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砂の女(新潮文庫)
砂の女(新潮文庫)
安部公房/新潮社
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総合評価

1137件)
4.0
330
373
280
38
8
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    砂の中での生活と、社会生活での生活となんの違いがあるのだろうか?むしろ何もない砂の中の生活の方が、何も無いからこそ1つ1つの事柄がくっきりと見え、純粋に捉えることができ、生き生きと1日1日が過ごせているのではないか。主人公が桶の底に水を発見した時の喜びようが、まさにそれではないか。現代はスマホや街に情報や欲望が渦巻いているように、常にさらされている。そんな俗世間より、砂の中での生活の方が一人の人間として充実や満足感があると思う。

    0
    投稿日: 2026.03.01
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    カンガルー・ノートの次に読みたいと思って買った本。▼人が「死にそう」な状況を克明に描写することによって、これほどまでに「生」をリアルに活字から摂取することになるとは思わなかった。安部公房は、荒唐無稽なフィクションを極めてさもありげに明晰に記述するから、こちらも信頼して没入してしまう。▼一方で不条理を条理として何ら疑わない村人の純粋さを俯瞰することが面白い。彼らの仕事。この意味を伴わない只の営為を通して、意味以外の表情や着眼点が立ちあらわれる。▼この描写の妙にふれ、読書“体験”そのものの価値を強く感じた。次はカミュの「シーシュポスの神話」を手に取ってみる。

    0
    投稿日: 2026.02.28
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    中々ストレスの溜まる内容だけれど、これは傑作。昆虫採集に出掛けた男はある村に行き付く。考える事を止め言われるがままの暮らし、同じ作業を毎日毎日、まるで虫のよう...

    0
    投稿日: 2026.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    セックスの描写が妙にエロく感じる。 「希望」にて,水が溜まるのをこだわり出すところもなんかいい。 2026年2冊目

    0
    投稿日: 2026.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あんなに抵抗していたのに最終的には砂の中に戻る選択をしていて心も体も埋もれていておそろしい。 「孤独とは、幻を求めて満たされない乾きのことでなのである」

    0
    投稿日: 2026.02.23
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    読んでてカラカラに喉が乾いてしまった 極限状態がだらだらと続くと、安易に狂えないのが苦しい。「男」はだいぶタフだと思う。 一番気に入ったのは、個人と「集団」との間で揺れ動く女の描写だった。とても良かった。

    0
    投稿日: 2026.02.23
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    砂に沈む部落というなんともミステリアスな設定が自分好みだった。 砂の穴の中での暮らしを描くというシンプルなテーマであったが退屈を感じることはなかった。 男と女のやり取りや脱出を試みる男の様子などはもちろん砂との暮らしに対する比喩表現が豊富であったことも大きな理由であると思う。 もちろん砂の中で暮らしたことはないが口内の描写や身体中に砂が纏まりつく様子は恐ろしい程に感じることができた。 脱出が失敗に終わったあとはどのように物語を締めくくるか予測ができなかったが男が穴から出られる状況となってもあれだけ苦しんだ砂の中でもう少し暮らすという選択をしたのがよかった。 穴の中でラジオや男とのやり取りを楽しむ女を通してどれだけ劣悪な環境でもそこに生きがいや娯楽を見いだせるかは自分次第だということを学んだ。

    0
    投稿日: 2026.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    砂にさらされることで人生観が浮き彫りになるの、なんか嫌だなあ! 嫌だなあ、という気持ちがずっとあった。人生の本質の一つがあまりにも容赦なく書かれてると感じたからかもしれない。そこに悪意はないけど、だからこそ。 これってタタール人の砂漠を読んだ時と同じ感情かも。奇しくも砂漠モチーフというのも共通(タタール人の方は山岳地帯のイメージの方が強いけど)。 "タタール人の砂漠"には、停滞を破るきっかけとなる役割・それを支えに停滞に甘んじさせる楔の役割、どちらもあったと思うので、そこらへんも似ている。 もし男が一人で放り出されてたとしたらどうなったのか(女がいないとしたら)。 その場合もなんだかんだで停滞を選ぶ気がして嫌だ。

    0
    投稿日: 2026.02.21
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    仕事を辞めるか続けるか迷っている今の自分にピタリとハマった。 毎日の繰り返しの仕事から逃げたい。でも逃げたらそこは自由なのか? 今のままで諦めてもいい。今があるから自由という妄想に執着しているのか?もしくは今の安定に執着しているのか。迷いながら読んだ。

    0
    投稿日: 2026.02.18
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    人生について考えさせられる。時代は全く違えどわたしだけではなく皆、砂に囲まれて生活している。 日常の意味のあるか分からない仕事を淡々とこなし、時にはそこから新たな興味深い発見をし、一方でそんな退屈なルーティーンからの脱出を試みて、失敗して順応していく。まさに人生そのものな気がした。

    1
    投稿日: 2026.02.07
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    独特な言い回しとの相性が良くなくて、読むのにかなり時間がかかってしまった(◜ ̯◝ ) 人間の適応能力ってすごいんだな、というか適応するしかなくて、ある種狂った精神状態になることで潜在的に自衛してたのか、わたしなら普通にブチギレ続けてると思うけど

    1
    投稿日: 2026.02.06
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    口の中がじゃりじゃり 心もじゃりじゃり。 話が進んでいかなくて少し難しかった。 結局、愛なのか。人間は。

    1
    投稿日: 2026.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

     読みやすい文体なのに、サラッと読めないストーリーのため読み終えるのに長時間かかった。そのため読後直後は☆4。しかし、考えを深めるにつれて☆5。  最後のシーンが深く心に残り続ける。執着心は愛情に擬態する。男が物語のラストで選んだものは、救いがないと同時に救いのあるものだった。この二重構造、すざましい作品だ。

    0
    投稿日: 2026.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    失踪から7年たって死亡の認定を受けたと小説の最初に書かれた時点で男が逃げられないことは確定していたが、正確には逃げられなかったのではなく最終的に逃げようとすらしなかったという終わり方にするのが良かった。 これこそ安部公房というような難解な比喩が定期的に書かれていて、そこを読むのに体力を使った 穴に閉じ込められて初めて普通の生活に固執する意味を考えるようになるという展開が自然で良い。自由は必ずしも全ての人間に望ましいものではない。 政府は砂の被害に対する対策を支援しないという無責任の結果、塩の入った砂を流通させるという部落民の無責任が生まれてしまった。

    0
    投稿日: 2026.01.27
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    久しぶりの読書がこれだったので、難易度高めだった。時間の進み方が一定じゃないのがすごい気になって、これが意図的なものか普通に本ってそーゆーものなのか分からず考えすぎちゃった。多分この本で本来、吸収できるであろうことの10%くらいしか吸収できてない気がするけど、物語を通して、砂の女とか身近なものはミクロ的な描写で、風景とか遠いものはマクロ的な描写で表現してて、主人公目線の主観的なものの見方をそのまま文字起こしした感じ。そーやって考えると時間の進み方も主観的なのかも!ミクマクな描写の対象が物語が進むにつれ、変化してって、主人公の感じ方の変化を表してた気もしなくもない。最終的にみんなマクロでみたら一緒やん!って気づきに至って話が終了。この気づきにはそんなに驚かなかった。というか、そうでしょうねって感じだった。BGM的な意識と似ているのかしら。 感想を読んで、生々しさとか怖さはあんまり感じなかった。割とファンタジーとして捉えてたから自分に置き換えるとか感情移入するとかはなかったからだと思うけど、、。そーゆー感想持つのか!といい気づきでした♪

    0
    投稿日: 2026.01.26
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    中盤まで同じような内容が繰り返されるところで躓いてしまい、なかなか読み進められなかったのですがやっと読み終えました。 結果ほんとにおもしろかったです。早く読めばよかったです。 不自由の中の自由、というか豊かさに気づいていくさまが とてもよかったです。

    0
    投稿日: 2026.01.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    安部公房らしい奇想天外な設定だが、「砂」に対するの論理的な着眼点が世界観に説得力を持たせる。不条理に囚われた主人公の男に共鳴するかのように、ずっと口の中に砂が入ってるかのような居心地悪さを抱えながら、夢中になって読んだ。ずっとどう終わらせるのだろうと考えながら読んでいたが、あそこまで完璧なラストはなかなかない。「罰がなければ逃げる楽しみもない」。自由という甘美な響きはまるで砂地獄のように彼を捕らえの身にするが、彼は最後に現実の砂地獄で生きることを決め、その砂地獄から抜け出すのだ。いや、もっと深い穴にハマってしまったのかもしれない。男と女が暮らす砂地獄が突如として私たちの日常と重なり合ってくる。

    1
    投稿日: 2026.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ニワハンミョウに騙されて命を落とすネズミやトカゲのように、砂に魅せられて騙されて、穴の中での女との生活を余儀なくされる男の物語。 何度かの逃亡が失敗に終わり、最後は逃げられる状況であっても逃げる事はせず、その後7年の間、元の生活に戻る事はなかった男。 極限の生活の中でも生活の充足や生き甲斐を見つけてしまう人間は、哀しい生き物だろうか、それとも幸福な生き物だろうか。 7年の男の生活、生死は不明だが、ある程度充足した生活を送ったのではないかと思う。誰かに強く必要とされる事、新しい家族ができる事、生き甲斐となる仕事(水の採集)が出来たこと。毎日の砂との戦いが日常になれば、他に煩わしい事はない生活。 仮に女や子供が男より先に死んで、穴の中で孤独になった時にせめて後悔のない人生を送ってほしいと思った。

    1
    投稿日: 2026.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現状との馴れ合いを作品的背景として扱い、砂の底での生活を通して人生における選択の必要性を読者にぶん投げる作品。 描写として虚実皮膜の真髄と言って良いほど精緻な直喩。 語り手、文体の無常な立ち居振る舞いにはあらためて、文学の全ては自由であることを再確認した。 この虚構性と現実性の混同に働きかける仕掛けが世界的に評価されるのも納得。

    0
    投稿日: 2026.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    理由らしい理由もなく行方不明になった男がいて、7年後に失踪者として死んだものとみなされた……と、そういう話なのだけれど、その間に男の身に何が起きていたのかを読んでいく作品だった。 孤独の本当の意味に気づいたシーンが印象に残っている。ほとんど正気を失いかけながら、衝動的に命を絶つことのないように日々を過ごしている姿が居た堪れない。逃げ出すことを諦めて監禁場所でおとなしく暮らすか、諦めないで外に出ることを目指すか。これはもう人生なんだと思った。 なぜこんなにも面白い作品なんだろうと不思議になる。人間というものは罰があるから逃げるし、歩かないで済む状況になればむしろ安心し、馴染んでいくものなのかもしれない。 世の中すべて自分の希望通りに生きている人は少なく、砂の生活を、そっくりそのまま読者の生活に置き換えることもできるだろうと思う。まるで現実の社会や人間の構造そのものの話を読んでいるかのようで、目が離せない緊迫感があった。

    0
    投稿日: 2026.01.23
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    この物語、大抵は砂。一文字一文字を大真面目に読んでいると、砂に埋もれてしまう。砂の中から一粒の砂金を見つけるように、お気に入りの一節を探す作業が楽しかった。

    1
    投稿日: 2026.01.20
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    昔に読んだときは、文章力の凄みやホラー小説としての印象が強く残った。 改めて読み返すと、本作の怖さは人間がどんな環境にも順応してしまう過程そのものにあることに気づかされる。自由とは何か、異常と呼べる世界の中で人はどのように意味を見出すのか、受け取る印象が変わった。

    0
    投稿日: 2026.01.20
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    砂しか出てこないのに、こんな多彩な比喩表現ができるものなんだなと思った。読んでいて、こちらまで喉がカラカラになって口の中にざらざらとした不快感が出てくる。 人間の醜さ、汚さも浮き彫りになると同時に、他の生物にはない適応性、不条理な環境を受け入れ成長する人間の強さも感じた。 この砂の穴は誰もが何かに囚われて生きる現代社会にも通じる普遍性を感じた。逃げないのは、順応していることと、ささやかな充足を感じていること、日々になぐさみ物があること、それぞれが行先も戻る場所も余白になった往復切符の存在があるからなのかな。

    3
    投稿日: 2026.01.16
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    読み終わってしばらく経ったあと、世界には今でも砂で皿を洗う文化がある国が存在しているという情報を偶然耳にし、「砂の女の世界だ…」となった。 フィクションじゃないのね。

    1
    投稿日: 2026.01.07
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    どう考えたってこんな状況には成り得ないでしょって感じるくらい異常な世界観なのに、その中で現代人の多くが直面する切実な問題や社会の構造がありありと浮き彫りにされている点がすごすぎる 自由ってなんなんだろうね 読み終わってもしばらく口の中が砂でじゃりじゃりした

    1
    投稿日: 2026.01.02
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    読み進めるのが辛い、まだまだ自分が未熟だからかなかなか理解がおいつかない。一回読むのやめよう、、、。

    0
    投稿日: 2026.01.01
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    読み終わりました。 安部公房は壁、第四間氷期に続いて3冊目。 砂の流動性に惹かれ、教師生活の停滞を抜け出してきたのに、その砂のなかにとらわれてしまう。 定職に就きながら新種を見つけて歴史に名を刻むのも、砂かきをしながら給水装置を発明して村人に誇示するのも、性質としては似たようなもんなんだろうけど、その手の「手慰み」を求めるのが男だけというのはホントかねぇ……と思った。 村人との会話の噛み合わない感じは、インテリで都会人の安部公房から見た地方の人々像なのか、それとも超現実っぽい雰囲気を出すための演出なのか どうなんだろう……

    0
    投稿日: 2025.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    砂穴の暮らし: 劣悪だし不衛生だし単調な仕事を強制させられる 砂穴の上の暮らし: 灰色の生活 自由どこーーー!

    0
    投稿日: 2025.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025年の文学1冊目。高校時代から気になってた。比喩や描写の独創性や的確さには驚くものがある。たまに何いってるか分かりづらいが。この文学を通して何を伝えようとしてるのか、自分には漠然としか掴めなくて難しい。 ただ、男の最後(結局穴に居座る)は、割と早いうちから私は展開が読めていた。それが一番美しい終わり方なのは間違いない、というかそれ以外無いだろう。その、砂みたいなむず痒さが、この作品の本質か。

    0
    投稿日: 2025.12.21
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    独特な比喩表現で、途中止まって考えてしまう描写がたくさん出てきます。 ストーリーは女性蔑視があるものの、人を監禁する術をもち、徐々に洗脳されていく様や、「砂」という自然物質を絶え間なく身近に感じさせるものです。 砂のように引き込まれて完読しました。

    0
    投稿日: 2025.12.21
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    理屈っぽい男、仁木順平 半永久を望む男、仁木順平 砂に監禁される男、仁木順平、、、 ありとあらゆる手で砂から脱出しようとするも、ことごとく失敗する その度に裏切られる女は、生まれてから砂の生活だから、自分の痛みにすら気づかないのが不憫、、 監禁するのは絶対異常なのに、仁木順平の異常さも負けずに際立ってて面白かった

    1
    投稿日: 2025.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一言で言い表すなら、”奇妙”それに尽きるだろう。その奇妙さは、不気味帯びており、もちろんフィクションだし実際にあってはたまったものではないが、並べられた理論が、あり得る話のように思わせる。 私は、男の砂の穴からの脱出を応援する気持ちで読んでいて、これならいける、と何度も思わされたが、結局は裏切られる。 最後以外は、私と男の気持ちはリンクしていたと思う。脱出の途中で何気なく虫が現れるのだが、もちろん男はそんなものはもはやどうでもよく、冒頭の熱のこもったうんちくから感じられたあの執着はなんだったのかというほどだった。もとはといえばそれがすべての元凶なのに。かくいう私も、そこではじめて男が昆虫採集、新種を探しにここにやって来たということを思い出した。その時点で、私もまんまと穴にはまっていたような気がした。 あれほど脱出を試みていた男だが、最後の最後でそれが可能のようにも思えたが、結局は自分の意思で、妙な理由付けで、それを断念するような節を見せて、物語は終わる。思うに、その理由はなんでもよかったのではないか。逆に穴の中に残る理由も説明できるか分からないが、結局男はそこで一生を終える道を、その後も選び続けるだろう。女が脱出を拒む理由を理解できずいらだっていたのに、だ。それは精神的にもその穴に落ちて抜け出せなくなってしまったということだろう。もしかしたらあの女も、単なる旦那子供への執着や愛郷精神などではなく、そういうことだったのだろうか。たしかに、あのような生活ではくるってしまうのも無理はない。

    1
    投稿日: 2025.12.18
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    感情と比喩の連続 比喩は軽快ではないけど秀逸でメモしたくなるようなものばかり 自分が見ているいまの正常・日常が、無意識に焦点をあてている対象から離れ、視野を広げてみれば、 その「正常」の外にいる人にとっての異常である可能性 身近な例であれば社畜や宗教的な洗脳なのかなと思った 男が「異常」に染まっていく過程が、中盤からジリジリとその気配が貯まっていき、後半の勢いが印象的だった。

    0
    投稿日: 2025.12.17
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    貪欲なイソギンチャクにひっかかってしまったオッサン、結局それでいいんや… 女の周りに立ち込める、すじ肉を煮るような匂い 読んでいると、身体中が渇き、ザリザリザリザリするようで、息苦しくなってくるようで、面白かった〜

    0
    投稿日: 2025.12.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シンプルなストーリーで読みやすくおもしろかった。 砂の中の部落、そこで砂掻きをして日銭を稼ぐ村人。毎日のルーティンに慣れて、自由に歩き回ることや綺麗な景色を見て感動することを求めない。 これは現代社会のシステムを暗示していると思った。 そこに外から入り込んだ主人公。 あらゆる脱出方法を試みるが、失敗に終わる。 長年その生活を繰り返していくうちに、主人公もその生活に慣れていく。 最後には、縄梯子が垂れ下がったままになっても、もう脱出を図ることはしなくなっていった。 たまには旅行して綺麗な景色を見ること、いろんな物語に触れること、いろんな人と話をすること。こういうことを意識してやっていかないと、砂の中の住人のように狭く暗い世界で単調に生きることになってしまうと感じた。

    1
    投稿日: 2025.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    チャットGPTに私の好きなタイプの本を伝えておおすめしてもらったこの本。笑 全然知らなかったが、作者の安部工房は、ノーベル文学賞に1番近かった日本人らしい。 相当有名な作家だったんだろう。 ただ珍しい虫探しをしにきただけなのに、砂の街の砂の穴に突如囚われ、そこで見知らぬ女と生活させられる男。 その姿は現代にも通じる。息苦しく生活しにくい社会やシステムを変えたいと思って行動したとしても、それを跳ね除けようと何度も何度も頑張っても、結局は無駄。最後には、もうすっかり諦めて、そちら側の人間に落ちてしまう。そして、骨抜きにされたかのようにただ生きていくだけ。 そんな、悲しいけど、なんだか共感できることもある少し怖い物語。 卑猥な表現もあったのがちょっと不快だったが、全体として日本文学らしくて、とても良かった。やるせなさというか、おぞましさというか。でも、そういうふうだよね、現実は。という感じの本。

    1
    投稿日: 2025.12.07
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    高校生のときに初めて読んで、何度も何度も読んでいるけど、毎回読み終わったあとに考えにふけってしまう。 ただ、前回読んだときはこう考えたけど、ちょっと変わったな〜っていう自分の変化も感じられて楽しい。 社会の中で生きるってどういうことなんだろう。何のために働くんだろう。今わたしは穴の中なんじゃないかな… これからも定期的に読み返したい一冊です。

    1
    投稿日: 2025.12.03
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    安部公房の海外に翻訳されまくった名作。 脱出不可の砂地獄で奔放する男とそこに住む女の物語。 絶望的な世界でもがく男、そんな世界でどこか達観した女。 閉鎖空間での心理描写、砂に対する情景描写がすさまじく、読んでるこっちがザラザラして息苦しくなるほど。 気になりすぎて速読した結末は、渇いた現代人の価値観に確かな潤いをもたらしてくれるのではないでしょうか。 どこか海外SFっぽさもありながら心に残してくるのはしっかり日本文学っぽさ。 翻訳されてしかるべき名作を皆さんも是非...

    2
    投稿日: 2025.11.29
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    ヘミングウェイの『老人と海』あるやん? アレを全部砂で埋め立てました。みたいな小説です。 もう少し丁寧に書きます。 話の筋としては大衆文学のレールに乗るぐらい面白いです。解説でも言われているとおり、ミステリと呼べるぐらい明確なゴール、謎があります。 一方で比喩表現や情景描写が複雑で想像しずらかったりします。音に関する表現はよく分からない。 けど砂の流動や味、感触は一級で、これでもかってぐらい含まれてます。子供の時に公園で転んで砂まみれになった日を思い出せます 男が錯乱した時の文字の羅列ももはや笑てまう。思考がめっちゃ巡る感じがとても分かる。 あとどんだけ穴に戻されても折れないのがね。メンタルが強いのか、弱いのかよく分からんね。 特殊だ。難しいと聞いて身構えましたが、寓意やら哲学やらを語る部分以外はスラスラ読めました。 ストーリーが辛すぎるけどね。次はゆるふわ系なの読みたいな......

    2
    投稿日: 2025.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初・安部公房。面白かった~(笑)虫を捕りに来た男が砂の街に囚われ・・・不条理な世界に閉じ込められ必死に脱出しようとする気持ちと徐々に変わっていく気持ちが面白かった(笑)そして女が妙にエロチックな感じだった(笑)安部公房読みやすいし面白い他の作品も読んでみよう(笑)

    1
    投稿日: 2025.11.23
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    令和に読んでも全く色褪せていない安部公房の名作 著者自身が2つ(2人)の自由をテーマにしたと語っているが、やはり非凡な才能がなければこの作品にこのタイトルは出てこないよ

    0
    投稿日: 2025.11.23
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    流動する砂、逃げ出したいのに抜け出せない、砂に絡め取られていく世界。砂を情報に置き換えると今の時代を切り取っている様でもあり、いつの時代も大差ない日々の連続

    14
    投稿日: 2025.11.22
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    慣れてしまったら、開け放たれた檻からも逃げようとすらしないというある意味人間の順応力の可能性に溢れたサスペンス。 逃亡シーンはどきどきした。

    0
    投稿日: 2025.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    男があまりにも"人間"で面白かった。一度逃亡に失敗してからどんな終わり方をするのだろうと思ったが、結局環境に順応してしまいそのまま居座ってしまったのも人間らしいと感じた。最後、子供と女を捨てて一人で帰る最低な結末に終わるかもと焦ったがそんなことなくて安心。でも堕ちる所まで堕ちたって村の人からもわかってたから縄梯子が降ろされたんだろうとも思う。逃亡失敗から中々男がクズだったが、徐々に丸く従順になっていったし、人に対してはたいして欲は沸かなかったはずだがそれも異常空間の中で変わっていったのもあり、口だけは威勢が良いが楽な方へ流されやすくもあるのかもとは思った。

    2
    投稿日: 2025.11.11
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    先日、山陽小野田の中央図書館で借りてきた名著、その2。 安部公房自体が初読み。 絶妙に気になる作家の1人ではあったけど、今の今まで読む機会がなかった。 いつだったか、荒木博之さんのVoicyで紹介されていて、他にも興味を惹かれる作品はあったものの、1番最初に読むのなら「砂の女」だな、と思っていたので、図書館で出会えて良かった。 主人公は虫の蒐集を趣味とする、どこかの学校の教師。 3日間の休暇をとり、誰にも行き先は告げないで新種の虫を探しに出かけた先で、砂に埋まる集落から物理的にも心理的にも出ていけなくなる‥というお話。 砂は、流動していることこそが本質であり、その流れの中で埋もれないよう腐らないよう毎日必死に砂を掻き、ささやかでちっぽけな部落の生活を守ろうとする人々。この集落を維持するためには、どこか他所からフラフラとやって来る男手が必要で、その目的のためには監禁紛いの手荒な方法だって辞さないのだ。 男は必死に逃げようと試みる。 それこそアリ地獄にハマった小さな昆虫さながらに。 この世界で「砂」は、もしかしたら「時間」のメタファーなのかもしれない…とか考えてみる。 どんどん無意味に積もる「時間」の流れに逆らって、その外の世界へ出たところで、違う価値観に彩られた「時間」に埋もれて死んでいく。 社会が規定する幸せの価値は、砂の世界の外にいようと中にいようと、もし自分がその環境に合わせられるなら、 そしてそれは、自分の認識次第で自分なりの意味も価値も見出せるものなのだから、どうしたって同じことなのかもしれない。 読んでいるあいだ、身体中砂まみれになったようで、ちょっとしんどかったりもしたんだが、なんだかそんな風に思えて、意外にも読後感はちょっと清々しい気分にもなった。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    浅い言葉になってしまうが狂気的な文章!とそういいたい。 ずるずると蟻地獄のように砂の中に引きずり込まれていくような感覚、男の気力が削がれていく様が恐ろしくて下手なホラー小説より怖く、面白かったです。 他人なんてどうでもいい、今を生きる自分らの利益さえあれば……というような、出てくる人物たちの描写も恐ろしく、安部公房の見る人間とはこのようなものなのだろうか?と評論などを読んでみたくなる良い読後感のある名作でした。

    2
    投稿日: 2025.11.08
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    読んでて反抗する男に怒りを感じてしまった、、、 やはり自分は社会に順服された人間になってしまったとちょっと気分が落ちた。

    0
    投稿日: 2025.11.04
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    蟻地獄の中でも、自由な世界でも、灰色の日常の中では慰みものの希望を抱く事でしか人間は生きていく事ができない むしろ単純な生きる作業の反復の中で脱走を夢見ている方が、自由な世界でよりも生きている実感を得られるとまで言える 非現実的な砂丘のじゃりじゃりとした描写の中でも、人間の普遍的な感情が同じくそこにある 美しい比喩に感嘆しながら読了したけど、なぜか心にも砂が残って取れないような素晴らしい作品だった

    1
    投稿日: 2025.11.02
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    「米の炊けるにおいにも、夜明けの色がまじりかけている。」だったり、表現や文章がとても好みだった。 ストーリーも面白かった。 続きが気になって、中盤〜終盤は一気に読んだ。

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    とにかく砂に対する描写が、口やカラダの中に砂が入る不快な気持ちが湧き上がるくらい巧緻。絶望とそれに抵抗し、さらに絶望し、最後行き着く先にあるものがとても意外だが、なぜか納得感がある、そんな作品だった

    0
    投稿日: 2025.10.31
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    読んでいるだけで口の中が砂っぽくなってくる 人間は結局良くも悪くも慣れてしまえばそこで生きていけるようになるもんなんだな、と

    2
    投稿日: 2025.10.14
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    砂に埋まって息絶えるホラーかと思ったら… 自分の日々の暮らしにも似たところがあるなんて最後に思うとは…。

    2
    投稿日: 2025.10.08
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    大屋根リングからの眺めに備える課題図書として読んだ。大屋根リングを先にイメージして読んだためか、実景を見て、かつ友達からの説明をふまえて、砂の穴の構造を読み違えていたと思われる(読解力)。映画も観てみたい。本の内容を思い出しながら感想を書こうとすると、指宿での砂蒸し風呂、インドのトゥクトゥクで目鼻口が砂砂しくなったこと、運動場で強風に曝されたときに皮膚中で感じた砂の感触、アサリの味噌汁で砂をジャリっと噛んだときの不快感、などの自分の砂体験が続々と彷彿とされてくる。砂の穴で過ごした経験なんてもちろんないのに、ありありとイメージできる表現の妙。脱出劇のところはハサミの形状や頑丈さに疑義を抱きつつも疾走感をもって読み進められた。非日常が日常と化していく過程が印象的で、戦争という非日常の日常化についての小田実の文章と脳内リンクした。あとは近代批判のニュアンスを終始感じながら読んでた。自然の一部である虫[=前近代の象徴]を採集する男[=近代の象徴]が、不本意ながら自然の一部になったかのような生活をし、やがてそこに安住していく可能性を秘めて終わる最後、これは皮肉かしら…とか思ってた。他にも、同僚たちの休暇に対する姿勢とか、役所?を批判する村人とか、砂を研究しようとする男の考えとかとか、、、随所に近代批判のニュアンスを感じた。

    1
    投稿日: 2025.10.06
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    感想になっておらず恐縮であるが、「凄いものを読んでしまった」という読後の衝撃が忘れられない。 砂穴に囚われた絶望、日常と自由についての思索、水を求める根源的欲求、脱出のサスペンス、女との交わり...... 人間の根源に迫る物語と、巧みな比喩が重ねられた筆致の組み合わせが、この作品を名作たらしめている。 主人公は男であるが、タイトルは砂の女。女は家を守り、男に奉仕し、最後は妊娠により物語から姿を消す。砂穴に囚われた女の様子は、始終何かに縛られ続けながら生きる、女性の苦しみを暗示しているように思われた。 しかしあれほど砂穴、そして部落から脱出しようとしていた男が帰属意識を感じ、逃亡を先延ばしにして7年も経過するとは驚きの一言である。結局人間は環境の変化に対して、最終的に順応を選ぶということだろうか?

    12
    投稿日: 2025.10.02
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     欲しいものって、手にした途端に価値が無くなってしまう。無くなるというのは正確な表現ではないかもしれない。手に入れたと同時に、何かを失っている気がする。だからプラマイゼロで、満たされない。その欲しいものに対する熱意とか情熱、憧憬とかを、欲しいものを手に入れてしまったことで、もう自分は味わうことができなくなってしまったからかな。

    2
    投稿日: 2025.10.01
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    友人から薦められて読みました。 比喩表現の多い文体で、砂特有のざらざらとした質感の物語です。 それでありながら女と男の間で繰り広げられるやりとりであるとか、情であるとかに湿度を感じる面白い本でした。 色々なものに対して意義を見出しながら生活することはきっととても充実している。 でもそれができない環境に閉じ込められたら?というなかなかに面白い本でした。

    2
    投稿日: 2025.10.01
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    あんなに脱出したかったのに、いざ出られるとなると砂の暮らしを選ぶ男。人が生きる上で何に価値を見出すか、そして、観念してからの男の変わりようも面白い。結局、女は砂みたいにサラッとしてるけど粘ってて、したたかでしなやかで、男より上手なんだよね。女はもしかしたら男の元に帰ってこないかもねー。

    3
    投稿日: 2025.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    内容もざらざらしてるしなんか、ずっとざらざら感。水とか大気とかに惑わされる物語には出会ったことあるけど砂って今までになかったかも。読み心地も読後感も別に気持ちよくなかったけど面白かったな。主人公の感情の起伏がとてもよく伝わってくる。後半は気持ちが落ち着いているのが伝わってきたけど水を自力で獲れたときは気持ちの昂りが伝わってきた。砂の世界から出ることではなく、置かれた環境でよりよく生きる(乾きから逃れること)ことを目標にするようになり、水が自力で獲れるようになっても砂かきは続けていくんだろうなぁ。 友達が面白いというので読んだんだけど、友達はこれを何歳の時に読んで面白いと感じたんだ??と疑問に思った。

    0
    投稿日: 2025.09.29
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    自由とは。 私はこの昔の本を読む前に、事前に少しあらすじを確認し、自由がテーマで、かつ何ヶ国もの国で翻訳されているとのことを知り、興味を持ち読みました。 先入観を持つことになりうる確認事では。と感じましたが、この大作を読み解くにはそれはあまり関係がありませんでした。 描写は細かく、かつ繊細。主人公が終始不自由な印象を受けました。 そして、読むにつれ自由意思とは何かを考えざるを得ない状況に読者をも引き連れて行くのです。 そもそも自由のない状況下にある主人公においてですら問われる“自由意思”の意味。また、生きるとはどう言うことなのか。 私はこの大作を読むことで、不自由さと自由について大切なことを学びました。追体験してしまう引き込みの強さがこの作品にはありました。 興味がある方にはお勧めしますが、私は注意が一つ必要なのをここで書かせていただきます。 それは性描写等があり、R15の様な人を選ぶ可能性がある点を書かさせていただきます。 しかし、読み終えた時、おそらく“私の自由とは”に触れること間違いないです。 自由について。 日々の仕事について。 生きがいについて。 などなど、とても幅広い考察を私はする事ができました。 読み手になって“自由”という大切なことに触れていただけると幸いです。

    12
    投稿日: 2025.09.20
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    すごい数の比喩で完全にイメージしきれない部分もあった 何処で何をしていようと結局は砂の穴の生活と本質は変わらないということかなと

    1
    投稿日: 2025.09.19
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    ずっと口の中がじゃりじゃりしている気がして、何度も水を飲みながら読みました 男の心情の変化を追いながら、不条理ってこういうことを言うんだろうな…と感じました

    2
    投稿日: 2025.09.16
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    読みやすい文体に、引き込まれるストーリーで、一気読みしました。ホラー要素もありどん詰まり感も強く、悪夢をみること必至。とは言えそれくらい揺さぶられる小説でした。初めての安部公房さんでしたが、他作品も読んでみたくなりました。

    9
    投稿日: 2025.09.15
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    教科書で読んだ気がする安部公房の小説。 何を読んだかはどうしても思い出せないけど、 面白かった印象だけが残ってた。 この『砂の女』は、予想以上に恐ろしい本。 ミステリーというか、なんというか。 昆虫採集に出掛けた男が、砂で囲まれた奇妙な村に「拉致」される物語。 一晩の宿を借りるつもりが、蟻地獄のような穴の底にある家から逃げ出せなくなる。それは、村で仕組まれた罠だったことがわかる時の、男の焦り様。 こちらまでゾッとする感じに襲われる。 その宿を提供した女は、穴の底から出る自由もなく、毎日「砂掻き」をして、水が「配給」されるような生活に満足さえしていて、男がそこから逃げ出したい狂気のような訴えに、シラっとしている態度を見ると、読んでる私まで本気で砂の穴から抜け出したい!と男に共感してしまう。 何度も男は脱出の計画を企て、手に汗握る展開が続く。が、最後は…。 人間、なんでもその生活に慣れてしまえばそれが仕合せだと思えるのだろうか。 「拉致」された男は、こんな穴の底で一生暮らす生活は理不尽だ!、教師をしていて、住民票も持っている私が急にこんなところに押し込められるのは不条理だ! とわめきたてる。それはもっともだ。 だが、男はそこに来る前がそんなに幸せだったかと言えば、そうでもなさそうだ。 男が逃亡に失敗したあとに女に言うセリフがなんだか心に残る

    1
    投稿日: 2025.09.14
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    【慣れとは恐ろしいものである】なんて言葉が存在する。 それから【住めば都】だ。 これはハッピーエンドかバッドエンドか。 個人的には、主人公の人生は極めて主観的なハッピーエンドで幕を閉じるのではないかと思う。 多種多様な議論が交わされるだろう作品に駄作は存在しないんじゃないかというのも、個人的見解だ。

    8
    投稿日: 2025.09.14
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    砂に囲まれた生活の圧迫感が読んでいて息苦しくなった。でも妻がいて、教師をしていて、現実逃避で昆虫採集していた生活に戻ったところで…と主人公が気づき、砂穴の生活に止まったのは自然な流れな気がした。 この小説はビターエンドだと感じた。結局自分のいたい場所で生活できる人なんて少なくて、その場の流れで妥協して生きていくしかないのかもしれない。 すらすらと読みやすい文章だったけど、深く解釈できているか自信ない。

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    フィクションの摩訶不思議な設定の徹底的な細かさと異常な状況に置かれた主人公の心情の精密な描写。 主人公の順応までのプロセスが克明だからこそ異常な状態への順応でも共感してしまう。 その思考プロセスには、「人間が当たり前に求める自由というものを手にした先には果たして必ず幸せがあるのか」、「労働は労働のためにあるのではないか」という砂の外の元々いた世界と共通の絶望感がある。

    1
    投稿日: 2025.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公は男であるが、表題は砂の女である。読むと明らかになるが、女と女の属する部落との接触によってもたらされる男の精神・思考の変遷が本当に面白い。 理不尽かつ抑圧的、それでいて密閉的な環境下では嫌でも内省にエネルギーが割かれる。仮に外に出たとして果たしてその自由は本当に価値のあるものなのだろうか。 脱出に失敗した後に、「これでよかったんだ」と自分を納得させるような思考の展開は、まさに「酸っぱい葡萄」的であり、鴉の罠や蒸留装置に傾倒する行動の展開も頷けた。 鴉の罠『希望』が全く機能しないこと、女が子宮外妊娠の可能性があること、7年間も失踪し続けていること(生きている保証はない)から、男の未来は暗いと言わざるを得ず、重い読後感であった。

    1
    投稿日: 2025.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    知り合いに勧められて読了 主人公、仁木順平の論理的に考えようと努める姿、焦燥感等から襲い来る暴力的ととれる衝動、何より自分が信じた"自由"を求める行動、全てへの描写が本当に素晴らしかった 解説でもあったように、順平は外の世界にいた時のことをそこまで楽しそうに話している様子はない だが急に生殺与奪の権を奪われ、"不法監禁"されてしまった、選択の自由を取り上げられてしまい、渇望した 誰にも行き先も告げずに出たことや、新種の生物を見つけて一緒に名前を載せてもらうなど、今の生活への億劫さと変革を求めていたが、あまりにも隷属的なものとなってしまった 選択の自由が奪われ、抗い続けて、最後その自由が与えられた時、順平は外へと出ようとせず女の帰りを家で待つことを選んだ そして月日が経ち法的に失踪者となるまでになった それはハエのように生活に適応したということもあるかもしれないが、彼なりの"生きる意味"をそこで見つけたからなんだろうと思う 外の世界では妻を持ち話のできる人間もいながらずっと孤独だったんだろう それが砂の穴に落ち、もがくなかで改めて人生に欲しかったものを考えたんじゃないのか 読む前、途中、後で『砂の女』の意味が違って感じる

    0
    投稿日: 2025.09.07
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    新潮現代文学で砂の女と密会と短編諸々を読んだ。 短編は、詩人の生涯がよかった。ぜんぶ不条理でよかった。密会はR18で映像化希望。

    8
    投稿日: 2025.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もう怖いの一言です。お化け的な怖さではなく抉られる感じがしました。読む時間帯を考えた方が良かったと割と序盤から思いましたが、読み出すとやめ時が。

    2
    投稿日: 2025.09.03
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    初めの方に全ての結末が書いてあったから結末は分かっていたはずなのに、しっかり結末を追ってしまった。 解説にあった色んな場面が読者の中で生長していくのに、文章で読み返すとものすごく短い文でしかなかったことに驚くだろう。と書いてあって、なるほどこれがこの本が長く評価されている理由のひとつなんだなと思った

    2
    投稿日: 2025.09.01
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    カフカ的な不条理な世界観がおもしろいです。 砂が溢れる描写に息苦しさを感じました。 主人公の哲学的な内面の描写は難しい面もありますが大きな魅力です。

    1
    投稿日: 2025.08.31
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    ずっと読みたかった本で、タイミングがよかったので出雲の阿国を差し置いて読んでみた。 昆虫採集続けて欲しかったのに残念・・・とか、 砂のせいでものが腐るなんてことあるの?とか、 部落ぐるみで騙して生贄にするなんて!!とか、 砂の奥深くに水があるって薄々知ってた!とか、 タイトルの割に女はわりかし非支配的だ、とか、 「指」という単語で別のもの指してるんだ、とか いろいろ思った。 ソリッドな文体が、かえって怖さを誘う、良い読書体験ができた。 ドナルドキーン氏の解説が親切だった。

    7
    投稿日: 2025.08.31
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    読みやすいようであまりページが進まない。寓意。解説読んでちょっと理解できたが、安倍公房が何を意図してたのか完全に理解できていない。

    1
    投稿日: 2025.08.29
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    実際のところ、世の中には理由をつけて現状から抜け出さない人の方が多いから 読んだみんながなんとなく嫌な気持ちになる話だと思った。 そして股がかゆくなる

    2
    投稿日: 2025.08.28
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    読んできた中で頭一つ抜けてる素晴らしい小説。 読んでいてクオリアを感じるが。 情念がある。驚きがある。

    1
    投稿日: 2025.08.28
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    実際に砂を感じているかのように思えた。蟻地獄みたいな生活、これは想像するのに頭を使った。 このようなシチュエーションに陥ることはほぼ無いと思うが、正常性バイアスとか、主人公の考え方が現実にありそうだった。

    15
    投稿日: 2025.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自由」を取り戻せたはずなのに、気づけば「不自由の中での小さな自由」に満足してしまってる。 しかもそれを「自分で選んだ」と錯覚しているようにも見える。 職場や人間関係、ほんとは抜け出せるのにここにも居場所あるしって理由をつけて留まってしまうことってある、人間の順応の恐怖。

    1
    投稿日: 2025.08.27
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    砂丘の真ん中で蟻地獄に落とされる。 先客の女との砂生活を余儀なくされた男はどうにか抜け出そうと試みるが、、、 砂の性質のなんとも恐ろしいこと。そして全身に砂を纏った女のなんと艶めかしいこと。設定としては現実とSFの中間あたりだろうか、その独特な世界観に脳がバグってしまう。 蟻地獄での生活、私は少し興味あるかも。

    0
    投稿日: 2025.08.20
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    ★4つ ミステリー?なのかな 令和5年統計で行方不明者数は9万人超 無さそうで有りそうなストーリーで怖いです。

    1
    投稿日: 2025.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分の人生が砂穴ではない、と言えるだろうか。 ただ、仮にそうであるとして、誰に咎めることができようか。

    0
    投稿日: 2025.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025年に読んでいるからか、監禁ものというよりは異世界ものとして読んでしまう。または館もの。女は高野聖に出てくるような妖女の類ではないか。30前後なのに婆さんと呼ばれているのも奇妙。 監禁されたところから脱出できたのに連れ戻される展開。そして、脱出できたのに男は女のことばかり考えている。女こそが引力。だから「砂の女」という題名なのか。 それにしても1章、素っ裸で砂にまみれて眠っている女のなまめかしさよ。

    4
    投稿日: 2025.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    男は目的と手段が入れ替わることを批判してたのに最終的に自分もそうなってて、承認欲求とか自己顕示欲とかが人間の欲求の中で大きいものであると再確認。人間の汚い部分がたくさん。罪の意識を消そうとするために自分を正当化しようとするのも気持ち悪かった。純粋に文章が難しくて読むのが大変だった。読書の練習。

    0
    投稿日: 2025.08.10
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    二学期に安部公房「鞄」を取り扱うので、その予習に、と思って「砂の女」を読んだ。大学の授業で実写映画を、、観たような、、 おおまかなストーリーとラストまで知っていたけど、おもしろかった。途中わからんとこあるけど、なるほどこれはただ男が砂の集落に迷い込んだだけの話じゃないな、と。 監禁された状態からはじまり、男はあの手この手でめっちゃ頑張って逃げようとする。 ここで大切なのは脱出劇じゃなくて、砂の家の女との関係と、職場や奥さんとの関係だなと思った。 最初にプロローグ的な感じで、男が7年間行方不明で死亡認定を受けた、と書くのめっちゃ秀逸だなと思った。先にその結果を知らされる感じ。エピローグの失踪届も怖い。 「じっさい、教師くらい妬みの虫にとりつかれた存在も珍しい…生徒たちは、年々、川の水のように自分たちを乗りこえ、流れ去って行くのに、その流れの底で、教師だけが、深く埋もれた石のように、いつも取り残されていなければならないのだ。希望は、他人に語るものであっても、自分で夢みるものではない。彼等は、自分をぼろ屑のようだと感じ、孤独な自虐趣味におちいるか、さもなければ、他人の無軌道を告発しつづける、疑い深い有徳の士になりはてる。勝手な行動にあこがれるあまりに、勝手な行動を憎まずにはいられなくなるのだ。」 教師をこんなマイナスな表現できるのにびっくり。 教員てすばらしい仕事だと思ってたけど、主人公はそうは思っていないらしく、同僚に対しても心を開くどころか、わざと自分が意味ありげな休みを取ることをアピールして同僚を悔しがらせている。 熱を注いでいる昆虫採集(蝶とかじゃなくてハエ)も、熱中してやってるというよりは、日々の暮らしが退屈だから無理やり探した趣味、新種を見つける理由も、自分の名前が図鑑に未来永劫のるから、という自己顕示欲丸出しの理由。 砂の暮らしの中で時折思い出す「あいつ」=妻との思い出も、マイナスなものばかり。自分がいなくなった時に1番心配してくれるのは家族か職場の人なので、その2つとうまくいってない=社会的に立場や社会的満足、信頼がない状態だなと思った。 (読んでる時あいつが誰かわからなくて、同僚の男かと思って、あいつの裸、、とか言ってたから、この人ゲイなの?!?!と全く違う読みをしてて、あとで解決みてあいつ=妻だと知りました。あほです) もとの暮らしでしてた労働=単調な繰り返し 今の砂の暮らしでしてる労働=単調な繰り返し +女とのゴムなしのセックス  「希望」の名付けた罠が偶然蒸留層地になった  寝る時のビニール製小型天幕の考案、焼いた砂で魚をうめて蒸し焼きにする調理法、新しい何かを自分の力で開発できること さらに子どもが生まれること 女の心配そうな目 読む前はストーリーだけ知ってて、男はなんで最後逃げないんだろうって思ってたけど、話を読むと、たしかにこれは逃げなくなるかも、、と思った。 だって、男が欲しい幸せは砂の暮らしで見つけられるんだもん。 女との共依存ともまた違う感じがする。言葉ではうまく説明できないけど。 集落の人たちが来て、目の前でセックスしたら梯子をおろしてやる、みたいなところ怖かった。 男もまんざらでもなくて、女が必死に抵抗して最後は殴り勝ったけど。 人間にとっての幸せとはなんだろうか。 共に暮らす人がいること 自分が認められていること 責任ある仕事があること 新しい何かを発見した時に聞いてくれて共に驚いてくれる共有体があること 砂の暮らしで、男はすべてを手に入れているんだ。 最初は、「もっと自分を活かせる仕事がある」みたいなことを主張していた男も、砂の暮らしの中で順応して、自分だけの仕事と思える仕事を見つけていく。 人間、、、! 承認欲と性欲に支配された生き物を、非日常な設定の中であまりにも的確に描いている気がする。自分がこの状況に陥ったらどうするだろう、、 「その、流動する砂のイメージは、彼に言いようのない衝撃と、興奮をあたえた。砂の不毛は、ふつう考えられているような、単なる乾燥のせいなどではなく、その絶えざる流動によって、いかなる生物をも、一切うけつけようとしない点にあるらしいのだ。年中しがみついていることばかりを強要しつづける、この現実のうっとうしさとくらべて、なんという違いだろう。」 主人公は砂をこうとらえている。教員を川底の石と表現する。自分の暮らしを動かない単調なものとしめ、流動を続ける砂を賞賛する。 「擬死態発作という言葉がある。ある種の昆虫やくもなどが、不意の攻撃をうけておちいる、あの麻痺状態だ。崩壊した画像。コントロール・タワーを狂人に占領された飛行場。冬眠中の蛙に冬が存在しないように、出来れば、自分の静止が、世界の動きも止めてしまったのだと思い込みたかった。」 「孤独とは、幻を求めて満たされない、渇きのことなのである。」 1ページ目「罪がなければ、逃げるたのしみもない」 これはどういうことなのか。 ・ネタバレ付きあらすじ  八月のある日に学校の教師をしている男、仁木順平は三日の休暇をとって昆虫採集に出掛ける。  新種発見のために砂丘地帯を訪れ、そこにある部落で老人と会い、部落に一晩泊めてもらうことにする。  だが、男は深い砂穴の底に閉じ込められることになる。そこにはひとりの女が住んでおり、毎日砂掻きの労働を強いられることになる。男はその労働のために拉致されたのである。  男は幾度か脱出を図るが、いずれも失敗する。  三ヶ月ほど過ぎたところで、鴉を捕らえるために作製した罠装置《希望》が、偶然にも砂から水を確保する貯水装置として作用することに気づく。  冬を越えて春になると、女の妊娠が発覚し、ある日女が痛みを訴え、子宮外妊娠の診断を受けて砂穴から引き上げられた。  その際用いられた縄梯子は掛けられたままであり、これは男が砂穴から脱出する好機であったが、男は自身が作った貯水装置の話を村の者に話してやりたいと思い、逃げるのはまたでいいだろう、と砂穴に残る

    2
    投稿日: 2025.08.07
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    「納得がいかなかったんだ……まあいずれ、人生なんて、納得ずくで行くものじゃないだろうが……しかし、あの生活や、この生活があって、向うの方が、ちょっぴりましに見えたりする……このまま暮らしていって、それで何うなるんだと思うのが、一番たまらないんだな……どの生活だろうと、そんなこと、分かりっこないに決まっているんだけどね……まあ、すこしでも、気をまぎらわせてくれるものの多い方が、なんとなく、いいような気がしてしまうんだ……」

    0
    投稿日: 2025.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半は主人公が砂に落とされた理不尽からくる焦燥感と怒りがずっと伝わってきて、抜け出して欲しいと思うたびに最初のずっと行方不明という報告書であぁ抜け出せないことに可哀想だなと思いながら読んでました。 後半の女に情が移っていく流れになっていくのがシームレスに書かれていて最後まで止まることなく読めました

    0
    投稿日: 2025.08.01
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    大学の授業の予習で読んだ。めちゃくちゃ面白いけど、その後授業で観た映画版があまりのあまりに凄すぎて記憶が塗り替えられた。また読まないと。

    0
    投稿日: 2025.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025年7月30日読了 今年の新潮夏のプレミアム装丁だったので買った! 他の作品も迷ったけどとりあえず今年はこれだけの予定かな〜、ベージュでまさに砂色!いいね〜〜!! 皆に秘密で虫取りに来たらまるで蟻地獄!砂地の穴の中の家に閉じ込められちゃったよ〜な話 1人の男性が行方不明になって帰ってこなかったねからはじまる話。閉じ込められるっては聞いてたけどすごかった。 脱出を試みてアレコレしてる時自分までちょっと不安になったし、読んでて本当にこういう集落はあるんじゃないかって思えた!!すげーこれが安部公房か〜! 終盤、たのむ梯子をくれ!のお願いで住民がまさかのアレを見せてくれたらいいよ…♫は目を疑った!どういうことなの?! その前の時点で艶かしいような描写もあったので、本当におっぱじまってしまうのではないかとドキドキした…!(読んでるのが公共交通機関なのもあり笑) 最終的にはあのずんぐりした蜘蛛のように、いい感じに環境に適応してしまったのだなぁ。人間は適応するのだ、時間が解決するのだ〜と思った。カラスの仕掛けの名前が希望だったり、終盤女が他人のことなんてどうでもいい!と言ったのがなんだかよかったです。

    0
    投稿日: 2025.07.30
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    読んでいると、体をはたきたくなるような 口の中までジャリジャリしてくるような感覚。 蟻地獄に落っこちたアリの気分 掻いても掻いてもさらさら埋まって戻っていく 砂の怖さ。 ずっと夢の中で走っているみたいな感覚。 理不尽としか言いようがない話だけど、 抵抗しても無駄なんだと悟ったら… この生活も悪くないと思ってしまったら… 怖すぎでした。

    4
    投稿日: 2025.07.28
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    過去に読んだ『箱男』よりは面白かったけれど、やっぱりかったるい! もっと詰めれるだろうにかったるい! でもきっとそういうところが魅力なのだろうな! 文章が上手いから、服の中に入る砂の感触などは本物のように感じたけれど、だからどうしたと云うのだ! 根本的に合わないんだろうな安部公房!

    1
    投稿日: 2025.07.16
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    自分の力が無に等しい場面において小さな希望を見つけた時人はそれに縋ってしまうと言う流れが段階的に描かれていた。

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    投稿日: 2025.07.04
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    職場で話に出てきたので読んでみました!世にも奇妙な物語みたいな話で不思議でした笑 私が好きなタイプではないですが、ちょっと不気味というか不思議な話というのがぴったりな感じかなと思います笑

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    投稿日: 2025.07.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった(というより色んな気持ちになって冷や汗) 男の情けなさ、足るを知るみたいな感覚、もろもろ、、

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    投稿日: 2025.07.01
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    砂地に赴きその魔力を感じたいと思った 安倍公房が東大卒なのがよくわかる。理系的な知識が散りばめられている。脱出できるのかというハラハラ感と主人公が感じていく脱出への懐疑。目標だけを求めるのではなく、現実をよく見ること。

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    投稿日: 2025.06.20
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    20250611読了 久々に頭が殴られるような読書体験をした。 言葉でしか構築できない異様な情報流入があることを再確認する。 最近思うのは、脚本に力が入っていそうな直木賞系の小説よりも、やはり文学の名作と名高い作品の方が作品の世界観や文章の味わいが否応なく頭に残ってしまうということだ。これこそが力のある文章の為せる技なのだろう。 - 砂に囲まれ単純作業を繰り返す男のありようが、社会に生きる人々の風刺すぎる - 最終盤、水の発掘にアドレナリンを出して脱出を先送りにする男、資本主義社会において金を稼ぐことに興奮してグルグル周り続ける労働者のことを描いているのか - とにかく女の描写がエロすぎる。美しい訳ではないのに、腐った果物のような香りの強さ - 全体を通して不気味な雰囲気が強すぎる - 思ったよりもモノローグや三点リーダーが多い。そのせいかリアルな声を感じる。けれども文のリズムがダレない。 - 女がラジオと鏡を欲しがるのは示唆的な描写に見える - どんな構造になっているかの描写は正直想像しづらくノリで読んだところはある。ネットの解説記事や画像に目を通して想像の補助とした。 - 砂の穴に落とされ、砂を掻き出すだけの日々を通して、人間の存在意義やアイデンティティについて考えさせる構造。 - 解説にあった通り、男はあれだけ渇望した自由を、自身が望んでいると思った自由を、いざ目の前に差し出された途端、どう扱えばいいのか持て余してしまう。これはきっと会社の労働に疲れて休みたいと思った人間が、いざ会社を辞めてしばらく経つと、日々の授業やバイトを放り投げたいと思う大学生が、いざ長期休暇に入ると、それはそれで何をしたらいいか分からなくなってしまう、あの感じときっと通ずるところがあるのだろう。恐らく『暇と退屈の倫理学』と併せて読むと、面白い視点が得られるのではないだろうか。 人間は無為な繰り返しの日々の中では自身の生まれた意味など無いと考えるが、実際のところ、その環境から出たとえ存在を持て余してしまう存在なのだ とでも今はまとめようか。 人間の生まれた意味、存在の理由について、そんなものないと否定的に示すというよりも、あるかないかは置いておいて、実際あなたは本当にそんなことを、本当の意味んで考えられてるんですか?と一歩引いてパンチをぶち当ててくるような姿勢だと思った。 だから生きる意味はある!と熱く解釈することも、生きる意味など考える意味もない幻だと冷たい態度をとることも、どちらにも道は広がっているように思う。 読み終わったばかりなのに読み返したい。 久々に興奮するスリリングな読書体験。 p.171 「気違いじみている……正気じゃないよ……こんな、砂搔きなんか、訓練すれば、猿にだって出来ることじゃないか……ぼくには、もっと、ましなことが出来るはずだ……人間には、自分のもっている能力を、じゅうぶんに役立てる義務があるはずだ……」 https://x.com/maqime/status/1808027906893045765 しょうもない笑 https://x.com/hiranok/status/1743094009852231978 https://x.com/Kitaguchi_T/status/1375994984688615428 p.231 ふと、夜明けの色の悲しみが、こみ上げてくる……互いに傷口を舐(な)め合うのもいいだろう。しかし、永久になおらない傷を、永久に舐めあっていたら、しまいには舌が腐(くさ)ってしまうではないだろうか? 「納得がいかなかったんだ……。まあいずれ、人生なんて、納得ずくで行くものじゃないだろうが……。しかし、あの生活や、この生活があの、向うの力で、ちょっぴりましに見えたりする……。このまま暮していって、それからどうなるんだと思うのが、一番たまんないんだな……。どの生活だろうと、そんなこと、分りっこないに決まっているんだけどね……。まあ、すこしでも、気をまぎらせてくれるものの方が、なんとなく、いいような気ががしてしまうんだ……」 p.236 孤独とは、幻を求めて満たされない、渇きのことなのである。 p.241 (ああ、不法監禁……しかし、人間、欲を言っちゃ、きりがないからなあ……せっかくこうして、部落の連中からも、重宝がられているのだし……) (糞でもくらえだ! おれにだって、もっとましな存在理由があるはずだ!) (いいのかい、大好物の砂に、そんなけちをつけるようなことを言ったりして?) (けち……?) (世間には、十年もかかって、円周率を小数以下何百桁とかまでも計算した人がいるそうだ……けっこう……それにはそれなりの存在理由はあったのだろう……しかし君は、そんな存在理由を拒否したからこそ、わざわざこんな所にまでやってきて……)

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    投稿日: 2025.06.12
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    むちゃくちゃ面白い! 非現実的でいて超現実 こんな物語を考えるなんて凄すぎる 砂の家には いい色気を醸し出す女がいて 砂がついた体を拭いてくれて 砂の村コミニティーに囚われてはいるけど 酒タバコも配給されて 実は何の不足もない 外に出たがる男だが 外に出たって何があるのか 新種の昆虫に名前を残すことで 自己実現を夢みているだけの男 最後に見つけた自己実現で 承認欲求が満たされてしまえば 出ていく理由すらない 実はわたしたちも 砂に閉じ込められているのと同じ 認められないと生きている価値なしと 砂の中でもがきまくっていても 大人になって いつしか生活に慣れていく 砂をかくルーティンに時間を費やし 小さな世界で承認欲求を満たし なんとなく生きていく でも、だから 砂から出よう!とはならない 不思議な読後感でした

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    投稿日: 2025.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    砂の街に馴染んでいく、その暮らしを受け入れていく主人公。 逃げることができたのに、この街に留まり、限定されたコミュニティのなか今の暮らしを受け入れる主人公は、  流動的な砂と違い、現在に固執する私達の鏡なのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とにかく世界観とか文章とか難しくて読書歴浅い俺にはまだ早いなという感想。 いろんな本読んでからまた出直すわ 新種の虫を探して砂地にきたら、砂に囲まれた謎の集落に閉じ込められて一生砂掻きさせられる話。 砂まじでやばすぎる。毎ターンHPが1/16削られるだけじゃなくて、ほっとくと家も腐らせてしまうとか強すぎる。 ずっと逃げだすために頑張ってきたけど最後には子供もできて諦めてしまうというね。 なんかメッセージ性ある感じ。俺にはわからんけども

    1
    投稿日: 2025.05.26
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    功名心に駆られたオタク的な人物が軟禁された集落から冒険活劇風に脱出する話か、と冒頭では思った。 ところが、なかなか気持ち悪い内容だった。学校教員が謎の失踪に至るまでのお話。新種のニワハンミョウ探しに出かけた男は、そのことをなんとなく誰にも告げずに出かけていた。その旅先で砂丘の穴に埋もれるような形で維持されている集落を発見する。一夜の宿を借りるつもりが、そのまま軟禁状態に。といえば、冒険活劇のようであり、SFのようであり、ミステリーのようでもある。とくに男は、何かに縛られることを厭い、自由を求めてでかけている。その背景にはいろいろとあるが、いずれのエピソードにも男の人間不信を感じた。そのせいか、集落の暮らしに対しても、裏へ裏へ勘ぐっていく。その結果、自分自身の行動も裏目に働く、という悲喜劇もある。 第二章終盤へおよぶと大脱走劇が失敗に終わりながらも、それでもあきらめきれない男は暮らしに馴染んだふりをしながら集落の老人に穴の中と外をつなぐ縄梯子をいつでも取り付けておいてほしいと掛け合ってみる。老人はその約束のかわりに、男と女が人々の目の前で行為におよんでほしいと提案する。自由を求めるなら断って当たり前だが、男はなんとなく受け入れてしまう。なんのことはなく、男が求めていたのは他者を踏みにじってもよい特権を与えてもらう機会だったのだ、と思った。男は自分が日常生活を営むなかで隣の芝が青く見えていたらしいが、自分にそそぐ熱量や努力の方針がなかったのだろう。たとえそれが、戦後復興の中で一時期忘れざるをえなかったのだとしても、改めて取り戻す機会からことごとく逃げてきて集落にたどり着いたのだろう。そこから先には砂しかない。だから、男は日常へ帰ることよりも、子宮外妊娠で搬送される女を見送り、外への道から目を背け、穴の中で掘り当てた、砂の「すきま」から滲みだす水について湧水槽を研究する自分に没頭する。これが現代人の選択方法とあるがままの姿と言われても信じてしまう気がする。 男は他者を蹂躙する特権に飢えていたが、じたばたするにつれ、他者とは理解を深めればよく、ふとそのきっかけを見つけた、という感じのお話。ただ、共感のなさは気持ち悪かった。 けれど改めて考えると、逃げたくなる理由があったことに気づかされる。戦後のがれきから生き延びて、昨日と今日がばらばらで、夫婦関係すら安らぎがなく、何を信じればいいかわからないままでい続けるのは苦しい。どうにかこうにか社会を再生産しているが十分よい社会になっているか?と聞かれているみたいだ。とはいえ、男の免罪符探しはやるせない。 昨日今日を維持するだけで疲れ果て、明日がくることに怯えていた。そのような人生を包摂する大きな安全地帯もない。にもかかわらず明日につながる希望を語らなければいけないという矛盾。だから、小さくとも安全地帯の保障をきちんとしてくれる共同体で男は余裕と喜びを見つけた。たとえ砂から湧き上がる水への没頭が、比較的人から理解されない小さな喜びでしかなくとも、もはやその瞬間にしか熱中できない状態だった。そうやって見ると、やはり男はオタクなのだと思う。 私自身がある程度生きてきてわかった困難な現実生活への対処療法は、まずは死なないこと、次に逃げ出せない状況が苦しいと気づくこと、解決のために何ができるか勉強すること(勉強といっても相談相手を探すことだっていい)、即座に解決できなくとも解決策の大きな潮流に入ってみること、そして違うと思った時には別の潮流を探す気持ちでいること(なぜならその潮流が実際は小さいかもしれないから)、くらいだ。 私は自分自身がオタクになる時間を大切にしたいと思うけれど、もしかしたらそれができなくなる日もくるかもしれない。だから、男がオタクになる時間を見つけられたことは奇妙でもなければ、悪いことでもないのかもしれない。もちろん男が無自覚に備えていた気持ち悪さは嫌だけれど。 最後に自分なりの秘密を作れたということは、むき出しにされて生きる惨めな気持ち悪さを感じない。男にはいつか誰かのセーフティーハウスになれる可能性が芽生えた。それは善だと思う。やるせなさは、もうない。 (最近『リバース1999』がフーコーとパノプティコンを扱っているのを見て、男は「見られている」ことに安心を覚えたのかもしれない、と思った。村落には監視塔となる鐘楼もあったことだし。そうすると、以前書いた「逃げたくなる理由」は「見られていない」不安であり、砂の村落に留まったのは「見られている」安心であると思った。しかし、女の場合には「見られている」状態をすべて容認しているわけではなかった。男だけがそれでもいいかもしれないと容認して、女に襲い掛かった。この瞬間、躊躇しない異常さが際立っていた。この時の男はただ安心するだけでなく、「見られている」構造と自発的に同一化したと思う。それならば村落に留まる選択は納得できる。積極的な選択の理由を考えた。それでは消極的な選択の理由はあるだろうか?女に対するすまなさか、とも思ったが同情的であることが自発的な行動につながるのかという疑問がある。共感的であれば行動すると思う。同情的だとどうなのだろう?さらに疑問を列挙すれば、これはどこの話なのだろうか?てっきり都会と鄙の構図かとばかり思ったが、先進国と後進国という風にも読めないだろうか?このあたりの疑問は男と女の距離感を浮き彫りにする気がする。女はどうして構造と自発的に同一化していないのかというのも気になる。さて、セーフティーハウスになる可能性が芽生えるまでのお話という結論は置いておいて、また考えてみるのも面白そうだ。) メモ 総力戦/国民国家 権力/権力監視 管理/権利行使 過度な被害者性/適度な加害者性 大衆社会のあいまいさ 世代間の無垢な責任論 個体が受けるシステムへの不信感 憲法第十一条「侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」の存在

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    投稿日: 2025.05.24
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    砂の穴に閉じ込められた男と女の話。 男が最後そんな思想に至るのか…と驚きだった。 社会風刺も効いた名作。

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    投稿日: 2025.05.19