
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最近稚拙なホラーやミステリばかりハマっていたためか、ものすごく繊細で密に感じた。 文学の骨格にエンタメの血が流れると言おうか、ちょうどいいバランス感覚。 特段抑揚がある訳では無いのに読み心地が良い。9割くらいそんな感じなのに最後の最後はグッとくる展開に落とし込んでストーリーとしての満足感も残してくれる。宮本輝、大好きです。
0投稿日: 2025.11.11
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あらすじを読んだ時に想像していたより、重いテーマが隠れていて、親子とは、夫婦とは、という大きなテーマについて考えさせられる作品。アメリカが舞台でありながらも中心人物は日本人というところも不思議な雰囲気を醸し出していた。
1投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログこのタイトルからは結末が想像できなかった! 普段、あまり海外の小説を読まないからか登場人物を追うのに少々手こずった(巻頭の人物紹介で辟易してしまう)。 ただ、主人公は日本人男性で人物たちも物語の進捗に応じてある程度絞られていくので大丈夫。 おばさんの缶スープがおいしそうで、くいしんぼうな読者である私は読んでいて楽しかった。
7投稿日: 2025.09.01
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子供を想う親の真実の愛情、優しさとは何か考えさせるものがありました 事実を知ったら悲しいけれど、自分のアイデンティティに関わる事実を知りたい気持ちと事実を知らない方が幸せなこともあるのかも 自分は気づかなかったり知らないでいて、 思ってる以上に周りの人たちに支えられて愛されて今の自分があるのかもしれないなと感じました 草木と心で会話してみようかな 切ない物語でしたが、読み始めると一気に非日常に引き込まれて、青い空とうみと鮮やかな庭の草木が目に浮かびました ニコとのスープ屋さんは結果的に大成功する気がします
2投稿日: 2025.08.21
powered by ブクログとても穏やかな静かなお話でした。巨額の遺産相続したらおいらはこんなに静かでいられるかなぁなんて思う。そして親子ってずっと強い絆があるんだろうと。
1投稿日: 2024.12.16
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ロス在住の叔母(菊枝)が日本滞在中に逝去したという知らせ。相続人である甥の弦矢は莫大な遺産を手に入れる。 5歳の時に病死したはずの叔母の娘レイラが、実はスーパーで連れ去られ、行方不明になっていた。少しの望みにかけ、弦矢は調査会社の優秀な探偵ニコとともに27年間封印されていた真実を追う。 菊枝は幼児愛者の夫から娘を守るため、誘拐と偽って、信頼しているマクリード夫婦に彼らの娘として育ててもらっていたのだ。 大事な一人娘を手放さなければならなかった菊枝の気持ちは、想像を絶する。 夫やまわりの人達にも嘘をつき続けなければならないなんて、生きた心地がしなかっただろう。もっと他のやり方はなかったものか。 菊枝は、愛する娘を手放し、離婚することもなく人生を終え、幸せな人生だったのだろうか。後に残った素晴らしい庭とこだわり抜いて造った豪邸を玄矢に託すことで、少しは報われたのかなと思った。 そしてマグリード夫妻も玄矢からの連絡でメリッサに真実を告白するきっかけを得て、全てがうまくまとまることを願う。 アメリカでは子どもの行方不明者が年間80万人にものぼるという。日本で一人でも子供が行方不明になったら、大変なニュースになるのに、アメリカでは珍しいことではないということか。 アメリカのランチョ・パロス・ヴァーデスの広大な自然やオルコット家の管理された美しい花々で彩られた庭の風景が魅力的に描かれている。 アメリカに一度だけ行ったことがあるので、その時感じた雰囲気を思い出しながら、読み進めた。日本とは何もかもスケールが違う。 とても丁寧に地形を説明しているが、地理が苦手なので、いまいち頭がついていかなかった。 現代作家の中では今のところ、宮本輝が一番好きなので、文章は自分に合っていてとても読みやすかったが、淡々としていて、完読するのに時間がかかった。
4投稿日: 2024.09.26
powered by ブクログ自分の故郷であるロサンゼルスの知っている地名やモノがでてきて懐かしい気持ちになった。主人公ゲンヤの人間味があるハートフルな一面が好印象で、読んでいるとき穏やかでいられる。が、内容自体は幼女の失踪事件で重くモヤモヤする部分もあった。物語の真相を知っていくにつれ、ちょっとしたショックも受けるが話は素直におもしろかった。また、解説にもあったが「ゲンニコ」タッグの作品をもっと読んでみたい。
1投稿日: 2024.09.17
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父親に借りて読みました。 菊枝の母としての強さと娘と離れてからの長い長い時間を考えると胸が苦しくなりました。 あの庭は菊枝にとっての箱庭で、精神治療にもなっていたのかな... 旦那と最後まで添い遂げたのも、娘の為に人生を捧げたんだろうと思うと相当な覚悟だと感じました。 主人公の心の温かさやニコのキャラクターもとても好きで、重苦しい場面もありましたが、最後には明るい未来を想像しながら読み終えることができました。
1投稿日: 2024.09.04
powered by ブクログ主人公が思いもよらぬことに巻き込まれていく展開。先というか、何故こうなったかという核心がなかなか掴めないところ、最後に回収されていくところが素晴らしかった。
0投稿日: 2024.08.26
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伊豆・修善寺温泉で突然死した叔母(菊枝オルコット)の遺産を相続することになった主人公(小畑弦矢)が、ロサンゼルス郊外の叔母の家で発見した27年前に白血病で死亡したはずの娘(レイラ)の謎を追う本作は、風光明媚なカリフォルニアの自然と相まって、人生の悲哀と情愛が細やかに紡がれた、心に染み入る感涙の長編小説。〝レイラがなかなか寝ない夜は、庭の花畑に抱いて行ったの。そうして必ず、庭こう言ったそうよ。どんなに怖いことや悲しいこと起こっても、マミ-が絶対に助けてあげるから、レイラはただ安心してたらいいのよ、って〟〝それからキクエは、レイラがどんなに賢くて、どんなに優しくて、どんなにみんなに可愛がられる子かを何度も何度も言い聞かせたんだって。大人になったら、背も伸びて、みんなが振り返るくらい綺麗になるわ。そうなるようにこのお花畑にお願いしましょうね。花にも草にも木にも心があるのよ、それを忘れちゃいけないのよ。レイラの心と、花や草や木とはお話ができるのよ。花も草も木も喋らないけど、心で喋ってくれるの。 レイラもいつか花や草や木と話ができるようになるわ。 そしたら、たくさんの人たちの心も分かるようになるのよ・・・〟
6投稿日: 2024.08.11
powered by ブクログ久しぶりに宮本輝さんの本を読みました。私のおススメの作家さんの一人です。私が勝手にイメージする宮本輝さんの本に登場する主人公は、①それなりの教養を備えている、②運を持っている、③自分を引き上げてくれる出会いや人とのつながりがある、の三つかな。なのですごく羨ましくて、自分もこんな人物になれたらいいなと思いながら読むことが多いです。 「草花たちの静かな誓い」は、もし読者が宮本輝さんについてなんの予備知識も無しに読むことになったとしたら、たぶん「ミステリーかな?」と感じてしまうかもしれません。でも本のタイトルはミステリーっぽくなくて「あれ?」と思うかも。そこが宮本輝さんらしいのですが。 この本のメインテーマではないですが、ゲンとニコがこれから創ろうとしている新しい会社のポリシーは「働いている人たちが幸せになること」です。多くの経営者にも読んでほしい一冊ですね。 私も今日から草花たちに話しかけてみようかな...
8投稿日: 2023.11.09
powered by ブクログ宮本さんもこんな感じのミステリというかサスペンス仕立てのものを書くんだー、というのが最初の感想。 が、しっかりと宮本さんのテイストだった。 良い作品と思うが、一つだけあるのはジェシカという登場人物の描き方が今ひとつな気がする。
1投稿日: 2023.11.03
powered by ブクログ第一章の導入部分がだらっとしていて読み進めるのに時間が掛かった。 叔母さんの死や従姉妹の失踪の真相を探るドキドキの展開かと思いきや、淡々と淡々と最後まで描かれていて、主人公の喜びや驚き、感情が伝わらず、可もなく不可もなくという読後感だった。 また、地図が苦手な私にとっては、通りの左向かいとか、この北側を行くとこの道に出る、とか行った描写が多用されていて位置関係が想像し辛かった。 アメリカに馴染みのある人には面白いかもしれない。 巨万の富を得るという体験を少し味わえた。 叔母の菊枝はレイラがいなくなった後どう夫のイアンと最後まで過ごしたのだろう。 菊枝と菊枝の兄(弦矢の父)はどうしてそこまで関係が最悪だったのだろう。 キョウコとケヴィンがメリッサに告げた後はどうなっただろう。 謎も残った。 弦矢とニコのスープ屋さんはきっとうまく行くだろう。 ジャカランダの花は検索してみたら本当に紫の桜という感じで綺麗だった。
2投稿日: 2023.10.27
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泣いた。 読んでて本を伏せたくなるような辛い場面もあったけどキクエさんの娘を思う強さと優しさに胸が熱くなった。 娘さんを逃した後結婚生活を続けるところも、どうしてと思う反面、 娘と娘を引き取ってくれた夫婦に危害が及ばないよう、事件の波風がたたないようにすることと、夫を監視するためだったんだろうなと思うとすごく理解できる。 私自身、3歳の娘の子育て中で子どもを手放すことがどんなに辛いことかわかるので、キクエさんの英断の凄さがわかる。 最後空想で美しい庭の中でのキクエさんと娘さんの抱擁が描かれるがそのシーンで涙が止まらなかった。
0投稿日: 2023.10.21
powered by ブクログロサンゼルスでの豪邸と偉大な遺産を残し、 叔母の遺言を引き受けることになった主人公が、 亡くなったと思っていた従妹が実は行方不明になっていることを知る。 たくさんのハーブや花が咲き乱れる庭とベランダにかけたガーベラの鉢。 鉢は毎年一つずつ増やすように庭師に依頼していた。 謎を調べていくうちに叔母と従妹の秘密が明かされていく。
0投稿日: 2023.07.06
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静かだった。話が展開するような出来事が起こるまでが長くて、そういう本を自分は雑に読んでしまいがちだけど、文章のうまさで向こうのペースでしっかり読めた。本を読み終えてからもキクエさんが広い箱庭を手入れしながら皆へ馳せた想いの内を想像しては切ない。
1投稿日: 2023.06.12
powered by ブクログクレバーな登場人物たちが 解いていく謎 少しショッキングな謎解きではあったけれど みんながいい方へ進んだ 作者の落ち着いた文章が本当に好き
10投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログ【2023年21冊目】 ある日突然莫大な遺産を相続することになったらーー?思わぬことになった主人公にゆるゆると降りかかる未知の出来事の数々。終始困惑しながらも、着実に前に進んで真相に近づいていく様子を、こちらもページをゆっくりとめくりながら追いかけました。 草花の美しさと対比するような真っ黒な事実も明らかになるものの、結末は決して後味の悪いものではなく、未来を見据えた終わりになっているのが良かったです。 ニコ、私も一緒に仕事してみたいなぁ。
1投稿日: 2023.02.03
powered by ブクログカリフォルニアの景色を思い浮かべながら読み進められた。宮本輝さんは実際に行ったのかな? 話は失踪した従姉妹の事が徐々に明らかになっていく事を軸に進められいる。 最後までドキドキしながら読み進める事ができた。 宮本輝さんの作品にはシチューだとかスープで商売を始める描写が多いのですが、今回もありました。 流転の海を読み、宮本輝氏の生い立ちの中で飲食業で成功する為に試行錯誤をしたという描写があったので時々作品に出てくる意味がわかった気がする。
2投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんか読んだ記憶があるな。。。と思いつつ読み進め、さて、真相解明、となってまさに読んだことあったわ、と思い出す。 アメリカカリフォルニアの豪邸街、アメリカの生活、を、描きたかったんかな、という感じの作品。 真相が本当にそうであってほしくなかった、という嫌な真相なのが、玉に瑕で。
1投稿日: 2023.01.07
powered by ブクログ主人公が大きなうねりに巻き込まれる内容とは対照的に物語は淡々と静かに進み、自分がそこで暮らしているかのように場面がきめ細かく描かれる。大きな感動やワクワク感は少ないが吸い込まれていく不思議な感覚だった。
1投稿日: 2023.01.06
powered by ブクログ描写が豊かなのでお金持ちになった気分が味わえた。 内容は想像してた通りだったけれど、ありえる?と思いながら読んだ
0投稿日: 2022.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
菊枝はなぜ最後までイアンと添い遂げることができたのだろうか。娘への愛情、イアンへの愛情、揺るがない強い意志を貫き通した菊枝の生き方に 良くも悪くも思いを巡らせた。
2投稿日: 2022.06.11
powered by ブクログ推しグループのメンバーがジャカランダの話をしていたので結構前に読み終わったのを思い出して記録。 西海岸に行く用事に合わせて読んだ。可もなく不可もない話だったけど、現地の空気が感じられるのはよかった。西海岸で暮らしていた頃は知らなかったけれど、その後私の人生のゴールデンアワーを過ごしたリスボンで出会ったジャカランダだったり、いままさに勉強している資格の話が出てきて、たまたま手に取った本が私の人生で出会うべき本だったと感じられる不思議な体験でした。
0投稿日: 2022.05.25
powered by ブクログ宮本輝的な、少し屈折してて、俗っぽさもあって、人が良い青春を拗らせてる男子が、大人になって現代で生きてたらこんな感じなんだろなと思った。 ミステリ的要素を期待せず手に取ったので、思わぬ展開に楽しんでしまった。
0投稿日: 2022.05.12
powered by ブクログ半分くらいまで物語の大筋に関係ないスープや花の話で長く感じた。そういう作風だったのか。急展開があるような感じではなく、新生活の中で徐々に真実が明らかになっていく感じ。また普通に読めた。
0投稿日: 2022.03.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一文一文が冗長。読むのが辛くなってしまい読み飛ばしてなんとか読了。 読書会の課題図書だったため仕方なく読み切った。 「ドラゴンタトゥーの女」を思い出した。あちらの方が読んでいて引き込まれた。
0投稿日: 2022.01.15
powered by ブクログ久々の宮本輝です。 昔ほど浸ることができないのは年のせいもあるのか… 「ドナウの旅人」の影響でを卒業旅行先にドナウ川を選んだほど、かつては宮本輝の、特に海外を舞台にした小説や紀行文に影響うけました。
0投稿日: 2021.11.27
powered by ブクログ映画を見終わったような読後感の一冊です。 アメリカに住んでいた叔母・菊枝が日本旅行中に亡くなり、突如莫大な遺産を相続することになった小畑弦矢。 諸々の手続の為、ロサンゼルスにある叔母の家に向かいますが、そこで27年前に死んだと聞かされていた叔母の娘・レイラが行方不明だと知らされます。 レイラは生きているのでしょうか?そして生きているとしたら何処に?そもそも何故、死んだとされていたのでしょうか・・?弦矢は探偵のニコと共に謎の解明に乗り出します。 ・・と、あらすじだけ見るとミステリのようで勿論その要素もあるのですが(“探偵”も登場しますしね)、描かれているのが宮本さんだけに、やはり“ヒューマンドラマ”が軸となっている印象です。 主人公の弦矢は、アメリカの大学院でMBAとCPAを取得していて、英語はペラペラ、計算もスラスラの秀才なのですが、すごく気さくないい奴です。 一緒にレイラの謎を追う探偵のニコも、ちょっとクセはありますが頼りになるオジサンで、この二人の関係性も心地よいですね。 レイラの謎の真相は結構深刻で、これを27年間抱えてきたかと思うと壮絶なものがあります。 でも、物語としてそんなに重さを感じさせないのは、弦矢の人柄や、菊枝叔母さんの庭の花々の美しさ、そしてストックされていた菊枝さん手作りのスープの美味しそうな描写が癒してくれるからかな、と思います。どちらも丹精込めて作られたもので、それらを弦矢が受け継いでいく・・そんな未来が見える終わり方が素敵ですね。 そして、本書の舞台となっている、ロスの高級住宅街・ランチョ・パロス・ヴァーデスを一度訪れてみたくなりました。
8投稿日: 2021.10.10
powered by ブクログミステリだと思い手に取った。想像していた内容とは違っていたのだが、とても良い一冊に出会えた。 すっと物語に惹き込まれ、社会の光と陰を覗き見た気がした。ストーリーの展開に想像はついたのだけれど、それでも彼らの感情や行動を見守らずにはいられなかった。 人間の表と裏、愛と憎しみ、尊敬と失望。時には人間ではないものに助けられながらも、人は人と関わって生きていく。 秋の高い空に、青すぎる彼の地の空を重ねてみたりした。
14投稿日: 2021.09.14
powered by ブクログ高校受験勉強時の問題集で出会った螢川に衝撃を受けて以来、ずっとファンです。この作品もやっぱり自分の中にスッと入ってくる文章、楽しめました。ミステリーとして読むと、もしかすると「?」となるかもしれませんが…
2投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログ莫大な遺産を相続するという羨ましい設定であるけれど弦矢のキャラクターもあり忘れてしまう。突然亡くなった叔母が残した謎を解いていく過程と相棒のニコとの信頼関係を築くまでをワクワクしながら読みすすめた。ラストのキョウコの真相告白はじっくりと読見応えあり全て明らかになりスッキリした。それにしても凡人には理解しがたい遺産を今後どのように生かしていくのかきっとビジネスは成功するだろう。
1投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログ最初は難しい話なのかな?と、思っていました。 読み始めると中盤から引き込まれました。 他にも宮本輝さんの作品を読んでいこうと思います。
0投稿日: 2021.07.22
powered by ブクログ星★3.2 初めましての宮本輝さんの作品です。 あらすじだけ読んで、ハラハラドキドキのミステリーなのかなって思ったのですが、実際に読み進めると、序盤も中盤も謎が明かされる終盤も、同じ温度で淡々と語られている感じで、何だか不思議な読了感。 誘拐が起きた理由とか、暗く不愉快になるような場面があるにも関わらず、あまり心に刺さらず。淡々とし過ぎてるのでは?と個人的には思いました。
0投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログ亡き叔母の莫大な遺産と秘められた謎。 アメリカに住んでいた叔母が修善寺で亡くなり、突如、4200万ドルもの莫大な遺産を相続することになった弦矢。ロサンゼルス郊外にある叔母の家に向かったが、そこで白血病で死んだはずの叔母の娘・レイラが行方不明だと知らされる…。 27年もの間、叔母が秘密にしていた事実。弦矢はレイラを探します。壮絶な内容なのに、なぜか穏やかに読める。宮本輝さんの小説は不思議です。 舞台になるランチョ・パロス・ヴァーデスはロス郊外の超高級住宅地で美しい紫色のジャカランダが咲き乱れる町。この背景にも惹かれます。 場所と花をググりました。行ってみたい! 美しい情景と繊細な人物描写で、 どっぷりと物語に飲み込まれていきました。宮本輝さんの小説、好きです。
2投稿日: 2021.03.11
powered by ブクログ導入部分が長く、どういう主題の物語なのか掴むまではやや冗長だが、物語が動き出してからはテンポがよく、見事に引き込まれた。 話の核となる誘拐の原因は不愉快でしかなかったが、物語自体はきれいにまとまっているし、最後は未来に向かっていくので読後感は悪くない。 宮本輝氏の作品は、どんな展開であろうが最後は納得できるので安心して読める。
1投稿日: 2021.02.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ロスという土地自体の描写、ロスで知り合う人々の描写が多い。伏線か!?と思って読み進めても伏線じゃないことが多かった。話自体はシンプルだと思った。 キクエおばさんは自己犠牲という言葉がよく合う。自分に関わった人にいろんな形の幸せを与える人だと思った。(レイラ然り、キョウコ然り、イアン然り) 自己犠牲の上に張り巡らせた、レイラを取り巻く糸が一瞬も緩むことがないことがおばさんにとっての幸せだったのだろう。 もし弦弥が自分の子供だったら、自分の子供が男だったならと思ったこともあったのではないかなあ…
0投稿日: 2021.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この分野には聖地巡礼という概念が無いのか モデルとなった豪邸が見つからない。 検索して出てきた豪邸は 私が想像する家とは全く違う物だった。 これなら ロサンゼルスの郊外 ランチョ·パロス·ヴァーデスの明るい風景と合わないことはない。 しかし重厚なマホガニーと石材でできた豪邸は周りの風景とは不似合いな気がするのだ。 相続問題に関わる面倒ごとと 庭や周辺の街の明るさとが 相容れないように。 草花たちの静かな誓いとは? 言葉をかけ続けると植物は綺麗に咲くとか 水の結晶が美しくなるとかよく聞くけれど 実行者の心を穏やかにするのだろうと思う。それは作業の丁寧さにつながる。 スープ作りは時間がかかり 自分を見つめることとなる。 そうして 顔が映るほど澄んだスープができるようになるらしい。 読みながら思い出していたのは グリム著『眠り姫』 オーロラ姫を守るため生い茂った茨のように 弦矢の噂話をしているのか? 辰巳芳子著『あなたのために〜いのちを支えるスープ』 イアンに対する思いが変わったかどうかは判らないが イアンの命を永らえさせ 弦矢に新たな生き方を見つけさせ レイラを… 葬り去られたようなレイラを蘇らせる。 終盤に近づくにつれ 夜明けに沸き立つ金色の雲のように レイラが燦然とかがやきを増してくる。 聡明そうな彼女は総てを察知しているような気がする。
0投稿日: 2021.01.04
powered by ブクログ宮本輝「草花たちの静かな誓い」https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-744065-2 読んだ。数年ぶりに読んだ宮本輝はなんと話が解決していた。延々と続くロスの描写やちょっとずれてる固有名詞にめちゃ違和感だったけど話の動力にした、ということは理解した。読後いつも感じるしみじみした滋養が今回なかったなー(おわり
0投稿日: 2020.11.17
powered by ブクログ初読み作家さん。ロサンゼルスに住むキクエ.オルコットが日本で旅行中に急死。甥の小畑弦矢が弁護士に呼ばれ渡米し、遺言によりキクエの遺産の相続することになる。それと共に27年前に誘拐さらたキクエの娘レイラの行方を探すことに。キクエと親しかったキョウコ.マクリードの手紙の謎から調査会社のニコに調査依頼する。レイラが連れ去られる映像を入手するが、やがてキクエのレイラに対する思いと壮絶な苦悩の人生が明らかに。穏やかに淡々とした文章が心地よく読め、ロスの高級住宅街の情景にうっとりした。33鉢のガーベラがキーポイント。
1投稿日: 2020.10.29
powered by ブクログ一つ一つの描写が丁寧で、途中までは謎が多く、展開が読みづらい。。 第4章より話の核心が徐々に明かされていき、面白くなってきた。 謎が明かされると、あり得そうな話だな、とも感じた。。
0投稿日: 2020.09.05
powered by ブクログ長いです。 登場人物の過去や設定などがずっと語られます。 話のメインは誘拐事件なのですが、 そこに至るまでの展開がちょっと冗長です。 事件の真相に迫っていく過程はスリリングでとってもドキドキします。 原因はある程度途中で予想がつきますが、 実際読んでみるとやはりショッキングです。 ラストやその後の展開は読者の想像に任せるタイプ。
1投稿日: 2020.08.05
powered by ブクログある日突然、莫大な遺産が転がりくむことになった小畑弦矢の心の動き、そして急死した菊枝・オルコットとの関係・人生が簡単に紹介された後、6歳の時スーパーで行方不明となったレイラ・ヨーコ・オルコットのこともその時の事実関係が書かれていた。 本来、娘であるレイラが相続するべきものであるとの思いから、弦矢の取った行動、心の動きが描かれ、彼と接触する様々な人間の事もうまく描かれていた。 とにかく読みやすいタッチで、ロサンゼルスの風景・歴史・風土・食べ物のことなど詳細に描かれていた。 今後長い付き合いとなるニコライ・ベロセルスキーのナイスガイぶりもいい感じでした。日本とアメリカ・カナダを跨ぐ人間模様、人として生まれ、人生浮き沈みがあるのだが、心優しき人々に見守られながら人は生きていくのだの改めて考えさせられました。 宮本輝さんは私より三学年上で、大阪出身の方です。ひょんなことで追手門学院大学の彼の文学館を訪れ読むようになったのです。 同年代・関西人でとっても親近感がある作家です。
1投稿日: 2020.08.05
powered by ブクログ宮本輝の本を久しぶりに読んだ。すんなりと入ってくる文章であっという間に読み終わってしまった。 宮本輝の作品に出会ったのは『約束の冬』 内容もとても面白いけど、そこに出てくる小物遣いにも興味が湧いてくる。 『約束の冬』では葉巻、『草原の椅子』では焼き物、本書では本格スープと庭の花々。まるで自分がそういった品に詳しいような気になってくる。 派手なストーリー展開はないけど、巧みな情景描写でその世界にどっぷりと浸らせ、穏やかで優しい気持ちにさせてくれる宮本輝の作品が大好きだ。
1投稿日: 2020.07.25
powered by ブクログ中盤から予想はできていた結末でしたが、やはりそのことの不愉快さに胸がカッとなりました。 彼女をそれから守ることはもちろん、自分の醜い感情からも守らなければならなかった気持ちが悲しい。 宮本輝さんの本は自分の日常とはあまりにかけ離れていてもすんなりその世界に入り込める情景描写で大好きです。
1投稿日: 2020.07.19
powered by ブクログ後半の語りが凄まじい。 とにかく、どんどん心に情景が入り込んでくる。 また、ジェシカの笑い方がとてもチャーミングなのを知ってる人は幸運だ。ああいった笑い方は実際に見てみないと良さはわからんと思う。
0投稿日: 2020.07.16
powered by ブクログアメリカで暮らす叔母菊枝が、日本での旅行中に急逝した。甥の弦矢は叔母の遺骨を埋葬するためロサンゼルスへ向かうが、そこで弁護士から、自分が叔母の4200万ドルの遺産の相続人となっていることを知らされる。さらに、亡くなったと聞かされていた娘のレイラが実は行方不明であり、もし彼女が見つかったなら、遺産の7割を彼女に渡して欲しいというメッセージを受けとる‥。 現実感のない額の遺産相続と、初めて知るレイラの誘拐事件に戸惑いながらも、自分のなすべきことを一つずつ手繰っていく弦矢。 菊枝の遺志やレイラの生活に必要以上に立ち入るまいとする弦矢や探偵のニコの態度が、いわゆるミステリーとは異なり、静かな物語を形作っている。 ただ、草花やスープが大事な小道具とはいえ、前半の邸宅や街の描写にやや飽きてしまい、なかなか物語に入り込めなかった。
1投稿日: 2020.05.06
powered by ブクログ大きな遺産を残して急逝した叔母の遺書を見せられ、弦矢はそこには書かれてはいない叔母の願いを叶えるべく、謎解きを始める。 娘を思う母の強さ、そして、引き受けた子供を本当の子として深い愛情を持って育てたキョウコとケヴィンの強さには感服するしかない。そして、庭の草花もこの物語の中で深い意味を持っていることが最後に明かされる。。 もっと読み続けたくなるお話でした。 宮本輝の作品はやはり心に響きます。
9投稿日: 2020.05.06
powered by ブクログ前半の謎解きしていく感じがおもしろかったので、予想外の大どんでん返しみたいな結末を勝手に期待し、勝手に肩すかしをくらった感じになってしまいました。
0投稿日: 2020.04.21
powered by ブクログ日本での旅行途中で、突然逝った富豪の叔母の整理に訪れたアメリカで、莫大な遺産と秘められた謎を解き明かしていく物語。 そこには驚くべき真実が・・・ 小畑弦矢は、その真実をたどりながら、出会いを経て、自分の生きていく道を見つけていく。 ロサンゼルスの富豪宅のお庭の花たちを見てみたい~
0投稿日: 2020.04.20
powered by ブクログ久しぶりの宮本輝。 学生時代に書店に宮本輝の本を買いに行ったら「宮田輝」のコーナーに連れていかれたことを思い出したり。 叔母さんの遺産を受け取っても仕事はするのね、とか、レイラは最後まで出てこないのね、とか、そういう夫と最後まで添い遂げるのね的な感想。
0投稿日: 2020.04.06
powered by ブクログ以前住んでいた街が舞台で懐かしく読みました。物語りは謎解き風になってますが、こんなことってあるんでしょうか?
0投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログ情景描写が多め。 アメリカの風景を想像しながら読めた。 読み進めていると旅に出ているような気分になれた。
0投稿日: 2020.03.18
powered by ブクログとても久しぶりに手に取った著者の作品。 20代の頃に夢中で著者の本を片っ端から読み尽くした時の、あぁこの感じ、という感覚を思い出した。 あまりにも日常とかけ離れた舞台設定で、感情移入は難しいが、それでも最後には、人生を賭して守り抜きたい存在を持つことの幸福と苦悩について思うところがあった。 続編は、本作の主人公の従姉妹が、最近話題のスープ屋で、その香りや味わいに既知感を覚える場面から、でいかがかと。
1投稿日: 2020.03.10
powered by ブクログ花が咲き乱れる夜の庭で、その花たちに話しかける主人公が素敵。人柄が現れ、この人だから解決できたのかな、と感じる。
0投稿日: 2020.03.09
powered by ブクログ著者には、旅行とかで外国を舞台にした作品が多々あるが、この小説は全編ランチョ・バロス・ヴァーデスというロス郊外の高級住宅地が舞台。 アメリカに住んでいた叔母から莫大な遺産を相続した主人公が、行方不明と知らされた叔母の娘を探すというミステリー仕立ての物語。 といっても、大半を占めるのは、主人公が高級住宅地を行き来する様子と、豪邸とその庭園の描写。 「良い小説は自然に非日常へ誘ってくれる」と、解説で中江有里さんが書いている。この小説も、草花が咲き誇る庭園に、読者を誘い込んでくれる。 庭園で主人公が草花たちに話しかける。 「きれいだなあ。君たちは命の塊だよ。宇宙の一員でもないし、宇宙から生まれたんでもないよ。宇宙そのものだ。君たちが宇宙なんだ。そうでなきゃあ、こんなにうつくしいはずがないよ」 「花を見ていると、心を見ているような気持になっていくの」 庭園あるいは花の文章だけでも、この本を読む価値があるのではないか。
4投稿日: 2020.02.29
powered by ブクログおお、新刊と購入。 読み終わってステーキが食べたくなりました。でもTボーンステーキは手に入らなかった(笑)あと、フムスってピーナッツバターも入れるのか。今度やってみよう。 裕福な叔母と遺産と行方不明になった従妹のお話。 確かにアメリカは児童誘拐多いって聞くものなぁ。でもアレは親権を持ってない片方の親が子供を連れて行ってしまうことが多いと聞いた事もあるんですが真相はどうなんだろう。 お金もちって良いなぁとも思うけど自分一人で住むなら豪邸はいらないし、庭木の世話も部屋の掃除も人を雇わなくては維持できない家なんか相続しても普通の人は困るだろうなぁ~ 叔母さんの謎は面白かったですが、それで日本に居る親族と縁が切れたのはなんとなくソウナンダーと言う感じではありました。
0投稿日: 2020.02.25
powered by ブクログ久々の宮本輝さんの作品でしたが、さすが!読み始めたら止まりませんでした。レイラだけでなく弦矢も菊枝おばさんのお庭で草木と対話できたのは、祖母からの連綿と続く何かだったのかな。 ランチョ・パロス・ヴァーデス、行ってみたくなりました。
0投稿日: 2020.02.23
powered by ブクログ莫大な叔母の遺産を相続した弦矢が、第二遺書の真相に迫ります。というと、ミステリー色が前面に出てしまいますが、実際はもっとソフトな印象です。事実よりも、その時々の人々の心象が自然を通して美しく描かれています。叔母キクエの強さと、人生の悲しさが胸に迫ります。
2投稿日: 2020.02.16
powered by ブクログ娘を守るために、その方法しかなかったのだろうし、そしてその選択肢があったのはラッキーだったのだろう。娘のために母親がとった行動に驚いた。母として、女としての思いも複雑だった…。 前半、情景描写が多くて、少しげんなりしてしまった。
1投稿日: 2020.02.07
powered by ブクログ庭園には秘密がある。そして草花には声がある。 思いもよらず莫大な遺産を相続した青年が、カリフォルニアのスーパー富裕な半島にある屋敷に渡り、叔母が隠していた、そして見つけてほしいと願っていた真実にたどり着く物語。 服装や食べ物でキャラクターとか心情を表すのが、なんて達者でいらっしゃるのでしょう。菊枝おばさんの遺したスープのおいしそうなこと。 私にも、小さな公園に桜の若木の友人がいるんだけど、今度からもっと真剣に耳を傾けてみよう。宮本輝先生が「草花は話す」とおっしゃるのだもの。
1投稿日: 2020.02.05
powered by ブクログタイトルに惹かれて手にとる。アメリカや主人公の叔母、菊枝の遺した豪邸やその庭の美しさの描写に惚れ惚れ。そして、スープがとてもおいしそうだった。亡くなったはずのレイラを探す中で深まる謎が気になって、一気に読んだけれど、わかってしまうと、な~んだという感じ。もちろんシリアスな内容なのだけど、途中からそういうことなのではとわかってしまうからの「な~んだ」という感じなのだと思う。それでも、人と出会い、自分の人生も変わっていく。人との出会いは当たり前だけれど、大切にしたいなと思わされるお話だった。
0投稿日: 2020.02.03
powered by ブクログ突然、アメリカ人と結婚した叔母から莫大な遺産を相続した弦矢。 しかし、遺言には失踪した娘レイラに遺産の70%を相続させたいという文言が消されていた。 弦矢はレイラの行方を探すことになり… カリフォルニアの高級住宅街を舞台に、隠された過去が明らかになっていく。 どういう月末になっていくのか、気になって一気に読んでしまった。 とにかく宮本輝の作品には心根の美しい人が多い。
1投稿日: 2020.01.25
powered by ブクログ久々に読んだ宮本作品 文章と登場人物が安定の良作。 豪邸や庭の描写がキーワードではあるけれど 前置きが長い感じがした
0投稿日: 2020.01.24
