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知の仕事術(インターナショナル新書)
知の仕事術(インターナショナル新書)
池澤夏樹/集英社
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総合評価

39件)
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    ★読書とはその本の内容を自分の頭に移していく営みである。 生きるために 思想、知識、情報の順に大事 情報、日付のデータ情勢を知る 知識、普遍化された情報、普通の定義、古いものはアップデート要 思想、上記を素材にして構築される指針 それ自体が人格を持っていて、成長統合分裂し運命を導く、哲学宗教も含む母体 ①全国新聞、地方新聞複数紙読め ②本は最後まで読まなくてもよい ③本をストック、フローするかの線引きをせよ

    0
    投稿日: 2025.08.23
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    久しぶりに池澤夏樹氏の本を読みたくなり、ブク友さんの本棚で気になってお取り寄せ。 知識人の心構えを詳しく解説。生きていくには「情報」と「知識と「思想」が必要とのこと。 テレビと新聞、インターネットの違いについての指摘も興味深い。 世の中に向かうときに大事なのは、「何が答か」ではなく、「何が問題か」  「その新聞が作った世界の図を批判の姿勢で受け入れていく。」 「大事なのは、多くの話題を拾いながら、ことの脈絡は自分でつくるということ。」 本の探しかたについても、池澤さん視点で面白い。「本屋に行って棚をざっと見ていると、「ぼくを買って!」という本が目に飛び込んでくる。」「古書店に出入りするようになったのは小学生の頃」「よく探すといいものがある。すごく嬉しかった。」「図書館と仲良くするのはいいことだ。」「いかに名著と言われている本であろうと、我慢して読む必要はない。」「わがまなな読みかたでも大事な本にはいつか行き着く」  本にまつわる豆知識も得られる。「文庫本の解説というのはほとんど日本独自ものだ。」 本の手放しかたについては自分の本棚を見て唸りながら読み進めた。

    22
    投稿日: 2025.05.08
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    池澤夏樹(1945年~)氏は、北海道生まれ、埼玉大学理工学部中退の小説家、詩人。ギリシャ、沖縄、フランス(フォンテヌブロー)に在住経験あり。『スティル・ライフ』で芥川賞(1988年)を受賞したほか、多数の文芸賞を受賞。個人編集の「世界文学全集」、「日本文学全集」の刊行は話題を呼んだ。紫綬褒章、フランス芸術文化勲章オフィシエ受章。 本書は、小説のほか、書評・時評の執筆、翻訳、文学全集の個人編集など、文芸分野で幅広く活動する著者が、自らの知的生産術を綴ったものである。 章立ては、1.新聞の活用、2.本の探しかた、3.書店の使いかた、4.本の読みかた、5.モノとしての本の扱いかた、6.本の手放しかた、7.時間管理法、8.取材の現場で、9.非社交的人間のコミュニケーション、10.アイディアの整理と書く技術、11.語学習得法、12.デジタル時代のツールとガジェット、で、知的生産に関わるテーマは一通りカバーされているが、類書には無く、参考になった点は以下である。 ◆本の新刊広告の表舞台は、新聞一面下段のサンヤツ(三段八割)。各出版社が出しているPR誌のページ左端には、新聞広告スペースを買えない小さな出版社のここでしか出会えない情報に遭遇することがあり役立つ。 ◆ノンフィクションの場合、目次は本の内容全体を表しているので、本文を読みだす前に頭に入れておくと理解度が変わってくる。解説や翻訳本の訳者あとがきも、難解な本を読む場合には先に読んだ方がいい。 ◆本は私的な所有物であると同時に公共財であるという意識があるため、いずれ手放すという意識で本を扱う。よって、マーキングは6Bくらいの鉛筆で、消そうと思えば容易に消せるように行う。それは、自分なりの本に対する敬意。 ◆読書(本)は「ストックの読書」と「フローの読書」に分けて考える。フローの読書に当たる本については、「キャッチ・アンド・リリース」する、即ち、自らの知的レベル・好奇心に応じて、(蔵書を)随時「更新」していくことが重要。 ◆海外を本気で旅する際(取材など)には、「地球の歩き方」、「ミシュランガイド」より「ロンリープラネット」が重宝する。 また、ハウツーの詳細のほかに、「はじめに」に書かれた次の件が印象に残った。 「しばらく前から社会に大きな変化が目立ってきた。人々が、自分に十分な知識がないことを自覚しないままに判断を下す。そして意見を表明する。そのことについてはよく知らないから、という留保がない。もっぱらSNSがそういう流れをつくった、というのは言い過ぎだろうか。ツイッターが流す「情報」をろくに読みもしないで、見出しだけを見て、「いいね」をクリックする。それで何かした気になって、小さな満足感を味わう。・・・ものを知っている人間が、ものを知っているというだけでバカにされる。ある件について過去の事例を引き、思想的背景を述べ、論理的な判断の材料を人々に提供しようとすると、それに対して「偉そうな顔しやがって」という感情的な反発が返ってくる。彼らは教えてなどほしくない。そういうことはすべて面倒、ぐじゃぐじゃ昔のことのお勉強なんかしないで、この場ですぱっと思いつくままにことを決めようよ。いまの憲法、うざいじゃん、ないほうがいいよ。さっくり行こうぜ。こういう人たちの思いに乗ってことは決まってゆく。この本はそういう世の流れに対する反抗である。反・反知性主義の勧めであり、あなたを知識人という少数派の側へ導くものだ。」 知性を否定する(「反知性主義」の本来の定義とは少々異なる)こうした風潮が、今や世界中を覆い、世界を動かしつつあることに、私は著者と同じく強い危機感を持っているが、著者の思いに反して、そうした人々に限って本書を手に取ることはないだろうと思うと、暗澹たる気分になる。 文芸分野でマルチな活躍をする池澤氏が、反・反知性主義を勧めるべく書き下ろした知的生産術である。 (2022年9月了)

    2
    投稿日: 2022.09.21
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    知的活動に関する実用書。私は小説・エッセイ・翻訳など池澤作品全般が好きであり、文章のリズムや言葉の選び方に魅力を感じている。この前提で読んでいるため、ノウハウ習得は二の次。どう「情報」を収集し、「知識」として落とし込み、「思想」を構築しているのか。新聞や本との付き合い方、本の読み方や手放し方、新刊書店・古書店・図書館の使い方、紙書籍と電子書籍の使い分けなど、作家・池澤夏樹の読書論を楽しめる一冊。

    0
    投稿日: 2022.04.25
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    【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB22929653

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    投稿日: 2022.03.28
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    毎日新聞を毎日読むことに決めた。やはり新聞は今を知り切り取る情報として欠かせないとの思いから。ネットニュースとの違いを知ろう。

    0
    投稿日: 2022.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

     人々が、自分に充分な知識がないことを自覚しないままに判断を下す。そして意見を表明する。そのことについてはよく知らないから、という留保がない。 はじめに より キュウリに似たものを買ってサラダにしようと思ったら食べられない。友だちに聞いて火を通すのだと知った。それがズッキーニとの出会いだった。ギリシャ語では「コロキザキア」といい、アラビア語では「クーサ」と呼ぶ。 11 語学学習法 より  マクルーハンが「メディアはメッセージである」と言ったときに人々が気にしていたのは「テレビが出てきて映画はなくなるんじゃないか」ということでした。さらに前の時代で言えば、トーキーが盛んになったことで弁士たちが困り、一方では声があまりにひどいので生き残れなかった映画俳優たちもいた。 12 デジタル時代のツールとガジェット より はじめに、に書かれている文章がすべてな気がします。自分のことを棚上げにして言うと、本を読んでいない人以上に、読めていない人がどこか悪目立ちするように見受けられる気がします。書籍に対して知識の塊、利用できる道具、くらいの感覚で接している。 頭の良い人はまあそうかもしれません。知識を溜め込んで、出世して、金を稼いで。でもそうじゃないと思うし、それだけじゃないと思う。 知性とは知識や学力とは別のものだと思うと同時に、その扱い方を間違うと転んで怪我してどうしようもなくなる。自己批判の欠如。 とは言っても、堅苦しすぎるエッセイではなく、普段のインプットやアウトプットの仕方や本の手放し方など。作家がかしこまってこういうことを書くのは、手の内をばらすようなもので面白かったです。真面目な顔してときどき茶目っ気のあるエピソードもちらほら出てきます。ネット以前の作家とネット以降の作家で大別できなくもないが、著者はその狭間にいるような気もします。全集の編集という偉業を成し遂げる作家の書と知に対する在り方を知ることができました。

    0
    投稿日: 2021.10.08
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    「知性とは」と言及するわけではないのです。しかし、その仕事への姿勢であったり、捉え方であったり、著者としてもあまり明かしてこなかったその実際の日常ワークに近い部分から「知性とは」と言うものを示されているところが、やはりタイトルの所以なのだろうと感服しました。

    0
    投稿日: 2021.06.22
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    情報をいかに取得するか? 久々にテレビのある生活をしていて、視聴者がいかに受動的に、そして番組の意図した通りに物事を理解している(と錯覚している)ことをひしひしと感じている。 新聞は主体的に気になる記事を選択し、関心外のことに触れられるとともに、発行社ごとの見解を比較検討できる媒体なので読む習慣を付けるべきなのかも知れない。

    0
    投稿日: 2020.12.02
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    池澤さんは生産性の高い作家だと思っていたので、その仕事術には関心があった。本人は愚直と言うが、よく考えられている。自分には何が必要か。

    0
    投稿日: 2020.04.03
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    小説だけでなく時評や書評、文学全集まで個人編集する碩学の「知のノウハウ」(カバー裏から)。 「新聞の活用」に始まり「デジタル時代のツールとガジェット」までの12章からなる。 自分よりは一回り年上の世代になる著者だが、PCやネット利用に積極的で、他方、紙の新聞の切り抜きなども行う点、新旧両またぎで自分に近く感じる。 自身の著作に限らず、書名など具体的に紹介されているのでこれも参照に便利。加藤周一さんの名も散見。 ネット書店の利用、古書店の活用、本の手放しかた、録音よりメモ重視など聞けばその通りのことだが、改めて読むとなるほどと納得。ウィキペディアを評価しているのも意外だった。 図書館でたまたま手に取った本だが、買って蔵書にしようと思う。

    0
    投稿日: 2020.02.21
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    池澤夏樹のノウハウ本。生きるためには、情報、知識、思想が必要。情報とはその時に起きていること、起きようとしていることやデータ。知識は、ある程度普遍化した情報。思想とは情報や知識を素材にして構築される大きな方針のことを言う。それを踏まえ著者が実戦している仕事術、ノウハウを紹介する。 作家の仕事術本ということで、サラリーマンの仕事とは多少違和感を感じる部分もあるが、参考にできる事も多かった。

    0
    投稿日: 2020.01.03
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    作家・詩人の池澤夏樹さんが自身の「知のノウハウ」を公開した本。 現代社会を知的に生きるためには、情報(日付のあるデータ)、知識(普遍化された情報)、思想(情報や知識を素材にして構築される大きな指針)の3つを常に更新していくことが大事です。 情報・知識・思想をいかに更新していくのか、池澤夏樹さんなりの方法が本書に書かれています。 社会をまとめていくためには議論が必要になります。議論をするには「知」がなければなりません。そして、「知」は常にアップデートしなければ議論についていくことができないのです。

    0
    投稿日: 2019.07.21
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    文字通り、知を育成するにはどうすれば良いかを説いた一冊。 有名な作家だけあって、説得力があった。

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    投稿日: 2019.05.28
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    この本は良い、作家である池澤夏樹氏が自身の技術論を公開してくれており、多くの刺激を受ける。 新聞の活用法、本の探し方等実用的なノウハウを多く教えてくれる。特に書評については私も本選びの参考にしている。 やはり定期的にこのような本を読む必要性を感じる。新たな気付き、知的興奮が人には必要と思う。反知性主義に抗していくために。

    0
    投稿日: 2019.01.17
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    興味を引かれたところを2点、引用。 ・「本選びは精錬に似ている」 世の中に出回る本ぜんたいをざっと眺めて、その中から価値あるものを選び出す行為。それは金属の精錬に似ているという説。全ての本に目を通すことが不可能な以上、何を読むか(=何を読まずに切り捨てるか)を選ぶことは非常に重要な行為。それは主観で構わない。というか、主観にしか意味はない。そうしていかに自分なりに、純度の高い金属を取り出すか。そこを意識すると読書の意味が変わり、密度の濃い読書ができるだろう。 ・「メディアこそがメッセージである」 マクルーハンの孫引用。発信するのにどのメディアを選ぶか?そこにこそメッセージの核心が含まれている、意識するしないに関わらず。メディアにはそれぞれ特性があり、そこを見誤ると間違ったメッセージを発することになるだろう。今現在、メディアの中心的役割を担うSNS。著者はSNSはやらないと豪語するが、「メディアこそがメッセージである」ということを踏まえれば、納得がいく。SNSは物事を深く考えるのに向かない。直接的、瞬間的、感覚的に訴えることに向くメディアだと思う。SNSを好むかどうかは個人の自由だが、SNSにどっぷりでは思考力がなくなってしまうことを、この本を読んで体感的に理解した。

    0
    投稿日: 2019.01.07
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    非常に心地よく読めた一冊だった。特に文章の美しさが際立っていて、小説でもないのにすらすらと読めた。筆者の仕事の進め方が細かく書いてあったが、この年代の作家さんでも結構最新のガジェットを使い倒していることに驚いた。

    5
    投稿日: 2018.11.26
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    著者が日ごろ行っている、情報の入手方法、ストック、フローの考え方、書物の扱いなどなど作家が行っているノウハウというか、神髄を語ってくれている。

    0
    投稿日: 2018.11.25
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    知の仕事術というと、なんだかすごくお堅い本か、ビジネス本のようなスーパー実利的な感じかを想像するが、そんなことはなく、プライベートなことをあまり明かさなかった池澤夏樹さんが、歳もとってきたしある程度柔軟に、個人的な範疇のことも明かしましょう(考え方の種明かしをしましょう)というような趣旨のさらさらっと読める本。 基本的には池澤夏樹ファンが、涎をだして読むようなファン向けの本である気がします。 書いてあることはなかなか要素的には面白いと思います。 日本の書評は短すぎるし対象を書評者が選べないのも不自由だということで、書評者が対象を選択し、字数制限を多くした話など、へぇー、そもそもはそんな制限があるんだなーと感心します。 意外と電子的なことにも積極的にコミットしていたり、Kindleもかなり早めに手にいれているよう。バイタリティ溢れて色々なことに好奇心を抱くアクティブな筆者の像が目に浮かびます。(人嫌いだそうですが) 私は、池澤夏樹のことほとんど知らないので、(名前は有名なので知っていますもちろん。著作を知らない。福永武彦のお子さんだということをこの本で初めて知り、結構驚いた)この本を読むことで人となりをなんとなくわかって有意義だったけど、アイドルなどがインタビューされているような、読者が筆者好きなことを前提のような雰囲気が時々漂っていて、少し胸焼けするような気分になる部分もありました。 全体的には知的層が厚く、気づきになるような要素が徒然に書かれていて、面白い本だとは思います。

    7
    投稿日: 2018.07.22
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    ノウハウ本としては見習おうと思ったところはないのだけど、仕事に関するエッセイと考えれば、読み物としては面白い。

    0
    投稿日: 2018.03.31
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    ネットでは1つ1つの記事のユニットが小さすぎる。話が散漫になってしまって全体像が作れない。個々の情報についてのスピードが速く、また入手しやすいという利点はある。

    0
    投稿日: 2017.09.25
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    作家・詩人・翻訳家として知られる著者が、初めて自らの仕事に関わって書いた本。知人に教えてもらって手に取りました。 池澤さんの時代に対する見方が、「はじめに」(あるいは反知性の時代の知性)に書かれてあります。生きるために大切なことが3つ(①情報②知識③思想)あり、それをいかに獲得し更新するに自らの工夫していること(新聞の活用・本の活用・アイデアの整理と書く技術等)を整理して読者に投げかけていく構成です。 自分なりに「ものの見方・考え方」を持つこと、そのための知恵や工夫・技術を身につけること・継続させることなど、いろいろと考えるきっかけを与えてくれたように思います。新聞に出る書評記事など、これまでほとんど読まずだったのですが、注目してみようと思いました。 なかなか面白い本です。みなさんもぜひどうぞ。

    2
    投稿日: 2017.09.23
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    冒頭の「反・反知性主義宣言」ともいうべき文章が出色。 仕事術としては、あまり具体的なワザはないかも。

    0
    投稿日: 2017.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルはビジネス系のようだが、小説家の「知のノウハウ」なので半分以上が読書に関する内容であった。 本書が陳腐化しているというよりも、この手の本を何冊も読んできたせいか、新鮮味がなくなってきた。本質的なところは、共通しているところが多いということだと思う。 ・人間にはもともと知的好奇心がある。「知りたい」しいという気持ちが、人を動かしている。身体が食べることで新陳代謝を行うのと同じょうに、脳の中は、知的な食べ物の摂取と不要なものの排出によって常に新しくなっている。その入れ替えを意識的に行いたい。生きるためには、軽い順に一「情報」、ニ「知識」、三「思想」が必要だと考えてみよう。 ・「情報」はその時々に起こっていること、起ころうとしているこし。いわば日付のあるデータだ。たったいまの世の動きを知るにはこれが欠かせない。 ・「知識」はある程度まで普遍化された情報、しばらくの間は通用する情報であって、普通にものを考えるときにはこれが土台になる。その一方で知識もまた変わりゆくから更新が必要で、古いものは信頼性が低くなる。 ・「思想」しは、「情報」や「知識」を素材にして構築きれる大きな方針である。個人に属するものもあり、多くの人々に共有きれるものもある。それ自体が人格を持っていて、成長し、時には統合され、また分裂し、人類ぜんたいの運命を導く。「哲学」や「宗教」まで含む大きな器。 ・これらをいかにして獲得し、日々更新していくか。かつて学んで得た知識を、いかにアップ・トウ・デートしていくか。現代を知力で生きていくスキルを整理してみることにする。 ・まず日頃からできることとして、日刊紙を読むことを提案しよう。ハは話すときには感情に流されがちだが、書くとなるし論理的になる。紙面に収まる量には制限があるから、どうしてもエッセンスだけを抽出しなければならない。新聞ならば見出しを見た上で、精読に価するかどうか判断して読める。自分の側に判断の余地がある。世の中に向かうしきに大事なのは、「何が答えか」ではなく、「何が問題か」というほうだ。 ・(直接的な記載はないが著者のお薦めは毎日新聞と思われる) ・先に、生きていくには「情報」と苅識」と思想」が必要であると述べた。それらの源泉の一つが本だ。 ・本を探す手段として、まず新聞広告が役に立つ。各出版社が出しているrx誌がももこれは年間購読しても送料ともで千円程度という価格で毎月届き、けっこう読みでがあるから、お買い得だと思う。集英社だし「青春し読書二角uは「本の旅人「新潮社は「波岐文春は「本の話「講談社は「本一などなど。たいていは自社のその月の刊行物について、誰かが書評やエッセイを書くという記事が多く、後ろのほうはだいたい連載が載っている。岩波書店の「図書一は、自社の本についての文章はほとんど載せていない。 ・毎日新聞の書評欄は他紙と異なり、書評委員に任期がない。さらに書評も2千字と分量も多く、書評委員自らが書評したい本を探して取り上げる。この方法を四半世紀続けている。書評は日曜版に載っているので日曜版だけでも購入する価値はある。 ・広く書評を読んでいると、そのうちご贔屓が出てくるだろう。これは本に限らず、芝居を観るのでも音楽を聴くのでも同じで、いわゆる評し呼ばれるものを、最初は広く浅く眺めるのでいい。そうしているうちに、この人はセンスがいいな、という誰かが見えてくる。自分に合う書評家が自然と見つかるものである。 ・最もアイデアが湧くのは、実は書いているときだ。書くというのはすなわち考えることで、時間をかけて少しずつ構築してくような大きなグランドデザインであっても、書さながら考えることがほとんどだ。 ・例えばエンターテインメント小説のように、冒頭から読み始めて、読み続けて、読み終わる類いのものなら、電子書籍でもいい。つまり一直線に一回読んでおしまいのものぼ、電子書籍でも読める。一方、行きつ戻りっしながら、中身全体を自分の頭に移す読書をするときはまるで役に立たない。

    1
    投稿日: 2017.07.01
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    池澤夏樹さんとは2度、お会いしたことがあります。 1度目は札幌での講演会、2度目は岩見沢での講演会。 岩見沢での講演会では、主催者の方に案内されて池澤さんの控え室へ行き、ご挨拶することもできました。 主催者の方は、「末永さんも小説を書く方なんです」と余計なことを云いました。 芥川賞を受賞してデビューし、その後も数々の小説、エッセーなどを世に出し、さらには世界文学全集、日本文学全集の編集までしてしまう池澤さんからすれば、たかが一地方の文学賞を取ったに過ぎない自分など、小説を書いているうちに入らない。 私は恐縮しきりで、ひたすら頭を下げるだけでした。 で、たまたま寄った本屋で見つけたのが本書。 「池澤さんは、こんな本まで書くのか」と珍しくて手に取った次第。 「自分の中に知的な見取り図を作るための、新聞や本との付き合いかた、アイディアや思考の整理法、環境の整えかた」(本書そでの説明文より)を分かりやすく教えてくれます。 それも大変ためになりますが、私は池澤さん個人のこだわりを面白おかしく読みました。 本書でも書いていますが、池澤さんって個人的なことはこれまでほとんど書いてこなかったのですよね。 たとえば、池澤さんは喫茶店や図書館では本を読まないそう。 何故なら「集中できない」から。 分かります、自分もそうだから。 気付いたら同じ行をもう一度辿っていたなんてこともしばしばです。 池澤さんは本をフローとストックというふうに分けて考えていて、たとえば作品を書くために使った本は潔く手放してしまうそう。 本棚の中身も定期的に入れ替えていると云いますから、なかなか徹底しています。 私は蔵書が1千冊近くありますが、なかなか捨てられません。 本書で紹介されている、書評の数々も実に面白い。 特に、冨山太佳夫評「新グローバル英和辞典」は、それ自体が愉快な読み物でした。 ものを書く人には、大変にためになる1冊でした。

    7
    投稿日: 2017.07.01
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    日本文学全集を読み進めています。著者の読書や 情報の整理術が紹介されている本。 さらっと読めてなかなか面白い内容でした。

    0
    投稿日: 2017.06.24
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    普段、自分を開示しない著者が自分の仕事術を書いた本。 ほとんどの人には再現性も無く役に立たない。 はっきり言ってレベルが低い。 PC操作などでは稚拙さを露呈していた。 もしこの程度の仕事術で業界内で名を上げたのだとしたら、よほど著者の親が凄くて周りが忖度してくれたのではないだろうか?(笑) もしくは生まれつきの個人的特性や傾向などの影響。この本を読むと察することができる。 ちなみに著者も関係ないところでわざわざ「佐野眞一」(!)の本を紹介していた。 お友達が紹介していたので読んだが正直時間の無駄であった。 ただ著者のファンには嬉しい本だと思う。 あと強いて言えば、作家、出版業界の人は読んでおいた方が“業界内営業的”に役に立つかも(笑) あ、業界内の忖度レベルを知り、考えるには良い本ww

    0
    投稿日: 2017.05.28
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    元々、読書術とか知の技術という類の本は好きである。著述家の楽屋を覗き見するような感じで、また、そこから自分の本読みに生かしていくことにもつながる。実は著者の小説は読んだことがないが、時評や書評から興味を持ち、楽屋を覗かせてもらった。やはり新聞の意義と書評についての論が一番面白く読めた。最後に印象に残った一文、「生きるためには、軽い順に、一、情報、二、知識、三、思想、が必要だと考えてみよう」

    0
    投稿日: 2017.05.07
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    ボルテール 私はあなたの意見に反対だ。だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る 各出版社が出しているPR誌  集英社 青春と読書、 角川 本の旅人、新潮社 波、文春 本の話、 講談社 本、岩波書店 図書 古本サイト 日本の古本屋 水俣病の民衆史 ガイドブック イギリス BENNという出版社 BLUE GUIDE アメリカの出版社 moon publication 叡智の断片 語学の習得 分量と暇が大切 ヘミングウエイ 立って使える高いデスクにタイプライタを置いて、室内をうろうろしながら文章を練り、まとまるとそのデスクのところに歩み寄ってセンテンスを一つ書いたという よく見る海外サイト  ガーディアン、ニューズウィーク日本版、クーリエジャポン 電子書籍 一直線に読んでおしまいのものはよめる 一方、行きつ戻りつしながら、中身全体を自分の頭につように読むときはまるで役にたたない

    0
    投稿日: 2017.04.26
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    情報、知識、思想 情報を受け取らないのも情報。 本との向き合い方がわかる本。本は流れていくものだというところが心に残った。

    0
    投稿日: 2017.04.10
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    芥川賞作家、書評家にして、個人で世界・日本文学全集を編集する著者の知のノウハウ。 新聞、本、書店、時間、取材、アイデア、語学に関する著者なりのノウハウや矜持。 特に書評について全く知らなかった世界に触れさせていただいた。 ノウハウとしては、著者固有の部分も大きく、個人的に有用な情報とは感じられなかった。 17-33

    0
    投稿日: 2017.03.03
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    敬愛する(といってもまだまだ良く知らないニワカですが)池澤夏樹さんの仕事術公開本。 SNSの話から始まりますが、ご本人は自身の事を語るなど、こっ恥ずかしくてできないそう。少し前からFacebookをROMっている私も同様です。 ただ、自己の記録として、WordPressによるブログのみは続けて行こうと思っています。それと、そこそこのフォロワーのいるツイッターは。 こういう知的生産の技術書というのは、昔から有名な書籍が何冊も出ています。知の先達たちが後輩のために親切にノウハウを公開してくれているのですね。 でも、わかっちゃいるけどついてけねー。というのが本音のところ。 それができれば苦労はない。継続は(天才)力である・・・と自己弁護で解釈しています。 それでも良いから、格好だけで良いからついていきたい。というので、同様な本にまたもや手を出してしまいます。 そしてもう一つ。基本は実践者の脳髄に帰結するのでしょうが、その時に応じたツールが出てきます。 本書は発行日が読書日と1ヶ月ほどしか違いません。まさに湯気の出ている新刊書でしょうか。なので、現在進行系のツールの解説も適切に行われています。 特筆すべき事として、著者は最初にワープロ原稿で芥川賞を受賞した人。創作のIT化に最初期に取り組んだ人でもあります。現在使用しているデバイスもiPhone6sPlusだったりして、ボクとおんなじ。 でも、あまり具体的に手取り足取りという紹介はありません。執筆にどんなソフトを使っているかとか。まあ、Wordのネタとかは出てきますが。 仮にアプリケーション名を挙げたところで、すぐに淘汰されてしまう(ドッグイヤー)運命ですから。私達自身がそこはさがしていくところでしょう。 最新の技術状況を踏まえつつ、外堀の埋め方をレクチャーしてくれます。 古典の読み方。紙の本と電子書籍の使い分け。等々。 フィールドワークのノウハウはまるでハンティングに行くよう。 で、シンプルイズベストですね。 日々身を削るように仕上げる執筆作業が目に浮かぶようです。膨大な資料を選択し、読破し、必要な部分を抽出し、作品に仕上げていく。産みの苦しみ。 そして脱稿した暁の爽快感・カタルシスは癖になると語っています。 私も掌編で良い(とはなんだ!)ので、創作チャレンジしてみようと思わせてくれる一冊です。  

    0
    投稿日: 2017.02.27
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    混迷深まる現代を知的に生きていくためには、「情報」や「知識」だけではなく、さらに深い「思想」が必要だ。それをいかにして獲得し、更新していくか。自分の中に知的な見取り図を作るための、新聞や本との付き合いかた、アイディアや思考の整理法、環境の整えかたなどを指南する。小説だけでなく、時評や書評を執筆し、文学全集を個人編集する碩学が初めて公開する「知のノウハウ」。 新聞書評の現場が興味深い。

    1
    投稿日: 2017.02.16
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    著者がどういう方かも知らないまま、書名に飛び付き購入したもの。想像の通りで、手段のハウツー本ではなく、もっと根源的な「知」の求め方についての本。 いつも感じるのは、この手の本の著者は、当然ながらサラリーマン的感覚とは違うので、それを自分の「仕事術」と同列に捉えられない。

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    投稿日: 2017.02.10
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     作家で詩人の著者による知の活かし方。いろいろ情報が飛び交い何が真実で何がフェイクニュース(うそのニュース)か分からない今という時代を生き抜くための参考にと思って読んでみた。  池上彰も述べているが、ネットのニュースだけでは不十分で紙の新聞も読むことを説いている。インターネットはそれぞれのニュースを素早くとらえるのには向いているが、全体像をつかむのには新聞のほうがよいと述べている。  本の手放しかたと言う1章があるのが印象に残った。本を買って読むとたまっていく一方で預金と違って利子がつくわけではなく、ただ部屋が狭くなっていくだけ。ストックの読書とフローの読書と言う考え方を示している。ストックは、買った本は売らずに取って置く。フローは読んで次の読者にわたる。何を残して何を話すかはそれぞれの興味による。  もう一つ、印象に残ったのが非社交的人間のコミュニケーションと言う1章。「対談は自分ではなく、相互のため」というように、自分のためだけに誰かの話を聞くということをしてこなかったと述べている。  仕事術と言うタイトルはついているがもっと幅広いことが書かれている。

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    投稿日: 2017.02.05
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     こういうノウハウの本は、ときどき読みたくなる。  取り入れるためではなく、自分のやり方を見直すために。  この本の場合、「信念」が伝わってくる感じで良かった。

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    投稿日: 2017.02.05
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    <目次> はじめに  あるいは反知性の時代の知性 第1章   新聞の活用 第2章   本の探しかた 第3章   書店の使いかた 第4章   本の読みかた 第5章   モノとしての本の扱いかた 第6章   本の手放しかた 第7章   時間管理法 第8章   取材の現場で 第9章   非社交的人間のコミュニケーション 第10章   アイディアの整理と書く技術 第11章   語学習得法 第12章   デジタル時代のツールとガジェット <内容> 作家、詩人であり、書評やエッセイなどの著作の多くある池澤夏樹さんの自分の仕事術を公開したもの。若いころからの本読みである池澤さんのマネはとてもできないが、いろいろな刺激になり、鍛錬をしなければならないと感じられた1冊。

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    投稿日: 2017.01.31
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    知の仕事術というよりは著者自身の本へのこだわりがよくわかる本です。 本の選び方、読み方、整理の仕方。 きっと一人ひとり自分なりのこだわりがあるんでしょうね。 本好きな人は本を手放せない人も多いが筆者は必要がなくなった本は希少な本だとしても惜しみなく手放すタイプ。 私自身も昔は本をコレクターしていたが今は殆ど手元に本を残さないのでよくわかります。 昔は珍しい本は古書店などをめぐって探していたし、一度手放すともう手に入らないという考えもありましたが、今はネットを介することで大抵の本はいつでも何度でもすぐに手に入れられる。 自宅という本棚になくてもすでにネット全体が自分の本棚のようにすぐに検索可能になっています。 電子書籍というものが出てきたことも本との付き合い方が大きくかわるきっかけになりましたね。

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    投稿日: 2017.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    題名に“仕事術”とあるが、著者は小説家なので、本書の個々のノウハウが一般的かといえばそうとは言えないかもしれない。 しかし、「情報、知識、(それから思想も)」をいかにして獲得し日々更新していくかについての著者が取り組み方に、自分ももっと日々の生活と仕事のやり方に工夫を凝らさねばと刺激される。 新聞を読んで今の世界がどのようになっているか世界の見取り図を自らの頭の中に作る、乗り物での移動中はスマホを見ずに本を読む、などの基本姿勢に共感したり反省したり。また、本の手放し方にルールを決める、などはこれまであまり考えたことがなかったので、そう思って日々の生活と仕事のやり方を点検すれば工夫は無限大に思えてきた。

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    投稿日: 2017.01.21