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平凡(新潮文庫)
平凡(新潮文庫)
角田光代/新潮社
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総合評価

68件)
3.8
8
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    後悔という、ひとつの点に幾度も幾度も私たちは戻るのだ。 「もしもあのとき」に思いを馳せる人たちの小さな物語。

    0
    投稿日: 2025.12.08
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    「あのときこうしていたら」なんて何度も思ったし、今だったらあんな選択しないって思うけど、きっとどんな選択をしても、こんなはずじゃなかったって「もう一つの人生」を想像してしまうんだろうな。そんなもんだよな。

    0
    投稿日: 2025.11.27
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    久々の読書。非常に読みやすかった。今の生活は 自身の選択の繰り返しの中で生み出されたもの。もし別の選択をしていたら、どのような今の生活と違った世界が見れるのかよく私も考えている。そのこと自体無駄な行為であると思っていたが、決してそんなことはないのかなと、この本を読んで感じたところ。

    0
    投稿日: 2025.11.04
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    いろんなことでバタバタして、 とにかく読み終わるまで時間がかかってる。 角田先生の短編はライトで相変わらず読みやすい。 本作もどこかでありそうすぎる日常の5編。 他人から見たら充分に見えても、 自分なりの不満というのは誰もが抱えているよな。 みんなそれぞれに納得したラストだったけど、 果たして次の日にも同じことが思えるだろうか。 物語のように一度納得したって、 次の日には考えが戻っていることだって、 現実にはさらさらある。 そうやって生活していくことが生きていくということなんだろうけれど。 月が笑う、こともなし、どこかべつのところでが好きだった。

    14
    投稿日: 2025.10.23
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    もし、あの時、あの選択をしなかったら、 と色々な人生からのたらればを見て自分も思い出す選択があったな〜と思い出した

    0
    投稿日: 2025.09.09
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    生きてるとどうしても、他人の人生が羨ましく思えたり、憎んだ相手の不幸を願ってしまったりする。 他人の人生ばかり気にして、目の前にある自分の人生を疎かにしてないだろうか。 もしあの時、違う道を選んでいたら、自分の人生はどうなっていたか……なんて、もしもの人生に縋っていないだろうか。 でも、自分にあるのは、自分の人生だけ。 そんな当たり前だけど忘れてしまいがちなことを教えてくれた本でした。 自分の人生をしっかりと歩んでいこう。

    0
    投稿日: 2025.07.30
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    「もし、あの時」と考えた事は皆無ではないが、それを考えたところで何の意味もない。と考えて生きてきたし、それより今置かれている状況をいかに上向かせるか。と考えて生きてきたけど、たまには「もし、あの時」を深く考えて、考える事で今の自分を奮い立たせたり、感謝したりするのも悪くはないと思った。 とはいえ、過去や未来に囚われてる様な生き方はしたくはない。

    0
    投稿日: 2025.04.16
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    6つの短篇。 選ばなかった方の人生。 どの話もあの時こうしていたらどうだっただろう、あの時こうしなければ、という話。 私はあまりそういう風に考えない。今以外はない。そんな事を考える意味が分からない。だって、どうにもならない。 でも、最後の話の〈こうしていれば〉は共感できる。

    0
    投稿日: 2025.01.26
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    「あの時こうしていれば、今頃はこうだったのかも」 全くの他人事には思えないテーマで、生きていればきっとこんな後悔もするんだろうなと自分に当てはめながら読み進めていた。 人生は選択の連続で、あっちを選んでいた方が思い描いていた未来を手に入れられたのにと思うことも少なくない。生きていれば一回は絶対に考えることだろう。だけど私はクヨクヨしたくないと思っている。その選択を正解にするのは他の誰でもなく自分自身だから。その道を「正しかったんだ」と結論づけることができるような努力を怠りたくないなと、改めて心に誓った。すごく良い本だった。

    0
    投稿日: 2025.01.24
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    1つ目の話 人生の責任を持てる相手は少ない、だから責任を持てない相手に対して、安易な短期的な手助けをすることは何もしないよりはその人のためになるのかもしれない、自分はそうはできないけど 2つ目の話 自分を裏切った相手、害した相手に対して、恨んだり攻撃したりするより、許したほうが自分の幸せには繋がるのだろうと思った。許すのはすごく辛いことかもしれないけど 残り 平凡なことを何か変えようとすることは悪くないけど、必要以上に平凡を攻める必要はないのだろうと思った

    0
    投稿日: 2024.09.16
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    「もし…」 そんなことを考えたことがあるひとにぴったりの1冊。 とても面白く読ませていたぢきましたが、私自身は「もし…」をあまり考えたことのない人間だったので★をひとつ、下げました…!

    1
    投稿日: 2024.07.30
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    タイトルに惹かれた。 後悔しないでいい人生を送りたいが、難しい。もしあの時こうしていたら、、、 別の人生があったのでは、、、 を描いた短編集。 あの時の選択に後悔し、悩んでモヤモヤした先に見える前を向く終わりが良い。

    0
    投稿日: 2023.11.08
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    想像はしているが現実では起こらないことの妄想を膨らませ生活を変えたいとどこかで思っている人々。もう少し年を取ったり結婚したりしてから読むと感じ方が変わるのかも。

    0
    投稿日: 2023.03.06
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    もしあのとき〜していたら…。 もしあのとき〜しなかったら…。 だれにでもあるそんなわかれみちをテーマにした短編集。平凡な自分の人生も振り返って、もし…を色々想像してみたくなった。

    0
    投稿日: 2023.01.31
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    読んでいると、時に心に刺さるし、時に心に染みる、そんな作品でした。 刺さるのは、グサって感じではなくて、とても細い長い針でチョンチョンって刺されている感じ。 普段は隠れている、というか見ないようにしている自分の影の部分が描かれている。 染みるのは、そんな影の自分もそれでもいいんだって思えるところ。 また、誰しもそんな影の部分を抱えていて、その人なりに向き合っているんだとわかるところ。決して全員が全員そうではないけど、それでも、自分ひとりではないってことはホッ安心できるところ。 平凡に生きているというのは、大変に幸せなことなのでした。

    0
    投稿日: 2022.11.20
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    表紙の絵が可愛くて好きです。 あの時、選ばなかった選択肢を選べば、選んでいたら、何かが変わっていたのではないか。と思うことはありますよね。平凡、なるほど、とゆったり自分のことも考えながら読める小説でした。最初のお話の友人不倫カップルと旅行の話だけはちょっと違いがあったと思いますが、後のお話はだいたい似たようなお話だったなと思います。だいたい不倫、離婚がある話。

    0
    投稿日: 2022.10.29
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    私事だけど、コロナに感染してしまい しばらく本が読めなくてゆっくりゆっくり読んだ (何をするにも倦怠感がすごくて内容が入ってこなかった) でも、そんな時に読みやすい1冊だった タイトルの通り平凡さが心地良い

    0
    投稿日: 2022.10.02
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    これから先、何かを選択する場面がきて、選ぶのが怖くなったときに読みたいかも。 「選択しなかった方の人生」がテーマの6つの短編集。 選択するとき、どっちかにしか幸福はない!って思ってたけど、 多分どっちもそこそこ幸福で、そこそこ大変。って「どこかべつのところで」を読んで思った。 それに、どちらかを選択したことで、得られるものや、つながる次のものがあるんだなって、「いつかの一歩」を読んで思えたので、 なんというか、選ぶことに勇気をもらった感ある。

    1
    投稿日: 2022.09.29
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    もしって考えちゃうのわかる。 あのときああしてなかったら今の自分どうなってるんだろうとか、今の自分を作ったのはいつどこでしたどの選択なんだろうとか、よく考えちゃう。 けど、「選ばなかった自分もどこかべつのところで生きてる」って思ったら今まで選んだ選択が正解か不正解かに悩まなくてもいいのかなという気持ちになれた。

    0
    投稿日: 2022.09.09
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    naonaonao16gさんのレビューを拝見して、気になった本。 誰しも、人生の岐路がある。そこで、もし選んでいたら 歩んでいたであろうもう一つの人生。 その「もう一つの人生」を想像する人々を描いた6つの短編。 今の自分が辛かったり不満だったりすれば、「もう一つの人生」を羨むのだろう。 僕にもそんな時期があったな…と。 (決して、今の結婚生活に不満があるわけではありません…念のため。) ただ、この小説を読んで思った。 もう一つの人生を歩む、もう1人の自分と今の自分はきっと必ずどこかで出会う。 その時、もう1人の自分を祝福できるようになれば素敵だな、と。 さらに言えば、もう1人の自分に羨まれる自分になることだって、決して不可能ではない、と。 そんな希望を感じる短編集です。

    44
    投稿日: 2022.04.30
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    もしあのときああでなかったら、今ごろ私はどんな人生を送っていただろう。そんな「あのとき」という一点や、ありえたかもしれないパラレルワールドに思いを馳せてしまう、我ら凡人たちの短編集。 とても良かった。最後の話は泣いた。 以下、心に残ったフレーズ。といっても適当に縮めたりしているので正確な引用ではありません。 ■もうひとつ 「もうひとつの人生なんかないよ」 ■月が笑う 「許さないことはこわい、と感覚的に思った」 ■こともなし 「だって、幸せじゃないと困るじゃない。…今まで『もし』で別れた幾人もの私がよ。」 ■いつかの一歩 「人生って最初からあるのかしら。できていくものだとしたら、いつのどの一歩がその後を決めていくんだろう」 ■平凡 「ど平凡に生きていてほしいっていうのは、呪いっていうより願いに近いよね」 ■どこかべつのところで 「かなしみも後悔も、一ミリグラムも減ることはぜったいにないけれど、ただ、それを背負ってしまったという一点で、こんなふうに見知らぬ人と共鳴し合える」

    7
    投稿日: 2022.04.17
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    わたしは常に、非凡でありたいと思って生きている。非凡でないと、生きている価値がない。そんな風に思いながら生きている。 だから、自分が平凡であることに気づいた時、そんな自分を、嫌悪する。 そして、最近なんで自分が非凡であることにこだわっているのか、考えてた。 そんなタイミングでブックオフをうろうろしていた時に目に入ってきた作品だ。 あと数ページで読み終わる本の次に読む作品のタイミングとしては最高だ。 角田光代作品の隠れた名作の1つ。 角田さんの作品は、作品数が多いだけにまだまだ読んだことのない作品は多く、これからもこうして名作に出会えるのかと思うと、ワクワクが止まらない。 『平凡』 特に表題作である『平凡』 この短編集、「もしあっちの人生を選んでいたら」「こっちの人生を選んでいなかったら」みたいなものが作品全体を通してのテーマになっているのだけれど、ではなぜ「もしも」とか、全体を貫くものではなく、短編のひとつである『平凡』をタイトルに選んだのか。 おそらくそれは、『平凡』がCDで言う「A面」だからだろう。 そしてわたしはやはり表題作の『平凡』が一番よかったのである。 しかし非凡でありたいわたしとしては、どこかで『平凡』以外の短編を一番印象に残った作品としてあげたいところである。 だけど表題作を一番に選ぶわたしは結局「平凡」なのである。 これってなんていうか、BUMPといえば天体観測、みたいな現象で、結局わたしはとことんマジョリティなんだなと実感する。(ちなみにBUMPに関していえば『天体観測』ではない) でもね、なんかさ、かっこつけて通ぶりたいじゃん! この『平凡』という作品の中の、別の作品を「一番よかった」と、言いたい。そしてたぶん、それを言う人がいたとする。わたしはたぶん、そっちに流されて、すっかり通ぶったように、誰かに言う。「あの作品さ~、『平凡』ってタイトルだけど、実際読んでいくと『いつかの一歩』の方がいいよね~!」なんていう風に。 そう、言いたいだけなのである。 うざい!うざすぎる! だけど、そういうのは、ある。これは認めざるを得ない。 きっとこの「言いたいだけ病」(村上春樹症候群に近い)はきっとこれからもずっと続いてくんだろう。 でもやっぱり。 AppleMusicでたくさんの曲を聞いて、かっこいいバンドに出会って「うおおおお!自分だけのかっこいいバンド見つけたーーー!」と思ったら結構有名で、すでにものすごい数のフォロワーがいたり、「この曲!かっけーーーー!」と思った時にはすでにオールナイトニッポンで推されてたり、結局わたしの感性なんて「平凡」そのものなのである。 わたしには、素敵な俳優さんが薦めるこむずかしそうな本よりも、やはり売れてる本や受賞作品の方が面白いのだ。 わたしは平凡だ。紛れもなく平凡だ。 こんな自分が嫌だ。 だけど、紛れもなくそれが自分だ。 マイノリティになりたいくせにうまくマイノリティになりきれない自分。 もうかっこつけないでそんな自分を可愛がって生きていきたい。 流行ってるものを「ふーーーん」て斜めに見るんじゃなくて、いいものは「いい!」って言いたい。 「流行ってるから」じゃなくて、それがダサい時だけ「ふーーーん、ダサくない?」って言いたい。 ああ、一生懸命非凡であろうとしたけど、やっぱりわたし、平凡みたい。 でも、平凡なのに、平凡なりに生きてない気がする。でも、それもこの作品を読んだ後じゃ、それも平凡なのかも。 平凡な大人たちの、非凡な6つの物語。 40歳手前には結構きました。 解説P260「人生に無限の可能性を見ているとき、『平凡』は確かに呪いの言葉だったろう。けれどもある程度、年を重ねてみればその言葉は祈りや祝福に似ていると気付く」 秋田公立美術大学の「凡人診断」 ちょっと面白かったので暇つぶしにやってみてください。 https://www.akibi.ac.jp/bonjin/result09.html?countTen=4226 ちなみにわたしは→凡人度60% 凡人奇人の分かれ道 凡人度が平均以上に高いあなたは、凡人として平均的な人生を幸せに送るか、才能を開花させ芸術世界で刺激的に生きるか、その岐路に立っている人間です。あなたの感性はごく普通の人と近いものはありますが、その裏には大きな才能が隠れています。クリエイティブな世界によりディープに触れていくことでその才能を開花させ、より刺激的な道に進んでみてはいかが?

    53
    投稿日: 2022.04.02
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    平凡ってなんだろうなと思って読んだ。みんな平凡なようでいて人にオープンにできない悩みや苦しみをそれなりに抱えている。本書では普通の人はそれらに対してどう向き合うかということが描かれていると感じた。

    0
    投稿日: 2022.01.11
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    もう、何度も何度も考えたことのある「もしもあの時こうしていたら」、「もしもあの時もう一方を選んでいたら」をテーマにした短編集。登場人物達は当たり前だけど全然違う性格で、人生も、選択も違うけど全員がふとした瞬間にもしもを考えて、自分の選択を振り返りながら何かに気づき、後悔し、諦め、悩み、受け入れて生きていた。 私も読みながら、ひとつでも欠けていたら今がない。ああ、本当にそうだな、辛くて二度と経験したくない、出来ればしたくなかったあの出来事があったから今がある。と思ったかと思えば、いや、あれがなくても結局こうなってたんじゃないのか。と、思ったり。 読みながら自分も振り返っていたので勝手に忙しかったです。 もうそもそも選ばなかった方の人生なんてこの自分には経験しようがないんだから考えたって仕方ない事なのに、きっとこれからも私は何度も考えてしまうのだろうなあ…。と、一人一人の主人公のストーリーを覗きながらぼんやり考えた。 もう1人の自分よりもいい人生を送っていると思われたいと思っている自分に気づく、というシーンがあった。確かに、そうなのかもしれない。それと同時に選ばなかった自分にもちゃんと平凡な日々を送っていてほしいと、この小説を読みながら祈った。 平凡に生きていて欲しいとかつての恋人に呪いをかけていたが、それは何年も経つと呪いから祈りへと変わる。平凡を恐れていたあの頃の私は、今の平凡に生きている私を見てどう思うのだろう。

    4
    投稿日: 2021.12.25
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    ジャケ買い!文庫のデザインもここまで来たかと感無量。内容は結婚離婚にまつわる「もしあの時、」別の選択をしていたら、の妄想短編集。第1話のサントリーニ島への夫婦と不倫カップル旅行の設定が面白い。

    0
    投稿日: 2021.11.06
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    「こともなし」と「平凡」が好きだった。 私は、別れた恋人のことは呪って呪って、そのあとは幸せでいてほしいと思えるようになって、いつかは思い出さなくなる。その人の不幸じゃなくて、一緒になっていた自分の不幸を願うの、なんとなくわかる。

    1
    投稿日: 2021.09.27
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    自分はこの作中の人物のどれかのような人生を歩むのかもしれない。 じわじわくるこのリアリティ、流石です。

    1
    投稿日: 2021.09.21
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    これまでの人生に、わたしたちは「もし」を重ねてしまう。「もし」のほうの自分に希望を見出し、現実を雑に持て余すのだが、「もし」は「もし」なのだ。

    0
    投稿日: 2021.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もしものお話。 けどみんな後悔をしているかと言うと違っていて。 もしもあの道を選んでいたら?と 自分に問いかけている。 特に最後のお話のオニギリのお母さんは…私も似たように父を亡くしているから気持ちが痛いほどわかる。 私が父の電話に出ていたら。 あのまま車で寝ずに帰って来てくれた? 死なずにすんだ? その問いにずっと返事が出来ずに生きてきた。 きっと猫は見つかると思う。 見つかって欲しいから。

    1
    投稿日: 2021.07.23
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    もしもあ〜していたら!あ〜していなかったら!と思い悩む人たちの短篇集。 一番すきなのは、猫を捜す「どこかべつのところで」 あ〜わかる〜って思ったのは、必死でブログを更新する「こともなし」 ですが、どのお話も面白かったです。 大きい小さいに関係なく、日々何かを選択しながら生きているので、とても共感できました。

    14
    投稿日: 2021.07.01
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    短編集。1番最初の物語、昔の彼女に薦められたワインのくだりがみたくて借りた。読み応えのある、自分の人生の「もしも」を巡る物語。

    1
    投稿日: 2021.06.27
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    選ばなかった方の人生。もしあのときああしていたら。人生の帰路。どっちを選んでも側から見たら同じくらい平凡で、本人からしたら同じくらい辛かったり苦しかったり後悔があったり、でもときどき素敵なことがあったりするのかも。自分もそう。どれも実際にありそうな、自分と同じような、平凡な人間たちの短編集。

    1
    投稿日: 2021.06.19
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    違う人生があったかもしれない。そう考える様々なシチュエーションを描いていて、どれもおもしろい。 今の人生を本当に心の底から疎んじているわけではない。でも、夢想する"もう一人の自分"・・・ところがその"もう一人"も、バラ色の人生というわけでもなさそうなのがなんとも現実的で、読んでいると自分のことを客観視できそうなくらい、冷静になれる。 『こともなし』の聡子はブログの中に少し盛った自分を作っている。ブログも家庭も問題がなければ、今の生活を肯定できて「こんな幸せが手に入った」と思う。でもその逆のとき――ブログを更新する暇もなく、夫や子の態度が良くないときは、「人生間違えた」と思う。その振れ幅の大きさに、ドキリとする。さらに、そのブログ内の"うまくいって幸せな自分"を見せたい相手が誰なのかという答えにもまた、ドキッとした。驚いた、というか。私にはない動機、感情・・・でもなんだか祈りのような(呪いと紙一重の)その切実さは、印象に残った。 『どこかべつのところで』も良かった。依田さんの思い描くもう一人の私がリアルすぎて笑えてくる。後悔もあるんだけど、もう一人を生み出す本当の動機は、後悔とはまた別のところにあったりするのかもな、と思う。 「なんていうか、そっちのもうひとりも、なかなかにたいへんですね」 「そうなのよ。だって、生きているから」

    4
    投稿日: 2021.05.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良い。良いんだなあ。いつの間に、角田光代さんはこんなにもしなやかに強くなったんだろう?と、いつも驚く。この作品も、見事に強かった。美しかった。正しく、誰かを勇気づける作品だな、とね、思いましたね。いやあ。良い。 だがしかし、誰かを勇気づけない、惑わすだけの角田さんの作品も、間違いなく知っている。だからこそ、尚の事、この作品の角田さんが好きになる、という感じ。うーむ。この思いを、誰かに伝えたいんだけど、伝わるのかなあ?どうかなあ?わからないなあ。 「あの時、ああしなければ。あの時、ああしていれば。今の私の人生は、もっと別の(より良い)ものになっていたはずなのに」 ってね、思わない人は、いないと思うんですよ。ある程度、人生を経てきたら。人生とは後悔の積み重ねなのです。でも、それでもなお、 「この人生で良かった、とはとても言えないが、コレが今の自分なのであって、それはもう、そうなのだ。受け入れるしかないのだ。だって、そうなんだもん」 という境地に、如何に達することができるか? 今、そう思っても、また、きっと、後悔するんだろう。「なんで俺の人生、こんなんやねん、、、」と。だが、それすらも、それすらも、受け入れて行きたい。たまにはね、「あの時ああすればもっと、今より幸せだったのか?」とどこまでもどこまでも問いかけてくる、ブルーハーツのマーシーの作品「ラインを越えて」を聴きかえしながらね。あと、ハイロウズでの、ヒロト作の「No.1」で、机に向かってブツブツと「とても平凡だ」と呟く人も、思い出しちゃうな。 「平凡」という題名通り、とても平凡な人々の、基本とても平凡な日々が語られます。そう。どこをどう切り取っても平凡。だがしかし。 全ての平凡は、全ての当事者にとっては平凡ではなく特別にして唯一のものだ、という相反した真理も、ちゃんと描いている、と思いました。原田宗典さんのエッセイ「平凡なんてありえない」と、通じてるなあ、とね、思った次第です。 「全ての平凡は平凡でないという意味で平凡なんてありえないのであり、平凡なんてありえないということこそが全ての平凡に繋がるのである」 みたいな感じ?うーむ。ウロボロスの蛇。卵が先か鶏が先か。 ちなみに、単行本、文庫本、それぞれの表紙も、凄く良いんですよ。後藤美月さん、という方のイラストのようです。「牛乳石鹸」の赤箱、青箱のデザインのパロディーだと思うんですが、ああ、あのデザインこそが、日本における「平凡」の象徴なのだなあ、素晴らしいことだなあ、ってね、シミジミきちゃうんですよね。牛乳石鹸で身体を丁寧に洗いたくなっちゃうなあ。そしてあったかい布団で、ゆっくりと眠りたいなあ。ってね、思いますね。

    0
    投稿日: 2021.04.17
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    6つの短編。 もうひとつ 月が笑う こともなし いつかの一歩 平凡 どこかべつなところで 大人たちの日常の中で、葛藤する心の中をどうしてこんなに上手く表現できるんだろう。 好きだとか愛だとか、そんな情熱が持ててキラキラするのは若いうち。少なくとも私はそうだ。いつの間にか人は日常に埋没して、身近なことに感動する心さえ失っていってしまう。生活を維持するために嫌いなものにフタをして、人前では笑顔のまま生きていくこともできるようになってしまう。本当は心の中に追求したくないモヤモヤや闇を抱えているのに。自分の内面を見て見ぬ振りをしているだけ。 そんな大人のもやもやした表と裏をこうも表現できてしまう。 大人たちの長く暮らした人生の中では大きな事件があっても同じ様な規模の事件が次々に降ってくるものであるから、大騒ぎもせず、騒いだとしてもそれを淡々と受け入れ、なんとか落ち着く場所に戻っていく。 それぞれの短編の中にいろんな人が出てくるが、皆どこかで自分が体験したことのあるような、こうしたいと考えたことのあるような既視感がある。 ああそれ、私も思ったことがある、感じたことがある。そして後悔もしたし同じようにスッキリしたり、辛かったりした。 泣ける話とかではないのだが妙に落ち着くような、心が整うような気分になる。 歳を重ねたから面白く読めたが、若いときだと読めなかったかも知れない。

    1
    投稿日: 2021.04.14
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    もし、あの人と結婚していなければ。 別れていなければ。 仕事を続けていれば。 誰しも一度は考えた事があると思われる「もしあの時違う道を選んでいたら…」を描いた作品集です。 「もうひとつ」「月が笑う」「こともなし」「いつかの一歩」「平凡」「どこかべつのところで」 の6つの短編が収録されています。 決して派手な作品集ではありませんがどの短編も丁寧に描かれていて感情移入しながら読み進めました。 何度か読み返すたびに読後感も変化したり味わいのある短編ばかりです。

    0
    投稿日: 2021.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今考えてみるに、結婚というものは、うまくいくかどうか、などという問いが思いつかない時点でしてしまうべきだ。あるいは、二年も三年も、うまくいくかどうか、などと考えるべきことではない。

    1
    投稿日: 2021.01.07
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    高校生のとき、飼っていた猫が亡くなりました。数日前からから寝たきりだったのに、亡くなる前日に立ち上がり、庭に出たいと鳴きました。見納めのように庭をよたよた歩くのを見ていられなくなった私は、「もうええやん」と猫を抱き上げました。翌朝死んだとき、「昨日抱き上げないほうがよかったのかも」と泣く私に、弟が「そのまま歩かせてたら、そのせいで死んだと思ったやろから、これでよかってんで」と言いました。もしこうしていたら、していなかったら。人生いろいろ考えるけれど、そのときの選択には理由があるのだから。きっとそれでいい。

    1
    投稿日: 2020.12.11
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    生きてるといろんな場面で、あの時こうすれば…と思うこと、自分にもあるなぁと。でも、自分が選んだ道か正しいとか、そういう運命だったんだと受容できるように、その道を全うしようと思った。

    0
    投稿日: 2020.12.04
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    角田光代さんの作品は何冊か読んでるけど、今のところハズレはない。劇的な展開がなく、普通の人たちが毎日の暮らしの中でふと思いを馳せることを描いていって、答えと言えるようなメッセージもありやなしや、って感じだけど、不思議と心に刺さるものがある。そして、読後は温かな気持ちになる。鍼灸のような小説だった。

    1
    投稿日: 2020.10.05
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    初めて読んだ角田さんの本。 すごく共感できて、こういう時はそうだったのかぁ、と気持ちに納得のいくお話たち。 すぐに全部読めてしまう。 また読み返したいな。

    0
    投稿日: 2020.09.26
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    6つの独立した短編集です。どんな人でも1日に数えきれない選択をして生きている。もしも、あの時違う道を選んでいたら、自分には別の人生があったんだろうか。その人生は今よりも、素敵なものなのではないだろうか。その考えが6つの作品には共通しています。私自身も60年以上生きてきて、よく考えてしまいます。でも今日も生きているということは、数えきれない選択は誤っていないのではないかと考えます。たとえ第三者が今の私の状態を見て客観的に幸せに見えないとしても。なんだか本の内容には、全く触れていないような気がするのですが、読み終えて、そのように考えさせてくれた作品です。

    6
    投稿日: 2020.09.08
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    『月が笑う』と『平凡』が好き。 普段小説は読み終わったら手放してしまうけれど、これは時々また読みたいなぁと思う!

    0
    投稿日: 2020.09.06
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    意識的にでも無意識にでも、人はさまざまな選択肢から選んだ結果を重ねて今を生きている。この作品の主人公は選ばなかった”if”を思う人物たちだ。過去に読んだ角田作品では選択の岐路で世間的に言えば誤った方に進み後戻りできなくなる様子を当事者の視点から描き、これは仕方のないことだったのだと思わされる説得力をもって語られる。『八日目の蝉』で赤ん坊を連れ去ってしまった女性や『紙の月』で勤務先で横領を繰り返す行員女性がそうだ。自分が同じ立場になれば抗えないのではないかという恐怖すら感じた。小説というものはすべからくこの様に作られるのだと思っていた。しかし今作はそのようなドラマチックな人生の作品ではない。「あの時別の道を行けば何かが変わってただろうか」と思う人々の選ばなかった側の人生の物語。彼ら彼女らの数日間を垣間見ると人は誰しもが物語を持って生きているということを実感させられる。 昔付き合ってた女性が居酒屋を開いたと聞き行くか迷いながらも気になって行ってしまう「いつかの一歩」が好きだった。未練というほどではないけど結婚してた可能性もあったと思っていて探りにいく情けなさがいい。迷子になった飼い猫を探しにいく「どこかべつのところで」もいい。飼い主と目撃者が猫を見た現場で落ち合いその後しーんとした家の中で遺影を見つけるなんて妙な異国感すらある。 それぞれの話の最後では主人公が心の折り合いをつけて前に進もうとする姿勢が描かれる。状況で言えば変わったわけではないのだが現実を受け入れることで今の人生をifの向こう側からこちら側にすることができる。

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    投稿日: 2020.08.04
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    「平凡」、読み終わって、涙が出た。 かつての同級生が、羨ましいような華やかな人生を送っていて久しぶりに会う。意外なことを打ち明けられる。そして。。。 「平凡」という言葉のもつ深さにハッとさせられた。 人生の機微がほろ苦く、温かく、深い。 やっぱり角田さんはスゴい。

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    投稿日: 2020.07.22
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    もしあのときこうだったら、と今とは違っていたかもしれない自分の姿、相手との関係を思い描く人たちを描いた短編集。 相手と別れたり離れたりしても、意識すらしないところでその人との過去にとらわれていたり、一見幸せそうな料理ブロガーの主婦も心のうちでは、人には言えないモヤモヤを抱えていたり、多くの人が表に出せないでいる、そして、出さないようにすることで余計に消化できずにいるモヤモヤをうまく描き出している。 読んでいて、共感とは言えないまでも、あー、こういうことかとストンと落ちるところもあった。

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    投稿日: 2020.07.17
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    2020.07.02 「もう一つ」 旅先でのトラブル 「月が笑う」 仕事に邁進してきたが、妻に離婚を切り出される 困惑の日々の中、乗ったタクシーの運転手はかつて自分を轢いた事故のドライバーだった。 「許す 許さない」あの時許さなかったら妻との選択も変わっていただろうか。 「こともなし」 別れた男、寝とった女、しあわせになって見返してやる。 本文にもないが本心はそこだろうか。ブログにキラキラした日々をしたためるのが、逆にストレスになってはいるけれど。 「いつかの一歩」 昔付き合っていた彼女が居酒屋のオーナーになっていた。 意を決して入ってみると、昔のようだがより活き活きと輝く彼女の姿。自分と付き合い、別れたからこそたどり着いた道。彼も付き合ったからこそ結婚し離婚した。 全てはつながっている。割とほっこりする。大人の恋ではない男女の模様。 「平凡」 かつての友人は今やテレビで見かける有名人。 久々に会うことになり色々シミュレートするもそうはいかない。昔の恋 恋のライバル あの時の恋の駆け引きが異なっていたら人生違っていたのかな。 「どこかべつのところで」 猫を探す女性に目撃の電話が入った。 出会った人と猫を探す。「ああしなければ」失うことのなかった存在がある。おむすびを握らなければ息子は死ぬことも、夫と別れる事もなかったのにな 人生はそういう些細なことの積み重ねだと思う

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    投稿日: 2020.07.07
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    『人生って最初からあるのかしら、それとも、できていくのかな。できていくとしたら、いつのどの一歩がその後を決めていくんだろう』 今ここにいる私は、今までの人生の『どの一歩』によって決定づけられたのだろうか。そんな風に考えながら過去を振り返ってみる。親の言いなりで決まった高校進学という過去があった。運も実力のうちっていい言葉だなぁと思った大学入試の結果という過去があった。そして、第一希望だった会社の最終面接をまさかの絶対にあり得ないはずの寝坊でドタキャンした過去があった。人生の大きな分岐点だけを思い返してみても、あの時の親の、自分自身のそんな誰かの意思が、もしくは結果論の積み重ねによって今の自分が出来上がっていることに気づきます。それはその時の自分の全てをかけたチャレンジでもあり、あれよあれよと何故かそうなってしまった成り行きの結果でもありました。もちろん、それも含めて全ては最初から決まっていたという運命論的な考え方もあるかもしれません。しかし、そうではなく、無限の可能性の中から、その瞬間瞬間の選択が今の自分自身を作り上げているという考え方も出来ると思います。そんな後者の考え方をとった時、最終面接に寝坊しなかった自分の人生をふと思い浮かべる時があります。たまたまその会社のビルの前を通った時、その中で働いている自分を想像する自分。なんの意味もないそんな想像の世界。でも、そんな想像をする時に限って、自分自身が今の人生に迷いを感じ、悩んでいることにも気づきます。順風満帆の人生を歩んでいる時には決して見えてこない幻、いたかもしれないもうひとりの自分。『どこかで生きている、窓を開けなかった自分』、そんな物語が詰まった短編集がここにあります。 『もうひとつの人生』をテーマに、人生の色んなシチュエーションにおけるもうひとつの可能性を思い浮かべていく6つの短編から構成されたこの作品。いずれの短編で取り上げられている内容も決して突飛なことではなく、普通にありうる『選んだ』、『選ばなかった』の選択の結果であるため、自分がかつて歩んだ道、そして分岐点に似たものを思い浮かべる方もいるかもしれません。いずれも重厚な描かれ方をしているため、短編というよりも中編を読んでいるかのような印象も受けます。でも短編らしく、ふわっとした結末の締め方も一方で共通していて読後の印象はどちらかと言うと軽やかです。 そんなこの作品は、一編目の〈もうひとつ〉からこのテーマにいきなり真正面から突っ込んでいきます。『結局旅行は四人でいくことになった』という物語のはじまり。『私、正俊、野村こずえと福田栄一郎とで、ギリシャのアテネ・サントリーニ島六泊八日の旅』をすることになった四人。『私と正俊、こずえと栄一郎という組み合わせになり、私たちの部屋は隣同士だった』という四人は二日目から2組に分かれて行動します。『島の北端にある町、イアをぶらぶらと散策』していた私と正俊。そんな時『一軒の店から騒々しい言い合いの声が聞こえてきて私たちは足を止めた』、『耳に届くのは日本語で、そしてどうやら、こずえと栄一郎の声だった』という驚きの展開。『信じられない、くるんじゃなかった』と言うこずえ。『ああおれもそう思うよ、悪いけどおれ今からチェックアウトしてくるわ』と栄一郎は怒りの声を上げて、結局バラバラにその店を後にした二人。『こずえと栄一郎は私たちの結婚パーティで出会った』という二人は『だれも期待していないのに恋に落ちた』という展開。なぜなら『双方既婚者だったのにもかかわらず』という裏事情。それぞれ夫婦関係が上手くいっていなかった二人。でも離婚までは考えないそれぞれの事情。そんな二人がそろって『私』夫婦の夏の旅行に同行したという今。『あんなに派手な喧嘩をしていたのだから、二人はこないのではないかと思った』という翌日の朝食。でも何もなかったかのように現れた二人は、それどころか『頼みがある。結婚式を挙げたいんだ』と突然の申し出を『私』夫婦にします。『でもこの島にいられるのはあと三日だよ。式場をさがして、衣装をさがして、なんて無理だよ』と止める『私』。でも懇願し続ける二人の強い思いに揺れだす『私』…というこの一編目の短編、設定自体はかなりかっ飛んでいるようにも思いますが、この短編集の中でもこの作品のテーマを最も考えさせるものでした。 『私は今ここにいて、私の人生らしきものを生きていて、ここからはもう出られないと思ってる』と考える こずえ。『人生らしきもの』という表現に今の自身の人生を否定する気持ちが滲んでいます。そして、『出てしまったらもう自分の人生ではないと思ってる』、と不満足ながらも今の人生が自分の人生であり、今の人生を歩んでいく他ないことも理解しています。しかし、その上で『でもそうじゃない。今いるところから出れば、きちんともうひとつ、私の人生がある。そう思いたいの』、と自分が選ばなかった道が別にあって、その道もまっすぐに続いていると思いたい気持ちがこの願いの中によく現れています。作品では、そのもうひとつの道への一歩を踏み出す勇気が推進力となって物語が進んでいきます。しかし一方で主人公の『私』は、『もうひとつの人生なんかないよ。きっとそんなものはないよ』、とそんな考え方を否定します。でも、そんな『私』も決して順風満帆な人生を生きているとは思っていません。でも『自分の人生らしきものから、いかなる意味でも私たちは出ることはできないよ。私たちにあるのは、今、とそれ以外、だけだ』、と こずえとは正反対に考え、『もうひとつの人生』を否定します。そしてこんな風に結論します。『私と正俊がいっしょにいなかったとして、という仮定は、もし私が犬に生まれていたら、という仮定と、なんら変わりはないに違いない』、というある意味の割り切り。『もうひとつの人生』を究極的に言い表すとこのようになるという諦めの感情がここにはあります。『人生は無数の選択から成り立っている』、でもそれをどう捉えるかは考え方ひとつとってみても正解はないのかもしれません。 『いつか、会いたいと思いますか、もうひとりに』 選ばなかった人生の先に『もうひとりの自分』がいるとして、このように聞かれたらあなたはどう答えるでしょうか。『無数にいる、今の「私」と違うところに立っているだろう「私」のだれよりも、「私」は今、しあわせでなければならず、「私」に選ばれなかった幾人もの「私」に、負けたと思わせなければならない』。今の自分に、自分の選んだ道に疑問を感じた時、選ばなかった自分のことを思い浮かべる瞬間は誰にでもあると思います。でも、それらの無数の可能性の中の自分と今の自分とを比較して、今の自分が、いつも優位にあるようにと強迫観念に駆られるようになると、それはもう辛いだけの人生だと思います。もうひとりの自分、可能性の中の存在である自分、そんなものはやはりいない、そして今の自分の人生を悔いなきものにしよう、そう考えるのが結局は幸せなんだろうな、と私は思います。一方でそう考えないと、生きているのが辛くなる、考えれば考えるほどにキリのないテーマなんだとも思いました。 とても奥深いテーマを、身近なシチュエーションを用いて重くなりすぎないように短編としてふわっとまとめたこの作品。ふと、自分が今までしてきた選択の歴史、そして結果論の歴史を思い起こさせてもくれた、そんな印象深い作品でした。

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    投稿日: 2020.07.07
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    もし、あのときこうしていたら…。人生の別れ道をゆき過ぎてなお、選ばれなかった『もし』に心揺れる人々を見つめる六つの物語。 人生は生涯別れ道の選択で出来ている。年齢を重ねれば重ねるほど、後悔の積み重ねや諦めの境地に陥るが、結局は人生の良し悪しは棺に入る時にしかわからない。自己責任でわが道をゆくという考え方が、いちばん良いのかも。

    0
    投稿日: 2020.02.17
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    もう一つの人生があったら、なんて何度考えただろう。もうこの人生を歩み直すことはできないからこそ、人は皆あったかもしれない別の人生にふと思いを馳せる。 憧れていた恋も、結婚も、いざ経験してみたらなんてことなくって、こんなはずじゃないって足掻いてみたら余計に悲惨。結婚なんて、誰が幸せって決めつけたんだろう。あのとき別れた恋人と結婚していたら、今より幸せだったかな?そんなことを考えることくらいしか、平凡すぎる日々を送る私達には楽しみがないんだから許してくれたっていいじゃない。

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    投稿日: 2020.02.06
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    これまでの人生で、あの時○○すればよかった、あるいは○○しなければよかった。 誰にでも、そんな経験があるのではないか。そんな人生の分かれ道を描いた6短編。 印象に残ったのは、「月が笑う」かな。

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    投稿日: 2020.01.13
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    読み止しにして別の本に取り掛かっていたが、それも読み終わったので、再び手を付け、すぐに読了。 6つの短編からなり、表題作だけちょっとニュアンスが異なるけれど、総じてどの話も「あの時、○○していたら(or しなかったら)、今の境遇とは異なった、別の人生があった筈」みたいな話。 ありがちな趣向だけど、それでも自分のその時の在りようによっては深く共感したり、色々思うところが出ることになるのだろう。 だけども、この作者、こんなことを主題にずっと手を変え品を変え考えているんだな。 と思ったのも、この作者の「ツリーハウス」の感想に、自分で次のような科白を引用しているのを見つけたから。 『だってあんた、もし、なんてないんだよ。後悔したってそれ以外にないんだよ、何も。私がやってきたことがどんなに馬鹿げたことでも、それ以外はなんにもない、無、だよ。だったら損だよ、後悔なんてするだけ損。それしかなかったんだから』と。 で、私も書いたわけだ。 『もう少し若い頃だったら、あの時もっと頑張っていれば違った人生になっていたかも知れないと思うこともあったけれど、子供も独立し会社生活も残り僅かになった最近は、多分その時はその時なりに頑張っていた筈で、そう思うともしもう一度やり直したとしても大して違わない人生だっただろうなぁって、悔いは無いことはないけど、まあそれでも総じて悪くないって感じ』って。 今も変わらずに同じ心境。。

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    投稿日: 2019.12.03
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    平凡な暮らしを送っている人たちが、その人生において選択しなかった、もしもの人生を想像する短編集。 何がきっかけで人生が変わるかわからない。 もしもあの時そうしていたら、しなかったら。 そういう選択は無数にある。 考えても仕方のないことだが、つい考えてしまうこともある。 別の選択をして、別の世界で存在しているもう一人の自分。 後悔もあれば、後悔ではない「もしも」もある。 そんな風に想像すること自体平凡なことだが、そんな想像も面白い。

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    投稿日: 2019.11.13
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    誰もが一度は考えたことのある「もしあの時〇〇をしていたら」という選択。 どの作品もどこにでもありそうな日常茶飯事の出来事から もう一つの生活や人生を考えているのでとてもリアリティーがあります。 どれもこれが正しく、これが結末という はっきりしたものはありませんが、 何故か心の隅では安堵感のようなものが残り、 みんな考えることは同じなのだろうと思えました。 過去は変えられないという固定観念ですが、 ある作品の中では過去は未来を変えられるものなんだという ことがこの作品の中でも同じような事が感じられて、 例え過去や今に満足していなくでも 考え方ひとつで未来も過去も変えられるというのが 確信のように思えました。 印象に残った作品は「こともなし」、 「いつかの一歩」、「平凡」。 自分の境遇と経験してきたことが重なる部分があり かなり頷ける部分がありました。 「平凡」の中で ブログを書かない日を今日一日がないみたいな気がする、 そうして、今日一日がないみたいということは、 こんなにも枠なのかと続けて思う。 とかく最近はネット社会でSNSを中心にしての生活が 主流になりつつある中で、本当の自分を曝け出しているSNSは あるのだろうかと思ってしまいます。 この主人公の場合は実生活とブログとの生活が少し ずれていることからこんな言葉が出てくるのであり、 誰でもこんな思いをしているのではないかと ふと思ってしまう深い一文でした。 「いつかの一歩」の中で 「あと何十回も考えるんだろうねえ、人生って、って」 て言葉が印象的でした。 人生がどのようなものであるか、考えても分からないものだし、 またわかったところで、どうにもならない・・・以下略 こんな風に人生を考えているのも頷けました。 選ばなかったもう一つの人生を羨ましがらずに、 今、自分が選んだ人生に背かず、 胸を張って生きていけたら良いなと思うと同時に 何の変哲もない平凡な生活が一番幸せなのだと 改めて思えた作品でした。 角田さんの作品は好きなので何冊も読んでいますが、 女性の微妙な心の描写が繊細に描かれているので いつもながら上手いので安心して読めます。

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    投稿日: 2019.11.07
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    アナザーストーリーに想いを馳せて。 もしあの時違う選択をしていたらと考えたこともある。想像するのは楽しい。でも本当に違う選択をしていても、やはり「あの時」別の選択をしていたらと思うのではないか。 過去を変えたいと思うより、未来を変えるため、今を真剣に生きる方がいいと結論付けたテーマ。この本を読んで改めて思った。

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    投稿日: 2019.10.19
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    短編集は読みやすくて良い。 個人的には月が笑う いつかの一歩  が好き。 日常のあるあるこんな気持ち。。がいっぱいある本

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    投稿日: 2019.10.14
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    ファンだから、単純に言うのではないが、良かった。表題作「平凡」は、全く説明する感じもないのに、ストンと分かりやすかったし、全部読めば、通底する言いたいことに共感できます。珍しく男性目線の作品も良かった。

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    投稿日: 2019.10.10
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    色んなひとたちの、色んな「if」。 今まで生きてきた中で選んで来た道、選ばなかった道。 どちらも等しくみんなにあるんだなと思うと感慨深い。 両方ともあるからこそ、今の自分が存在してる。 面白かったー。

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    投稿日: 2019.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もしあの時違う道を選んでいたら、、をテーマにした短編集。最初の短編は騒々しいカップルが出てくる為あまり好みではなかったが、読み進めるうちに面白くなっていった。 小さな点と点が繋がって繋がって、大きな結果を生み出す。もし〇〇していたら、していなかったら。誰もが考えたことがあると思うけど、結局人生なるようになる。(最終話は気の毒で悲し過ぎるけれど。。)タラレバの事を考えたって過去はどうしようもできないから、出来るだけ前を向いて「こともなし」の紀実のように、そんな事考えないでいいような人生を送っていたいと思う。 ぴょん吉が見つかってたらいいなぁ 解説が分かりやすかった!

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    投稿日: 2019.09.21
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    とても読みやすかった。 誰しも、もしもって考えてしまうよなぁと思いながら読み続け。 また、登場人物の誰かしらに似てるような人がいるのかな?と思いながら読みました。

    7
    投稿日: 2019.09.10
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    30代〜40代の人生について描いた短編集。 タイトルは平凡とあるが、それぞれの短編の主人公たちは不倫されたり、離婚したり、かなり波乱万丈な人生を歩んでいるように感じた。 作中で一番好きなフレーズに、娘に対する母性とはどういうものか書いたものがある。「玄関先で赤いランドセルが不安そうに花のように揺れているのを見て、堪らなく泣きそうになる」気持ち。娘が泣きたくなるほど愛しく大切で、守らなくちゃ、今すぐ駆けつけなくちゃと焦るような気持ちなのかな、と思う。私がいつか、子どもを産めたとき、こんな風に子どものことを大切に思うだろうか。そうであればいいなと思う。

    0
    投稿日: 2019.09.07
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    もしあの時、別の選択をしていたら、一体どうなっていたのだろう? という、誰もが一度は想像するであろう「if」をテーマにした短編集です。もちろん何かSF的な仕掛けがあるとかではなく、過去の自身の選択を振り返ることによって今の自分自身を見つめ直すという、小説の王道ともいえる趣向の作品集になっています。以下、印象に残った3編について書いてみます。 冒頭を飾る「もうひとつ」。こずえと栄一郎のキャラクターがいいですね。こんな人たちとの旅行はご勘弁願いたいですが、一方でちょっと羨ましく思ったり。バイタリティ溢れる彼らを見ながら自分自身を見つめ直す語り手の女性もまた面白く、そしてちょっと怖くもあります。 「月が笑う」。離婚を言い渡され、自暴自棄になった夫。ある日タクシー運転手から聞かされた過去の話と、母親が語る父親との出会いの話によって、妻に対する思いが変化していく過程の描写が素晴らしいです。 「どこかべつのところで」。逃げ出した飼い猫を探し、あの時に窓を開けたことを悔やみ続ける主人公の前に現れたおばさん。彼女もまたある日の行動を悔やみ続けていたのでした。おばさんの話を聞いた後の主人公の心情が印象に残ります。 どれも著者の持ち味が発揮された作品ばかりで、十分に楽しめました。とはいうものの、近年発表された長編と比べると読後感はそれほどでもないかなあという印象もありました(もちろん高いレベルの中で、ですが)。

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    投稿日: 2019.09.01
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    もしも……なら? 迷うときはいつもこれ。決めてもまだ迷う、同じように。やれやれ。エイっと決めて迷わない時が増えるといいな。

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    投稿日: 2019.08.22
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    社会人2年目くらいの時、彼氏がいたが他の人を好きになって彼氏に別れを告げた。 その彼氏とは26くらいに結婚しようねと言っていた。 別れを告げて新しく付き合った恋人とは上手くいかず、あれから数年経ったがわたしはまだ独身。 今でも、あの時彼氏と別れてなかったら26歳で結婚して子供とかいる人生だったんだろうかと思い返す。 選ばなかったもう一つの人生、わたしにもある。

    1
    投稿日: 2019.08.17
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    「もしあのとき〇〇していれば」という自分が選び取らなかったものへの話と「あれをしなければよかった」という起きたことの話。どちらも別の人生が送れたかもしれない過去の自分の選択ではあるが、前者は選択を後悔しても薄れていき選び取った今を生きる可能性がある。しかし後者は起こってしまったことに対しあれををしなければよかったという後悔が日毎募るばかりで「やらなければあったはずの人生」とともに生きていくことではないか?同じ「もしあのとき〇〇していれば」でも重みが全然違うと思う。

    0
    投稿日: 2019.08.17
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    短編が6つ入っています。 あのときもし、〇〇していれば、私の人生は違ったものになっていたかも、という、まぁ誰でも考えることあるかなぁという物語。 あのときもし、「おにぎりを持って行きなさい」と息子を引き留めなかったら、息子は事故に遭わなかったかもしれない、という設定がやはり悲しい。しかし、その母は心の中に、「まだ息子が生きている世界のもう一人の自分」を作りだし、想像しながら強く生きている。 私には「あの時の選択が私の人生を決定づけた」みたいな分かれ道は思いつかないのだけど、、、いや、あるかな?誰にでもあるのかな。 誰にでも考えることがあり、今までにもたくさん書かれてきたテーマでありながら、いつも新鮮な角田光代文学。

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    投稿日: 2019.08.17
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    人生で選ばなかった「もし・・」をテーマにした短編集、久々の角田光代。 誰しも持っている「あの時、あの道を選んでいたら、今頃は・・・」という想いを基軸に、今の日常を生きる人達を六篇の物語で綴っています。 結婚や恋愛に関する内容もあり、気負わず読めます。 夏のバカンスのお供に(^_^;)

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    投稿日: 2019.08.07
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    選ばなかった「もし」に心揺れる人々を見つめる6つの物語。 誰もが一度は想像したことがあるんじゃないだろうか。もし、あの時こうしていれば(いなければ)。 映画の『バタフライ・エフェクト』や『スライディング・ドア』などが思い出される。 最後の『どこかべつなところで』では、登場人物2人の会話のなかで、(選ばなかったもうひとつの人生の「自分」について)「そっちのもうひとりも、なかなかにたいへんですね」という感想に、「そうなのよ。だって生きているから」と答えるところで、そういうことだよなと深く納得させられた。

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    投稿日: 2019.08.01