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【合本版】楊令伝(全15冊+1)
【合本版】楊令伝(全15冊+1)
北方謙三/集英社
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総合評価

49件)
4.2
16
20
9
0
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    読む順番として水滸伝を読んでから読むべきものかもしれない。 梁山泊の反乱に敗れてから、その後にどのようにして残党が復活するかが書かれている。 時代は宋で、北には遼と建国したばかりの女真族の金がある。 燕青は北の地に楊令を探しに行く。 1巻の最後まで楊令出てこないって随分焦らしたな。後、登場人物多すぎで最初は訳が分からない。

    0
    投稿日: 2024.07.29
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    4.1 少し間を空けてきました楊令伝。 水滸伝とはどこかテイストが違うような、どこか暗雲が常に視界に漂っているような感覚。 読み進めながらもずっと心がザワついていて、それはなにか希望と絶望が入り混じったような、どちらとも言い難い感情なのよね。 最後のシーンは1巻の終わりとして相応しすぎるねとりあえず。

    3
    投稿日: 2021.03.18
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    梁山泊陥落から3年後を描いた物語の始まり。 『岳飛伝』を読むにあたっての再読。 宋江が招安に応じて帝のために働く元々の水滸伝の退屈さとは全く違う北方水滸伝の続編です。 かつての好漢の生き残りや息子たちが、胸の内に「替天行道」を秘めつつ再起を期していますが、やっぱりどうしても昔からの好漢を贔屓してしまう自分がいます。

    1
    投稿日: 2021.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    水滸伝に引き続き、一気読み。 単なる国をかけた闘争を描くだけでなく、『志』という不確かなものに戸惑いつつも、前進する男たちの生きざまが面白い。壮大なストーリー展開の中で、たくさんの登場人物が出てくるが、それぞれが個性的で魅力的。よくもまー、これだけの人間それぞれにキャラを立たせられな。そして、そんな魅力的で思い入れもあるキャラが、次から次へと惜しげもなく死んでいくのが、なんとも切ない。最後の幕切れは、ウワーーっとなったし、物流による国の支配がどうなるのか気になってしょうがない。次の岳飛伝も読まないことには気が済まない。まんまと北方ワールドにどっぷりはまっちまいました。

    0
    投稿日: 2018.09.13
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    梁山泊の生き残りたちがどう再帰していくのか、楽しみでぐいぐい読んでいたのだけど、楊令が…。 なんでこんなになってしまったの? 宋江の遺志について、どう思っているの? 疑問がMAXのところで次巻に続く。 少年ジャンプかっ! 初代梁山泊のメンバーに比べて、ジュニア世代がみんな戦闘力高い。 花栄の息子、花飛麟の正確に問題があったけど、王進のところに行ったからにはまあ大丈夫でしょう。 しかし彼も扈三娘が気になるのですか。そうですか。 そして呉用。 相変わらずみんなに嫌われまくっている。 宋江がいたら「お前も損な役回りだな」ってきっとわかってくれると思うのだけど、もはや宋江はいない。 こんなにみんなから浮いた状態で、この先やっていけるのか、呉用。 いざ、次の巻へ!

    2
    投稿日: 2017.10.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大水滸伝シリーズ第二章のスタート。 梁山泊陥落から三年。敗北の痛手と虚脱感を抱えながらも再起の準備を進めていく面々。燕青、武松は候真を伴い楊令の行方を追い金国へ。 三年間の辛苦を経てそれぞれ心境の変化が見られ中々すぐに再スタートとはいかない雰囲気。 ギラギラしていた歴戦の強者たちもどこか丸くなった印象。(みんな呉用と馬が合わないのは相変わらずだが) そんな中でも花飛麟、候真など次世代の若者の成長も見られる。 そして焦らしに焦らしてラストでようやく楊令が登場。 闊達な若者がなぜ苛烈な戦いを続ける「幻王」になったのか。 いつ帰還するのか。梁山泊に何をもたらすのか。 次巻以降も楽しみだ。

    1
    投稿日: 2017.10.23
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    ●1回目 2007.9.24 冒頭の3ページのカタルシス! これこそ続編を読む醍醐味というものだ。 この興奮を超えるような感動を最後に与えてくれるなら、「楊令伝」はまぎれもなく「水滸伝」を上回る傑作になるのだが、はたしてどうなるだろうか。 ●2回目 2015.1.24 水滸伝からそのまま引き続き楊令伝。 本当は、梁山泊陥落からこの物語が始まる間の3年間、とまではいわないにしても、数日間は開けた方がよかったかもしれない。 その方が再開の感動があったはず。 だが読み始めてしまったものはしょうがない。 楊令伝全15巻の開幕。

    0
    投稿日: 2017.10.11
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    あの大敗から3年後。梁山泊はまだしぶとく生き残っていた。さて、これからどんな戦いが待ち受けているのか。 楊令が、頭領となる決意をしたのかな。また、魅力的な人物がたくさん出てくるのだろうか?

    0
    投稿日: 2017.05.03
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    梁山泊陥落から3年・・・ 皆んな苦労してきたんだなぁと思います。 黒旋風や豹子頭が死んで武松や公孫勝の心にポッカリ穴が空いてますね。 でも皆んな元気で良かった! 期待の新人も沢山いるようで候真の体術は何処まで凄いものになっていくのか楽しみです。 また子午山の王進様も健在で若者達の成長が期待できます。水滸伝の頃から子午山が一番落ち着きますね。 洞宮山と太湖の塞がどう仕上がるかも楽しみです。 最後に、呉用が生きていたのにはビックリ! 皆んなから嫌われすぎて可哀想。 一度、呉用も子午山に行ってみては?

    3
    投稿日: 2017.02.18
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    水滸伝を読み終え、やはり気になるので読み始めています。 こういう風に第一部、第二部と続くような作品というのは無理やり続けている感が出てくるものですが、今のところそういう雰囲気もなくハラハラドキドキしながら読めています。 梁山泊の生き残りなどが今後どのように行動していくのか。 見物です!!

    0
    投稿日: 2016.02.25
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    「そうやって思い出してくれる弟がいて、お前の兄貴は幸せだ」 「ちがうな、思い出してしまう人間を持った俺たちが幸せなんだ」 理屈など男が思うさまに生きた跡をなぞるように、後ろから付いてくるものなのだ。

    0
    投稿日: 2015.03.13
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    梁山泊が陥落してから三年後のお話。 バラバラになった梁山泊メンバーがそれぞれの想いを抱えながら、またひとつになろうとしている。 新しい若い人や、死んでしまった豪傑たちの息子達も出てきて、ああまた梁山泊が始まるというか戦いが始まるのかとわくわくして、ページをめくる手がとまらなくなりました。 というか、花飛麟が本当に花栄の息子なのかというくらいすれてて可愛いです。秦容はしっかりしてるのに…。 この二人の成長が楽しみでしょうがないです。 続きが早く読みたい。

    0
    投稿日: 2014.12.10
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    水滸伝読了からの続きで読書開始。 登場人物がそれぞれ傷を負っているけれど、それでも前に進んで行こうとする姿は、男として共感せざるを得ない! 1巻だけでも読んでみたらその面白さにハマります!

    0
    投稿日: 2014.02.01
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    水滸伝のラストから三年。 冒頭から、無事に生きていたおなじみの登場人物たちがぽつぽつと登場してきて、一瞬思わず顔がほころぶものの、すぐに厳しい物語世界に引き込まれる。 そして、巻末でついに主人公が、頭領が姿を見せる。いやが上にも次巻以降への期待が高まる。

    0
    投稿日: 2013.08.27
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    水滸伝読み終わって、こんな大作を読んだあとはなに読んだら良いものかと困っていたので、続きが有ると知ってすぐ手に取る。水滸伝その後の話。

    0
    投稿日: 2013.05.20
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    わかってはいたけど、登場の仕方がもう少しかっこよければいのにな~と思わなくもない。 やっと動き出したか…!

    0
    投稿日: 2013.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ようやく楊令伝を読み始めました。1巻では、梁山泊の壊滅から3年後の設定から始まるのです。なかなか楊令が登場してきませんでしたが、幻王と名乗って最後にようやく姿を現しました。それ以外では実は呉用が生きていたり、2世がいろいろ登場してきたりとで、楊令伝は楊令を中心に、この2世達が活躍していく構図になっていくのだろうと思います。また、王進の人材育成所?は相変わらず顕在のようです。2巻以降が楽しみになってきました。

    0
    投稿日: 2013.05.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    北方水滸伝シリーズ続編。 前作で死んだ楊志の息子である楊令を探す内容。 宿星の半分ほどが前作で死んでいる中、どう進めるかと思っていたら、 続々とその子息が現れて、またそこから面白い展開が広がる予感を思わせる。

    0
    投稿日: 2012.12.26
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    全15卷。 北方水滸伝の続編。 http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/408746086X 前作水滸伝が、 男臭さのバーゲンセールな感じで 若干胸焼けだったことと、 曲がりなりにも水滸伝であった前作と違い、 完全創作であることがあって、 あまり読む気はなかった今作。 まあ。 結局読むんだけど。 前作のおさらいも含めて、 水滸伝から全巻一気読み。 両方併せて34卷。 前作は夢を追う、熱血で美しい物語だったのに対し、 今作は夢の形が見えて来てからの、 ニヒルでシビアな現実感が強い物語。 なので、前作ほど単純に燃える感じではなく、 寂しさとか切なさみたいなのが全編を覆ってる。 全体的に少し暗い。 もっとこうして欲しかったとかもあるけれど、 次作、「岳飛伝」が続編としてスタートしてるようなので、 3部作の2作目として考えると、 こんな感じで良いんだろうなって印象。 単体で見ると水滸伝の方が好き。 昔の同士が年とっていろいろ問題出て来るのとか 結構切なくて嫌。 あと、最後。 これは無いわー。 北方先生ー。

    0
    投稿日: 2012.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    水滸伝の続編。 水滸伝では数多の勇士が死んでいった。けれど彼らが残した種は確かに芽吹いているのだと、新たな登場人物が出るたびに胸が熱くなった。 かつてはどこか子供のような幼さを見せていた史進が成長し、林沖を彷彿させる言動を見せていることに泣きそうになった。林沖が死んでしまったことが、今なおこんなにも哀しい。 全十五巻。時間をかけてじっくりと浸ります。

    0
    投稿日: 2012.11.21
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    6巻まで読んで文庫の発行が追いつかなくなったので一旦ペンディングしてましたが、全巻出揃ったのでもう一回最初から読み直し。

    0
    投稿日: 2012.09.07
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    北方水滸伝の続編、、、読み始めちゃいました。全15巻。 またあの心が揺さぶられるような物語が始まるかと思うとwktk 滑り出しは上々。

    0
    投稿日: 2012.08.12
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    「水滸伝」の続編です。 月並みな言葉だけど、北方さんの本は読み始めたら止まらない。 続きが手元にないと、気になって気になって夜も眠れない(笑) やっと8月に文庫版が完結しそうなので、 待ちきれなくて、ついに読み始めてしまいました。 また至福の時間がやってくる~長いようで短い旅の始まりです。 官軍との死闘から3年。 散り散りになった梁山泊の同士達が、水面下で活動している。 梁山泊の残党狩りは苛烈を極めるけれど、彼らには志がある。 懐かしいメンバーが次々と登場して、胸が高鳴ります。心が震えます。 そして志と共に亡くなった漢の子供達も新たに登場。 彼らがひたすら待ちわびているのは、行方が知れない楊令… これからの展開が楽しみです!! 秦明の息子・秦容は大きく成長しそうな予感。

    3
    投稿日: 2012.06.28
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    北方水滸伝の続編。 水滸伝が熱狂的に終わった後だけに、楊令伝にちょっと手が出なかった。文庫本が全部出揃ったのを見計らって、そろそろ楊令伝も読もうかと。

    0
    投稿日: 2012.06.18
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    第二幕の序章。呉用さん生き残ってくれて嬉しい!すごくみんなに嫌われているとこがまた、早く呉用視点が読みたいと思わせられる。燕青のとこで候真が、王進のとこでも張平が育っているのもワクワクする。幻王を早くみんなに会わせたいわー!と読者が思いながら足早に2巻へ。

    0
    投稿日: 2012.06.04
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    中国の物語 面白くて最高だった 中国の宋の時代の物語で 梁山泊陥落後のお話 難しい漢字が多くて 読むのに苦労した BY G

    0
    投稿日: 2012.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    梁山泊死せども、替天行道の志は死さず。 志は次の世代へと引き継がれる。 散っていった英雄たちの息子らは新たな戦いを引き起こすのか?

    0
    投稿日: 2012.03.15
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    大好きな北方謙三さんの『水滸伝』の続編。 読み始めたら全部買うよな~と思っていたので、 ちょっと避けていたのですが、買ってしまいました。 早く2巻が読みたいです。 役人の腐敗政治、腐っていく国を建てなおしたい、 倒したいという気持ち、志を持った人間たちの闘い。 同じ志を持った人たちが集まり、 それぞれの役割を果たし、助け合い、 どんな敵にも果敢に挑む姿が格好いい。

    0
    投稿日: 2012.03.10
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    梁山泊が崩壊し、宗江が死んで革命は終わったかに見えた。 けれど、志を受け継ぐ者たちが、友のため、仲間のため、 死んだもののために再び立ち上がろうとしていた。 相変わらず読者を惹きつけるストーリーで、 水滸伝の登場人物の二世達も現れて、ますます面白くなってます! あの人はほんとに楊令なのか!? ラストのヒキは非常に北方謙三らしいです。

    0
    投稿日: 2011.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    北方版『水滸伝』第2部スタート。前シリーズを読了して時間が立ってしまい、忘れている部分も多いのですが、多彩な登場人物たちの行動を見ていると、個々のエピソードが戻ってきます。童貫との戦いで敗北してしまった梁山泊。その3年後、雌伏することから脱して再び戦いが再開される。だが、肝心の楊令の姿が居ない。彼は何を思い続けていたのだろうか?

    0
    投稿日: 2011.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    北方水滸伝の続編。 あの楊令が題名になってしまうくらいの続編なのに、 第1巻では、最後にちろっと出てくるだけ。 でも、その”ため”の過程がいい感じ。 童貫との戦いを生き残った同志たちのその後を描きつつ、 少しずつ楊令に近づいていく。 そして同志たちの子息が育ち、 彼らの葛藤や未熟なところも魅力的。 方臘の存在も気になるところだが、 今回も王進再生工場では泣かされるんだろうなぁ、と期待。

    0
    投稿日: 2011.09.23
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    ついに始まった。待ちに待った北方「水滸伝」の続編である。図書館で借りることを自ら禁じて文庫版が出るのをずっと待っていました。約三年間。これから約15ヶ月、胸躍る漢(おとこ)の世界に浸れます。 「水滸伝」全19巻の概要、を著者自身が書いています。楊令の視点から見事にまとめていて、この二ページの一文自体が独立した作品になっています。そのまま、書き写したい。内容もそうですが、「文体」も私のお気に入りなので。  何もかもが、真暗だった。  覚えているのは、顔の青い痣からだ。青面獣・楊志。賊徒に破壊された村から救い出されたその日から、その顔の持ち主が、楊令の父となった。  楊志は、「替天行道」の旗を掲げて腐敗混濁した宋の支配を覆さんとする反乱組織、梁山泊の一員だった。ある日、梁山泊の仇敵・青蓮寺の謀略によって、楊志は闇の軍に囲まれる。息子を守るため、楊家伝統の吹毛剣をふるって百人を斬り、楊志は壮絶な戦死を遂げた。そのときに浴びた火の粉によって、楊令の顔にも楊志に似た痣がついた。眼に焼き付けた父の死の光景は、顔の火傷と同じように、けっして消えることはないだろう。話す言葉を失い、ただ「強くなりたい」という思いだけが、楊令の中で大きくなった。  楊志の死後も、楊令の居場所は梁山泊にあった。楊令の体には、父の遣った剣が強く刻み込まれている。やがて、豹子頭・林沖に剣技を鍛えられるようになった。林沖との立ち合いに、言葉はなかった。ただ打ち据えられる苛烈な稽古だったが、ひとりの男として対等に向き合ってくれているのだと感じた。 梁山泊は楊志の後継者として、青洲軍将軍であった秦明を同志に引き入れる。楊令は秦明のもとで養育されるが、秦明を父と思い定めることはなぜかできなかった。ある日、熱を出した楊令のために、一人の男が薬草を取って崖から落ちて死んだ。その蔓草を秦明から手渡されたとき、溢れ出す涙を止めることは出来なかった。男の命が、そこにあった。以来、小さな布袋に入った蔓草は、楊令の懐にしまわれている。  やがて魯達に連れられて、かつて史進や武松も暮らしたことのある子午山へと送られた。子午山に隠棲する王進から、楊令は本当の強さを学ぶ。王進とその母と、同じく子午山に預けられた長平と穏やかな暮らしを続けていたが、成長した楊令の元へ、病を得た魯達が訪れた。魯達は、梁山泊の同志たちとその志のすべてを楊令に語ったあと、憤死する。魯達が楊令に伝えたことの本当の意味は、まだ分からなかった。  宋との戦は最終局面を迎え、ついに禁軍最強の童貫元帥が出陣した。激戦の末、梁山泊の要衝は、ひとつひとつ陥されていく。楊令は梁山泊に合流するため子午山を降りるが、カクキンとともに北に行き、女真族の阿骨打について遼と闘った。梁山泊では秦明、林沖らが戦死する。戻った楊令は林沖亡き後の黒騎兵を率い、父譲りの吹毛剣で兜を飛ばし頬を斬るも、ついに童貫を討つことはできなかった。  かくして、梁山泊は陥落した。官軍に包囲され炎上した梁山泊で、楊令は頭領の宋江から「替天行道」の旗を託される。楊令にとって、生きることは別れの連続だった。瀕死の宋江に吹毛剣で止めを刺し、自らの胸に問いかける。人が生きることはなんなのか。すべてが闇のようなこの世に、光はあるのか。  敵中を斬りぬけ、楊令は、ひとり梁山湖へと跳んだ。曙光を求めて。 第一巻は梁山泊陥落より三年後。まだまだ助走である。楊令は遠く女真族が起こしたばかりの金国で幻王と名乗り、梁山泊とは一切連絡を絶っていた。やがてこれから北宋の滅亡が描かれるのだろう。そのとき、梁山泊の生き残りたちはどうなるのか。楊令はどうなるのか。新しく登場してきた英傑たちの落とし子たちはどうなるのか。「魯達が楊令に伝えたことの本当の意味は、まだ分からなかった。」と、書いているがそれはおそらくこの「楊令伝」を予言しているのだろう。 男たちは寡黙だ。語る言葉ぽつぽつと。魅力的なのはやはり新しい人物たちだ。武松と燕青に鍛えられ体術の達人になりつつある候真、自信家でそれだからこそ危うい花飛燐、まだ12歳秦明の落とし子秦容の才能が開花していくさまを見るのはどきどきする。

    12
    投稿日: 2011.09.17
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    2011年09月 02/055 文庫版が出たので、読み直してみました。ハードカバーは実家にあるものの途中までしか読めていません。 2回目なのでじっくり読み込み。旧知の人物がでてくる感覚が、再会気分でうれしい。世界観にたっぷり浸りながら読むべし。

    1
    投稿日: 2011.09.10
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    一気に読み切った。後水滸伝、長編の始まりとしてテンション上がってきた!北方水滸伝読んでない人がいきなりコレ読むのは冒険なんで、読んでない人はそちらを読んでからだな。以降の巻もまとめ買いしてしまうかな、コレは。

    0
    投稿日: 2011.08.28
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    水滸伝の凄さをどんな形で継承・展開するのか? それが、この作品に対する俺なりの期待だ。 壮大な交響曲の第一楽章プロローグという感じの第一巻だった。 単行本でこの作品についての書評等はある程度知っている。 が、何か違うのではないかといつも思っていた。 さて、この物語の終わりにどんな感想を持つのか今から楽しみでならない。

    1
    投稿日: 2011.08.28
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    北方水滸伝読まずにこれから入るのは、かなりの冒険。しかし、登場人物の予備知識なしに、最初の相関図的なページに戻りながら読み進めるのはちと難儀ではある。

    0
    投稿日: 2011.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ついに文庫化された楊令伝。相変わらずの北方ワールド前回も、第一巻ということで静かな立ち上がり。長編小説ならではの、まずはお互いに肩慣らしといったところか。 ブクログ、こういう複数巻のものは1冊づつではなく、シリーズで登録できたら便利だな。

    0
    投稿日: 2011.08.14
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    水滸伝3年くらい前に読み終わって、楊令伝ずっと読みたかった。 それが文庫で出てて、買って読みました。 最高でしたー。北方謙三さんの文章力でしょうか、あの世界にどっぷり浸かれました。 人の名前が多いから、誰だったか忘れている部分も多かったですが、何とか思い出してきました。 水滸伝もそうでしたが、一人ひとりに輝くものがあるのが良いですね。 あと、全員に志があるとかではないのも、人間味があって好きです。

    0
    投稿日: 2011.08.07
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    北方水滸伝の続編がついに文庫化。待ってましたーっ。胸が熱くなる漢たちの戦いの行方はいかに!一度読み出すと他のことを放り出してでも読みたくなるのが北方先生の作品です。

    0
    投稿日: 2011.08.01
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    北方水滸伝の続編。後水滸伝のようなもの。でも、北方氏の水滸伝はご存知の水滸伝と違い、現代チックに作られ、生き残る人たちも異なる。

    0
    投稿日: 2011.08.01
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    待ちに待った、やっと出た、楊令伝の文庫版! 梁山泊の敗戦から二年、再起を目指し、集う同志たち。 しかし、ただひとつ、足りないものがあった……。 長編の第一巻らしく、静かに物語の幕が開いた感じ。 相変わらず各陣営、登場人物一人ひとりを描く力が凄まじく、 北方先生の筆の力をありありと感じる。 一番好きな一丈青扈三娘の見せ場があって大満足。 そして扈三娘に執着する花飛麟が、人間性含めてとても気になる存在。 積ん読にしてある二巻も楽しみ!

    0
    投稿日: 2011.07.31
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    童貫との戦いで敗走した梁山泊軍。 多くの英傑が消え、そして何人かの英傑が残った。 雌伏すること三年。 呼延灼、史進、李俊それぞれが部隊を率いているが追撃から逃れるために一箇所に集結すること無く移動を繰り返していた。 欠けているのは統領となる人物。 はたして楊令は生きているのか、何処に居るのか。 物語の主人公を求める期待の第1巻。発進。

    1
    投稿日: 2011.07.24
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    【あなた方と、話をしなければならない時機が、いま来てしまったのですね】 水滸伝の続編。 まだ1巻なので、序章的な感じか。これから盛り上げるための、要素がいろいろと。水滸伝で活躍していた人物やその子供たちがでてくる。毎月でるようなので期待。

    0
    投稿日: 2011.07.21
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    北方水滸伝の続編がついに文庫化開始されました。魅力的な漢たちの活躍に血沸き胸が躍ると思うとこれからがとても楽しみです。

    0
    投稿日: 2011.07.17
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    続・水滸伝という内容だ。 主人公の楊令がなかなか出てこないのは、心憎いばかりの演出だ。 それぞれの登場人物の言うことが、あまりにカッコ良すぎる。 これから十数巻続くと思うと、ちょっとしんどいが、とにかく読み続けようと思う。 ただ、登場人物が多すぎて、覚えきれないので、登場人物の説明をもっと詳しくしてほしい。

    0
    投稿日: 2011.07.10
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    ついに刊行! 楊令伝文庫版。 あの水滸伝の続編です。 懐かしい人達、懐かしい風景。新しい人達。 そして楊令。 毎月の楽しみが増えました。

    0
    投稿日: 2011.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    待望の文庫化。(北方水滸伝が大好きだったので・・・) 登場をここまで引っ張るとは・・・。 早く次が読みたい。

    0
    投稿日: 2011.07.02
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    ついに文庫化してくれましたか…! 最終巻が出る来年8月まで、どうか日本で生きられますように。 2巻までくらいは確か単行本でも読んでいて、梁山泊が落ちたあとの同志たちの行方を、私ももう一度確かめながら読んだ。 素直な侯真、もとから好きだけどイケメン確定した馬麟。好きな人物はたくさんいるけど、この一巻で何より好い味出してるのは、顧大嫂&孫二娘+杜興トリオだな!やばいわオバサンとジジイの取り合わせはw そして、楊令。 楊令は本当に、私の英雄像の理想といえる。 『ますらお』の九郎がまさにそうだったけど、恐ろしく冷酷で魅入られたように強く、心の中であてもない激しい憎しみが燃えていて、誰も手がつけられないほどの悲しみに囚われてる。 そばに居るのも恐ろしいのに、一度でもその眼を見れば二度と離れられないような、そんな磁力を持っている存在。 楊志が死んだ時には、楊令がどうグレてくれるか楽しみで仕方がなくて、王進のとこで超然デキ杉君になった時にはがっかりしたけど、だからこそ前作水滸伝のラストを読んだ時には、心の底から北方先生にハグしてチューしたかった。 素晴らしいスレ方してくれた楊令君。 次巻以降が楽しみですニヤニヤ。

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    投稿日: 2011.07.01
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    「漢」と書いて「オトコ」と読む。そんな小説が帰ってきた!北方水滸伝にはハマりました、まさに一気読み。そして続編の楊令伝。1巻はまだまだ序章というところですが、最後の台詞がこれからの物語の広がりを感じさせます。次が読みたい!

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    投稿日: 2011.07.01