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塔の少女
塔の少女
キャサリン・アーデン、金原瑞人、野沢佳織/東京創元社
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総合評価

7件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中世時代のロシア、ルーシを舞台にしたファンタジー。2巻はモスクワが舞台となり、マースレニツァ祭や、モスクワ大公がらみの陰謀、男装した主人公が活躍する王道展開があり1巻よりも楽しめた。なじみのない極寒の世界やロシア文化が面白く、ルーシの人々が何かというと風呂小屋(サウナ)に入りたがるのが意外だった。 魅力的なキャラは多いものの、ワーシャの目的がはっきりせず、何をする物語なのかよくわからない。「海に沈む太陽を見る」ために村を出たはずなのに、たまたまサーシャと出会ったからモスクワに行き、悪いタタール人がいたから戦い、ドミトリーの人柄に惚れると家来になれたらと思う。魔女の血のルーツを探すとか、チョルト達のために何かするとか旅の目的があった方が良かったと思う。 あと、長い髪を切らなかったり、ソロヴェイを賭けの賞品にしたり、マロースカに世話になりっぱなしのくせに魔除けの石を持つことを拒否したり、身勝手すぎてモヤモヤした。ワーシャを解放するためにマロースカが石を取り上げ、ワーシャがマロースカを求めに行く流れの方がまだ納得できたと思う。ワーシャを好きになったばかりに、どんどん落ちぶれて行くコンスタンチン神父はとても良い。何の伏線もなく魔術師が出てきてびっくりしたが、不死身のコシチェイという元ネタがあるよう。 「あらすじ覚え書き」※ネタバレあり 謎の盗賊が村を焼き、子供達を連れ去る被害がルーシ各地で起きていた。故郷を出て旅をしていたワーシャは、盗賊退治に来ていた兄サーシャと再会し、モスクワ大公ドミトリー、骨の塔の領主カシヤンと出会う。カシヤンの正体は不死身の魔術師であり、ワーシャが青い宝石を身に着けているのを見ると死神の奴隷だとののしった。消えかけていたマロースカは、ワーシャの魔女の血によって生きのびていたが、利用されていたことに怒ったワーシャは宝石を手放してしまう。モスクワ大公の座を狙うカシヤンは、タタール人の盗賊達とともに宮殿を襲う。姉オリガの屋敷にいた幽霊がカシヤンの妻タマーラであり、カシヤンの命を持っていると気づいたワーシャはカシヤンの命を壊す。タマーラは、ワーシャの実の祖母でもあった。霜の魔物は生き続けることはできない。力を失ったマロースカはワーシャの前から姿を消す。

    0
    投稿日: 2026.02.16
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    随分長いこと図書館から借りてしまったほど読み難い。前作よりは話の展開早いけど、調子に乗った態度を取る主人公に入り込むことが出来なかったし、始終陰鬱としてるし、ちと合わん。 3部目に手を出すか、どうするか...

    1
    投稿日: 2025.03.06
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    故郷を守る代償に、故郷を失ったワシリーサ(ワーシャ)。冬の王から与えられた馬(ソロヴェイ=小夜鳴鳥)と共に旅に出る。男装したワーシャはふとした偶然から次兄アレクサンドル(サーシャ)と再会する。サーシャは母方のいとこドミトリーと行動を共にしていた…。 第2巻のモチーフは"火の鳥"です。そしてワーシャたちの亡き母が"イワン1世の娘だった"という筋立が物語に奥行きを与えて行きます。モスクワへ嫁に行った姉オリガとその娘マーシャも重要な役割を果たします。 ワーシャがぶつかる難題の数々は余りにも過酷で目を背けたくなる所が多々あるのですが、張り巡らされた伏線が少しずつ少しずつ解けていくのが見事です。はたしてワーシャの運命が好転するチャンスは残されているのか?最終巻へと続きます。

    25
    投稿日: 2024.10.02
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    冒頭の貴族女性たちのバチバチが良いね。オリガがすっかり立派になって。 マロがワーシャに付き纏っているのかと思ったがワーシャもマロが必要なのか。

    2
    投稿日: 2024.02.10
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    少女がありのままに生きるには厳しい社会。どうやって切り抜けて行くのだろう。悪魔のささやきも司祭の思惑もエイッと投げ捨てて、前へ進んでいくことを貫き通せるのだろうか彼女は 続きを読みたい!!

    2
    投稿日: 2023.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    熊と引き換えに父親が死んでワーシャは魔女として皆から追われ旅に出る。少年の格好をして愛馬ソロヴェイと共に困難を乗り越え成長していく。姉や兄との再会、盗賊からさらわれた娘たちの救出、魔術師との闘い、その影に寄り添うように冬の王が危機のたびに現れ助けてくれる。二人の間に何かが生まれ育っていくのが感じられる。だからこの巻の最後はショックでした。 冬の王などの伝説神話の世界がキリスト教の閉じられた世界に侵食されていく様子、ロシア黎明期のモスクワのハン一族との攻防など歴史物のような奥行きがあって面白い。また虐げられていた女性たちの在り方なども考えさせられる。

    1
    投稿日: 2023.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第2部 生まれ育った村を追われる形で、首都モスクワへと辿り着くワーシャ。 途中、盗賊と戦って攫われた少女たちを救出したり、宮廷に渦巻く陰謀に巻き込まれたり、自らの出自にまつわる因縁の魔術師との対決、という怒涛の展開。 当時、ロシアの一定の身分の女性はテレムと呼ばれる小高い住居に篭って暮らし、自由に外を歩くことさえ許されなかった。 年頃になれば、結婚して夫のテレムに移りそこで子を産み育てるか、もしくは出家して修道院に行くか…自由奔放なワーシャにとってはどちらも監獄と同じである。 馬に乗って1人旅立ち、寒さや飢えや身の危険に晒されたとしても広い世界を見たい!というワーシャの望みは叶うのか。 ふと『ピーターパン』の中で、人間が「妖精なんかいない」と言うたびに妖精が1人死んでいく…という話があったのを思い出した。 ロシアの土着の精霊たちや、キリスト教の神でさえ、目に見えないものに対する信仰というのは人間の心に深く根ざしながら、一方で簡単に揺らいでしまう不確かなものだ。 それは、死を司る冬の王マロースカであっても同じで、不死の存在である自らをこの世につなぎ止めるために若い娘を利用してきたが、いつの間にかワーシャを愛してしまったことで力を失い…という切ない展開。 自分の感情に戸惑いながら、ワーシャにどう接したらよいか悩んだりする意外な人間臭さ(ツンデレ)が微笑ましい。 マロースカはまた冬が来たら力を取り戻すの? それとも完全に消滅してしまったの…? 第3部が楽しみ。

    2
    投稿日: 2023.07.02