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地獄変・偸盗(新潮文庫)
地獄変・偸盗(新潮文庫)
芥川龍之介/新潮社
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総合評価

124件)
4.0
33
50
28
2
0
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    6話からなる短編集で、どれも『今昔物語』や『宇治拾遺物語』をベースにしている。 古典的な言い回しや語彙が使われているにもかかわらず、非常に引き込まれる内容で素晴らしかった。 どの話も情景が鮮やかに浮かび上がる。 悪や憎しみの中に芽生える愛、芸術と狂気、神仏への信仰、そして虚しさを抱えた人生など、どのテーマも強烈で、読んでいて圧倒される。 他の作品もぜひ読んでみたいと思った。

    23
    投稿日: 2025.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これこそまさに地獄。正真正銘の地獄。こんなエグい話をよくも書けたな、と驚くと共に溜め息が出た。ストーリーも秀逸だが、文章が凄くて、地獄変の屏風絵が私の脳内に生々しく浮かび、実際に見た事あるような気がしてきたからそら恐ろしい。そして、電車の中で読んでいた私は、ラスト数ページで涙が止まらなくなってしまった。猿の良秀にやられた。 絵師の良秀は腕は良いが変わり者。人に嫌われていたが、唯一、娘だけは愛情たっぷりに男手ひとつで育てていた。その娘はというと心優しく、愛嬌もあり大殿様の所に奉公しており、皆んなに可愛がられていた。 ある日、良秀は大殿様から地獄変の屏風を描くように仰せつかわされる。地獄を描くために弟子にあらゆる責苦を行い、その様子を書き写す毎日を過ごす中で、良秀は段々、狂気じみて来る。最後の仕上げとして、良秀は大殿様にお願いをする。炎の地獄を描きたいが、見たモノしか描けない。目の前で女性を乗せた牛車を焼いて欲しい、と…。 だんだんトチ狂ってくる良秀の変容がさし迫ってくる。芸術を追求するためには、人間の心までも無くしてしまうのか。鬼畜の成せる技。 ここまで狂ったら次はどうなる? クライマックスは想像を大きく越えた。 火の中に飛び込んで消えた猿の良秀の方が、人の心を持っていたわけで、そこに救いがあった。 大殿様と良秀の娘との関係も謎のままだが、語り手が否定すればする程、そういう事なんだろう。でなければ、あんな所業はできない。 娘が焼かれる様子を見て、地獄の苦しみを受けていたが、一瞬、恍惚とした法悦の表情を浮かべた良秀。この場面が忘れられない。ここが芥川の非凡で天才な能力で、追求するあまりに精神の危うさを感じた。人間の心の闇を描き出した本作は、彼の最高傑作の一つだと思う。

    29
    投稿日: 2025.06.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「王朝もの」と言われる6編を収録した短編集。 どれも初めて読むものばかりでした。 圧倒されたのは「地獄変」です。 超有名作品なのでタイトルだけは知っていました。なぜもっと早く読んでいなかったのかと、自分を問い詰めたいです。 「見たものでないと書けない」から、上﨟を乗せた車を用意して実際に火をかけて欲しいと、大殿に頼み込む良秀。それを快諾した時点で、哀れな上臈の正体は予想できました。 車が燃え盛り、中で悶え苦しむ娘、それを見る良秀の狂気的な描写が凄まじく、圧巻でした。 至高の芸術とは狂気と紙一重なのかと考えさせられます。 最後に良秀は自死しますが、芥川の最期とも重なり、心に深く残りました。 それにしても、大殿はなかなか悪いやつですね。 大殿に「二十年来奉公する」者が語り手なので、絶妙に擁護を挟み込みます。ここがまた面白いなと感じました。なぜ、大殿が良秀の娘を焼き殺したのか。私は「恋の恨み」説を推します。 「偸盗」は、始め、人物相関や人名が頭に入ってこず、読みにくいと感じました。しかし、それらが理解出来るようになると、愛憎渦巻くドロドロしたお話で印象的でした。沙金が報いを受けてヤレヤレです。

    4
    投稿日: 2025.05.08
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    藪の中と地獄変は久々に読んだが、やはり藪の中は面白かった。地獄変はところどころ記憶と違うなと思うところがあったがまあ良かった。所々曖昧な描写は考察のしがいがある。 他の短編も短いものが多くて気楽に読めた。 往生絵巻とか短いしオチとしては好きかも。竜のオチは途中予想できてしまったが、面白かった。今昔物語のオチとは違うらしい。姫君の話はまあ普通くらい。偸盗はそんな好きじゃなかった。

    4
    投稿日: 2025.05.03
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    『地獄変』は中学生くらいの頃に読んだんだけど今回読み直したら思ってたのと違った…多分『宇治拾遺』とごっちゃにしちゃってたんだな〜 解説に 『地獄変』の良秀は、他の思う通りの傑作を完成したが、しかしそのためには最愛の娘の生命を犠牲にするという残酷な所業をあえてした。絵を完成したのち、一たん道徳的な気もちに立ちかえると、くびれ死なざるを得なかったというところに、芥川の芸術家としての、また同時に人間としての、生き方なり、立脚地なりがあった。 って書いてあって、宇治拾遺の方も『地獄変』も「芸術と道徳の相剋・矛盾」が語られるイメージがあるんだけど『地獄変』はちょっと違う気がする。 確かに良秀は芸術第一の変人だろうけど、娘を愛していたのは確かなのにその娘を檳榔毛の車の中に鎖で繋いで火を放ったのは堀川の大殿で、しかも火にかけようと思いついたのは手篭めにしようとして失敗したからでしょう? 良秀が見たものしか描けないって大殿に言った時の「悦しそうな御景色」「まるで良秀のもの狂いに御染みなすったのかと思う程、唯ならなかった」とかさ〜〜この時に自分の思い通りにならなかったことへの意趣返しとして娘を燃やすことを思いついて顔に出ちゃったんでしょ?外道だよコイツ こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!って感じ。 燃える娘と車を見ながら あのさつきまで地獄の責苦に悩んでいたような良秀は、今は云いようのない輝きを、さながら恍惚とした法悦の輝きを、だらけな満面に浮べながら、(…)両腕をしっかり胸に組んで、佇んでいるではございませんか。それがどうもあの男の眼の中には、娘の死ぬ有様が映っていないようなのでございます。唯美しい火焔の色と、その中に苦しむ女人の姿とが、限りなく、心を悦ばせるーそう云う景色に見えました ってあるけどさ〜悦んでるんじゃなくて限界を越えて心が壊れちゃった様子としか思えない。辛い。 八で語られる良秀の変人エピソードの中に 「誰だと思ったらーーうん、貴様だな。己も貴様だろうと思っていた。なに、迎えに来たと?だから来い。奈落へ来い。奈落にはーー奈落には己の娘が待っている」 っていうこの物語のオチを仄めかすような独り言を言ってる場面があったけど、これも語り手が直接見たことじゃなくて伝聞した話だし…この語り手って明らか大殿の肩を持っていて、乱れた服装で転び出てきた娘を見て「性徳愚かな私には、分りすぎている程分っている事の外は、生憎何一つ飲みこめません」とかどういうこと?? 生前の出来事を語ることは死者の鎮魂となり得るはずけど、大殿の従者であろう語り手が、お上に逆らえない状況で多少なりとも良秀に同情を寄せていたのかどうなのか。個人的には良秀と娘が可哀想すぎて同情していて欲しいと思ってたけど、八のエピソードから語り手の存在も含めザ・作り物語って感じなんだけど、大殿のゲスさや娘を燃やされた良秀の描写は作りモノにしてはあまりにも凄まじい 追記 女が自分の思い通りにならなかったら殺すってノートルダムの鐘のフロロー判事じゃないか>堀川の大殿

    1
    投稿日: 2025.04.06
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    主に地獄変の感想となります。 モデルとなる宇治拾遺物語は何となく知っている程度です。それを元に描かれた画師・良秀の芸術と狂気の紙一重の描写が重く思えました。 作品を生み出すため自身の愛情を込めた人物が犠牲となった際の良秀の情景描写で、人としての良心と芸術家としてのエゴが相反し、複雑に混ざりながら葛藤している様子が痛いほど伝わります。 その後、事象を経て描いている良秀の様子は忘我の状態と表現すべきか、神懸かり的な様子で描写されていました。その場面は読んでいて、ついに作品を生み出すために犠牲を厭わなく思ったのかと怖さを抱きました。その一方で、常人では到達できない所に辿り着いたのかとも思いました。 読んでいて気になった所が、良秀については悪く(醜くというべきか)表現されているのに対し、作品を描かせるように仕向けた大殿は良く書かれており対比されるようになっていた所です。その対比は物語の最後まで続いていますが、果たしてこの視点は公平なのでしょうか?そして良秀が迎えた結末は本当に呵責に耐えられなくなったからなのでしょうか?違う視点を持って読み直すとまた、違う感想を抱くのではないかと思いました。 偸盗に関しては作中の情景描写から平安時代、別作品の羅生門の頃の物語なのかと思いました。しかし羅生門とは違い登場する人物が多く、愛憎が交錯した描写や物語の視点が変わる事が多く今どちらの視点なのか?と混乱する感覚がありました。

    15
    投稿日: 2025.03.23
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    この作品には以下の6編が収録されている 「偸盗」、「地獄変」、「竜」、「往生絵巻」、「藪の中」、「六の宮の姫君」 個人的に一番印象に残ったのは「偸盗」かなー。芥川が放つ独特の世界観と物語が折り重なっているような気がした。出てくる登場人物たちはどこか歪んでいる人が多いのだけれど、時折見せる人間味も垣間見えて全員を憎むことはできない。 最後は、兄弟の絆かそれとも愛をとるのかという選択を読者に見せつけてくれた気がして、とても感慨深かった。

    0
    投稿日: 2024.10.15
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    肉迫の筆致とドラマティックな展開による物語でどれも読者の善悪の価値観に訴えかける力を持つ芥川龍之介による短編集。

    0
    投稿日: 2024.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川龍之介の王朝物の後期作品が入っている。「偸盗」は100頁とすこしのお話で、盗賊たちの話、悪女?沙金にはめられ、襲撃した屋敷で侍たちに待ち伏せされるという筋で、太郎と次郎の主人公が沙金との三角関係を乗り越えて、ともに助け合う。猪熊の婆、その夫など脇役も猥雑でしたたかだ。芥川自身は駄作だと言って、生前の短篇集には入っていなかったが、読み物としてはおもしろいと思う。 「地獄変」は心理描写やしぐさの表現がとても興味深い内容だった。良秀の娘と「サルの良秀」などがとても共感できるように書いてあるが、それを焼き殺して絵に残すという道徳と芸術の間のせめぎあいが凄まじい。 「龍」は集団の思い込みの恐ろしさが書いてある。その後の日本の歴史を考えさせるものがある。 「藪の中」は盗賊とそれに犯された妻、殺された夫などの証言(死者も口寄せで証言する)が齟齬するという話で、これもすさまじい話だ。 「六の宮の姫君」は生活能力のない貴族の姫君の話。最期はとても痛々しいもので、彼女の人生が悲しみも知らないかわりに、喜びも知らないという形が書いてある。ただ、こういう無感動な人はあんがいしぶといかもしれないと思う。

    0
    投稿日: 2024.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本書所収『地獄変』 この作品を読んでいると、まるでサスペンス映画を観ているかのような緊張感に自分が包まれていることを感じます。天才画家良秀が弟子を鎖で縛ったりミミズクをけしかけるくらいまではまだいいのです。「また始まったよ良秀の奇行が」くらいのものです。ですがそこから段々妙な予感が私達の中に生まれ、次第に不気味に思えてきます。「まさか、良秀がやろうとしていることって・・・」とついハラハラしてしまいます。この徐々に徐々に恐怖や不安を煽っていくスタイルは、ミステリーのお手本とも言うべき実に鮮やかなストーリーテリングです。さすが芥川龍之介です。 この作品には「完璧な絵を描き上げんとする狂気の画家を、言葉の芸術家が完全に描き切るのだ」という芥川の野心すら感じさせられます。 この作品が芥川文学の中でも傑作として評価されている理由がよくわかります。

    0
    投稿日: 2024.08.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっぱり地獄変が1番印象的だ。燃え盛る地獄を描くために娘が焼死する様子を見るなんて恐ろしすぎる…!!

    0
    投稿日: 2024.08.26
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    『偸盗』『往生絵巻』は難しく感じました。 『地獄変』『竜』『藪の中』『六の宮の姫君』は、おもしろかったです。 特に『藪の中』は、同じ事象でも人によって、見たものや解釈が異なるという心理が描かれていて、興味深かったです。

    1
    投稿日: 2024.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    平安時代の画師・良秀の生涯を描いた作品。本作は、その卓越した技術と人々を惹きつける独特の魅力を持ちながらも、醜い容姿と傲慢な性格で周囲から疎まれる老画師の姿を通して、美と醜、愛と欲望、そして芸術の本質について深く掘り下げています。 良秀は一人娘に対する深い愛情を抱いており、彼女の幸せを何よりも優先していました。しかし、その娘が大殿様の目に留まり、良秀は娘を手放すことを拒みました。この決断が、後に彼と娘の運命を狂わせることになります。大殿様からの命令で「地獄変」の屏風絵を描くことになった良秀は、作品に没頭するあまり、次第に狂気に陥っていきました。彼の中で、現実と芸術の境界が曖昧になり、その過程で犠牲となる弟子の姿は、強烈な印象を残します。 この物語を読み進める中で、良秀の孤独と苦悩、そして彼の芸術に対する情熱に心を打たれました。また、彼の行動が引き起こす悲劇的な結末は、人間の業の深さを感じさせます。芥川の緻密な筆致で描かれる「地獄変」は、ただの伝記ではなく、人間の内面を探求する哲学的な作品と言えるでしょう。 本書のテーマは、芸術と狂気、そして人間の欲望が交錯する地獄のような世界を描いたことにあります。良秀の狂気は、彼の芸術性と密接に結びついており、その狂気が彼の作品に深みを与えています。この物語は、芸術家の苦悩と犠牲を描きながら、芸術の価値と意味を問いかけます。 「地獄変」を読むことで、自らの内面と向き合い、人間の持つ複雑な感情や欲望について考えさせられます。芥川龍之介の筆は、平安時代の遠い世界へと誘い、現代にも通じる普遍的なテーマを提示しています。

    2
    投稿日: 2024.04.30
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    「地獄変」読済 文章を読んでこれほどまでの衝撃を喰らった作品は初めてだった。 「藪の中」読済 映画・羅生門の原作と聞いて読んだ。単なる無機質な文章・主張を連ねただけ。ヒントはあげたので後は自分の頭の中で好きに描いてくださいと言った感じ。そこからあの映像化をした黒澤明の方に凄く感動した。

    0
    投稿日: 2024.04.29
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    天才は狂気、なるか。自殺者 芥川龍之介 「地獄変」はおぞましい。こういうストーリーで自分を追い込み服毒自殺?皆々さまお気をつけ召され

    0
    投稿日: 2024.03.01
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    地獄変を読みたくて。 地獄変だけ読んだ感想です。 平安時代かぁ…。 私は大昔に思いを馳せる時、きっとこの時代、一部の特別な人をのぞき人の命は道端の石ころのようなものだったんだろうと思う。 今のような人はみな平等という考え方は一切ないし、気に入らなければ殺される。病気も治す術はないかったのではないか。死体が道端に転がっていたような時代。 絵師良秀は、大殿様から地獄編の屏風を描くように指示され、地獄の様子を描くために弟子を縛りあげたり、鳥に襲わせたりする。路端に転がってる皆が目を背ける死体にも近づいて行って具に観察したりする、奇人変人だ。 そんな良秀は一人娘のことは可愛がっていて、大殿様のもとで下女として使える娘を取り戻したいと直談判するほどだった。 良秀がどうしても描けない、炎の中で燃える車に女がいる場面。殿様に相談したところ、その場面を見せてやると言われ…。 …あとは、有名なラストです。 猿が飛び込んだことは忘れてた。 猿ね、猿は何のためにいたんだろう。 この猿は、なにかの象徴? それとも、それだけこの娘が心清らかで美しい娘だったんだよっていうことを伝えるための猿だったのだろうか。 私の中で、地獄変って娘が焼け死ぬところを望んで描いたものだと誤解してた(何なら、良秀が娘に火をつけたとまで誤解してた…)けど、殿様が自分に靡かない娘とその父親への嫌がらせとして画策したことだったか。 思い込みって、おそろしい。 稀代の絵師良秀も、娘を愛するひとりの父親であったということか。娘の最期、良秀自身もまさに命をかけて描き上げたのでしょう。 この地獄変の屏風、殿様を呪い殺してほしいな(こういうこと思いつく自分が、俗っぽくて嫌だわ…)。 しかしどうやらそういう描写はないから、どんなに魂のこもった絵でも、絵は絵。 怖い話としてなら、良秀なんて、死んだら化けて出るくらいの執念ありそうだけど。 死んだ人や絵の、呪い、祟りがないというのは、芥川の価値観なんだろうか。 地獄という概念はよく登場するから、死んでも魂はどこかにあるという考え方なのかな?と思ってたけど。 現世と死後の世界を明確に区別して、死んだら現世にはとどまれないという生死感なのだろうか。 この話のなかで、殿様は、娘を焼いたのは、そうまでして絵を描こうとする良秀を咎めるためと言ったそうな。いやそんなわけないだろ…!と思う一方、結局人を罰することができるのは、生きている人だけ、ということなのか…。あぁ無情。

    8
    投稿日: 2023.10.05
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    再読。回数不明。王朝物。 毎度、偸盗が面白いと思う。作者が駄作としていることは残念である。他の作品にはないような躍動感、メロドロマっぽさ。その他、地獄変と藪の中がお気に入り。

    0
    投稿日: 2023.06.09
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    お久しぶりの芥川。 芥川の短編って最初の二、三ページはその物語の設定に慣れるのに苦労するけど、一旦夢中になると放してくれない感じ。 独特の引力を持った作品が多い気がする。 個人的に一番好きだったのは「偸盗」。芥川自身は「一番の悪作」と自虐していたらしいけど、退廃的な雰囲気の中に、悲喜交々の人間の姿が浮かび上がっているようでよかったなあ。

    4
    投稿日: 2023.05.25
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    芥川龍之介の「王朝もの」。宇治拾遺物語を題材にした小説。「偸盗」が盗賊の兄弟の1人の女を巡っての愛憎と女の非情さを描く。「藪の中」は 藪の中の死体を様々な角度から、発見した木こりや捕まった下手人、一緒にいた男の妻、そして死んだ男の魂の語りから一つの出来事が違った様相を示す。「六の宮の姫君」は悲しい姫君のお話。男の気持ちや女の気持ちなど心情が描かれている。中では「藪の中」「偸盗」が良かった。 2023年5月20日読了。

    0
    投稿日: 2023.05.20
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    「偸盗」は人間の根源的な家族愛をうたいあげて感情には響いたが理知には響かなかった。「地獄変」は猿の存在が特にすばらしく、文句のつけようがない名作。この2作が続けて収録されているのがなかなかおもしろい。「藪の中」は真実の多面性、人生の懐疑性を示したとされているけれど、人はここまで偽り拵えうるのかという人心のおそろしさを自分は強く読んだ。「六の宮の姫君」では”極楽も地獄も知らぬ”弱く怠惰な生と「往生絵巻」での物狂いの生の対比が鮮やかで、きりりとした文章と描写も美しい。

    1
    投稿日: 2023.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    古文の問題集で『地獄変』の元になった作品がでてきて興味深かったから芥川の創作も読んでみた。全て古典作品を元にした短編集。 『偸盗』 ただ面白いなと思いながら読んでいたが、徐々に多くの人の愛が複雑に交わり、美しい兄弟愛の話でもあることが浮き彫りになってきて良かった。芥川の作品で一番好きかも。ただ解説によると芥川はこれを一番の悪作としているらしい 笑 『地獄変』 原作よりも主人公良秀の性格が狂っている。良秀の愛娘を彼の前で焼き殺して見せることを決めた大殿様も恐ろしいが、それを微笑みながら眺める彼も相当恐ろしい。直後に自殺をしてはいるが。 『藪の中』 数人の証言で構成されるが結局事実が分からないという興味深い話。

    0
    投稿日: 2023.03.17
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    「地獄変」が余りに強烈だ。 溺愛する娘を車ごと炎で焼き、その様を地獄変の屏風として描くという、狂気じみた物語。 親である良秀、娘を召し上げた大殿様、彼らの情愛と執着が物語の進行と共に狂気を帯びてゆく。 良秀にかぎっては、大殿様との直接の場面前にも、地獄変屏風のリアリティを求める余り弟子を痛めつけるという奇行に走るのだが。 物語は第三者の口語敬体(です・ます調)の丁寧語(でございます)で語られるのだが、 敬意を持って丁寧な口調であればある程、狂気の沙汰が恐ろしい。 車に火を着けてからみるみるうちに車を包む炎の様子、炎の中の娘の姿、良秀と大殿様のそれぞれの表情の変化、それらが息をもつかせぬ緊張感で語られてゆくシーンは凄まじい。 ここからは余計なお話。 私は芥川龍之介の作品が長らく苦手だった。 学生時代の教科書で「走れメロス」「蜘蛛の糸」など触れてきたが、プライベートでは手を出せずにいた。 しかしあるTV番組がきっかけで、「地獄変」から触れ直す事になった。 昔「あらすじで読む世界名作劇場」という番組があった。 芸能人が名作を様々な手法でプレゼンするという番組。 誰が司会だったか、どんな作品が紹介されたか、もう全く覚えていないというのに、「地獄変」だけは思い出せる。 市川春猿さん(当時)が、切り絵を使って、時には自身が演じながらプレゼンした。 春猿さんの鬼気迫る語りに、「地獄変」をきちんと読んでみようと思ったのだ。 そういうハッとさせられる瞬間、たまにありませんか? 今後も、そんな時は躊躇わず新しい作家さんの作品に触れていきたい。

    3
    投稿日: 2022.09.27
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    前回読んだ「蜘蛛の糸・杜子春」とはうって変わる世界観 うひゃーたまりません! 完全にこちらが好み♪ ■偸盗 偸盗…盗人団 京の都が荒れ果てていた頃、二人の男兄弟がおりました 兄の太郎は疑い深く斜に構えたような卑屈な性格 見たくれは痘痕で片目の潰れた醜い男 一方の弟、次郎は優しく目鼻立ちの整った好青年 以前は仲の良かった兄弟が一人の偸盗の頭である女に翻弄され、盗人仲間に加わるのでした そして女は兄弟ともに関係を持っているため、当然ながら兄弟はお互いを探り合い、妬み合い、ギクシャクし出すのでございます そんな異常な美しさを持った娘は平気で嘘をつき、殺しも行い、多くの男に身を任せるような悪女でございます 身を任せた男は太郎、次郎はもちろん、義理父の猪熊の爺までも…もちろん他にも… この娘の母親はひきがえるのような卑しげな猪熊の婆と言いまして、昔々、身分違いの男との間にできた子が沙金という、トンビが鷹を産んだ…と言われるような美しい娘なのでした さて猪熊の婆の夫は酒肥の禿頭、猪熊の爺と申しまして、その昔、猪熊の婆に恋をするのでございますが、猪熊の婆は姿を消してしまうのです そして15年後に再会すると、娘の沙金が昔の婆の姿を連想させ、沙金目当てに婆を妻に娶るのでした そしてこの家の居候、阿濃(あこぎ)がおります これは孤児で身寄りもなく白痴でございます 沙金に拾われ、沙金や猪熊の婆たちの家で手伝いをして暮らしたおりますが、家のものからは虐げられております ただ唯一優しい次郎に心を寄せて暮らしておりました 阿濃は臨月でして父親は不明(予測はできます) 本人は次郎が父親だと信じております とまぁ、そんな個性豊かな畜生達の面々 兄弟は沙金という女のせいでお互いを殺してしまいそうなほど精神的に追い詰められ、猪熊の婆は遠い昔を偲びつつも心も荒んできている 爺の方は酒肥りがひどく心が腐りかけている そして阿濃は出産間近 夏の暑さで腐敗した京の町から異臭が漂う 湿度があるのに埃立つこのザラっとした感じ 何かが起こる予感をさせる描写… そしてある屋敷に窃盗を仕掛けるのだが、事態は展開する 猪熊の婆が爺を助けようとするシーンは飛猿の如くカッコいい 畜生過ぎる猪熊の爺も最期には阿濃の産んだ子に微笑を浮かべる 阿濃は生まれて初めて幸せを知っただろう 太郎と次郎は沙金かはたまた肉親かどちらを選ぶのか… この決断の結果に最後感動さえしてしまう 一番の悪作とご本人が自嘲している作品らしい上、巻末の解説にも、「まぁ読み物として一応興味はある」 …随分である 個人的には今まで読んだ芥川作品の中で一番面白かったのだけどなぁ… 京の荒れた下町風情で繰り広げられる、醜さと美しさと不幸と幸せが織りなす喜劇観がなんとも良いのですが… ■地獄変 語り手は堀川の大殿様に二十年来奉仕する者 この語り口調の柔らかさと良秀のアクの強さやこの作品の暗雲立ち込める雰囲気とのアンバランスさが巧妙 右に出るものはいないほどの高名な絵師良秀という老人 しかし見た目の卑しさだけでなく、吝嗇で、恥知らずで、怠け者で、強欲で、横柄で、傲慢…… そう、誰にでも嫌われ、とかく不評な男である その良秀には十五になる一人娘がいる 娘は大殿様の御邸で小女房として仕えていたが思いやりがあり、利口で良く気がつくため皆に可愛がられていた 良秀の娘とは思えない真逆のキャラクター この一人娘を気狂のように可愛がっていたことが唯一無二の良秀のまともなところ リアルさを追求するためなら弟子を縛り上げモデルにさせたり、腐敗した死体に向かい絵筆を動かすことを厭わない 仕事に対する没頭ぶりは狂気を感じるほどだ 大殿様から地獄変の屏風を描くように依頼がくる 地獄変の屏風にのめり込む良秀 見たものしか描けない! 炎の中の地獄を描きたい 大殿様に訴える そして大殿様は良秀の望みを叶える それは…… うーむ予想通りの展開になる このクライマックスの良秀の心境が刻一刻と変化する描写が素晴らしい 受け入れ難い現実を知った驚愕さ 深い嘆きと悲しみ 抑えられない芸術欲と溢れ出す情熱 炎と良秀の心の燃焼が相まって激しく狂おしく、そして美さえ感じてしまう… そうそう猿の登場でどうやら以前読んだことがあることに気づいた 全く忘れてきたので敢えてあらすじを残すことにした この猿が作品のスパイスになっていてよい挿入歌のような役割を果たしており、個人的にもこの猿クンお気に入りだ しかし大殿様はなかなかの人柄であると描写されていたのに…なぜ? 最後までわからない ■藪の中 藪の中でとある男の死骸が発見される 関係者らに検非違使による事情聴取が行われる 事情聴取を受けた各人物の告白で展開するが当事者に近づくにつれ、それぞれが異なる話をするのである 当事者は死骸である男、この男の妻、盗人の3人である 誰が真実を語っているのか… サスペンス仕立ての物語である 構成も凝っているし、ミステリーとしてのスリリングさを味わうこともできる ついついそれぞれの言い分を間に受けてしまい、完全に振り回された良質な読者になってしまった そしてこの夫婦の心情が…ねぇ、なかなか尾を引く… と本書では上記の3作品がとても気に入った 他は簡単に… ■竜  これどうやって終わらせるのか…と不安になったが…  ウソから出たマコト  そう来たか! ■往生絵巻  脚本のような各登場人物のセリフだけで成立しているのだが、点と点を移動している何か繋がりみたいなものがきちんと見えるのだ! 見事な描写 ■六の宮の姫君  救いのない悲しい姫君のお話し 極楽も地獄も知らぬ不甲斐ない女の魂 ああ、切なさと不条理が後を引く… 前回読んだ「蜘蛛の糸・杜子春」は教訓めいたものが多くてちょっと好みじゃなかったのだが、こちらは打って変わって純粋に楽しめた シュールで丸裸の人間の世界観が最高である 全ての作品において共通するのは 人間を赤裸々に描いて見事に暴露しちゃってる(笑)感じ 強欲さや醜さに見え隠れする慈悲深い心 嘘で固められた中に潜む真実 どうしようもなく揺れる心 ああ、人間て本当に矛盾だらけで不安定で小さくて汚くて… それと同時に尊くて温かい… 複雑で単純で…何のかんの愛おしいではないか そんなふうに感じる作品たちであった そうそう、今昔物語をベースにした作品が多い …ん? ということは私は芥川作品が気に入ったのではなく今昔物語が気に入ったということ…⁉︎ これは分析しなくてはいけない どーせ前々から今昔物語は気にはなっていたので挑戦したい(たぶんビギナーズクラシックスにお世話になるだろうけど) そして、芥川ももう1冊読んでみるしかない…

    28
    投稿日: 2022.03.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    倫理を超越した執着。大殿様の、姫君に対する愛憎より、良秀の芸術心が勝ってしまう、それが分かる2人の対照的な表情の変化が実に神妙。 個人的には、小猿は良秀が娘に抱く愛情の暗喩で、小猿が業火に突入し死んだことが、良秀の人間的な部分が消滅した転換点を表しているのかなと思いました。 才能のある人って完成度高いほど、その才能自体が本体で人の部分仮の姿?って思ってしまうときがあります。。

    1
    投稿日: 2022.02.23
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    偸盗は芥川自ら駄作と認めた作品とのことだったが、そう言われたらそうかもと思うが、やはり卓越した文章力であることに疑いようはない

    1
    投稿日: 2022.01.27
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    偸盗は黒澤明が映画にした藪の中(映画のタイトルは羅生門)よりも、よほど活劇にしたてあげられる作品ではないか。登場人物の悪役がみな生き生きしているし、荒廃した京都の描写も羅生門に匹敵する。ぜひ映画化してほしい。 地獄変は高校の教科書以来だが、絵師の良秀が絵の題材にしたくて好んで牛車に載った娘を焼き殺したのでなく、大殿からの命令で見たものしか描けない絵師なのでやむなく娘を火にかけたものの、その有り様を見ているときに恍惚を感じてしまったという作品だったのですね。竜は嘘から出た実という寓話、藪の中はタイトルとおりの事象を読者としては受け入れるしかない技巧の極致のような作品、六の宮の姫君は男性に捨てられるまま何もできないまま衰退してしまうお嬢様の話ということでそういうことも昔はあったのだろうねという次元の話。ということで、意外にも著者が悪作品とののしる偸盗が一番きにいりました。

    1
    投稿日: 2021.11.09
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    平安時代の古典を元とした短編集。文章も古典の口語訳の様な趣なので、古典や平安文化に興味がないと読みにくいかも。 『藪の中』は古典風味のミステリーで印象深い。構成が面白くて現代的。しかも犯人は分からず、「真相は藪の中」の語源になった様だ。 今昔物語など古典をかなり読み込んでいるばかりでなく、英語は教師までやっていたんだから、漱石先生のアドバイスの通り、ゆっくり生きて欲しかった。

    6
    投稿日: 2021.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    総国の課題↓ 作者の芸術論が込められていると感じた。大衆受けする芸術でなく、本物の芸術を求める芸術家にとって現実のモチーフは、空想や資料よりも遥かに優れた素材である。そこには、空気や匂い、明暗のみならず人の想いも絡む。最高の芸術の対価として最愛の娘を犠牲にした良秀の行動は父親としてではなく真の芸術家としては正しい行動だったのではと思う。絵を描き上げた後に自殺した良秀の真意は父親としての後悔か、それとも芸術家として抜け殻になってしまったからなのか、どちらでも合点がいくが、この作品を書き上げる作者もまた小説という分野で極地にいるからこそ書けた作品なのだと思う。私のような凡人には到底できない凄まじい生き方だが、そういう人間が後世まで名を残すのだろうかと感じた。

    5
    投稿日: 2021.02.04
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    はじめての芥川龍之介  短編集「地獄変.偸盗」より「薮の中」 暴れん坊盗賊に武士の夫婦が山中で襲われ妻 は乱暴され夫は殺害される。 三人三様異なる証言に人の真は何かを問います。 たった16頁短編が屈指の論文数なんだそうです が大丈夫でしょうかこの国の学問は(泣) 映画 黒澤監督「羅生門」原作となり 日本初 ベニス国際映画祭金獅子賞、 アカデミー外国語賞受賞も 国内では興行的に難解で大コケし大映幹部も 受賞前は批判の嵐だったのが受賞後は掌を 返しての大絶賛になったらしい(笑)

    0
    投稿日: 2020.12.07
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    偸盗のしゃきんの悪女っぷりが気持ちよかった。なんで男も女もちょっと悪いやつに惹かれるんだろ。 偸盗も地獄変もみんな古くささはあるけど全部現代の人間関係に通じるものがあるなぁって思った。

    3
    投稿日: 2020.11.30
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    『偸盗』 『カルメン』をモチーフにしたと聞いたので読んだ。 確かにカルメンだった。展開や容貌の描写も含めて。  ただ、本家メリメの『カルメン』よりもずっとドラマティックだ。  『カルメン』は終始女性への恋心を中心に据えているが、『偸盗』は決闘シーンがメインとなっている(気がする)。決闘シーンは、まるでバトル漫画を読んでいるかのような怒涛の展開。ハラハラさせられた。  芥川が言うような駄作では決してない。だが、他の芥川作品よりもいい意味で軽いと思う。

    2
    投稿日: 2020.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『偸盗 』 沙金という美女(悪女)に太郎・次郎という兄弟が翻弄される話。太郎が次郎を助けるシーンが好き。 『地獄変』 芸術の為に女を焼き殺して欲しいと言った絵師と了承して絵師の娘を焼き殺す大殿様。 語り手は大殿様のことをめちゃくちゃ高く評価してるけど、この話を読む限りにおいていいとこあった??って思った。橋柱に寵愛していた童を立てたことがいい人エピソードのひとつとして取り上げられていた。現代の感覚ではいい人エピソードにはならないと思うけど、昔はプラス評価だったのかしら? 『竜』 嘘を言ったらホントになった話? 鼻と似てる 『藪の中』 男が死んでいた。 そして3人が男を殺したと自供している。 ものの見方はひとによって違う、というかなんというか。思い込みってあるよねって思った。 『六の宮姫君』 これはちょっと分からなかったけど、乳母の愛がいいなって思ったよ。

    0
    投稿日: 2020.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作「地獄変」 娘を焼き殺し画を描く、というあらすじは記憶に残っていたものの、大殿がやらせたことだったとは驚いた。こんなむごい話だったのですね。 何より地獄の烈火を前にした絵師良秀が神がかるというクライマックスの持っていきかたに感無量。さらにその良秀の墓も苔むしてしまうラストには鳥肌。 娘を殺されるという命を絶つレベルの苦悩と引き換えに成し得た屏風の完成。そこまで芸術に魂を賭けた。人知を超えた行いは、その善悪をも超えて人の心を打つのでしょう。 娘がどれほどかわいく、絵師良秀がいかに卑しいかをさんざん語ったあとでこの結末。対比が凄い。 しかし猿はかわいそうだな。

    7
    投稿日: 2020.05.10
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    課題本式読書会というものに参加してみました。(コロナ外出自粛前です) 課題本が「地獄変」だったため、芥川龍之介王朝物を借りて、「宇治拾遺物語」の現代語訳と、完全版とを借りてみました。 芥川龍之介は、今昔物語の特色を「美しい生々しさ」「野性の美しさ」にあるとしています。今昔物語はその当時の人々の笑い声、泣き声を聞き取り、人間心理を加えて、読み物としています。 読書会では「芥川龍之介といったら学生時代を思い出す」という話が出て、私も高校のときにはかなり好きでした。改めて読んでみると、流れる文体、時系列を混じらせたり、第三者が語ることによる手法、物語としてのドラマチックさ、文章の美しさなど、まさに日本文学を読み出した頃にはちょうどよく心を掴まれる感じがしました。 参考図書:  現代語訳。「池澤夏樹 日本文学全集 08」  https://booklog.jp/item/1/4309728782  完全版。「岩波 宇治拾遺物語 上下巻」  https://booklog.jp/item/1/B000J98DT2 ※以下レビューに書く「元ネタ」の題名は、池澤夏樹編集現代語版出てているものです。 『偸盗』 元ネタ:今昔物語 巻29「何者とも知れぬ女盗賊の話」 たまたま女に誘われ、そのまま夫婦になり、成り行きで盗賊の手助けをするようになり、だがある時女は姿を消してしまった。彼女は盗賊の首領だったのだろうか? この女盗賊がなんともミステリアスでたしかに1本作品がかけそうですね。 芥川龍之介: 一人の悪い女を巡る兄弟の確執と和解、老夫婦の醜さと侘しい情、白痴娘の不幸と幸福、など、かなりドラマチックな展開になっています。芥川龍之介自身はこの短編は気に入らなかったようですが、ドラマチックさと言い、当時の京都の下級民衆の生活といい、実に臨場感があり、私は日本の短編の中でも一番好きな作品に入ります。 『地獄変』 元ネタ:宇治拾遺物語 巻3「絵仏師の良秀は自分の家が焼けるのを見て爆笑した」(※この題名は、現代語訳の町田康さんによるもの(笑))、および古今著門集 巻11「弘高の地獄変の屏風を書ける次第」 自分の家が火事になり、妻子も家にいるっていうのに絵仏師の良秀はなんかよろこんでるんだよ。近所の人が「助けに行かないんですか?」と尋ねたら「わたしはねぇ、不動明王さんの後ろの火焔が、うまいことイケへなんでしたが、あの火ぃみてるうちにわかっちゃったんだから儲けもんですよ。家一軒燃やしたって百軒家立てたら儲けでっしゃろ。おたくさんらみたいになんの技能もない人やったら家は損かも知れませんが、私は違うんですよ、おほほほほ」というので(※原文では「あざわらひて」)、みんないや〜な気持ちになったけれど、その後良秀が描いた「大寺のよじり不動」は未だに人々から尊敬されているんですよ。 よじり不動はこれらしい。残っているんですね。http://www2.kokugakuin.ac.jp/letters/nichibun/syoukai/1nichibun/bungaku_yomu.files/bungaku_yomu-yamaoka.htm 芥川龍之介: 絵仏師良秀は、優れた腕を持つが、人格は吝嗇で恥知らずで強欲。当時の権力者で、良いことも残虐なことも豪放な時の権力者堀川の大殿様は、そんな良秀の無礼を許しながら、彼の愛娘を小女房に上がらせていた。この愛娘は良秀がこの世で唯一目可愛がっている存在だった。 ある時大殿の依頼で地獄返相図の屏風を描くことになった良秀は、狂気と暴力すれすれの日々を過ごし絵に取り掛かるが、どうしても「地獄の業火に焼かれながら落ちてゆく御所車と女房」が描けずにいた。思い余った良秀は大殿に「豪奢な牛車を一台焼いてください。そしてできますならばーー」さすがに言葉に出せないその望みを大殿が告げる。「よかろう。車を一台焼いてやろう。そしてその中に罪人の女を乗せてともに焼き、黒煙と炎とに悶え死にするさまを見せてやろう」 数日後準備は整えられた。 見事な牛車一台、だがその車の中にいるのは良秀の愛娘その人だった。 火がつけられ、生きながらに焼き殺される最愛の一人娘に駆けよらんとする良秀はその足を止める。彼は人としてのこの上ない苦しみと、芸術家としての光悦とに挟まれて後者が勝ったのだ。 絵の完成とともに良秀は縊死した。 彼の人格を忌み嫌っていた者たちも、その絵の見事さには膝を打つしかなかった。 だが車を焼き見事な地獄変を手に入れた大殿は苦笑するだけだった。 …高校のときに読んで、やはりかなり辛かった。現実的に焼かれ死ぬということがorz 読書会でなければ絶対読み返さなかったorzけれど、やっぱり芥川龍之介の旨さがひたすら引き立つ作品だと改めて思った。 読書会で出たこと。 ✓芥川龍之介というと学生時代を思い出す。→流麗な文章、惹きつける話の筋に校正、まさに純文学に触れた頃の学生が惹かれるのもわかる。 ✓大殿と良秀の間には娘を巡って書かれていない何かがあったのか? ✓この当時は権力者は、通行人を轢いたり、使用人を生き埋めたり生きながら焼き殺したり、まさに人の命の重さが違いすぎて…orz ✓良秀自身は「猿秀」と渾名され、いたずらな猿は「良秀」と名付けられて娘と仲良くなった。一種の人格が割れたと言うか、人間と猿の役割が入れ替わっている。 ✓お猿関係の話は可愛い話なのに、ここで終わっていればねえ…。 ✓愛娘を手篭めにしようとしたのは誰だろう?大殿?案外若殿?!書かれていない人間関係があったのか? ✓まだ車を焼く前に、良秀が見た予知夢のような悪夢は何だったのだろう?自分の娘を殺しても仕方がないと潜在意識にあったのか? ✓そのそもこの語り手は、大殿に近い文官だと思われる(言葉選びや話し方が上手いので下男とかではなさそう)。大殿の味方であるこの語り手をどこまで信じてよいのか? ✓大殿のモデルは、ネットでみたら「菅原伝授手習鏡」や「少将滋幹の母」でも敵役の藤原時平(渾名はシヘイ)でないか?と考察されていた。確かにシヘイなら「上げて落とす」をやりかねない。 ✓大殿と良秀の力関係勝負のようなものがあり、大殿は娘を焼くことで良秀を屈服させようとしたが(そのために人肉を食ったという武士まで配置している)、良秀がそれに芸術家として一線を超えたような見事な絵を描き上げたことから、二人の力関係比べは大殿が負けた? ✓「地獄変」の良秀を酷いやつだと思って宇治拾遺物語を読んだら、そっちの良秀のほうが「あざわらひて」だとかもっと非道かった。地獄変のほうが苦しみを知るだけまだ人間的だった(苦笑) ✓題名の「地獄変」は「変相図」の変。 『竜』 元ネタ:宇治拾遺物語 巻11「蔵人得業恵印と猿沢池の竜の昇天」、および巻2「卒塔婆に血がついたら」 鼻がデカくて笑われている恵印という僧が、人々を騒がせてやれと池のほとりに「いついつ、この池から龍神が昇天します」という立て札を立てた。ちょっとのいたずらだったのに人口に膾炙してしまって、当日は見物人が押し寄せる大騒動。恵印は恐る恐る見ていたけれど、でも奇妙な気持ちになってきた「嘘の立て札を立てたのは自分だけど、これだけ人が集まって騒動になったということは、もしかして本当に龍神がでてくるんじゃない?」…でも結局何事も起こらず人々は散って帰って行きましたよ。帰り道で恵印にちょっとだけ面白いことがありましたよ。 芥川龍之介: 宇治拾遺物語では、結局龍神はでないけれど、芥川版では、突如と起こった大雨の様子がまさに龍神昇天のようで、人々は龍を見た!と口々に言った。ということになっています。 嘘から出た誠というか、出ると思って待っていたら違うものでもそんなふうに見えてしまった、とかそういうお話。 『往生絵巻』 元ネタ:今昔物語 巻19 芥川龍之介: 変な法師が来た。「阿弥陀仏よや、おおい。おおい」と喚いている。 数日前までは乱暴者の五位殿といわれる武士だったが、ある時仏に会って極楽往生したいと思ってすぐに出家したのだ。 有り難い御上人だと言う者もいるし、頭がおかしいという者もいる。女達は「捨てられた妻子にしてみれば、男を奪ったものが弥陀仏でも女でも、怨みに思うわね」と現実的だ。 五位殿は仏に会うため西に向かって歩いて歩いて歩いた。海に出たから松の木に登った。餓死するまで木の上で阿弥陀仏を唱えた。 通りかかった法師は、五位殿の遺体の口から蓮の花が咲いているのを見て、一心に祈れば極楽往生するのだと拝むのだった。 …女の私からすればちょっといい気なもんだという気がしないでもない(苦笑) 『藪の中』 元ネタ:今昔物語 巻29「大江山の藪の中で起こった話」 若い夫婦が山道を旅していた。男が現れて「宝があるから山分けしよう」と言ってきた。夫は付いて行き、男に身につけていたものを盗まれた。そして妻は夫の目の前で手篭めにされた。 …しかし男が去った後、妻は夫を責めながらも二人で旅を続けましたとさ。夫は見ず知らずの男を信じてのこのこついていって迂闊だねえ。 芥川龍之介: 山の中で、刺殺された男の死体が見つかった。 関係者たちの証言で構成される物語。なぜそこへ行ったのかは分かっている。どうやって行ったのかも分かっている。だが誰が殺したのかがわからない。 証言者である強盗、妻、そして殺された夫。彼らはみんなが「自分が殺した」というのだ。一つのことが起きたはずなのに、その場にいた人たちの認識がなぜここまで分かれるのだろう。真相は藪の中だ。 今回気が付きましたが、この強盗の多襄丸(たじょうまる)は、「偸盗」にも強盗一味として出ていました。 黒澤明が、「羅生門」と「藪の中」を組み合わせた映画を撮っています。 『六の宮の姫君』 元ネタ:今昔物語 巻19及び15 芥川龍之介: 六の宮の姫君は、昔気質で時勢に取り残されたような両親に大切に大切に、外には触れさせずなんの感情も揺り動かされることなく育てられた。 両親が死んだ後何も残らずただただ屋敷は荒廃してゆくが、姫はなにもせずただ成り行きに任せていた。 通う男ができて生活が上向きになっても喜びも哀しみも知らなかった。 その男が遠方に赴任するため会えなくなるときも、そのために暮らし向きがひたすら貧しくなっていっても、なんの手立ても打たずに感情も出さずにただただ日々を嘆き衰えていった。 姫は死後でさえ魂の拠り所を持てなかった。寂し気な荒れ地に、極楽も地獄も知らず不甲斐なくほそぼそとした声を響かせるだけだった。

    17
    投稿日: 2020.04.03
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    “王朝ものの第二集。芸術と道徳の相剋・矛盾という芥川のもっとも切実な問題を、「宇治拾遺物語」中の絵師良秀をモデルに追及し、古今襴にも似た典雅な色彩と線、迫力ある筆で描いた「地獄変」は、芥川の一代表作である。ほかに、羅生門に群がる盗賊の凄惨な世界に愛のさまざまな姿を浮彫りにした「偸盗」、斬新な構想で作者の懐疑的な人生観を語る「薮の中」など6編を収録する。"

    0
    投稿日: 2019.06.18
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    そういえば、今まで芥川って王朝物しか読んだことないかも。今度王朝物以外も読んでみたい。それで読んでみた本書。いくつかはぼんやりと読んだことがあるのか、知っているような話。この手の小説(特に「偸盗」なんか)は、読了後「で?」って感じる。それはつまり、いつも読んでいるような現代の小説は読者へのサービス精神が多めで、気づかないうちにどうしてもそれを期待してしまっているということなのかも。「竜」は今で言うとフェイクニュースで、いったんオープンになってしまうとニュースを流した張本人でさえ制御が効かなくなるという、現代でも十分ありそうな展開。

    2
    投稿日: 2019.04.28
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    偸盗 地獄変 竜 往生絵巻 藪の中 六の宮の姫君 地獄変は迫力がある。 藪の中は変わっている。 偸盗は交配した京都の雰囲気や匂いが生生しく感じられるところが良い。 ただ、全体的に古文の現代語訳を読んでいる感じで、あまり感慨はない。 地獄変 腕はいいが尊大な絵描きが、殿に頼まれた地獄変の絵を迫真あるものとして完成させるために、女が乗った車を実際に燃やしてほしいと頼んだところ、絵描きが大切にしていた娘を乗せたまま、車を燃やされてしまう。 藪の中 殺された人物も含む事件の当事者三人の言っていることが違う。三人とも自分がやったと言っていて訳がわからない。

    0
    投稿日: 2018.05.06
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    芸術と道徳の相剋・矛盾という芥川のもっとも切実な問題を、「宇治拾遺物語」中の絵師良秀をモデルに追及し、古今襴にも似た典雅な色彩と線、迫力ある筆で描いた「地獄変」は、芥川の一代表作である。

    0
    投稿日: 2017.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・偸盗 最後に読み終えた。 一番面白かった。 気が違えた父母を持つ悪魔の女に魅入られ 堕ちていった兄弟の話。 カルメンとゆう話のオマージュらしい。 沙金を伐つハッピーエンドが 批評を買っているようで 釈然としないのは同感だが 「次郎」と叫ぶ描写では ありありと目の前に情景が広がり 襲いかかる文の幾多もの波に取り込まれ、 愛に心を打ちひしがれた。 そのシーンだけでも読み返してしまった。 ・地獄変 絵仏師良秀の話。 りょうしゅうじゃないの? と混乱したが、本作中ではよしひでとしている。 創作意欲と、人としての愛の間の葛藤に 苦しみ悶えながらも 今後目の当たりに出来ないであろう 現実世界の地獄絵図の行方を見届け 満たされる芸術家としての 狂気の真髄は感慨深かった。 ・竜 鼻に通づる話。 人間は周りの風潮に流される生き物って感じかな。 現れるはずもない竜を 恵印自身が一番わかっているのに 現実逃避から竜が出てくるんじゃないかと 無理に信じてしまいそうになる心理に共感。 ・往生絵巻 難解。 ドグラ・マグラよりよっぽど気が狂いそう。 儀式化された信仰ではなく、 心からの敬虔なる信仰心が重要ってことかな? ・藪の中 真相は藪の中。名作。 形式が思っていたのと 全然違っていて面白かった。 主観では最後の忍び寄る人影に 引っ張られて木こりが犯人? とか単純思考に考えるたり 経験論に基づくと盗人が犯人であり 愚かな女を見捨てていた気がする 。 ・六の宮の姫君 考えさせられるオチ。 極楽も地獄も知らぬ不甲斐なさ。 波風ないことが一番もの悲しいのかな。

    1
    投稿日: 2017.08.18
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    地獄変。 その地獄絵図が目に浮かぶ迫力。 偸盗。 きらびやかで美しい京の都も、こんな荒んだ景色が広がっていたのか。 黄ばんだ景色、埃っぽい空気、生ぐさくよどんだ臭い。10代の頃読んだ時とはまた違い、それらが生々しく迫ってきた。

    0
    投稿日: 2016.09.27
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    芥川の所謂 王朝ものは苦手意識があったけれど、表題の2作が飛び抜けて面白く、他にも佳作が収録されており楽しめた。表題の「偸盗」は自信の外見にコンプレックスのある兄と、美しい容姿を持った弟が二人して悪女に思いを寄せる物語。想いの人が他人に心を許すことに憤りを感じる兄と、他人に身体を許すことに憤りを感じる弟の対比が面白い。 「地獄変」は一貫して執念やおどろおどろしさを感じる、古き良き(悪き??)日本の平安時代らしさが良く表れている。

    0
    投稿日: 2016.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    王朝ものが多いので、ちょっと古典に難を感じている人は苦労するのかもしれない。 「藪の中」は、真実の在り処を問い直すきっかけを与えてくれる。さまざまな報道や意見を耳にしたとき、たまに思い出す。

    0
    投稿日: 2016.03.13
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    いつ以来の再読かな? ともかく濃いな、こりゃ。古典を下敷きにしたとは言え、素材の選択そのものに作家の意識を感じる。 正直に言ってただただ暗い、先の希望は用意されていない。作家の心境の表出だろうか?素材の扱い方など今時の感覚との違いも感じられ、なかなかに興味深かったです。

    0
    投稿日: 2015.03.18
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    後期作品集とのこと。真相は藪の中へ葬るお話し群。 地獄変は傲岸不遜な職人のお話しではなく、思い通りにならない親子を死に至らしめる支配者のお話しと読んだ。

    0
    投稿日: 2014.11.18
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    偸盗、初めて読みましたが、呑まれた…! 太郎と次郎、婆と爺、阿濃、と視点がくるくる変わり、それぞれの思いを刻んでいく展開。大好きです。沙金の視点だけは描かれないという仕掛けも良い。肩すかし感はあるし、芥川龍之介ぽくないと言えばそのとおりだけれども。 他には地獄変も藪の中も良かった。 嘘も真もない歪んだ空間に閉じこめられる感覚、芥川作品独特の体験ではないだろうか。

    0
    投稿日: 2014.03.03
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    読書録「地獄変・偸盗」4 著者 芥川龍之介 出版 新潮社 P170より引用 “唯わたしは殺す時に、腰の太刀を使うのですが、あなた方は太 刀は使わない、唯権力で殺す、金で殺す、どうかするとお為ごか しの言葉だけでも殺すでしょう。”  目次から抜粋引用 “偸盗  地獄変  竜  往生絵巻  六の宮の姫君”  日本を代表する文学者である著者による、短編小説集。  表題作から突然身内を次々に亡くした姫の話まで、6編収録され ています。  上記の引用は、「藪の中」での盗人・多襄丸の一言。 多襄丸が話しているのは検非違使、平安時代の警察のような役人 だったと記憶しています。女を奪われる時、命があったとしても 男は殺されているとのことです。人は命だけで生きているのでは、 無いのかもしれないなと思いました。  検非違使といえば、ゲームファンの間では平安京をエイリアン から守る人ということで有名なのではないでしょうか。しかし、 落とし穴に落とされて、埋められただけで死んでしまうのですか ら、昔のエイリアンは穏やかなものだなと思います。 ーーーーー

    1
    投稿日: 2014.01.17
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    古典のリメイクは芥川の十八番。 『偸盗』・・・一人の悪女を巡る、兄弟の葛藤を描く。 『藪の中』・・・ある殺人事件について三者三様の証言が。まさに真相は藪の中、という事か。 以上2編が面白かった。

    0
    投稿日: 2013.11.14
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    改めて読むと、今昔物語のモチーフの近代小説への組み直し方、こなし具合がすごい。   人間や知性の根源を、こんなところから見つめ直しているのかしら

    0
    投稿日: 2013.05.28
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    地獄変が読みたくなったので。えげつなさにコクがある。完全な第三者に徹しきれない語りが面白いと思った。

    0
    投稿日: 2013.03.14
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    初期作品から滲み出るなんとも言えない雰囲気が苦手だと思ってきたけどだんだん癖になってきたかもしれない。芥川をもっと読みたい。 猪熊のお婆に感じたかなしさは忘れまい。

    0
    投稿日: 2013.01.07
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    芥川の作品は解釈しても解釈しても読み解けない面白さがある。 それと同時に、作者の苦悩とでもいうべきものがにじみ出てくるようで、読んでいてつらい。

    0
    投稿日: 2012.11.28
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    はっきり言って、収録話の『偸盗』だけものすごくつまらなかったです・・・ まあ、僕の様なエンターテインメント小説ばかり読んでいる中3には良さが理解しがたいものだったと信じています(笑) ちなみに、結構好きだったのが『竜』という話でした。 あるお坊さんが悪戯で、寺の池の立札に「3月3日に池から竜が昇る」的なことを書きました。そうして、(案外楽しめる心理描写とか、お坊さんの不安とか、情景描写を経て)ある結末を迎える… 芥川龍之介の作品は結構とっつきやすい感じがあるんですけれど、特に『竜』は面白いかな、と思いました。その話の短さが星新一のショートショートを彷彿とさせて、もっと親近感が湧きました。 もちろん、『地獄変』も興味深い話でした。中2の学校の授業で宇治拾遺物語の絵仏師良秀について学習をしたので、共通点とかを探したりするのも楽しめました。 ★★★☆☆

    0
    投稿日: 2012.10.02
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    芥川賞と共に芥川龍之介を知ろう計画。 「地獄変」はよいです、炎の燃えるかんじが右の頬の上の方に感じられます。芸術ってこういうものかもしれませんね。 「六の宮の姫君」も好きでした。普通なら帰ってきた男君が謝って本宅に連れられてハッピーエンドになりそうですが、ならないところが面白かった。姫君が姫君たるゆえに、極楽も地獄も、どころか、恋も愛もしらないから、なのでしょうね。

    0
    投稿日: 2012.09.09
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    自分の娘の死と引き換えに自分の芸術を完成した良秀。 まさに地獄をさまよい歩いた心地だったのだろう。 芸術家の執念というか生きざまというか、自分はそんな考えにはならないと思った(笑)

    0
    投稿日: 2012.07.29
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    「読書力」の35ページにある本… 法政大学第一中・高等学校で岩井歩教諭が実践した、定期テストに読書問題を取り入れた実践。 5冊目…高1の定期テストに 気持ち悪いです。あまり、読みたくない本でした。

    0
    投稿日: 2012.03.27
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    気味の悪さ。 異様さ。 そんなものを感じました。 醜いなかに、 歪んだなかに、 一種の一握りの美を煮詰めたような感覚です。 う~ん、 唸ってしまいましま。 そしてその後が続かない…。

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    投稿日: 2012.03.27
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    20120325 高校以来か?あの頃読んであらすじだけ覚えている。今読んで古さを感じないのはテーマのせいか。

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    投稿日: 2012.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    NHKのテレビ番組のJブンガクを見ています。 2010年の9月に 地獄変を紹介していたので読み直しました。 ただ美しい火焔の色と,その中に苦しむ女人の姿とが, 限りなく心を悦ばせる ー そう云う景色に見えました というくだりを Instead, the stunning colors of flames and the sight of a woman suffering within them seemed to give him joy beyond measure. This is how it all looked to me. と訳していました。 最後のto me は思い至りませんでした。 へー,そう訳すんだと 地獄変 の中身と英語の勉強になりました。 英語にしてみると地獄変 の良さと日本語の良さを再認識できることが分かりました

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    投稿日: 2012.03.21
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    「地獄変」「薮の中」「六の宮の姫君」等、芥川龍之介の”王朝もの”6篇を集めた短編集。 私は泥臭い人間の上に、劣等生気質じみた嫉妬深さがあるせいか、どうも芥川龍之介に対する「あこがれ」がないようである。 理知的でかっこよく、格調高くてシャープな文体とその内容をうらやましいと思いはすれど、あまりそこに惹かれない。晩年の作品を読んでいないための思い込みだろうか? なんとなく、芥川龍之介は「あこがれ」られている人だなー、というイメージがある。 そういう位置の人なのだろうなぁ、と、勝手に思ってしまっている。 一言で言うと、なんだか身近に感じないのだ。彼の痛みは高尚すぎる気がしてしまうのかもしれない。 なので、この短編集で私がもっとも好きだったのは「六の宮の姫君」だった。 もとより評価の高い短編らしいが、私はこの作品をもっとも「生きてる」と感じた。「地獄変」ではその炎の熱さを感じなかった私だが、この短編では風の冷たさを感じた。氷よりももっと冷え冷えとした、雨の匂いを感じた。 「あれは極楽も地獄も知らぬ、腑甲斐ない女の魂でござる。御仏を念じておやりなされ」  ――六の宮の姫君 より

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    投稿日: 2012.03.05
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    『今昔物語』『宇治拾遺物語』からヒントを得た作品たち。 特に印象的だったのは愛憎渦巻く「偸盗」、残酷だが引きこまれる「地獄変」 今まで拾い読みしかしてこなかったが、文庫一冊分通して読んでみて文章の美しさに感動した。

    0
    投稿日: 2012.03.02
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    【読了】芥川の王朝もの。やっぱり「地獄変」は傑作!グロテスクな美と倒錯の世界。頭に映像が浮かぶ。極彩色で。 他には「六の宮の姫君」がよかった。「極楽も地獄も知らぬ」…哀しいなぁ。

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    投稿日: 2012.02.09
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    真相は、藪の中。 なんて言葉をよく聞くが、芥川龍之介の作品「藪の中」が語源とは知らなかった。と同時に、この作品が黒澤明の「羅生門」の原作であることも知った。 表題の2作は、何か道徳的な教訓を暗示しているようで、確かに面白い。

    0
    投稿日: 2012.01.21
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    王朝物揃い。 偸盗:ビッチ沙金に兄弟愛が報復、でも見たのは白痴だから真相は分からないよーという顛末が面白かった。兄弟の葛藤が響いたのと、生々しい描写が巧み。 地獄変:何度読んでも切ない、苦しい。良秀(猿)をやたら擬人化して読んでしまってもう健気すぎて泣ける。 竜:藪の中に近いかな…現実なんて所詮人間の心許ない認知の上にしか成り得ないのだという。 往来絵巻:信仰って頭悪そうとか思ってしまった。芥川にとっては尊いことなんだろうけど。 藪の中:オープンエンドのよさ。読んだことで黒澤羅生門のよさがわかった。ここからあれだけ登場人物を掴んだ役者が凄い。 六の宮の姫君:運命の残酷さ。よくある主題だけど、この主人公が何の打開もせずに死に向かうのが儚さになっている。この姫の場合、主体性のなさが愚かさになっていて、そこが運命云々だけで終わらせない要素だと思う。

    1
    投稿日: 2011.12.19
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    (1999.08.14読了)(1998.09.04購入) (あ-1-2) 収録作品 ・「楡盗」 ・「地獄変」 ・「竜」 ・「往生絵巻」 ・「薮の中」 ・「六の宮の姫君」 「これらの諸篇は、すべて『今昔物語』もしくは『宇治拾遺物語』の説話集に出典をあおいでいる。」(213頁) 『今昔物語』からの作品:「楡盗」、「往生絵巻」、「薮の中」、「六の宮の姫君」 『宇治拾遺物語』からの作品:「地獄変」、「竜」

    1
    投稿日: 2011.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『地獄変』(じごくへん)は、芥川龍之介の短編小説。説話集『宇治拾遺物語』の「絵仏師良秀」を基に、芥川が独自にアレンジしたものである。高校課程において本作を扱う学校は多く、芥川の代表的作品の一つ。主人公である良秀の「芸術の完成のためにはいかなる犠牲も厭わない」姿勢が、芥川自身の芸術至上主義と絡めて論じられることが多く、発表当時から高い評価を得た。(ウィキペディアから抜粋) 自らの芸術の完成のために、愛娘の命をささげた男の話です。 芥川龍之介って『藝術』の在り方について極めて独特で偏狭な見解をもった作家だよね…彼にとっての藝術とは、夏目漱石でありボオド・レエルでありチエホフであり、ベッドの上で泣きながら読んだ志賀直哉の『暗夜行路』であったw 地獄変 は、そんな芥川龍之介のフェチズムが詰まっている…ように感じる。醜怪な良秀、美しく心優しい娘、魑魅魍魎、地獄の業火、泣き叫ぶ女房、虐待される猿、そふとSMごっこ(はぁ?)(←良秀が絵のお弟子さんに対して行った奇行の数々) きっとこういうものも芥川龍之介のいわゆる藝術とやら、なのかも。 危険…危険  でも嫌いじゃないぜ 本書にはほかにも『偸盗』『竜』『往生絵巻』『藪の中』『六の宮の姫君』など数々の短編が編纂されている。 ■『偸盗』:今昔物語 これ…すごく面白かった。戯作にすぎることを嫌う芥川龍之介らしくない。スリリングな展開、息をつかせぬ戦闘シーン…!!どろどろの人間関係はヨーロッパの俗な小説みたい。近親相姦とか。 映画や漫画にしたらおもしろいんじゃないかしらん、なんて考えながら読みました。 女だてらに盗賊団の長をつとめる沙金がまたかっこいい!数々の男を翻弄する平安小悪魔ギャルです。大HIT上映中(謎放送)。 …が、作者である芥川さん自身は「いろんなトンマな嘘がある」とか「性格なんぞ支離滅裂だ」とか「安い絵双紙」とか酷評してるみたいですね。ならなぜ書いた??!!

    1
    投稿日: 2011.11.28
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    エゴと良心にあまり境目はないんだと思った短編集。 でも決めて生きていかないといけない。 難しいな・・・

    0
    投稿日: 2011.11.17
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    「ペルソナと真の自己の違い」 人は何かのために残酷になれる生き物である。 それを地獄という。

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    投稿日: 2011.09.16
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    森見登美彦さんの「新釈 走れメロス」に収録されていた「藪の中」に影響され、原作のこちらを読んでみました。私的には「藪の中」よりも「地獄変」のあの衝撃的な内容が気に入っております。

    0
    投稿日: 2011.09.10
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    中編集な感じでしたね。 個人的には地獄変と藪の中が好きでした。(ま、ありきたりなんですけどねw ちょっと古文っぽかったりするので中世の知識とかないと読むのはきついかも(実際俺もわからないことが多くて困った。)ですがお勧めです。

    0
    投稿日: 2011.09.09
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    ミステリー風味の「藪の中」が好きで、事件の中身が「藪の中」ではなく人間の真意が「藪の中」だと感じます。

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    投稿日: 2011.08.10
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    楡盗・地獄変・竜・往生絵巻・薮の中・六の宮の姫君…六作品収録。 宇治拾遺物語など平安時代の話集を元にした作品集。 「薮の中」は黒澤明の映画、羅生門の元になったので有名な作品。 そして私が一番好きなのは「地獄変」。天才絵師の絵への凄まじい執念から狂って行く様を描いていて文章からその壮絶な絵が思い浮かぶ。

    0
    投稿日: 2011.05.29
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    表題作、『地獄変』について。 絵師である良秀は天才的な技量を持っているが、性格は傲慢・陰気で誰からも嫌われていた。一方、その良秀の娘は器量もよく、愛嬌がある。娘は堀川の殿様に目をかけてもらい、女房として屋敷へ上がることとなった。 ある日、堀川の大殿は良秀に対し、地獄を描いた屏風を描くように申し付ける。良秀はこれを承知するが、何事も写実的に描くのが良秀の流儀であるので、地獄のような光景を実際に見せて欲しいと大殿に頼み、大殿はこれを快諾する。 その後、大殿は別荘へと良秀を招き、庭に置いてある一台の車を見せる。車の中には一人の女性がいるのにも関わらず、大殿は車に火を放つ。燃え盛る炎の中で苦しんでいる女性は、よく見ると良秀の娘であった。しかし良秀は娘を助けようとはせず、一心不乱にその様子を絵に描いていた。 この前見た映画、『ブラックスワン』の主人公ニーナと良秀がどうしても被ってしまう。まったく違う時代、違う国の作品であるのにも関わらずだ。共通点はただ一点だろう。天秤の片方に「美」が載ってしまうと、もう一方にどれだけ自分にとって大切なもの、例えば家族や自身の命といったものがどれだけ多く載ろうとも、「美」が載った皿は沈んだ状態からピクリとも動かない。 超一流の表現者とはそういうものなのだろう。良秀はこの屏風を完成させるために、すべてのものを失った。同じようにニーナは、ブラックスワンを完璧に演じるために、あらゆるものを捨てなくてはならなかった。それはきっと、自らの意思ですらなかったのかもしれない。良秀は娘が炎に包まれる直前、娘を助け出そうと車へと走り出す。しかし、実際に娘が炎の中で苦悶を表情を浮かべると、良秀は立ち止まり、何かに憑かれたかのように写生をする。 そこで起こったことはきっと、「一流の絵師良秀」と「父親良秀」との移り変わりなのだ。端的に言えば乗っ取りと言ってもよいだろう。そう、それは丁度、『ブラックスワン』で鏡の中にいる、黒鳥へと脱皮を図ろうとするニーナが、ついに現実のニーナを殺してしまった、あの控室のシーンで行われていたことだ。 そういう瞬間を見れるから、本を読むことは、映画を観ることはやめられない。悪趣味であることはよく分かっているが、良秀が燃え盛る娘を見つめるあの描写、ニーナから黒い羽が生えるあのシーン、つまり皿の上に「美」が載せられしまう、あの最高に後ろめたい瞬間を感じることにこそ、芸術と触れ合う喜びがあるような気がしてならない。

    0
    投稿日: 2011.05.19
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    地獄変に関して、物語の大すじ以外、古典的描写に僕は少し退屈だが、映像化できれば楽しいだろう。偸盗はよい。野党の汚い世界だが、随所に挟む空模様で、景色の限られた古来日本の風景に広がりを持たせている。全肯定はできないが、気持ちのつながりより、血のつながりを感じた。

    1
    投稿日: 2011.05.10
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    こういう古い本を読むと、色々な作者が影響を受けているんだなということがよくわかります。「六の宮の姫君」は北村薫さんの小説の基となった話だったのですが、ようやく読むことができました。

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    投稿日: 2011.05.04
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    「偸盗」 「兄弟愛」が「男女の性愛」を駆逐する話 こういうこともあるかな、とは思わせるが、小説として説得力に欠ける 解説によると、作者も失敗作としているらしい 「地獄変」 芸術家のエゴと権力者のエゴが結びついて狂気をなす これは傑作だ 「竜」「往生絵巻」 結果論的に奇跡というものは存在するという話 「藪の中」 真実はひとつ、しかし人の数、その願いの数だけ物語は・・・ 「六の宮の姫君」 平安京ニート 信じても奇跡はおきないひとつの例

    0
    投稿日: 2011.04.16
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    芥川の「王朝者」作品集。「地獄変」道徳性を超越した――善との紐帯を断たれた――美への狂執が凄絶。「藪の中」世界という同一の場で繰り広げられている個々の人生が、互いに相容れぬ各々の解釈を通して、各人各様に、生きられている。

    0
    投稿日: 2011.03.26
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    『六の宮の姫君』から菊池寛と芥川の“玉突き”うんぬんを想像できる読者が一体何人いるのかなあ?と、読むたび思ってしまいます。

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    投稿日: 2011.03.23
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    話自体はきっついが、すらすら読める。 心理描写がまた巧み。 私は藪の中がなんとなく好き あの人間くさい主張がたのしい

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    投稿日: 2011.02.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川の「王朝物」と呼ばれる、『今昔物語』や『宇治拾遺物語』の作品をヒントに、さまざまな人間の顔を描く短編集。表題作「地獄変」では、主人公の絵仏師良秀が、秀麗な地獄変の屏風絵を描きあげ、評判を上げるのと裏腹に、大切なものを失う。

    0
    投稿日: 2011.02.07
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    地獄変すごい好きなんだよなぁ。しつるせいとくかな!の絵仏師良秀の話…のはず。芥川作品(羅生門・蜘蛛の糸・地獄変)をモチーフにした交響曲があると友達に聞いたので、それと合わせて読んでみたいな。

    0
    投稿日: 2011.01.16
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    地獄変・偸盗の、表題作二本はやはり「羅生門」が苦手な自分には少し匂うような感覚が纏わりつくようで、一度ではきちんとは読み取ること適わず。時間を置いて再読したいと思う。 それらよりも、「竜」と「六の宮の姫君」が読みやすく面白かった。全体を通して、もう少し自分に読解力が欲しいところ。

    0
    投稿日: 2010.09.26
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    「地獄変」 ストーリーは知っていたので、多分前に読んだことがあったはず… おっかない話でした。でも、おっかないで終わらせてはいけない作品なのでしょう。

    0
    投稿日: 2010.09.13
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    難しくって・・・。 私にはなかなか理解できずでした。 でも、地獄変とか、 最後の最後の1ページ?何行かの迫力がすごかった。 ああ!そういうこと!? みたいな。 その最後を言うための 長い長い前置きだったとしたなら それもありなのかなって 新しい小説のイメージが出来た。 藪の中は国語でやったから知ってたけど いい。 人間の自分勝手さがよく出てる。 人によって言うことが少しずつずれているっていうのは よくありそう。 そして、最後まで答えも見えないって どれだけ新しい手法なんだよ! スゴイなあ。 けど、 全体的には文章が旧体なので とっても読みづらいです・・・。

    0
    投稿日: 2010.08.18
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    たしかこの中に、「袈裟と遠盛」が入っていたような。 耳元で犇めき合う言葉のやり取りが、いいんだよね。 二者のそれぞれの思惑が手に取るようにわかる描写が最高に好き。

    1
    投稿日: 2010.07.24
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    ・地獄変 私は芥川の日本語を本当に他と比べようが無いくらいずば抜けて綺麗だと思っていて、音読して呼んでいるとぶわっと鳥肌が立ってしまったりするんですけど…それでこんなにキチンと敬語使われちゃうともう、もうどうしていいかわからない!言葉の一つ一つが気持ちよくてしょうがない!! 話の起承転結の、起承転まではぞっとするくらい引き込ませてくれたのに最後の最後で然もありなん締めになってるのが少し残念だったかなあ。でも芥川って基本的に全部の話しそうなんだもん、慣れちゃう。

    0
    投稿日: 2010.06.29
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    森見さんの「新釈走れメロス」のために読み直すことに。と思ったら読んだことなくてびっくりでした。さて、どれもいいのですがやはり「藪の中」に尽きるなあというのが本心。事実とか真実と思っているのはこんなものですね。

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    投稿日: 2010.05.21
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    読めば読むほど考えたくなる一冊。とくに、「藪の中」は何度読んでも、自分の中で解決にたどり着かない…「藪の中には衝撃的だけど考えさせられるフレーズが多いです。初めて読んだ時のショックといったら。

    0
    投稿日: 2010.05.09
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    『偸盗』、『地獄変』、『竜』、『往生絵巻』、『藪の中』、『六の宮の姫君』の六作品を収録。 『地獄変』、『藪の中』は流石の読み応え。 しかし、古典を題材にしたこれらの作品は、 私には文章が難し過ぎた。

    0
    投稿日: 2010.04.29
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     どの作品にも文章で表現された世界の中に、独特の雰囲気というか、迫力があると思います。その迫力に飲まれて作品の中に没頭してしまいました。  平安時代が舞台の作品群ですから言葉遣いや用語などに癖はありますが、とても読みやすいです。頭の中でイメージが次々と湧いてくる感じがします。  どれも面白いですが、僕の中での一番は表題作の『地獄変』かなぁ。一番インパクトが強かったので。

    0
    投稿日: 2010.02.26
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    初めて読んだ芥川龍之介。 個人的には「地獄変」が面白かったです。 実際の世界であのような考えの人ばかりが蔓延していては世界なんて回らないけれど、それでも芸術への気持ちが大切な人への想いに勝るような良秀の性格には惹きつけられました。

    0
    投稿日: 2010.01.15
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    芥川龍之介の脂ギッシュな作品が詰まっていて、読み応えがありすぎた。 なんて人間は恐ろしい生き物なんだろう。コワイコワイ。

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    投稿日: 2009.12.15
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    蒼井優ちゃんが好きな本だっていってたから読んだんだけど理解できませんでした。ごめんなさい。ばかすぎる。今よんだら理解できるかな?もし古本屋で出会えたらかってよみたいです。

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    投稿日: 2009.12.15
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    著者自身は「偸盗」は失敗作としているらしいが、私は面白いと思った。 ジェットコースターのような作品。 「地獄変」は衝撃。燃やしちゃうのね...

    0
    投稿日: 2009.12.15
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     絵師が自分の絵を描くという仕事にとりつかれる話。 「地獄変」という屏風を完成させるため、車や人の焼かれる姿を見たいと殿様に頼んだところ、実際に焼かれたのは、自分の娘であった。  本文では、誰が焼かせたのかは明らかになっていない。地獄の火柱を見た絵師は、突き抜ける感情を得て、屏風を完成させた後、自ら命を絶つ。  単なる屏風作成を超えて、芸術、魂への執念を感じさせる身震いする作品。 ドグラマグラは、本作品をモチーフにしているらしい。

    0
    投稿日: 2009.11.29
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    絵師良秀は、大殿様に命じられた地獄変の屏風を描くために、弟子の逃げ回る様子を写そうと猟奇的な行いを始める。そしてついに、燃え上がる牛車の中で黒髪を乱しながら悶え苦しむ女を描くために、実際に女を乗せた牛車に火を付けて欲しいと願い――「宇治拾遺物語」の絵師良秀をモデルに追及した、迫力迫る『地獄変』、ほかに羅生門に群がる盗賊の愛と殺戮を描いた『偸盗』、斬新な構想で作者の懐疑的な人生観を語る『藪の中』など6編を収録。 王朝文学を題材に描き直すのが、龍之介は本当にうまい。どことなく懐疑的で、人間の闇を孕んでいる作品たちは、心に迫るあまり、易々と感想を言えるものではない。『偸盗』『地獄変』『竜』『往生絵巻』『藪の中』『六の宮野姫君』。どれも読みやすく、けれど問題意識を与えてくれる物語。

    0
    投稿日: 2009.11.17
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    「王朝物」といわれる平安時代を舞台にした短編6編。 『今昔物語』や『宇治拾遺物語』を元にしたものばかりなので、これらに精通していればより一層楽しめるかもしれない。 しかし全く知識のない私でも十分楽しめた。 普段歴史物をほとんど読まないため文章に慣れるのに時間がかかったが、慣れてしまうとどの作品もまるでミステリーを読んでいるかのようにぐいぐい引き込まれた。 特に印象に残った2編 『偸盗』…猪熊一家のエゴイズムと婢女である阿濃の白痴ゆえの無垢さのコントラストが物語の終わりに非常に際立っていた。 エゴがもたらした死と、無垢の中から生まれた父親の知れない命(聖母マリアのようである)。 『地獄変』…異常なまでに精度の高められた芸術性と、人間が普遍的に持つであろう道徳心の相容れなさ、矛盾を見事に描いている。 絵師・良秀が描いた地獄変の牛車の中の女は、良秀の最愛の娘でなければならなかったのだ。 最愛の娘が地獄の業火に焼かれる事、それがまさに良秀にとっての地獄であり、それを目の当りにし、描かぬことには良秀の芸術性は達成を見なかった。 しかしそれゆえ良秀の道徳性を失うこととなり、芸術も捨て、死を選ぶのである。 また、娘に懐いていた「良秀」というあだ名の猿は良秀の道徳性の分身のようで印象的だった。

    0
    投稿日: 2009.11.12
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    今度(2009.7.30現在)TAJYOUMARUって映画やるじゃないですか。 あの原作が芥川の「藪の中」だって言うのでいったいどんな原作なのかと興味を引かれて読んでみましたが、寧ろ「藪の中」より表題の「偸盗」の方が引き込まれてしまいました。 あの人間の人間臭い感じ、まさに芥川作品!って感じでいいですね。 これを読むと最近流行の恋愛小説はもう読めなくなりそう…愛情って、憎しみって何なんだろうって考えてしまう…。 あと「地獄変」も、もとの「絵仏師良秀」を古典で読んだのでなんとなく話は分かってましたが…。あの芸術と人間倫理の相克っていうのは色々な評論にあるように、やっぱり作者の人生の問いでもあったんでしょうか。 自分のような凡人には到底理解しかねる世界でした。

    0
    投稿日: 2009.07.30
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    さすがとしか言いようがない。 今の時代にはこのような作品をかける人はいないだろう。 地獄変は、あることへの執着心と大事な娘。結果的には男には両方が必要だった。 偸盗は、兄弟愛の話。生きるって大変だよね。 文体が現代と違うため読むのに時間はかかるが、非常に良い!

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    投稿日: 2009.06.21
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    難しかった。。。けど、読みながら泣いたり、顔をしかめたり…。 昔の言葉なので、途中調べたりしながら読み終えました(^_^;) 何本も読み慣れてきたら、もう一度読み返したいお話です!

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    投稿日: 2009.03.20
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    偸盗は芥川作品の中で二番目に好き。 もともと、野田秀樹のカノンのリメイクを見てから入った。 「私、貴方のためなら誰を殺してもかまわない」 ぞくぞくします。 地獄変も、これは解釈が分かれるし、ユウの読みは浅い。だからコメントは控えます。

    0
    投稿日: 2009.01.30