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ミゼレーレ 上
ミゼレーレ 上
ジャン=クリストフ・グランジェ、平岡敦/東京創元社
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総合評価

(5件)
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    登場人物が個性的で尚且つ嫌味がないので、抵抗感なく読み進めることができる。 カスダンは62歳ですっかり年寄り扱いされているのが意外。でも考えてみれば、フランス人って「リタイア」を目指して生きているようなところがあるから、リタイアというのは結構重要な境界線になるのかもしれない。 ヴォロキンはちょっと現実離れし過ぎているような… そこがフィクションのいいところかもしれないけれど。

    0
    投稿日: 2026.06.28
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    面白くて、元気がなくなる本だった。 2024年の終わりから2025年正月にかけて読んだのだが、私は実に元気がなくなってしまったのだ。 冒頭から死体というのは、いっこうに構わない。 死体が出てくるまでのページ数は、近年になればなるほど短くなるなあと思うのだが、この話はなるほどそのとおりだ。 加えて今時だなあというのは、冒頭から探偵役もいることだ。 もったいぶったところがなく、話が早くてよいことだと思う。 問題はその話だ。 どの国にも歴史には「暗部」というものがある。 理屈ではわかっていても、ずらりと説明されるとどうだろう。 アルメニア、チリ、ドイツ、フランス・・・・・・ 私生活にはちょっと難ありの元警部と、薬物依存症の美形現役刑事が、殺人事件の謎を解こうと奮闘する中、あっちこっちの歴史の暗部が描かれる。 謎は解いてほしい、二人には幸せでいてほしい、話は面白い、けれどこの歴史の暗部は・・・・・・ というわけで、面白くて、元気のなくなる読書だった。困ったのは『ミゼレーレ』である。 グレゴリオ・アレグリの合唱曲、 『『ミゼレーレ』は間違いなく、声楽曲の傑作だ。』(上72頁) 話のタイトルであり、大きなテーマでもある。 当然のことながら耳にしたくなって聞いた。 いい曲だなあ、好きだなあ、おっしゃるとおり傑作だなあと聞くうちに、頭の中で勝手に流れるようになった。 そして、この曲にイメージがついてしまった。 これから『ミゼレーレ』を耳にする度に、「あの話の、あの曲」になってしまうのは、ちょっとつらい。 恨むぞ、グランジェめ。 この話がフランスで出版されたのは2008年である。 2008年かぁ、じゃあ、あの・・・・・・とつい思い浮かべてしまうことがある。 作者と作品は別物だから!作品だけ楽しみたいから!という方は知らないほうがよいだろう。 グランジェにイメージをつけてしまうことだからだ。 イメージをつけちゃう話はこの下。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ さてイメージをつけちゃう話である。 (不要な方はこれから先を読まないように) 作者グランジェの私生活だが、彼にはパートナーがいる。 フランス在住の日本人女優/モデルの源利華である。 代表作はこちら。 『陰獣』(2006) 私はこの映画を観たことがない。 良い作品なのか、拍子抜け作品なのかも知らない。 けれどもある種の印象はある。 パートナーの存在を知って以来、グランジェの作品に日本が出てきたり、○○な場面にグランジェの筆が快調に走っていたりする時に、 「あの女優さんとパートナーだもんな」 つい思い浮かんでしまうのだ。 映画公開が2008年だから、『ミゼレーレ』発表時とちょうど重なるなあ・・・・・・。

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    投稿日: 2026.03.31
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    クリムゾンリバーや通過者、死者の国、等の作者なのでかなり期待しながら読んだ。 退職警部のカスダンと、薬物依存で治療中のヴォロンがバディを組んで、上から捜査中止を命じられた殺人事件を追う。グロい殺人方法と小児性愛者の罪と共にナチスが関わった拷問実験等がアルメニア出身のカスダンの心に火を付ける。カスダンとヴォロンの視点で交互に語られる。上巻終わりから事件が加速する。

    10
    投稿日: 2024.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    期待してた方向に行かないなと思ったんですが、相棒となるヴォロキンと出会ってからが本番でした。 カスダンの家に犯人らしき人が来るところが怖かったです。 前半ではやっと主犯らしき人物が見えてきた。 誤字・脱字があるのが気になりました。

    2
    投稿日: 2024.10.04
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    ジャン=クリストフ・グランジェ『ミゼレーレ 上』創元推理文庫。 何年振りに文庫化されたグランジェのミステリー小説。 その昔、海外翻訳物の連続殺人鬼ミステリー小説ばかり読んでいた時期がある。扶桑社海外ミステリーが創刊され、勢いのあった時代である。グランジェもその時に読んだ作家の1人であった。その時は、後に映画化された『クリムゾン・リバー』と『コウノトリの道』を読んだ。2作とも非常に面白く、その後『ヴィドック』と『狼の帝国』も読んだ。 それから何と長い時間が経過したのだろうか…… さて、本作の上巻であるが、やはりグランジェだった。何とも重厚な雰囲気の中で奇怪な殺人事件が描かれる。謎が謎を呼び、殺人事件は連続殺人事件へとつながっていく。その謎の中核を成すのが、憐れみたまえという意味を持つ美しい聖歌『ミゼレーレ』だった。 2006年12月、パリのアルメニア使徒教会で聖歌隊指揮者でオルガン奏者のウィルヘル・ゴーツという名の63歳の男性が殺害される。彼は謎の凶器で両耳の鼓膜を破られ、激しい痛みの中でショック死していたのだ。 たまたまアルメニア使徒教会を訪れていた元殺人課主任警部のリオネル・カスダンが捜査権が無いにも関わらず、この事件の捜査に着手する。 同じ頃、過去のトラウマからヘロインの依存症で休職中の青少年保護課警部のセドリック・ヴォロキンも、この事件に興味を持ち、独自に捜査を始める。 捜査の過程で知り合ったカスダンとヴォロキンはコンビを組み、捜査を進めるうちに、この事件は次第に連続殺人事件へと発展する。 本体価格1,300円 ★★★★★

    65
    投稿日: 2024.10.02