Reader Store
どうしても生きてる
どうしても生きてる
朝井リョウ/幻冬舎
作品詳細ページへ戻る

総合評価

294件)
3.9
77
114
77
11
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日常の中で ともすれば見逃しそうな燻った感情だったり 認めたくなくて避けてる感情を 炙り出される感覚 精神的に辛いときに読むと 気持ちを持っていかれそうで 怖くなるくらい現実的

    0
    投稿日: 2025.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    解説で万城目さんが語ったとおり、現実のままならない物語。理不尽な世界であるからこそ、読書は大団円を求めると思う。ただ、大団円はときに辻褄合いすぎという違和感を感じることもままあることも事実。辻褄の合わない世界でどう折り合いをつけて行くかを読者は考えながら読み進める。最も印象にのこった「籤」では逃げ出したバイトの藤堂に対し、主人公であるみのりに「私ならむしろこの籤(勤務交代によって強いられた地震後のお客様対応)をひけてよかったと思う」などと語らせてもよい場面だが、藤堂に自己弁明を語らせておいて放置する強さ、あるいは最も効果的な対応、あるいは自己の気持ちの整理のために身勝手に藤堂を活用したあたりがままならない現実を感じる。 作者ならではの、若者のトレンドを上手く取り入れるセンスも好きです。加えて、流麗だけどたまにめんどくさい文章は時より読みたくなります。

    6
    投稿日: 2025.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    Audibleにて 聴き終えたばかりで最後の章が印象に残っているので感想を書きます ハズレ籤を引いても置かれた場所で頑張る 長い目で見ると納得の行く答え合わせができる 反対にその時は当たりくじを引いたように見えても、置かれた場所で歯を食いしばれず、言い訳ばかりしていれば、堕ちた人生になる 最後、一見当たりくじを引いたかに見えた男達が、堕ちた人生を歩んでいたのが爽快だった

    0
    投稿日: 2025.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    健やかな理論 別に死にたいわけじゃない。でも「もういっか」って思うことはある。そんなとき、手軽に死ねるツールがすぐ側にあれば、自殺も不思議じゃない。 七分二十四秒めへ 音楽を聴いていても映画を見ていても、何をしていても現実が迫ってくる。もう希望も何もないのなら、一時でもいいから現実から目を背けたい。だから中身のないくだらない動画を、今日も見るのだ。そのときだけは、救われるから。 流転 「好きなように生きる」ことと「嫌なことから逃げる」ことは違う。投げ出して逃げ出してばかりの人生では、どうしたって自分自身に対しての後ろめたさが付きまとう。 遠い自分のために、時には信念を曲げ、絶対に譲れないと思っていたものすら差し出し、自分が対峙しているものと「向き合う」ことが必要になる。 籤 救いようのない話。絶望。醜い人間の本性を暴くこと。朝井リョウの本質だと思っていたものについて、自己言及的な批判をしていた。だが我々は知っている。いつだって最後には、消え入りそうな希望を残してくれていることを。だから、今日もまた生きるしかないのだ。 受け入れがたい現実を目の前に「こうなったことにも意味はある」とは思えなくとも、それでも生きるしかない。生きればそれが次の「生きる術」に繋がる。乗り越えた試練を繋げて、次の試練に挑むのだ。

    12
    投稿日: 2025.12.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんは当時に流行っている物を調べ上げて、物語に組み込むのが上手いなと、本を読んで再認識した。

    0
    投稿日: 2025.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一度に大量に摂取するものじゃないね、彼の作品は。 頼むから人生を楽しんでいないでくれ、朝井リョウは。楽しみながらこんなの書かれたらおれは生きていられなくなっちゃうのよ。

    0
    投稿日: 2025.11.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    自分の生の轍や人との関わり、考え方へ疑問や後悔や悩みを募らせている人々の短編集。 ただ、物語的なハッピーエンドや救いが必ずある訳ではなく、その人にとっての解を何となく見つけたり、それが人生だと諦めにも似た終わり方であったり。メンタルが終わっている時に読むと、大人は辛いかもしれないなと思いました。 最後の「籤」という話はかなり前向きな終わり方。 今までの人生どれだけハズレを引いただたろう?あの時、あっちを選んでいたら。こうしていたら。ああしていなかったら。たられば、あの時の私。 ただ、ハズレと思っていたことが実はそうではなかった、ということも多い。というかハズレをハズレたらしめるのは、ハズレだと思っている自分の考え方だけなのであって、それは他人から見たら当たりかもしれない最高にベストな選択の可能性もある。ハズレと思っていた選択。でも、だからこそ今こうである。そんな考え方をしていくべきですね。 最後の文章。「明転した。私の舞台。私の人生。」全ての登場人物と、自分自身の人生に思い悩む全ての人々が、いつかこのように思える日が来ますように。

    0
    投稿日: 2025.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    六つの短編。主人公のそれぞれ、バツイチ女性、契約社員、子育て介護で悩む主婦など‥‥。 自分の夢、感情、正義を押し殺し、生き続ける。納得出来ない、凶のおみくじを受け入れ、自分自身に大丈夫って言い聞かせながら、 どうしても生きてる 朝井リョウ、現代社会をぶった斬る〜、いろいろ考えさせられました。

    0
    投稿日: 2025.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    きつい 籤を読んでいいお話、前を向ける話だと思えない みのりがアタリクジを引いてたとしても、物語にでてきた男たちみたいにはなってないと思う しょうがないなんてクソ喰らえだ!

    0
    投稿日: 2025.11.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集。 朝井リョウらしい文面。 物語とは思えないリアルな展開や感情はどうやって書いているのだろうといつも感じる。 少し気持ちが暗くなるが、世の中そんなハッピーに包まれてないぞとも思うし、みんな頑張ってんだなって俯瞰して見れるところもあり、面白かった。 ただ、暗い。とにかく。

    0
    投稿日: 2025.11.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    記述にリアリティがあって、そのリアルさから読んでいてしんどくなってくるが、そうした想像力を読者にもたらすことは、小説の良さだろう。 「どうしても生きてる」ってこういうことだよね、あるいはこういうことでもあるんだな、って思う。

    0
    投稿日: 2025.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    貧乏くじを引いたってどうしたって生きていくしかない 泥臭く何かをつかんて立ち上がれ この小説は心の隅をつついてくる そして問いを投げかけてくる 今は答えを出せないけれど 問いを心のなかに持つことができる 答えを探しながら生きることができる 最後の「籤」で光を見せてくれた所も良かった

    0
    投稿日: 2025.11.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    好きな一節を抜粋 痛いときに痛いって大きな声で言えることが、気持ちいいんだよ (中略) 心のままに泣いても喚いても叫んでも驚かない人がひとりでもいれば、人は、生きていけるのかもしれない --- 自分が子どもと関わる仕事を選んだ理由ってコレだなぁ。コレをする子どもの姿を見ると、羨ましさも混じりつつスカッとする感じが好きなんだな〜

    0
    投稿日: 2025.11.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     生きていれば自分ではどうにもできないことに陥ることがある。それは、はずれくじのように起こることも少なくないからやるせないし、辛くて救いようがない。自分では間違っているとわかっていても、簡単には抗えない大きな存在に従い、飲まざるを得ないことまである。  この短編の物語のような状況のみならず、もっと様々な八方塞がりなケースが存在していて、それには誰もが陥る可能性があるが、人によって本当にあらゆる受け止め方があるのだろう。ただ、人が苦しさをあまり感じずに生きていくには、呼吸をするように素直に本音を吐き出すことができるような存在がそばにいてくれることが必要なのではないだろうか。それを見つけられない私たちはもがき苦しみ、それを見つけたとしてもなお、どうしても生きていかないといけないのだろう。  

    9
    投稿日: 2025.11.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    健やかな論理以外はなんとも言えない感じだった。 共感することはあっても心に残るほどの言葉はなかった。 ・いつだって少しだけ死にたいように、きっかけなんてなくたって消え失せられるように、いつだって少しだけ生きていたい自分がいる、きっかけなんてなくたって暴力的に誰かを大切に想いたい自分がいる。

    0
    投稿日: 2025.10.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集を読みたい気持ちと、SNSでの紹介があったなということで購入。朝井先生の本は2冊目だけど、生々しいという表現が今のところ1番しっくりくる気がする。共感できるけど、なんか痛くて、わからなくて、モヤモヤする。でもすごく身近なストーリーに感じる。うまく言葉にできないのがもどかしいけど、もどかしいと感じるこの気持ちで今はいいのかなと思う。難しい〜!笑

    0
    投稿日: 2025.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人によって幸せの基準は違ってて同じ物事でも裏表で見方が違ってくることを改めて思い知りました。 とてもリアルな描写で、時には図星を突かれる感覚がありましたが登場人物に共感はできませんでした。こういう人いるよねってイライラしたり… 自分の弱い部分をさらけ出してもいいんだよって言われてる気がしました。

    0
    投稿日: 2025.10.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『健やかな論理』 〇〇だから〇〇のようにはっきりと境界線が引かれた健やかな論理に何でもかんでも当てはめたがるのは安心したいから。こわいから。けど全てを当てはめられるわけはなく曖昧な境界がほとんど。 >いつだって少しだけ死にたいように、きっかけなんてなくたって消え失せられるように、いつだって少しだけ生きていたい自分がいる、きっかけなんてなくなって暴力的に誰かを大切に想いたい自分がいる。 さまざまな感情が入り乱れた境界のない自己の中に突然生まれる健やかな論理に則った感情。その稀有性に胸が震えた。 『流転』 嘘をついてでも変わらないものに自分を託してしまう。嘘をつかず直線で進んだ先は誰も保証してくれない。豊川の行動は何ら責められるものではない。それでも後ろめたさが感じられてしまうのは誰しもこの経験があるからだろうか。 『七分二十四秒目へ』 生き抜くために大切なこととされていないものに触れている間、罪悪感を感じてしまうのはなぜだろうか。それで生きていけるならそれで十分なはずなのに。そういったものを切り捨てない世の中がいいなと思う。 『風が吹いたとて』 そうするしかなかったことってある気がするし何なら今も周りにあるかもしれない。考えなければならないことを身の回りだけに狭めたくても徐々に広げられていく瞬間がある。何もできないのに何もできないことがほとんどなのになぜ巻き込まれなければならないのか。大小関わらずそうした無力感を抱えながら毎日を生き抜いてることに気付かされる話だった。 『そんなの痛いに決まってる』 大人になればなるほど思ったことをそのまま言える時間・人は限られてくる。誰かのどこにも消化できない思いを受け止められるように、そして少しでも吐き出せるように生きていきたい。 『籤』 外れ籤を引かされたことがある人、引かされたことがない人。そうだ、引かされても受け入れる、受け入れないは選べない。やるしかない、やるしかなかった。生きづらかった。これからもきっと引かされることはある。それでもやってきたことは自分を強くしてくれているはず。希望を持てた。

    0
    投稿日: 2025.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きることと死ぬことは対立する2つの事象ではなくて 互いに相手を手繰り寄せるように繋がっているのだと気付かされる。

    0
    投稿日: 2025.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    正直読後感はあまり良くなかったが、これぞ朝井リョウだなという感じだった。 ハッピーエンドにとどまらないのが「実」であるというようなことを解説者が書かれていたが、まさにその通りで、だからこそ6人の人生それぞれに人間味を感じた。 ただ代表作の正欲も少し読んでみたが、やはり私には朝井作品があまり刺さらないのかもしれないと感じた。

    1
    投稿日: 2025.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の章がかなり印象的です。 全部の籤を繋げたら、「蝶々結びだって何でもできるようになったよ。」それでも生きるしかないということが伝わる言葉だと思います。自分は外れくじを引いたことのない人生なのか、外れくじを引いたことにすら気づいてない愚かな人間なのか、外れくじを引いたら他人に押し付けている人間なのかを考えさせられました。 全体を通していろんな価値観が交錯し、様々な声を簡単に聞くことのできる現代においてとても意義のある小説だと感じました。

    1
    投稿日: 2025.10.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    浅井リョウの人の心を言語化する力にはいつも感嘆する。 健やかな論理 こういう事する人だからああいう事する。という風に論理付けしたくなる気持ちは健やか。たいがい間違えてるけど。 流転 独立する明石はその後どうなったのか気になった。豊川は会社に残るしか道はないがまた余計な荷物を背負ってこの先も生きていかなければいけないのだな。 七分二十四秒めへ 「男のユーチューバーが別にやらなくてもいいことばっかりやるのって、男ってだけで生きていける世の中だからですよね」 という一文が同じ男として生まれた身には、正直優越感を覚えた。 風が吹いたとて なぜこんなに物語の中で風が吹いているのか分からなかった。 そんなの痛いに決まってる ありながずっといいこと言ってる。人の気持ちを上手に言語化して、ムカつくけどこの人も大変なんだろうなって言える心のゆとりが素敵だった。 籤 確率が1/249なんだと初めて知った。今だとヤングケアラーとして保護されそうな学生時代だか、社会人になってもその経験が生きていると思うとハズレ籤なんてないのかなと思う。

    2
    投稿日: 2025.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前情報なしに読んでしまった。 メンタルがやられてる時には絶対読むべきではない内容。 内容が悪いとかではないが、とにかく読了感がスッキリせずブルーな気持ちになってしまう。

    3
    投稿日: 2025.09.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まさにタイトル通り「どうしても生きてる」。なにか目的があったり、明日が楽しみで生きているわけじゃない。苦しみながら、ただその時間を「生きてる」。主人公たちの感情は共感できるものが多くてリアルだった。でも共感したからこそ、辛い気持ちになってしまい、あまり楽しくない読書体験になってしまった。

    10
    投稿日: 2025.09.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    様々な『どうしようもなさ』を抱えながら、それでも、生きている主人公たちを見ていると胸が締め付けられそうだった。多かれ少なかれ、現代を生きている人たちには共感できるところがありそう。 特に最後の話は、なんて辛い状況なんだ、、と思ったが それでも実際長い目で見ないとなにがよかったかどうかなんてわからないなと、少し勇気づけられた

    14
    投稿日: 2025.09.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     朝井リョウの作品はかなり好きでいくつか読んでるが、今作もやっぱり好き。  朝井リョウって、複数人から成る小説家軍団なんじゃない?って思う。1人の人間がなんでここまで色んな角度からものが見られるの?  それぞれに苦しい現実があっても、私から他の人の苦しみは見えない。何が救いになるかも、またそれぞれに違う。正しさのなかで溺れそうになる人がいること、正しさだけじゃ掬い上げられないものがあることを、ここに書いてくれている。私が掬われたわけじゃないのに、掬ってくれてありがとうって言いたくなる。  

    1
    投稿日: 2025.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うわあやっぱり男性作家だなあ〜と思う部分が多々あったりしたけど、どこに出てくる登場人物も近くにいそうだし、何より最後のみのりの章が女の目を通しているとしか思えない人生だった。

    1
    投稿日: 2025.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    現実はフィクションのようにはいかない、そう思わされる作品だった。 「実」と「虚」 誰かが好き放題できるのは、誰かが我慢しているからなのかもしれない。 皆、痛みを隠しながら社会で生存しているのだろう。 「想像力」が大切だと思ったが、それはあくまで第3者の視点だからこそ思えることで、その物語の当事者達は、想像力が限定されるのだろうと思った。 だからこそ、「想像力」が大切なのかもれしないが。

    0
    投稿日: 2025.08.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    不安を抱えながら、死にたいと思いながら、でもやっぱり、「どうしても生きていくしかない」って思う瞬間がある

    1
    投稿日: 2025.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    衣食住に困るわけでも生死の危険があるわけでも無い日本。それなのに苦しみを感じるリアルで繊細な心理描写に、自分の心が影響を受けてしまった。 少し気持ちが落ちている時に読んでしまったのが良くなかったかもしれない。 劇的な展開や明るい希望が感じられるわけではない。それでも生きていく登場人物達の静かな強さが感じられた。特に最後に「くじ」を入れたのは作者の優しさというのか願いのようなものが感じられた。

    0
    投稿日: 2025.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    時間を空けながら読んでしまったのでもう一度読み直したい作品。 フィクションでありながらもノンフィクションのような短編集。 最後の「籤」が1番好きだった。ハズレくじばかり引いてきた主人公と、今まで順風満帆に生きてきて急にハズレくじを与えられた男たちの対比が見事だった。

    0
    投稿日: 2025.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どうしようもなく生きるしかない。 逃げることもできない。そんな時の気持ちがドバッと押し寄せてくる。 しょうがないと言っている側、言われた側どちらも言い分はある。 だけど、言われた側はその相手の気持ちまで抱えなきゃいけない。 言えたら楽なこと、そんなことはわかっている。 だけど、言えない。どうしても言えない。時がある。

    0
    投稿日: 2025.08.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    社会のやるせなさというか、ハッピーエンドにはならないよねという短編集。東海オンエア見るのやめよ。バカみたいなことをやって生きられのは男だけ?嘘をつかなければいいの?

    0
    投稿日: 2025.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んでて、すんごいしんどくて重くなってしまうけど読みたくなる なんでこんなに人の嫌な部分とか相手に対するモヤッとした思いを言語化するのが上手なんだろ

    0
    投稿日: 2025.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウ『どうしても生きてる』読了。 作家さんのお名前は以前からよく目にしていたけれど、読むのは初めて。気になっていた作家さん。 読み始めると文章がとても自然で、するすると入り込めた。 会話が多すぎず、心理描写がじっくり描かれていて、まるで純文学のような深さがある。寝る前にKindleで少しずつ読み進める時間が、なんだか贅沢だった。 作品全体を通して、誰もが心のどこかに抱えているようなもやもや―― たとえば、自分の経験だけで人を決めつけてしまったり、昨日まで楽しそうにしていたのに突然折れてしまう心だったり。 他人と比べてしまう自分のプライドは、傍から見たら些細なことでも、自分にとっては捨てられないものだったり。 そういった感情の揺れや弱さが、とても丁寧に、そしてときに皮肉まじりに描かれていて、何度も「わかるなあ」と思わされた。 ちょいちょい性欲や体の描写が出てくるのは、男性作家らしさを感じる部分でもあったけれど、それも含めて「生きてる」ことのリアルさなのかもしれない。 タイトルが「生きている」ではなく「生きてる」なのは、どこか意図があるのだろうと思いながら読み進めたけれど、明確な答えはないまま終わった。それでも読み終えた今は、「生きてる」って言い方のほうが、しっくりくる気がしている。 日々の生活の中で名前のない感情を抱えたとき、この作品のように、そっと言語化してもらえると、少しだけ心が楽になる。そんな一冊でした。

    7
    投稿日: 2025.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集の中で、「籤」という作品は私のバイブルみたいな作品です。 「選んだ籤をあたりにするかはずれにするかはあなた次第」というようなキレイなパッケージされた言葉じゃない、人間の嫌な部分とともに紡ぎ出された言葉は、キレイにパッケージされた言葉の何倍も「ハズレクジ」と向き合う勇気をくれます。 「受け入れる、受け入れないを選べたわけじゃないんだよ、これまでもずっと」 理不尽、不平等、報われなさ。 隣の芝生は青く見えるし、どうして私ばっかりと思ってしまうこともあるけれど、それでも。 「何を引き当てたって、どんな場所に置かれたって、そのたびどうにか根を張り直してここまできた」人たちの背中を全力で押してくれる、そんな作品です。

    12
    投稿日: 2025.07.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    失う痛みと生まれる希望、ハッピーエンドに運ばない現実と闘う、登場人物たちの静かな再生の物語。現代人が持つ心の闇を深く抉り取る。

    13
    投稿日: 2025.07.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わったあと何とも言えない複雑な気分になる でも読む手が止まらない 生きるってこんな感じだよね 最後の短編は、ちょっと前向きになれた最後向きの短編

    0
    投稿日: 2025.07.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさん、結構希望に満ち溢れた本を書く勝手な偏見があり、個人的にあまり読まない作家さんだったんだけど、結構絶望のままで終わる短編集だったのが良き。思ったより良き。 みんな絶望のなかで生きてるよね。死ぬ勇気も死ぬ理由もないもんね。とりあえず前を進む少しの力しかないよね。

    0
    投稿日: 2025.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの主人公も生きづらさを抱えていて、でも自分も同じ様なことを感じているような、きっとこんな風に気づいていなくとも、同じ様な感情を持ちながら生活を続けている人は沢山いるんだろうな、と感じた、私は「流転」の主人公にイライラしながらも、きっと同じ様に目を背けながら生活を続けてきたのでは、と思った

    11
    投稿日: 2025.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    リアルでどの話もほんとありそうな話。そしてマイナスな感情になる。元気な時じゃないと物語に引き込まれてしまう感じ。どんどん読み進めることができました。朝井リョウさんやっぱりすごい。

    2
    投稿日: 2025.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    そんなの痛いに決まってるが良かった 朝井リョウさんの『どうしても生きてる』読みました。朝井リョウさんの小説を読むときは、共感して刺さりすぎていつも痛みが伴うのですが、どうしても読みたいんですよね…。エッセイはあんなにファニーな感じなのに、事実は小説よりも奇なりみたいなのを小説でやってくるんだもん。 『どうしても生きてる』 葛藤を抱えながら生きてる人たちの短編集 心情描写が凄すぎて、自分の中にもあるけど忘れていた、忘れたふりをしていた「もしあの時あっちを選んでたら」という気持ちを思い出して苦しくなり、何度か本を閉じた 誰かに話しても解決せず現実は続いていく 最後の「籤」で救われた 読んだ。すごかった、としか言えねえ…… 他人の人生をまじまじと見た、見させられた感覚 いつからかプライバシーの一言で他人の人生を覗かないことが当たり前になり、想像することすらしなくなった私たちが失ったものの大きさを感じた気がした 朝井リョウって充実した世界を生きてるように見えるのに、なぜ現実のしょうもなさを描くのがうまいのだ? 全体的に鬱々してしんどい話多め。 どの話も自分に心当たりがあって「うわ…つら…」ってなるけどそれでもどうしても生きようって気持ちになりました。 マジで『どうしても生きてる』ってタイトルが良い。 歩き続けるのは前に進みたいからではない。 ただ止まれないから。それだけなのに。 短編集。 何も背負って無い人なんていない。でも背負ってないふりで生きてる、自然に。 衣食住、全て満たされてるのに なぜか幸せではない現代人を 客観的に表現するのうますぎる 自分の中でうまく言語化 できていないモヤモヤを表現された 希死念慮と共に生きてる方はぜひ。孤独を癒すというより共に戦ってくれる短編集です 「 彼も私も、他の誰かに恋愛感情を抱いたりはしていなかった。お互いに、暴力を振るうことも、借金などの隠し事もなく、セックスもきちんとあった。子どもはいなかった。私自身、自分が子どもが欲しいのかどうかよくわかっておらず、だけど年齢的なことを考えるとそろそろ人生の全体像を見据えたほうがいいのだろうなとは思っていた。子どもについてそもそも欲しいのか欲しくないのかを話し合い始めたころ、離婚を提案された。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「はじめは女性の自慰行為用の道具を使用していたけれど、やはり自分ではない誰かに自分の体に触れられる快感を代替できるものではなかった。女性用風俗は一度利用してみたものの、想像以上に内容と価格が乖離していたため、マッチングアプリをダウンロードしてみた。そもそも継続的な人間関係を築くつもりはなかったので、年齢は少し低めに設定し、そのほかのプロフィールも異性が興味を持つ要素を自分の現実に適度に塗した。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「アプリを通じて知り合う男たちの印象は、総じて、マッチングアプリを使っていそうだな、というものだった。それは、遊んでいそうとか性欲が強そうとか外見で女を選別していそうとかそういうことではなく、人生における予想外の出来事や事態をリスクと名付け、可能な限りはじめから排除したがりそう、という、はっきりとは言葉にしがたい雰囲気だ。コストパフォーマンスが悪いことを何よりも嫌がりそうな男たちは、目の前に現れた女を想像よりもかわいくないと判断しても、おそらく登録しているよりも年齢は上だろうと勘付いても、後腐れなく体を開く相手だと分かれば自宅でもホテルでも十分な広さのベッドをするりと用意してくれた。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「 団体ではなく自分の名前で仕事ができるようになりたいなんて一切思わないし、土日も働いて複業、なんて全くやりたくない。起業も海外経験も外国語の習得も、人間を成長させると言われているあらゆることが、自分にとってはどうでもいい。適度に働いて、税金も納めて、そのまま日々を過ごし続けたい。それがひどく怠惰なこととして数えられるようになったのはいつからなのだろう。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「「満たされていないから他人を攻撃する」「こんな漫画を読んでいたから人を殺した」はやがて、「満たされている自分は、他人を攻撃しない側の人間だ」「あんな漫画を読んでいない自分は、罪を犯さない側の人間だ」に反転する。おかしいのはあの人で、正しいのは自分。私たちはいつだって、そんな分断を横たえたい。健やかな論理に則って、安心したいし納得したい。だけどそれは、自分と他者を分け隔てる高く厚い壁を生み出す、一つ目の煉瓦にもなり得る。  再配達を頼んだのだから、自殺なんてしない。  離婚を申し込まれたのだから、かわいそう。  新しい恋人ができたら、もう大丈夫。  満たされていないから、クレームを言う。  暴力描写のある漫画を好んでいたから、人を殺す。  そんな方程式に、安住してはならない。  自分と他者に、幸福と不幸に、生と死に、明確な境目などない。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「好意を伝え合ったわけでも、付き合っているわけでもないのに、都合よく体の関係を結んでいるだけなのに、いなくなってほしくないと、突風に飛ばされるように思った。  電車がいなくなる。頭の中には恭平がいる。  あるとき何の前触れもなくこの世界から消えてしまいたくなるときがあるように、何の前触れもなく、この世界にいる誰かを想う自分の存在を熱烈に感じるときがある。いつだって少しだけ死にたいように、きっかけなんてなくたって消え失せられるように、いつだって少しだけ生きていたい自分がいる、きっかけなんてなくたって暴力的に誰かを大切に想いたい自分がいる。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「ラッパーだ。豊川は、マイクを握る男、という映像を観ただけで、歌手という言葉よりもラッパーという言葉を先に思い浮かべた自分に、ここ最近のラップブームを痛感した。いま世間でラップが流行っているということは、大学に行く日が目に見えて減っている豊川や瀬古でも肌で感じられる現象だった。そして、そのブームは、とある深夜番組がきっかけであるということもなんとなく把握していた。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「豊川はそのとき初めて、テレビの中で丸裸になった人を見た。  もちろん、物理的に裸になっていたわけではない。マイクを握る二人とも服を着ていたし、おそらくきちんとテレビ用のメイクだってしていただろう。だけど、そういうことを飛び越えて、ずるりと剝かれた心臓が画面から差し出されたような気がした。臓器を巡る血管と、脈打つ鼓動さえはっきりと見えた気がした。おかゆ代わりに摂取していた番組とは、何もかもが違っていた。  リアル。熱。切実さ。本音。噓のなさ。自分の中だけで唱えていたはずの言葉たちが、何百万人という人々が観ているテレビ画面の中から差し出された。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「「最近ずっと色んな人に足りないって言われてた、リアルさとか、熱とか、切実さとか、本音とかって、そういうことなのかもな」なんつうか、なんだろう、と、瀬古が危うげに言葉を探る。「物語の舞台が架空の国でも、いつでもない時代でも、どんなにフィクションでも、それを作り出してる俺らが本気かどうかとか、俺らの原作力とか、作画力に噓がないってことが、一番大事なのかも」  うまく言えないけど、と呟く瀬古の瞳に、マイクを通して本当のことだけを伝えようとしている二つの命が映っている。「俺、もっと、絵、うまくなるよ」  これまでの人生を言葉に乗せて、真実という要素ひとつで視覚では捉えられない大きな何かを突き破ろうとしている人たち。「俺の場合、誰よりもうまく絵を描くってことが、噓がない、本物の絵描きだっていう証明になる気がする」」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「あのころは、自分たちの漫画もそうでありたいと、瀬古と何度も語り合った。そんな日々が懐かしくて、何より、恥ずかしい。  リアル。熱。切実さ。本音。噓のなさ。  それらを真っ直ぐに守り続けることができると信じていた自分は、確かに、存在していたのだ。  あの年のカウントダウンフェスには、目当てのラッパー以外にも、ヒップホップと呼ばれるジャンルに属するアーティストが多く出演していた。その数年前、世間がアイドルブームに沸いた時代、ロックバンドばかりだった音楽フェスにアイドルグループがたくさん出るようになったときのように。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「ヒップホップはいつだって、パフォーマー自身の人生をエンジンにして、フェイクではなくリアルを奏でてくれる。 M Cバトルでも、ライブで披露される曲でも、本音にしか宿らない熱を見せてくれる。  みんな言う。  自分に噓をつくな、と。  負けてもつらくても泣いても打ちひしがれても絶望しても、自分に噓だけはつくな、自分だけは裏切るな、と、みんなが口を揃えて言う。  テレビ番組がきっかけでヒップホップが流行したときも、 LGBTへの偏見をなくそうという運動が活発になったときも、ハラスメント撲滅運動のときも、次々興るムーブメントの中で、代わる代わる突きつけられてきたメッセージだ。自分に噓だけはつくな、ありのままの自分を恥じるな。変わりゆく時代の中で、何をどこまで剝いても顔を出すメッセージだ。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「 女性が女性として生きること。この時代に非正規雇用者として働くこと。結婚しない人生、子どもを持たない人生。平均年収の低下、社会保障制度の崩壊、介護問題、十年後になくなる職業、健康に長生きするための食事の摂り方、貧困格差ジェンダー。生きづらさ生きづらさ生きづらさ。毎日どこに目を向けても、何かしらの情報が目に入る。生き抜くために大切なこと、必要な知識、今から備えておくべきたくさんのもの。それらに触れるたび、生きていくことを諦めろ、そう言われている気持ちになる。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「「お前は、自分ひとりくらい、なんて思っているかもしれないが、たったひとりがルールを破ることで、取り返しのつかない大きなトラブルに繫がることだってあるんだ」「何百人の生徒との旅行をまとめる先生の仕事がどれだけ大変か」「風が吹けば桶屋が儲かるって言葉、お前もさすがに知ってるだろう。その逆もあるんだ。ちょっとした違反が、すべてを壊すことだってある。全部繫がってるんだ」」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「動画がどのような形で流出したのかはわからないが、名も無き男性たちが様々な方法で痛めつけられている様子を面白がったどこかの誰かが、動画をどんどんツイッターに投稿した。それらは瞬く間に拡散されていき、あらゆるまとめサイトなどにも転載されるようになった。そのうちの一人が吉川なのではないかと疑い始めたのが、社内の誰かはわからない。だけど、組織に属する人間にとって最大の楽しみの一つは人の悪口であるという仮説は、こういうときにただの仮説とは思えぬ力を発揮する。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「「うーん」吉川は少し悩むと、炙り明太子を一つ口に入れて、言った。「独身のときは、ふらっと遠出するのが好きだったな」  ふらっと遠出、という言葉が、いつも人に囲まれて笑顔を絶やさないイメージから離れていて、なんだか意外だった。「どうしてですか」食い下がる良大に対し、吉川はさっきのちょうど二倍ほど悩んでから、また口を開いた。「思ったことがそのまま声に出るから、かなあ」  予想外の回答に、「え?」良大の首が前に出る。「どういう意味ですか?」「旅行中って、なんか、何て言うんだろう」  吉川が一瞬、思考を巡らせる。「きれいな景色見てすげ ーって言って、その土地のおいしいもの食べてうめ ーって言って、温泉入ってああ ~って声出しちゃったりして、何て言うのかな、反射神経で喋っちゃうって感覚、ないかな」「あー、確かにそんな感覚ありますね」  良大はそう答えながら、あれ、と思った。「普段なら、頭の中にある篩の細かい網目に引っかかって口までは落ちてこない言葉が、そのまますと ーんと声として飛び出していく感じっていうのかな。その街にとっての部外者として、反射神経で思ったことをそのまま言えるっていうのが、気持ちいいんだろうね、きっと。うん、自分でも今、初めて理由がわかった気がする」」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「ありなをありなと呼んでいるのは、初めてありなと会ったとき、お気に入りの AV女優の橋本ありなが三十キロくらい太って老けたらこうなるんじゃないか、と思ったからだ。セフレを探す掲示板の書き込みでは、身長、体重、年齢を数字で表すくらいしかしないし、それらの数字もほとんど噓であることが多いので、実際に会ったとしても結局、その人をその人たらしめる情報は何ひとつ知らないままだ。  だからこそ、会って数十分後にはお互いに全裸になれる。してみたいことを、してみたいと、思ったままに伝えることができる。  ありなは良大のことを、自分が好きな俳優であるザック・エフロンから取ってザックと呼んでいる。別に似ているわけではないが、そばにいる男をザックと呼ぶ自分に興奮するらしい。そう呼ばれたとき、その年で好きな俳優がザック・エフロンて、と、また一つありなをバカにできる要素を見つけられて、良大は嬉しかった。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「だってここでは、誰もが、誰にとっても誰でもない存在なのだから。  良大は、ありなのたっぷりとした背中が、海原のように波打つ人ごみに紛れていく様子を眺める。  たくさんの人が、思い思いに動いている。昼食を摂る人、メニューを迷う人、お土産を買う人、トイレを探す人、車へ戻る人。観光地と観光地のあいだにある、名も無き街の白い建物の中。  俺は、ここにいる人たちのことを、全員、知らない。  ここにいる人たちは、全員、俺を知らない。  ──誰にとっても誰でもない存在として、思ったことをそのまま言える時間が、必要なんだろうね。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「 美嘉とは大学時代にサークルで知り合った。季節ごとのイベントや旅行を通して、どんどん距離を縮めていった。飲み会の最中にふと孤独を感じること、将来は世の中にインパクトを与えられるような、影響力のある仕事をしたいと思っていること、同期のリーダー的存在として振る舞っているあいつが本当は苦手なこと──不思議と、美嘉にだけは何でも話せるような気がした。二人でこっそり英語の勉強をしながら、将来に対して何の対策もしていないように見える同級生たちをあざ笑ったりもした。親友と呼べるような関係になってから付き合うまでは、すぐだった。後輩たちからは憧れのカップルだと言われた。結婚式には同級生も先輩も後輩もみんな集まってくれて、特に二次会は大盛り上がりだった。こんなにも人生の全てを共有し合える人に出会えたことの幸運に、良大は痺れるほどの幸福を感じた。  心の中で、言えないことが芽吹き始めたのはいつだっただろうか。  結婚前、貯金残高と収入を明かし合ったとき、どちらも自分の方が多かったことに、実はものすごく安堵した気持ち。世の中にインパクトを与えられるような、影響力のある仕事をしたいと明かし合ったとき、だけど絶対に自分のほうが格上のプロジェクトに関わりたいと思っていたこと。今後、収入で負けることなんてありえないと信じ切っていたこと。シャワーどころか、本当はウォシュレットだって使ってほしくないくらい、汗や体臭や、人間そのものの匂いを味わうことに興奮すること。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「契約店舗数が減り、ボーナスがなくなり、収入が下がった。だけど、そのことを美嘉に伝えることができなかった。そうなると、美嘉の上に乗っても、性器がなかなか反応してくれなくなった。なぜか謝る美嘉に、良大も謝った。「理由はわからない、疲れてるのかもしれない」と言い、行為を中断すると、無理やり眠った。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「仕事でも収入でも絶対に自分を脅かさないだろうありなに対して、あまりにも心が開放されていく自分。そんな自分の矮小さ、プライドの高さ、心の醜さが、ありなを前にすると興奮に繫がることが不思議だった。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「「テレビとか見ててもさ、そんなのバレるに決まってるって噓つき続けなきゃいけない政治家ばっかり出てきてさ、ムカつく前にみんな大変なんだろうなって思っちゃうわ。私、偉い系の人が性欲強いみたいなの、なんかちょっとわかるんだよね。偉くなって周りに人が増えるとさ、思ったことを思ったように声に出せる場所、もうセックス以外にないんだろうなって」」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「決して産んで終わりということではなく、一生のことであること。自分たちが死んだあと、障がいを持った子どもは自活していかなければならないこと。辛い思いを強いるとわかっていて産むなんて、ただのエゴではないかと悩んでしまうこと。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「 数か月前、会社の同僚に子どもが生まれたこと。絶対に親バカになると言われていたような男だったのに、いざ生まれてみたら不必要そうな残業ばかりに心血を注ぎ始めたこと。最近飲みに誘われ付き合った結果、あっという間に泥酔され、生まれてきた子どもがダウン症だったと明かされたこと。妻の前では絶対にそんなこと言えないが、毎朝目覚めるたび自分の人生が、〝ダウン症の子どもの世話をする人生〟になったという事実をどうしたって受け入れられないことに絶望すること。周りの子どもと違う自分の子どもを、どうしてもかわいく思えないこと。妻は仕事を辞めなければならなくなったこと、かわいく思えない存在に対する想定外の出費に頭が割れそうになるほど苛立つこと、できるだけ家に帰りたくないこと、過去に戻りたいと思いながら毎晩寝付けない夜を過ごすこと。自分の人生が、何もかも変わってしまったように感じられること。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「みのりは、智昭のきれいな形の鼻を眺めながら、広い肩幅を見ながら、そういえば藤堂も鼻の形がきれいで肩幅が広いな、と思っていた。そして、この人はまだ、大通りの真ん中に立ち続けようとしている、と思った。大通りの真ん中以外の道の歩き方を、知ろうとすることすら拒んでいる。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「──俺も何回かそういうこと言い出すハズレ引いたことあるから、わかるよ。  この人は今、ハズレを引いたと思っている。自分の人生はこんなはずじゃなかったのにと、運が悪かったと思っている。みのりはまた、フルーツジュースに口をつける。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「 みのりは思い出す。コロッケは、電子レンジではなくその下の棚にあるオーブントースターで温め直せばカリカリと美味しくなることに気づいた日のことを。  料理のレパートリーはすぐに増えていった。今となっては、自炊ができることがとてもありがたい。独身で外食ばかりの健悟は年々太り続けているし、サッカーの練習で直射日光を浴び続けたくせに何の手入れもしていなかった肌はシミだらけだ。みのりは右目の下のシミを隠したくて、色んな化粧品を試しながらメイクの技術を習得していった。歴史ある劇場のフロアスタッフとして手本とされるような化粧を自分ですぐに施せるくらいに。散々泣いた次の日だって、腫れた部分をきれいに誤魔化せるくらいに。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著 「どれほど「今」を切り取って書き上げても、文庫として多くの人の手に渡るとき、その鮮度は確実に落ちている。  この難しさ、過酷さを目の当たりにして、「割に合わない戦いだな」などと「虚」の作家は身勝手にも思ってしまう。  されど、朝井氏はこれからも挑戦するはずだ。いくら分が悪くても、ひとり黙々と「実」の穴を掘り続けるはずだ。なぜなら、彼は本物であり、本物だけがこの熾烈な道に挑むことを許されるからである。  長く続くであろう氏の孤独な戦いを、私は心の底から応援し続けたい。」 —『どうしても生きてる (幻冬舎文庫)』朝井リョウ著

    4
    投稿日: 2025.06.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの短編も鬱屈した主人公が生きづらさを抱えながらも生きるしかないという、諦めと覚悟が混ざった感情を丁寧に描写されてると思った。

    1
    投稿日: 2025.06.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウの短編集!朝井リョウはあらかた制覇してきた。 5つくらいの短編がまとめられていて、そのどれにも当てはまっているのは「生きづらさ」だなと思う。 朝井リョウの話を読む度に思うけど、生きづらさを感じている人を主人公にした話では、私は共感できないことが多い。多分そこそこ人生楽しめてるんだろうな。 どの短編も朝井リョウらしさがあって、現実をそのまま丁寧に描写してるんだけど、最後の短編「籤」が私は1番刺さった。女に生まれてきたことはハズレなのか?と問いかけられていて、主人公もそれに生きづらさを感じつつ、最後はそれでももがいて生きるしかないと、前に進み出す主人公がすごくかっこよかった。朝井リョウって男性だよね??何でこんなに女目線に立った話が書けるのか不思議でならなかった。 最後の万城目学の解説もよかった!!人生辛くなった時にまた読もうと思います

    4
    投稿日: 2025.06.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    辛い生きてる、どこかで聞いたことのある生き方をしている人たちの短編集。人間に対する解像度が高すぎやしませんか...。 読んでいて心が締め付けられるし、答えのある話ではないのでより絶望を感じてしまう。読んでてしんどい。それでも他人と比較さえしなければ良い人生なんだろうが...

    0
    投稿日: 2025.06.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きていきたいんじゃなくて、半径5メートル圏内の事や引いた籤も消えてしまいたい時にでも人を想うようなこれがどうしても生きているんだと感じた。 痛い時に痛いって言いたい状況も身体の中から吐き出されていく醜さで悦に入る事も自分の誠実さに酔っている事もどうしようもない事だから、自分を大切にしたいのが人間なのだと感じた。 それぞれが生きている。社会の歯車の中で、やりたい事も明確じゃない中で、大人になってただ日々生き長らえているんだと感じた。 フィクションでありながらリアルな生活/人間模様と描写が読んでいて楽しかった!

    0
    投稿日: 2025.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人は、常にクジを引いて生きている。 「こうでなかった」と思うのではなく、そのクジの結果に基づいて生きていかなければならない。

    3
    投稿日: 2025.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ゆとりシリーズのエッセイから入ってしまった者として その内容のギャップと朝井リョウさんの潔すぎるほどの書き味にビックリしてしまった。 『ゆとり』では散々笑わされたのに この作品には四方八方からナイフを突きつけられるような心地がするし 朝井さん…めっちゃ多才…(語彙力の無さ) 「配達を頼んだのだから、自殺なんてしない。  離婚を申し込まれたのだから、かわいそう。  新しい恋人ができたら、もう大丈夫。  満たされていないから、クレームを言う。  暴力描写のある漫画を好んでいたから、人を殺す。  そんな方程式に、安住してはならない。  自分と他者に、幸福と不幸に、生と死に、明確な境目などない。」 「自分以外の誰かが受け取ってくれるはずという甘えに根差した〝剝き出しの人間臭さ〟は、迫真でも圧巻でも何でもない。」 「私たちの現実だけは、暗転させてやらない。  自分はこんなにも醜いのだ、ということを明かしたところで、本当は何の区切りもつかない。なぜ、吐露した側はそこで悦に入ることができるのだろう。こんなにも醜い部分を曝け出せたという点を、自分の強さ、誠実さだと変換して勘違いできるのはどうしてだろう。」 「全部繫げて、リボンにするのだ。そうすれば、つらいときには包帯としても使える。」

    25
    投稿日: 2025.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    【そんなの痛いに決まってる】 痛いことが気持ちいいわけではなく、痛い時に痛いって言える事が気持ちいい。痛くて限界の時、もう無理だって大きい声で言っても驚かない相手がいる空間にいたかった。 痛い時の感情はそういう構造だったのか!と思った。だから転んだ子どもは親の目の届くところで泣き、イタイイタイとんでけ〜で痛みが和らぎ泣き止むのかもしれない。 どの作品も素晴らしかったが、この痛い〜と、籤により惹かれた。 籤のラストで外れ籤を全部繋いで蝶々結びだってなんだってリボンにしてつかみ取り、生きるしかない という箇所でも感情が激しく揺さぶられた。 それくらいしぶとく、生きていく。 読んでよかった。

    0
    投稿日: 2025.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    収録最初の「健やかな論理」の感想。 最初は30越した女性の日常小説かと思ったけど、急に死亡事故の新聞記事がでて、その次に母がでてきて、これは落丁か?、それとも読み飛ばした?、前の部分を読み直して、母の部分も話の状況が理解しようとすごくゆっくり読んでしまった。こんなポンポン話が転換して、小説だから見返したりして理解するまで時間かけられるけど、ちょっとこの構成は初めてでびっくり。 自分なんていなくなってもいいやという気持ちの醸成が丁寧にわかるね、それまでの出来事は違うけどふとした拍子でそう思ってしまうことはたまにはある。特に、今の仕事は、何度も僕は何やっているんだろうと、思ったりしてるので、そこは投影してしまう。まあ自殺しようなんて思ったことはない。 自分の経験では、結婚して子供出来ると虚しさとかを感じる暇なく人生が過ぎてあっというまに50。そっか、自分が若いころは50代の中年が人生が一段落して今の自分をみて虚しさを感じて浮気とかするような小説、渡辺淳一とかが受けてた気がするけど、今は未婚者が多いから30代でのそういう心境の主人公の小説が一般的なのかな。まさに時代の反映している。 話戻して、健やかな論理は社会を安定させるには必要だけど、それが個人に向けられると反論できないだけに心情的には大変そう。非難も心配もってところか。 しかし、人生のむなしさを埋めるために、男は昔からゲームだけど、女性は男に走るのは一般的なのかしら、小説だけの特別な話か一般的なのか私にははよくわからない。

    0
    投稿日: 2025.05.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きる意味とか価値とか、生まれてきた意味とか、よく語られるけど、本当はそんなの無くてただ卵子と精子が結合した結果生まれて、死んでないから生きてる。 みんなうっすらわかってるからこそ無理矢理に価値とか意味とか欲しくなっちゃうんだよなぁ。 どうせ生きてるなら死ぬまでは元気て楽しく生きたいな、とは思う。

    2
    投稿日: 2025.05.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生き辛さを感じていた時を思いだした。 今はそれほどでもないのは、歳をとって感性が鈍くなったからなのか、それとも上手く折り合いをつけて生きる術を学んだからなのか。 なんか色々と考えてしまったが、また普通に生きる日々を過ごすのだろう。

    1
    投稿日: 2025.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    〇〇だから✕✕、という一見常識的で自然の摂理にのっとっているように感じられる現象。 だけど現実で起こるありとあらゆる出来事全てにこの常識が当てはまるわけではない。 絶対的なルールからこぼれ落ちてしまう人がいる。 大通りの真ん中を堂々と歩いて生きることができる人は、こぼれ落ちてしまう人の存在に気づかないし自分の奇跡的な幸福にも無自覚。 当書ではこの堂々と歩ける人とこぼれ落ちてしまう人との対比がいくつか描かれていて、 思考回路の全く違う者同士の間にある絶望的な壁を感じた。 もっとも、堂々と歩いているように見える人だって裏では その人なりの悩みや疎外感があるのかもしれない。 ただその苦痛を自己愛が上回り、無理やりにでも肯定しようとし続けたり問題解決よりも自己弁護に走ることで同時にいろんな人が傷ついているのかな。

    20
    投稿日: 2025.05.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    息苦しい、生き苦しい…そんな感情を抱えた主人公達の目線から作られた短編集。 なんか本当に長い期間にちまちま読んでたから、そんなに深く残らなくて、風が吹いたとてと籤が一番読みやすいし残った。籤は他の方が言うように、本当に実際にその話があるノンフィクションな話かと思うほどに進んでくる。読む気がそそられた。朝井リョウさんは本当に人の心の感情を書き出すのが上手い。

    11
    投稿日: 2025.04.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    普段生活してて、(こんなこと考えてるのはきっと私だけなんだろうなあ)と思うようなことが、この小説に出てくる人たちも考えていて、私だけじゃないんだなあと思える体験ができた。描写がリアルすぎて読むのが苦しい時もあったけど、どちらかと言うと、人には言えない心の奥にある部分に寄り添ってくれる小説だった。

    1
    投稿日: 2025.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんの本を何冊か読んだ程度の物ですが、この人はなんでこんなに現実的に人間を書くことができるのだろう。人生何周目?と聞きたくなるくらい、リアリティがある話ばかりで驚く。 自分の人生ではどうしても目を背け、曝け出すことのできない人間の内なる部分を、本を通じて触れに行くような感覚でした。すごかった。

    0
    投稿日: 2025.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんってなんでこんなに人の心の真髄を表現するのが上手いんだろうって思った。解説にも書いてあったけどこれはわたしの人生だ、って思った。 人間の弱いところ、頑固なところ、ずるいところ、頑張ろうとしているところ、ぜんぶ生々しく現実すぎるくらいに合ってる。

    0
    投稿日: 2025.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    息苦しいと、生き苦しいと感じている人の気持ちが、少しだけかもしれないが、輪郭に触れることができたような気がした。 でも、自分にもきっとある。 もう無理だと叫び出したい、逃げ出したい時にでも、「大丈夫」と答えてしまうあの時。 そんな時にも、置かれた場所で咲くしかないのか。

    0
    投稿日: 2025.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    そうそう分かる!という解説を万城目学さんが書かれていたので一部抜粋 ………………………………………………………………… この浮世は善因悪果、悪因善果の、まるでツジツマの合わない、怪談だらけの世の中だ しかし、これはどうしようもなく「実」の物語であり、「虚」の物語も織りこみつつ、「実」の世界を、底へ、さらに底へとひとり掘り続けている ………………………………………………………………… その掘り方が凄まじく、自分自身で体験したとしても言語化できないのではないだろうかと思う程だが、もう共感しかない なんとなく読み始めたのだが改めて凄い

    1
    投稿日: 2025.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    多くの物が得られる作品でした。 主人公はみんなどうにもならない現実に挟まれながら生きている。加えてそんな現実に立ち向かうわけでも逃げるわけでもなくただ生きている。タイトルもそれぞれの短編をよく言い表せていて良いタイトルだと思います。 主人公がみんなそれなりの年齢でかつ社会人なのも、学生の私にはない重荷、という物があるのだろうという気持ちになりました。

    0
    投稿日: 2025.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    絶望の煮凝りみたいな本だった。 まさにリアル。これが朝井リョウの持つべき感性と、それを正直に謳いあげる塊だ。 腹心を敷く彼の小説は、読むその時によって受け取り方が変わってくる、人生を背負った作品に思える。 もちろんしんどさが勝つ物語ばかりだが、くだらなさや格下に抱く優越感、垂涎と紙一重の苛立ちによってでしか救えない、受け手の安心感がある。 人は人でしか気持ちの行き処を解放できない。主人公たちに止めどなく襲う、偽りのない現実を見る事で、私は大丈夫と息をすることができるのなら、この本は一生手放せない。 まさに人間が抱く、人間らしい感情。どうしても生きてるのだ。生きてる事でしか感じられない、この悍ましいほどの恣意的な心の中を、あらゆる人生の一コマとして篤と魅せられた。

    10
    投稿日: 2025.03.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    やけにリアリティのある短編集。 特に印象に残った話は、上司がSMクラブに行っていた話。なんでも言えるような誰にとっても誰でもない自分という表現が今まで言語化できていなかったので良かった

    5
    投稿日: 2025.02.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ありのままの人生を描こうとすると、 ここまで暗くなるのか。 人間のグロテスクで可愛くない部分を存分に浴びた作品だった。 何があったって、どうしても生きるしかない。 決して希望を持てるきっかけにはならないけど こんな想いを抱きながら生きるのも人間なんだよと 肯定された気がした。

    7
    投稿日: 2025.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私がこの本と出会った場所には、 「どうしても生きてる」と「もういちど生まれる」 が並んでた。 後者は読んだことがあり、自然と前者を手に取った。 いつの間にか心の中に建築され、廃れていった廃墟たちをこの本が引き受けてくれてたように感じた。 「人生なんてこんなもんだよな、」って、まるで初めから理解していたかのように自分を装って、本当は「虚」を信じていた自分から遠ざかりたいから「実」の物語を求めるんじゃないかと思った。 「自分が選んだ道を正解にすれば良い」 そうした言葉と、この本に描かれた物語が相互にそれぞれの存在を強調しているようにも感じた。

    3
    投稿日: 2025.02.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    爽やかなものが好きなため、個人的感想で星4。 「現在」を生きている「現実」の人間の話であった。 大人って辛いよね、とはよく聞くけれど、ここまで鮮やかに尾を引くように描き切る小説は他にないのではないか、と思う。 ただ、現実を生きている人間は、醜い。だからこそ、この小説の読後感は良いとは言い難い(そこが良さであるから改めろとは一切思わないし思ってはいけないが)。 なにか爽やかで甘やかな話を望んでいる人は、一旦脇に置いた方が良いとも思う。

    1
    投稿日: 2025.02.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    年齢も性別も境遇も異なる男女のそれぞれの人生。 本当にタイトル通りの『どうしても生きている』のまんまで、ハッピーエンドもない。 結構暗いので落ち込み気味の方は刺さってしまう箇所もあるかも。 ※以降ネタバレです 個人的に衝撃だったのは『そんなの痛いに決まってる』 大人こそ傷ついた顔しちゃいけないし、泣いちゃいけない…この台詞に救われた。私達はいつの間にか大人になってそれが強いられている、我慢できない奴は意気地なしのレッテルを貼られる。 この章はまた別軸で感じた事がある。 主人公の男は、簡単にいうと転職して仕事がうまく行っていない状況の中、妻は仕事が軌道に乗って充実感を漂わせている。おそらく年収も抜かれただろう状況で、妻に性欲が湧かなくなってしまう。 そのくせ、よそで遊びの女を作ってそちらで欲を解消している。もちろん、癖を受け入れるかどうかもあるが,その人より勝手に優位だと思い込んでいるからこそ、欲が出る。 夫婦間で女性の方が稼いでいると離婚率が高いと聞いた事がある。結局多くの男性が妻より優位に立ちたいものなのか。この男の小さいプライドを感じた。妊活中の夫婦に喜びが訪れることはないんだな。 次の章、『籤』の主人公の旦那も似たような弱っちい男です。違いは自分の弱さを妻に言ったか言わないかだけ。 この章の主人公も貧乏籤ばかり引かされて報われない人生の中、頑張ってきたが、自分の人生を暗転させない強い意思を感じた。最後がこの章で良かった。比較的スッキリした気持ちで読み終える事ができた。

    3
    投稿日: 2025.02.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     結局、どうしたって生きていくしかないんだなあと。  幸せや楽しいことはずっとは続かないけれど、悲しいことや苦しいこともずっとは続かないと思う。

    1
    投稿日: 2025.02.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本の著者わからん状態で読んでも1ページ目で「あ、朝井リョウやな」ってわかるような素晴らしい語彙力 世の中生きていく上で生まれてくるなんとも言えない感情を、非常にわかりやすくかっこよく(?)端的に言い換えていてさすがとしか言いようがない 特に、1章目の「健やかな論理」が良すぎて何度も読み返すと思う 私も毎日にこにこしてるけど、楽しいわけでも幸せなわけでもないんですよ ふふ

    1
    投稿日: 2025.02.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウのこのネガティヴ思考、言語化能力が高いだけでなく主人公の物語が進んでいく中での表題作を彷彿とさせる言葉遊びが楽しかった。 エッセイや経歴を見る限り朝井さん自身も“大通りの真ん中を歩いてきた人間“側なのに、ここまでそうじゃなかった側の人間の立場、弱い女性の立場を汲むことができるのが、朝井さんが大好きな理由の一つです。 ゆとり2部ももう少しで読み終わるぞ!ワクワク

    2
    投稿日: 2025.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさんの現実の切り取り方、理解の深さには毎回ハッとさせられる。 身近にいるけど何考えているのかわからない人って、実際は多分こんなこと考えているのかな。 と思わせてくる。 最後の、引き当てるというテーマが誰しも共感できるだろうし、私も刺さった。 なんで私がこんな目に、という不運を肯定的に捉えようという自己啓発本とかはたくさんあるけれど、この話は結論としては似たようなところに落ち着いているんだけど、そこまでのプロセスが人間味をすごく感じた。 下を見ることで世の中の理不尽さを肯定するような。 生きているなと突きつけてくる解像度の高さが朝井リョウ全開で読み応えがありました。

    1
    投稿日: 2025.02.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人には勧めにくいが、共感する。ふと死にたくなったり、一見周りからはうまく行っているように見えるだろうけど人に言えない陰鬱な気持ちを抱えてたり。 なんだかんだ時が過ぎればなんとかなることも経験上わかってるので、物語の人々もなんとか前向きにやってくんだろうなと思えるが、この中途半端な状態で物語を終わらせてるのは中々。

    11
    投稿日: 2025.02.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「どうしても生きてる」 ここには「もういちど生まれる」にあった青春の輝きも爽やかさもない。あるのは、自分の中も見たくない部分への仕方ない共感があるだけだ。「正欲」で慣れたはずなのに陰鬱な気分はなかなか拭えない。 『健やかな論理』 「あるとき何の前触れもなくこの世界から消えてしまいたくなるときがあるように、何の前触れもなく、この世界にいる誰かを想う自分の存在を熱烈に感じるときがある。」 『流転』 「どこに向かって進んだって後ろめたさの残る歴史を歩み続ける以外に、この人生に選択肢はない。」 この二つの引用で伝わっただろうか。 やはり本を読んで韓国ドラマのようにハッピーエンドも味わいたい。

    69
    投稿日: 2025.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    はじめて朝井さんの本を読みました。 想像以上にどんより。 とはいえ、皆少なからずそういう気持ちあるよね、そうだよね…!という安堵も感じられる不思議な一冊。 量も内容も結構ボリューミーですが、多々ある細かな描写も頭の中で鮮明に浮かび、自分的にはサクサク読了しました。 前向きと捉えるか、その逆なのかは読み手次第かな、という感じです。

    4
    投稿日: 2025.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どれだけ辛くても生きていかなきゃいけない、そんな辛い状況真っ只中の人たちのお話。 やっぱり朝井リョウさんは心情の言語化がすごい。

    1
    投稿日: 2025.01.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    エッセイを読むとものすごく面白くてライトな人間に感じるのに、作品たちはどこまでも人間の暗い部分を突いてきて、ギャップにびっくりする。今まで自分がのうのうと生きてきた生活をひっくり返される感覚だったり、恵まれているということに気付かされる感覚だったりがかなり頻繁に沸き起こる。特に最後の話は、客観的に見て比較的「当たりくじ」が多い人生を歩んできた自覚があるが故に、そこに甘えて身につかなかった能力や考え方があったんだろうなと思って、慎ましく生きようと思った。

    1
    投稿日: 2025.01.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ■健やかな論理が生む、生と死の境目 朝井リョウの『どうしても生きてる』は、現代社会の論理や価値観に適応できず、どこか疎外感を抱えたまま生きる主人公の視点を通して、人間の持つ不安定さや揺らぎを描いた作品。 一話完結型の刑事ドラマを毎週楽しみにしている恭平の姿が象徴的だ。ハッシュタグがトレンド入りするような「世間に認められた楽しみ」を全く隠さず、むしろ当然のように受け入れている彼は、自信に満ちているわけではない。それでも、毎週そのドラマを飽きずに観る姿には、どこかエロティックな魅力を感じる。世間との「一致」に無自覚な彼の生き方が、主人公の目に羨望と嫉妬の感情を呼び起こす。 対照的に、主人公の「私」は、世間の論理に違和感を抱いている。健やかで安定的な論理――原因があれば結果がある、こうすれば正しい、こうだから間違っている――といった因果の枠組みは、世界を理解する上で便利な一方で、そこから漏れ落ちるものを切り捨て、他者との間に見えない壁を生み出していく。 例えば、「再配達を頼んだ人は自殺しない」「離婚を申し込まれた人はかわいそう」「新しい恋人ができたなら大丈夫」――このような“わかりやすい答え”は、人間の複雑さを単純化し、自分の中にもある曖昧さや矛盾から目をそらさせる。しかし本当にそんなに単純でいいのだろうか?不自由のない暮らしをしているはずの自分が抱える「世界からの疎外感」の正体は何なのか? 作中では、生と死、幸福と不幸、自分と他者――そのどれにも明確な境目などないことが繰り返し提示される。ほんの些細なきっかけで、生きる側にも死ぬ側にも傾きうる私たち。そんな曖昧な境界線の上を、私たちは常に揺れながら歩いているのだ。 「どうしても生きてる」というタイトルには、明確な理由も答えもないまま、それでも生き続ける人間の姿が込められている。自分の中にある矛盾や不安定さを見つめながら、それでも前に進む日々。その過程で生まれる不確かな感情や痛みを、この作品は繊細に描き出している。読む者に深い問いを投げかける傑作だ。

    1
    投稿日: 2025.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「もういちど生まれる」と比較してしまう本作。前作が若者の挫折と再起をテーマにしていたのとは対照的に、30代〜40代のつらい立場(中間管理職、新人教育、夫の不倫など)に置かれた主人公たちの物語となっている。最後はハッピーエンドで終わる前作と違い、事態が好転することはなく、それでも何か生きるきっかけを見つけて生きていくという物語たち。物語のそういった設定上、読みやすいが明確なオチみたいなものに乏しく少し物足りなく感じた。追い込まれている主人公たちの現実味ある心象描写はさすがだと感じた。

    1
    投稿日: 2025.01.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    不安でたまらないけど、どうしようもなく人は強くて、大丈夫と生きていく。本音を叫べる相手は素性も知らない他人で、今いるここは寂しい場所かもしれないけれど。

    2
    投稿日: 2025.01.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    現代社会の生きづらさの言語化がすごい。なんで若い女性目線の苦悩をこんなにも知ってるの?自分でさえ感じてる思いを言語化できないのに、ましてやその性別を経験してない朝井さんがここまで言語化できるのが本当にすごい。 6作の中では、流転がいちばん共感した。自分もたとえばサークル活動とか、そういうものを日々積み上げることができず今に至り、その生き方が他にも影響している状況なので読んでて胸が痛かった。何の救いもない終わり方も現実に即してて逆に良かった。

    3
    投稿日: 2025.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「物語には『虚』の物語と『実』の物語がありますが、この物語はどうしようもなく『実』の物語です」 万城目学先生がこの本の解説をされておりそう仰ってますが、その『実』部分に小さく針で突かれ、読了後どうにもやるせない気分になったのが私です。 精緻に書かれた人物描写、職場や家庭の人間関係から生み出される曖昧で捉えにくい空気感みたいなのが、読むのも辛くなってくるほど繊細に丁寧に書かれています。 私は本読んで現実からちょっと離れて癒されたいだけなのに、この本は「貴方の直面している現実はこちら」とでも言うようにまた嫌な現実を見せてきます。 救いなのは、変わりようのない現実に直面している人々が、それでも明日を生きて前に進んでいる、そんな静かな覚悟を皆んな持っている、という所でしょうか。 いずれにせよちょっと辛くなりました。

    2
    投稿日: 2025.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みたかったようなのが読めた 才能があって器用に生きてる人より、避けられないつらいことや境遇の中で生きてる人に凄みを感じるって

    0
    投稿日: 2025.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生きるって綺麗なことじゃない。辛さや苦しみを乗り越えて生きることが素晴らしいわけでもない。この物語はただの人間讃歌ではなくて、それでも、主人公が強く前に進もうとするとき、わたしは無意識に応援してしまっていた。きっとみんな、こうして生きてる。

    0
    投稿日: 2024.12.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    様々な視点からの短編でした。 どれも読む進めるのに辛い、痛いところを突かれているようなとても人間くさい作品でした。 まさに朝井ワールド。 分かってるけど向き合えないものとか、言いたいけど言えないこととか、そういうものが文字になっていて苦しいけれどまた読みたくなる作品でした。

    1
    投稿日: 2024.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「再配達を頼んだのだから、自殺なんてしない」「満たされていないから、クレームを言う」というのはその人の価値観なだけであって、実際はその当事者にしか分からない。ちょっとした些細なことが引き金になって、自殺に踏み切るかもしれない。それを第三者が〇〇だから、△△なんてしない、なんて言えない。その人にはその人の価値観がある。世の中は決めつけが多いものだなと思う。その決めつけこそが世の中を生きづらくしている。 「こういうことがあったから、辛くてたまらないからもう死にたい死にたいって助走があるわけではなくて、ふと、なんか、別にもういっかってなる瞬間。いきなり風が吹いたみたいに、わって。」自殺を考えたことがある人だからこそ分かる感覚。 「ふと、別にいっか」ってなった時に風が吹いたように人は自殺する。 豊川は私の人生のような気がする。リアル、熱、切実さ、本音、嘘のなさ、それらをもっている瀬古やラッパーはまっすぐな自分に嘘をつかない生き方を選び、真っ当に輝く。しかしそうではない人間は、どこに向かって進んだって後ろめたさの残る歴史を歩み続ける以外にこの人生に選択肢はないと思う。 人間の大半は後者で、前者なんてごく一部。だけど私もそのごく一部のまっすぐに生きる、自分の好きなことをやるために頑張る人生を歩みたかった。 人生、ハズレを引いたとしても結果として何年か後にハズレだと思った出来事が当たりになる瞬間がある、そう思って毎日生きようと思った。

    0
    投稿日: 2024.12.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「正欲」に続いて二つ目の朝井作品。人生いいことばかりではないとはいうけれど、ここまでシビアな現実と向き合わなくてはならない主人公たちの心情描写に苦しくなった。時に身をまかせ、ある種の諦念を持って歩いて行く先に、何か光のようなものが微かでも見えてくるといいのに。「どうしても生きてる」のタイトルにそんな希望の一片が感じられた。

    1
    投稿日: 2024.12.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんの作品の中でも、もやっとする、重たい気持ちになる読後感でした。それが魅力的なんですけれど。特に最後の「籤」がよかったですし、感動しました。

    0
    投稿日: 2024.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こういうことを書くと自分がひどく歳をとったようで嫌だけど、良い意味で、今時の小説、若い人が書いた物語だなと感じた。そして、自分が大学生や新社会人だった頃に読んでいたらきっともっと心に刺さっていただろうな、とも思う。物語の設定や情景、登場人物の感情がやたらリアルでそれ故に全体的に物語に陰がある感じ、人間の中の鬱蒼とした、心の闇というほどではないけど澱んだ膿みたいな感情を描いている感じが、今の自分には少し合わなかったな。イヤミスとかドロドロした話は好きなんだけど、それとは違う、リアルすぎるからか?誰が悪いとかではないからだろうな、率直になんか暗い!!!!と思った。ただ、最後の「籤」はすごく好き。みのりが自分が引いた籤=人生を自分の力で繋げていった事、自分の足で歩んでいっている事に、グッときた。「全部繋げて、リボンにするのだ。」ってすごく素敵な表現だと思う。なんだか疲れてしまった時に読み返して力をもらいたいな、と思える話でした。

    0
    投稿日: 2024.11.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさん初めて読みましたが、すーーごすぎた。。 今この電車の中にいる人の、人生と感情全部透けて見えてるの?って気持ち。 誰が読んでも何かしら心臓ぐちゃっと掴まれるような気持ちになるんじゃないかな。 短編集でこれだけ感情揺れるの凄いなと思った。 他の著作ももっと読む!

    0
    投稿日: 2024.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間色々な状況や立場に置かれて、それでも生きないと行けない。決して前向きなものではなく、言い換えれば耐え忍ぶしかない、そのような話が中心です。この本は6つの短編小説で構成されていて、どれもとても心を刺してきます。個人的には『七分二四秒めへ』が印象的でした。世の中の流れに抗う事が出来ない、何も自分では変えれないことへの精神的ダメージが着実に心に積もっていく感覚。何にも形容し難い、絶対一回は感じたことのある感覚。この感覚を面白いと思わせるところがさすが朝井リョウ先生だなと感じました。

    3
    投稿日: 2024.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人が死ぬのはちょっとしたきっかけっていうのを平凡なツイッターの呟きと自殺の報道文セットで表現するのが衝撃 主人公もいつ死んでもいいように、空き時間に引き継ぎ書を書いている あとSMで痛いを、ただ痛いと言いたい人の話 もっと死にそうな人の話でも良かった

    0
    投稿日: 2024.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全6編にわたり、生きることに苦悩しながらも生き続けることを強制される大人達が描かれている。 夢を諦めた人、離婚した人、仕事が上手くいかない人等の大して珍しくもない、かつ大体の読者が共感できるであろう事象を扱っておりその様はまさにリアリティがある。 話が進むにつれ段々と全身が沼に浸っていくような重苦しい感覚が身を包み、結末も決して登場人物を救うようには書かれない。 決断から目を背け続ける人間としての弱さが非常に上手に描かれていた。 話はこれで終了するが、明日からも続く現実を嫌でも想像させられる。 「そんなの痛いに決まってる」 主人公の嫉妬の感情が醜く表現されている。話全体を通じて描かれていた元上司である吉川の秘密が話のスパイスとして綿密に効いている。 「籤」 主人公が女性としての振る舞いを押し付けられる事に対し一読者として怒りさえ感じていたが、ラストの諦めや嘲笑を含んだような彼女の語りは読んでいてとても清々した。 全体的に大人の方程刺さる内容なのかなと思います。

    2
    投稿日: 2024.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集6話の作品ですが、内容が現実に生きている時にふと感じるネガティブな状況を思い起こされます。 実際に自分では解決できない問題と直面して、逃げることも受け入れていくこともままならず…。抱えたままという表現というか、付きまとった状況というか…そのままな状態で生きていることはあります。著者はその場面を描くのが上手く、読んでいて心をグリグリとえぐられるような感覚を抱きました。 作中では『籤』が唯一先が僅かに明るく向く気配を感じますが、それでもハッピーエンドにはならないです。ついていない人生であっても得られるものはある。そのようになった事実と向き合っていきていかなければならないと思わせられました。 全体を通して生きていく上で影を感じる場面を描かれています。読んでいて辛いな、しんどいなと思うかもしれません。そう思ったということは、その場面に出会った事があるのではないかと思います。 それでも、現実では生きている。人の弱い所をついてくる作品なので、読むときは元気があるときの方がいいかと思います。

    20
    投稿日: 2024.09.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトル通り、「どうしても生きてる」話が続く短編。 生きていて何もかも嫌になってしまうような状況。死を選択しないだけの生の連続。死はドラマ的ではなく日常と地続きに不意に現れるということ→1話目のTwitterで自殺したひとを検索する話。 品質不正を強要されて、自分が正しいみたいに、自分だけ被害者ヅラするなよ。250分の1の不幸を引き当てて、ダウン症の子を育てたくない。派遣を切られる話。 きっとこういうやるせないことがもっと増えていくんだろうな、人生。

    0
    投稿日: 2024.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    高校の同級生と結婚して、女の子の人気名前ランキング上位の名前を娘につける。順調に人生歩めてたら、刺激が足りないとか言い出すヤツ。自分すぎて少し嫌になった^^

    0
    投稿日: 2024.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ◇健やかな論理 刺さった。客観的に満たされてる、生活になんの不自由もない。その孤立感。消えたくなる感じ。 きれいごと:健やかな論理 から外れた思考の多さ。 ふと散ってしまわないように、その瞬間を気付かせないように、忙しなくさせている自分がいる気がする。 ◇そんなの痛いに決まってる 痛いことを痛いって言いたい。 自分のどうしようもない醜さ、見栄 それを解放できる環境や相手がいるから生きていける 本当にそうだと思う。綺麗事ではおさまらないものばかり。 --- 今の自分は、生きていくことに不自由がない。 だからこそ感じられる、世界からの疎外感は何なのだろう。 いつだって少しだけ死にたいように、きっかけなんてなくたって消え失せられるように、いつだって少しだけ生きていたい自分がいる、 健やかな論理から外れた場所に佇む解しか当てはまらない世界の方程式は、沢山ある だからきっと、大丈夫。これまでみたいに、不安で不安でたまらないまま、大丈夫になるまでどうせまた生きるしかない。

    10
    投稿日: 2024.08.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『そんなの痛いに決まってる』『七分二十四秒めへ』『籤』がかなり好きだった。やっぱり朝井リョウの小説は読んでいて共感して辛くなったり、苦しくなったりするが、それ以上に何かを得られる感覚があり、読んでいて時間を忘れられる。 人間はどうしても生きてるしかない状況が多いんだよな。 心のままに泣いても喚いても叫んでも驚かない人がひとりでもいれば、人は、生きているのかもしれない。

    0
    投稿日: 2024.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    朝井リョウさんの短編集は初めて読んだ。 言葉の節々から朝井リョウだなあと感じながら読み進めた。物語自体は難しくなく読みやすかった。 私は最後の「籖」という物語が1番好きだった。 人生は選べない。人生は強いられるものだということにすごく共感した。生きてくためには、運命に従うしかないのだ。それがたとえ、ハズレ籖の連続だったとしても自分の運命を恨みながら生きていくしかないなと思った。 でもそれが自分を変えていくきっかけになったり何かと結びついて結果いい方向に転んだりすることも生きていくと分かるもので。人生ってなんだかなあと思ったりした。 他の物語でも、生きていくことに変わりはなく、他人と比べたとて自分を変えることなどできず「どうしたって生きていくしかない」と自覚させられる一冊だった。 久しぶりに深い話読んだなあ。面白かった。

    2
    投稿日: 2024.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    オーディブルにて。 ◎健やかな論理 ーーーいつだって少しだけ死にたいのに、いつだって少しだけ生きていたい自分がいる。 〇〇だから××という健やかな論理に沿って 理由付けして多数の人は安心しようとする。 そしてその理論から外れている事象を探すことで安心している主人公。 でもそんな主人公にも、健やかな論理を成立させる気持ちがある。 ◎流転 ーーーリアル、熱、切実さ、本音、嘘のなさ。 ーーー人のアドバイスを取り入れてみたり、本当はやりたくないかもしれない仕事にも本気で向かったりしながら、その先にある自分が本当にしたいことをできる場所だけは守り続けるっていうのも、自分に嘘をつかないってことと同義なんじゃないかなって。 ◎七分二十四秒めへ ーーー生きていく上でなんの意味もない、何のためにもならない情報に溺れているときだけ息ができる。 ◎風が吹いたとて 修学旅行での持ち物ルールを破る娘、それを厳しく怒る夫、サッカーに勝つためなら相手のユニフォームを鷲掴みにする息子。 ◎そんなの痛いに決まってる ーーー歩き続けるのは前に進みたいからではなく、ただ止まれないから、それだけなのに。 ーーー全部全部ふるいに引っかかって何も言えないんだよ。 ーーー思ったことを思ったように大きな声で叫んでしまいたかった。 ーーー心のままに泣いても嘆いても叫んでも驚かない人が1人でもいれば、人は生きていけるのかもしれない。それが誰にとっても誰でもない存在の人でしか向き合えない人でも、それでも。 ◎籤(くじ) ーーーなんでも明確な答えに出会うまで、ネットで調べることをやめられなくなり、常に地面が柔らかくぐらついている気持ちになった。 ーーーだけどみのりはともあきが丁寧に言葉を尽くしたことこそ受け入れるか受け入れないのではなく、2人なりに磨き、形を整え、自分達の線路にはめ込んでいく事象だと考えていた。想定していなかったけれど降ってきたあらゆる出来事を、どうはめ込めば線路ごと取り替えずにこの人生を歩き出せるようになるのか、 ーーー自分はこんなにも醜いのだ、ということを明かしたとて本当は何の区切りもつかない。なぜ吐露した側はそこで悦にいることができるのだろう。こんなにも醜い部分を曝け出せたりという点を自分の強さ、誠実さだと変換して勘違いできるのはどうしてだろう。そして、さもその1秒後から新しい自分が始まるとでも思っているらしいことも不思議だ。 ーーー人が1人いなくなったのにとても窮屈に感じられる家の中でそう思った。そんなに広い訳ではないこの家を、これまで特に狭いと思わなかったのは、母があらゆる物をあるべき所に収めてくれていたからだと痛感した。 ーーーいつだって、初めて引いたはずれくじを前に途方に暮れている人を見ながらどうしたって生きていくしかないのだというたった一つの真実を確認させてもらってきた。 ーーー全部繋げてリボンにするのだ。そうすれば辛い時は包帯としても使える。人生を美しく包む物も、逞しく補強する物もいつしかこの手で掴み取っていた。だからきっと大丈夫。これまでみたいに不安で不安でたまらないまま、大丈夫になるまで生きていくしかない。 朝井リョウさんの本は描きにくい人間の醜い気持ちや本質を分かりやすく説明してくれる。書き留めておきたい文がいっぱい。 人間って生きがいに溢れているって気持ちばかりじゃなく、こんな気持ちも多いよな、誰でも感じるよなーと共感しながら進めれた。私は不思議と重い気持ちにはならなかった。

    4
    投稿日: 2024.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「どうしても生きてる」のタイトルが合う本は、世の中に流布していて、「どうしたって生きていくしかない」人たちも散々に描かれていると思う。 ただ、読み終わった後は、この本のタイトルにしかなり得ないと思った。他のタイトルでは物足りないとも。 どうしたって生きていく人たちを多面的に直視することは酷く、嫌悪感すら感じる瞬間もあるが、心に留めておきたい一冊だった。 ただ他の人にはそんなに薦めたくない笑 あと朝井リョウの本は、物語の後半を読んでいる時間感覚がやっぱりバグる。

    0
    投稿日: 2024.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「籤」が好き なにかで自分を変えなきゃいけないとき、受け入れる受け入れないは選べない そうするしかないから、そうしなきゃいけないから そんな理由だけで理不尽を強いられてきたことがある人間はたくさんいて、でも拒否することもできなくて ハズレくじを引いた、運が悪かった でもそんな脆い紙切れだってさ、縄に変えれば私の、私だけの人生になるんだって勇気をもらえた 「七分二十四秒めへ」 生きづらさとか今の世の中の問題とか、あらゆることに触れるたび生きていくことに消極的になってやる気がなくなるしほどほどの人生だって諦めてしまいたくなるけど、そんなものだって思いたくないし生きていくための情報じゃなくてそんなこと知らなくても生きていけるようになりたいよ

    0
    投稿日: 2024.07.13