
総合評価
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powered by ブクログ小説すばる新人賞受賞作。 タイトルの天龍院亜希子が、回想にしか出てこない。その点は「桐島、部活やめるってよ」と似てるなと思った。 人材派遣会社勤務の27歳、田町譲。 父が倒れて遠距離になった、別れかけていた彼女の早夕里。 会社の同い年の中途同期、巨乳のふみか。 美人な先輩で子育て時短中の、岡崎さん。 人材派遣のリアルな現場描写と、女性との、そして女性同士の関係を描いていて、純小説寄り。 漫画やアニメやタレントなどの名前をガンガン出していくサブカル的な書き方は軽快さを感じつつも、やや違和感があった。 ちょくちょく出てくる比喩が気になった。 馬場先生の「自分が知り得ない誰かからの善意を信じることができる」という言葉がかなり好きだった。
16投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公田町譲の描写が生々しくてリアリティある。 著者の安壇さんって男性なの?ってネットで調べてしまった。女性でした。なんでこんなに生々しく書けるんだ。凄い。 解説の方も言っていたけど、天龍院亜希子とマサオカが直接物語に絡まないこの構成がいい。終盤とか絡んできたら個人的にはだいぶしらけたと思う。 マサオカのモデルは清原さんなのかな?清原さんの事は応援しているから、マサオカを応援している田町により感情移入できました。 佐藤陽平の話も好き。彼の自分の中に波があるっていう所は物凄くよく分かる。私もそうです。 くたびれた服の所も良かった。こういう風に思える田町くんは優しくて魅力的です。 解説もいい。呆れた希望の所は私もグッときました。 読後感もいい。いい物語を読み終えたなっていう満足感に浸れています。読んで良かったです。
10投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログ人材会社勤務27歳男性の何気ない日常を覗き見したような小説。誰しもが日々生きていくなかで、湧きでる小さな希望や絶望の繰り返しが丁寧に描かれていて、自身にとっては共感性の高い作品だった。 とくに印象的なのは佐藤陽平との出来事だ。実際自分の身に起きたらかなり精神的にきそうな一件である。リアルで虚しく痛々しいエピソードだが、これが物語に絶妙なスパイスを加えてくれている。 キーパーソンとなる早夕里の父だが、主人公が慕う理由が読者にも違和感なく伝わってくる。2人の会話だけ特別に温度を持って響いてくる気がした。その筆力の高さが流石だと思った。 また個人的には筆者が女性ということもあり、登場人物の女性たちの描写がこれまたリアル。ふみかのような性格難アリ感情むき出し女(でも仕事はできるから厄介)、岡崎さんのように精神年齢高めで自分の軸を持ってる女(ただ聖人な訳ではなくちゃんと人を見下してたりする)、早夕里のように賢くニュートラルな女(正論をかざす面倒な一面もある)など、、それぞれが一生懸命悩みながら生きている血の通った人間らしさを感じられたのがよかった。
1投稿日: 2025.03.04
powered by ブクログ第30回小説すばる新人賞受賞作。人はふいに分かり合えたと感じたり、裏切られたり、思いもよらないものに救われたりする。そんなささやかな、しかし深く刻まれる経験を、ごく自然に書き出した作品。タイトルからは想像できない内容にもかかわらず、読み終わってみるとこのタイトルしかないと思わされる不思議。賞レースのことやどんな作品と競ったのかは知らないが、本作が受賞するような新人賞はすてきだ。
1投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ日常的なささいな出来事を描いているだけなのに、何故か面白くて共感できる。日常も捨てたもんじゃないね。
2投稿日: 2024.10.07
powered by ブクログ社会人が抱える仕事やプライベートに関わる普遍的な悩みを幅広く描いた小説。 ただ、それぞれの悩みに100点の回答をくれる社会人のバイブル的な作品、ということは全くなく、誰しも65点くらいのところで納得させて生きてるんだと思わせてくれる社会人のお守り的な作品。
0投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログ安壇美緒『天龍院亜希子の日記』 2020年 集英社文庫 第30回小説すばる新人賞受賞作でデビュー作。 昨年読んだ『ラブカは静かに弓を持つ』がとてもおもしろかったので、安壇美緒さんの別作品が読みたくて購入しました。 驚いたのは主人公は天龍院亜希子ではなく、同級生だった青年の田町譲。この田町と職場や恋人との日常を描いた物語。 まさに自分たち(僕にはかなり過去の年代になるけど)の身近な日常の幸せや憤り、不安や人とのつながりなどが紡がれています。 解説にもあったけど、それら日常の希望を感じる作品でした。 日常や希望は人ぞれぞれで、もちろん田町の描くものと僕の希望は違うのに、この物語を通して自分のそれと置き換えられるような感覚になるのも新鮮でおもしろかったです。 #安壇美緒 #天龍院亜希子の日記 #集英社文庫 #読了
2投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログどんなに仕事がつらくても毎日会社に行かなきゃいけない。平凡な生活のなかに見つける一つの希望。 それは、かつて少しいじめた天龍院亜希子が毎日幸せそうに生きていること。 じゃなくてふみかだろ。 同期で毎日顔を合わせて同じ苦労を味わい、話も合うし巨乳、仕事終わりは居酒屋で愚痴りエッッッなことまで...。 もうタイトル『俺とふみかのオフィスラブ』だろこれ。希望に満ち溢れてるだろ。 どこで何してるか分からない人の日記とかどうでもいいだろ。 天龍院亜希子はブログを消した。 この世のどこかで誰かが応援してくれる「呆れた希望」なんて求めていなかった。 マサオカは社会復帰すら怪しい。 天龍院亜希子とマサオカ。どこか遠くに希望を求めていたが、近くにあったんだ。 やっぱりふみかだぜ。
0投稿日: 2024.02.13
powered by ブクログ読みやすい。こんな仕事もあるのねと思ったり。主人公に感情移入できないとよくわかんないまま終わっちゃうかな。
0投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログ人の心を覗き見しているような感じで面白かった!ヤバい派遣スタッフの話とか、なんか生々しかったな~。みんな血の通った、生きてる人間なんだな。体温のある本だった。
0投稿日: 2023.10.21
powered by ブクログ途中脱落。 エンタメを期待して読むと厳しいかもしれない。 なかなか事件が起きない。主人公の日記を読んでいる感じ。主人公の感性や、小説の世界観が好きな人には楽しめると思うが、自分には合わなかった。
0投稿日: 2023.10.04
powered by ブクログ20〜30代の若者達が社会の中での立ち位置を模索する様を当事者の如くリアルに描かれてます。 デビュー作との事ですが読む人が読めば傑作なのでしょう。その後発表の2作品に比べるとストーリーの面白さは及ばないものの、キャラはやはり立っている。
21投稿日: 2023.07.24
powered by ブクログ人材派遣会社に勤める田町譲は、元野球少年の27歳。問題だらけの職場で奮闘しつつも報われず、恋人とも煮えきらない。惰性的な日々を送る彼は、ひょんなことから小学校の同級生「天龍院亜希子」のブログを見つける。派手な名前とは裏腹に地味な女の子だった彼女のブログに綴られていたこととは―。 ブラック企業に勤めている田町くん。チームは、同じ中途採用の千葉ちゃんと育休から帰ってきた岡崎さんと何やってるのか知らん上司の輪島さん。千葉ちゃんは、時短のなった岡崎さんの文句ばかり言うし、隣の島の御局様も一緒になって岡崎さんを責める地獄のような人間関係。 そして、彼女はいるけど、彼女の父親が倒れてから地元に帰ってしまい、これで破局かと思ったが、なんやかんやで続いている。連絡だってあまりしてないし、会うのも半年ぶりってかんじ。大丈夫かと他人事ながら心配になる。 そして、小説のタイトルになっている「天龍院亜希子」さんは、全く出てこない。小学生の頃の彼女の様子は出てくるけど、現在の彼女は出てこない。ただ、彼女の現在はブログでしか分からない。それをある意味心の支えにして田町くんは生きている。 作中の中で、岡崎さんが会社で嫌なことがあったらジャニーズのDVDを見て、明日も頑張ろうって思うってくだりは、推しの力は生活や心の支えになるんだなって思った。田町くんの心の支えは、プロ野球選手だったけど、ヤク中で逮捕されてテレビで見ない日はないって状態だけど、田町くんはそれでも「あいつはすごい選手だった」って思ってる。心の支え、マジで大切だなって思った。 私、心の支えというか「よし、明日も頑張るぞ」ってなる推しもいない。推し作りたいけど、なかなか出てこない。まぁ、推しっていうのは「作る」のではなく「現れる」なんだろうが。いいな、心の支えの推し。 2023.4.20 読了
0投稿日: 2023.04.20
powered by ブクログラブカは静かに弓を持つ、金木犀とメテオラと新しい作品から読み始め、このデビュー作にたどり着きました。 どの作品も登場人物の描写がすごく良くて、ほぼ全員に感情移入してしまった。そして自分自身何度も仕事で関わってきた派遣社員業界の大変さも身につまされた。 解説にも書かれていたけれども、自分が誰かを信じることで、自分が信じ得ない誰かからの善意を信じることができる。自分がほんとうに辛くて、どうしようもない時に、何の証拠がなくっても、もしかしたらこの世の誰かがどこかでひそかに自分を応援してくれてるかもしれないって呆れた希望を持つことができる。 そういうことを信じられたら、我々は生きるのが少し楽になるかもしれないね。 願わくば、この呆れた希望が人生を硬く貫いて、このしょうもない人生をあかるく照らしてくれますように。
3投稿日: 2023.02.18
powered by ブクログ「鬼龍院花子の生涯」?と誰でも連想するだろうけど、でもって著者自身がそこから思いついたタイトルだと言ってるけど、このタイトルでこのストーリーって、その違和感がそれだけで何だか妙な存在感。 ストーリーは、少ぅしブラック目の派遣会社に働く社員(スタッフを派遣する側の役割の人)の何てことない日常なんだけど、何と言うか、、、沁みる。 静岡の彼女のご両親と主人公とのやり取りが特に好き。 表紙の絵は、単行本の線路の写真の方が納得感が高い気がする。
1投稿日: 2022.06.09
powered by ブクログ読者層(世代)によって、面白さはかなり異なるだろう。50歳目前の私は、20代の頃の心模様を思い返しながら、その可能性が眩しく、しかしキリキリと心が傷んだ。
5投稿日: 2022.05.22
powered by ブクログ「鬼龍院花子の生涯」みたい・・・。 でもそれはタイトルだけで、内容はまったく違ってとってもおもしろかった。 田町くん、いいな。
1投稿日: 2021.09.08
powered by ブクログドラマチックな展開があるわけでもないのに、読んでいて楽しく、ページをめくる手がとまらない、そんな小説だった。 人はそれぞれ違うことを考え悩み生きている。周りの人がどんなことを思いながら生きているかなんて、結局のところわからない。自分以外の人が自分のことをどんな風に思って生きているのか。知った気でいるだけで、まわりがどう思ってるかなんて自分の想像の範疇でしかない。 自分の気持ち次第な所もあるように思う。だけど、その自分の気持ちをつくるのにも、周りの人達との出会いやかかわりが大切なのだとも思う。 生きるヒントを伝えてくれるようなそんな本だった。読んでよかった。
3投稿日: 2020.08.14
