貧しい御家人の娘 綾乃は借金のため旗本の側室となる。彼は綾乃を虐待する冷酷な男だった。1年後実家の断絶を知った綾乃は屋敷を抜け出す。疵を追った綾乃を救ったのは札差 市三郎だった。旗本から執拗な嫌がらせを受ける。 江戸の金融崩壊を背景に、札差として誠実に生きる男と腐敗した武家を捨てた女の、身分を超えた情愛を描く。