Reader Store
殺人者の顔
殺人者の顔
ヘニング・マンケル、柳沢由実子/東京創元社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

78件)
3.6
10
30
24
5
2
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スウェーデンという国家は社会的な福祉が充実しているが、一方で、高齢化や移民の問題を抱えているらしい。本小説が出版されたのは1990年なのだが、面白いくらいに、そして悲しいくらいに、現在の日本の状況と似通ってもいて別の角度から戦慄した。ミステリーとして見ると、さほど大きな驚きがあるわけではないのだが、北欧のドライで湿っぽい空気感と、淡々とした語りは魅力的。重苦しいのに口当たり良いのがいつも不思議なんだよな、北欧ミステリーって。

    5
    投稿日: 2025.07.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    フォローしている方のレビューを見て おもしろそう!と思ったヘニング・マンケルの警察小説。 シリーズものだということで、 まずは第一作目を手にとってみた。 スウェーデンの片田舎で起こる惨殺事件。 老夫婦が殺され、息のあった妻の最後の言葉は「外国の」 捜査に乗り出すのは42歳の刑事、 クルト・ヴァランダー。 この人を一言で表すと、ダメダメな奴。 妻には愛想を尽かされ出ていかれ、ストレスから体重が10キロほど増加。部屋は汚いし、お酒ばっかり飲んでる。リーダーシップは見せるものの、結構見当違いも多め。 何が一番嫌って、新しくやって来た美人の検察官に早々に目をつけ(夫も子どももいる、って言ってるやん)、 勝手に舞い上がり、愛の告白して迫って殴られ… わー、なんかもう最低。 全然事件に関係ないけど、そんな人が主人公。 ストーリーはなかなか読ませる展開で、 その時代のスウェーデンの社会問題が浮き彫りにされていて興味深かった。 同僚の刑事たちも味があって良い。 まとめて借りたので次作も読む予定。

    31
    投稿日: 2024.12.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スウェーデンの人気作、クルト・ヴァーランダーシリーズ第1弾。スウェーデンの片田舎を舞台に殺された老夫婦の事件を追う物語。起伏の幅は少なくはっきり言って地味ながらスウェーデンのお国事情が垣間にみえる。その世界観が北欧ミステリーらしくて良い。またヴァーランダーのどうしようもない性格がその暗い雰囲気とマッチしており真面目過ぎない空気感を出している。物語としての意外なツイスト、また淡々と事象を語る地の文も世界観がみられてよかった。

    6
    投稿日: 2024.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    星3,7です。スウェーデンの片田舎で起こった老夫婦の殺人事件を追う推理小説。中だるみがなくすごいスピードで読めた。訳者も上手なのだろう。  けど、事情があって途中、読書を中断したら登場人物が錯綜してしまって、少し困惑した。外国の本を読むといつもそうではある。けど、ストーリーはしっかりと頭の中に残った。意外な展開というわけでもなく、作中に頻繁に登場する人物が犯人という設定でもなかった。人間臭さのある刑事も良かった。んでも、旦那がいる女の人に「分かれて俺と一緒になってくれ」なんて…いけませんよ。ねぇ

    1
    投稿日: 2023.05.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    オリジナルのタイトル”Mördare Utan Ansikte”、どういう意味なんだろうと思って辞書を引いたところ、顔のない殺人者、という意味だった。 犯人はいて勿論『顔』がある。けれど、犯人をそうするように駆り立てたものーー国の制度、仕組み、移民問題ーーもある意味では『犯人(原因)』で、それには『顔』がない。……よな、とか考えたりした。 国が抱えている問題を軸にして展開される重厚な物語。読み終えた時の(いい意味での)疲労感。 ヴァランダーのシリーズをもっと読みたくなった。 しかし、クルト・ヴァランダー、プライベートがとことん行き詰まっているし、ひどい怪我をするし、急いでご飯食べたりして結構お腹こわしてるし……大丈夫か!?と心配になった。これで職場の人間関係がギスギスしてたら(辛すぎてとても読み進められなかった)……そうじゃなくてよかった。 父親の問題のくだり、それについて姉と話している場面はとても苦しくなってしまった。

    1
    投稿日: 2023.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    何年ぶりかの再読。スウェーデンといえば独自のコロナ対策であるが、私はそれは「老いたら死を受け入れる」というポジティブな死生観に裏打ちされたものだと思っていたけれど、本作での若い記者の発言「今日のスウェーデンで老人のことをかまう人間などいないということですよ」を読み、若干印象が変わった。移民問題がクローズアップされている本作であるが、サブテーマは「老い」と言っても良いだろう。〈死ぬのも生きることのうち〉。 人口890万人の国で(東京都は約1400万人)200万部を売れたのは、やはり移民問題への関心の高さの現れなのだろうな。我々日本人は遠い国のエンタメとして消費しているけれど、本国ではもっと重くデリケートな読まれ方をしていた(いる)作品なのではないかと思った。

    0
    投稿日: 2023.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カリスマレビュアーひまわりめろんさんのレビューを読んで物凄く気になった作品♪ 早速、図書館で借りてきました(;゚∀゚)=3ハァハァ 『刑事クルト・ヴァランダー』がいい味をだしてます ここからはひめわりめろんさんのレビューを引用させて頂きますm(_ _)m 『一言でいうと「情けない」 別れた妻に未練たらたらが、突然現れた若い美人の検察官も気になる、一人娘はかわいくて心配だが、どう接していいかわからずにおろおろする 父親の問題からは目を背けてぐずぐずして事態を悪くして、最終的には姉に頼る 奥さんにでていかれたとたんに食生活は乱れて太りだし、酒に逃げて失敗する もう!こりゃダメだ こんなんもう男なら舌苔に自分と重ねちゃうよ!w』 こんなレビュー見たら気になって読まずにいられませんよw けど、こんな情けないダメ男でも警察官として仕事はきっちりやり遂げるんですよ なので憎めないんですw(ただお酒は本当に控えた方がいいかも…) シリーズものということで、今後ヴァランダー刑事がどう変わって行くか追いかけてみたいです(たぶん変わらないでしょうけどw) あとは、鑑識の刑事で長年の友リードベリの今後も心配だ…

    28
    投稿日: 2022.12.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    北欧ミステリーは有名どころは読んでいる方なので ・グレーンス警部 ・特捜部Q ・ミレニアム ・その他警察モノなど なんというか北欧作品的なヤツ、というか警察モノのあるあるが揃ってる(この作品というかもっと前の刑事マルティン・ベックが元?) 当然ヴァランダーは離婚してるし、未練たらたら…子供は独立してるし親の介護もあるし 同僚は体が不調気味… 捜査では怪我ばかりして進展無し…なんともかっこ悪いのだけども、どうも嫌いになれない。 (もっと最低な刑事を見かけてるのもあるけど…) 事件自体は携帯電話やインターネット普及前の事件なので、劇的な展開やどんでん返しは期待せずに読み進めた。 平凡な農夫が何故とても残虐な方法で夫婦ごと殺されてしまったのかを追う。 追う中での主人公の内面に重点を置いてる。 (合わない人は合わないと思う。私は好き。) 土地の描写も寒そうで、読んでいる今の季節に合っていた。 ヴァランダーを"カッコよく"したのがマルティンベックらしいので、そちらも読み比べてみようと思う。 シリーズどちらを追うかはそのあと決める。

    26
    投稿日: 2022.12.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『殺人者の顔(原題:Mordare utan ansikte)』を読みました。 「アンナ・ヤンソン」の『死を歌う孤島』に続き、スウェーデン作品です… 北欧ミステリが続いています。 -----story------------- ●「関口苑生」氏推薦――「これは世界のミステリー史上においても瞠目すべきシリーズとなることは間違いない」 【CWAゴールドダガー受賞シリーズ/スウェーデン推理小説アカデミー最優秀賞受賞】 雪の予感がする早朝、動機不明の二重殺人が発生した。 男は惨殺され、女も「外国の」と言い残して事切れる。 片隅で暮らす老夫婦を、誰がかくも残虐に殺害したのか。 燎原の火のように燃えひろがる外国人排斥運動の行方は?  人間味溢れる中年刑事「ヴァランダー」登場。 スウェーデン警察小説に新たな歴史を刻む名シリーズの開幕! *第10位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/評論家部門 ----------------------- 本作品は、第1回ガラスの鍵賞を受賞した「ヘニング・マンケル」の処女作で、警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの記念すべき第1作、、、 意に反した離婚から立ち直れず、娘は家出し、老いた父親との関係もうまくいかず、不規則な食生活がたたって中年太りで、飲酒運転を同僚に見逃してもらったり、酒に酔った勢いで既婚の女性検察官にセクハラまがいの迫り方をしてふられるという、格好良くない中年の刑事「クルト・ヴァランダー」が主人公なのですが、その人間的に弱い部分に、何とも言えない人間味あふれる魅力があるんですよね… このシリーズ、愉しく読めそうです。 1990年1月8日、スウェーデン南部のスコーネ地方レンナルプ村に住む農家の老夫婦が何者かに襲われた… 隣人の通報によりイースタ警察署の「クルト・ヴァランダー」らが現地に到着すると夫「ヨハネス・ルーヴグレン」は既に死亡し、妻「マリア・ルーヴグレン」は瀕死の状態であった、、、 強盗の仕業と思われたが負った傷の状態から両者共に拷問を受けており、奪われた物も不明であった… 目ぼしい財産を持っていそうにない田舎に住む老夫婦に犯行の動機となりえるものがあるとは思えない中、重傷を負った「マリア」が「外国の」と言い残し死亡した。 被害者を縛っていた縄の特徴ある縛り方と外国人という手掛かりで捜査を進めようとした「ヴァランダー」と相棒の「リードベリ」は、外国人に対して人種差別的な反感を持つ一部の人々を刺激することを恐れて、外国人容疑者の線を伏せるが、この配慮は警察内部の何者かにより裏切られ、犯人は外国人という噂がマスコミに流れ、報道されてしまった… 国外から流入する外国人との軋轢を抱える社会情勢を知る「ヴァランダー」等は、不安な思いを抱えながらも捜査を続けるが、案の定、これをきっかけに移民排斥運動を強めようという不穏な動きが始まった、、、 「3日以内に老夫婦惨殺事件を解決しなければ、移民地区から死人が出る」という脅迫電話が「ヴァランダー」にかかる… その後、「マリア」の兄「ラース・ヘルディン」から、妻も知らなかった「ヨハネス」の一面に関する情報提供があり、その背後関係を調べている最中に移民の収容所が放火され、更には移民逗留所でソマリアから来た移民の1人が射殺され、「ヴァランダー」等は二つの事件を追うことになる。 車の音から犯行に使われた車種を特定したことをきっかけにして、ソマリア人の殺害事件を解決した「ヴァランダー」等は、再び、レンナルプ村の事件の捜査に戻る、、、 捜査を進めるうちに、「ヨハネス」が第二次大戦時にドイツ相手に密かに稼いだ巨額の資産や、愛人と息子の存在が明らかになるとともに、競馬好きの刑事「ハンソン」の情報から、息子の経済的な窮状が判明し、「ヴァランダー」は、その線を追うが… 真相究明のきっかけとなり、犯人特定の決め手となったのは、フレーニングス銀行の窓口担当「ブリッタ=レーナ・ボデーン」の素晴らしい記憶力でしたね。 結果的には、「外国の」というダイイングメッセージが、的確に犯人を指示していたことがわかるのですが… 「ブリッタ=レーナ・ボデーン」の存在がなければ迷宮入りしていたかもしれませんね、、、 スウェーデンの人口の約五分の一が移民、または親が外国生まれ、あるいはスウェーデンに帰化した外国人らしいです… スウェーデン社会が抱える、流入する移民に関する問題がテーマとして扱われていますが、現在では世界的な課題になっており、他人事ではないですね。 以下、主な登場人物です。 「クルト・ヴァランダー」  イースタ警察署の刑事。主人公 「リンダ」  クルトの娘 「モナ」  クルトの元妻 「クリスティーナ」  クルトの姉 「ステン・ヴィデーン」  クルトの旧友 「ヘルマン・ムボヤ」  リンダの恋人 「リードベリ」  イースタ警察署の鑑識担当刑事 「マーティンソン」  イースタ警察署の実習中の巡査 「トーマス・ネスルンド」  イースタ警察署の刑事 「ハンソン」  イースタ警察署の刑事 「スヴェードベリ」  イースタ警察署の刑事 「ビュルク」  イースタ警察署の警察署長 「エッバ」  イースタ警察署の交換手 「アネッテ・ブロリン」  イースタ検事局の新任検察官 「ユーラン・ボーマン」  クリシャンスタ郡警本部の刑事 「ヨハネス・ルーヴグレン」  農民 「マリア・ルーヴグレン」  ヨハネスの妻 「ニーストルム」  ルーヴグレンの隣人夫婦(夫) 「ハンナ」  ルーヴグレンの隣人夫婦(妻) 「ラース・ヘルディン」  マリアの兄 「ブリッタ=レーナ・ボデーン」  フレーニングス銀行の窓口担当 「アニタ・ヨアンソン」  主婦 「マルガレータ・ヴェランダー」  美容師 「ニルス・ヴェランダー」  マルガレータの息子 「エレン・マグヌソン」  薬局勤務 「エリック・マグヌソン」  エレンの息子 「ルネ・ベルマン」  元警察官 「ヴァリフルド・ストルム」  ルンドの男

    0
    投稿日: 2022.12.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    また、新しいシリーズに手を出してしまった とっ散らかった本棚だ 一人の作家さんや、一つのシリーズを集中的に読むということが出来ない たまに変な決意の元にそんなことをしてみると、しばらくその作家さんに手を出さなくなったりする うーんやっかい(自分で言うな!) さて今回手を出したのは『刑事クルト・ヴァランダーシリーズ』 なんとデンマークのミステリーでイギリスでドラマシリーズが放送されていたという代物 そしてこの刑事ヴァランダーが良い! 一言で言うと「情けない」 別れた妻に未練たらたらたが、突然現れた若い美人の検察官も気になる、一人娘はかわいくて心配だがどう接していいかわからずにおろおろする 父親の問題からは目を背けてぐずぐずして事態を悪くして、最終的には姉に頼る 奥さんに出ていかれたとたんに食生活は乱れて太り出し、酒に逃げて失敗する もう!こりゃあダメだ こんなんもう男なら絶対に自分を重ねちゃうよ!w だけど警察の仕事は真面目にコツコツ諦めずに犯人を追い、仲間と協力して証拠を積み重ねて行く 猛烈な忙しさの中でも休まず働き続ける うーん、仕事に逃げてるなw 多くの男たちにとって「刑事ヴァランダー」は「自分」なんじゃなかろうか?ほんとは目を背けたくなるようなだらしない「自分」だけど、そこそこ真面目に頑張ってそれなりに成果をあげたら誇ってあげたい「自分」 そんな「自分」を追って、このシリーズも読み続けていきましょうか

    48
    投稿日: 2022.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スゥェ-デン南端のバルト海に面した田舎町イースタ。この警察署の中年刑事(クルト・ヴァランダ-)を主人公とする警察小説シリ-ズの開幕編。 国外から流入する難民や外国人労働者への過激な排斥運動が渦巻く中、 凄惨な殺人事件の被害者が言い残した「外国の」。 この一言が捜査陣を攪乱させ、紆余曲折の展開から意表を突く結末まで、一気読みの北欧ミステリの傑作。刑事クルト・ヴァランダ-は、妻との離婚、娘の家出、父親との確執に苦悶しながら、冷酷な犯罪に怒りをぶつける人間警察官としての人物像に魅力を感じる。

    7
    投稿日: 2022.11.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    スウェーデンの警察小説である『クルト・ヴァランダー』シリーズの第1作。 凄惨な殺人事件の謎を追う警官クルト・ヴァランダーが主人公なのだけれど、起こること起こること(事件関係でもプライベートでも)泣きっ面に蜂が続き、同情を禁じ得ない。次々に事件は起こるし、上司は不在だし、操作情報を外部に漏らす部下もいるし、家では離婚、娘との不和、老父の精神不安定、中年太り、アルコール依存、古い友だちには邪険にされ、新しく出会った人妻にも相手にされない…。お世辞にもスマートとは言えないクルトだけど、事件に関しては(何度も失敗しながらも)「しぶと」く「絶対に放り出さな」い姿に、よれよれながらも応援したくなる。 胸のすく謎解きのカタルシスはないけれど、事件が終わった後の警官たちの語りに、静かな感動を覚える読後感だった。

    2
    投稿日: 2022.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    池袋・梟書茶房で出会った本。 (全ての本にカバーが掛けられて売られており、あらすじで本を選ぶ体験かできる本屋) スウェーデンのこと、知らないんだなと気づかされた一冊であった。ミステリーとして面白かったが、スウェーデンの地理、移民を積極的に受け入れている政策などを知ったうえで読んだら、もっと面白かったし、違う読後感だったのかなと思う。

    0
    投稿日: 2022.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子どもが今北欧言語に凝っていてヘニングマンケルを読みたいと言っていたので読んでみました。 30年前のスウェーデンの社会情勢は読んでいてちょっと辛くなったけど最後は結構面白かったな。シリーズ全部読んでみよう。

    4
    投稿日: 2022.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     スウェーデンのミステリー作家ヘニング・マンケルの''ヴァランダー刑事''シリーズの初刊です。現在邦訳作品は、創元推理文庫から12作発表されてます。  ヴァランダーは、スウェーデン南部(胡蝶蘭の様に垂れ下がった島がスウェーデンとしてその先っぽ)のスコーネ地方のイースタという小さな街の警察署の刑事です。  事件は、イースタの西にある田舎町の農夫が隣家の友人農家宅で人が死んでいると通報が有った。隣人の農夫は惨殺されその妻はロープで首を絞められていた。犯人は強盗目的と思われるが、老夫婦には狙われる様なお金は持っていなかった。  容姿は中年のそのままで趣味はクラッシックオペラ、妻からは離婚を宣言され別居中で未練タラタラ、父親は痴呆症、娘も寄り付かない悲惨なプライベートだが、捜査に手抜きは無く不眠不休で犯人を探す執念は凄いヴァランダー刑事。  惨殺された農夫は戦後、闇の商売や違法な商売で相当の金を蓄えた上に絞殺された妻以外に子供を産ませた女が居る事が判明した。金目当ての犯行か、  この事件は1990年に起こった設定です。既に難民(ポーランド等の東欧)流入が社会問題化しており、田舎町イースタでも例外でなく大きな問題だった。この物語はスェーデンの難民問題を背景に様々な事件が発生し難民もスェーデン人も加害者であり被害者なのだ。  スェーデンは日本の1.2倍位の国土に1,000万人が暮らしてます。分母が小さいのに積極的に移民受け入れをし首都ストックホルムでは人口の2割が移民で人種の坩堝と化してます。  本作では、難民、移民を排斥するとか受け入れるとかの政治的な話題は一切有りません。  派手さは無く淡々と物語は進行しますが、駄目な中年ヴァランダーから目が離せない面白さが有ります。

    0
    投稿日: 2021.09.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    名推理があるわけでもなく、見込み違いや捜査の停滞もあり、ザ警察小説という感じ。特捜部Qシリーズが巻を追うごとに長く、筋の事件と関係ない事件やエピソードが増えて食傷気味になってきたので、今度はこちらに期待しよう。

    0
    投稿日: 2021.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あーいやだ、いやだ……。 いやになるほどの孤独な中年男性の生活。 出て行った妻へたたみかけるように詰問する姿、前頭葉の老化による感情コントロールの低下に刑事という職業の癖が加わり相手を不快にする……そりゃ逃げるわ〜。 そのくせ、「褐色の女性」との妄想や、女性検察官へのちょっかい……。 妻や娘のことも、父親のことも、逃げるようにしてお酒に埋没したり、お腹ができたことを気にしながら、サラダをいやいや食べる姿など、ゾッとする。 数十年会ってない友人に突然しつこく電話したり、慌てて隠れた時にぶつかった怪我も「殴られた」とうそぶく……。 いったいこの人のどこが良いのか? ところが、読み進めていくうちに不思議なリズムが出てきて、次第にこの主人公と「共に居る」ような感覚に陥ちてゆく。 その結果、「シリアスなドタバタ感」という奇妙な面白さが生まれ、なんだか愛おしくなってくる。 私は、結構好きだと思う。

    2
    投稿日: 2021.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一冊も読んだことが無いのに本屋さんでずらっと並んでいる背表紙を何度も見ていたせいか作家のフルネームと『白い雌ライオン』というタイトルが記憶に残っていたシリーズ、知人の読書家に「すごーく面白い」と聞いたのと、最近北欧の作品を固めて読んでいることもあり遂に読み始めました。日本語版発売から20年経過していますが、自分が主人公ヴァランダーの境遇や感情を理解しやすい年齢になっているので今のタイミングで読んで正解でした。移民の問題や制度が目指したものと実際の運営状態の解離、都市部と農村部の違いなどが、衝撃的な事件とその捜査の合間に丁寧に語られます。中年刑事の常?としてヴァランダーは妻に捨てられて惨めで荒んで、食生活は乱れ不健康に太っているものの、刑事としての矜持と勘をもって諦めずに捜査にあたります。記者会見用の原稿を書いたり捜査のシフトを組んだり引継ぎ報告書を書いたりという他の作品ではあまり見られない刑事の地味な仕事ぶりも出て来たのが新鮮でした。内容が濃い割には短く、スッと読めました。完結しているシリーズなので一気読みが出来るのが嬉しいです。

    1
    投稿日: 2021.04.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ヴァランダー刑事シリーズの一作目、読もう読もうと、思いつつ、やっと読み始めてやっぱりはまった❗ これは、シリーズ全部読むやつ!!嬉しくて楽しみ! 移民問題、離婚、子供の問題、親の問題、etc.そりゃもう、事件だって重ねて起こるし、彼(主人公)と、共にどっと疲れるけど、人間の日常って、やっぱり綺麗事だけではないもんね。 さぁ、何処迄も一緒に解決して行きます!

    0
    投稿日: 2021.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     ヘニング・マンケルの本を生前一冊も読んでいなかったくせに、昨年読んだ、ノン・ミステリー、ノンシリーズの単独作品『イタリアン・シューズ』の書きっぷりが一発で気に入ってしまって、ついにはまり込んでいる最近である。  訳者の柳沢由美子さんは、アイスランドのやはり小説名手であるアーナルデュル・インドリダソンの作品のほうで、その名訳に唸らされていたので、マンケル作品でも信頼が置けて、ぼくには心地のよい日本語文章としてすんなり入ってゆけるのだ。北欧ミステリーで目立つ自然描写や季節変化については、やはりこの人の訳が一番空気感を味わえると思う。  さて、刑事ヴァランダー・シリーズは海外ドラマとしてもプライムやWOWOWなどで楽しむことができるので、ぼくはそちらを先に体感してしまった口なのだが、先にシリーズの最終作を先日読んだばかりということで、時間をかけても一作目から順番に読んでゆき、その後にまたドラマを見ることで二重三重の娯しみを期待している。  本作は、シリーズのスタート作として相応しい、非情なまでのバイオレンスと、当時スウェーデンの抱える移民問題と外国人排斥の不穏な動きなどの社会的環境とを見事にクローズアップさせる捜査シチュエーションの中で、例によって主任捜査官としての刑事というだけでなく、ヴァランダーが個人として抱える家族や恋愛の物語をも軸にしつつ、語られてゆく。  万能ではなくむしろ弱さだらけのように見える人間主人公の個としての人生物語と、複数の事件捜査が併行して語られる。込み入って取り散らかされたような、彼の時間をきめ細かに追いつつ、事件にもスピード感を持たせるという語り口が、本シリーズの際立った特徴なのだろう。ヴァランダーの持つ長所も欠点も、どちらも物語に付随する問題として読者は付き合っていかざるを得ないのである。  複雑に関係する二件の事件。その裏側を読み解く愉しみに加えて、ヴァランダーは娘リンダの不安定と、高齢によるアルツハイマーが疑われ始めた父親の環境変化、己の孤独とその対策、等々、読者の側とも共有できそうな多様な問題に解決を与えてゆかねばならない。だからこそ刑事ヴァランダーは人間ヴァランダーなのである。  ページを繰り始めると次々に彼を襲う多忙な出来事に悲鳴をあげたくなるくらい、彼も読者も多忙になる。最終ページを閉じてほっとするこの瞬間の満足度は、いったい何だろう、ヴァランダーと一緒に、すべてを解決してゆこうとする疲労、その対価であるカタルシスが、どうやらこのシリーズには仕込まれているらしい。  まだ一作目。本シリーズを楽しむ時間はこれからまだまだたっぷりある。

    12
    投稿日: 2020.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    1990年代のスウェーデンが舞台の刑事ヴァランダーシリーズ第1作。 一応ミステリー小説にカテゴライズされるのだろうけど、これミステリーじゃない! 殺人事件の捜査が柱にありつつ、謎解きがメインじゃない人間ドラマ。 登場人物たちの内面の葛藤や生活、そして事件捜査としての"自分の仕事"に対する姿勢がとても魅力的。 ヨーロッパらしい自立した考えの大人が議論を交わす形で社会的背景と国家の問題を印象深く盛り込んでもいる。過激な思想の押し付けがなくスマートなので、余計に考えさせられる。 翻って、アクションシーンはハリウッド映画も真っ青の大迫力! ミステリーの概念吹っ飛んだ。 これまで読んできたミステリーはアメリカが舞台のものばかりだったので、北欧というのもとても新鮮だった。

    5
    投稿日: 2020.09.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    クルト・ヴァランダーシリーズ第1作。 順を追わずにいくつか読んでいるこのシリーズだが、未読作品も読んでみたくなり手を取った。 クルトの私生活描写が生々しい。奥さんに愛想をつかされ、娘には異国の恋人ができ(それを知らされず)、乱れた食生活で太り、酔っ払い運転で部下につかまり、酔った勢いで美人女性検事の腰を抱きかけてどつかれ…、なんという駄目っぷり。 認知症気味の父親とのぎこちないやりとりや、その父親の今後を姉と相談するシーンなどは、駄目なわけではないが、高齢者福祉社会に住む中年男の悲哀感もたっぷりで、妙なところに親近感がわく。 でも仕事になると、猛烈に働くねんなぁ。決して天才肌の名探偵ではないが、綿密にしつこく念入りに事件を捜査し、決して諦めない。行き詰ろうと、迷宮入りしそうになろうと、予測が外れようと、その場では落ち込んで苦しんでも、執拗に粘っこく解決への糸口を探す。 そんなモーレツな業務をこなし、わずかなプライベート時間を家庭の諸事と酒と美人検事にちょっかいかけることで潰してしまうクルト。過労死するんちゃうかと心配になる。 と、本筋から外れた楽しみもできる本作だが、もちろん警察小説としても読み応え十分。ミステリーという意味では、謎解きが弱く、どんでん返しも荒っぽいが、犯罪捜査に取り組む警察の描きっぷりは見事である。 なるほど、これはシリーズ化するはずで、この後傑作も生まれるわけだ、と納得のシリーズ第1作だった。

    1
    投稿日: 2020.08.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    意外な展開を期待してたのでちょっと物足りない。。 携帯がない時代の刑事は大変だな。 何故残虐な殺され方をしたのかがスッキリしない。 怨恨の線を匂わせてたけど結局お金のありかを拷問して吐かせたってことなのか。 次作も読むかは迷う。

    0
    投稿日: 2020.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    刑事ヴァランダーシリーズ第一作目。北欧発の作品だけあって、移民政策に排斥運動といったデリケートな社会問題に鋭く切り込んでいるが、テーマが先行し過ぎて警察小説としては些か盛り上がりに欠け、作中での問題提起も突発的で散乱しており、まだどうにもこなれていない印象が強く残る。展開そのものはスピーディーで読み易いが、単巻でこの情報量だと上下巻のシリーズ後作は一体いかほどの密度だろうか。直情的なのに内省的なクルトのキャラクターは面白いし、イースタ署のチームワークも見所だが、このシリーズを追うべきか否か未だ目下思案中。

    0
    投稿日: 2020.04.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    クルト・ヴァランダー刑事シリーズの第一作。もうこのシリーズは完結している。順番に読まなかったのはよくないかな、と思っていたが、ヴぁランダーを取り巻く人たちとは、初めて遭うのではなく既におなじみになっているのもちょっと嬉しかった。 スウェーデンのイースタでは滅多に起きないような、残虐な殺人事件の通報があった。 人里はなれた老人家族が住む二軒の家、そのうち一軒で老夫婦が襲われ夫は死に妻は重症だった。妻も助からない状況で「外国の…」と言い残す。 隣人からみても、日ごろから地味て堅実そうに見えたというが、亡くなった夫には秘密があった。「外国の…」を手がかりにヴァランダーと長年の友人リードベリは捜査を開始する。 「外国の…」を裏付けるように現場の綱の結び方にも特徴があった。そして事件はスコーネの、バルト海に面した湾岸にある難民の居留地につながる。政府は海外から来た人たちを受け入れられたものの、人々は職場にも恵まれず極貧生活を強いられていた。 殺された夫婦も、外国から来て住み着いたらしい。そういった背景と、殺人事件を結ぶ糸から、犯人を割り出していく。 車の音から車種を言い当てる特殊な能力を持った人を見つけだす。ヴァランダーが自分のプジョーも走らして当てさせてみる所など稚気があっていい。 彼はごく普通の冴えない男である。別れた妻にいつまでも未練があり、それなのに気に入った女性を見かけるとついお茶にでも誘いたくなり、あれこれと想像する。娘にも会いたい、その上事件が起きてもうまく解決できるかというようなことでいつもうじうじと悩んでいる。 だが彼のやる気は天啓のように謎を解く鍵に気づくことがある。そう言った直感とは別に変わったことではない、常に思いつめ、捜査に悩んでいることから我知らず導き出されたものなのだろう。 その熱心さが、危険も顧みず犯人を追い詰め、半死半生の目にもあう、過激なアクションシーンを演じることもある。 彼を取り巻く環境や人々も細かく描写され、今風でないタイプの警官だけれど、何か親しみがわく、警察内でも東洋的な人情など人との結びつきが優しく感じられるのも親しめる要因かもしれない。 作者のヘニング・マンケルさんは昨年なくなったそうだ。感謝とお別れを

    1
    投稿日: 2020.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うーん、あんまりおもしろくなかったな。 シリーズものだけど、他のは読まないかな。 主人公に魅力を感じられなかった。

    0
    投稿日: 2018.05.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    12月-8。3.0点 老夫婦が惨殺される。妻は死亡前に「外国の」と言い残す。 等身大の刑事、ヴァランダーが捜査に。 元妻に未練たらたら、娘は問題児。 地道な捜査で、犯人逮捕。 次作に期待。

    0
    投稿日: 2017.12.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    楽しめた。残念だったのは自分が馴染みのない土地のせいで主人公が移動する時の距離感が掴めなかったこと。ところで主人公はすぐにベッドに横になるがシャワーを浴びることはないのか。(笑)

    0
    投稿日: 2017.11.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    描写が細かいからなのか、途中からだんだん読むペースが落ちてかなり読むのに時間がかかりました。事件本質よりも人間性とか人間関係が多かったのが私にはちょっと退屈だったのかもしれません。しかも事件のオチも何だかモヤモヤ。同シリーズの続きを読むかは検討中です。

    0
    投稿日: 2017.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    無骨で飾らない文章だが だからこそストレートに 心に響く 犯人設定より たどり着くまでの描写が 味がある じっくり読みたい方 オススメ というか ヘニングマンケル めちゃファンです!

    0
    投稿日: 2017.01.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    刑事ヴァランダーの原作本ということで。 中年でダメダメな男性刑事というキャラは日本の小説でも最近はとくに珍しくなくなったと思うのですが、これは男の駄目さの描写が素晴らしい。女の私が読んでも、仕事と家族に悩む中年男性の疲れが胸に迫ります。 イアン・ランキンのリーバスよりも、地に足のついた疲れ方(?)っぽい。 しかし老夫婦の惨殺事件、移民の殺害事件、どちらも難しいものを、逃げ出さず放り出さずに取り組む姿だけでヴァランダーが信用するに足る人間だと読者には実感できます。 終盤、彼は大事な刑事仲間をじわじわと失っていくのですが、その部分が良かった。大事な人を亡くしたことがある人ならば、ヴァランダーの喪失感をトレースして落ち込むかも。あそこだけでもマンケルの筆に満足です。

    0
    投稿日: 2016.11.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スウェーデンの警察小説だが、内容的には捜査活動よりも主人公の内面(離婚したて、やや不摂生)に重心を置いている

    0
    投稿日: 2016.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    世界で最も福祉政策が充実し、幸福度も高いと言われる北欧だが、ミステリ作品の中では、他の国と大して変わらないシビアな現実を抱えている様子が描かれる。ヴァランダー警部の第1作がすでに数十年前の作品ということにびっくりするが、起こる犯罪とその背景にある社会問題は現在も解決しておらず、そのせいか大筋で古さを感じさせない。先日、欧州で自警団に対する懸念が広がっているという新聞記事を読んだので、このシリーズを思い出した。たしかシリーズ中にそんな話があったような。機会があれば読み返してみたい。

    0
    投稿日: 2016.01.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    じっくり、ゆっくり読むと、より味わい深くなる物語かな。 確かに本筋の事件解決についてはあっさりでしたが、それ以外の話がいろいろあり、また移民問題についても今後の日本の未来に直面する問題なのかなと、勉強になりました。 次のシリーズも読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2015.11.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    BBCラジオで著者が亡くなったとの報道があった。全く名前も、このシリーズも知らなかった。Amazonに頼んだら当日届いた。スウェーデンを知らない。推理小説、刑事小説、ミステリと言ったジャンルを全く読まない門外漢です。 刑事の現実の苦労、焦燥に反して残りページ数が限られて来ればいずれ解決するのだろうと思わざるをえない。到達するべき点があるとして、作者の苦労であちこちに引き摺り回されて、こちらも苦労してあちこちスタンプラリーのように落としておいてくれたプロットを拾いながら引き摺り回された挙句、その初めから決まっていたゴールたどり着く過程が、徒労としか思えないのです。なのでこのジャンルには近づかない。趣味も目的志向の呪縛からは逃れられない。 なのに妙にしっくり来ましたよ。奥さんが男つくって出て行く。娘との断絶。父親の老い。肥満、アルコール依存。自身の正義感への自信のなさ。同僚とのぎこちない信頼感。無茶、ヤケのような、自分を励ますためだけのような恋。スウェーデンと言う知らない土地の肌触り。冷たく湿っていて少ない光。なんかしっくりくる。彼が聞いているオペラを集めてみようと思います。シリーを読むかは未決。時はまさにMigrants Cricis。スウェーデンの政策を尊敬していましたが、そこにあるリアルな心情も少し理解できたかも。

    0
    投稿日: 2015.10.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    期待したシリーズだけれど、正直途中が退屈だった。 北欧に漂う様々な社会問題の一旦を垣間見ることができるが、続けて北欧ミステリーを読んできたので少し辟易気味。何もかもがうまくいく理想国などないことを痛感させられるのは少しばかり辛い。

    0
    投稿日: 2015.08.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    不勉強でスウェーデンに深刻な移民問題があることを知らなかったけど、警察小説として楽しく読めた。 主人公のクルトは仕事はできるものの、妻とは離婚、娘にも見放され、父親は認知症の症状が出始めている。 おまけに気になる美人検察官は既婚者で酒を飲んだ挙句に大失敗もしてしまうのだけど、そのダメっぷりが人間くさくて良かった。 翻訳の文章が少し固いのが気になるけど、キャラは好きだから続きも読んでみたい。

    0
    投稿日: 2015.01.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリとしてはそこそこ。 けれども、主人公の造形が気に入った。 父親の介護問題を抱え、別れた妻に未練たらたら、年頃の娘とはしっくりいかない、旧友との仲もぎくしゃく。思いつめて(?)、魅力的な女性検事についセクハラに及ぶ中年刑事。 そんな等身大(ただし最近お腹が出ている)のアンチ・ヒーローにもただひとつ残されたものがあって、それは正義心。 憂鬱な北欧の冬空の下、人生には倦みつつも、正義感に衝き動かされ、陰惨な殺人事件の捜査に(中年男の人生のしがらみに寄り道を余儀なくされながら)邁進する。 脇役刑事たちの個性も光っているし、なにより、主人公と同僚刑事たちのチームワークがいい。 一大シリーズだそうな。続編も楽しみ。

    0
    投稿日: 2014.12.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終えるまで随分と時間が掛かった。 移民問題を抱えたスウェーデン社会を背景に、老夫婦の殺害事件を捜査するくたびれた刑事を描いたストレートな警察小説ではあるのだが、いかんせん地味過ぎる。真犯人に辿りつく切っ掛けが、ある特殊能力を持った人間のおかげであることも釈然としないし、何よりも冴えない主人公に魅力を感じられなかった。 テーマの掘り下げ、刑事群像、主人公身辺のドラマ、中途のサスペンス、クライマックスに向けての盛り上がり方、味わい深い文体、など全てに於いて物足りなさを感じた。 そもそも、なぜ老夫婦は残虐に殺されなければならなかったのか。 第1作以降、どんな成長を遂げているかは知らないが、続けて読む気は起こらない。 流石に、マルティン・ベックシリーズと比べるのは酷でしょう。

    0
    投稿日: 2014.11.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重苦しくて陰鬱な雰囲気はスウェーデンのサスペンスらしくて良かった。 ただ犯人がちょっと拍子抜けだったような。。。 スウェーデン国内で人気のあったシリーズらしいので、次作以降に期待。 これも十分面白かったけど。

    0
    投稿日: 2014.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    北欧のミステリー、クルト・ヴァランダーシリーズの第1作目。紹介されたので今後このシリーズは読むつもりです。 さて、事件そのものは割とすんなりちょっとあれ?っと思ってしまうほど。 クルト・ヴァランダーの情けない日常と対比するほどに鋭く冴えた刑事魂、そこら辺がこのシリーズの着眼点かな?それともこれからだんだん魅力を増してくるのかな。

    1
    投稿日: 2014.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    <クルト・ヴァランダー>シリーズ1作目。 冴えない中年の刑事がズタボロになりながら犯人に向かっていく…ダイ・ハードのジョン・マクレーンを彷彿させるような展開に(スケールは随分違いますが)つい夜更かしして読了。事件そのものは少し肩すかしだが、主人公の魅力(?)で読ませてしまうのかな。シリーズ読んでみます。

    0
    投稿日: 2014.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    テレビ化されたので、原作を読んでみた。奥さんと離婚して未練タラタラ、その上酒に逃げたり。。。でも、警官としての腕は確か。ただ、捜査の展開がちょっとスピードに欠けて、途中で中だるみ。クライマックスもなんか呆気なく犯人が見つかったりで、ちょっと残念。

    0
    投稿日: 2014.03.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スウェーデンの社会問題を痛烈に批判したミステリー小説。 主人公は、世にいうヒーローとはかけ離れた失敗ばかりの冴えない中年の刑事であり、読んでいて不安でしかない。 またクライマックスも、盛り上げりに欠けていて非常に後味が悪い。

    0
    投稿日: 2014.02.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    妻との不和、子供の独立、なりかけのアルコール中毒、これぐらいまでは、 ハードボイルドや刑事ものにはありがちの主人公なので良いとしよう。 しかし、これに、父親の老化、部下の病死まで、盛り込むのはちょっとやり過ぎでは。 捜査が地味で、解決まで時間がかかるのも、リアリティなのかどうか、よくわからない。 まあ、マルティン・ベック・シリーズと良い勝負の盛り上がりの無さ。

    2
    投稿日: 2013.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ケネス・ブラナーでドラマ化した刑事ヴァランダーの一作目。ヴァランダーが相当かっこ悪くてダメで、とても心優しくて、でもダメで、超人的でもなんでもないところにすごく感情移入をしてしまう。やっぱり刑事役ってかっこよかったりすごい美人だったり頭がすごく良かったりで、とてもかけ離れていることが多いから。こういうどうしようもない題材を扱う時は、やっぱり等身大の主人公がいい。北欧ミステリブームにやや遅れて読んでいるけれども、やっぱり出来がいいと思う。

    0
    投稿日: 2013.06.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スウェーデンの警察小説。主人公のクルト・ヴァランダーが離婚されるわ、酒で失敗するわ、怪我だらけになるわで、とにかく格好悪い(^^;;。その格好悪さがつい応援したくなるような。。。事件はスウェーデンの移民政策がややこしく複雑なものにしている。難民をほとんど受け入れない日本もある意味問題だけれど、誰かまわずどんどん受け入れる国も問題を抱えている。そんな背景が知ることができる社会派な面もあり面白く読めました。

    0
    投稿日: 2013.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    図書館で。 スウェーデンの作品ってあまり読んだことないなあと思ったのですが近頃ミレニアムとかもベストセラーになりましたね。そういえば。 警察の捜査ってこういう感じなのかなあと思いながら読みました。一つ一つ状況から手がかりを探して容疑者を確定していく。実に地道な作業なのでしょうね。大変だな。そして難民・移民の受け入れと言うのも難しい問題なのだろうと思います。困っている人を受け入れたいという気持ちはあるだろうけれども現実に失業率が上がり、治安が悪くなるとつい外国人を諸悪の根源のように思ってしまう。理性と感情はなかなか上手く折り合いがつかないものだなあと思いました。面白かったです。

    0
    投稿日: 2013.04.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    3.31読了。 離婚され、苛立った、中年の刑事の造型がいい。老いた画家の父親は呆け始めている。信任の美人検事に恋心を抱くが、請求に迫ってはねつけられる。 なにもかもが、うまくいかない。 なにもかもがうまくいかない多くのおじさんたちは、そんな情けない主人公に共感するだろう。ぼくももちろんそのひとり。 それでも、後半で、癌を抱えていることがわかる相棒にいい刑事だと褒められもする。けっして手放さない、あきらめないから、と。 改行が多く、サクサクと読ませる。なかなかのページターナーっぷり。 これはシリーズが楽しみだ。

    0
    投稿日: 2013.03.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スウェーデンの地方都市を舞台とした警察小説シリーズ第一作。片田舎の老夫婦惨殺事件と移民排斥運動。主人公のヴァランダー刑事(とその同僚達)の人間味あるキャラクター。警察小説としての醍醐味。物語の背景にある"現代社会はどんどん悪くなる"という重いテーマ。シリーズ全九作ここに開幕。

    0
    投稿日: 2013.03.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    派手なトリックなどはないが、地道に捜査していく様子を丹念に描かれた作品。 事件の捜査に社会問題も描かれていた。 主人公はスマートなタイプではないが、そこが愛着を持てる。

    0
    投稿日: 2013.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鋭い推理の冴えで事件を解決するわけでも、激しいアクションがあるわけでも(まったくないともいわないが)ない。むしろほんとに地道にこつこつと捜査をすすめて、ああ、こっちの線は消えた、じゃあこっちを追っかけてみるか、みたいなリアリティがすごい。主人公のヴァランダーもこれまたやたらリアルな中年のおっさん刑事。妻と別れ、娘は思うようにならず、父は日々老いて認知症の気配もあり。その日々の現実がひしひしと身に迫ってくる。でも重苦しいかというとそうではない。圧倒的なリーダビリティーと(これは原作だけでなく翻訳の功績も多)たくまざるユーモアで、ページを繰る手が止まらない。作品が多いので一気に読破というわけにはいかないけれど、少しずつ楽しんでいきたい。

    0
    投稿日: 2013.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登場人物多いのでぎりぎりまで犯人は分かりませんでした。ちょっと期待しすぎたかも。とりあえず次の巻も読んでみます。

    0
    投稿日: 2013.01.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    1990年のスウェーデン警察小説。田舎で起きた殺人を長期にわたって捜査。主人公は中年の刑事。それが全然格好よくない。離婚から立ち直れず、ストレス太り。娘には心を振り回され、美人検事が来ただけで舞い上がる。特に面白かったのが、犯人だと目星を付けた男のあとをつけた場面。とっさに身を隠そうとしたが、額を地面にぶつけ、たんこぶが裂けるという…。コント?「血で前が見えない」みたいな表現がありました。 でもぐいぐい読めたので、1990年代のスウェーデン港町の様子が知りたいときは続きを読む。

    0
    投稿日: 2013.01.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公がスーパーマンでないのが一番の魅力。妻に逃げられ、親の介護に悩み、犯人と思しき人物には殴られる。少し古い小説なので時代を感じる部分もあったが、それでも十分楽しめた。周囲の同僚の書き込みがもう少し欲しい気がしたが、田舎町の平和な空気が作品全体を落ち着いたトーンに仕上げている。最後に登場する元船乗りと言う融通のきかないラーソンなる人物にニヤリとした。

    0
    投稿日: 2012.11.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ヴァランダー刑事登場の第1作。 「静かに暮らしていた老夫婦を、誰がかくも無残に殺害したのか。ヴァランダー刑事を始め、人間味豊かなイースター署の面々が必死の捜査を展開する.燭光が見えるのは果たしていつ・・・? マルティン・ベック・シリーズの開始から四半世紀、スウェーデン警察に新たな歴史を刻む名シリーズの幕があがる!」 テレビドラマ化されたスウェーデン版とイギリス版を見てから読み始めたヴァランダーシリーズ。やはり原作のほうがはるかにおもしろい。 テレビドラマでは「スウェーデン警察クルト・ヴァランダー」のほうが原作に忠実でスコーネ地方の生活臭が嗅げる。ベルイマン流の仕上げに交換がもてる。ただDVDでは発売されていないのだろう ケネス・プラナー版はメジャー級、評判はすこぶるいい。ただ美しすぎるのだ、好みの分かれるところ。 いまではスウェーデンスコーネ地方の美しい風景はストックホルムよりはるかに有名になってしまった。世界を席巻するミステリー小説の力はおそろしいほどだ。 原作でなければわからいこともある。 例えばヴァランダーがしょっちゅう聴くオペラ、テノール歌手志望の友人のマネージャーをしてもいいほどクラッシク好きで造詣も深いなどは。

    0
    投稿日: 2012.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    推理小説というよりスウェーデン社会の状況として知識として読むには面白い。でもストーリーテラーなので、ぐいぐい読んでしまった。

    0
    投稿日: 2012.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2012.10.13読了 面白いです。 ヘニングマンケル、5冊目ですが、最初はシリーズ外作品、次にヴァランダーシリーズ新しめのやつ、そして、児童図書という順で読んで、本作です。 で、決めました。シリーズを順に読んでいくことと、ヴァランダーシリーズ好きな作品、決定です。 みんなのレビューで評価していくなかで、物凄くおもしろい作品を五つ星にしているのと同時に、面白い、そして大好きだという作品も星五つにしています。 当然、おもしろいより好きが上ですね。 で、これはヴァランダーにやられました 冷静に考えると、このヴァランダーに共感出来ないと、このシリーズはそんな大したことないかもしれないです。 でも、もし共感できたとしたら、好きになっちゃうでしょう、やっぱり。 なので、今後はすごく面白くなくても、五つ星にしちゃうので、悪しからず。

    0
    投稿日: 2012.10.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最近、最後まで読んだ本がなかったので、 これは頑張って読み終えました。 頑張らないと読み続けられない・・・ スウェーデンの中年刑事の物語。 トリックもミステリーもドンデン返しもなく、 事件が起こって、最後には解決する。至ってシンプルなお話し。 無理からジャンル分けするとすれば、 ハード・ボイルドならぬマイルド・ボイルドか・・・

    0
    投稿日: 2012.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     小説それ自体の魅力もさることながら、翻訳の質が非常に高くて、大好きなシリーズです。中年刑事ヴァランダー警部のよれよれとした情けなさも魅力的。1作目を久しぶりに読み返してみると、まだ登場人物たちのキャラクターが定まってなくて荒削りなところもあるなあと思ったけど、そこがまた魅力に思えてしまうあたりヘニング・マンケルの中毒かもしれん……。っていうかヴァランダーがこんなにアクティブだったなんて……すぐコケて血出してるけど。  捜査の進行状況を丹念に追う筋もさることながら、中年期にさしかかり、色々なものが手からこぼれていく人生の秋をけなげに生きるヴァランダー警部が好きです。

    6
    投稿日: 2012.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    誰がかくも残虐に殺したのか? スウェーデン警察小説に新たな歴史を刻む名シリーズ開幕! 刑事ヴァランダー・シリーズ第一弾。 個人的なミステリの面白みには欠けるものの、背景・人物描写がかなりうまく、 特に主人公の描き方が、いかにも「ダメな中年刑事」の王道であり、少しずつ事件の解明に取り組む姿勢に惹かれた。 手がかりが、被害者の「外国の…」という言葉だけであり、 それが最後で一気に氷解する形も良かったが、 それよりも高福祉国家であるとされるスウェーデンという都市の負の一面を垣間見ることが出来たことが収穫であった。 ミステリ:☆☆☆ ストーリー:☆☆☆☆ 人物:☆☆☆☆☆ 読みやすさ:☆☆☆☆

    0
    投稿日: 2012.03.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このミス2012で続編がランクインしていたので読んでみた。夜のフロストみたいな感じだが、少しテンポが遅い感じ。続編に期待。

    0
    投稿日: 2012.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2月3日読了。図書館。初めての作家、警察もの。主人公は冴えないし太ってるし家族と上手くいかないし、他にもいろいろあるけれど……なんかイイ感じの作品です。

    0
    投稿日: 2012.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    男性が書く警察小説。 タイトルが謎。 惨殺された田舎の老夫婦と 移民殺人と 放火と 老人の二重生活と 親のボケ。

    0
    投稿日: 2012.01.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久々の翻訳もの、スウェーデンの警察小説クルト・ヴァランダーシリーズの第1作。 決して格好よくない主人公(うらぶれた、という表現が近いかも)、地道な操作と地道な展開、どことなーく流れるうっそりとした空気。 ここ最近読んだ小説の中ではだんとつに地味です。 でも個人的には嫌いじゃない…かな。 誰かに勧めるほど面白い!とは思わないけど、とりあえずシリーズ続編は読み進めようと思います。

    0
    投稿日: 2012.01.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こんなに魅力のない主人公も珍しい(笑) むしろ、気持ち悪いなコイツ、とすら思った(笑) 特に盛り上がりもなく、特に大きな展開もなかった。 が、読めなくもなかった。 シリーズ五作目の、ゴールドダガー賞受賞作品までは、読んでみようと思うけど、二作目に手をつけるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。

    0
    投稿日: 2011.10.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    妻に出て行かれ、娘とは連絡が付かず、一人暮らしの父には老いの陰がみえ、自分は一人になってすっかり太ってしまった中年刑事と残忍な農家の老夫婦殺人事件。事件の方は奇天烈ではないオーソドックスな感じ。事件を追いながら、食事をし、家に帰り、自分の不運に涙ぐむ…という刑事の毎日のシーンのほうが面白かったです。

    1
    投稿日: 2011.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ああ、主人公のこの情けなさ。素敵だなあ。刑事の感に頼りすぎるきらいがあるが、主人公を取り巻く人間模様もいい。

    0
    投稿日: 2011.06.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スゥエーデンの刑事、ヴァランダー物の第一作。残酷な事件内容だが、サイコサスペンスではなく、歴史や社会問題が背景にありじっくり読める。北欧とナチスのつながりなど、あまり知られてなかった事も描かれている。主人公や同僚、家族の描写もよく、福祉国家らしさも感じられる。病に侵された先輩でもあり友人でもある刑事と、主人公の関係がいい。

    0
    投稿日: 2010.07.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     刑事のヴァランダーを軸に物語が進みます。ヴァランダーの認知症(本書では痴呆症ですね)の父親、別れた妻、都会に行った大学生の娘など、少しずつ物語が歪んでいきます。とはいうものの、ここが本書の魅力ではあるのですが、事件の本筋とは異なるので、私には無駄かなと感じましたね。このあたりが、第一作なんでしょうかね。リーダビリティは高く、エド・マクの感じも出ていて、☆☆☆★というところです。

    0
    投稿日: 2010.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     世界的なベストセラーになった、スウェーデンの警察小説<クルト・ヴァランダー>シリーズ第1弾。愚直すぎる42歳の刑事クルト・ヴァランダー。仕事中毒気味で慢性疲労、その上孤独。妻と娘には逃げられ、父と姉ともうまくいっていないからだ。ストレスは酒量を増やし、体重をも増やしていた。メタボ体型の直情型で、抜群に切れる頭の持ち主でもないし、運動神経もいいわけではない。正直、かっこよくない。こんな主人公が、署長休暇中に発生した2件の殺人事件の指揮を取ることになった。粘り強く、辛抱強く、捜査を進めていく。日本では今、警察小説に人気がある。この作品はそんな日本の警察小説に似た雰囲気を漂わせている。どんよりとした重苦しさが鬱陶しいが、共感を覚える。地道な捜査であきらめずに懸命に犯人を負う。一晩中の氷点下での張り込みも厭わない。長年の友である鑑識刑事が体調を崩したのが心配だ。プライベートでは、なんとか妻と娘を呼び戻したい。認知症かもしれない父をどうしたらよいか。姉に知らせなければ。そんな忙しさの中でも、既婚の美人検察官が気に掛かる。好きなのはオペラ。気分転換に聴く。ファストフードばかりの食生活を改善しなければ。出っ張った腹が気に掛かる。酒量を抑えなければ。主人公クルト・ヴァランダーはとても人間臭い男だ。疲れ傷つき、それでも必死に生きている。そしてなにより、根っからの警察官だ。北欧は、いろいろなことで今注目を集め、人気がある。特にインテリア、雑貨などにみられる生活スタイルは、多くの支持を得ている。それとはまた一味違ったところで、こんな重く暗いスウェーデンの警察小説というのもなかなかいいものだった。シリーズものなのでまだ当分楽しめる。嬉しい。

    0
    投稿日: 2009.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    クルト・ヴァランダーのシリーズ、1作目。 1990年代のスウェーデンを代表する警察小説。 イースタは小さな町だが、スウェーデンの南端で、国境に近い特殊な位置にある。 雪の降る1月、村の農家でひっそり暮らしていた老夫婦が惨殺される。なぜ? 「外国の」という一言を残したため、移民問題で揺れる町でさらに事件が… クルトは刑事としては有能だが、妻に出て行かれて3ヶ月、8㎏も太ってしまった。 最愛の娘は15の頃に自殺を図ったことがあり、どこにいるのかなかなか連絡も取れない。 そして父親がボケはじめ… 美人検事の赴任に驚くが、言い寄って思い切りはねつけられる始末。 多難な中年男の暮らしがどこかユーモアも交えてリアルに描写されています。 1冊でコンパクトにまとまっていますが、要素はすべて出そろっているんですね。 1991年の作品。2001年翻訳発行。

    0
    投稿日: 2009.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    薦められた本の面白さは、推薦人の読書量に比例する   by KANO 歳をとってくると、本屋さんに行っても 「わたしを読んで〜」の声が聞こえなくなり、かといってハズレを引くのがイヤで、読む本がマンネリになって来ました。 ですが最近、仕事を一緒にしている人がかなりの読書家であると知り、伊坂幸太郎など色々面白い本を薦めてくれて助かってます。 その人の一押しの作家、マンケルの刑事物。 主人公の刑事が渋いのだが、情けなくもあり、人情味あふれるいかにも刑事。スウェーデンの話だが、日本と似ているのか、日本に置き換えてもまったく違和感がなく受け入れられそう。 しぶーい一点。

    0
    投稿日: 2008.12.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このシリーズの特徴は、土地と人物だと思う。スウェーデン南部の田舎町イースタ──北欧が舞台であるという寒々しさは伝わってくるが、暗さを感じさせない雰囲気はどこまで読んでも心地がいい。片田舎で起きる事件だからこそ、作中に与えるインパクトは大きく、それと反比例して浮き彫りになるイースタの町並みや時間の流れ、そこで暮らす人々の生活感をイメージするごとに、不思議とこのストーリーに引きずり込まれてしまうのだ。 主人公のヴァランダーも、冴えない中年男で、やり手の刑事というタイプではない。地道に手掛かりを追い、その先で行き詰まり、自問自答を繰り返して苦悩する。彼を取り巻く捜査員たちも同様で、スペシャリストはひとりもいない。なのに、こうも印象的に映るのは何故だろう。不器用な一途さに等身大の魅力を感じているのかもしれない。読みながら、彼らと一緒に捜査してる気になってしまうのは、作者の技巧のひとつであり、私が最も気に入っている点である。 スウェーデンが抱える社会問題をクローズ・アップさせているが、本作品は「警察小説」であって、「社会派ミステリ」ではない。その領域をキープしつつ、社会問題を読者に認識させる構成もさすがだと思う。シリーズ開幕作として読者を掴むには申し分のない秀作。

    0
    投稿日: 2008.04.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スウェーデンのスコーネ地方が舞台の殺人事件。 少し情けない感じのクルト・ヴァランダー刑事が良いです。

    0
    投稿日: 2008.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     スウェーデンの田舎町、スコーネで残虐な農夫の一家惨殺事件が発生。長年連れ添った妻との離婚、娘はどこをほっつき歩いてるか分からない、父親の痴呆…etc私生活に疲れ、うらぶれた中年刑事クルト・ヴァランダーが正義感に燃える。  わしはうらぶれたよれよれの中年オヤジが主人公の話が好きらしい。このクルトのへたれ加減はかっこよすぎるのでぜひオススメ。

    0
    投稿日: 2007.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    父に借りた推理小説。閉鎖的な村での事件は実感としては分かりにくかったですが、新興宗教が出てきたり、なぞの女性が出できたりして、引き込まれました。

    0
    投稿日: 2005.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    1990年代、バルト海に面したスウェーデン南部の小さな町イースタを舞台にした、警察小説シリーズの第一作。 小さな田舎の村で、年老いた農夫夫婦が拷問の末むごたらしく殺された。現場に駆けつけたイースタ署の刑事クルト・ヴァランダーは、いまわの際の妻が呟いた「外国の」と言う一言と、見慣れない縄の結び方を手がかりに、地道な捜査を始める。 捜査を続けるうち、平凡にしか見えなかった夫は妻以外に子供を持ち、家族に内緒の多額の財産を隠していることが明らかとなった。一方この時代、多数の難民の流入があったスウエーデン国内には、難民への反感が一部に顕在していた。「外国の」と言う一言から犯人は外国人とばかりに、難民を排斥するグループは、難民への報復を予告する・・・ 主人公は、妻に捨てられ娘は家出、と言う踏んだり蹴ったりのなかで毎日呑みすぎ状態。不器用な彼は、一人暮らしの父親とは事々にいがみ合い、時には酒酔い運転で部下に逮捕されかけるなど、日常生活は殆ど崩壊しているようなものだが、しかし、誠実に辛抱強く一生懸命に事件を追いかける。 時には、人命救助のため自身を省みず、火事の中に飛び込んでいくことをためらわない。その一途さが「しょうがない男」ではあるけれど、好感を持たずにいられない。 また、同僚の刑事たちもそれぞれ丁寧に描かれていて、物語の厚みを増している。 北欧と言う言葉から受ける、重厚で丁寧なイメージそのままの作品でした。 このシリーズは、沢山の読者をえて多くの賞を受けており、「1990年代のスエーデン社会を尤も良く描写した」と言われているそうだが、いかにも、ですね。

    0
    投稿日: 2004.12.11