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村上春樹 雑文集(新潮文庫)
村上春樹 雑文集(新潮文庫)
村上春樹/新潮社
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総合評価

64件)
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    村上春樹の「一般人」の理解は、ちょっと僕たちの現状から離れてる気がする 一般の人は海外文学なんて読まないし、その文学史的な位置付けや伝記的エピソードなんて知らないし、クラシックは当然、ジャズにも明るくない それでいながら、軽いタッチの文体で社会の外れものを自認するので、ちょっとスノビズムみたいなものを感じてしまう それでも、作者である村上春樹は、自分が作家として、どのような責任を社会に負ってるのかを深く考えて、それをきちんと背負おうとしている そういう社会への関わり方に、自分は無意識に憧れてきたのかもしれないな、と感じた

    0
    投稿日: 2025.12.22
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    数ページずつの、なんというか、「雑文集」であった。様々なことを考えておられる人なのだなあということを、改めて感じた本であった。1年くらいして、また読んでみようと思う。

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    ファン向けの文庫です。経年変化の備忘メモ的、あるいは色んな春樹ワールドの断片を切り取ったエッセイ集ですから、目新しい話はないんだけれど、気楽にパラパラ読めるライトな安心感がGood。村上春樹をある程度読み込んだ方向けかな?

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    堅苦しい村上春樹  受賞時のメッセージを読む。すると、村上自身はユーモアと思ってさうでも、言はれた側はたまったもんぢゃないよな。といふのがありさうだと気づく。早稲田にまじめに通ってないとか。坪内逍遥って読んでないとか。って。まあいいけど。

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    著者が様々なところで発表したものを集めたタイトルのとおり雑文集。少しテーマに分けられていて解説、あいさつ、音楽、翻訳、人物、小説など様々。小説をよく読んでいたが今回村上春樹という人物の人柄が少しわかって面白かった。読んでいると、生きることへの考え方についてアドバイスをもらうような感覚もあって好き。

    0
    投稿日: 2025.07.13
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    スピーチや様々な文章、結婚式の祝電まで(笑)、名前の通り雑文。 でも楽しかった❤️ エルサレム賞のスピーチが読めたのは嬉しかったなぁ

    0
    投稿日: 2025.05.04
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    雑文集とあるとおり、挨拶とか翻訳に関するいろいれなエッセイがいろいろ。「ビリー・ホリデイの話」が好きです

    0
    投稿日: 2024.08.18
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    結局のところ、小説を読むという行為は、その作家を信頼できるのかという点に懸かっている。わたしはこういう文章を書く人間を無条件に信頼する。だから、村上春樹の小説を大切に読む。そういうことだ。

    1
    投稿日: 2023.11.27
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    94冊目『村上春樹 雑文集』(村上春樹 著、2015年11月、新潮社) 小説家デビュー時から近年まで、村上春樹が書いたエッセイや超短編小説、文学賞受賞時の挨拶など、単行本未収録の雑多な文章を一つ所に纏めて収録したもの。 ものすごくマニアックな内容で、村上春樹のコアなファンに向けられたものではあるのだが、一つ一つの雑文は短いながらも読み応えがあり退屈しない。 巻末には安西水丸×和田誠の対談が収録。 〈もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます〉

    16
    投稿日: 2023.10.25
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    もー、いちいち良い人が滲み出すぎてるんだよなぁ、村上さん! 皮肉とユーモアと世辞の割合が絶妙にうまくて、読んでいても暖かい気持ちになる。 村上春樹が語る安西水丸にも、安西水丸が語る村上春樹にも、友情を感じるとは和田誠さん談。 良い小説家とはどうあるべきか、という考え方についても、またお洒落な表現で、そして納得できる。 この世界の構造のようなものを、村上春樹というフィルターを通して、現代の最新版を見られるということに感謝。 安西水丸さんも和田誠さんも他界してしまったので。

    1
    投稿日: 2023.09.25
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    再読 小説の方は残念ながら卒業したのだが、エッセイは相変わらず好きである なぜだろうか ちょいと分析してみることに ・独創的 ・思考力が深い とことん考え抜く ・マイノリティを誇りに突き進む 周りなんて気にしない ・自分自身の世界が豊か 幸せオーラがある ・もちろんユーモアがある ・闇が見え隠れする精神が健全な肉体でしっかり相殺されている 私自身もマニアックなことが好き、人と違うことに夢中になる、一人で深堀する… そして一人っ子である 若い頃は共感できる人間がちっとも周りにおらず、なかなか辛いことも多かった そんな時結構救われたのである もはや今となっては辛いどころか誇らしくもあるのですが(笑) というわけで共感することが多いのです そして気取ってなくて居心地が良い 気合いを入れず読める (春樹流にいうとパスタを箸で食べちゃう感じ?) そしてこの雑文集であるが今までのエッセイに比べると一つ一つがちょっと長い そのためいつもよりちょっと気合がいる(笑) 名前の如くテーマは様々で、あいさつ、スピーチから大好きな音楽について、「アンダーグランド」にまつわる話、翻訳について、人物について、質問コーナーなどなど 雑多ながら方向性が多様で面白い ちょこちょこと隙間時間に楽しめた

    25
    投稿日: 2023.08.04
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    村上作品をそうたくさん読んでいるわけではないけれど、この本の文章も含め、村上さんの書かれる文章を読むと、なぜかすっと背筋を伸ばしたくなる、 ソファにだらしなく座っていては、村上作品を読めない気がする。 その文章から感じられるリズムは、決して派手ではないけれど、タメの効いたハイハットとうねりを感じるスネア。 最近の作品はまったく読めていないけど、このリズムは健在なのかな。

    2
    投稿日: 2023.07.25
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    「村上春樹」の雑多な作品を収録した『村上春樹 雑文集』を読みました。 「村上春樹」作品は1年ちょっと前に読んだエッセイ集『やがて哀しき外国語』以来ですね。 -----story------------- 1979-2010 未収録の作品、未発表の文章から著者自身がセレクトした69篇。 デビュー作「風の歌を聴け」受賞の言葉。 エルサレム賞スピーチ「壁と卵」。 『海辺のカフカ』中国語版に書いた序文。 ジャズ、友人、小説について。 そして二つの未発表超短編小説。 「1995年」の考察、結婚式のお祝いメッセージ。 イラスト・解説対談=「和田誠」・「安西水丸」 ----------------------- 肩の力を抜いて気軽に読める作品はないかな… と思いながら書棚を探して選んだ一冊、、、 ちょっとひねくれた視点でリズム良く綴られる「村上春樹」の文章(本作品に収録されているのはエッセイだけではないので"文章"って表現にしました)が、好きなんですよねえ。  ■前書き――どこまでも雑多な心持ち  ■序文・解説など   ・自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)   ・同じ空気を吸っているんだな、ということ   ・僕らが生きている困った世界   ・安西水丸はあなたを見ている  ■あいさつ・メッセージなど   ・「四十歳になれば」    ――群像新人文学賞・受賞の言葉   ・「先はまだ長いので」    ――野間文芸新人賞・受賞の言葉   ・「ぜんぜん忘れてていい」    ――谷崎賞をとったころ   ・「不思議であって、不思議でもない」    ――朝日賞・受賞のあいさつ   ・「今になって突然というか」    ――早稲田大学坪内逍遥大賞・受賞のあいさつ   ・「まだまわりにたくさんあるはず」    ――毎日出版文化賞・受賞のあいさつ   ・「枝葉が激しく揺れようと」    ――新風賞・受賞のあいさつ   ・自分の内側の未知の場所を探索できた   ・ドーナッツをかじりながら   ・いいときにはとてもいい   ・「壁と卵」    ――エルサレム賞・受賞のあいさつ  ■音楽について   ・余白のある音楽は聴き飽きない   ・ジム・モリソンのソウル・キッチン   ・ノルウェイの木を見て森を見ず   ・日本人にジャズは理解できているんだろうか   ・ビル・クロウとの会話   ・ニューヨークの秋   ・みんなが海をもてたなら   ・煙が目にしみたりして   ・ひたむきなピアニスト   ・言い出しかねて   ・ノーホェア・マン(どこにもいけない人)   ・ビリー・ホリデイの話  ■『アンダーグラウンド』をめぐって   ・東京の地下のブラック・マジック   ・共生を求める人々、求めない人々   ・血肉のある言葉を求めて  ■翻訳すること、翻訳されること   ・翻訳することと、翻訳されること   ・僕の中の『キャッチャー』   ・準古典小説としての『ロング・グッドバイ』   ・へら鹿(ムース)を追って   ・スティーヴン・キングの絶望と愛――良質の恐怖表現   ・ティム・オブライエンがプリンストン大学に来た日のこと   ・バッハとオースターの効用   ・グレイス・ペイリーの中毒的「歯ごたえ」   ・レイモンド・カーヴァーの世界   ・スコット・フィッツジェラルド――ジャズ・エイジの旗手   ・小説より面白い?   ・たった一度の出会いが残してくれたもの   ・器量のある小説   ・カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと   ・翻訳の神様  ■人物について   ・安西水丸は褒めるしかない   ・動物園のツウ   ・都築響一的世界のなりたち   ・蒐集する目と、説得する言葉   ・チップ・キッドの仕事   ・「河合先生」と「河合隼雄」  ■目にしたこと、心に思ったこと   ・デイヴ・ヒルトンのシーズン   ・正しいアイロンのかけ方   ・にしんの話   ・ジャック・ロンドンの入れ歯   ・風のことを考えよう   ・TONY TAKITANIのためのコメント   ・違う響きを求めて  ■質問とその回答   ・うまく歳をとるのはむずかしい   ・ポスト・コミュニズムの世界からの質問  ■短いフィクション――『夜のくもざる』アウトテイク   ・愛なき世界   ・柄谷行人   ・茂みの中の野ネズミ  ■小説を書くということ   ・柔らかな魂   ・遠くまで旅する部屋   ・自分の物語と、自分の文体   ・温かみを醸し出す小説を   ・凍った海と斧   ・物語の善きサイクル  ■解説対談 安西水丸×和田 誠  ■文庫版のためのあとがき 村上春樹 全体的に愉しめましたが… その中でも、音楽に関する文章は特に面白く読めましたね、、、 「ホレス・シルヴァー」、「セロニアス・モンク」、「マイルス・デイヴィス」、「アート・ブレイキー」等々、久しぶりにジャズが聴きたくなりましたね… しかも、できればCDやスマホじゃなくてLPレコードで、LPレコードの持つ、あの独特の雰囲気を久しぶりに味わいたくなりました。 もちろん、ロック/ポップスも大好きなので、「ザ・ビーチ・ボーイズ」、「ザ・ビートルズ」、「ジム・モリソン(ドアーズ)」、「ボブ・ディラン」等々も聴きたくなりました… そもそも、最近、ゆっくり音楽を愉しむことができていないよなぁ、、、 あと、久しぶりに「スティーヴン・キング」の作品も読みたくなりました… 共感できることや、音楽や書籍について再発見することもあり、愉しめる一冊でした。

    1
    投稿日: 2023.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    村上春樹さんのエッセイって、引っかかりなくサラサラ読める…が良い方向に作用してて好んで読んでしまいます。 こちらはエッセイだけでなく、祝電や受賞の挨拶、インタビューなども収められていて楽しかった。 「ビリー・ホリデイの話」は物悲しい煌めきが素敵でした。エルサレム賞のスピーチはこれは伝説になるでしょうねと思ったし、スティーヴン・キング評が嬉しいです。「彼の考える恐怖の質は『絶望』」。 あとやっぱり「アンダーグラウンド」関連もの凄い。オウム真理教を始め、カルトにはまる人たちの心理を的確に掴んでると思うのは村上春樹さんだけな気がしています。最近の旧統一教会関連のニュースでもカルトにはまる心理とは…みたいなの目にするけれど、村上さんのこれらほどはどれもしっくりこない。「彼らの信奉する「教義(=物語)」にわれわれの「物語」が勝てない」みたいなのは、作家さんみたいなクリエイターはもちろん、宗教にはまる人たちを連れ戻せないこちら側の事でもありました。カルトは失くならないからなぁ、宗教以外でも。「アンダーグラウンド」を読んだときも似たようなこと思ってる気がします。 小説は未だに「世界の終わり」が唯一好きなのだけれど、エッセイと翻訳は良いと思っています。声はプラチナ、字はカリントウ…確かに美声ですよね。 ラストの対談、もう安西水丸さんも和田誠さんも居ないんだ…と思ってかなり悲しくなりました。和気あいあいと話されてるのが余計に。

    3
    投稿日: 2023.02.26
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    メモ→ https://twitter.com/nobushiromasaki/status/1616636065502359552?s=46&t=RW42_kx3BqP45yC0UP-4dA

    2
    投稿日: 2023.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    エッセイ2作目。前回よりも長めの文章が多かったので、中身も面白いものが多かった。ジャンルも様々で興味のない分野もあったが、自分の視野を広げることができるので読む意味はあると思う。「壁と卵」など時間を置いて再読したい文章もあった。またエッセイを読んでみたい。違う作者も違う視点から物事を見られるという意味でアリかもしれない。

    0
    投稿日: 2022.09.04
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    世の中に「ラム入りコーヒー」というものが存在する、ということを知れただけで、本書を読む価値があった。「ラム酒とコーヒーを混ぜるとは、なんて斬新!これは美味しいにきまっとる!」と思い、早速、小瓶のラム酒を買って作ってみた。なかなかおいしいのだが、我流なので改善の余地は大いにある。ラム入りコーヒーのあるカフェに行って、お店の味を確かめたい今日この頃である。(本の感想ではなく、コーヒーの感想になってしまった…)

    7
    投稿日: 2021.12.16
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    村上春樹の音楽の話を聞くと、話題に上がっている音楽が聴きたくなるし、読んでいると1対1で話している感覚になってすごく気持ちが安らぐ。 こういった雑文みたいなのも僕には性に合ってるんだなと思った。 たぶんだけど。

    1
    投稿日: 2021.09.12
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    村上春樹氏の、これまでの国内外でのインタビューや雑誌に寄稿した前書き的な文章、結婚式に送った電報や賞受賞時のスピーチ原稿など、さまざまなシチュエーションにおける彼の文章を楽しめる一冊。エッセイとは違い、小説とも違う、新しいタイプの本。これらの文章を読み進めるうちに、彼の小説のスタイルの大枠が見えてくる。現実と、非現実との狭間。世界の果てと、生と死。 個人的にやはり刺さるのは、「アンダーグラウンド」「約束された場所で」を軸にした地下鉄サリン事件やオウム真理教に関する記述。そして、彼の見解がとても興味深い。

    1
    投稿日: 2021.08.08
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    村上春樹氏が普段の長編小説で表現していること、そうでもないこと、作中にあるように福袋を開けるような気持ちで楽しむことができた。「自己について」をはじめ、過去作と関連する手法が登場する場面は読んでいて思わずニヤリとしてしまう。音楽についての記述は曲や演奏者を知っていればさらに楽しめていたかな。名文が何でもないことのようにさらさらと登場するので、出来ることなら鉛筆でマークを入れながら読み進めたい一冊。

    0
    投稿日: 2021.07.28
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    小説の書き方、ジャズの聴き方、好きな小説家の事、村上春樹という人の胸の内が見える気がする(もちろん全部ではないだろうけど)。おかげで、ジャズももっと聴きたくなったし、読みたい本も増えた。 またその後の雑文集も出して欲しいなぁ。

    0
    投稿日: 2021.07.17
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    村上春樹の小説は一冊、それも数十ページで断念してしまったけれど、彼の書く雑文は面白い。ところどころ、秀逸な表現があって、頑張って小説読んでみようかなという気にさえなった。 彼なりの言葉・単語の説明や解釈が読める部分は特に、勉強になる。やっぱりスゴイ人なんですねー、ハルキは…

    0
    投稿日: 2021.06.17
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    卵には殻がある 殻は壊れやすい壁であるが じつは卵の中身を守っているシステムなんだ このように、壁はどこにでもあるものだが 問題は概念の壁である 概念は存在しない形で存在する空気のようなものでありながら しかし確実に存在し、そこにぶつかった卵を壊す 概念の壁を壊すことはできない なぜならそれは卵たちの欲望が作り上げるものだから すべての卵が壊れるまで、概念の壁も壊れることはないだろう 卵がひよこになったとて同じこと 概念は形を変えながら、ますます強化される一方だ まさに「愛なき世界」 こうなっちゃ我々はもう ハード・ボイルド・エッグにでもなるしかないね

    0
    投稿日: 2021.06.06
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    村上春樹のエッセイというかこの本に収められているようなちょっとした文章ってなんでこんなにも読んでいて「しっくり」くるんだろう。 テーマの重さ軽さに関わらず、本文中の表現を借りるならレッドヘリングを書き連ねていく。読んでいる方はどうしてもかわされた気分になるかもしれない。でも、よくよく読んでみるとそういうレッドヘリングにこそ村上春樹の思索の本質的な部分が現れていることが往々にしてある。 自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)とかその典型な気がする。他にもジャックロンドンの入れ歯、自分の物語と自分の文体などなど。 ねじまき鳥、世界の終わり、ノルウェイの森他多数の長編小説で小説の形として読者に提示してきたテーマを再確認できる。答え合わせというと小説の持つ解釈の多面性を否定することになるかもしれないがともかく、一貫した思想が長編にも短編にもエッセイにも現れているのを見るとファンとしてはどうしても嬉しくなってしまう。 本書を手に取ったきっかけは中学校の国語の授業で先生が壁と卵のスピーチを教材として使っていたのを思い出したからだけど今になって読み返してもその意味するところなんて十全にわかるわけがない。これを中学二年生に理解しろと言うのもなかなか酷な話だ。

    7
    投稿日: 2021.02.17
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    どんな作家さんでもこの手の細々とした文書があるでだろうが、村上春樹ともなればこんな雑文集でも本になるし売れるだろう。けど、読んでみて村上春樹のことがより身近になったし、いろいろな文体で飽きることなく読める。 昔から本を大量に読み、ジャズ喫茶を経営するほどジャズが大好きで、安西水丸と和田誠を友人に持ち、翻訳家の仕事は半ば趣味のようにこなし、海外での生活歴が多いといったことがわかる、ファンには充実の内容です。 エルサレム賞でのスピーチ原稿はとても練られた素直とも言える過激な内容で印象に残ります。 レイモンドカヴァー、チャンドラー、フィッツジェラルドなどの作品群への熱い語りも好きです。それら翻訳した本を読みたくなりました。 お二人の友人も今や亡き人となり、村上春樹も70歳超え。同じ時間を生きる幸運を活かし、作者の本に触れていきたいと思います。

    0
    投稿日: 2020.07.12
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    オイラにとっての村上春樹は誠実な仕事をする、ストイックなスポーツマンだ。小説を書くということは、体力がいるのだ。たぶん、サラリーマンも一緒だと思う。現場だろうがデスクワークだろうが。物理的に体力が必要というだけではなく、仕事にはいろいろなトラブル、苦難があるしそれを乗り越えていくには強いメンタルが必要だし、それを維持するためにカラダの臨戦態勢を保つという意味だと思う。「アンダーグラウンド」や「約束された場所で」を読んだときに感じたことだ。インタビューの内容はきっとヘビィなものだったろうし、誰に対しても背筋を伸ばしたしっかりした姿勢ができなければ、加害者と被害者の本当の声は拾えなかったんじゃないかな。だからあの二冊には村上春樹の個人的な意見や偏見はなくて事実を事実としてオイラたちに届けてくれたんだと思う。 それからオイラがちょっと不満に思っていた結論のない小説の終わり方についてはこれを読んで少しスッキリした。確かに読み手は何らかの結論を出してくれたほうが楽だし、文句も言いやすい。でもそうするとオイラは考えることをしなくなるし、そもそも読者と分かち合うことを望む村上春樹の求めるところじゃないんだよね。村上春樹は読者に愛をもってくれてるんだなぁ。 安西水丸氏も和田誠氏もいなくなちゃったこれから、装幀はどんなふうになるのかな?

    0
    投稿日: 2019.10.26
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    短い未発表のエッセイや受賞時のスピーチ原稿、他国で翻訳された自作品の前書き等、ひと味違った村上文章が読める本。 本当に多岐にわたる文章なので飽きがこないです。軽くつまめる酒の肴的な。 小説よりもよりドライに、しかし書く対象に優しく寄り添う文章は村上春樹さんならではですね。 ラストの安西水丸さんと和田誠さんの対談読んでちょっとほろりとしました。こんなに村上春樹さんのことを楽しく褒めてる人がもういないのは寂しいです。

    0
    投稿日: 2019.09.25
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    "僕の小説が語ろうとしていることは、ある程度簡単に要約できると思います。それは「あらゆる人間はこの生涯において何かひとつ、大事なものを探し求めているが、それを見つけることのできる人は多くない。そしてもし運良くそれが見つかったとしても、実際に見つけられたものは、多くの場合致命的に損なわれてしまっている。にもかかわらず、我々はそれを探し求め続けなければのらない。そうしなければ生きている意味そのものがなくなってしまうから」ということです。" 【雑文集/村上春樹】新潮文庫 p477 誰もが意識的に、あるいは無意識のうちに「生涯において何かひとつ、大事なもの」を求めているとしたら、ある種の人にとってのそれは「自分」、あるいは「自分を映しだすかけら」なんじゃないのだろうか。 仏教の説話で、王とその妃が交わす会話が好きだ。 一番愛おしいいものは何かと問われた妃は、ためらうことなく「自分自身が一番愛おしい」と答えるんだよね。王は、自分もそうだと微笑み合った後、二人で仲良く仏陀にその話を報告しにいく……というやつ。 いい話だなあと、にこにこしちゃう。 人間、自分で自分をごまかしちゃ、いけない。 こうあるべきとか、こういうものという無意識の刷り込みのせいでやっちゃったりもするけれど、そんな思い込みをひとつひとつ外していくと、世界は驚くほどに変わっていく。 一部を引用したこのメッセージは、2001年8月、中国の読者にあててが書かれたもの。 1999年の『スプートニクの恋人』、2000年の『神の子どもたちはみな踊る』と2002年の『海辺のカフカ』の間の頃。 わたしは時々、村上春樹をまとめて読み返す。 かつては、際限なく喪い続ける物語のように読んでいたのだけれども、最近は最悪のところを通り抜け、帰ってくる話として読めるようになった。 求めていたものは、致命的に損なわれてしまっているのかもしれない。でも、それを見いだすということは、少なくとも探索の終わりと新たなフェーズの始まりを意味している。 彼の物語は、歳を重ねるごとに、さらに深く進んではより明るいところに戻ってくるようになっている。致命的に損なわれたかのように見えた求めていたものは、新たな命を吹き込まれ蘇る。 少しづつ、そんな変化があるように思えている。

    0
    投稿日: 2018.12.16
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    【いちぶん】 そういう時期はたぶん誰の人生にも、多かれ少なかれあるのではないだろうか。ジョン・レノンの人生にもそういう時期があった。僕の人生にだってもちろん何度かあった。二十歳前後の日々がとりわけそうだった。 Isn’t he a bit like you and me?

    0
    投稿日: 2018.11.07
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    雑誌への寄稿やライナーノーツ、スピーチなどの村上春樹が書いた「雑文」をまとめたもの。 2015年のノーベル賞の発表の前後に文庫化されて、平積みされて買ったものの、そのまま積読。 年始の日経に春樹がチャンドラーに関する文章を書いているのを見て発掘。 短い文章が並んでいるので、カバンの中にいれて、すき間時間で読んでいました。前後の流れなんて気にする必要ないし。 短い文章でも、しっかりと、ハルキを感じさせるのはさすが。

    0
    投稿日: 2018.02.27
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    「小説家とは何か、と質問されたとき、僕はだいたいいつもこう答えることにしている。『小説家とは、多くを観察し、わずかしか判断を下さないことを生業とする人間です』と。 なぜ小説家は多くを観察しなくてはならないのか?多くの正しい観察のないところに多くの正しい描写はありえないからだ——たとえ奄美の黒兎の観察を通してボウリング・ボールの描写をすることになるとしても。なぜ小説家はわずかしか判断を下さないのか?最終的な判断を下すのは常に読者であって、作者ではないからだ。小説家の役割は、下すべき判断をもっとも魅力的なかたちにして読者にそっと(べつに暴力的にでもいいのだけど)手渡すことにある。」

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    投稿日: 2018.01.29
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    様々なところで発表された(あるいはされていない)、まさに雑文あれこれ。 結婚式の祝電も収録されているのはすごい! 結婚はいいときにはとてもいいものです、って本当にその通り。簡潔でいて本当にうまいこと言うなあ。 あと「牡蠣フライの話」も何度だって読み返したい。 p21 良き物語を作るために小説家がなすべきことは、ごく簡単に言ってしまえば、結論を用意することではなく、かせつをただ丹念に積み重ねていくことだ。我々はそれらの仮説を、まるで眠っている猫を手にとるときのように、そっと持ち上げて運び(僕は「仮説」という言葉を使うたびに、いつもぐっすり眠り込んでいる猫たちの姿を思い浮かべる。温かく柔らかく湿った、意識のない猫)、物語というささやかな広場の真ん中に、ひとつまたひとつと積み上げていく。どれくらい有効に正しく猫を=仮説を運びとり、どれくらい自然に巧みにそれを積み上げていけるか、それが小説家の力量になる。 p95 小説家はうまい嘘をつくことによって、本当のように見える虚構を創り出すことによって、真実を別の場所に引っ張り出し、その姿に別の光を当てることができるからです。真実をそのままのかたちで捉え、正確に描写することは多くの場合ほとんど不可能です。だからこそ我々は、真実をおびき出して虚構の場所に移動させ、虚構のかたちに置き換えることによって、真実の尻尾をつかまえようとするのです。しかしそのためにはまず真実のありかを、自らの中に明確にしておかなくてはなりません。それがうまい嘘をつくための大事な資格になります。 p278 でもひとつだけ目に見えて変化したことがある。それは電車に乗ったときに、まわりの乗客をごく自然に見渡すようになったということだ。そして「ここにいるこの人たちみんなに、それぞれの深い人生があるのだな」と考える。「そうだ。僕らはある意味では孤独であるけれど、ある意味では孤独ではないのだ」と思う。この仕事をする前には、そんなこと思いつきもしなかった。それはただの電車であり、ただの「よその人」でしかなかった。 今のところ、それが僕にとってのひとつの収穫である。 p498 図書館とは、もちろん僕にとってはということだけれど、「あちら側」の世界に通じる扉を見つけるための場所なのだ。ひとつひとつの扉が、ひとつひとつ異なった物語を持っている。そこには謎があり、恐怖があり、喜びがある。メタファーの通路があり、シンボルの窓があり、寓意の隠し戸棚がある。僕が小説を通じて描きたいのは、そのような生き生きとした、限りない可能性を持つ世界のあり方なのだ。 音楽に関しては疎いのですが、ビートルズの「ノーホェア・マン」は聴いてみたいなと思いました。村上春樹がノルウェイの森の最後のシーンでイメージしていたというのも興味深い。 そして、ジャズバー経営時代のビリー・ホリデイにまつわるエピソード。ジャズってさっぱり分からなかったけれど、あぁそういうことなのかぁとふんわり納得してしまいました。

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    投稿日: 2017.10.17
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    いろんなところでの挨拶やら寄稿文やら祝電やら序文やら。 あまりにすべてが村上春樹で、久々だったので最初はペースが掴めなかった。 ジャズはさっぱり分からないのだけど、ものすごく愛情をこめて書いているのは伝わってくる(あの調子なので押し付けがましくはない)ので、挙げられた曲や作家の作品は手に取ってみたくなる。

    0
    投稿日: 2017.09.19
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    タイトルがいい。 まさに雑文のかたまりだけれど、この種のような着想たちが様々な作品群の起点となっているかのようで、実に興味深い。

    0
    投稿日: 2017.07.26
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    読み終わるまでに時間がかかりました。途中で読まなければならないものが出来たせいもあるけど。本の中に出てくる音楽や文学のことを調べたり、前に戻って読み直したり。しっかり全文読んだよ!と言う感じです。これはまた何年か経って読み直しする本になりそうです。

    0
    投稿日: 2017.04.05
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    村上春樹がこれまでに書いた序文、さらには友人の娘のための結婚式のスピーチなど多岐にわたる文章が収録されています。 1番お気に入りの文章が 「図書館は今にいたるまで、僕にとってとくべつな場所であり続けている。僕はそこに行けばいつでも、自分のためのたき火を見いだすことができた。」(p497から) この本を読んで、少しでも図書館や本を読むことが好きになってくれたら、うれしいです。 【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】 https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7200199045&mode=one_line&pvolid=PV%3A7200467509&type=CtlgBook

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    投稿日: 2016.11.08
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    お蔵入りの超短編小説や結婚式のメッセージをはじめ、新人賞受賞の言葉、伝説のエルサレム賞スピーチなど、村上春樹ファンにはたまらない言葉が満載のまさに雑文集。 一緒な時代に生きていることを幸せに感じる。どんな時でも傲ることなく、現実を真摯に見つめ語る姿勢は、世界に誇る日本人の一人に思う。伝説のスピーチ「壁と卵」は、世界中の国家指導者や政治家に聞かせたい。

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    投稿日: 2016.08.27
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    感銘を受ける文章がいくつもありますが、もし今、ひとつ選ぶとしたら『自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)』です。 「自分自身について原稿用紙四枚以内で説明しなさい」 面接などで問われがちだけれど、満足に答えられたことがない。 村上春樹ならどんな素敵な回答をするのだろうと期待するのだけれど、いきなり「牡蠣フライについて語ろう」と話をすり替えられてしまう。 好きなものを語ると、それとの距離感や捉え方などから、自然と自分が表現されるということらしい。 言われてみると「なるほど」と納得してしまう。 問いに対してまっすぐに太刀打ちできない場合に、これほど大きくアプローチを変え、まっすぐよりもより上手く答えを出せるのが、小説家なのだなと感心しました。

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    投稿日: 2016.08.25
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    村上春樹さんの、今までに出されたいろいろな文章で、本にまとめるにはちょっと難しいかなというようなものを、ひとまとめにされたような本です。表紙挿絵と解説を、仲の良い二人に対談にてお願いされていますが、それがほのぼのとしていて、村上春樹さんを表しているようで楽しめます。その空気を楽しめる、気楽に読めるものもたくさん入っていますが、雑文という中で、ちょっと腰を落ち着けて机に向かって真剣に読むべき内容もあります。小説を書き続けている意味など、それを世間になぜ発表しているのかについて。私たちが閉ざしてしまっている世界の扉を、トントンと叩き続けてくださっているのだなと、それを諦めずにくじけずに続けていただいている姿勢にとても感激しました。小説というものについて見直しをする必要を感じています。まず今までのような気持ちで小説を読むことができない。 雑文ですが、それゆえか著者の作家人生における一つの芯を感じることができます。音楽がそれにどのくらいの重要さがあったのかについても知ることができます。 村上春樹さんについて深く知ることができる一冊だと思います。

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    投稿日: 2016.06.25
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    村上春樹がいくら好きだっていっても、やはり良い作品と悪い作品があります。そんなにハズレは多くないのですがこれはハズレの一つ。雑文は雑文

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    投稿日: 2016.05.27
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    作品が発表されるたびに話題になる、村上春樹。 ノーベル賞発表前の盛り上がりも、年中行事のようになってきました。 自分も村上春樹ファンのひとりとして、作品の発表を楽しみにしているひとりです。 その村上春樹のエッセイ集が文庫化されて書店に並んでいたので、読むことにしました。 過去に書かれた文章が、9つの分野に区分けされています。 雑誌に掲載された文章、他の作家の本の解説文、さらには文学賞や結婚式でのスピーチまで、ジャンルもページ数も多彩な文章が集められています。 エッセイ集と書きましたが、未発表の短編小説も収録されており、まさに「雑文集」というタイトルがぴったりの内容になっています。 小説家になる前にジャズのお店を経営していたこともあり、音楽に関する話題が多いのが、印象に残りました。 そして興味深かったのが、物語を書くこと、それを小説の形として発表することについての、考察の部分。 自分の身の回りにあるもの、起こったことに対する自分の感情、考えを文章として書く。 その結果を小説の形に積み上げて、読者に提示する。 読者はそれを読み、共感する、しない。 人類発祥のころからあると言われる「物語」という存在について、理解できたように感じました(なんとなくですが)。 そしてこの方の、言葉の選択の的確な文章を読んでいると、心地よくなってしまいますね。 近年発表された小説の文庫化もされるようなので、書店で探して読んでみることにします。 『1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉後編』村上春樹 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4101001642    .

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    投稿日: 2016.05.20
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    村上春樹は好きなんだけど、どうしても読めない本が時々ある。そのひとつがこれ。全然入ってこなかった。装丁はとても素敵なのにな。

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    投稿日: 2016.05.13
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    何とも素っ気ないタイトルの本ですが、中味は村上文学の真髄にあたる内容が含まれていて、濃いものです。 未だにノーベル賞が廻ってこない村上さんですが、2009年にエルサレム賞を受賞した時の経緯は、半ば決死の覚悟とでもいうような面持ちでエルサレムに行ったことが書かれています。そして、あのスピーチ「壁と卵」 「もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の立場に立ちます。」 その他、2005年に起こった阪神大震災と地下鉄サリン事件のこと。サリン事件の被害者のインタビューを集めた「アンダーグランド」を書くにあたっての小説家としての動機をまとめた文章など必見です。 勿論、この他にもジャズなど音楽の話や翻訳のことなどや、村上さんのことを話題にして好き勝手に喋っている安西水丸さん(故)と和田誠さんの対談集もあり、どこから読んでもいいのが何より嬉しい本。

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    投稿日: 2016.04.23
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    いわゆる村上春樹さんのエッセイを寄せ集めたもの。 テーマ別に分かれていて、音楽について書いてある章とか、小説について書いてある章とか、はたまた本当に超短編の物語まで、盛りだくさんの一冊でした。 ジャズについて熱く語られていましたが、 私はジャズに興味がないのであまり話についていけなかったのが残念…知識不足が悔やまれました。 村上春樹さんファンなら頭の中を覗くような感じで読んでみると面白いと思います。

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    投稿日: 2016.04.18
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    村上春樹の文章はやっぱりいいです。 小説において、多くを説明して押しつけないところ。 最終的な判断を下すのは常に読者であって、作者ではない、というところ。 この本は、エッセイ、本の解説、あいさつなどを一冊にまとめてあるのですが、小説を読んでいるときよりも村上春樹に近づけたような気がして嬉しかったです。

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    投稿日: 2016.03.19
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    カフカ以降春樹からは遠ざかってるなぁ。コレじゃない、と感じちゃって。まぁ学生の頃は「オレも大人になればバーでオムレツ食べて、そこで知りあった行きずりの女の子と寝たりするんだろうな」と思って読んでたけど、大人になってもそんなことないやんけ!という私怨みたいなもんなんで、別に春樹が悪いわけではない。 とはいえ、エッセイスト(って言っていいのかな)としての春樹は嫌いじゃなくて、お悩み相談とかはたまに見たりしてた。 で、この本。音楽についての文章はこちらがまるで知識がないせいで、オイラが春樹を苦手に思うところがモロに来てた。安西水丸についてとかそういうのは「村上朝日堂」を彷彿とさせるええ感じ。こういうのだけ書いてくれればいいのに(暴言 あと、十代の頃、海の近くに住んでた、って書いてて、たぶん芦屋だとおもうんだけど、その海のことを「瀬戸内海」って書いてて違和感。瀬戸内海は淡路島の向こうやろ。芦屋の海はどう考えても大阪湾。

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    投稿日: 2016.03.05
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    サルベージ引き揚げる 書き散らす 足跡 クロノロジカル時系列的 農繁期のうはんき農閑期のうかんき 仮説の行方を決めるのは読者であり、作者ではない。物語とは風邪なのだ。揺らされるものがあって、初めて風は目に見えるものになる。 残滓ざんし あなたが牡蠣フライについて書くことで、そこにはあなたと牡蠣フライとの間の相関関係や距離感が、自動的に表現されることになります。それは即ち、突き詰めていけば、あなた自身について書くことでもあります。それが僕の所謂「牡蠣フライ理論」です。 ヴィークル乗り物 モーツァルトの歌劇『魔笛』 虚構のチャンネルはひとつしか必要とされない。しかし彼は僕の書いた『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』という小説を、荷物の底に密かに隠し持っていて、人目を忍んで毎日少しずつ読み続けていた。 彼ら=カルトはシンプルで、直接的で、明快なかたちを持った強力な物語を用意し、そのサーキットに人々を誘い入れ、引き込もうとする。 文学は人間存在の尊厳の核にあるものを希求してきた。文学というものの中にはそのように継続性の中で(中においてのみ)語られるべき強い特質がある。僕はそう考えている。その力強さはつまりバルザックの強さであり、トルストイの広大さであり、ドストエフスキーの深さである。ホメロスの豊かなヴィジョンであり、上田秋成の透徹した美しさである。 あたりがしんと静まり返った時刻に、その流れの音をかすかに耳にすることがある。 物語とは魔術である 白魔術 黒魔術 我々は深い森の中で激しく切り結ぶ スティーブン・キングのジュブナイル小説のシーンのよう デカルトやらパスカルがそれについてどう考えるかはまったくわからないが、僕にとっては「牡蠣フライについて語る、故に僕はここにある」ということなのだ。そしてその茫漠とした道筋を掻き分けていけば、きっと何処かに僕なりの継続性や同犠牲が見つかるのではないかという予感さえする。 輪廻転生 手練れのプロ シグネチャー 混濁 おかしみ ラディカル過激な 安西水丸の極北 恍惚的ドライさはちょっと他では得難い 整合的ステレオタイプの思考から、非整合的無脈絡への転換。しかし僕は思うのだけれど、このように相反的なるものの同時存在の中にこそ、我々の偉大なる「普通性」があるのではないか。 藤沢市鵠沼 褒賞 もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます。 システムが我々を作ったのではありません。我々がシステムを作ったのです。 記憶や体験のコレクションというのは、世界にたったひとつしかないものなんです。その人だけのものなんだ。だから何より貴重なんです。でも機械だったら、お金さえあれば比較的簡単に揃えられますよね。 「自分の希求する音楽像」みたいなものを確立するのが先 リファレンス参照 メルクマール指標 価値判断の絶え間無い堆積が僕らの人生をつくっていく LightMyFire アジテート 自らの過去を焼き捨てた ソウル・キッチン ピストルを突き付けられて「歌わないと殺す」と言われれば、一応は歌える 恰も理不尽な性欲に路上で襲われるみたいに 虚心坦懐にしみじみと 正当な邂逅を果たした ノルウェイ製の家具=北欧家具 よくわけのはわからないけれど、すべてを押し隠す曖昧模糊とした深いもの ノーウェジアン・ウッド 彼女がやらせてくれるってわかってるのは素敵だよな そんなアンモラルな文句は録音できないってクレームつけたわけ KnowingSheWouldを語呂合わせでNorwegianWoodに変えちゃったわけ 真偽のほどは兎も角、この説は凄くヒップでかっこいいと思いませんか?もしこれが真実だとしたら、ジョン・レノンって人は最高だよね。 レイシャル・コンフリクト人種対立の延長 結局のところ絵に描いた餅 荒廃して乾き切ったシーン 心情的に戦略的に ダイレクトに戦闘的な 啓蒙的な意味合いに於いては 一種の民族的プロパガンダの役割を担った高度な娯楽映画 「芸術作品として」という従来の発想でこれらの映画を鑑賞しようとすると、これはやはりボタンのかけ違いになってくるだろう。 プラクティカル実践的な座標軸 ドミネート支配 コンシャス意識的な レーシズム人種主義 トラディショナル伝統的な 生来天与 プレスティッジ威信 スタン・ゲッツ ビル・クロウ レイ・ブラウン インディアナ州・ポルテ 僕がその時代に抱いていた水の流れのような哀しみや、或いは息の詰まるような喜びや、愛していた人や、果たされなかった想いのようなものは、セロニアス・モンクのあの10インチのレコードの中に吸収されたまま、何処か深い場所に沈んで、失われてしまったのだ。そんな気がする。 佐山雅弘 言い出しかねて 其々のスペイン戦争と、其々の北極点を抱えて ノーホェア・マン(どこにもいけない人) 国分寺市の南口 千駄ヶ谷 というのはこの世界にあっては、多くの別れはそのまま永遠の別れであるからだ。 あの物静かな黒人兵のことを 彼女のレインコートの匂いを 僕はジャズという音楽についてのそれ以上に有効な定義を持ち合わせていない カタストロフ変革 エスタブリッシュメント体制 ユートピア幻想 実効的なテーゼ サブ・システムの欠落状態 プリミティブな吸引力 鯨に呑み込まれたヨナ 偏見に満ちた愛 スパルタンなミリタリー・スクール パブリック・ドメイン文化的共有資産 幾分軽みのあるシニシズム 興趣が尽きることはない 二律背反的に難儀な文体 ショーン・ウェルシー『ああ、なんて素晴らしい』 作家としての評価の低落と、家計の逼迫と、深まりゆく自己憐憫の中で 文学的娼婦 東山動物園マレーグマ つづき都築響一的世界の成り立ち ミャンマーのヤンゴン 畏友 蒐集しゅうしゅう そのためだけに特別に蓄えられた語彙だ 私淑ししゅく アリゾナ 広尾 西宮球場 今井雄太郎 29 赤鰊 アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャー 音楽にせよ小説にせよ、一番基礎にあるのはリズムだ。自然で心地よい、そして確実なリズムがそこに無ければ、人は文章を読み進んではくれないだろう。僕はリズムという大切なものの大切さを音楽(主にジャズから)学んだ。即興演奏 「自分が何処新しい、意味のある場所に辿り着けた」という高揚感だ。 ティピカル典型的な 柄谷行人 心が希望と絶望の間を激しく行き来することであり、世界が現実性と非現実性との間を行き来することであり、身体が跳躍と落着との間を行き来することである。 一対の合わせ鏡 無限のメタファー 焚火の前の語り手 差違 更に強く深いコミットメントを要求 装幀 和田誠 安西水丸 歩く懺悔室

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    投稿日: 2016.03.02
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    エッセイかと思いきや、題の通り雑文集。取り留めの無い話が続き、いくら人気作家の文とはいえ、これは読むに値するのか疑問。 とは言え、オウム真理教を扱った記事では興味深い、アンダーグラウンドをもう一回読んでみたいと思った。 【学】 幾つもの物語を通過してきた人間はフィクションと現実の間に引かれている一線を自然によって見いだすことが出来る。やはり読書とは良いものだな。 物語を読むことでの癒やし ・読んでみよう アンダーグラウンド、約束された場所で キャッチャーインザライ、ロンググッドバイ

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    投稿日: 2016.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    スピーチ、エッセイ、序文・解説、超短編小説に、結婚式のメッセージまで、まさに雑文集の趣きだけれど、エルサレム賞スピーチ「壁と卵」が読めただけでも購入した甲斐あり。安西水丸さんと和田誠さんとの解説対談も、村上さんの意外な一面がのぞけて面白い。村上さんは絵が上手で(抽象画が得意)、料理もすごく上手で、ピアノも弾ける(子供の頃習ってた)。多才な人だ。

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    投稿日: 2016.01.30
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    村上春樹の雑文集を読みました。 単行本に収録されていない村上春樹の文章が収録された本でした。 「壁と卵」の全文が読めたり、「ノルウェーの森」の解釈など面白く読みました。 音楽についての文章はよく分からないものもありましたが、翻訳の章はなるほどと思いながら読みました。 村上春樹がずっとジャズを聴いていたくて喫茶店を経営することにしたこと、その喫茶店が結構繁盛していたこと、ひょんなことから小説家になったこと、などが書かれていて興味深く読みました。

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    投稿日: 2016.01.26
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    村上春樹の文章に音楽を感じる心地よさがあるのは、ジャズとクラシックが身体の深いところまで、多分それはもう意識の底にまで入り込んでいるからなんだろう・・・・そんなことを考えてしまう、音楽をめぐるたくさんのエッセイ。  イスラエルでの2009年エルサレム賞受賞のスピーチ原稿「壁と卵」は出色。「もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます。」

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    投稿日: 2016.01.09
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    膨大な文章を書かれていると改めて思った。中には説明がくどくて理屈っぽいところもあるけど、概して読みやすくウイットに富んでいる。何十年も昔のものも最近のものもさほど文体に変化を感じないのは驚きだった。これからも多くの文章を遺して欲しい一人。

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    投稿日: 2016.01.04
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    村上春樹の長編はほぼ全て読破していて、短編ではないもののこのような形の本は初めて。 村上春樹の言葉や世界が重くのしかかってくる長編に比べて、心地よく入ってきて心地よく抜けていき、でもその存在が確実に残る。驟雨のような一冊でした。 恵比寿駅の歩く歩道に恵比寿ガーデンシネマの広告看板があり、その中の1つに「お互いのことを話すより映画の感想を言い合う方がお互いのことを分かる気がする」というキャッチコピーがあるが、この作品の冒頭のカキフライの話もまさに同じこと。言い得て妙、とはまさにこのこと。

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    投稿日: 2015.12.28
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    なぜか不思議な魅力がありますよね、この方の文章には。 エルサレム賞受賞の際のスピーチが取り沙汰されがちですが、小説や翻訳に関する随筆を読んでいると妙に惹きこまれます。 おかげでビジネス書を読み漁りたい周期の中にいたのに、突然海外小説の波にさらわれてしまいました。

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    投稿日: 2015.12.23
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    改めて,村上春樹という方の人誑しぶりが理解される.あくまで物語を紡ぐ根本のベクトルが完全に読者に向いていると感じる.本雑文集は特にその姿勢が鮮明で,温かい気持ちに包まれる.だからこそ,自然とその文章に引き込まれる.“物語とは風なのだ.揺らされるものがあって,初めて風は目に見えるものになる.”などと書かれては,如何にしてハルキストにならないことができようか.

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    投稿日: 2015.12.13
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    エルサレム賞スピーチ「壁と卵」、海外版への序文、音楽論、書評、人物論、結婚式のメッセージなど、村上春樹がセレクトした未収録の作品、未発表の文章69編を収録。安西水丸と和田誠の解説対談も掲載。 このほど文庫本が出たのでこの作品の存在を知ったが、実は2011年にハードカバーで出されていたという。村上春樹自身も忘れていたらしい。ハルキスト(村上主義者)ではない私にも興味深い話がそこそこあった。村上春樹がチャンドラーのファンだとは知っていたが、S・キング作品も熱心な読者だとか。 (B)

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    投稿日: 2015.12.07
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    LPレコードは、音楽の最終的な形になっている。 音楽のいいものと悪いものの差がはっきりわかる。 本(特に小説)読むことは、フィクションと実際の現実とのあいだ引かれている一線を、自然に見つけだすことができる手段でもある。 think of nothing things, think of wind 何でもないことだけを考えよう。風のことを考えよう 英語の響もとってもいい。 ある音にしっかり意味をこめれば、それは違った響き方をする。

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    投稿日: 2015.12.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。どれもこれもいいのだけど、何といってもエルサレム賞受賞のあいさつ「壁と卵」が秀逸。テレビのニュースであいさつの一部を見たときには、正直「???」って疑問符だらけ。しかしこの全文を読むといかに素晴らしいスピーチだったか、また批判の中でどうして受賞を決意したのかがよくわかる。(そしてテレビのニュースがいかに役立たずなメディアかということも明らか。)他のすべての文章も村上さんという作家と村上さんのつくる世界を構築するかけらとなっていて、小説ともエッセイとも違う楽しみがあります。

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    投稿日: 2015.11.27
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    村上春樹のエッセイやらスピーチやらを集めたまさに雑文集。有名なスピーチ『卵と壁』も入ってる(カフカ賞?エルサレム賞?)。人となりが透けて見える感じなので、ファンが読めばそれなりに興味深いし面白い本だと思う。

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    投稿日: 2015.11.17
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    言葉の選び方が凄い。 同じ言葉を使って文章を書いてるとは思えない。 1つ1つの言葉を組み合わせて文章を作る。 僕と同じ言葉を使っている筈なのに、どうしてこの人の文章は想像力と拡がりに富んでいるのだろう。 エッセイ嫌いの筈なのに、このエッセイは大好きです。

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    投稿日: 2015.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    音楽に対する付き合い方、小説を書き続けることは、シンプルなように思えるが、ここまで選択肢を絞り込んで深掘りできる人生は豊かだと思う。

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    投稿日: 2015.11.14
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    こういう文章を読むことで、自分の立ち位置を時々確認していくということは、私にとってとても大事なことだ。場所や環境が変わっても変わらない。やわらかな土を何度も何度も踏みしめ、その下にある地盤の揺るぎなさを確認するように。

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    投稿日: 2015.11.05
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    久しぶりの村上春樹。なんでまたこんなタイトルにと思ったけれど、理由はまえがきにも、文庫版あとがきにも書かれているので、まあそれでいいかという感じ。春樹さんは日本では講演会なども含めてあまり目立った場所には出られないけれど、海外ではそうでもない。それがどうも文章にも表れているような気がする。海外での講演や雑誌などに向けて書かれた文章の方が、どうもストレートで思いがはっきりと伝わってくる。「壁と卵」はもちろんだけれど、アメリカの雑誌向けに書いて結局採用されなかったという「地下鉄サリン事件」についての文章。これがとても分かりやすくて良かった。たぶん、予備知識のないアメリカ人が読んで分かるようにということなのだろうけれど、日本にいたって知らないこと、気づいていないことはいっぱいあって、そういう意味でていねいに書かれており気づきが多かった。柄谷行人のダジャレはいかがなものかと思うが、2人の間に何らかのつながりはあるんだろうか。このツーショットちょっと興味があるのだけれど。内田樹ともないなあ。河合先生や小澤征爾さんとのようなものがあってもいいような気がするんだけど。「ノルウェイの森」ビートルズの方だけれど、このタイトルもとは全然違うものだったとか。それでは放送できないということで、ジョンが即興の語呂合わせで変えたのだとか。この説が本当だったらちょっと面白い。

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    投稿日: 2015.11.05
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    エルサレム賞受賞の際のスピーチ、「卵と壁」だけのためでも、読む価値があると思う。 全体を通して、小説家としての使命感を強く感じる。漱石の「私の個人主義」を読んだときと同様の印象。 (2015.11)

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    投稿日: 2015.11.04