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人形たちの白昼夢
人形たちの白昼夢
千早茜/集英社
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総合評価

36件)
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    毎日寝る前に一つずつ御伽話を開くような気持ちで読んだ。挿絵もすごく素敵。 モンデンキントだけ少し毛色が違っていたけれど、思春期のほろ苦い思い出の一欠片が童話のような物語と並べて収められてる構図がなんだか良い。 ポットの視点で語られる「あなた」がとても素敵で、ワンフォーミー・ワンフォーユーがすごく好きだった。

    0
    投稿日: 2025.09.05
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    人形と青いリボンが登場する12のストーリー。 どれも静かで仄暗い雰囲気を纏っていて、ダークファンタジーのようにも感じる。 以下、印象的だったお話。 ・「スヴニール」※ ・「ビースト」 美しい文体で語られる神秘的な物語。 立派な家ほどの大きさがある山の獣"マムウ"。"ヌカラ"と呼ばれる山に生きる一族(といっても一人しかいない)だけが、生きるために"マムウ"の命を奪ってもよいとされる。"マムウ"もそのことを承知している。 「少女は知ります」の一文が持つ意味が重たい。 ・「ワンフォーミー・ワンフォーユー」※ ティーポット目線から語られる"あなた"と過ごした日々。 ・「モンデンキント」 ※の2つはどことなく『西の魔女が死んだ』を思い出した。読み終えると心が解毒されたような感覚になった。

    1
    投稿日: 2025.04.21
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    人形を題材に色んな物語が詰まった短編集。 残酷なものや、不思議なもの、寂しいもの、温かいもの、色んな雰囲気の物語なので、飽きないけど好みが分かれるかも。 どれも短めなので通勤中にサクッと読めるのが良かった。 初めて読んだ作家さんだけど、料理の描写が好きだなー!どれも美味しそうに感じる。

    1
    投稿日: 2025.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「透明な夜の香り」がこの短篇集の中の「スヴニール」から生まれているという千早茜さんのポストを拝見して興味を持ち、手に取りました! 一つ一つは短いお話だけどそれぞれ世界観が異なっていて読み応えがあった。自分にしてはかなり時間をかけて読んだ気がする。この中だとやっぱり「スヴニール」が大好き。香り(特に食事にともなう香り)と人生の記憶が結びつく描写がたまらない。自分も食事が好きだからかな?千早茜さんの文章からは食への深い愛を感じて、幸せな気持ちになります!切ない余韻があるところも含めて大好き。

    0
    投稿日: 2025.02.12
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    短編集だけど一つ一つの物語が丁度いい長さで読み応えもあった。 色々なテイスト(?)の物語が入っているからどんな人でも必ずお気に入りが見つかるはず。 自分はどれもすごく面白かったしお気に入りも沢山あるけど1番のお気に入りは「ワンフォーミー・ワンフォーユー」。 思わずメモに記録してしまったくらい最後の文章が心に響いた。 ほっとしたい時や現実から離れたいと思った時に手に取りたくなる本。

    0
    投稿日: 2025.02.02
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    私は千早茜先生の書く物語が好きだと再確認。恋愛ものや青春ものは実はどこか苦手なのですが、千早茜先生の書く物語は愛はあるもののどこか心の奥深く眠る誰もが持っているであろう黒くて冷たい何かを前面に出されているように感じ他の作者にはない何かがある。 作品とは話がずれましたが、この本は実は微妙に話と話が繋がっているのかな?繋がっているようにも感じるが別の何かにも感じる不思議な一冊。読めば読むほど、暖かく凍てついた世界を感じられる。

    5
    投稿日: 2024.12.18
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    この作者さんは「赤い月の香り」が文庫になるまで既刊をボチボチと読んでいく、の4冊目。 この前のランキングで見つけたこの本にしてみた。 寓話、風刺、童話、夢想、詩…、色々なテイストの12編が集まった、ちょっとダークで幻想的な短編集。 興を惹かれた話もあれば、正直よく分からなかった話もあり。 巻頭で描かれた、嘘をつけない男と嘘ばかりつく女の不思議な出会い(コットンパール)がなかなかお洒落。 娼婦に拾われて育てられた少女(プッタネスカ)、雪の積もる山に一人住み神聖視される少女と獣(ビースト)、復讐心に囚われて人間そっくりの殺人機械を作り出してしまう時計職人(ロゼット)、それぞれ残酷な運命の破滅的な描かれ方が印象に残る。 どのお話にも「青いリボン」が出てくるが、それらが何を象徴していたかは読み解けずで、いささか消化不良ではあった。

    65
    投稿日: 2024.12.02
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    人形と青いリボンが見せてくれた世界は、上品で美しいのに、儚さと残酷も配合されていて、だからこんなにも心を掴んで離さない。 もっともっと人形たちの白昼夢を覗いてみたい。

    29
    投稿日: 2024.11.13
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    冷たくつるりとした陶器のようで、触れてみると血潮が通い暖かさのあるような短編集 「モノ」であるはずなのに命があるように思え、時には人の心の支えになり、また時には畏怖の対象にもなり得る人形。 人形というテーマで、広い振れ幅の温度の物語たちが楽しめた。 全体的に海外を思わせるような世界観で、身近なような、遠いような、浮遊感を味わえる作品。

    1
    投稿日: 2024.11.09
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    「コットンパール」 嘘をつく女、嘘をつけない男、少女の腹話術人形、偽物の真珠、蜘蛛、首と足首。モチーフのきらめきがいい。 「プッタネスカ」 プッタネスカは「娼婦風」という名の辛味のトマトパスタのこと。主人公につけられたグレナデンという名前は柘榴の果汁の赤いシロップのことで、グレナデンの慕う姉貴分の娼婦の名前カンタロープは赤肉のメロンの名前。果肉の色というのは一層生々しい。赤色が鮮やかに残酷に全編に滴る。親に捨てられたグレナデンが握りしめていたのはやはり人形。階級によって纏える服の色が異なる世界で人形は最上級の青を、最下層の娼婦達は赤を纏う。赤と青のコントラストが光と影のように入れ替わる。 「スヴニール」 例えば心で感じたことを表現するにあたって、それを文章で書くのか、絵に描くのか、音で表すのか。表現方法としてどれを選ぶのかというところにその人の個性があって、表現されたものは他の方法では代替できない唯一無二のものなのだけれど、そこに味覚による表現もあるという驚き。料理によって伝えたい想いが表現されていき、主人公の女性の記憶も蘇る。この女性は緘黙のような症状があり、思うように話すことができない。言葉を介さずとも広がるやさしく懐かしい思い出。彼女の思い出の中にいたある女性の傍には人形があって、それは今はもういない娘の代わりと思われる人形。人形は悲しみを内包したその人が、自分だけのよすがとしてそっと傍に置いている。 「リューズ」 この作品だけ副題がcrownで日本語タイトルと意味が違うんだよな。王冠という意味でよいのだろうか?大戦によって荒廃した世界で本物/偽物の対比、ここでの人形は殺戮機械として。 「ビースト」 もののけ姫とかナウシカみたいなお話。掟を守り平和に暮らす山奥の部族の村に、欲望に塗れた貴族がやって来て暮らしと信仰をめちゃくちゃにする。けれど一度すべてを破壊されても、山は時をかけて蘇り、繭に包まれ眠った少女は美しい蝶となって飛び立つ。少女の体が溶けて蝶になるのよかった。このお話での人形は貴族の男が少女を懐柔しようとして差し出したが見向きもされなかった人形。 「モノクローム」 このお話では人形の義眼がつくられる。「ビースト」でも獣マムウの目が宝石にように美しかったので目玉にもテーマ性がある感じがする。おそらく労働力として搾取するために「罪人」として収監されコントロールされている「我々」の元にやって来る思想犯の男。言論と行動の自由を制限され、静かに従いながら暮らす我々に文字を教え、感情と意思を取り戻させる。死んでもなお、文字で残せば思想は残る。青のリボン、白の包み紙、黄色のレモンが灰色の刑務所に鮮やか。 「アイズ」 全編が会話のみ。会話するのは双子ちゃんですか?双子ちゃんゆえに互いの同一性が高くて、相手以外の人間関係に必要性を感じていない閉じた世界ってやつですか?本当に双子の片割れはいるのかしら。鏡が効果的。人形は出てこないけれど、双子の片割れが人形的な扱いなのでしょうか。 「ワンフォーミー・ワンフォーユー」 泣いた……。物と言葉は交わせなくても心を通わせることができるなんて……。半生を共にした大事なポットに「わたしたちだけになっちゃったわね」とポットの持ち主の女性が語りかけるところで涙腺が崩壊しました。まだ少女だった女性が売られているポットと出会ったときのポットに触れる描写があまりにも官能的で本当好きです。この作品でもお人形は亡き母親の代わりとして登場。父親と自分とお人形にお茶を淹れる。 「マンダリン」 現実パートと主人公の男の子が書く小説のお話が交互に展開する。男の子の小説の残酷描写がすごい。自分の王位を揺るがぬものにするため皇帝は敵対勢力を徹底的に弾圧していくんだけど、見せしめの方法がもう本当エグい。徹底するってこういうこと。男の子も小説の皇帝と同じで残虐癖があるんだけれど、それを自分でも持て余していて好きな女の子を前にして途方に暮れている。残虐癖があって女の子をめちゃくちゃにしたいと思っているけれど、そんなことをしたら二度とこの子の笑顔は見られないということもわかっているし、この子を痛い目に遭わせたくないと思っている理性とのバランスが新鮮。自分が望んでいない欲望って厄介。ちなみに人形は出てこない。目玉がくり抜かれたり目を潰す話は出てくる。 「ロゼッタ」 もしかして「リューズ」の自動機械人形ができるまでのお話?時計職人の男は片眼鏡をはめていて、「リューズ」の執事も片眼鏡をはめている。けれどこれは別の人かな。人柄がだいぶ違う。「ワン・フォーミー〜」もだけど、戦争があまりにもそこで暮らす人の人生を一変させてしまうのが本当につらい。戦争がなければ時計職人は時計職人のままで弟子と慎ましく暮らせたのに……。 「モンデンキント」 『はてしない物語』をベースに書かれる中学生の初恋のお話。初恋相手のりっちゃんよすぎるーー!大好きな本のことであんなにお喋りできる友達ができたらそりゃあ一日が足りないよね。でも中学生だから揶揄われたり冷やかされたり変な噂聞かされたりして、大好きな相手を信じ切るって本当に難しい。翠ちゃんと決裂した後のりっちゃんもクィンビーな西田さんに迫られて相応の経験をしたのかな。そんなこと望んでなかっただろうにね。はてしない物語の他にもドビュッシーの「月の光」も重要なモチーフとして登場する。『ぼくのお日さま』という映画が好きでして、こちらも月の光が美しく流れる作品なのでまた観たくなっちゃったな。この作品でのお人形は翠ちゃんの作ったら物語を聞かせる相手として。 「ブラックドレス」 もうタイトルがいい。短編集の締めくくりに相応しい。 最後まで大変面白かったです!理不尽で残酷で美しいんだけど、極めて真っ当な方向を向いている作品なのでどれだけ酷い描写があっても倫理は揺るがないなと思いました。私は長野まゆみも好きなので、美文の小説や幻想作品を読むとよく長野作品と比べるんですが、長野作品も倫理の範囲は理解しているけれど、彼女はそこを踏み越えていくなと思いました。どちらがいいというわけではなく、作品のタイプとして。長野作品はどれだけ美しても野生な気がする。

    1
    投稿日: 2024.10.31
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    「しろがねのは」を読み、もっと本著者の本を読みたいと思い手に取る。幻想小説の短編集。 しろがねのはで感じた、著者の持ち味と私が感じている濃い闇の感じを活かせる題材で、またその感じを感じられたことは楽しい。しかしながら、幻想小説は多くの人を楽しませることができるには難しい分野だと感じており、私も好きな話もあるけど、イマイチ話に入って行けない感。

    0
    投稿日: 2024.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    好きな作家さんの短編集。短編集は物語の世界に入りにくくて元々あまり得意ではないんだけど、人形がテーマになっているものが多くて気になって読んだ。 個人的に印象に残ったのは、時計職人が戦争で大切な人を亡くし、それから人型の時計(だけど人を殺す)を作るという『ロゼット』、幼い頃に本を通じて仲良くなった男女がすれ違いその思い出で今を生きる『モンデンキント』かなぁ。 他にも記憶を食べる『スヴニール』とか世界観が気になる『ビースト』も良かった。 いろいろな世界、時代で描かれている作品で、どれかは響く作品があるのは短編集の良いところ。逆に、読みにくい作品があるのも事実。面白いんだけど、どういうことだったんだろう…?という作品もあった。

    8
    投稿日: 2024.08.14
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    静かな雰囲気の短編集。 欲深い砂漠の民がヌカラとマムウが住む雪山を壊す「ビースト」が特に印象的だった。

    16
    投稿日: 2024.04.27
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    【2024年92冊目】 嘘のつけない腹話術師、赤を纏った最下層の気高き女、記憶を食べる私、理の中で生きる少女、破滅を愛する男の子など、ここではないどこかを描いた12の物語。そっと寄り添うような青いリボンが宝石のような世界にあなたを導くことでしょう。 千早茜さんが紡ぐ美しい物語と言葉の数々を余すことなく味わいたいならこの本では、と思うほどの満足度でした。異なる世界で描かれる12の物語は、ページをめくる度にため息の出るような美しさや儚さをもたらしてくれました。 大好きな作家さんなので贔屓めで見てしまうところはあると思うのですが、やはり一文一文が本当に煌めいていて、これぞ千早茜ワールドと唸りました。 挿絵がまたおどろおどろしかったり、残酷な美しさがあったりして、良かったです。

    0
    投稿日: 2024.04.20
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     美しさを究極にまで言語化すると、この小説みたいな感じになるんだろうなと思う。美しさと絶望は、少し似ている。  また作中には、美しいものを愛する者たちが多く登場する。「美しさを愛する」と言えば聞こえは良いけれど、それは、そうではない世界が受け入れられない潔癖さをも意味する。決して生き物として強いとはいえない。生きづらいだろうな、と思う。  けれど、確固とした世界観や美意識を持つ者は、図太さはなくとも、したたかだ。したたかで、どうしようもなく魅力的だ。    

    10
    投稿日: 2024.01.06
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    千早茜さんがインタビューで言っていた。 エッセイでは本当の自分を全て書けない 小説の方が(もちろん、全て本当の自分ばかりではないけど)本音の部分を描き入れる事ができる、と言うようなお話しでした。 千早茜さんの作り出す、透明感のある世界は 幻想的であり 清々しい。 深い心の奥底の方に溜まっているものの中からひとつずつ取り出して、一編にしてみたような短編集でした。 一冊200ページ超くらい本に、12編の短編 たとえば「スヴニール」と言う20ページ位の一編 出だしの2行で、季節感、時間帯、天気、温度感、 すべてを美しく表現してしまう。 すごいなぁ!

    26
    投稿日: 2023.12.10
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    美しい短編集。得も言われぬ世界観の短い話たち。 記憶の奥底に大切にしていた美しい情景が、それぞれの世界を形作っている。 安部公房や村田沙耶香、小山田浩子、多和田葉子など、ディストピア小説は、特に海外で高い評価を得ることが多いが、この作家も今後注目されるんじゃないか。

    53
    投稿日: 2023.11.05
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    美しいものはなぜ哀しいのか 全ての話が美しく刹那的でほんのりと哀しい顔を持っていた。 静かで優しい夜のようなお話。寝る前に優しい灯りの中で読むのがぴったり

    1
    投稿日: 2023.10.30
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    全ての編が全く異なるお話で楽しめた どの短編もとても壮大な物語の中のたった一部分のような気がしてこの短編の超長編作品を読みたい 千早さんはなぜこんな想像もつかない世界を言葉に表せるのだろう 中でもお気に入りは『ビースト』というもののけ姫を凝縮したようなお話 何度でも読み返したい

    7
    投稿日: 2023.09.25
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    どうしてこの本を手に取ったのかはもう思い出せないのですが(この本が先だったのか、透明な夜の香りが先だったのか)私が「物視点萌え」を拗らせた原因になった本です。 1話数ページの短編集。こことは違う世界かもしれない、不思議で美しく独特な輪郭の短編集。 好きなのは「スヴニール」「ビースト」「ワンフォーミー・ワンフォーユー」、中でも一番刺さったのは「ワンフォーミー・ワンフォーユー」。 冒頭に書いたように、この話は物視点、ティーポットが持ち主の少女と出会ってからのお話です。愛する日常、過ぎていく時間の先にある別れ。恋でもしているような(実際に持ち主を愛しているのでしょうが)ティーポットの焦がれるような祈りが胸に刺さります。きっとこういう感情を萌えというのでしょう。

    1
    投稿日: 2023.09.24
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    千早茜さんの他の作品が好きで、この本を手に取りました。恋愛メインのお話が多い印象でしたが、この作品で少し印象が変わりました。 綺麗な物語でした。普段は物語は読まないのですが、言葉が美しく、どこか物悲しい雰囲気にページが進みました。ショートストーリーなのに重みがあり、私は好きでした。

    2
    投稿日: 2023.06.07
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    美しいという感想を見て読みました。 たしかに美しい、そしてもの悲しかったです。 初めて千早茜さんの作品を拝読しましたが言葉が綺麗ですね。 かなしい宝石が奏でる別の世界の物語、という感じでした。かなしいのが苦手なので挫折してしまいました。

    1
    投稿日: 2023.03.27
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    12のショートストーリー。 現実と幻想の狭間。 その入口には、青いリボンが覗いている。 気付いた人だけが入る事を許される12の世界。 「モンデンキント」が切なすぎました。

    6
    投稿日: 2022.05.22
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    御伽噺のような不思議な世界観。戦う人形たちは何を思って戦ったのか。戦う人形を作り出した人形師は何を思ったのか。青いリボンは何を象徴しているのか。人形に宝石と無機質なモチーフは硬く、ひんやりとしていて、鷹の目で見るような俯瞰的な物語。その硬さや冷たさを補うように差し込まれる「人」の物語は時に残酷で無神経で、時に慰め、癒す。世の中にはこんなにも色が溢れているんだと感心する。

    1
    投稿日: 2022.03.01
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    幻想小説。「リューズ」「ロゼット」殺戮用自動機械人形。one for me, one for you. ティーポットと女性の優しい関係。Beast 雪の化身の獣マムウと山に住む少女。残酷な話。

    0
    投稿日: 2022.01.08
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    想像と違った… 短編集で、不思議な作風の小説でした。 挿絵がちょっと耽美的… 言葉の端々に、たまに光るものがある 神様が既に死んでるんじゃないかって話は興味唆られた そういう考えは私にも考える隙間を作ってくれる。 夢の中で揺蕩うようなストーリー 気分転換に挟みたい本

    0
    投稿日: 2021.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幻想的で冷たく美しい12のお話と、岡上淑子さんのコラージュ…うっとりする本でした。 自動機械人形のお話は連作のようでした。悲しい。 「スヴニール」の料理や「ワンフォーミー・ワンフォーユー」のお茶の描写はさすがでした。とても美味しそう。 淡々と、静かな色彩でした。いくつもの青と、赤とマンダリンと。

    1
    投稿日: 2021.04.25
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    十二粒の宝石を使ったアンティークジュエリーのような小説集。 しかし十二の宝石が囲む中央の台座にはとびきり大きな宝石の代わりに、黒々とした破壊が据えられている。 キーワードは「青いリボン」と「人形」。 〝残酷で美しい、ここではないどこか。” どの話もファンタジーとリアルが混ざった、有りえるけどあり得なさそうな物語。 「モンデンキント」は甘酸っぱくて切なくて苦しくて、学生の頃って、若い時ってこうだったな〜と自分の学生時代を振り返りながら読んだ。 どの物語もラストは美しく儚かったなぁ。。 2021年読了、11冊目。

    1
    投稿日: 2021.03.04
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    ゆるく繋がった連作短編集という感じ。 ファンタジーっぽいものや、寓話風のものも混ざっていて、青いリボンが象徴的に何度も出てくる。 血生臭い表現もあるのに、全体に静謐な印象。どの話も、記憶の中の何かに触れる気がする。 ティーポットの話の最後、ぐっときた。

    1
    投稿日: 2021.02.21
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    「青」「人形」がキーワード。あとは「金色」ときどき「赤」。 帯に書いてある通り、「ここではないどこか」の物語。 ありえない。けどありえそうな 現実のようなファンタジーでした。 全ての物語が繋がっているようで繋がっていない。繋がっていないようで繋がっている。

    2
    投稿日: 2020.11.15
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    またまた千早さんワールド炸裂で綺麗なお話だった。 美しさとは?っていう感じで私も自分の感じる美しさを大事にしたい。

    2
    投稿日: 2020.09.29
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    どの話も美しく、どことなく冷たく感じる。 この作者の本読むたびそう思うし、どんどん世界に吸い込まれていってしまう。

    1
    投稿日: 2020.09.05
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    ガラス玉に閉じ込められたような物語たち。 それぞれの主人公たちがガラス細工のように透明で真っすぐ過ぎるがゆえ、結果、ゆがみを招く。 だから人間は柔軟に生きる術を本能レベルで知っているんだろうか。 相変わらず千早さんの綴る文章や言葉選びは、影を落としつつも美しくゴシック的。印象的な色が鮮やかに記憶に残る作品。 ビースト、モンデンキントが物語としてはわかりやすく印象的。モンデンキントの月の光のくだりが好き。 収録タイトル コットンパール / プッタネスカ / スヴニール / リューズ / ビースト / モノクローム / アイズ / ワンフォーミー・ワンフォーユー / マンダリン / ロゼット / モンデンキント / ブラックドレス

    1
    投稿日: 2020.08.19
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    ふわふわとしたファンタジーとリアルが共存する物語が12篇。 青いリボンと美しい人形。そして残酷な血の赤。 表紙の絵と、所々に入る挿絵の美しさと不気味さ。 どこからどこまでが幻想で、何がリアルなのか。 ふわふわとして読んでいて心地が良かった。 私のお気に入りはリューズとビースト。 私も人形たちに青いリボンを巻いてみたい。 私も青い眼球を覗いてみたい。 そんな気持ちになった。

    6
    投稿日: 2020.08.12
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    12の短い物語には人形と青いリボンが必ず登場するけれど、時も、場所も、人も違っていて、様々な人としての残酷さとか尊厳とか、人生の悲しみや面白味などを浮かび上がらせてきます。青のリボンと対象的に血の色である赤も印象に残ります。どの物語も余韻が残ります。焼け野原になってしまった残骸の中からキラリと光る透明な石を見つけたような、そんな余韻です。私が1番好きなのは『モンデンキント Moon child』です。単なる初恋の思い出ではない、自分のことを信じてくれて、大切にしている世界を共有できるそんな誰かがいたという事実そのものが宝になるということ。小説や物語という事実ではない嘘のようなものに何の意味がある?と思ったり言ったりする人もいるけれど、この話を読むと絶対意味があるとしか言いようがありません。この世に物語が存在する理由みたいなものを感じました。 他の物語もとても良かったです。

    5
    投稿日: 2020.07.16
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    美しく、力強く、儚い物語。 美しい文章に溺れる体験ができる。 ショートストーリーだが、それぞれの物語で人形、青い眼といった共通のモチーフがあらわれる。 人形はまさに人の形をしている。 そこに人間はさまざま感情を投影したり、同一視したり、時には攻撃性を向ける。 この物語の人間たちはどこか失感情気味である。 そこに、人形(的)な対象へ感情を投影する。 感情が投影された対象は、自己でもなく、他者でもない。 自己と外との中間的な領域だ。 中間領域の儚さが暴力的なまでに美しい文章で綴られる。 本来、言語は象徴ではなく記号だ。 記号はそのものズバリを表示するために、暴力的でもある。 言葉の暴力、とはよく言われるけれども言葉そのものが暴力を含んでいるように思う。 そこにきて、この文章は美しく、暴力的だ。 この暴力性に溺れ、美しさに溺れる体験ができる。 こういう本や文章を大切にしたい。

    3
    投稿日: 2020.06.27