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総合評価

38件)
4.1
14
12
6
1
1
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    ケガで引退していた元ストリッパー、ノリカ。日影の職業だと思うのだが誇りを持っている。ケガが治りダンサーがスカウトされたとは言え、軌道に乗っていた店をたたみストリッパーに戻っていく。ちょっとわたしには理解できなかった。

    20
    投稿日: 2025.05.09
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    ◾️2013年直木賞作家 ◾️著者は釧路出身だが本作は札幌ススキノが舞台 ◾️独特の夜の世界が最後まで底流に ◾️一本芯の通った女の生き方 ◾️著者の性愛への冷めた目線 ◾️実はJINが主役のような渋いキャラ

    8
    投稿日: 2025.02.15
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    ざっくりいうと元ストリッパーがすすきのに店を出す話。 情景や人の姿が思い浮かぶようなわかりやすい文章で読みやすい。 夜の世界はもっと生々しい感じもするけど、なんだか綺麗にまとまった感。

    12
    投稿日: 2024.04.28
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    綺麗ごとすぎてイマイチ。レディースコミックっぽい。 ストリップとダンスが同じ土台であるわけがなく、白けてしまう。

    0
    投稿日: 2023.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何度目かわからないが再読。 ケガでストリッパーを引退したフジワラノリカ。 デビューの地、札幌すすきのでダンスシアターの店を始める。そこでダンサーに応募してきた若い二人と、一緒に仕事をするバーテンダー竜崎との関係性。近すぎても離れすぎても、うまくいかない。 不承不承の引退にも関わらず、ダンサー瑞穂とみのりを束ね、黒子に徹することができたのはノリカのプロとしての矜持か。 笑顔の瑞穂、ストイックなみのり、訳ありの竜崎。ここにノリカが加わった4人の関係が立場も年齢も超え、ステキだった。 うまくいっている最中、瑞穂もみのりも次のステップへ進む道を見つけ始める。その場を離れがたいふたりの背中を押し、ノリカはストリッパーに戻る。 そしてJINはノリカが空けた店舗を借り、今度はバーとしてオープンさせる。みんなが戻れる場所があって、なんて素敵な終わり方かと嬉しかった。 JINが作るものも、たらこバターと、わかめチーズおにぎり、たまらなくおいしそう。

    1
    投稿日: 2023.09.21
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    「ホテルローヤル」の直木賞作家:桜木紫乃の長編。 舞台上での骨折を機に引退を決意した元ストリッパーが、故郷札幌でダンスシアターを開き、バーテンダーや若い女性ダンサーとの出会いを経て自らの生き方を見つめ直していく様子を描いています。 「表現者の矜持と葛藤」を絶妙に切り取り、鮮やかに展開していく感じはさすがでした。 元気になれる小説です(^_^;)

    0
    投稿日: 2023.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

     桜木さんの作品の傾向から、 この人が裏切るのかな?と途中で何度か予想しましたが、酷い人は出ず、良い人達ばかりで読み終えてホッとしました。  お店を閉じるという展開に寂しさを感じましたが、ノリカの踊り続けるという決断には感服しました。また桜木さんの作品読みたいです。

    3
    投稿日: 2023.06.15
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    よい本だった。若い時は「恋人」「友達」「先輩と後輩」みたいなわかりやすい関係に集約されるけど、歳とると色んな関係性があるよなって改めて認識させられた。 何かを始めるにも、何かを終わらせるにも勇気をもらえる本。

    3
    投稿日: 2023.06.11
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    おもしろかった。 夢を見るため、夢の続きを見るため、今日をしっかりと生きている人の話。 登場人物の過去のことは、さらりと触れられるだけ。ノリカの足のけがにしても、その呪縛を受けている感じはしない。明日のために今日をどう生きるかを考えている。 解説の次の文がよいし、重い。 大切なもののほとんどすべてを無くし、どれほどどん底まで堕ちたとしても、たったひとつ真に打ち込めるものを持っているというそのことこそが、明日を生きるための(今日死なずにいるための)原動力になり得るのだ。

    0
    投稿日: 2022.10.22
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    『ストリップ』『ストリッパー』というものに対しての見方というか考え方が変わる。もちろんこれは小説だから、現実は違うところもあるだろうけど・・・真摯に生きてる人はもうそれだけで美しい。

    1
    投稿日: 2022.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ものすごく良かった。オガちゃん、めちゃくちゃいい。 ノリカほど立派な仕事はしていないけれど、わたしが裸を、女を売っている時、どれだけお客さんに救われていたのだろう。みんながみんななんて事はもちろんない、いやな人だってたくさんいた、わたし、に興味がない人が殆どだった、綺麗事言わないけれど、それでもなんの価値もないはずのわたしに逢いたくて、お金を払って、何度も逢いに来てくれるひとたちに、わたしはいったいどれだけ救われていたのか。お金を払ってまで逢いに来てくれるって、わたしが必要なのだってことがわかりやすすぎてたまらなかった。未だにたぶん未練だってある、ずっとやめ切れなかった、やめる時だってすきだからこそ綺麗にやめられなかった、むりやりじゃないとやめられなかった。自分に価値がないと思って生き続けているわたしにとっては、本当に天職だったのかもしれない。

    1
    投稿日: 2022.06.25
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    【感想】 ストリップというのはずっと、いやらしくて趣味の悪い風俗だと思っていました。所詮は単なる「裸踊り」。温泉街にある寂れた建物の一角に幕を張り、バブルの余熱にいまだ浮かれているようなおじさんたちを呼び込む低俗なショー。 しかしこの本を読んで、ストリップが驚くほど芸術性を帯びていることを知り、とても感銘を受けました。たとえ局部を露わにしても、最高の踊りを見せていれば、客は分け目から遠いところを見る。むしろ脚を広げているときに手足の先を見られてこそ、真のストリッパーである――。芸術的な「ダンス」と恥美的な「ヌード」が溶け合うことで、一つのショーが完成されていく。そしてその「いやらしさ」と「美しさ」の間で、踊り子としてのプライドを持ちながら人生を賭ける人々がいる。そうした裏世界の広さを目の当たりにし、改めて自分の了見の狭さを思い知りました。 筆者「作りこんでいるんですよね。風呂屋の裸とは違うっていう(笑)。ムダ毛のないきれいな身体にスポットライトを当てて、ひとつの世界を作り上げている。出会い、満足、別れ、哀愁、踊り子さんによってはちゃんと世界があるんですよ。二十分のステージでそれを演じて去っていく。それが短編小説みたいだと思いました」 物語の終盤、ボルトを抜いた整形外科医が「立派なアスリートですよ」と言ったように、本作はある意味スポコン小説なのかもしれません。自分の可能性を追ったみのり、ダンスから離れ女性としての幸せを追った瑞穂、そしてもう一度舞台で脱ぐことを決意したノリカ。彼女たちが目指しているものはスポーツと同じような「夢の舞台」であり、そこに貴賤はありません。その道で生きていくという決意を背負った人々の「人生を賭けた戦い」は、どのテーマで読んでもやはり素晴らしいものなのです。 すすきのは移ろいゆく街です。様々な事情を抱えた人を手招きしながら、いつでも離れてゆけるよう深追いはしない。NORIKAを舞台にした彼女たちの物語は、この街で短い間華咲きましたが、それもやがて散り、最後には誰一人残らず送り出されていきました。 本書は徹底的な「別れ」の小説です。にもかかわらず、どこかスッキリとして後腐れが無いのは、「すすきの」という街の性質、そしてそこに暮らす人々の生きざまが、悲しみを悲しみのままとどめず、どこかへ移ろわせてくれるからではないでしょうか。 また私に新たな世界を見せてくれた小説でした。

    24
    投稿日: 2022.06.24
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    桜木紫乃のいい。 ストリッパーのノリカ、なんと気風がいいのか。 ジャンレノのレオンと何故か重なった。

    1
    投稿日: 2022.06.21
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    ホテルローヤルをきっかけに出会った桜木紫乃さんの作品。ストリップもすすきのにも足を踏み入れたことがないけれど、そのきらびやかに見えながらも孤独でもある夜の世界の空気が伝わってきた。 怪我で踊れなくなって新しい人生を始めようとするノリカ。タイプの違う若い二人に、踊り子として、女として、人生の先輩としていろんな感情を抱くが、決して依存したり強要したりはせずに距離を取りながらそばにいるのが一人で踊ってきた人間らしいなと思った。 でも、みのりと瑞穂と出会ってショータイムを作り上げていく段階や、開店してから少しずつ仲間意識が芽生えて行き、それぞれの役割を果たしながら店が盛り上がっていく時の感情はノリカ一人では味わえなかっただろうし、ノリカにとっての遅れてきた青春のようにも思えて胸が高揚した。 あと、タンバリンのオガちゃんの話は涙せずにはいられなかった。 ノリカの選択はあらすじを読んでうっすら気がついていたけれど、最後まで読んでいくとすごく腑に落ちる。自分にはその道しかないっていうものがある人ってほんの少ししかいないと思うし、そういう人ってやっぱり何かに引っ張られて生かされているのかもしれないと感じた。 そしていくら楽しくてもつらくても、他人との関わりなんてそんなに長くは続かなくて、いつか終わってしまうということに気づかされた。 最後に、出てくる踊り子さんたちのセリフや信念には、本物の舞台に立つ方々への尊敬が込められているように感じられたのもよかった。裸で踊る女たちが受け止めているものがあるなんて、想像もしていなかった。

    2
    投稿日: 2022.02.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館のカウンターで受け取った時 「あれっ、こんな本予約してたかなあ」 多分作者で選んだんだと思うが忘れていた。 「きっと重いだろうなあ。桜木紫乃だもん」 それは間違っていた。 突き抜けていた。 重いけれどカラッとして心地よかった。 著者が選ぶ舞台は北海道が多いが、ここは札幌すすきの。 元ストリッパー、若いダンサー二人、バーテンダー その他の人が交叉して佳境に入る。 書く前に、ストリップ劇場に通いつめ、踊り子に惚れ込み、取材したそうだ。 村山由佳の解説もいい。 小説とクロスさせてまとめている。 「作家・桜木紫乃は、稀代の名ストリーッパーなのだ」 ≪ 作りあげ 二十分の裸 背を反らす ≫

    13
    投稿日: 2022.02.23
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    はぁっ、これは良い。桜木さんが元ストリッパーを描いたらこうなるだろうな、という予想を見事に裏切られました。四人の出会いが出来すぎているのと瑞穂さんのオチがソレかぁ・・・っていうガッカリ感も、JINさんの「あの」設定(経歴じゃない方)とみのりさんの師匠愛、そしてなんと言ってもオガちゃんだよね、補って余りある良さです。12章の冒頭はこの小説を終えるのに欠かせない挿話。そして読みながらずっと感じていたタイトルに対するモヤモヤ感も最後にキッチリ回収されて、実に晴れやかな読後感でした。 --- あと桜木さんの情景描写ほんと巧い、ハッとする珠玉の名文が作中にいくつもいくつも

    3
    投稿日: 2022.02.14
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    『初めてストリップを見たとき、これは20分間で表現する短編小説だと思った。舞台も小説も一期一会の闘い。私の仕事と同じフィクションであり、お客さんを満足させなければ負け』…と語る桜木紫乃さん。 あなたは今まで何かに打ち込んだ経験があるでしょうか?そして、そんな世界に一生を賭けたいという『夢』を抱いたことはあるでしょうか?この質問に、テニス、野球、そしてサッカーと部活動に打ち込んだ時代を思い出された方もいらっしゃるかもしれません。また、大人になってもその延長の人生を現在進行形で生きていらっしゃる方もいるかもしれません。大人になってもその世界で生き続けているということは、かつての『夢』を叶えたその先に生きているということでもあります。しかし、そんな『夢』の世界で生きていくということは生半可な気持ちでやっていけるものではありません。また、特に体が勝負の世界に生きる人は常にケガのリスクと背中合わせに生きています。幾ら一生懸命に体を鍛えても、いくら一生懸命にその場に立ち続けようと意気込んでも一つのケガによって全てが終わってしまうことは決して珍しくありません。自らの体を使って、人を魅せていく職業というものの危うさを感じもします。 そんな風に自らの体を使って、人を魅せていく職業の一つにダンスがあります。『休まないことを己に課す、自分の体との約束がある』と、トレーニングに明け暮れる日々。しかし、その舞台は一つ間違えると一瞬にして終わりを見るものでもあります。 さて、この作品は舞台の上で『景気よくターンを決めた瞬間、音楽とは別の調子外れなリズムが体に響いた』のが『骨が折れる音だった』という結果の先に生きる女性の人生を見る物語。そんな女性が『あの三人を巻き込んだ以上、やることはやる。できることは全部やる』と始めたダンスシアターに『夢の続き』を見る物語。そして、『夢をみる存在を得て、ひとつ駒を進めたのだ』と力強く人生を歩んでいく元ストリッパー・ノリカの生き様を見る物語です。 『クリスマス・イブ』に札幌に着き、『人が多すぎる』、と『駅の構内をぐるりと見回』すのは、元ストリッパーのノリカ。そんな『ノリカが廃業を決意したのはこの秋』のことでした。『神奈川の小屋で左脚を骨折したのが正月公演の真っ最中』、『膝から下にボルトを入れて、毎日のリハビリにも耐えた』ものの『「復帰」が、激しい痛みの見せる夢だったと気づいた』ノリカ。『回るのが怖いのだ。踊りたいのに、踊れない。勢いをつけて回った瞬間、骨を繫いだボルトが皮膚を破り飛びだしてくる気がする』と思い引退を決めます。そして『「お得な物件です」とサツホロ不動産の営業担当者』から話を聞く今のノリカは『もともとはショーパブだったという』雑居ビル二階の店を見学します。『高さ二十センチ、二メートル四方のステージ』、ステージの両脇の『BOSEのスピーカー』、そして『直径三十センチはありそうなミラーボール』とその店内に興味を抱くノリカは『振り出しなの』、『ここからまた、出直すのよ』と担当者に語ります。『あなたがこの店を借りてくださったら、毎日通います』という担当者は名刺を渡し『申し遅れました。竜崎といいます』と名乗りました。『欲しいのは、ダンサーなんです』、『二名』、『踊りの素養がある子なら、わたしが半月でものにします』と言うノリカ。『あとは、バーテンダーをひとり』、『身持ちが堅ければ、男でもいいです』と依頼し『店の内容は、ダンスシアターにしたいと思っています』と告げるノリカ。一方で『ダンスをメインにしていったいどれくらいの集客が見込めるのか、まったく自信がない』と思うものの、店舗を契約したノリカは開店に向けた準備を始めました。そして『こちらのお店の面接を受けたいという女の子が見つかりました』という竜崎の紹介により『ひとりは丸顔で可愛げがあるし、もうひとりは面長ですこし目がきつい』という二人と会うノリカ。23歳の瑞穂と20歳の みのりという二人に『わたしは元ストリッパーなの』と自己紹介し『元気が出るダンスと清潔な色気と、プロの芸』をこの店で見せたいと思いを語るノリカは二人のダンスを試し、採用を決めます。そして、『店名は「NORIKA」でどうでしょうか』と竜崎に告げます。『残る問題は、わたしの経営能力とバーテンダー探しね』と続けるノリカに『そのことで、ひとつご相談があるんです』と返す竜崎はバッグから『銀色のシェーカーが二種類と、メジャーカップ…』を取り出し調理台に並べます。『引き続きバーテンダーの面接も、よろしくお願いします』と続ける竜崎は『日本バーテンダー協会の「資格認定証書」とバッジ』を見せるのでした。そして、二月三日からの営業を決めたノリカが、『小屋で学んだ作法がどこまで通用するか、この一か月嫌と言うほど考えてきた』と悩み、『迷いを生むのも迷いを解くのも同じ場所。ならば前へ進むしかないだろう』と吹っ切れた先に『ダンスシアター「NORIKA」』で新しい自分と向き合っていく物語が始まりました。 『わたしは元ストリッパーなの』と言うノリカ。正月公演で骨折し、膝から下にボルトを入れリハビリに励むものの『四十になった体の耐用年数まで計算できなかった』と引退を決め、すすきのの雑居ビルで自らの名を冠したダンスシアターをスタートさせていく様が描かれていきます。そんな物語は、主人公ノリカの挫折から再生が描かれていく前向きさに溢れています。『元ストリッパー』の物語と聞いて、その言葉から抱く印象は人それぞれだと思います。このレビューを読んでくださっている方の中でも、そのショーを見たことがある方、ない方でも印象は分かれると思います。そして、私にとってはそれは未知の世界です。『小屋』に行ったこともなく、言葉のイメージからしか想像できません。さらに言えば、マイナスなイメージしか抱くことができないのが正直なところです。一方で『ストリップを観たことがない人が多いことに驚きました。みんな観に行っていると思っていたので(笑)』と語る桜木紫乃さん。『いやらしいものではないんです』と続ける桜木さんは『ストリッパーはみんな気概を持って踊っているし、お客さんとの一体感が励みになるのは書き手と同じ』と、その職業意識が作家と同じだとおっしゃいます。そんな桜木さんが描くこの作品では主人公のノリカがその仕事への向き合い方をこんな風に語ります。『毎日一時間から二時間のトレーニングを寝る前も起きてからも』自らに課してきたと言うノリカ。それを『休まないことを己に課す、自分の体との約束』だと続けます。そんな先には『どんなに両脚を広げたって、いい踊りを見せていれば客は体の中心から遠いところを見る』と言います。『脚を広げているときに、目と指の先を見てもらえるようになったら一人前』とそこにあるプロの世界。それを『自分の振り付けで好きに踊ってお金をもらえるなんて、夢みたいだった』と語るノリカ。『とにかく1回観ればわかる』と強くおっしゃる桜木さんがすっかり魅せられたというその世界。実際に見もしないで言葉の印象だけで勝手に抱いていた私の中のイメージが確かに変化するのを感じました。 そんなこの作品の一番の魅力は、竜崎の紹介によって『NORIKA』で働くことになった二人のダンサーの成長を見る物語だと思います。『いま、自分の手の中に大きなダイヤがある。握りかたひとつで、輝きを変える原石だ』と偶然にも出会った20歳の みのりのことを思うノリカは『全力で向き合わねば、この子になにも伝えられない』と、真摯に向き合っていきます。ダンスに限らずこの世にはあらゆる場面で、それまで光が当たる存在だった人間が引退し、今度は指導者として、光が当たる存在に向き合っていくという構図があります。そんな構図の如く『わたしが、あなたたちを最高のユニットにします』と二人と向き合っていくノリカ。そんな中で『胸奥にあった膜が一枚剝がれ落ちた。ストリッパーを辞めても生きて行けることを、二十歳の娘が見せるひたむきさに教えられた』と感じるノリカは『あの三人を巻き込んだ以上、やることはやる。できることは全部やる』とシアターの運営に邁進していきます。 そんなストリッパーという人生の幕引きから、ダンスシアターの経営への転身という、主人公・ノリカのまさしくゼロからの出発を描くこの作品は、『NORIKA』という店で出会った人と人との交わりを描いた物語でもありました。宝塚の試験を受け続けたのは『受かれば堂々と家を出られる』からという家庭環境に育った みのり。そんな みのりのダンスの実力が自身とは一段違うという現実を踏まえ、その上で自分の役割を認識して踊り続ける瑞穂。そして、かつて『銀座の宝石』と言われた過去を持ちながらも、淡々と自身のバーテンダーとしての今の役割を果たしていく竜崎。そんな三人とノリカが一つの店、そして舞台を作り上げていくこの物語は、そこで出会った人々がそれぞれに何かを感じ、何かを影響しあい、そして何かを受け取っていく物語でもあったのだと思います。 『みなそれぞれの事情を抱えてすすきのですれ違ってゆく。ここは交差点の街だ』という北国の街を舞台に元ストリッパー・ノリカの挑戦が描かれたこの作品。そんな作品を『未来ある人達が一瞬だけ交差点で出会ってそれぞれの居場所を見つけ、散っていく』物語であるとおっしゃる桜木さん。この作品ではストリッパーとしての道を断念し、『ダンスシアター「NORIKA」』という居場所で『夢の続き』を追いかけるノリカの姿が描かれていました。そして、そんな場に揃った瑞穂、みのり、そして竜崎という三人もそれぞれの人生の中で立ち止まる時を迎えていました。そんな四人が『NORIKA』という交差点で出会い、関わっていく中で、それぞれが自らの『夢』の存在を認識し、それぞれの『夢』を追い求めて旅立っていくこの物語は、そこに人の再生を見る、そんな物語でもあったように思います。 他の作品ではあまり見ることのない、極めて前向きで起承転結のはっきりした桜木さんを見ることのできるこの作品。『銀座の宝石』と呼ばれた竜崎の作るカクテルの描写と、瑞穂と みのりのダンスの描写、そしてストリッパー・ノリカの圧巻の演技の描写にすっかり魅了された傑作だと思いました。

    110
    投稿日: 2021.09.22
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    怪我で舞台を降りたストリッパーが再転地とやってきたのは最北の政令指定都市・札幌。すすきの。ダンスを売りとしたバーを立ち上げる。ストリッパーであることを恥じてはいないと度々口にするノリカ。だが、彼女が「ストリッパー」と口にするたびそこに恥と自虐が滲み出る。若手ダンサーの瑞穂とみのり。彼女たちの未来が、自らの出自で汚れるのではないかという恐れ。だけど、それは杞憂だった。日にち薬で癒される心の怪我はあるかもしれないが、きっとそうじゃない。自らの意志で手当をしていかないと癒せない。出来過ぎな物語だが、物語だから。

    2
    投稿日: 2021.08.29
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    この作品は怪我で引退した元ストリッパーノリカが北海道のすすきので再起をかけて奮闘する作品です。ストリッパーなど聞いたことはあるが、どんな職業なのか、そこで生きている人たちの葛藤、生き様はどんなものなのか、この作品で感じると思います。自分が帰る場所はここしかない、ノリカの奮闘劇です。

    13
    投稿日: 2021.08.13
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    なかなか足を踏み入れない世界の話で、 どんな話なのか興味が湧いて、手に取った本。 いろんな生き方ってあるよなぁって思った‥。 なんだから「生きてる」って感じがした。

    6
    投稿日: 2021.07.26
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    ストリッパーとかバーレスクとかダンスとか全く無縁で生きてきたけども。。。 なぜだか興味津々なのです、ウン。 完全に藤原紀香さんを思い浮かべながら読んでしまいました。

    1
    投稿日: 2021.07.21
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    2021.03.10.読了 まず、つまらない。 登場人物が全員、いい具合にカッコよく描かれていているが結局全員ただのナルシスト。現実味面白味に欠け、人生の教訓や気づきには程遠い作品。 なぜ評価が4.0なのか謎。 周りにこの本読もうと思うんだけど。。。という人がいたら、即答で「やめな」というだろう。 読む価値ゼロ。 桜木紫乃。。。ガッカリだよ

    0
    投稿日: 2021.03.10
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    芥川賞読んだ以来、久しぶりに手に取ったけど、こういう本を書く人でしたか。。 みんな優しくて、一生懸命で、潔くて、なんとも切ない。 元ストリッパーの話で、時々すごい描写もあるんだけど、艶かしくて下品さが無くて、私も『小屋』に行ってノリカのダンスを見たいし、瑞穂とみのりもダンスも見てみたい。 オガちゃんのタンバリンはグッときたなぁ。。 そして 何度も出てくる、 たらこバターとチーズわかめのおにぎりが食べたくなる。

    2
    投稿日: 2020.12.04
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    ストリッパーの物語ということで際どいシーンが随所に顔を出すけれどそれもスパイスとして凄みを増してくるのがとても不思議だった。 札幌の景色の描写がとても素晴らしく地元民としては震えてくるほどに感動。ダンサーふたりと凄腕のバーテンの絡みもたまらないしノリカさんの心意気をどこまでも追いかけていたくなるようなお話だった。桜木紫乃さんの作品でトップにランクインしたかも。

    3
    投稿日: 2020.09.29
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    久しぶりの桜木紫乃。 ベストワンと言いそうになるけど なんかもう一冊すごい好きなのあった記憶が。 でも間違いなく わたしの中の桜木紫乃ベストスリーに入る。 途中 胸が痛くなるほど切ない場面はいくつかあるものの 全体として明るい仕上がり。こんな明るい桜木紫乃は初めてかも。明るいというか 軽やかさを感じるというか。ある時期から描く世界に色がついてきたのは感じてたケド それが加速した感じかな。 まぁ 明るい中に 底無しの闇はあるけど 笑。 でも 明暗のコントラストというより もっと近い感じ。うまく言えないけど コントラストって わたしの中では 色相で言うと補色みたいに対極にあるイメージなんだけど これは明暗の差は激しいけど スポットライトの隣にある闇 みたいな。全然わかりやすくないか 笑。 オガちゃんのタンバリン 聞いてみたかった。 タンバリンって そんな上手下手があるとは知らなかった。でもタンバリン芸っていうくらいだからね なんか違うんだろうなぁ。 オガちゃんが店を訪ねてくるシーン いろんな意味で 涙なくしては読めない。 ファンってありがたいねぇ。 最後にオガちゃんのタンバリンで踊るノリカを見せられてよかった。お互いに最高のプレゼント。 熱海の静佳に会いに行ったシーンもほんと切なく 読み進めるのがツライほど。暗闇での再開。どんな強い気持ちで踊り終わるまで観てたんだろ。踊るほうも同じく。たぶんこれが最後になるだろうに 最後までコトバを交わすことなく。楽屋を訪ねることもなく。 こんなしんどい思いをしながらも ストリッパーとして死にたいって 強いなぁ。それほど 自分の芸に対して揺るぎない自信と愛情があるってことだろうね。 それにしてもなぁ スポットライト当てる照明さんは 胸が張り裂けそうだろうし 静佳ファンでないイチゲンサンがほとんどだろうアウェイな舞台で いきなりこれを見せられるって お客さん どんな気持ちだろ。酔っ払ってるだろうし 罵声のひとつも飛びそう。その場面さえ目に浮かぶようで胸が痛くなった。 なんでここまでって思いに戻っちゃうんだよ ぐるぐると。まさに凄絶。 そしてノリカ まさかストリッパーに戻るとはなぁ。 自分で踊りたくなっちゃったのかなぁ。 それとも わたしの居場所はやっぱり舞台ってことなのかなぁ。ここでもまたファンって有り難いねぇと。 あたたかいファンの気持ちに迎えられての復活。 ストリッパー冥利に尽きるね。 誰かを育てる元気がなくなっちゃったとしても またちょっと違うタイプの店にしていけば良くない? わざわざ そんな厳しい道を選ばなくても すごいバーテンダーもいるんだし。と思うわたしは甘いんだろうなぁ。 抜群にカッコいいオンナとオトコが出てくるって ほんと桜木紫乃変わったね 笑。前はほんと感情移入できない 嫌なひとばっかり出てきたもん 笑。 この5年後くらいの話が読みたいな。 ま かかないだろうケド。 ここで切なく終わるのがいいんだろうね きっと。

    21
    投稿日: 2020.09.10
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    実在の踊り子をモデルにした、元ストリッパーが主人公の小説。作者とモデルとなって踊り子との対談等が公開されている。(http://renzaburo.jp/contents_i/093-sakuragi/003/index.html)

    3
    投稿日: 2020.05.08
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    足を痛めて北海道に流れてきた元ストリッパーのノリカさん。若いダンサーを集めて、ススキノでダンスバーを立ち上げる。店を手配してくれた不動産店の営業マンは、実は銀座の伝説的バーテンダー。新しい人生は成功するのか? 

    1
    投稿日: 2020.01.24
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    元ストリッパー、フジワラノリカの第二の人生の物語!..って、元祖紀香にこれは許可を得ているのだろうか?それはともかく、これは好き。いつもうら寂しさを感じさせる桜木さんにしては、体温高め。怪我で引退したノリカは、新たにダンスシアターをオープンする。ポリシーは、店の踊り子は脱がせない、純粋たるダンサーに育てる。志願してきた若く才能のある踊り子・影のあるバーテンダー。珍しくほんの数摘、少女漫画的要素をたらしてリーダビリティを発揮。登場人物も皆好き。著者らしさと、新境地テイストのバランスが良い。著者既読上位入り!

    1
    投稿日: 2019.11.26
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    いつもはスラスラ読みやすい桜木紫乃だけど 今回はちょっとキツかったかな だけど、つい探して行ってみたくなるような その曲を聴いてみたくなる身近な感じはやっぱり好きだった あの後のノリカはどうなるのかな? みのりと瑞穂は幸せな人生を歩み始めたーとハッピーエンドっぽいのに、ノリカだけが抜け出せないところにいる様で‥ JINとの新しい展開が待っていたら嬉しい

    1
    投稿日: 2019.11.21
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    あのステージに 本当に戻らなければならなかったのかな? 師匠に再会するシーンで 終わって 良かったんじゃないかな

    0
    投稿日: 2019.10.20
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    桜木紫乃の作品を読むと、毎回「この人はこんな作品を書けるのか」と、驚嘆してしまう。 ストリッパーという特殊な(申し訳ないが、私がこれまで触れたことのない世界なので、特殊な、という表現を許していただきたい)世界で生きる女。 踊ることを一身に愛し、その世界を離れられない女。 妖美で、可憐で、悲しい。でも、潔い。 アスリートとか、芸術家とか、そういう題材と同じように、ストリッパーを捉えている。 狂おしいほど全身全霊をかけて愛し、そしてそれに一生を捧げる人の美しさと強さ、儚さをきっちり書いている。 決して、キレイな話、美談一辺倒としてはおわらせないところが桜木さんの冷静な目であり、でもその目はあたたかで、優しい。愛情を滲ませて、どうしようもない人間というものを書く。 読んで、引き込まれた。 『硝子の葦』と比べて、どちらかというとストーリー重視なのでぐいぐい進むのだが、その分人物像系はどちらかというとキャラクター的かな。 立体的に、人臭さが香り立つところまではいかない。 ドラマ的、映画的なのかもしれないな。 だから、荻原浩とか、原田マハ的な感じもそこはかとなくある。 そしてその点において、対局には『砂上』がある。 桜木紫乃の心象風景は、作品ごとにその景色と色合いを変える北海道の風景、そして女のどうしようもなさ。ひたむきさ、儚さ。そして美しさ。そしてどうしようもなく乾いた砂。 それらの絶妙で危うげなバランスが、きっと桜木紫乃の物語の世界を唯一無二のものにしているし、読者はそこに夢を見るのだと思う。

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    投稿日: 2019.09.23
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    ショーの最中に怪我をし、ストリッパーとしての人生を諦めたノリカは、ダンスショーをメインとした店を開くため、故郷札幌のすすきのに戻る。 寡黙なバーテンダーと二人の若いダンサーとともに一から店を作り上げる作業に心地よさを感じ始めていたノリカだが‥。 ダンサーを育てることに新たな喜びを見出していたはずが、ダンサーの成長を見守るうちにある葛藤が生まれる。自分の人生をもう一度見つめ直そうとするノリカ。 さまざまな人間の人生が、ノリカをあるべき場所に導いていく。

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    投稿日: 2019.09.22
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    厚さにしては要素が多く感じられた。 描き尽くされてない部分が多いような。 JIN周辺と瑞穂の扱いがちょっと雑? でもすきな作品。読みやすい。 自分は文章から匂いがしてくる作品がすきな傾向にあるが、たらこバターもチーズわかめも、「ダンスシアターNORIKA」の酒やタバコや香水の匂いも、小屋の黴の匂いも自然な生々しさで描かれていて好ましい。

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    投稿日: 2019.08.26
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    舞台上の骨折で引退を決意したストリッパーのノリカ。心機一転、故郷札幌で開く店で雇う、訳ありバーテンダーと二人の女性ダンサーとの出会いにより、再び彼女の表現者としての気持ちが昂る。踊り子たちの鮮烈な生きざまを描く長編小説。 解説で紹介された桜木さんのコメントがいい。ストリップという文化に深い畏敬の念を抱き、舞台と小説の世界の共通性を語る内容に共感を覚える。何事でも突き詰める者だけで分かち合える空気が心地好い。

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    投稿日: 2019.08.17
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    著者の作品はそこはかとない色っぽさが特徴と思っています。でも、この作品はそれを通り越してエロっぽく感じるのは、そりゃそうでしょう、ストリッパーがヒロインですから、題材によるものもあります。といっても桜木ワールドなんです、「へえへえ、こんなふうなんだ、この世界」という興味も大ありですが、ひとり、ひとりの自立した人間たちの生きる道筋があざやかに描き出されていて、どの辿る道も容易ではない、けれどもやりがいがあるのだってことはわかるでしょうと読まされるのはいつも通りです。それが応援・演歌調と言うのかもしれません。

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    投稿日: 2019.07.30
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    素直に書かれいてる人間臭さが好きだ。 いつまでもこの状況が続けば良いと思いながら、バラバラになってしまう登場人物に最後はエールを送る気持ちになる。 「誰にも約束された明日なんかなかった。だからこそ信じられる未来があった。」(p238)などの味のある文が散りばめられているところも魅力だ。

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    投稿日: 2019.05.28
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    浅草のロック座でストリップを見たことがあります。 本当に美しくて、同性がみても惚れ惚れとするまさに芸術的なものを感じました。 卑猥さがない、全身全霊で作り上げるあの空気感は忘れられません。 そういった鑑賞経験を持ってこの本を読むことができて本当に良かったと思える作品。 ストリッパーというもの、踊りに命をかける人がいる。 歓楽街に出入りする人の刹那的な出会いや、それぞれの事情がうまく隠れたり現れたりしていて、ひきこまれてしまった。

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    投稿日: 2019.05.04
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    桜木紫乃『裸の華』集英社文庫。 桜木紫乃の描く女性の多くは逞しい。この物語の主人公であるノリカもまた強く、逞しい。しかし、若さと老い、栄光と挫折、何故か残酷さばかりが際立つ作品だった。 舞台で足を骨折し、引退を決めたストリッパーのノリカは故郷の札幌でダンスショーを売りにした店を開き、店も軌道に乗り始めたのだが…… 僅かに光を感じる結末ではあるが、ハッピーエンドでは終わらないところが、正に人生そのものか。解ってはいるが、出来ればノリカには平穏な人生を歩んでもらいたかった。

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    投稿日: 2019.03.30