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下駄の上の卵 (新潮文庫)
下駄の上の卵 (新潮文庫)
井上ひさし/新潮社
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総合評価

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    面白かった。 少年たちの思いも、動きも、関係性もとてもリアル。 ボールが手に入りそうになると、がんばれ! と、応援したくなるし、 その手から無くなりそうになると、あぁ…と心配になる。 すごいな、と思うのは彼らの信頼関係。 ボールが手に入るチャンスを誰かに賭けたら、後で責めたりしない。 なくなっても、ボール目的じゃない別行動をとっても、 ちゃんと理由を話して、「それじゃあな」という感じ。 このさっぱりした思いやりが、とても気持ちよかった。 この子たちを好きにならずにはいられない。

    6
    投稿日: 2025.09.15
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    軟式ボールを手に入れるため、山形の野球少年たちが東京行きを目指すという冒険譚。 戦後まもない日本の実情が明るく豊かに活写されている。 特に山形の少年たちの目を通して覗く、東京の闇市や孤児らの描写は衝撃的。 一見重いテーマだが、作者お得意のユーモアが炸裂していて読んでてちっとも飽きない。 間違いなく日本人にしか書けない小説で、こういう作品が後世に受け継がれなきゃいけないと思う。 井筒和幸の解説も的確でよい。映画化の企画が立ち上がっていたものの流れたとのことだが、是非実現してもらいたい。

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    投稿日: 2024.05.01
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    戦後山形から東京に出て行った少年たちの冒険談。 キセルにしても、東京でおこる様々な騙し騙され合いにしても、戦後の厳しい時代の中でみんなが必死に生きていたことのあらわれなのだろう。もちろん小説ではあるが、こういう時代の雰囲気がしっかりと残されているのは素晴らしい

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    投稿日: 2023.06.05