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真っ白な嘘
真っ白な嘘
フレドリック・ブラウン、越前敏弥/東京創元社
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総合評価

33件)
3.8
6
14
7
0
2
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編集。 「後ろを見るな」をどこかの紹介でみかけて気になって読んでみた。 全体的に不穏な空気雰囲気。どんでん返し。想像が膨らむ系。 「危ないやつら」は普通に笑った。皆覚悟足りてる。 短編集だからさくっと読めるのは良かった。 でもやっぱり少し物足りなさはあるかも。 裏面の最後にお読みくださいの丁寧な注意書きが読み終わってから見るとなんとも言えない。 暫く背後に気を付けよ。 解説も諦めましょう、で突き放してきて泣く。笑

    0
    投稿日: 2025.11.12
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    この本は確かアガサクリスティの文庫を読んだときに巻末に載っていて面白そうだと思ったので読んでみた。他のアンソロで「後ろを見るな」だけは読んだことがあったけど(もちろんそのアンソロでも一番最後に収録されていました)他の短編も総じてクオリティが高く面白い! 一見どういう意味…?という短編もありますが、じっくり考えてみると意味が分かって後からじわじわと怖さが来る作風が特に好みでした。 以下お気に入り作品。 「叫べ、沈黙よ」 駅で電車を待つ男。そばに座っている男はどうやら耳が聞こえないらしい。駅員が語るその男の罪とは。 これ最初どういう意味?と思って何回か読み返してるうちに理解して、ぞっとした。真相はわからないところがまた闇深い。 「背後から声が」 妻との喧嘩の末「あたしを捨てるなら殺してやる!」と言われ、背後から追ってきた妻を逆に刺し殺してしまう夫。 なんとも皮肉な結末。悲劇だけどちょっと滑稽。 「闇の女」 とある下宿屋にやってきた謎の女。夜中も電気を消して部屋から出ようとしない。近くで起った銀行強盗の犯人一味なのでは?と女主人や下宿人は疑いだすが… これは面白いミステリ。最後のオチもなるほどな!となった。 その他にも、新婚夫婦が破格の値段で手に入れた家はいわくつきの物件だった「真っ白な嘘」駅の待合室で居合わせた男が近くの精神病院から脱走してきた殺人犯なのでは?と疑う男の話「危ないやつら」などはまるでコントのようなすれ違いからの結末が面白い。 そして言わずもがなの「後ろを見るな」や「町を求む」は、他人事として読んでいるうちにいつの間にかこちらに銃口を向けられたようなヒヤリ感が最高でした。 SF短編集も出ているようなので、そちらも読んでみたい、

    1
    投稿日: 2025.08.16
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    ★★★★☆東京創元社の中の人が選ぶ1冊と帯に書いてあったのでついつい買ってしまいましたが、なかなか面白かったです。短編集でミステリー系で内容は好きな分野でした。ただ、やっぱり私には海外作品がちょっと読みにくく感じてしまいます。印象に残った作品は「メリーゴーランド」「真っ白な嘘」です。

    0
    投稿日: 2024.11.24
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    ブクログメンバーの棚にあり表紙に目がとまった。 1953年にまとめられたブラウン初の短編集、全18編。淡々と語られるなあ、という印象。 「笑う肉屋」 雪の中に死人が一人。足跡は死人までの分。さて殺した後犯人はどうやって逃げたのか? 意表をつく結末。 「四人の盲人」 四人の盲人が像の鼻、尻尾、脇腹、脚に触って、蛇みたい、縄みたい、壁みたい、木みたい、と言った、という昔話から語られるある殺人事件。 「真っ白な嘘」 知り合って1か月で結婚した夫婦。夫が掘り出し物の売家を見つけ買ったが、実は殺人事件が起こった事故物件だった。そこから起こる妻と夫の疑心暗鬼。 1962.5月に東京創元社から中村保夫訳で出されたが、今回のは越前敏弥の新訳。 収録作品一覧はアガサーチで https://www.aga-search.com/writer/fredric_brown/ カバーイラスト:もんくみこ ブックデザイン:藤田知子 1953年出版 2020.12.25初版 2021.8.20第5版 図書館

    10
    投稿日: 2024.11.15
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    全18編の短編集。古きアメリカの雰囲気も感じながら、ミステリーの世界に入ることができ、とても面白かった!笑う肉屋、真っ白な嘘、危ないやつらが良かった。

    11
    投稿日: 2024.09.16
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    星新一とクリスティーが好きならと、bookmania1105さんにおすすめしていただいたフレドリック・ブラウン。 とても面白かったです!! 奇想天外な結末が星新一のような感じ。 更にゾクゾク、ドキドキするようなスリルまで味わえる。 大好きな『藤子・F・不二雄の異色短編集』にも怖さと意外さが似ていた。 1番好きだったのはタイトルにもなっている『真っ白な嘘』 新婚夫婦が格安で購入した家は曰く付きの物件で…。 短いのに何でこんなにドキドキするんだ! 没入感が高くて最高に好きなタイプの作品でした(⁠☆⁠▽⁠☆⁠) 江戸川乱歩の『世界推理短編傑作集』に選出された『危ないやつら』も面白かったし、『世界が終わった夜』『カイン』も結末に驚いた。 でも1番驚いたのは、「1番最後に読んでください」と注意書きにもあった『後ろを見るな』。 深夜に1人で読んだことを後悔した笑 猟奇的な作品は苦手だったけど、色々なタイプの作品があって楽しめた。 次は星新一訳の『さあ、気ちがいになりなさい』を読みたい。 また好きな作家さんが増えて、更に読書が楽しくなりました☆彡 bookmania1105さん、本当にありがとうございました。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。

    86
    投稿日: 2024.08.18
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    「世界推理短編傑作集」に「危ないやつら」が掲載されてそれを読んで面白かったので、これを読みました。 どれも15枚ほどの短編です。 ミステリーというか、着想や意外な結末の作品が多かったです。 雪の上の足跡を巡る謎を描いた「笑う肉屋」 音は聞く耳があろうとなかろうと存在することが真相だという「叫べ、沈黙よ」 殺人の悲しい顛末を描いた「背後から声が」 銀行強盗事件と暗闇好きな女との関わりと驚くべく結末を描いた「闇の女」 夫婦間の愛憎と不信の交差する感情劇をサスペンスたっぷりに描く「真っ白な嘘」 がおすすめです。 2024年8月17日読了。

    2
    投稿日: 2024.08.17
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    どのストーリーも不安感や緊迫感があり、そこからの結末も面白い。 「闇の女」「歴史上最も偉大な詩」「危ないやつら」「カイン」あたりが好き。

    2
    投稿日: 2024.08.04
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    夫婦の話だったと思うが、夫婦が気持ちがわるいしか思い出せないです。なにか読みにくい文章でした。最後の衝撃は何なのかは知りたくて買った本でしたが、読んでて苦痛だったので1話だけよんで読むのやめました。

    0
    投稿日: 2024.04.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2021/3/14 どこから読んでも良いが、巻末の『後ろを見るな』は是非とも最後に読むように、とあったけど……なるほど、読後感はミステリよりもホラー(しかも、それまでの読書体験が、まるっと恐怖体験になってしまうような)である。

    2
    投稿日: 2023.09.24
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    この作家さんの作品は長編でも短編でも本当に外れが無い。 才能豊かで、ミステリーだけでなくSF作品も多く書いている、これも、とても楽しい。 もっと、もっと読みたいと思わせる素晴らしい作品ばかりだ。大満足だよ。

    3
    投稿日: 2023.09.02
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    SNSで見かけて、ずっと気になっていた短編集。 海外の短編は苦手なものも多いけど、これは面白かった! ひとつひとつも短く、私でも読みやすい。 みんな書いているけど、最後の「後ろを見るな」が抜群。背筋が寒くなった。 寒くなったまま読み進めると、小森さんが小森節で解説をしてくれる。 ちょっとだけホッ。

    2
    投稿日: 2023.06.28
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    〈笑う肉屋〉 [あらすじ]  元サーカス団員が集まって暮らす村で。肉屋がリンチ死を遂げた。村の外れに住む農場主が不可解な状況で死んだのを肉屋の仕業と推測した村人によるものだと予想されている。不可解な状況は雪の上に続く現場の、二つの足跡が途中でぱったりと途絶えていること。“わたし”は二週間前に訪れたこの村で、何があったのかを知る。黒魔術で嗾け、体の弱い農場主レンを弱らせ殺そうと画策していた肉屋。その黒魔術を逆手に取ったレンが自らの死を逆手にとって黒魔術に見せかけるトリックを作る。雪原まで小人のジョーを担ぎながら歩いていきそこで死ぬ。ジョーはもと来た道に履いている大きな靴で足跡をつけながら後ろ向きに帰っていくと、雪の真ん中で二つの靴跡が途絶えて、犯人はそれ以上先にも後にいかないで、忽然と消えたように見えたのだった。 [感想]  本作が初めての推理小説だったので、新鮮だった。本筋の事件の前後を回想して、三者に聞かせるための構図。聞き手である人物もしくは、謎解きに挑戦する役割人物を設定して、お題を提出し、本編に入る。  先ず環境設定から工夫されている。元サーカス団員が集まって暮らす村という特殊な環境。中型車くらいなら片手で持ちあげられる怪力男、身長が1mに満たない小人、マジシャン。一種の閉鎖空間にビジターとして訪れる。  忌み嫌われているのが状態化している肉屋は、黒魔術を逆手に取られ、レンの思惑通り、普段から村人に持たれている負の感情に引火させられる。  少し俯瞰して眺めてみると、犯罪や事件が突発に起こることもあるにはあるが、もしかすると多くの場合には、前提条件が満たされてしまっている可能性があるのではないかと思う。 〈四人の盲人〉 [あらすじ]  “四人の盲人”という寓話がある。それぞれの盲目人が、尻尾や腹、脇腹、脚を触り、他の何かを連想したために、思い込みによる水掛け論が起こるという話。刑事2人がその話をしているところに、サーカス団の冬季宿舎で演技監督が死んだと通報が入る。空砲で死んだというので自殺の線で調査を始める警部たち。銃声は三度鳴ったために自殺にしては不自然だ。死人は人でなしでサディストで下で働く誰もから憎まれていた。死人は最近、昇進し近々仕事で今まで以上の給料を得て、昨日保険の審査を通ったばかり。自殺の可能性は乏しい。死体はアリーナの固く閉ざされた閂の内側にある。通報者も第一発見者も怪しい言動はない。現場には目撃こそしていない三人の従業員と、二匹のジャガー、一匹の象がいる。  事件が解決する。パラフィン検査から犯人は象だと断定された。普段から虐待をして来た監督の怨恨をもっていたのは象も同じだった。二発の空砲虚しく、内側から閂のしまったドアまで追い詰められた監督が自ら命を絶ったのだった。 [抜き出し] “手掛かりはひとつだけじゃ意味がない” “知ってることは話さなきゃいかんけど、想像や思いつきは喋らなくていいんだ” [感想]  ミスリードを誘う書き出しが中核になっている。そして一度出てきた象が、寓意的なイントロダクションに用いられたことで、そんなはずはないだろう、推理小説で大切な犯人を惜しげもなく晒しはしないだろうと、無意識化に象を犯人から外してしまい、それ以上の関心を象に持てないよう誘導する情報開示になっている。  死亡した人間は「笑う肉屋」に続いて、〈嫌われ、憎まれて〉いて〈殺意を買う人間〉だった。この、誰にでもいる(?)殺してやりたいほど嫌な奴は、読者にとって歓迎される〈仮想敵〉としての役割を果たしていると感じる。 (2023.4.10続投)

    3
    投稿日: 2023.04.10
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    アメリカの作家フレドリック・ブラウンの短篇ミステリ作品集『真っ白な嘘(原題:Mostly Murder)』を読みました。 ここのところアメリカの作家の作品が続いています… フレドリック・ブラウンの作品は2年半くらい前に読んだ『さあ、気ちがいになりなさい』以来ですね。 -----story------------- どの短編から読まれても結構です。 しかし「後ろを見るな」は、ぜひ最後にお読みください。 奇抜な発想と予想外の展開が魅力の18編 巨匠の代表的ミステリ短編集 名作ミステリ新訳プロジェクト 編を書かせては随一の巨匠の代表的作品集を新訳。 雪の上の足跡をめぐる謎を描いた「笑う肉屋」、緊迫感溢れる「叫べ、沈黙よ」、江戸川乱歩編の名アンソロジー『世界推理短編傑作集』に選出された「危ないやつら」など、奇抜な着想と軽妙なプロットで書かれた名作が勢揃い!  どこから読まれても結構です。 ただし巻末の作品「後ろを見るな」だけは、ぜひ最後にお読みください。 解説=小森収 ----------------------- 1940年(昭和15年)から1950年(平成25年)に発表された以下の18篇が収録されている短篇集です。  ■笑う肉屋  ■四人の盲人  ■世界が終わった夜  ■メリーゴーラウンド  ■叫べ、沈黙よ  ■アリスティードの鼻  ■背後から声が  ■闇の女  ■キャスリーン、おまえの喉をもう一度  ■町を求む  ■歴史上最も偉大な詩  ■むきにくい小さな林檎(りんご)  ■出口はこちら  ■真っ白な嘘  ■危ないやつら  ■カイン  ■ライリーの死  ■後ろを見るな  ■解説 小森収 奇抜な着想、軽妙なプロット、論より証拠、まず読んでいただきましょう… どこからでも結構、、、 ただし最後の作品『うしろを見るな』だけは、最後にお読みください… というのは、あなたがお買いになったこの本は、あなたのために特別の製本がしてあるからです―― さて、その意味は? 新訳で読みやすかったし、発想が豊かな作品が並んでおり、愉しく読めましたね、、、 そんな中でも、印象に残ったのは、 雪の上に残された足跡… サーカス団のOBならではのトリックが秀逸な『笑う肉屋』、 犯人(?)の意外性が愉しめる『四人の盲人』、 聞こえてなかったなんて… 皮肉な結末が印象的な『背後から声が』、 納得の結末で「むきにくい小さな林檎」という呼び名が最後に皮肉な意味(実際はむきやすい)を持つ『むきにくい小さな林檎』、 夫は殺人者? 疑心暗鬼に陥る妻の恐怖を描いた『真っ白な嘘』、 お互いを殺人鬼と思い込んだ二人の緊張感を描いた『危ないやつら』、 ゾクっとさせられる結末が印象的な『後ろを見るな』、 あたりかな… でも、その作品も面白かったです。

    3
    投稿日: 2023.03.11
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    ミステリ短編集。短めの作品が多い印象ですが、読みごたえはばっちりです。 お気に入りは「叫べ、沈黙よ」。音に関する哲学的な議論から始まる物語。その議論が事件とどのように関連しているのか、その結びつきといいスリリングな読み心地といい、そしてこのラストまで実に見事です。 「カイン」も恐ろしくて好きな作品です。弟を殺し、死刑に怯える男の物語。これは本当に怖いです。最大級の罰になるのかも……。 スリリングな読み心地だけれどオチにくすりと笑わされてしまうのは「闇の女」。なるほど、伏線といえば伏線がありましたが。そういうことだったのか。

    3
    投稿日: 2023.02.08
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    収録されている短編がどれも結構な読み応えで、読み終えるのにかなり時間がかかってしまった(さぞやジャスティンは待ちくたびれただろう)。そういうとき大抵は最初の方に読んだものは忘れていったりするのだけれど、すべてのタイトルで内容を思い出せるというのはすごいかもしれない。 どの話もミステリ要素はあるものの、表題作のようにハラハラするサスペンスもあれば、なんだかほっこりさせてくれるものだったり、かと思えばグロテスクな描写が続いたりと、振り幅が大きいため最後まで飽きずに楽しめた。 直接的表現をせず、それとなく真相を匂わせるのがお好きなよう。そして最後にゾクッとさせられるものが多い印象。 どれも良かったが、『叫べ、沈黙よ』はタイトルも含め気に入った。 『メリーゴーラウンド』も好き。犯人がアリバイ工作をする話は数々読んできたけれど、こんな展開は初めて。メリーゴーラウンドの中(?)で寝てるおじさんを想像したらなんだか笑えるし。

    3
    投稿日: 2022.11.27
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    ジャンルはサスペンスになるのかな。 ライトなブコウスキーって感じ。 結構残忍な話や胸くそな話が出てくるけど、全体が重々しくなく、ブラックユーモアに感じられる。 装丁も文体を反映していて、洒脱でよい。 それにしても創元推理文庫は価格がお高め。岩波か新潮文庫から出てたなら、あと2割ほどリーズナブルだったと思う。 その辺の「この額払ったんだから」ハンディが、創元推理文庫にはある。

    1
    投稿日: 2022.08.14
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    日々の仕事帰りに、頭をリセットするにちょうどいい長さと面白さ。 “古典”の域に入っているのか、様々な出版社が編成した「短編集」が多く出ている。しかも時代により新訳されることで、再び編成しなおされ世に出る。 「叫べ、沈黙よ(沈黙の叫び)」「町を求む」「危ないやつら(ぶっそうなやつら)」は、少し前に読んだ星新一訳の『さあきちがいになりなさい』と話がかぶっているが、だからと言ってとばす気には全くならなかった。 フレドリック・ブラウンは20世紀中盤に活躍した作家だけど、こうやって新訳になるたびに、これからもその時代に違和感なく読まれ続けるのでしょう。 明治の文豪が西欧の小説を日本で定着させようとしたとき、最終的に何から学んだかというと“落語の小噺”だった。 ブラウンの超短編は、それに似ている。

    5
    投稿日: 2022.08.13
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    1940年代アメリカの短編集、18篇。300ページ強。 ミステリといっても推理もの以外にサスペンスや奇譚まで幅広く、純粋な謎解きは一部だ。質的にも満足できる作品から読み終えて納得いかない作品まで様々で、ばらつきがある。トリックや動機、結末が微妙な作品もそれなりにあり、短編集ということもあってアイデア勝負の傾向が強く感じられる。テレビ番組の『世にも奇妙な物語』の元ネタになりえそうなストーリーが多い。 書店で帯で「ぜひ最後にお読みください」と大々的に煽られている「後ろを見るな」が気になって購入したが、これはやや拍子抜けだった。表題作はそれなりで、タイトルにはたいして深い意味はなかった。 個人的に印象に残ったのは、「メリーゴーラウンド」「叫べ、沈黙よ」「カイン」「ライリーの死」あたり。あまり期待しすぎず、移動や休憩中など空き時間の読書に向いている。

    8
    投稿日: 2022.05.28
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    創元推理文庫さんのツイートで気になっていたミステリー。余分な装飾を剥ぎ取った潔さを感じる短編が多い印象。「後ろを見るな」はほんまに最後に読むべきやし、私は読了後後ろ見ちゃいましたよ(笑) 印象的なお話は以下。 笑う肉屋 世界が終わった夜 メリーゴーラウンド 闇の女 キャスリーン、おまえの喉をもう一度 危ないやつら 後ろを見るな 闇の女が好きだな。オチ最高。

    3
    投稿日: 2022.02.23
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    短編集、しかもショートショートでここまで楽しめるとは! ゾッとしたり、ハッとしたり、ニヤリとしたりで忙しい。 どのストーリーも面白く、予想外の結末ばかり。 次はどんな話が読めるのだろうと頁を捲る手が止まらなかった。 「危ないやつら」がお気に入り。 「後ろを見るな」は言わずもがな。

    4
    投稿日: 2022.01.05
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    フレドリック・ブラウン『真っ白な嘘』読了。切れ味抜群のミステリのショートショート満載の短篇集。SFのイメージがあったけど、スリラーからコミカルまで縦横無尽に駆け回るアイデアの秀逸さもさることながら緻密に描写する筆力に舌を巻く。上質な短篇集を読めて満たされた思い。続巻にも期待。

    4
    投稿日: 2021.11.02
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     旧訳を読んだのはずいぶん前のことで、「後ろを見るな」がどうしても記憶に残ってしまっているが、そのほかは、全くの初読と変わらない状態。  謎の提示や不安感の盛り上げ方、そしてラストのサゲと、作り方が巧いなあというのが率直な印象。「闇の女」や「真っ白な嘘」、少し違うが「危ないやつら」がそんな感じ。  「背後から声が」や「キャスリーン、おまえの喉をもう一度」は、メロドラマチックではあるが、夢破れた男の悲哀を上手く描いている。  法律や通常の世界では対処できない、危険で嫌なヤツをどうすれば良いのか、「笑う肉屋」では本格ミステリー風に、「むきにくい小さな林檎」では犯罪小説風に描かれる。  いろいろな風味の作品が一冊で楽しめる、贅沢な短編集。お勧めしたい。

    6
    投稿日: 2021.10.31
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    CL 2021.10.13-2021.10.16 短編集はそもそも好みではないけど、これは面白かった。オチが見事で一作一作が締まるかんじ。 「危ないやつら」がよかった。

    3
    投稿日: 2021.10.14
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    全体によくできている作品だと思いますが、ブラウンはSFの方が好みですね。収録作品では「世界が終わった夜」が好きです。 収録作品一覧 笑う肉屋The Laughing Butcher 四人の盲人The Four Blind Men 世界が終わった夜The Night the World Ended メリーゴーラウンドThe Motive Goes Round and Round 叫べ、沈黙よCry Silence アリスティードの鼻The Nose of Don Aristide 背後から声がA Voice Behind Him 闇の女Miss Darkness キャスリーン、おまえの喉をもう一度I'll Cut Your Throat Again Kathlean 町を求むTown Wanted 歴史上最も偉大な詩The Greatest Poem Ever Written むきにくい小さな林檎Little Apple Hard to Peel 出口はこちらThe Way Out 真っ白な噓A Little White Lye 危ないやつらThe Dangerous People カインCain ライリーの死The Death of Riley 後ろを見るなDon't Look Behind You

    2
    投稿日: 2021.09.12
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    18篇からなる短編集。 巧みな文体、奇抜な設定、余韻の残る結末、それぞれの短編が本筋とは関係のない描写などにより独特な雰囲気を持っていてハマります。 笑う肉屋、叫べ沈黙よ、キャスリーン、むきにくい小さな林檎、真っ白な嘘、そして、後ろを見るな、あたりが好みですが、その他のものもオススメできますね。作者の他の作品も気になりました。

    4
    投稿日: 2021.09.05
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    タイトルに惹かれて読んだけど、表題の作品は思ったよりライトな展開だった。ただ、嘘の持つ黒いイメージを真逆の白にかけていて秀逸なタイトル。「叫べ、沈黙よ」「むきにくい小さな林檎」「危ないやつら」のほうがより強い印象が残った。

    2
    投稿日: 2021.05.09
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    新訳版とは言うものの、この時代の翻訳物はやはり読みにくいしピンとこない。 短編のほとんど、最後のオチが「は?」って感じで訳がわからなかった。

    1
    投稿日: 2021.05.02
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    本屋で平積みされてて、なんで今さらフレドリック・ブラウン?!と思ったら新訳だった。懐かしさとあと刊行中のSF短編全集を買うかどうか迷い中ということもあって購入。SFは読んでたけどミステリはほとんど読んでなかったんで何か新鮮。いづれも意外なオチが決め手で、テイストはガジェットや宇宙人が出てこないだけでSFの短編と印象は変わらない、あぁ、フレドリック・ブラウンだなという感じ。収録作の中では巻末の「後ろを見るな」がやはり仕掛けとして秀逸。 SF短編全集がますます欲しくなってきた。

    2
    投稿日: 2021.04.26
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    ブラウンのミステリはあまり読んだことがなかったが、「後ろを見るな」を読みたくて、選びました。実は絶版になっていて、新作でやっと読めました。どこかで見たことや聞いたことのあるプロットがいくつかありましたが、ああ、ブラウンが最初だったのね、と改めて感心する次第。次のミステリ短編集も新訳が出る様子なので、楽しみに待ちたい。

    2
    投稿日: 2021.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ――  星の数だけひとが居て、  星の数だけ物語がある。  1頁開いて、これから待ち受けているであろうとんでもないボリュームに胸が踊った。文庫ってやっぱ8.5ポイントくらいがいちばん読みやすいよねーと思っているんだけれど、そのうち読み難くなるのかな…やだな…  にしても18編も詰め込まれているとは。  美味しいものばかり並んでall you can eat. 但しデザートに、これだけは必ず最後に食べていってね、という絶品スイーツが待ち構えていて。お腹空いてるのか?  しかし美味しいなぁ、とぱくぱく食べていると、一貫して含まれている鋭い毒がいつの間にか身体中に回っていて、知らず識らず世の中を斜めに見てしまうようになっている、みたい。  ひどいレストランである。  勘違いコント大好きなわたしとしては、表題の「真っ白な嘘」、「危ないやつら」がお気に入り。「危ないやつら」の最後の一節なんて会心である。「闇の女」のMiss Darknessって響きは痺れる。  「笑う肉屋」は何かのミステリで言及されてたような気がする…十角館かなぁ? 覚え違い? 要素をぎゅっと絞ったミステリとしてよくできていて、こういうの集めて5分間ミステリみたいにしても面白そう。  そしてもう何より、締めを飾る――否、本当は違うのか?(笑 ――「後ろを見るな」の作品力と云ったらもう。  本当に、読み終わって暫く身動きが取れなくなるくらいの求心力で。  見事な一冊。☆4です。

    2
    投稿日: 2021.02.03
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    ひとつひとつのお話が短いので、外出時の待ち時間などに読めます。はっとする最後のページもありました。ストーリー展開がお話によって違うので、それぞれの雰囲気を楽しめました。

    0
    投稿日: 2021.01.19
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    おもしろかった。 フレドリック・ブラウンの短編集はSFしか読んだことがなかったけど、これはミステリ集。悲惨なもの、意外なもの、心温まるもの、笑えるもの、うえー!となるもの(語彙)などいろいろあるけれど、どれもみんなしっかりオチがついていて、ちょっと懐かしい雰囲気がただよっている。 それにしてもkindle版で読んだのは、どうだったのか(笑) まさかブラウンも、これが電子書籍で読まれる日が来るとは、想像していなかっただろうな(^_^;;

    1
    投稿日: 2021.01.12