
総合評価
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powered by ブクログ人の人生より、自分の心配をすれば??と問いかけられているような本。「可哀想な蠅」は、不特定多数のアカウントから責められ、擁護され、実態のないものに怯える芽衣子。友人が殺されてしまう展開は驚いたけれど、結局、同情も共感も罵声も流行であり、時がすぎれば記憶の彼方に行ってしまうもの。人間も動物も流動的だななんて。「まりこさん」は、猫を去勢することを嫌い、自宅で多頭飼育している。子どもと大人では、人との関わりが違い、由美が大人になってまりこさんに会いに行った時、お母さんの「あの人とは関わらない方が良い」という言葉の意味が分かってしまうところが残酷でもあり、社会を知ったというところで、大人になるということを突きつけられた。可哀想、助けてあげたいという感情が相手にとって鬱陶しいものになることもあるということ。「人に優しく、助け合いましょう」なんていうのは理想で現実は無理なのかもしれない。「重ね着」は、結婚と子どもについて姉と妹がぶつかり合う。歳を重ねれば自然と大人になるものだと思っていたとあるが、それは本当。22歳の私も、大人になれたという感覚は全くなく、友達でも結婚や、妊娠したという子がもういる事実に心がきゅぅとなることが多い。「いつまでも子どものままではいられない」現状維持なんて無理だ。だからこそ苦しく、自分が変わろうとする前に変わることを要求されることが負担になる。不安は重荷となって常にあり、高校時代に制服を着崩すことを頑なに嫌っていた私も、不安を和らげるためにブレザーのボタンを閉め、長いスカートを履いていたのだと今になって思った。「呪縛」は、詩乃が見ているだけで痛い。自分が女ということを上手にとって、とにかく尽くす。尽くして尽くして、相手の下僕のような存在になることで自分の存在価値を見出していた。そして、暴力を振るわれてら他の男のところに逃げる。若いからチヤホヤされているということに気づいてないから、このまま歳を重ねることは難しいのではないだろうか。本物のDV男に出会い、殺されてしまいそう。麻希の自分の欲求の出し方が分からないところが私と似ている。私も、後悔しないようにしないように、と生きてきたため、もう、やりたいことがほとんど無くなってしまった。惰性で生きているところはあるかもしれない。麻希が支配欲を持ち始め、変貌していくところに恐怖を感じた。DVをする男の心そのもののようであり、依存していくところが怖い。でも、自分の思い通りになる存在、自分のことをはいはい、と受け入れてくれる存在。そんな子がいたら、依存するに決まっている。私たちはただ受け入れてくれる、嫌われない存在が欲しいだけなのかもしれない。木下に勘違いで殴られ、詩乃のカモにされた岡井が一番かわいそう。可哀想って言っていいのか分からないけれど。
29投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログタイトルといい色鮮やかな装丁といい、なんとも火力の強そうな本…と思って手に取った 「可哀想」という言葉が人を見下す言葉になり得ること、主観的に相手を判断する傲慢なものであること、そしてその意味を自覚するしないに関わらず発した相手には深い打撃を与えること 福祉の分野では「可哀想」は禁句だと勝手に思っていたけど、なるほどこういう理由かと腑に落ちた DV構造を加害者目線の語りから見られたことも収穫だった
6投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログ『普通』の女子達が絶望に突き落とされる話×3(1話だけ希望のある話) 久しぶりにこの系統読んだ 20代の頃を思い出した… 最後の、男の子をダメンズにしてしまう女の子の感じがすごく既視感あり 装丁が美しくてよきでした
1投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ「可哀想」という感情がキーワードになっている短編が四つ。SNSの投稿に粘着してくる顔の見えない相手を(『可哀想な蠅』)、ネコを保護して一人暮らしをしている年配の女性を(『まりこさん』)、交際相手と結婚する気配のない姉を(『重ね着』)、DVクズ男とばかり付き合ってしまう女友達を(『呪縛』)、「可哀想」と思う。表題作では、SNSで絡んでくる相手に対して、「自尊心が極端に低い」「臆病で傷つきやすい自分を隠そうと、必死になって攻撃する」「自分が拒絶されるのは、過激な言動のせいだと思いたいから」などと、分析して、下に見る。『呪縛』では、DV男から逃げてきた女友達に対して、保護した女が、「可哀想な彼女を、幸せにしてやりたい」という欲望を抱く。どの話も、完全なひっくり返しがあるわけではない。が、可哀想なのは誰なのか、もやっとした気持ち悪さが残る。 『呪縛』で女は、キレた男にケガをさせられたことを笑って許す男に対して、こう分析する。 「無条件に優しさを差し出す行為は、時として他社から軽んじられる理由になる。善意を注がれ続けた人間は無意識のうちに傲慢さが肥大し、やがて歯止めが利かなくなる。」 「無自覚に加害者を生み出す人間と、無自覚に被害者を生み出す人間。」 女は、自分を頼りにしてくる女友達が、自分のために家事をしてくれることを当然と思うようになり、まんまとDV男と同じ道を辿ることになる。
2投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ短編集。 ハッピーエンドとは言えないものばかりだが、 そういうことってあるよね、ありそうだね と思う。 ニュースやxで目にする書き込みの 対象となっている人の見えない部分が 書き込まれている感じ。
0投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログどこにでも五月蝿い蝿はいるもんだけど、読んでて自分も五月蝿い蝿になり得る要素があるなーと少し怖くなりながらも読みました。自分への教訓として良いな。
0投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ私は猫おばさんの話が1番好き! 気味悪さがあるけど、どんどん読み進めちゃう 響けユーフォニアムの作者と知って、びっくり
0投稿日: 2025.05.21
powered by ブクログもしも目障りなものを消し続けたら、世界は美しくなるのだろうか。その美しい世界で、自分の存在は許されるのだろうか。 (P.39)
0投稿日: 2025.04.18
powered by ブクログあまり知らない作家さんだったけど名前は何となく見たことあった。そして可哀想な蠅?とタイトルが気になった。装丁の綺麗な色と花も。綿矢りささん的なのかな?とか想像した。こちら短編集。まず最初の表題作でがっちり心の臓を掴まれた。めちゃめちゃ面白い!一気にハードルが上がった。その状態で次の「まりこさん」。こちらも絶妙なブラックさが最高。「重ね着」はまぁまぁサクッと良いお話。最後の「呪縛」も面白かった。作者紹介なんかを見ると「響け!ユーフォニアム」の作者だと。他はこんな感じではないのか?このブラックな感じを求む!
5投稿日: 2025.04.02
powered by ブクログなんとも嫌な気持ちになる短編集。 心がザワザワして気持ち悪い。 人は誰もが、誰かのことを可哀想だと思って、見下して生きているのかもね、という話なのかな。 最後の「呪縛」は、途中からの展開がすごく怖くて、でもどうなるのか気になって、最後まで読んだらさらに気分悪いという感じ。そこから立ち直れたのだといいけど。 ひどい読後感だけど、それだけインパクトが強い作品なんだろうな。「面白い」と言うには少しためらうのだけど。 伏見稲荷の描写は好きだった。著者の地元かな。でもずっと実家暮らしの主人公に、全く訛りがないのが不思議だった。
1投稿日: 2025.03.08
powered by ブクログタイトルのインパクトで借りた本。対等な関係って。「可哀想」を誰かに言うことがない日々ならいい。救いたい。救われたい。ざわついたまま読み終えた。
0投稿日: 2025.03.08
powered by ブクログ文章は緻密で、情景も心情も鮮やかに描いていると思います。物語の展開も不自然なところがなく、引き込まれます。 ただ、どうしてもそれぞれのエピソードの読後感、というか後味の悪さが好きになれませんでした。 「可哀想な蠅」「まりこさん」「重ね着」「呪縛」という4編からなる作品集ですが、姉妹のやり取りを描いた「重ね着」は少し暖かい気持ちになったものの、他の3編は居心地の悪いエンディングだったと感じます。 人生の「救いの無さ」が強調されている印象で、表題作の「可哀相な蠅」で主人公が本の魅力(どんなときでも空想の世界に連れて行ってくれて、辛いことも悲しいことも忘れさせてくれる)を信じていたが結局は裏切られてしまう、という読書の「空しさ」を追体験したような疲労感がありました。
2投稿日: 2024.11.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今回も心理描写がすごかった。 短編4篇。 どの話も、身近にあるある、わたしの中にある、ないと言い切れない、という感情のオンパレードだった。 武田綾乃さんて本当にどんな感受性なんだろうといつも思う。 どの話も他人事とは思えない部分があったり、そこはもう少し感情表現しておこうよと思うことがあったり、色々なんだけど、とはいえそうなった時わたしはどうなるのか?? とゆーことに関しては、他人事と思えないなと。 最初の話はリツイートで悪口言われる話だけど、そこにやり返さないその子の全部の事情があって、なるほどと思うし、そのパプロフ康成をブロックしてくれた友達の半端ない人を観る目の鋭さに賢さを感じたし、こんな大学生もいるんだなぁと感心したり。で、その子が刺されて死ぬとか結構衝撃的なんだけど、わたしのせいじゃない!と、咄嗟に思ってしまう心理も真理かもしれない。そーゆーところを余さず書くのがこの人のすごいとこかなと思う。 次のまりこさんは、子供の頃はただただ優しい人だったのに、大人になって対等な立場に立ってみたらまりこさんは単なるヒスBBAだったとゆーオチで、それもあるあるだよな、と思うし、主人公の子が優しすぎた。言いなりすぎた。 次の重ね着は、姉妹の違いと姉妹だからこその遠慮のなさと心配と配慮、からの、大事な人を大事に思う気持ちがなんかよかった。これは怖さもなく、いい話で終わった感じがあるけど、でも東京で親元離れて働く女の子の、結婚、子育て、仕事感、我慢、とかそーゆーのは切実なんだろうなと思った。首都圏で生まれ育ったわたしには想像があまりできない。 けど、生活を守るために働くって普通に考えて普通なことが、人間的にはあり得ないよな、と思うのだ。 最後の話は本当怖くて、怖いから呪縛ってタイトルでホラーだった笑 付き合う相手の全てをDV野郎にしちゃう女の子を囲って暮らしたら、その女の子まで同じようになってしまって、最後逃げられた挙句、じぶんは処女を捨てるためだけにやった名前も知らない男の子供を妊娠したとこで終わるってゆーそこがホラーだった。笑 この前読んだのもホラーって思ったけど、この方なんでも書けるからすごいなと思います。今1番好きな作家さん。
0投稿日: 2024.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 サラサラ読める。 まりこさん、 怖かった。 大人になると見えてくるもの。 異常さ。 呪縛。 面白い。 そうなってくんだなぁ。。。
0投稿日: 2024.08.04
powered by ブクログどれもいやーな気分になる話。しかも、どれもありそう。ちょっとしたことが、他人の気分を揺るがすんだろうな。どこまで許容できるか。
0投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ全て女目線の4つの短編集。 表紙のきれいさで借りたけど、響けユーフォニアムの作者だとは知らなかったー。 表紙のきれいさとは裏腹にダーク目な作品。 というか人間の残念な部分に注目した感じかなあ。最後の呪縛に関しては、主人公に対して あーあ... みたいな気持ちになったりしながらも一気読み。 人間っていろいろいるよね。
0投稿日: 2024.05.16
powered by ブクログ中編が4本の構成でさらりと読めるのだが、女性の視点からの考察にややついて行けない点もあった.化け猫屋敷の「まりこさん」も楽しめたが、最後に読んだからか「呪縛」が考えさせられた.大学を休学して父の介護を担った井之頭麻希とマッチングアプリで男を漁る茅野詩乃.ひょんなことから始まった所謂「いい子」の麻希と詩乃の共同生活.彼らのやり取りに現実味が感じられないのは、団塊世代のおっさんの目の付け所が拙いからなのか.もやもやが残った感じだ.姉妹で伏見稲荷に登る「重ね着」も、結婚を遠くの目標にしてその前で蠢く二人を、うまく描写していると感じた.
0投稿日: 2024.05.07
powered by ブクログ読んでいて不快に似た感情が湧いてくるような、何ともダークな作品でした。(不快と表現するのは本作に対して最高の褒め言葉) 不穏な空気が漂いつつも続きが気になり、読む手が止められないのが魅力の一つです。本作はもちろんフィクションですが、案外近くに存在していそうなリアルな人間像が不気味さを強めていました。
8投稿日: 2024.04.02
powered by ブクログ4篇を収録した短篇集。連作ではないが、どの作品も日常に潜む何気ない怖さを描いている(「重ね着」は除く)。 冒頭に置かれた表題作は、SNSに動画と共に上げたつぶやきがバズったことから、正体不明のアカウントにつきまとわれる女性が主人公。さっさとブロックすればいいのにと思うが、特殊な思考回路の持ち主のようでそのアカウントの書き込みを読み続ける。世相を反映した作品ではあるが、読んでいてげんなりしてくる。 続く「まりこさん」は、住宅街に必ず1人はいる(?)猫おばさんの話だ。怖すぎる。 「重ね着」は、結婚を控えた妹が突然帰省し、姉を伏見稲荷登山に誘う。収録作品の中では、唯一まともな話だった。 書き下ろしの「呪縛」は本書中最長の作品だ。天使のような悪魔のような女性がもたらす不幸が描かれる。
1投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ蝿=目障りな存在ということか! そこから目を背けようとしても、どこまでも纏わり付いてくるような不快感。 ブラックな短編集なので、読後感はあまり良くないのだけど、こういう人達って確かにいるよねと思いながら読んだ。
35投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集。「可哀想」という感情のなんと厄介なことだろう。そんなことを考えさせられた4編。イヤ~な感じなのにさくさく読めてしまった。 だが、なんだこの疲労感は。あ~しんどかった。 こういう小説を読んでいると、なんだか自分のことを省みてしまうなあ。自分はどうだったろう? 「呪縛」が印象に残っている。だんだん怖くなってくる感じがたまらないが、ページをめくる手が止まってくれない。 風呂場でのシーンはほんとヤバい。 平手打ちして、思ったより音が鳴らなかったので、もっかい打つとことか! 武田さんの本は青春ものを中心に読んできたけど、こういうのもあるんだなと思った。 他の作品にもトライしたい。
1投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ武田さんの小説は何冊か読んでおりますが、珍しくダークな短編作品だと思いました。今の時代、このような似た話はどこかに転がっているよね、っていう内容で身近に感じられました。正義や善意の基準って一体、何なんだろうか。普通って一体、何なんだろうか、と考えさせられた一冊。
0投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログ短編が4つ。3つ目の重ね着が好きな妹と嫌いな姉の物語は穏やかな終わり方だったが、他の物語は後味が良くない。SNSでしつこく絡んでくるとか、周りとコミュニケーションをとろうとせずに自分が猫の幸せと信じる方法で飼い続けるとか、尽くしているうちに相手が束縛的になってくるとか…どこかで聞いたような話なのだが、自分のそばで起きているようなリアリティがあり、嫌な感覚がじわじわと湧いてきて怖かった。
0投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログ可哀想、という言葉はなんか嫌だ。結婚できなくて可哀想、ヤングケアラーで可哀想、DVに遭ってて可哀想、猫屋敷で可哀想、蠅で可哀想...本書には可哀想が溢れている。人が「可哀想」と言う時、自分は安全圏にいるというマウントと、そこはかとない見下し感を感じるのが嫌~な気分にさせられるのだろう。そんなブラッキィな4短編集。『可哀想な蠅』→蠅が可哀想ってなんぞや?読めばなるほど。『まりこさん』→ひぇーん。良かれと思ったのに。『重ね着』→この中では異彩のほのぼの系。好かん。『呪縛』→キョーレツ。エグいぜ。一番の出来。
0投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ作品紹介にも出てくる一文 “私はスマートフォンの中で彼を飼うことに決めた” これの破壊力が凄いからちょっと読んでみてほしい。 本好きの主人公が、 “本は、人を救ってくれる。” から “本当に救いが欲しい時、本なんて何の役にも立たないじゃないか。本は無力だ。” まで落下していく様は、本の限界を突き付けられるようで… 本に救われている自分は、まだ本当の理不尽に出会ったことがないのだろうかと考えてしまった。 収載されている4分の3はずーんってなる話なので、読後感を良くしたい方は「重ね着」を最後に読むと良いかも。
0投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ評価が難しい。一応☆3 サクサク読めたし、主人公に共感して本の世界に入っていきやすいんだけど、とにかく後味が悪い。最後の呪縛は先の展開が読めてしまい、もうこれ以上読みたくねぇと思いながら読んだ。 ただ、面白くなかったわけではなくて、読み直すことはないけど読んで良かったなと。☆4.5くらいはつけても良いかなと思う作品。
6投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログ第107回アワヒニビブリオバトル&全国大会予選で紹介された本です。2ゲーム目。ハイブリッド開催。 2023.12.29
0投稿日: 2023.12.29
powered by ブクログとてもきれいな装幀で、そこに一番惹かれた。話も読みやすくさくさくと読めるのだけど、後味が良くないかも。面白いというよりこわく感じた。
2投稿日: 2023.12.28
powered by ブクログ後味の悪さが残る短編集。 どれも自分の境遇と違うのに、身近にありそうなリアルさを感じる。 「マリコさん」「呪縛」が印象的だった。 詩乃って魔性の女? 弱い存在を守るヒーローでいたつもりが、気付かぬうちに病的なほどの執着心を抱くようになるとは‥。 あぁ怖っ。
1投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログ表題の可哀想な蝿と最後の呪縛が群を抜いて秀逸だった。ちょっとゾワっとするのがたまらない。結構厭な話ではあるけどどこかに眠っている感情が暴露されてく感がたまらなく好き
3投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログ表題を含む四話収録。女性二人が登場したら事件発生の前触れである。人物造形や台詞のリアルさ、駆引きに唸る。行間からいい塩梅で嫌味や烏滸がましさが立ち上る。読み応えあり。
0投稿日: 2023.12.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集4篇 姉妹の結婚観をぶつけ合いながらの伏見稲荷の山登りの「重ね着」はどちらもあるあるだ。これだけが唯一普通だ。 その他の3篇はSNSの怖さ、猫屋敷の不気味さ、エスカレートしていく共依存、ブラック色に溢れている。人間への信頼が失われてやりきれない気持ちになる。
0投稿日: 2023.12.10
powered by ブクログなかなかハードな短編集だったw どの物語も短でいつ自分においてもおかしくない出来事と感情。だから私はSNSが怖い。 全然関係ない人がいきなりキバをむいてやってくるにはいやだ。 関係ない人に状況も知らずに、判断はされたくない。でも、そんな世の中なんだから慣れるしかないのかなw 残りの話も分かると思いながら、心がギュッとなるように切ない話だった。 ちょっとしたことで、すれ違いって寂しいね。
4投稿日: 2023.11.23
powered by ブクログ情けも容赦もなく切り裂いてくる展開とセリフが最高! 負の要素を清々しく描いた短編集 #可哀想な蠅 ■きっと読みたくなるレビュー 武田先生のエンタメ短編集です。いつものとおり女性の本音や冷たい人間関係の描き方が素晴らしい。サスペンスミステリー要素もしっかりありますよ。 しんどい展開や結末も多いですが、イヤミスのような粘っこい嫌らしさではなく、むしろ清々しいんです。また特に本作は文体の芸術性と可憐さも半端なかったですね~ 〇可哀想な蠅【超おすすめ】 女子大学生が動物虐待の動画をSNSにアップしたら… 現代の社会問題を切り取った作品。 これぞ武田先生の作品だわ~。最近ありがちなテーマですが、切り口や人との関わり方が新しく、気持ちいいほど残酷でイイ!洗練された文章の中にも、今時の感性が光っていて超好きです。 なんとなく判断を先送りにしてしまったり、必要以上に責任を感じてしまう感覚がすっごくよくわかる。これらの社会問題に対する結論も、私が日々感じている感覚とすごく似てて共感できるんですよね。 〇まりこさん 主人公の由美は子ども時代に猫屋敷に入り浸っており、その住人と友人関係になっていた。時を経て大人になった由美は、再び猫屋敷に訪問することになり… どんな話になるのかなーと思いきや、この切れ味ですよ。子どもの頃は早く大人になりたかったけど、いま思えばいつまでも子供のままでいたかったですね。 〇重ね着【おススメ】 間もなく結婚する妹が、突然実家に帰ってきた。姉は伏見稲荷に登ろうと誘われる。何か話があるのかと訝しくなりながらも、姉妹は伏見稲荷に向かうのだった。 デリケートな話題に対して、ストレートに価値観をぶつけ合う二人が熱い。素敵な姉妹じゃないですか、こんな家族がいて羨ましいよ。旅情の寂しさも相まって、ただ二人の幸せを願いたくなった作品。 〇呪縛【おススメ】 若かりし頃、父の介護で生活を奪われていた女性。恋愛の興味も時間もなかった彼女は社会人となり、同僚たちとも交友も深めていくようになった。その後、彼氏も友人もできるのだが、気配りや人に尽くすことができなくなった彼女は… おもろい、読ませる。 そして心に響くセリフや叙述が上手すぎすよ、文芸としてもエンタメとしても品質が高い。ホント冷酷な表現は日本一かよってくらい素晴らしい。冷たさと美しさのハーモニーに打ち震えました。 この「負の成長」がいいんですよね。人生辛いことも難しいことも多く、でもこれが醍醐味だったりもします。しかし本作にでてくる、どの登場人物にもなりたくない。 ■ぜっさん推しポイント 武田先生の持ち味がたっぷりでてる研ぎ澄まされた作品集です。情けも容赦もなく、スパっと切り裂いてくる展開やセリフが潔くて大好き。 作中、いくつも自分勝手な言葉が吐かれますが、とても自分には言えないことだから、むしろ輝いて見えてしまう。でもこんな可哀想な蠅たちにはなりたくない… 生きるのって、難しいですよね。
81投稿日: 2023.11.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全体的に後味が苦めな一冊でした。 印象的だったのは「まりこさん」 子供の時と大人になってからの「まりこさん」の捉え方が違うのが納得でした。 対等には話せない相手。きっと、まりこさんは独自の世界観で暮らしていくんでしょうね。
2投稿日: 2023.11.21
powered by ブクログ救いが欲しい、ブラックな短編集 面白かったです! 救いが欲しくなるブラックな短編集で、 ハッピーエンドとは程遠い、読後感がかなりえげつない。 でも、面白いので読みたくなる、矛盾を抱えつつ読了しました。 粘着質アカウントのSNS、 多頭飼育の猫の家、 DV男から逃げ出した女性と同居する女性。 と内容はさまざまでして、 色々な価値観を持つ人がいて、昨今叫ばれている 「多様性」を重視した内容になっています。 どれもこれも身近で起こりうる問題で、 人ごとでは終わらせられない違和感のようなものを感じました。 改めて、自分自身の視野はまだまだ狭いのだと実感した次第です。
3投稿日: 2023.11.13
powered by ブクログ全体的に文章が好きではない。 喉に小骨が引っかかる様な小さな違和感を感じながら読み進めた。 帯に「誰もが日々見て見ぬふりをしているものを突きつける」とあるが、いまいちピンと来なかった。 全体的に後味の悪い短編集になっており、表紙の鮮やかながら禍々しい様がよく合っている。 自分も表紙の魅力に誘われた蝿なのかもしれない。
1投稿日: 2023.10.29
powered by ブクログ「可哀想な蠅」 「まりこさん」 「重ね着」 「呪縛」 四話収録の短編集。 ブラック武田降臨。 やってくれるわ武田さん。 三話目の『重ね着』は姉妹の会話に辛辣さはあるものの、まだ救いが見える。 だが他の三編に至っては容赦ない。 人の心に巣食う負の感情と悪意がこれでもかと描かれ、打ちのめされる。 全ての物語に共通して登場する『可哀想』のフレーズ。 心から相手に同情する純粋さとは裏腹に、相手を見下す傲慢さに人間の闇深さを感じた。 SNS上で執拗に絡んで来る粘着質な輩を描いた表題作は結末に震える。 黒に振り切った切れ味鋭い物語が癖になる。
3投稿日: 2023.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2023.10.9 読了 うわぁ。。これ、「重ね着」以外どれもやばいやつじゃない?特に最後の「呪縛」やばいね。ダメ人間製造機が出てくるよ。凪のお暇で言うところのゴンの女版。 男運、女運悪いとかじゃなくて、自分でダメにしちゃうやつね。これはやばいわ。そして、主人公の麻希は、可哀想っていうか、ただただ辛い。しんどい。 はぁ、、読後の余韻最高。
4投稿日: 2023.10.09
