
総合評価
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powered by ブクログ『コージーボーイズ、あるいは四度ドアを開く』のあとがきで言及されていた都筑道夫の短編集です。もう一作、触れられていたアシモフの『黒後家蜘蛛の会』は大・大・大好きだったので、「ヘンリー」へのオマージュとして「茶畑」というキャラクターが描かれたことはすぐわかったのですが、本作はまったく未知だったので、いそいそと図書館へ。都筑道夫が日本を舞台に「安楽椅子探偵小説」をどう組み立てあげたか、読み口の気軽さとは違う綿密な創作意図を感じました。現役時代の「硬骨の刑事」が定年退職して「恍惚の刑事」になったと弄られながら、やはり刑事になった息子の手がける行き詰まった事件を団地のアパートで話を聞きながら解決するという設定です。有吉佐和子の『恍惚の人』がベストセラーになったのが1972年なので、このシリーズが始まった1973年を考えると時代に対する軽妙さも持ち味のひとつです。それがそれぞれの初出が「問題諸説」「小説新潮」「小説CLUB」という雑誌であったこともそのテイストに影響していると考えられます。たぶんその雑誌群は今は存在感のない「中間小説誌」ってジャンルなのかな。ひとつひとつの謎もセックス絡みになっていて当時の読者に対するサービス精神を感じます。そういう意匠で包み込まれる中身のトリックは今でも古びないロジカルなもので、さすが都筑道夫です。ただどれも複雑で、たぶんこういうことだろうな的な予想はまったく効きませんでした。この文庫では作品も面白いですが巻末の法月綸太郎の解説が出色で、やっぱりミステリって面白いと、しみじみ。読むゲームとしてのミステリー短編集読書、ちょっと復活したくなりました。
1投稿日: 2025.12.09
powered by ブクログかつては硬骨の刑事、今や恍惚の境に入りかけた父親に、現職刑事の息子が捜査中の事件を語ると、父親はたちまち真相を引き出す。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第一集。収録作品 写真うつりのよい女/妻妾同居/狂い小町/ジャケット背広スーツ/昨日の敵/理想的犯人像/壜づめの密室 退職をして5人の子供たちのところへ順で回って顔を見に行っている父親が末っ子の家に入り浸るのは、末っ子が現職の刑事だから。捜査に行き詰まった息子は、退職した元刑事の父に、アドバイスを受けるつもりで相談するとたちまちに推理をして犯人を暴いてしまう。 1番面白かったのは、「狂い小町」かな。精神を患ってしまったお金持ちの娘が近所の留守宅で殺害されるという事件。事件の真相は意外だった。まぁ、みんな可哀想なかんじがした。 「妻妾同居」も意外な展開だった。妻と妾と一緒に暮らしており、その情事日記を書いて週刊誌に載った被害者の秘密。えーそんな展開だったの?って感じで面白かった。 物語の時代は結構古いんだけど、それでもなかなか面白い。次があるようだから読んでみるかな。 2022.9.30 読了
0投稿日: 2022.09.30
powered by ブクログ「ミステリなふたりアラカルト」の後ろの広告で。 想いがけず、また古い話だった。 というのも「トム・ホーソンの事件簿」を読んだばかりだったので。 家に帰ったら洋服から和服に着替える位の。 都営地下鉄三田線が都営六号線と呼ばれていた位の。 五人の息子のうち末っ子の現職刑事の家を度々訪れる退職刑事。 茶飲み話の中で事件を解決していく。 ただし、 その頃のものの考え方が少し疎ましく感じるのは、 自分の文化と他人の文化の差だろうか。 少しだけだが。 ジャケットを二枚手に持った男を目撃したという証言から展開する 「ジャケット背広スーツ」が一番面白かったかな。
0投稿日: 2019.12.01
powered by ブクログ写真うつりのよい女 C+ 妻妾同居 B+ 狂い小町 A+ ジャケット背広スーツ B 昨日の敵 B+ 理想的犯人像 B+ 壜づめの密室 C+ 日本にも安楽椅子探偵の傑作があった。西澤保彦作品は影響されているというのがよくわかる… 狂い小町のホワイダニットが強烈。 オススメマラソンその⑲ tekunoさんから紹介してもらいました。
0投稿日: 2018.10.30
powered by ブクログ退職刑事シリーズ・第1弾。 退職した刑事が、現職刑事の息子の家に入り浸り、息子から事件の話を聞き、その場で推理していくストーリー。 いわゆる、安楽椅子探偵もの。 短編集で非常に読みやすい。 事件の内容も、なんでだ?どうなってんだ?と思わされるものが多く、面白かった。 古い小説なので、時代背景や言葉遣いが古臭かったりするが、それはそれで味があって良かった。 ぜひ読破したいシリーズ。
0投稿日: 2015.10.01
powered by ブクログ【写真うつりのよい女】【妻妾同盟】【狂い小町】【ジャケット背広スーツ】【昨日の敵】【理想的犯人像】【壜づめの密室】収録。 退職した元刑事の父親が息子(刑事)の話を聞き事件を解決してしまいます。 父と子の会話だけで構成された典型的な安楽椅子探偵もの。動きがないので盛り上がりに欠けますが、魅力的な謎とアクロバットな推理が素晴らしいです。中には設定が無理矢理なのもありますが、粒が揃った短編集だと思います。
0投稿日: 2014.06.12
powered by ブクログ4 なるほど“論理のアクロバット”。 後半もう少し息子が異を唱えてやりとりがあっても良かったかと思うが、あまり複雑になるのも本意ではないだろうし、難しいところか。 巻末の法月綸太郎の解説が、とてもしっかりした本来の意味の解説で秀逸。
0投稿日: 2013.03.09
powered by ブクログ退職刑事1読了。いまになってみると、生活背景の自然な描写から、時代もえを味わえるいい小説ですね。西澤さんのアームチェアもこのへんに影響されてるのかーと思うと感慨深い。ただ新本格前で、女性にとってはあまりに下品な話が続いて多少ツライです。ミステリ史を読むと思うとおもしろい。
0投稿日: 2012.01.16
powered by ブクログ再読。安楽椅子探偵モノ。定番ですが、そこが良い。 解説で引用されてた「謎と論理のエンタテインメント」って言葉好きですね。
0投稿日: 2011.10.14
powered by ブクログシリーズ化されていたので大人買いしてしまったのですが、私にはまったりとしすぎていて、登場人物も少なく、正直面白みは感じませんでした。2巻目以降読むかどうか迷ってます・・・。
0投稿日: 2010.01.31
powered by ブクログなめくじ長屋シリーズが大好きだったんだけど、 その他の短編集は時々とんでもないエロミステリーだったりしたんだけれども、これはまだウィットが富んでてよかった。 退職刑事は末の息子で、現職刑事の家によく遊びに来ては、 アームチェアディテクティブとなるのであった。 事件はちょーっと時代が現れてるーって思うけど、 読んでいてそれまた味でいっかな。
0投稿日: 2010.01.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『写真うつりのよい女』 殺害された水商売の女・小池雅子。裸の遺体にはいていたのは男物の下着。関係をもった男たちとの現場を写真にとる趣味をもっていた被害者。強請の線で捜査する警察。事件直前、被害者と犯人が扉を挟んで行った会話に隠された秘密。 『妻妾同居』 性豪でならす東谷徳造の殺害。妻である政江と妾の絹を同居させていた被害者。女性との性交の様子を日記につけていた被害者。破られた日記。発見者の妙子は体を担保に金を借りに来ていた。妙子と徳造の性交の様子。 『狂い小町』 精神を病み白塗りで派手な服で出歩く佐伯洋子。洋子の妹の文江の友人・宮西助の家で下着姿で化粧を落とした状態で発見された遺体。絵のモデルになっていた被害者。一時被害者の徘徊がやんでいたが再発した徘徊。文江と助の関係。文江にもたらされていた縁談。 『ジャケット背広スーツ』 殺害された梶田登喜子。被害者の手に握られた熊手。容疑者である被害者の甥・福地敬吉がアリバイとして出してきた彼が目撃した上着を3枚持つ男の謎。被害者の番頭役だった東野。被害者が下ろしていた150万の金。 『昨日の敵』 被害者・飯塚繁次郎におくられていた人形。殺人予告だったのか?被害者の妻・光子と愛人である織江。織江の妊娠。光子と飯塚の離婚問題。 『理想的犯人像』 『壜づめの密室』これが少し微妙かな 船橋図書館
0投稿日: 2008.09.18
powered by ブクログ本も並べたいと思ったのですが、いざとなるとコメントするほど中身を思い出せない(汗)ということで、とりあえずコメントしやすい本を1冊。この本は短編推理小説でシリーズモノですが、設定が面白い。題名のとおり、退職した元刑事の父親と刑事の息子が主役ですが、まだ半人前の息子が父に今担当している未解決の事件について相談すると、父親が長年の勘で解決の糸口を見つけてしまうというもの。息子の話だけなのでたまに筋が見えにくいこともあるけど、短編だし読みやすい作品です。
0投稿日: 2008.02.23
powered by ブクログ日本の推理小説界では有名(おそらく)な作者さんの短編集。いわゆる安楽椅子探偵もの。「ジャケット・背広・スーツ」の話とかはすごい感心した覚えがある(内容は忘れたけど)。ミステリー好きなら読んで損はしない一冊。
0投稿日: 2007.12.22
powered by ブクログ刑事の息子から事件の詳細を聞き、最終的に真相を引き出すパターンは『ママは何でも知っている』を連想させる。息子に二、三の質問をしたのち論理的に事件を解決してしまう手際の良さも共通しているが、ブロンクスのママがやや劇的なのに対して、この退職刑事はこつこつ型で、どちらかというと地味な印象。でも気がつけば隙もなく推理のプロセスが出来上がっているのだから、その手腕はお見事と言うしかない。同系の国内ミステリがどれくらい存在するのかは知らないが、論理の組立や完成度からいってもトップクラスに入るのは間違いない。 秀作揃いの中でも気に入っているのは『ジャケット背広スーツ』。『九マイルは遠すぎる』を彷彿とさせるこの作品は、“安楽椅子探偵もの”という観点から見れば最も魅力的に思えた。
0投稿日: 2007.07.06
powered by ブクログ連作ミステリー短編集。全7話。 元刑事の父を持つ主人公。彼は、五人いる兄弟の中で唯一父と同じ職業、すなわち刑事となった。そんな彼の所へ、時折遊びにくる父。さりげなく今息子が抱えている難事件を聞き出し、独自に推理を働かせる。さながら安楽椅子探偵のように・・・。 おもしろいよ、これ。続きを是非読みたい。これ読んだときふと、阿刀田高さんの「Aサイズ殺人事件」を思い出した。これも安楽椅子探偵もので、すんごくおもしろかったんだよね〜。 主人公の父が何とも言えずかわいい♪退屈すると息子の家にイソ×2とやってきて、鋭い推理力で事件の絵解きを始めるの。
0投稿日: 2007.02.17
