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政策の哲学(集英社シリーズ・コモン)
政策の哲学(集英社シリーズ・コモン)
中野剛志/集英社
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総合評価

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    半年かけて読了。 冷静な語り口だが、たまに本音ぽい言い方になるのが良い。 しかしこの「”特別に訓練された直感的裁量”をもつ政策担当者」、ついに出現したかなって思う昨今の政治状況ですかね…。(2025/10/17)

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    投稿日: 2025.10.17
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    全ては理解できなかったが読みやすくはあった 様々な理論を基に論じているため説得力はあるように感じた ただ、最後の方で課税は財源ではない旨の話があり、後味として懐疑的な思いが残ってしまった

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    投稿日: 2025.09.03
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    キレッキレの正論で、慎重周到に積み重ねた論で正統派経済学が科学ではないと一刀両断にし、本来の政策の立て方、進め方を説いた。長いものに巻かれるだけで本当の意味での哲学を持たない者が国家運営などできないと明快に述べていて爽快でした。

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    投稿日: 2025.06.02
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    インフレだから利上げする。財政赤字なので増税する。いちいち判断などしない。教科書通り、マニュアルに従う。その根拠となっている主流派経済学は学問ですらない。…経済学にも何某かの原理は存在する。複数あって、相互に影響しあっている。主体者も参加者となる社会科学では実験はできない。他の条件を排除しての比較もできない。潜在している法則は起きた事象から遡及し探る。試行錯誤し、過ちも犯す。政策担当者の裁量は大事だ。批判的実在論、社会的創発、閉鎖系と開放系、経路依存性、可謬主義...。知識だけでなく考え方も勉強になった。

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    投稿日: 2025.02.11
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    はじめに 本書では、主流派経済学に対する批判と、その方法論的限界について論じられています。特に、フリードマンの実証経済学の方法論とその影響を中心に、経済現象の理解における非現実的な仮定について詳述されています。 フリードマンの科学哲学 フリードマンは、経済学を「実証科学」と位置付け、非現実的な仮定の使用を正当化しました。彼は、経済現象を完全に現実的に描写することは不可能であるため、仮定は理論の予測能力に基づいて評価されるべきだと主張しています。 観察の理論負荷性 フリードマンは、理論がなければ「事実」を認識できないとし、理論は事実を理解するための枠組みであると強調しました。この視点は、経済現象の多様性と複雑性を説明するのに重要です。 主流派経済学と非現実的仮定 主流派経済学は「合理的経済人」などの非現実的な仮定を維持しています。これに対して、フリードマンはこれらの仮定が理論の妥当性には影響を与えないとし、主流派経済学がその予測能力に依存していることを指摘しています。 効率的市場仮説 効率的市場仮説は、金融市場の規制緩和政策を支持する理論ですが、2008年の世界金融危機に際し批判を受けました。ロバート・ルーカスは、この仮説を擁護し、金融危機の原因を見つけることは不可能だと述べています。 主流派経済学の限界 主流派経済学は、経済現象を閉鎖系の枠組みで理解しようとしますが、これにより現実の経済の複雑性を無視しています。多くの主流派経済学者は、予測の失敗を認めず、理論の見直しを行わない姿勢が指摘されます。 政策の実際的影響 本書では、財政政策とその実行において、実在論的な視点が必要であると主張されています。国家が政策を実行するためには、構造やメカニズムを理解することが不可欠であり、単に理論に基づく政策設計では不十分であるとしています。 結論 本書は、主流派経済学の非現実的な仮定とその影響を批判し、より現実的な経済分析の必要性を強調しています。特に、政策の効果を理解するためには、経済の開放系・複雑系としての特性を考慮する必要があります。

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    投稿日: 2025.02.10