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いのちの記憶―銀河を渡るII―(新潮文庫)
いのちの記憶―銀河を渡るII―(新潮文庫)
沢木耕太郎/新潮社
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総合評価

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     著者が25年間にわたり書き記したエッセイを集めた著書『銀河を渡る』を文庫化する際に2冊に分化したうちの後編が本書だ。そのエッセイが書かれたときに、振り返った過去の出来事について思いを馳せるようなエッセイが主だ。また、後半は著者がかかわった方がなくなられた際に、その交流のあらましが書かれている。  恩師であったり、仕事関係の恩人であったり、有名人であれば美空ひばりさんであったり。特に印象に残るのは高倉健さんだ。それは、私が高倉健さんのファンだというだけでなく、沢木耕太郎さんを語るうえで切り離せないボクシングを通じての関りであるからだ。つまり、著者と高倉健との情熱のやり取りが書かれているからだと思う。  過去を想うとき、その記憶が愛おしくよみがえる年齢を迎えた私自身に、本書に書かれた内容は心に響く。

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    投稿日: 2025.09.19
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    もともとは「銀河を渡る」というエッセイ集を、「キャラバンは進む」と「いのちの記憶」に分けて文庫化した作品。旅に関する内容が比較的多かった「キャラバンは進む」に比べ、「いのちの記憶」は対談をもとにしたものが多い。美空ひばり、高倉健といった人々との対談。特に高倉健とはこんなに深い交流があったのかと驚きました。

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    投稿日: 2025.09.16
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    2025年2月読了。 なんというか沢木耕太郎さんはいつの間にか自分にとっての「カッコいい大人の男」を表象するアイコンのようになりつつある。自分では逆立ちしてもう追いつくことができないカッコよさの極北というか伏して仰ぎ見るのが自分にとっての沢木耕太郎だな。 61ページ 幼い頃の好きなテレビ番組にルート66や逃亡者が出てくるがあたり、大器の片鱗は既にこんなところに萌芽している。 110ページ 酒場だけの知り合いが犬丸一郎(帝国ホテル社長、犬丸徹三の子)だったというエピソード。会席料理のように小出しに料理が出てくることに不満を言う犬丸氏に対してそういう料理の提供が嫌でないという沢木さん、後年になって一皿だけを食べたいというのは「欲望の収縮」の問題と分析。 133ページ 大人が若者に真に与えることができるのは、「君は何者かになりうるんだよ」というメッセージだけではないだろうか。これはシビれます。

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    投稿日: 2025.02.23