
総合評価
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powered by ブクログ読書会で安部公房を紹介しようと思って、最近映画にもなった「箱男」を先に読んだ。しかしあらすじを話すにも何が何だか、おもしろくもないものを紹介できない。それで、次に「密会」を読んだ。大して差はない。まだ少し話の流れが言えるだけましか。早朝、語り手の男の妻が頼みもしない救急車で病院へ運び込まれる。男は妻を追って病院にやってくる。いやその前にすでに馬は登場していたのか。そして、男はジャンプシューズの営業をしていると紹介があったのだったか。妻は訳も分からず病院から夫へ電話しようとするが、公衆電話に使う十円が借りられず困り果てている。妻を探しに来た男は、病院に入る前に、斡旋屋から逃げ出すときのための女ものの衣服を借りている。パジャマで連れて来られているからだ。この、病院の周りにはいろいろな店があって、墓まであって、一つの街のようになっている。いまから50年ほど前の話だが、病院はそんなふうだったか。見知らぬ診療科がいくつもある。本当にあったのか、安部公房が勝手に作ったのか。ありそうな名前がずらりと並ぶ。警備室でいろいろ事情を話しているうちに、妻は分かっていて病院に来たのではないかという疑いが生まれる。誰かとの密会のために。被害妄想の塊となって当直医を尾行する。その医師がたどり着いた部屋からは女の喘ぎ声が聞こえてくる。窓から中を覗き込むと、カセットテープから盗聴された声を聴きながら、ペニスを何かの器具に入れて精子を採取しようとしているところだった。男は当直医に見つけられ、もみ合いの末その医師は頭を打って気を失う。その後、ずっと勃起したままである。そんなことあり得るのか。この病院のあらゆるところ、さらには貸衣装にも盗聴器が仕込まれている。警備室ではそれを常時録音している。愛好家がたくさんいて、病院の裏の大きな収入になっているのだったか。それは僕の妄想か。実は後に馬だったと明かされる副院長はインポテンツである。その意識の戻らない当直医のペニスを移植したのか。いや殺された警備主任のものももらったはずか。2本のペニスを備えているのか。いや元の自分のものと3本か?警備主任の娘は骨が解ける病気で入院しているが、手淫している様子を人に見せて喜んでいる。12歳だったか。喜んでいる?どうだったか。その母は体が綿になって死んでしまった。その綿で作った布団を持ち続ける。病院のある町ではお祭りがあるのか。その中の一つの裏イベントで、誰がオーガズムを最も長く持続できるかのコンテストがある。その有力候補の仮面女が実は語り手の男の妻ではないかという疑いが持ち上がる。しかし最後まではっきりとはしない。骨の溶ける少女を連れ出した男は、少女の身体にできている襞という襞を触り続ける。次第に少女が声を荒げていく。何が何だか、書いていても一本の筋道が見つからない。やはり説明のしようもない。それをそのまま話してみて、それでも興味を持つ人がいれば読んでくれるかもしれない。女性が多いのだから、ちょっと無理だろうな。村田紗耶香とはまた全然違ったぶっ飛び方だ。実験的な小説ということでは、平野啓一郎も若いころはかなり攻めているが、安部公房はかなり後半になってこういうものを書いている。「箱男」と「密会」については高3のときに読んで、なんだ「覗きと盗聴」の話ではないかという印象を持っていたのだが、40年以上たって、それなりにいろいろと経験し読書もしてきたつもりだが、結局同じ印象しか持てなかった。安部公房を紹介するならやはり「第四間氷期」か。3回読んで3回とも抜群におもしろく感じた。「砂の女」については大人になってから読んでその味わい深さが分かった。逃げる機会がありながら自分の意志で逃げなかった男の思い。「他人の顔」は絶妙の設定における嫉妬心の扱いがおもしろかった。「方舟さくら丸」における象徴的に大きな便器もユニークである。自分の糞を食べながら生き続けるユープケッチャもおもしろい。まあこのあたりをひっくるめて紹介してみようか。
2投稿日: 2026.01.20
powered by ブクログ色欲に支配された社会とはこういうものなのかと思わされた。妻が失踪するところから話は始まるが連れ込まれた病院がとにかく変わってる。インポテつになった副院長が発情するために病院内に盗聴器を仕掛け他の斡旋業者と手を組み様々な人たちの密会を盗み聞きしているような病院で妻を探す主人公が気の毒すぎる。他人の陰茎を移植しまさに馬のような見た目となった副院長は狂気の沙汰ではないがそれが認められるような社会もそのうち来るのか。人間は思考することができる一方で逆に色欲をコントロールできず他の動物と違い年がら年中発情することができ世の中ではそれを売り物としていることへのアンチテーゼなのか。
1投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ今回もなかなかの実験作。情景描写がとにかくわかりづらい。迷路のような病院を舞台にしてるだけあってか。それも作者の意図なのか。 砂の女や箱男のように、わからないなりにも理屈があるような作品とは違い、わからないのをそのままに楽しむことを求められる作品、な気がした。
4投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログ特殊な方法で失踪した妻を探して男は病院へと潜り込む。盗聴という監視ネットワーク、医者という要望の権力者会の縮図の内外を出入りし、男は存在すらも怪しい目的を求めて彷徨い続ける。
0投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログ呼んだ覚えのない救急車に運ばれ失踪した妻を追う男の話といえば興味を持てそうだが、エログロ要素が強く余り刺さらなかった。安部公房の中でもさらに読者を選びそう。
0投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログ性的なテーマなので好みが分かれるかもしれないが、不条理な状況で緊迫するシーンが続き、知らないうちに読み進めてしまう一冊。 安部公房は久しぶりの一冊だったが、やっぱり面白い。 簡単に日常を忘れさせてくれる。 非日常をすぐに感じたい方は、是非。
6投稿日: 2024.09.19
powered by ブクログ人間の歴史は逆進化の歴史。 発情の衰退(進化とも言える)と、嘘と本当と、記録と(時には嘘がある明日の新聞)、また見る見られるの不思議な関係、そして盗聴ポルノテープ。 何をしても明日には死んでる自分、手淫という行為という1人だけの密会。 イカれた現代の性。をさらに進めた密会の中。 全員が病気でこの世界は病院。いつのまにか僕も病人、このイカれた性の世界に取り込まれた。 夢の話のようで精神病のようでどこかで自分との親近も感じるストーリー。すごい。
0投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログ途中でやめた。 半分まで読んでみたけど、ぶっ飛びすぎてついていけない。自分に意味がある本とは思えなかった。文章、比喩などピカイチですが。。
0投稿日: 2024.08.17
powered by ブクログ著者の作品は『砂の女』『箱男』『第四間氷期』と読んで、この作品が4冊目であるが比較的、世界観に入り込むことができる。妻が連れ去られたとされる病院へ行く主人公、病院での会話は逐一録音されているというなか、阿部公房作品おなじみの一風変わった人物たちと関わっていくが、いつの間にか主人公もその奇妙な病院に絡めとられてしまうところが恐ろしかった。 2本のペニスを持った馬人間、女秘書、溶骨症の少女といった、個性的という言葉では形容できない人物が出てくるのも阿部公房ワールドが炸裂していて、安心感さえ感じてしまった。 今回の話は救いようがなく、終始暗い雰囲気の物語ではあったが、著者の独特の滑稽ささえも感じさせられる文体により、そこまでの暗さを感じることはなかった。
13投稿日: 2024.06.14
powered by ブクログ愛と快楽にまみれた出口のない現代人の地獄… 虚無感、喪失感、絶望…なんとも言い難い感情を味わった。 馬人間、女秘書、溶骨症の少女、奇怪な人物を通して描かれる。 やはり安部公房先生の作品は衝撃的です。 ⚫︎良き医者は良き患者 ⚫︎動物の歴史が進化の歴史ならば、 人間の歴史は逆進化の歴史 ⚫︎明日の新聞に先を越され、ぼくは明日という過去の中で、何度も確実に死に続ける。やさしい一人だけの密会を抱きしめて…
0投稿日: 2024.01.06
powered by ブクログこれほど豊かな肉体が、これほど孤独だというのは、不公平すぎるような気がする。 同時になぜか似合っているような気もした。
1投稿日: 2023.11.14
powered by ブクログ●あらすじ ある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して病院に辿りつくが、彼の行動は逐一盗聴マイクによって監視されている……。二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉など奇怪な人物とのかかわりに困惑する男の姿を通じて、巨大な病院の迷路に息づく絶望的な愛と快楽の光景を描き、野心的構成で出口のない現代人の地獄を浮き彫りにする。 (新潮社HPより抜粋) ●感想 これは難解…なんだけと面白…! 安部公房はいつもそうだけど時間軸が前後する上に今作では一人称視点、三人称視点が入り乱れて読者を一瞬たりとも安心させない(あるいは一度安心させる)仕掛けが至るところにあります。 それにしてもなんて病院なんだ。不能克服の為に「馬」並の他人のペニスを得た副委員長。それに協力する病院関係者。試験管ベイビーの不感症。13歳の娼婦。被姦妄想の仮面女……。熱海秘宝館みたいな病院だわ。「患者」である人々はもう大体みんな性に関する悩み(疾患)を抱えていて、その状況はたいてい凄絶だけど悲壮感がなく、余計に狂気を感じる。その狂気パレード、怖い淫夢みたいな病院の中で唯一主人公の正気というか外界との繋がり、「外」を感じされるのが妻であり「妻を探す」という目的なんだけど、最終的にそれすら悪夢に取り込まれてしまう(と主人公は感じる)んですね。可哀想に。 主人公はこの悪夢からずっと疎外され続けている。結局患者にはなれないまま、「人間から遠ざかっていく」娘だかを抱きしめて孤独で優しい密会をする。 凄絶で静かで疾走感と余韻のあるラスト、破滅に向かって走る感覚、良かったです。それにしても安部公房、人嫌いなんかな。
0投稿日: 2023.08.23
powered by ブクログいやー、安部公房の作品の中でよもやこんなに理解できないとは。自分の感性が死んだのかと不安になる。 ただ巻末の解説をよみ、「うわー!さすが安部先生!」となった。この小説は、分かりやすくてはいかん、順序立ててはだめなのだ。 まず時系列が掴みにくい。「今」か回想かの境が判別しにくく、全部読んでも半分位しか順序立てて整理できない。 そして地理関係の分かりにくさ。「旧病院跡」?「崖っぷちを切り抜いた商店街」?「中庭に面した6つに分かれた小部屋」?一文ずつ頭の中に地理を浮かべようとするが、すぐに矛盾が生じて追えなくなる。 このわからなさこそがこの作品の肝。論理立てて整理できないその混乱こそ、主人公が囚われている世界。 私は安部公房の描く「ナルシスト的孤独」が好きだ。ただこの作品は少し毛色が違うように思う。 いつもの主人公は、他者とのコミュニティから疎外されている。外界との繋がりに不具合が生じ、それを拗らせて精神世界に没入する。 だがこの作品の主人公は、むしろ周りからはどんどん関わりを持たれ、コミュニティに取り込まれようとしている。そしてとてもノーマルな人間だ。だけど最終的には孤独になっている。 「坩堝」、私はなんとなくそんな印象を受けた。何度も読み返す作品だ。
0投稿日: 2023.07.07
powered by ブクログ箱男ぶりの安部公房なので、箱男の見る・見られるというトピックから考えてこちらは聴覚的な切り込み方が魅力だった。 理解と難解が交互にやってくる感じで読むのに時間がかかったけど、最後の一文での締め方が好きだった。
1投稿日: 2022.10.27
powered by ブクログ気持ち悪い部分は頭にイメージできてしまうのに、それ以外の部分が読みにくく、結局あらすじくらいしか理解できてない。
0投稿日: 2022.10.06
powered by ブクログ内容や登場モチーフは面白い部分多く、ゴチャっとした世界観も嫌いでは無いが、読者への配慮というか純粋に読みにくさが許容超えてた気がした。安部公房作で唯一しんどくなってしまったかもしれない。
1投稿日: 2022.09.27
powered by ブクログエロなのにわけわからん。変態を文学的に格調高く幻想的に描くとこうなるのか。何を読んでいたんだろうという気持ちになる。
0投稿日: 2022.07.15
powered by ブクログあらすじ 『密会』は、安部公房の書き下ろし長編小説。ある朝突然、救急車で連れ去られた妻を捜すために巨大病院に入り込んだ男の物語。巨大なシステムにより、盗聴器でその行動を全て監視されていた男の迷走する姿を通して、現代都市社会の「出口のない迷路」の構造を描いている。 1977年12月5日に新潮社より刊行された。 感想 異次元、異空間作家らしい物語。 砂の女の方かわかりやすいかな。
0投稿日: 2021.12.09
powered by ブクログ夏の朝、午前四時ごろ。誰も呼んだ覚えのない救急車がやってきて男の妻を連れ去った。妻は病気やけがをしていない。後ほど男は妻が向かった病院に訪れるが、妻は行方不明になっている。病院内を探し回るうちに様々な性倒錯者と出会っていく内容。男がだんだんと病院のおかしな世界に引き込まれていく様子がよくわかる。すんなり読んでしまったけど、理解できているかいつも不安だなぁ…
0投稿日: 2021.07.28
powered by ブクログ性描写のオンパレードの中に、グロテスクな描写あり。 時代背景としては、売春を筆頭に性行為が軽視され始め、スポーツ化したというところからこういった内容になったようですが、登場人物がカオス過ぎて惹かれる。 病院=社会、ということは混乱を意味しているよう。 迷路のような想像できない病院内や地下道は、そのまま社会への混乱に加えて先が見えないことを表しているのかも。 想像したらキリがないけど、ラストの安倍印も満足。
0投稿日: 2020.11.08
powered by ブクログエログロの迷路。病院内の構造がどうなっているのか全然わからなかった(完全に作者の手のひらの上)。 近未来的。 安部公房の変態性をそのまま脳味噌から出してきた感じ。
0投稿日: 2020.05.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何なのよ、これ 今半分まで読み進んだところ 安部公房はよく読者を混乱に陥れるけど、 今回も救急車で拉致された妻を捜しに来たものの、 病院のある所や、守衛や副院長、どうなってんのかさっぱりわからん。 読者を混乱に陥れて、どうだと言わんばかり でも、僕には、 その混乱を楽しんでいる節がないでもない。 ああ、やっぱり安部公房なのだ、と
0投稿日: 2018.11.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
布団になった母、膀胱の括約筋がイカれておしっこ垂れ流しの看護婦、勃起したまま意識不明の医者、そのぺニスを玩具にする看護婦。私は読み終わり三日間連続で最低な夢を見た。
0投稿日: 2018.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
淫乱の溶骨症の少女、ヒステリックでわがままな女秘書、仮面女となってしまった彼の妻(?)、あまりに身勝手且つ魅力的すぎる女たちに振り回される主人公。 溶骨症の少女については、そういう風に愛されていつか溶けてしまいたいと思った。 パテ状の肉塊になってしまった娘を男は懸命に人間の形に戻す。声のしている辺りに耳を寄せると「さわってよ……」幾層にも肉や皮がたるみどこが股間の襞なのか区別もつかないが、男は襞という襞をさぐってはさすり続ける。娘はやがて眠ってしまう。男は地下をさまよいながらときどき電池を抜いてはこっそり娘を抱きしめる。 ―いずれは盗聴器の電池も切れ、ぼくは誰にも気兼ねなしに娘を抱きつづけることになるのだろう。ぼくは娘の母親でこさえたふとんを齧り、コンクリートの壁から滲み出した水滴を舐め、もう誰からも咎められなくなったこの一人だけの密会にしがみつく。いくら認めないつもりでも、明日の新聞に先を越され、ぼくは明日という過去の中で、何度も確実に死につづける。やさしい一人だけの密会を抱きしめて……。―
0投稿日: 2018.02.25
powered by ブクログぶっ飛んだカルト・ムービーのようでいて外れ過ぎないというか押さえているという稀有な作品。アングラっぽさが漂うもそこに逃げていない。この世界造形はさすが安部公房という感じ。小説表現の自由や可能性が感じさせる。巻末の平岡先生の解説もいい。
0投稿日: 2017.12.18
powered by ブクログ失踪した妻を探していくと病院の内部の人間にさせられようとする。その病院は盗聴されて監視されている。性を題材に独特な世界観を描いている。しかし、理解し難い。
0投稿日: 2017.06.13
powered by ブクログ妻が救急車に誘拐されたり、二本のペニスを持つ馬人間から盗聴の書き下ろしを頼まれたり、溶骨症の少女との出会いなど、安倍公房ワールド全開な作品であった。物語の中心に「性」が置かれているのは理解できたが、あまりにぶっ飛んだ内容で、深い意味は十分には理解できなかった。
0投稿日: 2016.12.12
powered by ブクログ妻を救急車によって攫われた男がその行方を追うにつれ、組織としての病院と患者、そして医師に撹乱されていく話。「盗聴」という行為をもって、社会における性の統制と計画的な消費を断片的に描写しています。 もっともらしい言葉を使って概要を述べるのは簡単なのですが、ではこの作品は何を示したかったのか?といった部分に踏み込むと途端に手がかりが無くなってしまう。結果的には「閉鎖的な異常社会と外界にはあまり差は無い。」とか、胡散臭い感想をぼんやりと持つが、それだけで済むほど焦点は少なくない。 結局、一度二度読んだ程度では理解が難しい作品です。また、もしかすると点で読む作品では無く、安部公房の作品群として線で読む作品なのかもしれないなと思いました。(帰宅)
0投稿日: 2016.05.07
powered by ブクログ「壁」や「箱男」と比べるとやや劣る感は否めないが、病院という非日常的日常空間を通して絶対的非日常へ読者を強引に導く筆力は圧巻だ。読み手を極めて混乱させ一度読んだくらいではとてもストーリーを理解できないが、敢えていえば本書のテーマは「性の倒錯」だろうか。退廃的でサイバーパンクのようでもある。直接的な性描写や幼児愛好などタブーを厭わない表現は公房氏作品のなかでも異色かもしれない。
0投稿日: 2016.04.03
powered by ブクログいわゆるスリップストリームぽい小説で、話の流れとしてはおいおいどこ行くんだよと感じますが、随所の比喩はさすがの安部公房でファンなら楽しめる一冊だと思います。ファンじゃないならもっと先に読む本があるかな。
0投稿日: 2015.08.22
powered by ブクログここまでドギツイ性的描写ができるのはさすがです。 ややグロテスクな表現もあるので中々人にはお勧めできませんが、 安部公房作品が好きな方にはたまらない一作かと思います。
0投稿日: 2015.02.15
powered by ブクログ一まわりも年下の編集者氏との初めての雑談でお互いに「日本で一番好きな作家が安部公房」ということがわかったので、久々に読み返したくなった『密会』。 ノートを書く男が好きというわけではないが、『他人の顔』『箱男』が好きな私。で、『密会』は薄いくせに「行間が数ページあるんじゃないか」と思うくらい内容が濃いので、えらい時間がかかってしまう。 巷では「ノーベル賞に村上春樹を」と騒いでいるけれども、生きていれば確実に受賞していたと言われる安部公房の作品を読んでみれば、村上氏はまだまだだということがわかる(村上を作品をディスってるわけではない)。 などという比較などどうでもいいほど、安部公房の作品は現代文学のなかでは傑出している(世界観と表現方法の好き嫌いはあるだろうが)と思うのだが。 無機質なのに生理的というかなんというかうまくいえないが、キューブリックに映画化してもらいたかった、といえばイメージが近いか……。
0投稿日: 2014.11.13
powered by ブクログ1977年発表、安部公房著。突如救急車によって妻を連れ去られた男は、妻を探して、ある病院に辿り着く。だがその病院は、性的に歪んだ人間達が蠢く、そこら中に盗聴器がとりつけられた異様な場所だった。 ストーリーはしっかり流れているし、手法や文章、どれをとってもバランスがよく、安部公房にしては読みやすかった。また性的描写が多く、それがブラックユーモアに包まれているので、結構パンチも効いている。 読後に感じるのは、とにかく性的な描写の強烈さである。弱者達のグロテスクな性すら分析し(盗聴もその一環だ)、誰しもを患者として組み込み、しかもほとんど境界なく街に広がっていく「病院」とは一体何なのだろう。というより、本小説のように徹底解剖されてしまった「性」の価値とは? 我々現代人は結局、一人だけの密会にしがみつく患者でしかないのだろうか。
0投稿日: 2014.05.06
powered by ブクログなんともいえない破滅感のなかで脈略なきストーリーが進んでいく。失踪した妻を追うなかで出会う馬をはじめとした人々が主人公を崩壊させていく。 エロスとユーモア散りばめられるが一寸先がわからない読み味により、何度も意識がとんでしまいそうになる。 結末が気になり最後まで読ませてくれるが、本来は非常識が常識となる雰囲気を楽しむのがこの本の味わい方と考える。
0投稿日: 2014.01.18
powered by ブクログ安倍公房による、1977年の長編小説。 社会には催淫表象が遍在している。文化的・欺瞞的意匠を施していても、一皮剥けばそこには性的欲望の蠢きがその生々しい貌を出す。現代社会を駆動させているものは、およそすべて「性」に根源をもっているのであるかのように。 "それにしても、べらぼうな音の氾濫だった。追従、怒り、不満、嘲笑、ほのめかし、ねたみ、ののしり・・・・・・そしてそれらのすべてにちょっぴりずつ滲み込んでいる猥褻さ。" 人間は、その剥き出しの性的欲望、セックスの無間地獄に落ち込んでいくしかないのか。ところでいま「地獄」と表現したが、そもそもそれは本当に「地獄」だろうか。「セックスは現代人に残された最後のオアシスだ」とは20世紀アメリカの作家ヘンリー・ミラーの言である。性の「地獄」に溺れていられるうちは、まだ幸福なのではないか。堕ちていく「地獄」が未だ仮構されている限りに於いて。性愛の幻想に目眩まされている振りをしていられる限りに於いて。その時には、未だ帰る場所が在る(ことになっている)のだ。 人間とは、常にそこから(そこがどこであれ、そこから)引き剥がされる以外にない存在ではないか。とするならば、性そのものにさえ倦怠を覚えてしまえる存在ではないか。記号化・パターン化された性的意匠の順列・組合せは、所詮は有限なのだ。いつか、性による精神の暗い躍動すら存在しなくなり、ただただ形式を反復するだけの、自己完結的な自動人形のようになる日が来ないと云い切れるか。機械的な運動とそれに対する生理的反応以上ではなくなってしまう日が来ないと云い切れるか。今日の快楽が昨日の刺激の残夢となる日が来ないと云い切れるか。ヘンリー・ミラーに従うならば、性への倦怠こそ、日常性という受難の始まりではないか。そして倦怠は終わらない。 地獄も、追われれば、ユートピアだ。
0投稿日: 2013.09.23
powered by ブクログこの作品は『箱男』の次に書かれた作品らしく、解説でも述べられている通り、 『箱男』が覗き屋の小説ならば、この『密会』は盗聴者の小説。 『箱男』のように、男がノートを書きながら物語が進む。 突然救急車で連れ出され、病院内で失踪した妻を、主人公の男は録音テープを手がかりに探す。 その過程で、男は自らも、病院という異常者たちの空間にすっかり迷い込んでいく。 “もしかすると妻はとうに家に戻って、男を待ち受けているのかもしれない。”p100 『燃えつきた地図』を思い出させる、失踪者と追跡者がいつの間にか入れ替わってしまう構図。 それはまさに “自分との鬼ごっこ”p76 である。 テーマは現代社会における性的表現の氾濫らしく(あとがきより)、病んでいる現代社会=病院に置き換え、奇怪な医者や患者たちが登場する。 馬人間とか、身体が綿になる病気とか、発想爆発。 言葉だけで現実から完全に隔離された空想世界を作り上げてしまう安部公房。 その文章力は健在で、特に目に留まったのが、比喩。 異常な状況をそのまま書くのではなく、その場と全く関係ないような例えで包んで表現している。 でもそれが余計に狂気やグロテスクさを際立たせてしまうのが、安部公房的ブラック・ユーモアだったり。 “まるで廃品回収のトラックから逃げだしてきた虫食い人形一座の気違いパーティじゃないか。”p128 “黴がはえた中華料理の材料のような×××が、金属タワシのような毛と一緒にだらりと垂れ下がっている。”p176 奇抜な発想のみならず、こういう想像を掻き立てる表現力が、安部公房を無性に読みたくさせるのだと思う。
0投稿日: 2013.08.12
powered by ブクログ安部公房の中では読みにくいタイプ。「箱男」タイプの一人称視点とレポートが混在する。謎の誘拐(?)事件から、病院への潜入、病院内での乱歩「パノラマ」的な性的な倒錯、偏執とまあ、ストーリー自体は追えるが、細かい描写に表現に頭がなかなか付いて行かない。とにかく、始終夜である。夜の倦怠と恐怖と魅力というものが、これ以上ないくらいに詰め込まれている作品。夢と性という視点から考えると、ユングかフロイトが下敷きになっているのかな。
0投稿日: 2013.06.29
powered by ブクログ安部公房三冊目。 狂ってる… 日常から非日常に迷いこんでいく様が 本の舞台である大きな病院の敷地、地下に巡った地下道を 進んで行く主人公の姿で表されてる。 狂っている!といくら叫んでももがいても、 自分の中にしか常識が存在しなければ、 そこでは自分が狂っている側なのかもしれない。 取り込まれまいとあらがっても 狂ってる中で進んでも 正常に一人でいることは不可能。 もっと早く取り込まれれば 楽だったのにね。 いや、しかし、やっぱり安部公房はすごい。 脱帽っす。 でもしばらくは読まない事とします。 世界観が強すぎて もってかれるわw
0投稿日: 2013.04.19
powered by ブクログどこまで地獄に続くだろうと期待しながら読み進め、やっと最後の2ページで地獄らしく切なくなった。 安部公房の小説の構造は、何度も読み込まなければ味が染みてこないような気がする。
0投稿日: 2013.02.08
powered by ブクログ小説内で登場する架空の病院内および市街地がとても精密に描写されていることに驚いた。作者は当初地図を描いて載せようとしたほど(全集26・構造主義的な思考形式)作品内の空間設定が練られていることがわかる。 作品の冒頭は主人公の妻が連れ去られてから4日目の早朝、報告書というかたちで読者に提示される。それから最終章である「付記」の始まりまで主人公は病院に到着してからの経緯を薄暗い隠れ家(旧病院跡地)で報告書を書き続ける。主人公が過去の説明し終わる頃、やっと「付記」にて現在の時間が流れ出すが、最後の数ページで明日に追い越されてしまう。 このような時空の中に不気味で悲しい登場人物たちが無駄なく配置されている。相関図を書いてみるとわかるが本当によくできた関係だ。誰一人として矢印が向き合ったものがいない。人間関係の空しさが感じられる。 この作品に関しては本当によくできているとしか言いようがない。作品内世界の作りこみがハンパではないし、探偵小説の犯人捜しの要素もあるので読んでいて引き込まれる。最後のシーンの悲劇性も抜群にいい。
0投稿日: 2012.07.12
powered by ブクログ久しぶりに読みたくなったので、 アマゾンに注文しました。 (2012年6月12日) 便利なものです。もう届いていました。 (2012年6月13日) 読み始めました。 高校二年生以来です。 ということは、35年ぶり、だ。うわ。 (2012年7月9日) いや、すばらしい。 (2012年7月18日)
0投稿日: 2012.06.13
powered by ブクログある日突然やってきた救急車に、妻を連れ去られた男。 妻を追って辿り着いた病院では彼の行動の全てが盗聴され、 何故かそのテープを文字に起こす作業を強いられていく。 2つの下半身を持つ<馬人間>の副病院長、 <試験管ベビー>で不感症の女秘書、 骨がゼリーのように流れ出していく<溶骨症>の少女、 毛穴から綿が吹き出し止まらない<綿吹き病>の少女の母親、 妻によく似た被姦妄想の<仮面女> "病院"という場所が この異常な"病人"達の存在を許し、正当化し、麻痺させていく。 普通であるはずの男の方が"異常"に見えてくる。 【夢】の要素が強い安部公房の作品の中では、 割と現実味の強い話だと思いました。 エロティックとゆうよりは、猥雑さ、淫猥さの方が際立っている印象。 でも彼特有の言葉の選びが、 性を性だけで終わらせてはいなくて、美しい。 後味は決してよくないけれど、やっぱり、美しい。
0投稿日: 2012.05.09
powered by ブクログ再読必須。 バラバラの時間軸がきれいにまとまって行きながら、悪質なポルノに歪んでいく構成がすごい。 病んだ社会に囲まれた、絶望的な孤独。与えられた役割を演じきれない人間は黙殺される。現代社会そのものの姿じゃないか。
0投稿日: 2012.03.29
powered by ブクログ『溶けてしまった骨のまわりに、幾層にも肉や皮がたるみ、どこが股間の襞なのか、もう正確には分からない。 娘の襞はますます深くなり、人間の形から遠ざかって行くようだった。』 天才。
0投稿日: 2011.10.30
powered by ブクログ元来、病院の中とは迷路のようなものだろうか。主人公の奇妙な旅。キャラクターたちでいうと、安部作品でも特に鮮烈である。現代という時代の病気を照らし出した、男女関係による比喩的密会。骨の溶けてゆく少女のひたむきさが悲しい。
0投稿日: 2011.05.19
powered by ブクログ安部公房の作品では一番性的表現用いていてダークな作品ではないでしょうか。 とりあえず登場人物みんな病んでいます。それによって起こる性的倒錯により、作風をいつもと違うようなテイストに仕上げていますが、本質的な物に関してはやはり安部作品ではないでしょうか。 とりあえず救われません。
0投稿日: 2011.03.07
powered by ブクログ夜中に突然奥さんが救急車に連れ去られるとか 無差別的な盗聴とか設定は好きだけど こっち側の安部公房は苦手
0投稿日: 2011.01.28
powered by ブクログある朝突然、「男」の妻が救急車で病院へ連れ去られた。男が妻を探しにいくと、妻はその奇妙な病院で姿を消していた。その病院には、いたるところに盗聴器がしかけられ、別の男の下半身だけを腰に移植した「馬」人間の副院長、試験管だけで生まれた女秘書、全身が綿になってしまった母親、骨が溶けて体が小さくなっていく病気の淫乱の少女などがいた。 やっぱり難しい。理解が出来ない。男が妻を探していく過程とかのストーリー自体はおもしろいんだけど、本にどういう意味があるのかがわからない。ある意味ファンタジー小説?
0投稿日: 2010.08.15
powered by ブクログ「2本のペニスを持つ馬人間」「オルガズムコンクール」といった発想が面白いし、登場人物の多くが性欲の奴隷みたいな感じで狂ってます。 舞台となる病院が非常に複雑な構造をしていて、頭の中でイメージするのは困難です。主人公と同様に、読者も病院の迷宮にはまり込んでしまうかも。 キャッチーさとか、読了後のスッキリ感なんて全くありませんが、そこが阿部公房の魅力だと思います。
0投稿日: 2010.07.31
powered by ブクログ唐突に始まる不条理な展開に惹きつけられ、最後まで飽きることなく読んだ。随所に散りばめられている混沌と性。ラストは頬を濡れた手で叩かれたような読後感。他作品も読みたい。
0投稿日: 2010.07.23
powered by ブクログ舞台は病院。主人公の妻が早朝に救急車に拉致され、エリート営業マンである主人公が妻の行方を捜して病院にたどり着く。そこで副院長に命じられるがまま、病院の警備長として病院のどこかにいる妻を捜して病院中を盗聴するうちに体の骨が解けていく色情狂の少女と出会う。 性が全面的に押し出されていて、苦手な人は苦手だと思う。異常なほど性に固執する登場人物の中で、唯一主人公だけがそういった性とは少し切り離されている。最後には妻ままでも色情狂と化しているのだけど、全てを失った主人公が、骨が解け、肉塊になってもなお色情狂であり続ける少女と二人きりで閉じ込められたにも関わらず、彼女を抱きしめてどこか満足そうなのは何故だろう。 性に関する問題は私の生涯のテーマだと思うのだけど、それは安部公房にとっても同様だったのかもしれないと思った。しかし何故人間は性に異常なほど固執するのか
1投稿日: 2010.04.17
powered by ブクログ1ページ目からがつんとくる、久しぶりの安部さん節に思わず 懐かしくなりました。 夕方くらいに読みたい。
0投稿日: 2009.12.25
powered by ブクログえろい。ラストが衝撃的だった。仮面女の心情を思うと夜も眠れない。読んでいて気持ち悪いとおもったのは、これと『なるたる』くらいなもんだ。
0投稿日: 2009.12.18
powered by ブクログ呼んでもいない救急車で運ばれ失踪した奥さんを探すとこから始まるんだけど、スタートから突拍子もなくておもしろすぎる。出てくる人たちの設定がおもしろいし、素敵。時代設定は古いんだけど、今の世の中を誇張してもあり得そうなとこもあり、古さを感じずに読めた。読了感もなんとも言えない切ない気持ちに・・・
0投稿日: 2009.08.29
powered by ブクログある夏の夜、突然自宅に現れた救急車が 妻を≪搬送≫の名目で連れ去ってしまう。 妻を探し出すため、病院に出向いた彼が見たものとは・・・ 足が4本ある医者や溶骨症の少女など 奇妙な登場人物がたくさん出てきます。 何処までも現実味があるような、ないような 不思議感覚で読んでいました。 全体的に文がエロイです。
0投稿日: 2009.08.21
powered by ブクログある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して病院に辿りつくが、彼の行動は逐一盗聴マイクによって監視されている・・・・・。 二本のペニスを持つ馬人間、女秘書、溶骨症の少女、<仮面女>など奇怪な人物とのかかわりに困惑する男の姿を通じて、巨大な病院の迷路に息づく絶望的な愛と快楽の光景を描き、野心的構成で出口のない現代人の地獄を浮き彫りにする。(裏表紙より引用) 私がこれまで読んできた安部公房作品の中で一番ショッキング。 と思ったけど、読み返してみたらそうでもないかも。 呼んでいる最中、「手記」とか「盗聴」とか、箱男と似た感じだな・・・と思っていたら解説に箱男の次に書かれた作品、のようなことが書いてありました。 冷静に見れば「ありえねえwwwww」設定なんですが、読んでる最中はなんだかリアルにありそうで怖い。病院怖いw 安部公房は閉鎖された空間での秘められた出来事を描くのが本当にうまい! 最後のほう、主役の男は、自分の妻への気持ちが薄れているような感を受けたけれど、私的には十分ショッキングで、悲しかったです。 時間が行ったり来たりして、頭の中で組み立てるのも結構大変でした。 途中からワケ分からなくなってしまいました。 それが狙いなんでしょうが。 結局、誰が救急車を呼んだんだろう?という疑問が残りました。 どこかに書いてあったかな・・・・???
0投稿日: 2009.07.02
powered by ブクログ乾いた性が飛び交ってる。 狂気とか、病的に見えるものは、きっとこういうプロセスを辿るのだろうと思った。
0投稿日: 2009.01.16
powered by ブクログ突然自宅に現れた救急車が、搬送という名目で妻を連れ去ってしまう。男は妻の捜索に乗り出すが・・・ ”友達”的な不条理から開始される本作品。 しかしながら、やはり多くのテーマが埋設されており、一読を推す。 因みに全編エロティシズム。 「足フェティ安部」だなんて呼ばれ始めて久しい著者ではあるが、その原因がコレである。
0投稿日: 2008.12.16
powered by ブクログ病院内で起こる捜索と追跡と逃亡です。 ただ妻を探していたはずなのに、いつの間にか少女を連れて逃亡する主人公。 医者の変態的な性癖、自分の知らない妻の姿、抜け道が張り巡らされている病院。 無限とも思える病院内で逃亡する果てに見えるものとは…? “病院”という一風変わった場所が舞台の本作。 っつっても、公房作品の中にはしばしば“病院”や“看護婦”が出てくるので、それほど珍しくないのかも。 性的な話が展開することが多い本作ですが、「性=生」って感じもします。 まぁこの話の一番いいとこはなんといってもラストでしょう!! 公房作品にはちょっと珍しい!?感傷的な絶望的なラスト。 よすぎ。切なすぎ。
0投稿日: 2008.05.05
powered by ブクログ読者に媚びていない作品だと読み始めてすぐに感じる。 ある日突然救急車によって拉致された妻を奪還しようとする男と病院というある種の欲望が渦巻いている組織との関わり合いの話だ。「箱男」に通じるところがあるように感じられた。「医者」と「患者」という区分けがありながらもその区分けを自由に横断している点が「箱男」における手記に通じるのかもしれない(どちらの作品も手記という手法が使われている点でも類似性がある)。文章は「砂の女」のような官能的な感じを受けた。初めて読み方にはお薦めできないが、「箱男」を読んだ後なら楽しめるかと思われる。
0投稿日: 2008.05.03
powered by ブクログ公房さんが描く世界はいつもワタシを虜にする。 現実とは違う世界の中でワタシは何故か、現実を見ている気持ちになる。 それだからだろうか。 エロティックな描写は実に生々しく感じる。 盗聴をして自らの"病気"を治療する医者とその取り巻き。 不感症の女秘書。 溶骨症の可憐な少女。 自らの行動をノートに書き記す"ぼく"。 誰も彼もが皆狂っている。 なのにワタシは気持ち悪さを感じない。
0投稿日: 2008.02.13
powered by ブクログひたすらエロチックでありながらとても淡々としていて、みるみるうちに世界へ引き込まれる。生と性は繋がっており、同時に病とも繋がっている。下半身が馬の男。不感症の女秘書。骨が溶けていく少女・・・そして、病の巣窟となり全体が病院そのものとなった街で、救急車で連れ去られた妻を捜す主人公の男。自分は正常であると疑わない男。誰にだって性の病は取り付いているというのに認めない男。そしてとうとう病の巣窟で最後には孤立し、誰にも咎められない逃げる事も許されない密会を手に入れる男。もっと早くに自分の奇妙さに気付かなければ・・・
0投稿日: 2008.02.09
powered by ブクログ異常な世界。デビッド・リンチより怖い。ものすごい面白いが、よく考えると痛烈な現代社会批判になっております。
0投稿日: 2007.05.25
powered by ブクログとんでもない人がいっぱい出てくる。カオス。 ドグラマグラ?ねじ式?ホーリーマウンテン? そういうのが好きな人は読むといいよ。
0投稿日: 2007.03.01
powered by ブクログ突如救急車で連れ去られた妻を捜すため、運び込まれた病院に潜入。不条理で果てしない迷宮にとじこめられたラストは色欲地獄。 安部公房の作品の中でもっともエロチックな長編。猥褻で変態的そして難解。安部公房の中で一番好きな作品。「密会」は聴覚で「箱男」は視覚。
0投稿日: 2007.01.09
powered by ブクログ初・安部公房体験でした。 初体験がこの作品という辺りに敗北感がひしひしと。構造としての作品も嫌いではないですが、人間がそこにいる感覚が希薄で読むのがちと辛かったです。台詞だけを抜き出すと結構詩的に見えたりするのですが、個々の色々な要素の繋がりを切り捨て過ぎて、籠められた折角の詩が死んでいるように感じました。
0投稿日: 2006.08.03
