Reader Store
ハートレス・ケア
ハートレス・ケア
小原瑞樹/ボイジャー
作品詳細ページへ戻る

総合評価

13件)
4.1
4
4
3
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の大石は、就職活動がうまくいかず、やりたくもない興味もない介護の仕事で働き始めた新卒の男の子です。 学生時代の友人は商社や銀行員といったオフィスワーカー。そんな彼らへの劣等感や自身の仕事へのやりがいのなさから半年で転職しようと決意、しかし一緒に働く人たち、利用者さんとの関り合いで「介護」についての意識が変わっていきます。 排泄介助や入浴介助等といった介護の業務からその大変さもわかりやすく、それを嫌々ながらも仕事だからと割り切って働く主人公に共感できる人は多いのではないでしょうか。 そしてそのなかでもやはり働く喜びを感じられる主人公はとても真面目で誠実な人だと感じました。 とはいえ現実であればやはり辞めてしまう人も多いと思うのでとてもいい話だけれどフィクション感はあります。 仕事続けるのだろうな~~という当初の読みから外れることがなかったので、☆4にいたします。

    0
    投稿日: 2025.06.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    私は介護職員初任者研修の資格を大学生の時に取りました。と言っても資格を取っただけで活用はしていないのですが…。 大石とおんなじような考えで、万が一働き先に困った時、資格を持っていればなんとかなるかもという安易な考えからです。 正直、おんなじような考えで介護職に就いた人っていると思うんです。 なのですごく大石の気持ちにわかる〜…と思いながら読んでいました。 しかし利用者の村上や、同僚たちによって考え方が変わっていく。 望んで介護職に就いたとしても、想像と現実のギャップに戸惑う人もいるでしょう。 これから介護を始める人に読んで欲しい作品だと思いました。

    0
    投稿日: 2025.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    老人ホームの日常とそこで働く介護士の姿が新人介護士(就活に失敗して仕方なく高齢者介護施設を運営する会社に就職したと語る)の目を通してリアルに伝わってくる小説だった。 超高齢社会なのに介護の担い手は常に足りず、足りないのに待遇はなかなか改善されない。 それでもこの仕事に誇りと責任をもって携わる人達がいる。 主人公は、そういった人達とは真逆で、世間から低く見られがちな介護の職に就いている自分自身に納得がいかず、半年耐えたら転職しようと考えている。 しかし仕事を続けるうちに少しずつ考えが変わっていき、自分できめた半年の期限を前にある決断をする。 随所に辞めたい気持ちが綴られていて、正直なところそこまで卑下しなくても…と思うが新卒男子でその分野の勉強をしてきたわけでもないのに介護職に就くと、そういう気持ちにもなるのかもしれない。 介護士の日々の勤務の大変さや、利用者である高齢者の気持ちなども、主人公が語る形で丁寧に書かれている。 今の時代を生きる私達が知っておくべきことを、嫌々介護職をしている若者から伝えられるという形は、事実から目を逸らしがちな社会に向けた面白い試みだと思った。

    20
    投稿日: 2025.02.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本は介護職を考えている人への入門書もしくは未経験者への案内書として役に立つのではないか。専門用語というか、業務上便宜的に使っていると思われるような言葉も全て解説されており、ゼロから仕事を覚えてゆく過程が具体的に記される。 不本意なまま介護職に就いてしまった大石正人。介護職を自分の仕事と考えていない彼は、仕事はするが、仕事に対する愛着はない。イヤだという思いの方が強く、退職を前提に働いている。 納得できないまま仕事を続けるも、周囲の評価は「ちゃんとやっている」 先輩や同僚になぜこの仕事をやっているのか確かめる中で、自らの意思で、自分の仕事として受け入れるまでの物語。 感謝されることが原動力であることを否定はしないし、結局のところ金銭だけで満足が得られるわけでもないのも確かだが、そこに頼ってしまってはダメだと思う。介護職の社会的な地位向上がまずは必須。むしろハートレスでも十分に成り立つ仕事であるべきなのかもしれないとも思う。

    3
    投稿日: 2025.01.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初のほうはちょっと疲れました。 でも新卒でこの仕事について、迷いながら…よくわかります。 私はこの仕事をしていました。ひょんなことから選択肢のの少ない中で選んで。 とても好きな仕事でした…でも体力に負けてやめざるを得なくなりました。 そんなことを思い出しました。 結末がよかったです。

    19
    投稿日: 2024.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    普通でした。予想通りの展開。 食介、バイタル、コートなど、福祉用語を一つひとつ丁寧に説明してくれる。知らない人には親切な配慮だが、既に知ってる人には余分で煩わしい。 主人公に対する同僚の評価も皆同じ。主人公が仕事の悩みや疑問をぶつけると、それぞれの人が主人公のことを「好きでやってるわけじゃない、と言う割によく頑張ってる。」と評価する。これが文中に何度も出てくる。 これがくどい。もう分かったよと言いたい。 展開に意外性がない。何でも全部説明しすぎな気がした。

    1
    投稿日: 2024.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    就職活動が難航し、やむなく有料老人ホームで介護士として働くことになった大石正人。介護の仕事に意義を見出せず退職を考えるも、今後の転職活動に支障が出ることを恐れ、せめて半年、その間だけの辛抱だと自分に言い聞かせている。 利用者に寄り添う優しい介護士になんてなれないし、なるつもりもない。人気のある職業に就いた友人の話を聞いては劣等感を抱き、今の自分を「負け組」だと卑下する日々が続く。 どうせ半年で辞めるのに。新しい業務を覚えながらもそう考えていた正人は、現場で働く職員たちの姿を見て、とある疑問を抱いた。どうして、この人たちは介護の仕事を選んだのだろうか――。 ☆4つけてるけど4.5をつけたい! ブクログの献本企画に当選していただいた本です! 有難うございます♪ 介護関係の作品が続いたけど この作品はとても心が晴れやかになる内容でした 元介護士だった著者だから とても現実的に感じるし 介護施設内の様子がよくわかりました 就職活動に失敗し しょうがなく介護士として働くことになった主人公の大石正人 半年したら辞めようと惰性で働いていたけど その間に悩みながら少しずつではあるけれど 成長していってるなぁと感じながら読んでいました 介護士の仕事は給料が安くてしんどいってよく聞きますが とても重要だしなくてはならないお仕事だと思います これだけ高齢化が進んでいる日本で将来どうなるんだろう?って近づきつつある我が身のことも考えてしまう 最初から介護という仕事を希望していなくても この主人公のように悩みながらも前に進んでくれる介護士さんが増えるといいのになぁと思いました

    16
    投稿日: 2024.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    同級生たちがキラキラした職業につく中、就活に失敗した(と思っている)主人公は介護職に就職する。 いわゆる5K(危険、汚い、きつい、暗い、臭い)と言われる介護を半年で辞めると決め、日々奮闘する。 心の中で文句を言いながらも、大切なことが理解できているような描写が散りばめられているので、最初から結末は想像できる。ドキドキハラハラはない分、あたたかい気持ちのまま読了。 いつかもし家族の介護をすることになったら、この本を思い出して介護には何が大切なのかを思い出そうと思う。

    2
    投稿日: 2024.10.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ビジネス書や自己啓発系の本を読みがちだが、先日のブクログの応募に当選したこともあり、この小説を2日間で一気読み 長引いた就活の末介護職に就いた主人公は、まったく介護という職に向き合えず嫌いなまま働いていたが、職員との会話や利用者との関わりの中で、介護という職の良いところに気づいていく 初めは職業を「福祉」とぼやかしていた主人公も最終的には自分の職業を「介護士です」と話せるように変化を起こした、利用者との対話はグッときた メーカー勤務で、主人公の想像するいわゆる「普通」の仕事に近いことをしている自分からすると、周りの人を想い、尊厳持って関わる介護士という仕事には敬意しかないと感じた 人からの感謝が働く原動力だよな、とヒシヒシ感じる自分としては心にくる作品だった この本に出会えて、そして、読むことができてよかった 久しぶりの小説というのも、本を読んでいる間は、自分とは違う境遇や世界に飛べるという点で良かった

    3
    投稿日: 2024.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小原瑞樹『ハートレス・ケア』 2024年 opsol 第1回ハナショウブ小説賞大賞受賞作。「介護・医療・福祉」がテーマの小説賞。 新卒で介護施設、老人ホームに就職した大石くんの物語。 祖母も介護施設にお世話になっていたけど、まだ他人事みたいなところもあったと思います。でも今、これからまさに介護というものが日に日に身近なものになってきています。 そんな中、とても興味深く読み進めました。 ドキュメンタリーのようなリアルな介護士の仕事、生活が描かれています。知識としてはわかっていたような気がするだけで、あまりの業務の大変さと緊張感の高さが恐ろしいほど伝わってきます。 でもそこは小説なので、主人公の成長記録であったり、感涙するほどの感動であったりとも物語性としてもおもしろかったです。 教則本であったり、教則本だけではわからない心や尊厳などがつまった素晴らしい作品でした。 #小原瑞樹 #ハートレスケア #opsol #ハナショウブ小説賞 #読了

    3
    投稿日: 2024.10.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    感想 仕事は辛い。できるなら明日にでも辞めたい。でもそれでいいのか?自分のことを待ってくれている人はいる。泥に塗れたとしても。きっと輝く。

    2
    投稿日: 2024.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    就活に失敗し、不本意ながら介護の仕事に就いた青年の成長物語。 青年の悩み、先輩の優しさ、要介護者の思いを読みながら自分自身に落とし込んでいく様な読書体験となった。 介護とは人の幸せを心から願うことのできる尊い仕事なのだという言葉が心に残った。 元介護士の著者ならではの作品ではないだろうか。 介護職を知る意味でも読んで良かったと思えた。

    8
    投稿日: 2024.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    好きなことを仕事にできたら、どんなに楽しく幸せだろう。 みんな一度は考えたことがあると思う。 本作の主人公・大石くんは、就職活動に連敗し、仕方なく介護職に就いた青年。 人のお世話をするのも、お年寄りが好きなわけでもない。ただ、仕事だから、やらないといけないからやっているだけで、半年後には辞めてやると思いながら働いている。 同じ施設で働く先輩たちは、信念を持ったり、やりがいを感じながら働いている人たちが多い。 一方で、「キツい、汚い、給料少ない」の3Kで、底辺の仕事だとぼやく同僚もいる。 ぼやく同僚に同意しつつも、利用者をモノみたいに扱うその姿にモヤモヤしたものを感じる大石くん。でも、心情的には共感できる部分もある。 そんな大石くんの良いところは、先輩たちの仕事ぶりを「すごい」と尊敬し、介護職に対する想いを質問するところ。そして自分の悩み(辞めたいと思いながら働いていること)を素直に話せること。 先輩・同僚や利用者との対話を通して、少しずつ介護の仕事を尊いものだと考えるようになる大石くんの変化は、見ていて頼もしい。 「仕事だから」と割り切ることも必要だと先輩の田沼さんは言う。 「続けていくうちに、誰かに必要とされる時が来る」とナースの野島さんは言う。 そして、最初はギスギスしていた利用者の村上さんは「辞めんな。この仕事を続けて、わしらを助けてやってくれ」と言う。 そんな人たちの言葉を聞いて、大石くんは「辞めることを止める」決断をする。 好きでもない仕事を続けていくと言う選択をするのは、転職を選ぶことと同じくらいの勇気が必要だ。 けれど、そんな決断をしながら働いている人の方が、好きを仕事にしている人よりも、きっとずっと多い。 そんな人たちに、「一緒にがんばろうな」と思わせてくれる、未熟で素直で健気な青年の物語だった。

    20
    投稿日: 2024.08.28