが伝わり、出来事の一つ一つが微笑ましく思いました。 ただ、ナタリーは本当なのかどうかわかりませんが、1週間後には記憶がなくなるという。「毎週生まれ変わる」という表現を使い、毎週会うたびに、ナタリーの雰囲気が変わっていきます。 そんなナタリーと出会ったことで、少しずつ変わろうとしていきます。父親の暴力に耐える描写は心苦しかったですが、後半になって、少しずつ変わろうと行動する姿が印象的でした。 そして、いつかは訪れるナタリーとのお別れ。どんな風にしてお別れになったのかは書きませんが、ナタリーとの出会いは大きな影響であり、ナタリーの前向きさにこちらもどこか勇気づけられたようにも感じました。

    6
    投稿日: 2025.05.09
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    苦悩を抱えたソフィアとナタリーの二人が、出会えて良かった! 13歳という多感な年頃、閉鎖的な街、複雑な家庭環境…いつ崩れてもおかしくないような状況で、どうにか日常を過ごしているソフィアにとって、ナタリーと過ごす時間は救いになっただろうなと。 そしてナタリーにとっても、まるごと自分を受け止めてくれる存在がどれだけありがたかったか。 この先、二人が幸せに過ごせますようにと願わずにはいられなかった。 内容とは関係ないけど、私は海外文学みたいな文体がどうも苦手で、慣れるのにちょっと時間がかかった。

    40
    投稿日: 2025.05.04
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    小説すばる新人賞 外国が舞台の不思議な世界で始まったが、状況がわかるにつれ面白く読めた。縮こまっていた主人公の心が、友達を得たことで、少しづつほどけていく話

    53
    投稿日: 2025.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    舞台が外国だから、というわけではなく 読んでいて海外の児童文学を思い出しました。 私が幼い頃に読んだ海外児童文学の作品の主人公たちは、みな何かを恐れていて、けどその恐れに向き合っていて強く生きている。 受け身で終わらず、自分からどんどん踏み出していく、国内の物語と比べるとちょっと激しい内容の物語でした。 今作で言うと、主人公のソフィアは父親を恐れている。けれどそこで終わらず、最終的にはナタリーを守るために立ち向かう。街を出る選択をする。そんなところが海外の作品を思い浮かべました。 うまく言葉にできないのですが、外国の作品と言われてもそうなんだと納得してしまうような物語でした。 死を決めたソフィアと毎週生まれ変わるナタリー・クローバー。2人の邂逅がソフィアの人生を大きく変えていく。 父親と対峙したことで、エディやノアとの関係もまた変化し、母親との関係も変化するのでしょう。 ナタリー・クローバーはソフィアにとって幸運を運ぶ四つ葉のような存在だったのだと、読み終えて気がつきました。 とても面白かったです!

    4
    投稿日: 2025.04.24
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    うんざりするほど、子どもを傷つける大人たち。そんななかで、友だちとの、本当に、ほんとうに、かけがえのない時間に救われていく。そして、少し切なく、少し爽やかな、読後感が得られる物語。

    0
    投稿日: 2025.04.23
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    帯をみて飛びつきました!! 大好きな作家さんが絶賛されているならば 面白いに違いないと!! んも〜読んで良かった 後半になるにつれて 好き度が増していきました!! 冒頭の一節から 心を掴まれました!! “子供は誰だったいつだって、親にとって一番の自慢でありたいと願う。だって、親は世界のすべてだから。もし期待に添えなかったら、鏡を見ながら、自分で自分のおでこに「ダメな子」と泣きながら書かないといけないから” …というソフィアの痛切な独白から始まります 大人の都合で 子どもで扱われるときもあれば 大人として扱われるときがあるという理不尽さ… 子どもとしてのモラトリアムの息苦しさ… 少しずつ自我が芽生えてきて 他人と比べたり 劣等感や不満や不自由さを感じたり… でも子どもだからこそ好き勝手にできる 瞬間があったり… その歪さや矛盾を感じるソフィアの心情に 昔の自分と重ねながら読んでいました! 灰色の街に住むソフィア 絶対的な存在として君臨する父親の存在だけが ソフィアの世界のすべてでした そんな中で出会ったナタリーと友情を育みながら 少しずつソフィアの自我や自分の輪郭を取り戻していく物語_ ふたりで地図を作るところや 悲しい出来事もふたりで乗り越えていくシーンは 何度もウルウルしました ぜひ多くの方に読んでほしい!! 読む前と 読んだ後では… 表紙のソフィアとナタリーのふたりを見ただけで ふたりへの印象や感じ方が きっと違って映るはず!! 今回がデビュー作の須藤アンナさん これからの作品がとても楽しみです♡ 小説すばる新人賞受賞も おめでとうございます!!

    3
    投稿日: 2025.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025/03/01リクエスト 3 壊れていないなら直すな、と言われる霧の町に住む13歳のソフィア。家事をして父親の居酒屋を手伝っているが激しいDVを受けている。お節介が過ぎるのにDVに関しては無関心な近所の人たち。辛くなるような生活の中で客からのチップを貯め、使い道は18歳で死にたいからその時の葬儀代だと言うソフィアが、向かいの家に来たナタリークローバーと会い少しずつ変わっていく一夏の成長記録。ナタリーとの友情を今後も続けてほしいと願う。

    6
    投稿日: 2025.04.20
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    保守的で衰退する町で父親の虐待から逃れる術を知らない主人公。隣に現れたナタリーとの友情が彼女に変化をもたらす。という有り体の説明では描けないぐいぐい読者を惹きつけるドラマだった。おもしろい。

    3
    投稿日: 2025.04.11
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    チェリータウンに暮らすソフィアは13歳。暗雲とした生活の中で、夏休みの間に隣の家にやってきたナタリーと知り合い、成長する物語りだったと思います。精密に構成されており、また、美しい文章であると思いました。私としては登場人物のキャラクターがやや勧善懲悪的な印象で、星3つの評価としました。

    2
    投稿日: 2025.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての作家さんの小説でした。作者の須藤さんは、私と同年代ということでたいへん驚きました。 ①互いを支え合えるような友だちの大切さを知りました。 私自身、人付き合いが得意な方ではないのですが、本作を読んで、ナタリーとソフィアのようなそんな唯一無二の友人がほしいなと思いました。 ②ナタリーを見て、周りに囚われることなく、『自由に生きる』ということの大切さを学びました。 私も、自分のなりたい自分に生まれ変われるように、少しずつ努力をしていこうと思える。 本作は、読んで明日からの毎日を生きるための勇気を教えもらえるような大切にしたいと1冊でした。 また、夏に読んでみたい1冊です! 今後の須藤さんの作品を楽しみにしています!

    4
    投稿日: 2025.03.30
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    村山由佳、荻原浩、朝井リョウなど、名だたる作家が受賞している小説すばる新人賞受賞作。 霧が立ち込める町チェリータウンに住む13歳のソフィアは、酒場を営む父親の暴力に支配され、母親は5年前に家を出、兄は父親からいないも同然の扱いを受けている。そんな彼女の隣家に1週間ごとに記憶が無くなるという風変わりな少女ナタリーがやって来る。ナタリーとの出会いで、ソフィアは少しずつ自分の本当の気持ちに気づき始め…。 架空の町で異国の物語設定だからか、ソフィアだけでなく、ナタリーの不幸な生い立ちもすんなりと受け入れられた気がする。これを今の日本を舞台にしたら、もっともっと重くて辛かったと思う。 新人さんだけど、とても丁寧な文章で読みやすくYA世代にはぜひ読んでもらいたい。 須藤さんはまだ23歳。もう、小説を書くのに人生経験だの、書いた小説の量だの関係ない。文章が上手い人は若くても上手い。 会社員との両立に大変だろうが、次作にも期待!

    37
    投稿日: 2025.03.22
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    互いを支え合える友達、無条件に隣にいてくれる友達ってほんとすてき。 いつかどこかでまた、二人が出会ってほしい。

    3
    投稿日: 2025.03.19
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    悲惨な状況であるのに,健気で力強く,壊れそうな父親とのわずかな繋がりにしがみついて生き延びるソフィアと隣の家にやってきた1週間しか記憶の持たない少女ナタリー・クローバー.巡り会った二人の友情の奇跡にまたリズム感のある文体にやられました.

    3
    投稿日: 2025.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    尊いものを読んだな、という気持ちで胸がいっぱいだった。 チェリータウンという橋一本で他の町から隔絶されている霧の町で暮らす13歳のソフィア。 母親は5年前に兄と自分を捨てて町を出た。町のスターである父親に支配されて生きているソフィアの、孤独と絶望に胸が痛む。 町のモットー「壊れていないなら直すな」が、すべてを物語る。こんな中で育ったら、夢も希望も持てないだろう。 しかも町も空もいつも霧に覆われているし町の住人たちは洋服もくすんだ色を選ぶ。すべてが灰色。 そんな中で出会った奇妙な少女ナタリー・クローバー。町の外からやってきた彼女のキッチュな色遣いの洋服も、言動も、すべてが新鮮でまぶしい。 ソフィアとナタリー。二人の少女が町の地図を作っていく過程が、とても示唆的。 二人は地図を作ることで、自分自身を、それぞれの「一人の人として」形作っていくのだ。 記憶はいつか消える。思い出もいつか薄れていく。けれど、そこに流れていた時間は誰にも奪えない。 「グッナイ」は新しい朝につながる。明日失うものを見つけるための夜なのだ。 ナタリーが抱える秘密。ソフィアが隠し持っている希望。少女たちの折れても消せない思いをまっすぐに受け取った。

    10
    投稿日: 2025.02.26