
総合評価
(356件)| 77 | ||
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現代の人間が考えられる、ギリギリ無くはなさそうなSFで、いちばんリアルで、いちばん惨いお話。最初はそんな印象だった。 お父さんは割と最初の方から気持ちの悪い優しさがあって、そこから徐々に現実を確定させていく語りだったけど、シンちゃんの聖人君子さは浮気発覚!ってとこで結構急にひん曲がって面白かった。で、そのまま衝撃の事実!って驚かせで展開が進むんじゃなくて、性的虐待を受けたことによる反動かつ融合手術を受けたことによる効果、全て含めて『新ちゃんを恋人として愛していなかった』というある種冷めた結論のその理路整然とした感じが個人的にはなんかスっと飲み込めてよかった。 なんだろうね。人って、確かに忘れて生きていくことがいちばん合理的なのに、どうしてもあの時の後悔を何度も反芻して、どうしようもないことを何度も繰り返しとい続けて、見つかりもしない答えを見つけようとするのかな。そう思って読んでたら、最後に語られてて、このお話はふわふわしていて取り留めがないのにちゃんと答えに着地するってその感じがいいんだな、って思った。 忘れて生きていくことは幸せなことだ。間違いない。でもそうしたら、私は私をゆるせない。だから人は、忘れないことを選ぶ。そう、そうだなぁ。たしかに。 「今回、死ぬかもしれないのはわたしの記憶みたいです」。このとき考えさせて欲しいと言ったことが、彼女が人間であることの表れでもある気がした。きっと私たちは、体が生身の肉じゃなくなってもちょっと許せる。でも、記憶や自我がなくなることは、なんだか全ての喪失に思える。そう考えると、記憶はその人そのものであるのかも? 人生で何か一つ、間違ってないと思えることがしたい。この時の間違っていないは、倫理的にとか道徳的にとかそういう話じゃないんだよね。「自分がそうしたくてそうした」「誰がなんと言おうと自分の意思でそうした」そうして行われたことは、その人の人生にとって、間違いであるはずがない。正解、と言うにはあまりに曖昧模糊としているけど、脊髄みたいに1本揺るがないものが伸びているそんなものの気がする。 トムラさん、個人的になんか好きだった。恋人の話あたりからけっこうノリノリに聴いてくれてて良かった。最後のお別れの時もさ、トムラさんに血が通っていてやっぱ良かった。 だってさ、自分とは違う意見を聞いて、けどそれに対して「いいえそれは違いますよ」と正論を繰り返すのではなく、「なるほどな」「いやよくわからんけど」「そっか」「そうなんだね」で返ってくるものほど嬉しいものはないからね。あーあ私もこうでありたいな。そう思うと、トムラさんはちょっと私の理想に近いのかもって今何となく思った。
0投稿日: 2026.03.23
powered by ブクログとあるマンガで、登場人物がこの小説を絶賛しているシーンがあり、購入。独特の読みづらさを1~2ページ感じたが、あっという間に物語にぐいぐい引き込まれた。 主人公は、家庭内においても自分の出産と共に母が亡くなったことから、兄姉から母が亡くなった原因として嫌われ、父からは母の代わりとして精神的・肉体的搾取を受けている、「わたし」(名前は空白によって非常に可視的に伏せられている。)。胃下垂で食べるものをほとんど吐いてしまうなど健康にも恵まれず、人生の多くを家の中で過ごす。また、希死念慮があるが死ぬことはできず、25歳の時に、身体を改造する「融合手術」を受け、老化しない体となる。その後もほとんどを家の中で過ごしたため、彼女が客観的に描かれる描写はほとんどない。物語の終盤、人工知能との融合手術を受けた非常にロジカルな存在と描かれる第三者によって、はじめて彼女の置かれてきた情報が文章として説明されるという構造。このため、主人公の置かれた状況は彼女の主観という強烈なフィルターを通じて見続けることになり、彼女の客観的評価は終盤まで待たなければならない。 このためか、主人公目線で彼女の人生のほとんどを読んできて、終盤で「実の父親から受けた肉体的、精神的虐待によって引き起こされた心的外傷」「お姉さんを自殺に追いやってしまった」「甥である方と関係を持ってしまったこと」といった客観的な言葉で語られると、確かにそうだよなとも思いつつ、そうした言葉に物語を当てはめることに不思議な戸惑いを覚えてしまった。 この違和感の正体が知りたくて、私はこの小説をすぐにもう一度読み直し、その違和感は、こうした事象がすべて家庭の中で起きた出来事であることに起因するのかな、と思った。 「幸福な家庭は、全て互いに似通ったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸の趣が異なっているものである。」という、トルストイ『アンナ・カレーニナ』の冒頭の有名な一文がある。主人公の家庭も、その異なる趣の不幸の一つなのだろう。他方で、よその家庭の不幸の中身というのは実際に見ることはなかなかなく、自分が不幸な家庭にいたとして、それは他の家庭と比較することが容易でなく、時として不幸を不幸と認識できないものだ。私も、育った家庭が不幸というわけではなかったにせよ、大学時代にメンタルを崩したときに受けたカウンセリングで、家庭について話したときに、「あぁ、これは普通ではなかったんだな」と目の覚めるような思いをしたことがあった。 主人公も、希死念慮を抱いており、自分が幸せではないという自覚はあったのだろうが、諦めのような気持ちで、淡々と不幸を受け入れ、生きる希望のようなものを求めず、手術により人間であることをやめ、その不幸(と客観的に判断される)を悪意なく他人に伝播させてゆく。 そこには、家庭内の不幸という客観性を持つことが難しいものに対し、毅然と立ち向かう術がなかったことが想像できる。程度の差はあっても、家庭という引力に逆らうのは誰にとっても難しいのではないだろうか。 だからこそ、家族史を書いたがために自分の人生を急に分析・評価され、主人公は戸惑い、その衝撃が読者たる私に伝播したのだろう。 それだけに、そうしたトラウマをすべて捨てて、人生をやり直すチャンスが降ってきたにも関わらず、自分のすべての経験を受け止めた上で、その上に人生を積み上げることを決めた主人公が非常に強く胸を打った。「でもまずは、わたしはわたしと、ちゃんとともだちになるところから。」(p.122)という主人公の台詞には、自分のことが好きになれず、大切にすることもできなかった、彼女が不幸になり不幸を生み出した原因の一つとの決別を感じることができる。そうした大きな一歩を踏み出そうとすることにものすごい勇気がいるんだよな、何もかも諦めてしまった方が楽だよな、リセットできるならしたいよな、そんな中で、暗闇の中で心を打ったもの(この小説であれば合成音声であり人間対将棋の対戦だ。)が少しずつ自分を支えてくれるんだよなと、共感が止まらなかった。 私は趣味で山に登るが、山で泊まる際に見る水蒸気を含んだ夕陽の橙色は柔らかく、日の出前から登った際に見る清冽な空気を貫く朝陽の橙色は非常に輪郭が明確で、どちらも形容し難い、この世の物とは思えないような美しさがある。しかしながら、この物語の最後に見た、主人公の眼に映った「あさなのかゆうがたなのかわからなくなるような、とてもきれいなけしき」(p.122)は、現実世界には存在し得ない、どちらの美しさも併せ持った、この物語を通じてこそ見ることのできる景色だった。 月並みな言葉ではあるが、この小説を読むことができたことを心から幸せに思う。
0投稿日: 2026.03.21
powered by ブクログメンヘラ女の早口一人語りが最初しんどかったけど、時折り差し込まれる不穏な言葉に引っ張られて最後まで聴けた。
0投稿日: 2026.03.16
powered by ブクログ老いない身体を手に入れた主人公が、自分の家族の歴史を語っていく物語。主人公だけが年を取らずに生き続けるため、家族はやがて亡くなり、彼女は一人で生き続けることになる。 主人公は融合手術を受けているため感情が平坦で、つらい出来事も淡々と語るのが印象的だった。その語り方は、もしAIが身体を持って人間の世界を見つめたら、このように感じるのかもしれないと思わせる。 この作品は家族の歴史だけでなく、人類がこれからどのような未来を迎えるのかというテーマにも広がっていく物語だった。
0投稿日: 2026.03.16
powered by ブクログバーナード嬢曰く(施川ユウキ)で図書委員の長谷川さんが激賞していたので購入、そして一気読み。心の傷を消してしまいたいことってあるけれど、本書を読むと消さないこと、消えないことこそ人の生きた証であるような気がした。
1投稿日: 2026.03.12
powered by ブクログ父の強い勧めで融合手術を受け、不老不死のからだを手に入れてしまった死にたがりの"私"が書く家族史。 父は母によく似た私に執着し、融合手術で生殖能力を失った私は甥っ子を洗脳し、甥っ子は見た目の年齢が逆転した私を求める。 愛情の搾取かぁ…難しかった。
0投稿日: 2026.03.10
powered by ブクログ二一二三年十月一にちここは九州地方の山おくもうだれもいないばしょ、いまからわたしがはなすのは、わたしのかぞくのはなしです──。 冒頭はかなりひらがな混じりでの構成に手こずってたけど、特に一章の終わりあたりから『主人公=___ちゃん』のキャラクターの輪郭のようなものが、徐々にくっきりと見えて来たように思えて、その辺りから物語の核心へ凄まじい引力によって引き摺り込まれていくように感じた。 そしてそれらは全体として、徐々に自身の葛藤やアイデンティティ、そして自己愛が整理されていく様も、一章から三章に向かう中での文体に表現されていたんだと思う。 『ここがすべての夜明けまえ』というタイトルは、間違いなくこのタイトルしか有り得ないと、そう思えるくらい、物語の全てを経て『主人公=___ちゃん』の『これまでの人生=夜』からの旅立ちを描いていたんだなと思える結末だったなー。 いやー、面白い作品だった。 ・ ・ ・ ・ ・ いやだったこと、いたかったこと、 しあわせだったこと、あいしたこと、 一生わすれたくないとねがったこと ◇老いない身体を手に入れた彼女の家族史 2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに父親から提案されたことだった。 かいていったらなっとくできるかな、わたしは人生をどうしようもなかったって。
9投稿日: 2026.03.05
powered by ブクログ25歳で融合人間(サイボーグ)手術を受けた主人公が、100年後にひとりぼっちになり、自分の家族について綴る。平仮名メインの文章は、慣れるまで読みにくいけれど、慣れてしまえば大丈夫。その代わり、家族が一人ずつ死んでいくたびに重たくなってくる。不老不死の不自由さと言うものかもしれない。
0投稿日: 2026.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みにくい文章、この作品のそれは「情報の整理が下手」じゃなくて、「語り手が整理できない」って形で表に出てくる。だから読む側が引っかかる場所そのものが、語り手の引っかかりなんだと思う。読めるように整えた瞬間、逆に嘘っぽくなる内容になる。傷の話を“上手な文章”にしたら、それは化粧になるから。 壊れてるからこそ書ける。壊れてない人はそもそも書かないし、書けないし、書く必要がない。逆に言えば、書くことができるのは、もう日常の中で持ちこたえる手段が残ってないから、って感じにも見える。書くことで記憶や感情の輪郭を掴み、結果としてさらに壊れる。それでも最後まで残った“手段”を握りしめてるだけ。 これは読み物じゃなくて、残骸なんだ。って宣言に見える。整えたら別物になるから、整えないまま差し出してくる。 物語の結びは、最後の「誰かに愛されるより良いことがある」って感触、それなんだと思う。“誰かに愛されて救われる物語”この話はそこに落ちない。というか、落ちたら嘘になる。 世界が崩れて、身体も壊れて、関係も壊してきた末に、それでも最後に「自分で選ぶ」ことは死守する。それが、愛より良いって言われると、冷たいけど、嘘はついてないなって思えた。
1投稿日: 2026.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公が書いたカジュアルな家族史。 主人公は 父の価値観 家族という単位 融合手術という制度 周囲との関係性 が常に前提としてある。 どんな人もなにかしらそういった関係性の中でしか存在できないけど、その関係性を引き受けたうえでどう選ぶかを問うお話だったと思う アルジャノーンに花束を を思い出させるくらいのひらがな長文はかなり疲れた
6投稿日: 2026.02.23
powered by ブクログこれはSFではなく、SF的な純文学。 老いない主人公の綴る家族史の本。 まず、ひらがなと画数の少ない感じて構成された文章に圧倒されました。 アルジャーノンに花束を読んだ経験からこのゾーンを抜ければ驚きの読書体験が得られるかも、と知らず知らず期待を膨らませてしまったのかもしれません。 ・名前が伏せされていることの理由は…… ・文字が拙いことの設定無理やり感と科学的根拠に乏しい ・100年後の未来という体を取ることで感情移入しにくい 私にとっては正直かなり苦行の読書になりました。 読書レベルの高い方は高評価なさっているので私のように未熟者が手を出すべきではなかったです。 何か読み落としてしまっているのか不安ですが読み返したくないです。 本のデザインがすごく美しくてめっちゃいいです。
2投稿日: 2026.02.23
powered by ブクログ・得体の知れないものと対峙するとき、どれだけ積み重ねられるか。 ・ゆるさないことでしか、本当にゆるすことはできないと思う。
0投稿日: 2026.02.15
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あまりにもつらい人生(?)を生きてきた主人公。最後に脳の記録からつらい人生を消去するか記録を改ざんしたほうが、幸せになれるがどうするかと問われたときに、出した彼女の答えがものすごく考えさせられたし、そのページをめくる手が止まらなかった! 「過去と向き合うことと見つめることは違う」「過去を見つめながら、自分のために自分の人生を生きていく」非常に哲学的でどこまでも人間的な考えだった。忘れたほうが幸せ、だからすべてを消去すべきという超合理的な正論に対して、それは正論かもしれないけど、自分にとって納得解ではない、自分の人生に自由と責任をもつため、どんな辛すぎる過去も引っくるめて最期まで生きていく。そんな主人公の意志と覚悟に胸が熱くなった!
0投稿日: 2026.02.15
powered by ブクログ装丁に心惹かれて、内容見ずに購入。 正解でした。 冒頭、ひらがな。読みにくい。がんばる。 幼い女の子の語りから始まるなかに不穏さを感知。 101年間の家族史。確実に過ぎた出来事たち。 101年という長い時間が123ページに凝縮されていた。 最後まで名前の明かされない彼女の101年を覗かせてもらったような満足な読了感。 融合手術、自殺措置、3Dプリンターで人工身体。 SFなんだろうけど、なんというか。 人間、愛、罪、赦し、題材がとても大きいものに感じた。
1投稿日: 2026.02.08
powered by ブクログ身体の機械化で不老不死になった少女の話なのだけど、とにかく淡々と事実のみが記されているようなストーリーで読ませる文章がすごい良かった。全編ではないけど、ほぼひらがなだけで構成されている日記調の物語なので「アルジャーノン」とか「くらやみの速さはどれくらい」みたいな感じ。無機質で感情に湿度が無く、昨今ホットな、AIと会話をした事がある人なら分かる、こちらが欲しい言葉を並べてくれるそれに近い反応が人間ではなくなってしまった主人公を丁寧に表現していた。
1投稿日: 2026.02.03
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ひらがなばかりの文章で名前も見た目もわからない主人公の姿を想像するのが面白い。今よりも技術が進んだ未来だけど、誰も幸せそうではなくて感情がある今の方が、苦しみも多いけど幸せも感じられそうだ。
0投稿日: 2026.01.29
powered by ブクログ人生で、最も苦しく、痛く、そして美しい物語だった。こんな作品を見るために生まれてきたのかもしれない。人間らしさとは何なのか。人間ではないものになって、そして人間になれた「わたし」が目の当たりにした夜明けまえは、「わたし」だけのもので、きっと世界で1番美しい景色だったのだろうな。 わたしをすくえるのは、わたししかいなかったからなのです。わたしはわたしのかんがえでうごき、わたしはわたしがみた、きいた、かんじたことでできていて、わたしをかえられるのも、わたししかいないから。
0投稿日: 2026.01.28
powered by ブクログ平仮名が多く、改行のない文体で、テーマも重いけど、なぜだかスラスラ読めた。主人公は他人の人生を搾取してしまったと後悔するが、相手がそう捉えておらず、自分の人生に納得しているのならそれで良いのでは。別の人生があったはず、と考えすぎるのも不毛な気がする。
0投稿日: 2026.01.25
powered by ブクログ不思議な世界観。一人称である「私」で話が進んでいき、最後まで名前がでることはない。「適合手術」と言う私の中でのイメージはターミネーターのようになる手術を受けた主人公は体のメンテナンスを忘れなければ死ぬことはない。そんな彼女が見つめてきた、父の死や兄弟の死、恋人の死、そして地球の変化について大きく感情が揺れることなく淡々と書かれている。 最初はつまらない本だと感じたが、気がついたら先が気になり面白いと思うようになっていた。 不思議な世界観を味わいたい方にはおすすめの一冊だ。
0投稿日: 2026.01.20
powered by ブクログ久々に読んだSF。最近はミステリが多かったのでついつい伏線とかトリックとか意識しちゃうけどこの本はそういうのも無く自然体で楽しめました。 日記スタイルだけど主人公に感情移入できないのはSFだから? 読了後の気分としてはスッキリでもなくモヤモヤでもなく主人公に対して「がんばって。おつかれさま」という感じ。口調はサバサバしてるけど内容はヘビーなので感情移入したらまずいと自己防衛したのかも。
0投稿日: 2026.01.18
powered by ブクログ2123年、不老の身体を手に入れた「わたし」が、九州の山奥で孤独に家族史を書き綴る物語です。約100年前の現代日本を舞台に、家族の愛憎、ジェンダー、身体性、社会の規範などを独特の文体で深く掘り下げ、現代社会への鋭い問いかけを投げかける作品で、SF的な設定と私小説的な深みが特徴です。
8投稿日: 2026.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
歪んでしまったもの、壊れてしまったものはやり直せないけど、わたしを救えるのはわたししかいないと思えたことで最後の最後に呪いがひとつ解けた気がして涙が止まらなくなった。 血とか恋愛感情からうまれる繋がりじゃなくて、彼女はずっと対等で大切にできる友だちがほしかったのかな。 なぜだかずっと宝石の国のことを思い出しながら読んでた。
0投稿日: 2026.01.12
powered by ブクログSFが好きなので読んでみた。 なんとも掴みどころのない話…。ひらがなだらけのパートは本当に読みにくかった。ずっと書いてないから漢字が書けないと説明があったが、読み物としてどうかと思う。そこは内容で表現するべき。
1投稿日: 2026.01.08
powered by ブクログ約100年後のSF小説か〜、おもしろそ〜、という軽い気持ちで読んだら意外にもハードな内容で面食らった。 ほとんどの表記が平仮名なのも、その異質さを強調しているように思えた。 融合手術により不老になった主人公だけど、やはり生命には寿命があって、悩んだり後悔したりしながら死ぬまでもがきながら生きていくのが幸せなのかな〜と感じた。
0投稿日: 2026.01.07
powered by ブクログ設定がなかなかエグい。短いし続きが気になって一気に読んでしまったけど、どう読んだら良いのか結局よくわからなかった…。
0投稿日: 2026.01.07
powered by ブクログこれは永遠の命を手に入れた少女の物語。 今のわたしにはやりたい事が沢山あって、 時間が足りないって思っているけど、 永遠の命があれば好きなことを好きなだけできるんだろうな。 でも、それって「人生」と言えるのだろうか。 「人生」とは何か、「生きる」ってどういう事なのか。 無限の命を手に入れて、永遠の時を過ごして「明日」を手に入れた少女の物語。 それじゃあね。
0投稿日: 2026.01.06
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老いず忘れない身体になった「わたし」が家族史を綴りつつ、今までの人生を振り返るお話。 家族史や「わたし」視点の部分で仮名が多いところは、体だけでなく心の時間も止まってしまっているような表現に感じられて、読み返すときに1度目とは違った意味合いを感じました。 家族以外のトムラさんと、出会い話すことで、自分自身と向き合い整理ができたのかなと思います。 最後、重いものを背負いつつもしっかりと前を向いて歩き出そうとする彼女が素敵だと思いました。
1投稿日: 2026.01.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
家族の業は繰り返されるという点が印象に残りました。奇しくも最近自分が娘を持つ親となったので、彼女とのコミュニケーションにきちんと向き合わないといけないのだな、と思いました。
0投稿日: 2026.01.02
powered by ブクログ時は2123年、誰もいない山奥に一人の「わたし」。 彼女は融合手術によりほぼ全てをマシン化することで永遠に老化しない身体を手に入れた。 その彼女が語る家族史。 親族は普通の身体を選択したため寿命によりみんな亡くなってしまい、最後は彼女ひとりになってしまった。そんな彼女も最後(最期)の選択を迫られるが、彼女が選んだ結末とは… 私だったらずっと生き続けることを選ぶのかな?って今ならそう思うけど、是非彼女の選択を見届けてみてください。
22投稿日: 2025.12.16
powered by ブクログ#読了 『ここはすべての夜明けまえ』間宮改衣 SF小説には違いないが、読んでいる間、変に切なくて苦しくなってしばらく閉じてあった。続きを読み始めてさらに辛い感情が湧いたが、ラストは穏やかな心地に… 色々な意味で心を揺さぶられる。自分の心が元気な時に読む方が楽しめると思いました。
1投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分の幸せを振り返る日記みたいな本だった。 前半は、主人公が漢字を習っていないので平仮名がほとんど。読みにくいったらありゃしない。簡単な漢字と平仮名が組み合わさっている、芸が細かい...。 融合手術により、ほぼ機会と化した主人公。高度に技術が発達した社会。 最大幸福化できる行動をAIが提示、記憶を改竄し自分の都合のいいように(自分が幸せと思えるように)することが可能になった社会。 何か温度のあるものが抜け落ちている、そんな状況で、自分だったらどんな選択をするか、そればかり考えていた。
0投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログいつかこんな未来が来るのかもしれない。 たんたんと語られる人間の生。 それでも、心は残しておきたい。 ひらがなが広がるページを前に、単語の区切りに苦戦しつつ、だんだん速く読めるようになってくる自分の変化も面白かった。
1投稿日: 2025.12.03
powered by ブクログ2123年、九州の山奥の小さな家に1人住む「わたし」が語る家族の物語。っていうとハートウォーミングな感じがするけど、100年前に身体が永遠に老化しなくなる手術を受け、それにまつわる家族の交錯する思いが綴られ、ちょい重め
2投稿日: 2025.12.01
powered by ブクログ後半の地球の近未来の話はとてもリアリティがあると思った。初めから計画的に人間を繁殖させ、争わない脳をセッティングする。何世代かかけて他の惑星に移住するなら必須なことだと思います。宇宙船の中で戦争が起こったら大変ですものね。 主人公が綴るほぼ平仮名の家族史については個性なんだと思い読みにくさとかは感じませんでした。 トムラさんの記憶のメモリにだけある部分は普通に漢字表記になってるのかな。 主人公の名前だけ最後まで さんって感じで出てこなかったのはどういう思惑があったのかな?
0投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログ死にたかった「わたし」が、なぜか融合手術により永遠の命を手にしてしまう不思議なSF作品。 25歳で時が止まった「わたし」と年老いていく家族の関係を通して、生きる意味について考えさせられる内容になっている。 100ページ以内の短編作品で、難しい言葉がなく、かなり読みやすいSF作品になっている。 AIに頼りっきりで、最近自分でしっかり考えてないなー。って心当たりのある人には是非おすすめしたい一冊です!
0投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ「家族という呪い」 その中で流され、翻弄されてきた主人公。 自分の犯した罪を見つめ、最期には自らの力で結論を導き出す姿に感銘を受ける。
1投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「虐待をしたり、子どもから愛情を搾取する人間に育てられた人間は、いつか誰かを虐待し、愛情を搾取する人間になる、それは感染症みたいに、呪いにかかるみたいにどんどん伝染してしまうんじゃないかって、」刺さったな。何処かで読んだセオリー。妙な本だった。吐く描写がリアルで摂食障害の病歴があるのかなと思ったりした。
0投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログSF小説らしくない小説。 ないことにしたら自分を嫌いになるという 人間じゃないような状態での ここぞでの人間らしさ。
0投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログあえてひらがなや口語を使うことで、本を読んでいるというより本人と対話しているような感覚になるのがとても新鮮だった。主人公の大人になれなかったどこか幼い精神状態や欠落してしまった感情を感じることができた。
0投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む「わたし」 おしゃべりが大好きな「わたし」は、 これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。 それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術、 融合手術を受けるときに父親から提案されたことだった。 老いない身体を手に入れた彼女の家族史。 これはSFなのか、それとも…… 何とも言えない気持ちになる小説だった。 とかく、「わたし」の書く自分史がほぼ平仮名のみの構成で これが読みづらくてしょうがない。 なぜ平仮名で書くのか理由もあり、 ちゃんとした狙いなのだろうが、これで脱落した人は一定数いるはず。 とは言え、なかなかに手強く抉られるような深さに満ちた自分史。 そこに描かれる出来事、歴史はしっかりと心に刺さる。 何とも評価と表現が難しい作品であった。
1投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館にて。 この本、読み終わり直後よりその後あれって?といろいろ反芻して時間が経ってきた後の方がじわじわ怖くなってくる。 最初から最後まで、誰からも人間扱いされていない主人公。 と思っていたがではそもそも人間扱いとは。ひらがなばかりの前半の独白、お父さんや兄弟とのやり取り、死にたいとばかり思っていたのに死なない手術を受けさせられてしまういきさつが淡々と描かれていて、さらさらと読んでしまってから、その壮絶さにぞっとした。 それはその後の康太からの謝罪でなぞられ、もう一度あれ?何かすごいことを言ってる?となった。 家族史として書いているからか俯瞰しているような文章ではあるけれどそれにしても、どこか他人事のような淡白さが余計残酷さ、ここまでの生活の過酷さを物語る。 後半、シンちゃんとのことを後悔するくだり。 この人ならではの優しさだなと思った。 逆に言えばシンちゃんだって主人公の存在に甘えて乗っかっていたところがあったと思う。 結局お父さんと同じ、愛でたいものを愛でたいようにそばに置いていただけ。見た目も若いままなのだし。 主人公はシンちゃんが自分を好きになるようにし向けたと後悔を語っているがそれはそうでもないのではないか。自分が同じように愛してなかったらだめなのか。贖罪ではなく、相手がそばにいてほしいと望んだことを叶えるという気持ちで幸せにそばにいれたら良かったのにとも思ったが、それは主人公の生き方では無理だったのか。辛いことだ。 「I need to know that I have done one thing right with my life!」 「じんせいでたったひとつでいいから、わたしはまちがってなかったっておもうことがしたいな」 自分がしたいことを自分で決めること。 それがきっと間違ってなかったということなのだと思う。 ひとりぼっちだけど、多分、だから希望が感じられるラスト。 ここで初めて題名の意味が胸に迫ってきて、景色がぱっと広がるようだった。 この景色を見ることができて、この本を読むことができて本当に良かった。
1投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評判が良かったので読んでみた。 未来のお話。そんなに遠くない未来、こんなふうになるのかな?無機質なつるんとした関係。 ラストの さんの自我のようなものが私を勇気づけてくれた。不思議な感覚。 漢字を書くのが面倒だと画数が多い漢字は使用していないのだが、かな文字と漢字の混ざり具合が独特でこわい。これまたスペーシー感が出てるテクニックのような気がする。
0投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログ口語調で書かれているため、日記を読んでいるような気分になる。まさに家族史! ひらがなが多いのが読みづらいが、融合手術を受けたロボット?のような無機質さを感じ、よくできてるな〜と思った。 短くあっさりした雰囲気で描かれているが、死にたいのに一生死ねない身体になったこと、自分のせいじゃないのに自分が生まれたと同時にお母さんが亡くなったことで家族に恨まれていることなど、主人公はかなり辛い境遇であった。 融合手術で老けない体になったら、たとえ叔母だとしても、恋人になってしまうことは起こりそうだと思った。 未来のことが書かれており、2123年はこんな風になっているのかもと想像しながら読めた。
0投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ昔からあまりSF作品は読んだ記憶が無かったのですが、事前情報も何も無くなぜか読み始めました。 なので冒頭からどこまでこの読みにくさは続いていくのか!と… 高校生の時に読んだアルジャーノンを思い出したりして、妙なタイミングでエモーショナルな感じになったりもしました。 話すことが大好きで、壊滅的な家庭環境の中で育った「わたし」が融合手術なる手術を受け不死を手にした先にある未来。 途中世界が広がるのかと思ったら、余計に狭い世界に入り込む感じが何とも言えない感情に押しつぶされそうでした。 私は家族史と言う言葉を使う事はないと思いますが、家族やこれからの私達について、凄く考えるきっかけをくれた作品でした。 2025年8月10日
1投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログページ数の短さもあって、夢中になって一気読みした。 主人公にとって辛いことが、なんだかぼやかされて書かれている気がして、本当に手記っぽいなと思った。 家族のこと・されたこと・してしまったこと・どうしようもなかったことに対して、最後に決めた結論が、私は好き。
2投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログ積読チャンネルで見て気になったので。 動画を見たのが前だったので内容もあらすじしか覚えておらず新鮮に読めた。 家族、父との関係が歪すぎて気持ちが悪かった… 主人公は手術前のことうろ覚えだったりするから色々あったんじゃないかと思ってしまって吐き気。 無理やりのように手術した後も勝手に落ち込んで放置して全てが最悪だし諸悪の根源。 兄姉達との関係も悪いし本当に可哀想… 無自覚に搾取されていた主人公が、その後に無自覚に他の人の人生を搾取する構図もかなり歪んでいた。 お姉ちゃんも可哀想だけどまあ利用していた部分もあるし自業自得感もちょっとあるね。 シンくんの人生は側から見たらメリバじゃないか…でもクズめの行動してるし、家族みんな自己中だったのかな。 読後感は悪めかも。 やっと地球が滅ぶ頃に自由を手に入れて良かったね、という気持ち半分色々もやもやが半分。 最後らへんの新人類との会話が機械的だったけど1番まともな会話のような気もした。
0投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ人間性とは不合理があたりまえなことを指すのかもしれない。ならば「人間の進化」は、人間らしさを捨てていくこと ワクワク5 展開5 読後7 再読3 構成6 学び3 文表現7 人物5 深み5 余韻6 合計:51/100
0投稿日: 2025.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
始め平仮名ばかりで読みにくく、いつのまにか漢字も混じった文章になり、また最後に平仮名文に戻ってた。そういう所でも何か変化を伝えてるんだろうな。でも読みにくい。
0投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ特異な状況設定で生きる主人公や登場人物を通して、 「人として生きる」ことをビビットに描いている。 読後に、どこまでも、どうしようもなさを突き付けられた。 私には共感しようのない状況の主人公ではあるのだが、しかし、結末含め、主人公に共感する部分を確かに感じる自分がいた。 また、未来描写は、私は、非常にリアリティを感じてしまった。 とても、面白かった。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログとても幸せな読書体験だった。 ページ自体が少なく、2時間もかからずに読み終わってしまったけど物語の雰囲気が本当に好きだった。 一昔前のセカイ系の雰囲気が一番近い。 ただ著者が若手の方なのもあって今時の文章で読ませてくれるのは新鮮だった。 終末の前の黄昏時のような穏やかな時間がずっと続いていく感じ。 基本的には主人公の独白がおだやかに淡々と続く。 この本の好き嫌いが最大に別れそうなのは、全3章のうち2章が主人公の独白でほぼひらがな表記なこと。 最初読みにくいのは嫌だなと思ったが、慣れると全く気になることはなかった。 アルジャーノンはずっと慣れなかったが、本作では全く気になることなく、むしろ世界観をより濃くしてくれていると思う。 アルジャーノンは翻訳ということもあり合わなかった気がする。 SFだが重厚な設定などではなく、孤独とは寂しさとかそういう感情をとても気持ちよく描いてくれている。 他にも著者が描きたいテーマ性のようなものも感じられるが、それ以上に物語全体の世界観が自分的には大当たりだった。 色々なところに余白があり、見えない世界を想像できる余地も気持ちが良かった。
1投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログこの本は音声化や映像化出来るだろうけど、それをすると「1番の旨味」が無くなってしまう、まさしく読書「体験」が1番の旨味、そんな本でした。 文章を読むという体験。 歪さこそが人間らしさだ、ということを否定も肯定もせずにただ事実として文章になっている。 最後の数ページ、私は形容しがたい感情でページをめくった。
0投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みきったものは☆5にするという自分のルールで、高評価にしたのですが正直に言って(私には)面白くなりませんでした。 どこかで面白くなるだろうと期待し読み進めましたが、残り半分を切ったあたりで、これは読んでから罵倒するタイプの読書だと割り切りました。 「ゆう合手じゅつ」を受けて老いない体を得た女性が語る家族史です。 テーマに虐待、尊厳死、気候変動、身体性、人工知能、身内との恋愛など扱ってますが、どれも効果的に働いていません。知識として得た情報をもとに書いた、表面的なものに感じました。主人公の視点が幼く、しかもあらゆる出来事をなんだかんだ「わからない」と受け入れる(または放置する)ので、深みもなにもあったものではありません。もちろん経験したものだけ書けなどとは言いませんが、こういったテーマを取り扱えば読者が感動するだろうって感じはよくないですね。まぁ若くして読めば、受け入れれたのかもしれませんが。 あと本書を特徴づけるひらがなが多めの記述ですが、 「マシンの手だからつかれないのはいいことです、でもいまマシンてかいたのは機械の画すうがおおくてつかれなくてもとてもめんどくさいからです、めんどくさいものはだいたいひらがなでかいてしまおうとおもいます。」(p5) などと書かれています。暇で始めたんだから、手が疲れないんなら漢字で書けよ、って思いますよね。ただ読みにくいだけの文章を読ませていて、これはいくらなんでも読者に失礼でしょう。語り手の精神年齢が低いのは、内容読めばわかるから。 と、この時点(p5)で読むのをやめれば、よかったのに、どこかで面白くなると期待して読んでしました。トホホ。 ほんとつまらないのなら初めから、つまらないと書いておいてほしい。 なんでハヤカワはSFコンテストの特別賞あげたんだ?三島由紀夫賞の候補作ってマジ?
34投稿日: 2025.09.16
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「人生たった一度でいいから正しいと思えることがしたい」正しいって何だろう、人を傷つけて初めて気づくこともたくさんある。でも先人たちの教えで確かなのは、自分で自分を愛すること。それが一番難しくて正しいことなのかもしれない。 P122 「だれかにあいされるよりもいいことはある(略) やっぱりわたしはおしゃべりがすきだから、だれかとおしゃべりしながらいけたらもっといいだろうけど、それもなんとか、わたしだけでもやっていけたらいいな。 そして、こころうごかされるものを、たくさんみつけられたらいいな。 いつかうんよく、またどこかでだれかとあったら、そのときはともだちになりたいな、たぶんともだちがいちばんいいな、かぞくよりもこいびとよりも、たいせつにできるとおもう。 でもまずは、わたしはわたしと、ちゃんとともだちになるところから。」
0投稿日: 2025.09.15
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過去に端を発する苦しみを消去して幸せに生きるか、苦しみを(向き合うのではなく)見つめながら幸せに生きようとするか... 人生における「幸せ」って何かわからないね〜 何となく幸せについて、以下で考えてみる。 幸せっていろいろな場面で感じられる。例えば、人間らしく生きることが幸せとか、争いのない平和な日常が幸せとか、愛する人と共に生きることが幸せとか、趣味に没頭する瞬間が幸せとか、人の役に立てて幸せとか... でも、どれも幸せではない瞬間があるはずなのに、そのことは言及しない。当たり前だけど、人間らしく生きて不幸せに感じることはあるし、日常の中で不幸せに感じることはあるし、愛する人といても不和などで不幸せに感じることはあるし、趣味にいつも没頭できるとは限らず趣味で不幸せに感じることはあるだろうし、人の役に立とうとした行為がそうならずに不幸せになることもあるし... 今回最後主人公は宇宙に旅ただずに、地球に残って、有限の命の限り旅することを決意した。宇宙船に乗ればほぼ無限の命の中で、「みんな」の中に自分も加わって生きることができるのに... けど、生きること=幸せ、なのだとしたら、今生きている人間はみんな幸せということになる。けど、そんなはずはなくて。生きてるだけでは幸せにはなれない。生きることは幸せの必要条件ではあるけど、十分条件ではない。 たぶん、幸せのためには、「私の選択」が必要なんだろうと思う。その選択は他の誰でもなく、「私」がする必要がある。きっと主人公は自分でした選択だから、未来において幸せを思い描けたのだと思う。たとえそれが瞬間的なものであったとしても。 もし未来で不幸が訪れたとしても、また新たな選択肢を考え、そのなかから私が選択をすればいい。そうすれば幸せはきっと感じられる。人生において私が選択する回数をいかに増やせるかが、幸福の実感を多くもたらす上で、必要なのかもしれない。
0投稿日: 2025.09.01
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2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに提案されたことだった。 ほぼひらがなで書かれた文章で最初はとても読みにくかったけど、話に引き込まれ、読み終えてすぐにもう一度読み直した。主人公の事をもっと知りたくて。 淡々と書かれた文章。ずっとずっと底無しの孤独の中で生きてきて、いつしか感情が麻痺してしまったのかな。 絶望の中で生きてきたのにこの子は優しい心を失わなかった。使う言葉もすごく丁寧。 気づいたんだけど、この子は自分の事を語るときには「めんどくさいから」という理由でひらがなで書いているのに、人から言われた事はちゃんと漢字で書いている。無意識に、他人を尊重しているのかな。それが、自分を傷つけた存在であっても。 最後に、「辛い記憶を消して幸せな記憶を埋め込む」ことを選ばず、「自分を見つめる」事を選んだ「わたし」。わたしはわたしでしあわせになりたいな。という言葉がぐっときた。 結局最後まで名前を知ることはできなかったこの子。 どうかきれいな夜明けの景色が見られますように。
0投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ短くて読みやすかった点がまず良かった。 不老不死系特有の切なさが漂う作品。 あと、シンちゃんの時間を奪い尽くしたんでしたっていうフレーズが個人的にかなり響いた。 自分も誰かの時間を奪い尽くすことにならないといいな。
0投稿日: 2025.08.22
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ほぼひらがなで書いてあり読みづらさはあった。内容は重めで死ねない身体になった人が過去の家族との出来事などを独り言の形で語られていく。安易に普通というのは言いたくないが環境によっては人間の持つ普通の喜怒哀楽の感情を無くさなければ耐えられないこともあるのかと悲しくなった。だから彼女は死ぬ事を選んだ。しかし生かされ改造死ねない身体にされた。自分の好きなことをなにもしていない人生ほど無駄なものはない。最後は自分がしたいことを語れていたので確かにそこに感情があったことは幸せだったと思う。
0投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログ老いない身体を手に入れた女性が語る彼女の人生。彼女の交友関係は非常に狭く、百年に及ぶ歳月の中で唯一関わりがあるのは彼女の父親、兄のこうにいちゃんと二人の姉まりねえちゃんとさやねえちゃん、そして甥のシンちゃんだけ。本書はそんな彼女が紡ぐ彼女の家族史です。 設定もあって、ほぼひらがな表記で進行します。読みづらくて、取っ付きにくい印象があるのですが、次第に慣れてくると、彼女の不思議な人柄とすこし奇妙な家族関係に惹き込まれます。彼女は決して多くを語るわけではないのですが、僅かな語りの断片から、父親や兄妹、姉妹との関係、それぞれの人柄を想像できるのは不思議な感じです。そして、物語は終盤、彼女がその人生に一定の見解を示す場面では、ほんわかして単調な語り部に油断をしていたのでしょう、「あ〜、まじか。そういう結論に至るんか。。」と虚を突かれてしまいました。 本書が印象的だったのは、この不意をつかれたことはもちろんなのですが、彼女の見解に得心を得るというか、妙なカタルシスを感じてしまったことにあります。そんな風に感じるのはもしかしたら私だけかもしれませんし、それはただ単に私がまだまだ若く、考えが浅いだけなのかもしれません。でも、人を愛するとか、愛されるとか、自分のエゴを押し付けたり、押し付けられたり、普段生活しているだけでは気にすることのない心の動きであったり、無意識に蓄積されていく感情というものが、なんだかこの小説を読んでちょっと露わになった気がします。言い過ぎな気もしますが。。笑 いずれにせよ、なんだか心に残った作品でした。 最後に心に残ったフレーズを備忘がてら記しておきます。 「いやだったこと、いたかったこと、かなしかったこと、くるしくてこんなのはやくわすれたいとねがったことはもちろん、うれしかったこと、たのしかったこと、しあわせだったこと、あいしたこと、一生わすれたくないとねがったこと、そして自分がだれになにをしたかもすべて消し去ることができるんだって、もうおかあさんのことすらおもいだせないようすのおとうさんはこれで死んだんだなっておもいました、ここにいるのはほんとにただのどうぶつだ。」 「子どもから愛情を搾取するなど、一生一生一生やってはいけなかった」 「人間から人間へ、罹って罹らせて繰り返してしまう何か、自分の力だけではどうしようもない何かが、生まれて生きるの中にあるんでしょうか、わたしにはどうにもできなかったんでしょうか」
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログSF作品です。ひらがな多めです。 全体で120ページ位なのでさっと読めますが、 内容は深く重たいです。 そしてなんともせつない気持ちになりました。 将来こんな社会にしないように、今、やらないとなという気持ちになりました。 読んでよかったと思いました。
52投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
わたしはおとうさんの強い勧めで「融合手術」を受けて25歳のまま永遠に老化しない体を手に入れる。 家族と恋人が死に絶えたあと人生と家族を振り返り「家族史」を書く。 わたしが書く、おしゃべりをするような、それでいて、どこか湿気のない乾燥した「家族史」によって、わたしの家族について、わたしの環境について、恋人のしんちゃんについて、知るたびにどんどん引き込まれていきました。 人を愛することや、幸せや、過去と向き合うことなどが、不思議な角度で、しかも深く、心に刺さる話でした。 じんせいでたったひとつでいいから、わたしはまちがってなかったっておもうことがしたいな。 I need to know that I have done one thing right with my life! この本を読みながら少〜し思ったのは、もしも「星の王子さま」が、地球の終わりのデストピアで、王子さまもバラも、小賢しくて、小ズルくて、王子さまが旅にでて会った人々が家族なら〜僕やキツネがAIなら〜この本のようになりそうだなぁ。
78投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログラストが切ない。 話しているように書いているので読みづらかったが、オーディブルで聴くととても良かった。
0投稿日: 2025.08.13
powered by ブクログ[こんな人におすすめ] *ChatGPTがあまりにも便利で、人間の思考や判断もいつかはAIに取って代わられるかもしれないと不安に感じている人、あるいはAIにすべて委ねて気楽に生きたい人 想像を超えた未来が待っていたとしても、(争いに巻き込まれない世界であれば)最後は自分が判断しなければいけないことに気付かされます。最終決定権が自分にあることがどれだけ幸せで素晴らしいことで、しんどくて恐ろしいことか知ってしまうかもしれません。 [こんな人は次の機会に] *通勤、通学時間やちょっとしたすきま時間にサクサク読み進めたい人 薄くてすぐに読み終わりそうな見た目に反して、「君たちはどう生きるか」ぐらい読みごたえがあるのでご注意ください。
3投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ここ1年で一番面白かった。ディストピアものじゃなければ芥川賞もあったと思うくらい、考えさせられる物語。 特に虐待されて育った子が、それを乗り越えるには、家族全員が亡くなって、さらにロボット技術で200年生きる必要があったと思うと、とてもせつない。 ただ、3章が全て平仮名なのは、もしかしたらすでに脳がロボットに乗っ取られているからなのでは、というのは邪推しすぎか。
1投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログ分量もコンパクト、語り方も面白い。一気に読めた。 シンちゃんになんども好き?と聞いて、すべて受け入れて、好きにさせて、人生を奪った と申し訳なさそうにする主人公 本来ならば手に入れられた人間同士の幸せを歩めなくとも、幸せな人生と言いながら死んでいったシンちゃん 話し相手になってくれてありがとうとシンちゃんに感謝をする主人公 その記憶を消さなかった主人公 この記憶を持ってなお、幸せを探す主人公 幸せって、ホント自分の尺度次第だよなあと思ってしまう。
1投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人のことを手に入れるなんて、本当の意味ではできないんだけどね。 恋人にそう言いかけたことがある。 人のことを手に入れるってどういうことだろう、好きになるってどういうことだろう。 例えば恋人が誰か他の人と関係を持ったとして、私は悲しいのだろうか、悲しんだほうが正しく恋愛感情という意味になるのだろうか。 悲しくない"好き"ってじゃあどういうものなんだろうか。 この本も許しと、人との愛の関わり方の話だったなと思う。 愛の搾取と、そうじゃない愛ってどう違うのだろう お互いにおんなじ気持ちを向け合えていればそれでいいのだろうか。 シンちゃんはほんとうに搾取されたんだろうか。 しあわせと言って死んでいったならそれでいいんじゃないか。 どうしてそれを搾取だなんて言えるんだろう。 なんだかそう思ってしまう。私にまだ子供がいなくて、育てられる側のシンちゃんにしか感情移入できないからかもしれない。 でも、育てる側がどんな気持ちであれ、シンちゃんの思いはシンちゃんのもので、他人が審判できるものではないんじゃないか
2投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログうん、漢字は偉大だね。 習得するのが大変だけど、習得すると便利な物、 車・漢字・パソコンって聞いたことある。 読みづらかったけど、慣れたら割と一気に読めた。
8投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログこういうタイプのSF小説、昔好きで良く読んでたなー。不老不死の機械(?)の体。文章も構成もよくできていてあっという間に読んでしまった。この著者の本もっと読みたいと思った。
0投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログファンタジーと現実が混じった内容。 漢字が極端に少ない部分は読みづらかった。ひらがなだけだとこんなにも意味を理解するのに時間が掛かるんだ。 読後は疲労感を感じた。
7投稿日: 2025.07.10
powered by ブクログ星野源がこの本を推していたけど、読了してなんとなくその理由が分かった。 人間のどうしようもないくだらなさとか、醜いところとか、無駄なところとか、つい犯してしまう過ちとか、それでも美しいものを求めようとするところとか。 そういったものを肯定してくれるような内容だなと感じた。 決して種の合理性には迎合しない、バグみたいなもの。 でもその一つひとつが、自分たちの生きた証になっていく。人生を彩っていく。 生きる意味ってなんだろう?という問いにふと陥ったときに立ち戻りたい、お守りのような物語。
1投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表紙に冒頭の文章が載っていて、興味を惹いた。いざ読んでみると、ほとんどひらがなの文は読みにくい。(途中から漢字増える)ただ、淡々と融合手術を受けた自分の状況、家族史、シンちゃんとの関係などが綴られる。100年後、人類が住めなくなり宇宙へ飛び出すことになる様子も描かれており、地球の未来を案じてしまう。
0投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログほとんどひらがなのなんともよみにくいぶんしょう。 だいぶ積みっぱなしにしてたので、そもそも何に惹かれて購入したのかも記憶がない…ひらがなだけの文章も読みにくく根気よく読むしかない…3部構成の文章は後半に進むにつれ切なくなってくる。 特に、シンちゃんのひまわりに対する思いと主人公に対する思いは興味深い。心理的依存のドミノ倒しのような状況なのか。どれだけ心理的に満足していても欲望は存在するのか、そういった自己矛盾を孕みながらでも人は生きていける。主人公のシンちゃんに対する気持ちも同じかも。 好きとか生きるって何なのかとか、そんなことをずしんと心に投げかけられたような感覚。最初の読みにくさから考えると読後はとても肯定的な気持ちになってる自分を感じました。
13投稿日: 2025.07.03
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最初は主人公の暗い感じが今の気分ではなくて読むのやめようかなと思ったけど、なぜか止まらなくてシンちゃんの人生を破壊してしまったと語るところはなぜか涙が出そうになって、結局一晩で読んでしまった。 自分たちの住んでるこの世界もこれからどうなっていくんだろって思うとこあるし、今をあと100年も経ってから振り返ってそんなこともあったんだって思ってくれる人がいるのかもわからない。人生を後悔して生きていくより、見つめて生きていこうとする主人公に最後は少し好感が持てた。
2投稿日: 2025.07.02
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生きる気力がない「わたし」は父の勧めもあり、101年前(2022年)に融合手術を受けて老化しない身体を手に入れる。手術を受けた同じ日に生まれた甥と恋人関係になり… 一人称で書かれていて殆どがひらがなの書き出し。読みにくいのでゆっくり読んでいくしかない。人間味がないようだけれど、将棋の話になると漢字が多く読みやすくなって、スラスラと読める。このスラスラ感が主人公が話したくて早口になって語っているんだろうな、というのがわかります。 そして振り返り決断する部分は通常の漢字まじり。なので、主人公がはっきりと思考しているのがわかります。 最期は、ひらがなとカタカナだけの文章…やっと本当の自分と向き合って人間らしくなれた。体も限界がきて納得して、これで良かったと思える終わり方。ストーリーだけでなく、文体の違いでこんなに気持ちが伝わってくるのが凄いです。 芥川賞作品を読んだ後のように、なんだかわからないけれどジクジクと心に突き刺さる読後感でした。
41投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ頭でずっとアスノヨゾラ哨戒班が流れてた。 読み終わってしばらくは「え、終わり?」ってポカンとしちゃったけど、その後じわじわ思い返されてなんかずっと頭に残った。 人生の感想戦(将棋)をやったって仕方がない。 新人類は、先に進むことしか考えない。マイナスの感情は不要なもの。効率が悪い。 そういう風に生きられたらなぁと思うけど、マイナスの感情も時には必要やし、そこに共感できる感情も必要だなって思う。憂いだり、悲しんだり、寂しがったり、それが人間らしさだと思う。 あの子の友だちになりたい。ずーっと一緒に旅してきて、わたしも地球に残るからね、友だちだからね、って気持ちになってる。今。 人が成長するのって時間がかかるし、その時自分が受けていたことに対して考えられるようになるまで、人によってかかる時間も変わる思うけど、この子にはそれがすっごく長かったんだろうな。 この子が今までのことを受け入れるには、 101年が必要だったのかなぁって。 2章から急に漢字が増えて読みやすくなるし、精神年齢も上がったのかなって思うけど、 最後はまたひらがなだけになって、誰のためにも書いていない、ただ自分の為だけの記録…のように思えて寂しくて切ない。
12投稿日: 2025.06.23
powered by ブクログシリーズものを一気読みした後だから、軽く読めそう(100ページも無い!)な本書に手を出した。 文章は軽いというか、フワリとした感じ。体のほとんどが機械となっている主人公。彼女の調子が悪い時は文章も平仮名ばかりのチグハグしたものとなり読みにくさもある。ただ内容は様々ぼかしはありつつも重めでした。読み終えた直後では何といっていいやら‥です。 主人公の後悔とか愛情を求める気持ちとか、誰かと話したいと感じることとか、そういうものひっくるめての最後の決断。合理化されていく未来という舞台の中で、消えない人間性が逆に強く示されていた気がします。
47投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2122年にサイボーグ融合手術を受けた少女が2123年までの家族史を語る。ひらがなの口語口調で書いてはいるのだが、まさに饒舌に語っている。しかしながら、思いが吐露されず無機質に家族の死が伝わるだけ。2123年の地球は環境問題、災害等により破滅寸前で、能代の宇宙基地から地球脱出をしようとしている。 最後になって「じんせいでたったひとつでいいから、わたしはまちがっていなかったとおもうことがしたいな。」と述懐。
1投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログ読みにくって最初思ったけど、気がついたら読んじゃった。この読みにくさも本の世界の雰囲気を醸し出しており、さらに注意してみれば読みにくい然しているかと思いきや、実は読みやすい文章だった。平仮名だらけだが、最低限の漢字を適地に的中させているため、スムーズに読めた。結果、主人公の何となく幼い雰囲気を醸しながらも、読みやすさを残す。計算高い。 この計算高さはストーリー展開にも現れる。伏線のバラマキと回収が心地よい速度で行われ、本来気持ちが滅入るディストピア的な世界設定にも関わらず穏やかな気持ちで本を読み進められた。 テーマも今の社会にピッタリな内容で、本の世界から外れて現実世界の事についても思いを巡らした。AIやデザインベイビーとかの倫理問題について。どこまで改造したら、それはヒトと呼べなくなるのか、生き物では無くなるのか。それを判断するのは、改造前の非合理的で感情的な人間によってされること。ただ、その感情的という事の排除こそがヒトからロボットに変わるボーダーの気もする。作中にある「この演技は人間にしかできないなあ」という台詞、つまり感情の真似ができるか、不合理な感情を理解できるか、これがボーダーなのかな。 感情的なヒトか、合理的なロボットか、どっちがいいのか分からないし、それを感情的な思考に支配されてある私達が判別できるかも分からない。ただ、何にせよ相手を理解する姿勢は大事だと思った。
2投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ不思議な完読後感。 途中、以前読んだ『アルジャーノンに花束を』を思い出したけど、全然違う。なぜか『コンビニ人間』に似てると思ったが何故だろう。『チグリスとユーフラテス』にも近いのかな。 人間らしい感情、というかそれが実際何なのか上手く言えないが、人の情というか、心というか、そういうものがどんどん無くなっていく世界が書かれてる気がした。ひっそりと怖い。 将棋の対局の後の感想戦を人生に結びつけて、「本当に何かなかったんでしょうか」って考えるのってすごい。そうきたかーと唸ってしまった(笑)。 より良く生きるために、辛い過去を消去、あるいは調整(改ざん)して、喜びを最大限にして生きていく。幸せになってはいけないひとなどこの世にいない。、、、なんか半分合ってて、半分違う?感じがする。理屈はわかる。とても効率的。でも。。と考えてしまう自分はもう古い人間なのか。進化についていけてないのか(笑)。 どんどん思い出しだ順に羅列していく家族史に興味が湧き、一気に読んでしまった。主人公と同じで「自分だけ幸せになっていいんでしょうか」と私も誰かに聞きたいときがあった。(別にそんなに不幸でもないし、劇的に幸せでもなかったが。) とても考えさせられる近未来の話。私は面白いと思った。
14投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ不思議な小説です。設定から言えばSFだしハヤカワSF コンテスト特別賞をとった作品。しかし、ハインラインの『夏への扉』の様に、SF的背景を持ちながらもSFと言う範疇に納まらない作品であり、どこか阿部公房の『他人の顔』や『第四間氷期』と似た雰囲気を持ちます。間宮改衣さん、まだ定まらぬ作家さん。幾つかの雑誌投稿はあるものの、出版された作品はこれ一冊ですからね。 消化器系の疾患ゆえに25歳の時に融合手術(人工の肉体に脳を移植。メンテナンスによって永遠に若さを保つ)を受けさせられた主人公とその家族の物語。妻に似た主人公を近親相姦的に熱愛する父。主人公の出産時に母が亡くなった事で主人公と距離を置く長兄と長女。そしてやや身近な次女と、主人公に恋する次女の息子。 術後100年、家族が亡くなった後で主人公が書く平仮名ばかりの家族の物語はどこか幼く。熱を持たない主人公の人工の肉体を忌み嫌い、一人閉じこもる内に痴呆になった父。最後に打ち解けた兄。主人公と甥の関係を知り自殺した次女。性行為ができない主人公を愛しながら別の女性と性行為をしていた甥。 最後に滅亡が近づいた地球に残された希望の地に辿り着いた主人公は・・・。 なんかグイグイとひきつけるものがあります。愛とは何かという問いを様々な角度から描いて見せた作品。
9投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ一気に読んだ今、主人公わたし の語りから、何を受け取るべきなのかよく分かっていない。私としては、ひらがなが多いことや文章が拙いことが、どこか主人公と距離を生み、他人事として淡々と主人公の語りを読むことになったため、読み終わった今ぽけーっとした感覚になっているのかなと思う。
1投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログうーん、登場する人みんな好きになれない。 なんならうっすら気持ち悪いし。 機械だからとかじゃなく心根が嫌い。 この本を読んで良かったと思うのはミリしらだったボーカロイドの曲を聴いてアスノヨゾラ哨戒班を知ることが出来たことくらいかもしれない。 出てきたやつ一回ずつ聴いてみたけど断トツで好き。 色々好きになれない人たちだったけど、最後の方に主人公が考えたことは少しだけ好感がもてた。 もしかしたらどこかで作者が説明しているのかもしれないけど、主人公の名前が空白になってるのって同じ名前の人やその名前の人を好きな人が微妙な気持ちにならないように、とかだったりして。 被害者だけど加害者だし名前のない父の次に罪深く思える。
4投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ独り言で語られるストーリー、この人融合手術で不死になり永遠の25歳みたいだけど、漢字の勉強しなかったようで文章に漢字の配合率が低くて読みづらいので忍耐強くページをめくる必要がありました。 死にたいって思ってた娘が死なない体になってしまったのだから不遇な訳で、淡々と生きて家族史を語る。 家族や親類の死を見送りながら自分だけが生き続けるってこれは罰ゲームのようです。お金には不自由しない家庭の人なのでそこから派生する要因は省くことができるのですが、脳がバグりそうでした。AIも進化して、多幸感を与えてくれたり、最善手を示してくれる。人にしかできない選択ってなんだろう。 愛されるように仕向けて、他人の人生を搾取したとか、長く生きてるといろんなこと考えるんだなって思いました。 近未来の設定から既成の価値観が崩れていく、地球温暖化に海面上昇、自殺することも合法になり、テクノロジーが幸福に導くとゆうイレオロギーの元、過去の記憶まで捏造し幸福感を味わえるとかっw 生存能力を向上させることが幸福につながるのか、自由な意思決定にも意味があると思うし、繁殖を伴わない恋愛にも意味があるだろう。進化を目指したりガラパゴスに留まるのも、我想うゆえに我ありって感じで尊重したい。 最後数ページになると漢字が全く使われなくり、ひらがなとカタカナだけになったのですが、姿勢を正して読むことができ心に響きました。
122投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
老化が止まり、心も動かくなった事で、手術を境に時が止まったかのような「わたし」。人々が消え去った後のこの世界で、主人公は淡々と家族の歴史を紡いでいく。 上記の設定は私の好みにあってはいたが、一人称でありながらも主人公の行動や感情が表面的にしか描かれておらず、終盤まで正直なところ退屈さを感じた。 物語の終盤では、主人公が家族の歴史を振り返る中で自己を見つめ直し、自分が家族を愛していなかったことに気づく。シンに対して過ちを犯し、その記憶を消す選択肢もあったが、彼女は人生の終わりまで過ちを抱えながら生きることを選ぶ。それが彼女にとって、唯一自分らしく在れる生き方だった。 人間や機械ならば、どんな形であれ、不合理な記憶は消えてしまうかもしれないが、その中間にいる彼女は、ただ見つめ続ける選択を選ぶ。最も無駄で意味の無い選択肢が、彼女らしくて好ましい。 当初は、人と機械の違いを描く作品だと思っていたが、きっと、そんな頸木に捕らわれない、「わたし」の人生を書いたナラティブな小説なのだと思う。
1投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログSF感があまりなく、人間関係などが中心なので、読みやすかった。ただ、設定のせいか「死」に関する感覚や捉え方がどの登場人物も軽いように感じ、そこだけ気になった。
0投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログ一気に読みました。 地球の未来はこんな感じなのかなぁ いやいや、小説ですから… と切り捨てられない真実味がある。なんか虐待とか愛とか盛り沢山なんだけど、この話の先の作者の考える未来も知りたくなりました。辛いこと苦しいことは記憶から抹消出来て、愛に溢れた幸せだけを記憶に残せる生き方。恋人は何人いても誠実ならOK。生きるとは何か、哲学っぽいことまで考えさせられる本でした。
1投稿日: 2025.05.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あまりにも良かった。買おうかな。 ひらがなばかりで始まる、幼い印象を受ける拙い話し言葉から繰り出される近未来的な世界観、に混じる同世代として反応せざるを得ないボーカロイドとか、本人の認識のふんわりとした表記からは私にはわからなかった搾取と虐待、それを繰り返してしまった後悔、愛せないこと、自分の人生をこれから文字通り歩くこと。 「後悔」、これも画数の多い漢字だな がここに来るのね…。 もういっかい初めから読んでみよう。 私は虐待を取り扱う内容が正直好き(すごく嫌な表現だな)で、それは自分にもわずかながらイメージできる地獄だからなのかなと思うなど。
0投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログ機械の身体になり25歳の外見のまま生き続ける女性が主人公。彼女が記した家族史を読む形式で話が進む。漢字が少ない読みづらい文なのに読んじゃう。 歳を重ねることでお互い丸くなってなされる和解や意見交換や相互理解、老いによる考え方の変化。自分ひとりだけ老いないことでそういったものが訪れなかった主人公の人生ってどうだったんだろう。 自分の人生を自分で選べない諦観のようなものを持っている主人公は、家族史を書いたりこれまでの人生について人に聞いてもらうことで自分について考えるようになったのかなと思った。終わり方も好きだった。
3投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログハヤカワSFコンテスト特別賞を受賞した作者のデビュー作。キノベス(紀伊國屋書店の店員が選ぶベスト10)2025の2位に入っているということで読んだが、はっきり言ってとても読みにくかった。 設定が、脳だけ残して残りの身体は全てロボット化する「融合手術」を受けて他の家族より100年以上永く生き長らえた主人公がその人生を紙に書く(途中からはメモリに記録?)ということで、ひらがなが多すぎて(一部漢字だが、単語の一字だけだったりして)読みづらかった。 最後は滅びる地球に一人残り朽ち果てていく? 福岡が舞台ということだけで3つ星。
1投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログ機械との融合手術を受けた主人公が、術後100年経って家族が全員亡くなり家族を書く というお話 ずっと話し言葉で進んでいくのです これまで読んだことのないタイプの小説でした 本人は自分のことを卑しいやつだとなじっていたけど、機械の体がほころび始めて死期を悟った後のひらがなばかりになった終盤の文章は慈愛と希望に溢れていたと思う そして、そんな文章を書けたあの子は心根は優しいんだと思うんだ Orangestarのアスノヨゾラ哨戒班やポケモンのソード/シールドなど、私もよく知っているコンテンツの名前が出て嬉しかったし、現代の小説だ…とも思った
48投稿日: 2025.05.02
powered by ブクログSFとか純文学とかのジャンルで書かれた話ではなく、この小説がこの形であるべき形としてできている。そういう意味で、とても好き。 ガンダム的に言えば「ニュータイプ」のトムラさんとわたしの会話がいい。トムラさんとの会話は、兄と自分の会話が逆転したような構造になっていて、それが「ニュータイプ」でも「オールドタイプ」でもないわたしの孤独を助長させて哀しいのだけど、だからこそ、チグハグだけど向き合おうとし合うトムラさんとわたしがおかしくて眩しい。 この後は個人的な好みではあるえど、読み終わった後に「毒親小説」だったな、と思ってしまう小ささというか物足りなさみたいなものはありました。
2投稿日: 2025.04.22
powered by ブクログオーディブルで聴きました 紙の本で読んだ感想として、ひらがなが多くて読みにくいって評価が目立つけど、オーディブルで聴くのノーストレスでオススメです! 作品の一つの良さを味わえるないかもしれないけど、純粋の内容を楽しむならアリだと思います! 内容はSFチックで、でもSF過ぎない感じ すごい好きな世界観でした 主人公が綴る家族史はどこかサバサバしてて、無感情 融合手術によって、考え方もロボットっぽくなってしまった印象を受けます でも、その後主人公がAIと思考を融合した合理的な人間たちと出会うんですが、その人間たちを比べると主人公がすごく人間味溢れる姿に見えるんです それでも最後まで主人公の名前が明かされないのが、自分はもう人間じゃないんだというメッセージに受けとれて少し悲しく思いました 「すごい作品を読んでしまった」と、感じることができる物語でした
3投稿日: 2025.04.18
powered by ブクログひらがな多用の独特な文体。主人公が一人称で自分の経験を語る(書く)。登場人物が主人公に呼びかける場面でも、主人公の名前は明かされない。死ぬ権利が保障されたり、手術によって不老不死を手に入れることのできる未来のお話。孤独。父親から人生を奪われた、と感じていた主人公が、実は自分も人の人生を奪っていたと気づく、なんだか荒涼とした寂しさが募る物語。記憶の操作ができたり、地球には住めなくなったり、内面をたどりながらもやはりSFなのかな。
1投稿日: 2025.04.18
powered by ブクログひらがなと漢字混じりに、"わたし"のしゃべり言葉の文章が最初は読みにくいと感じましたが、結局一気に読めてしまいました。 体のちょう子が良い、とか、単語の中で習った漢字だけを使うような小学校低学年の子が書いたような文章、久しぶりに読んだなあ。 そのような文体のため、"わたし"が幼い印象を受けたまま読み進めますが、後半かなり哲学の話をしていて、"わたし"は"わたし"を客観的に見ることができているのが、彼女が長い時間を生きていることの証明となっていて、少し悲しいですね。 脳と人工知能の融合、合理的な選択、コミュニティ全体の利益、すっごく薄気味悪いのですが、令和の世の中なにか間違ったらこうなるのかもしれん。
2投稿日: 2025.04.15
powered by ブクログ✿ 感想 ✿ まぁ、とにかく読みにくい。 ひらがなばかりで、さらっと、読むのやめようと思いましたが、123Pの作品なので、我慢して読むことに。 悲しいお話ですね。 このお話から何を感じ取ればいいんだろう。 終わりある人生だからこそ、今を大切に生きていこうってことかな… 未来の話は面白かったです。 未来では恋人が5人いることは平均的というのも、そうなりそうだな〜って、思いました。 結婚の仕組みは変わるでしょうね。 ほんと、こうなるだろうな〜と、結婚とか、性的な観点はとても共感しました。 ✿ あらすじ ✿ ファンタジーやSFのようで、実際に起こり得るようなお話でした。 障害を持つ身体で生まれ、父の考えで融合手術をうけて、半ロボットのような人生を迎えることになる女の子のお話。 ✿ 主な登場人物 ✿ 私 女性、20代で融合手術、身体弱い おとうさん 優しい、資産家 こうにいちゃん まりねえちゃん さやねえちゃん おかあさん 1997年、出産と同時に亡くなる シン 恋人、さやの子ども
8投稿日: 2025.04.13
powered by ブクログnoteに書いた。 https://note.com/yuuka_n_/n/n20ec844a06f1
1投稿日: 2025.04.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ひらがなと少しの漢字混じりの文章が読みづらくて、何度も繰り返し読んでいたが…、途中から集中して読みました。 現在から少し前からちょい先の未来(100年後)に向けて時間が進んでいく。 名前が最後まで分からないアンドロイドとも人とも言えない主人公が物語る家族史と近未来。 ドス黒く凄惨な経験を主人公が淡々と語る怖さがあったが、最期に自分を内省しながら振り返り、振り返り、自分を少しずつ取り戻す所がタイトルの「夜明けまえ」という希望に繋がるのかなと感じた。 トムラさんのその後も気になる。
2投稿日: 2025.04.12
powered by ブクログうわ、読みにくっ!この本を最初に開いた印象だ。ひらがなばかり書き連ねてある。でも、それで敬遠すると損するよ。慣れるとこれがクセになる。不思議な魅力の"おしゃべり文学"だ。
2投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログ読了。とてもよかった。特徴的な一人称の語り口は目を引くけど、それはそれとして科学技術と社会問題の関係を正面から扱う、実にSFらしいSFだと思った。ところどころ、ギョッとするようなことを何でも無いような言い方で持ち出してくる感じも飽きさせなくて、一気に読んでしまった。
2投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログAIの進化により本来の人間の持つ感性や感情が失われつつあるように思えるこの頃 実は人として生きている以上は 機械的合理的だけではなくしっかり考えて生きる事大切だと思う そして過ごして来た日々の記憶は消去も書き換えも出来ない。だからこそ今を大事によく考えて選択して生きていく必要があるのだと改めて思えました。 そして人は愛する心を持っている事。 SF小説かと思っておりましたが結構深く考えさせられる作品でした。
3投稿日: 2025.04.04
powered by ブクログなぜ、甥っ子のシンちゃんは、生まれてから 死ぬまで、融合手術を受けた叔母さんを ずっと愛したのか?いわば機械人間なのに。 その違和感が、物語の始めからあったが、 最後の告白で、それまでSF小説として 読んでいたが、一気に他人事ではない、 気づきを与えられ、はっとした。 重くて暗い内容だが、読んで良かった思う 一冊だった。
19投稿日: 2025.03.28
