
総合評価
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powered by ブクログ〔内容〕最初の百ページほどは素人奇術イベントのけっこうグダグダな様子が描かれる。いつになったらミステリになるのと不安を感じ始めた頃事件が発生/キーになる本の全文が第二章に置かれる。凄い/最終章になって謎解きに向かうかと思ってたら奇術師の大会メインでそれもまたよし。 〔感想〕小説という虚構、謎を追うミステリという形式、題材が手品。三重の幻惑。トリックと伏線たちが目白おし。人は直接被害がない限りけっこう騙されるのが好きなので楽しめる一品/内容的にわりと古い作品のように思えますが読後感として古さは感じませんでした/あまり知られてない? 奇術に憑かれた人々の生態もわかります? ■簡単な単語集 【飯塚晴恵】婦人服店〈ロード〉デザイナー。イベントでは無限? にビール瓶を出現させた。関西弁(かな?)。女傑っぽい。 【飯塚路朗】晴恵の夫。 【五十島貞勝】SIオーディオ社長。イベントではゾンビ ボウルに挑戦したが和久Aの鳩のせいで失敗、得意の宴会芸「闘牛士のタンゴ」を披露して孫に花束で叩かれた。 【大谷南山】人形劇団〈模型舞台〉団長。イベントでは久々に奇術にも挑戦。 【桂子】牧桂子。商社勤め。背が高い。美人っぽい。シルクの奇術を披露しまずまずの成功。おおむね彼女が視点役で主役と言えそう。 【子ども】奇術師の敵? 【斎藤橙蓮】磐若寺住職。イベントでは〈袋の中の美女〉に挑戦し、なんとか成功した(と思われる)。 【三条紀子】サンジョー バレエ グループを運営し毎週三十人の子どもを教えている若い女性。 【鹿川舜平】マジキ クラブの会長。作中作でもある『11枚のとらんぷ』の著者。イベントでは安定のスライハンドマジックを披露した。 【品川橋夫】真敷市警察病院の外科医。医師としての腕は有名だが奇術では頼りない。イベントでは水をワインに変えたり戻したりした。 【志摩子】水田志摩子。奇術に惹かれ熱心に探究しているもよう。演技力が高い美女。イベントでは花を無限? に出現させた。最後に人形の家から出てくるはずが中は空っぽだった。 【11枚のとらんぷ】鹿川舜平の著書。思いつきはしたが実際には使えなさそうな奇術のトリック、その中でもとりあえずカードマジック関係のものを題材にして書かれた解説書であると同時に一種のミステリ小説集。この作中に全文が掲載されているという凄さ。志摩子の死体はこの作品をモチーフに演出されていた。 【マイケル シュゲット】地質学者。芸名は酒月亭マイケル。イベントではチャイナリングの奇術を披露したが子どもたちのせいでヘロヘロになった。 【マリア シュゲット】マイケルの妻。 【マジキ クラブ】素人の奇術クラブ。 【真敷市立公民館】そのテコ入れのためにイベントを開くことになりマジキ クラブにも声がかかった。 【松尾章一郎】証券会社社員。奇術研究に熱中している。イベントではカードマジックを披露した。鹿川とキャラが被ってるような気がして文章だけでは区別がつけにくかった。 【模型舞台】人形劇団。 【和久A/わく・はじめ】イベントでは鳩マジックに挑戦したが鳩が悲惨なことに。Aで〈はじめ〉と読ませるのは本名らしいが戸籍的にOKなの? 【和久美智子】Aの妻。
0投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ解説が「霊媒探偵城塚翡翠」の相沢沙呼さん。 相沢さんは、本作品の影響をもろに受けていたようですね。 謎解きで本書に仕掛けられた伏線の数々に「そういうことだったのか」と思っていたら、その先にもう一段まさかの展開が隠されていた。 マジックの演出方法や種明かしを交えながら、緻密にミステリーが組み立てられていて、一度読んだだけでは不明瞭な場面が沢山残る。 結果、伏線の場面を再確認しながら二度読みすることに! この作品は泡坂ミステリの長編一作目で、作家デビューから一年後のものでした。 マジシャンがマジックをネタに小説を書く。 登場するマジシャンたちを騙しながら、本書の読者も騙す。 しかも謎が解けたと思わせた後のどんでん返し。 楽しそうに執筆している泡坂妻夫さんの姿が目に浮かんだ。 これで読もうと決めた泡坂さんの本は読み終わった。 どれも面白かった。 改めて「総特集 泡坂妻夫 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)」を読み直して、あと3冊くらい候補作品を選んでおこう。
51投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログキーが奇術、マジックになるが、文章で読むと状況や仕掛けがわかりにくい。 評価は、序盤は4(公民会での講演会のグダグダな感じ好きでした)、途中から3(短編の11話は何度読んでも頭ははてなでした。)って感じ! 昭和からのミステリーの教科書として読めば面白い。
5投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ積読本。 泡坂さんご本人もマジシャンで、この作品にはそのスキルがふんだんに盛り込まれていました。 小説の主人公が書いた作中作で11話の短編があってラストの犯人当てで大きなヒントになっているところが面白い。 訂正。実際の本は角川文庫でした。 すみません。
23投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2024/9/1読了 作中に奇術(カードマジック)を扱った奇術小説集が丸々一編収まって、それが本編の事件解決の手掛かりにもなっている。この構造で、A・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』を連想。『ヨルガオ』の感想に、『普通の2倍は売り上げないと採算が取れないコスパの悪いシリーズ』とか書いたが、本作は、作中作品でオリジナルのカードマジック11個を創出しているのだから、コスパの悪さもとい、出し惜しみ無しの加減はもっと甚だしい。本編の中にも、それこそあのグダグダの奇術ショーの描写の中にも、重大な手掛かりが堂々と、でもそれとは判らぬように配されている。何たって作者は本職マジシャンでもあり、こんな騙し・目眩ましはお手のもの? あと、気になったこと。舞台となった真敷市は、6月にもストーブが要ることがあるとか、一体日本の何処にあるのだろう? それとも……発表当時の1976年は日本全国大体それが普通で、地球温暖化が進んだ今の感覚がおかしいのだろうか?
5投稿日: 2024.09.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
生誕90年記念出版の第4弾か? 初版は1979年に幻影城から刊行された、故泡坂妻夫氏の第1長編である。新装版刊行を機に手に取った。 奇術師の顔も持つ泡坂氏だが、本作のテーマはずばり奇術。奇術師としての経験と知識が存分に活かされている。奇術を嗜まない自分にはわからないが、解説の相沢沙呼さんによると、作中の奇術師たちの描写は、大変リアルだそう。 アマチュアの奇術クラブによるショウが市民会館にて行われていたが、トリを飾る奇術で、仕掛けから出てくるはずの女性メンバーが姿を消した。彼女はアパートの自室で死体となって発見された。周囲に散乱していた小道具には共通点が…。 このショウが実にグダグダで、失敗の連続に苦笑する。自分は伏線を見落とした。死体の周囲に散乱していた小道具は、いずれも奇術小説集『11枚のとらんぷ』で使われたものだった。『11枚のとらんぷ』とは作中作のタイトルでもある。 作中作はよくある手法だが、全文が載っているのは珍しい。この作中作全11編はそれぞれ奇術の種明かしなのだが、茶目っ気たっぷりで実に楽しい。もっと読みたいくらいだ。奇術師とは、騙すためなら手間を惜しまない人種なのだ。 いよいよ謎解きかと思いきや、世界的奇術ミーティングに参加し満喫する面々に、少々戸惑う。喪に服せとは言わないが…。『11枚のとらんぷ』の著者であるメンバーが真相に至ることができたのだから、参加した意義はあったのか? 正直、本格としてフェアとは言い難いが、むしろ動機の面こそ興味深い。奇術師ならではの動機とは。それがどんなに貴重なものなのか、素人にはわかるまい。いくら作り話でも、何てことしてくれたんだよおい…。 なお、全11編に描かれた奇術は、すべて泡坂氏オリジナルとのこと。奇術師らしい構成力が光る作品と言える。
0投稿日: 2023.12.06
