
総合評価
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powered by ブクログ7巻でマージライン一家を見た時は先にオフィーリアの存在が刻みつけられていた事もあって、「やっぱりオフィーリアの家族だなぁ(笑)」なんて思ったもの。けれど、8巻でロザリーの物語が描かれた事でマージライン一家について「あのロザリーの血脈だ…。確かにロザリーの命を引き継いでいる……」と印象が様変わりしてしまったよ その意味では燈色が大正時代に戻るのは必要な工程で。そして、あの時代に味わった命の痛みと輝きが有るから七椿へ対抗する為の牙は研がれたと言えるのだろうね 大正時代から弾かれて一気に元の時代に戻るかと思いきや、一旦別の時間に飛ばされますか これ、七椿打倒の布石を更に打つ時間となりつつ、同時に燈色が取り戻しの付かないフラグを幾つも立てちゃう奴じゃないですか…… オフィーリアを始めとしてスノウにも粉かけて、更にレイディともイイ感じになるのは百合の守護者としてアカン奴じゃないですか…… ただ、スノウについては大切な事をしたのは確かな話で。アルスハリヤに仕組まれた邂逅となったけど、彼女の境遇や黎の今後を思えば必要な邂逅で。この辺を読んだ際、思わず1巻を読み返してしまったけど、「三条燈色は生まれ変わりました」という言葉をどれだけ待ち焦がれた想いで口にしたのだろうと感慨深い気持ちになってしまったよ…… 現在に戻ってきたら何だか凄い事態になっていたね…。『月からの杖』とか何よ…いきなり規模感の違う兵器が登場してるじゃん… 逆に言えば何をすれば良いか迷わずに対処できる事態とも言える。それぞれがアイディアを出し合って、それぞれの役割に準じて、己の全身全霊を発揮しようという様は燃えるね けれど、そんな最中に燈色の心を惑わしかねないのがロザリーの遺志とオフィーリアの意思かな 燈色は緋路としてロザリーのもとへ帰ろうとしたのに出来なかった。オフィーリアの恋を応援したかったのに好かれていたのは自分だった 事態が急変しているし猶予も無いから考えに耽る時間もない。だからロザリーの遺志に心揺らいでしてしまう時間はどうにか限られる。というか、7年前のカルイザワで見て知った諸々によって知識としてロザリーは「幸福だったのだ」と理解できてはいる。けれど、ふとよぎる感傷が彼を過去に引き戻そうとする それに抗おうとすれば、これからの未来を生きるオフィーリアと向き合う事に成り… まさかオフィーリアの立場がロザリーと映し鏡のようになるとは思わなかったな… オフィーリアと言えば、これまでコメディリリーフとして活躍し、時には貴族令嬢としての逞しさを見せる事もあったけど、存在そのものがギャグみたいな人物だった けど、その根底に有ったのは7年前に一度会ったきりの婚約者を待ち続け恋する少女の在り方で それはまるで短い期間に交わした愛を抱いて生涯を過ごしたロザリーに重なるようなものがあり… オフィーリアから「何故戻ってきたのか?」と問われた瞬間、燈色はヒロのフリをして嘘を重ねる遣り方も有った筈なんだよね。そうすればオフィーリアはこれまで通り幻想の恋に溺れたままで居られるかも知れない。でも、それはロザリーと交わした「恋を教える」という約束を違えてしまうもの だからオフィーリアが抱いた恋を本物の、実態のあるものに昇華する為に「オフィーリアは男に恋をしてしまった」という最悪の事実を告げる必要があって けど、結局はその恋を素敵なものに出来るかどうかはオフィーリア次第というのが辛いところか… 7巻で登場した際には相当な実力者と言及されながら、コメディ劇場に巻き込まれた事でどうにも実力の程が見えなかったシャル。過去が描かれた事で彼女がどのようにマージラインの血脈に基づく力を目覚めたかが判るように成っていたね レイディが最初からマージラインの血脈に準じていたからそのイメージが強かったけど、むしろシャルはマージラインの使命に納得できなくて逆らっていたタイプだったようで。だから授かった力も無法な使い方をしていた それが弱者でありながら夢を忘れなかった大切な友人の存在により正義の心に目覚めるというのは善いストーリーラインですよ。マージラインの中では幼いシャルがロザリーと同じく「命のために命を懸ける」矜持に至る背景と納得できる それでも、『月からの杖』を立った一人で受け止めて打ち返したのは本当に偉業だと思うけど。それに後の七椿戦にも加わるとか実力が常識外れに到達しているね。本当にシャルって強かったんだ…… シャルが命を証明した。なら、続く燈色達も命を輝かせる為に命を懸ける。総力戦の勢いで七椿派閥と戦う様は最終決戦に相応しいものだね でも、そんな激戦模様は戦う力を持たないオフィーリアには関係ない。むしろ彼女が戦わなければならないのはロザリーが確信しながら子供達に教えきれなかった緋路との恋物語 偽物の神父に107年前の幸福を教えられても、偽物であろうとも本人が幸福と感じたならそれが真理となると諭されても、ロザリー自身の手紙を見ても。オフィーリアはロザリーの恋物語が自身の恋物語と繋がってしまう為においそれと受け容れられない。特に自分の婚約者とロザリーが愛した殿方が同一人物ではないかと気付いてしまっては尚の事 オフィーリアの恋心は迷いに迷って破綻しそう。そんな時にこそ恋を守る守護者が燈色と言えて 彼女の迷いが極限に達した時に再び面前に現れ、彼女の恋路を滅ぼさんとする魔人に相対し。そうして守って貰えていると知れたオフィーリアは自分の手で選び取る必要があって 七椿という強大な存在を前にして、自分の恋を誇る彼女の姿はとても美しいものでしたよ… てか、その瞬間にマージラインが血脈を懸けて仕掛けた罠が発動するのは最高に気持ちの良い展開でしたね!わざわざハッタリの為にあそこまでやるのか…。でも、そこまでやるのがロザリーの血脈なんだよね…… 前巻を読み終わった際に気になっていた要素、これ以上ロザリーを幸せにする道は有るのかという点は今作の内容や作者によってある程度否定というか、「ちゃんと幸福に成れたんですよ」という形で締められたね 勿論、時間跳躍の際にロザリーが叫んでしまったように、無茶を承知で望めば現状以上だって何処かにあるのかもしれない。でも、それは誰かの不幸と結びついてしまって だとしたら、最後に「誓いますっ!」と叫んだ彼女を不幸だったなんて決め付ける方が不躾なのかも知れないと思えましたよ…… ただ、こうなってくると、ロザリーと双子のように似た恋を抱いたオフィーリアをそれこそ燈色の人生を懸けて幸福にしてやらなきゃいけない気もするけど、この百合の守護者はどうするつもりなのかねぇ……
0投稿日: 2026.02.01
