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革命前夜
革命前夜
須賀しのぶ/文藝春秋
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総合評価

436件)
4.3
190
157
56
4
0
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    須賀先生の作品を初読。素敵な作家さんに出会えた。バブルに浮かれてた日本と同時期に東ドイツで起こってたことを比較すると考えさせられる。他の作品もぜひ読んでみたい。

    12
    投稿日: 2026.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「この本に出会えて良かった!」と叫びだしたいほどの面白さ。 解説で朝井リョウさんが『書けないものない系の書き手』と言ったのがよく分かる。海外の歴史的な出来事を背景に、ここまで丁寧に描けるのがすごい。 これまで冷戦下のドイツが、西と東で貧富の差があったことを知らなかった。 当時のドイツの現状を知って、改めて国と国民は別物だと思った。国が悪い行いをしている時、国民は、悪事に加担する加害者ではなく、無理やり従わされる被害者になる。 それを特に感じたのは、IMの元締めだったイェンツの末路。密告者として周りを利用していたけど、ヴェンツェル事件の真相から色んな葛藤があったことが伺えた。 マヤマがイェンツの目が笑っていない事に気付かなかったのは、鈍感だったからではなく、親しい人に向ける態度は違ったからだと信じたい。だけど、マヤマとの最後の会話を思い出すと救いがなくて辛い。 切ない場面も多かったけど、ヴェンツェルから楽譜が届き、ベルリンの壁が壊されるという希望に溢れたラストに心が浄化された。 主人公だけでなく、沢山の人物の心情や成長が丁寧に描かれていて惹き込まれた。とても読み応えのある長編だったので、作者の他の作品も必ず読もうと決めている。

    13
    投稿日: 2026.03.22
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    第18回大藪春彦賞 初読みの作家さんだけど、すぐに星5を確信して贅沢な読書時間を体験できた。 まず、才能ある音楽家たちの世界を、豊かな描写とともに味わえる。 これだけで満足だけど、舞台はベルリンの壁崩壊前の東ドイツで、監視され制限の多い人々の暮らしや、民主化運動の激化を知ることができる。 そんな中での人と人との関わりや、音楽の役割りが丁寧に描かれていてとても興味深かった。 更にまさかのミステリー要素あり、感動ありで、泣きながら本を読み終えた。 すごい書き手にまた1人で会えたことが幸せ。

    39
    投稿日: 2026.03.19
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    冷戦下の若者達の葛藤を音楽学校を舞台に描く 個人の今年読了の本でNo. 1 冷戦もだが音楽への情熱が若者達を迷わせる 争いがなく晴れやかな舞台で彼らの生き方をみたい 焔を燃やせ

    1
    投稿日: 2026.03.01
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    ベルリンの壁が壊れる前の東ドイツ。 日本人留学生の主人公はバッハに心酔し、より純化した音を求めてあえて共産主義の東ドイツを留学先として熱望した。 けれどそこで出会ったのは自分以上に真剣に音楽に向き合い突き詰める仲間たち。 圧倒的な才能に翻弄されて自分を見失ったとき、温かく迎え入れてくれた東の人々、他国からの留学生達。 共産主義の圧政と物資不足。密告者の恐怖。自由を求める人々。 時代の臨場感。 本当に読んで良かった、ものすごい物語を読んだという感想です。 重厚感はもとより繊細な音楽描写、 相当な文章量なのにすいすい読めました。 読書好きな人なら一度は読んでみて欲しい作品です。

    1
    投稿日: 2026.02.23
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    タイトルや表紙の絵から、戦場のピアニストっぽい話なのかなと思ったら、ベルリンの壁崩壊前の東ドイツを舞台に、ピアノ留学をした大学生 真山シュウジの群像劇だった。 その当時の東ドイツという場所が如何に暗いのか、自分しか信じられる者はいない、というのをひしひしと伝わってくる。 日本とドイツは同じ敗戦国だが、日本は焼け野原で何もなくなった事からむしろゼロから復興しやすく、一方でドイツは瓦礫の山だったから、復興は難しく煤焦げた街並みのまま、と言う描写がドイツの暗さを端的に分かりやすく示されており、とても印象に残った。 中盤から、西ドイツの亡命や、殺人未遂事件なども起きて、一気に怒涛の展開になっていき、面白さも加速していった。 結末が少し淡白な感じがしたが、全体的に没頭できる良作だった。

    19
    投稿日: 2026.02.19
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    海外の歴史にもクラシックにも疎いわたしですが、楽しめました。 聞き馴染みのない曲名をBGMで流しながら、彼らのやりとりを読んでいると不思議なことに東ドイツにいるような感覚を覚えました。 最後の最後に、イェンツにぎゅっとなりました。

    1
    投稿日: 2026.02.08
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    音楽と歴史の激流が混ざり合う  胸が熱くなる名作 ベルリンの壁崩壊直前 激動の東ドイツ ピアノの旋律とともに… 歴史のうねりに飲み込まれていく 若者たちの姿が熱すぎて 一気に読んでしまった… 音楽留学のために東ドイツへ渡った 主人公が目撃する 閉塞した社会と「革命」の足音 友情、プライド、そして自由への渇望 物語の終盤はパズルのピースがハマるように 加速していく展開にページをめくる手が 止まりませんでした! 解説も朝井リョウさんで 最後まで激アツ! ミステリー要素もありつつ 最後は圧倒的な人間ドラマに涙でした 最近読んだ本の中で 間違いなくベスト級の一冊!!

    0
    投稿日: 2026.02.02
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    面白かったー! ずっと積読していて、なぜもっと早く読まなかったのかと思った。 音楽には詳しくないけれど、ベルリンとドレスデンには行ったことがあるので引き込まれた。 朝井リョウさんの解説も面白かった。

    11
    投稿日: 2026.01.25
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    テンポよく進むストーリーで読む手が止まりませんでした。 分断されたドイツの陰鬱とした時代背景にて、眞山少年の苦悩と葛藤と少しの恋愛を描いた成長譚、、かと思いきや最後の最後で伏線が回収され、いい意味で裏切られました。 登場人物のキャラクターが立ち、最後まで飽きることなく読めると思います。ただ、彼らのギブンネームとファーストネームが固定されずに呼ばれるので、何度も巻頭にある登場人物の名前が記載されているページに行ったのは内緒です笑

    1
    投稿日: 2026.01.20
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    小説の中に出てくるバッハやショパン、ラインベルガーなどを聴き流しながら読むと一層入り込めた! クラシックにもドイツにも明るくない自分だが、ベルリンの壁の崩壊があったのは、確か小学生の頃で、連日テレビでその報道がされていたことをよく覚えている。 主人公をはじめとした、様々なキャラクターが入り混じり、そしてそれぞれがそれぞれの道を歩んでいく姿は、全てが幸福な結末のようには自分には見えなかったが、それはヴェンツェルの言う自業自得なのだろうか。

    1
    投稿日: 2026.01.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暇つぶしにAIと話してて、おすすめされた本です。 帯の傑作って程は自分は思わなかったけど、良作って感じかな。 途中まで、青年期の心情とか、孤独から新たな仲間との交流ってのが読んでいて微笑ましかったので、ラストに向かうほど少し苦しかったです。 でも、ミステリー風味必要だったかな? 筆力のある作家さんだと思うので、青春の爽やかさと、登場の東西ドイツの話で最後までいけたような気もします。 まだ、この作者さん1冊目なので、これがこの作者さんのよくある展開なのかはまだわかりませんが。 また、他の作品も読んでみようかな。 そうそう、音楽が聴ける本があればいいのにねって、いつもこういう本読む時思います。 オーディブルとかそういうサービス(話の中で音楽が奏でる時、音楽がなる)あるのかな?

    1
    投稿日: 2026.01.15
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    個人的にドイツ在住経験があり、趣味で楽器演奏をしているため、演奏者の葛藤や現地の雰囲気を鮮明にイメージしながら楽しんで読むことができた。 しかし、どうしても不思議なのが、著者はこの時代に居たわけでも、恐らく作家であることから海外の音大で学んだ経験もないと思われるのに、何故ここまで繊細かつ活き活きと、人々や情景を描けるのかである。 巻末の解説で朝井リョウさんが「この人、書けないものない系の書き手だ」と評しているのに首肯した次第。深く感銘を受けた。 ストーリーは、当時の東ドイツの暗く重たい雰囲気と、新たな時代に進もうとする熱狂のうねりの中に身を置く主人公の、他者との交流を通じた内面の葛藤と成長を表現しながら進む。人の内面と行動を辿るミステリー小説のような部分もあり、最後の最後まで集中を途切らせずに楽しんで読み進めることができた良作だった。

    1
    投稿日: 2026.01.03
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    2025年のうちに読み終えたので急いで登録した。 舞台は1989年、東ドイツ。 きな臭く殺伐とした社会主義国の生活の中で、音楽の甘い音色が救い。 暗いところから音楽は生まれるというのも腑に落ちる。暗さがあるから、明るさが分かる。 なんと読み応えのあることか。

    0
    投稿日: 2025.12.31
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    時は昭和から平成になる頃。 ピアノを学ぶため、柊史は東ドイツの音大に留学をする。 大学では様々なルーツを持つ学生たちが、それぞれの音楽を追求していた。 自身の音楽を見失い始めた柊史は、教会でオルガンを弾くクリスタと出会う。 分断された東ドイツ・西ドイツの狭間でその流れに巻き込まれながらも、柊史は自身の理想とする音楽を追い求めていく。 そして流れに巻き込まれていくのは、柊史の周りの音楽家たちもまた同じだった。 自分はクラシックのこともドイツのことも全く詳しくないため、正直読みにくさは感じた。 けれども、主人公柊史をはじめとする皆の音楽への熱量や、東ドイツの閉鎖的で緊張感が漂う雰囲気が伝わり、圧倒されながら読み進めた。 本作はあくまでも、ドイツに関する歴史的な経緯を描くのがメインの作品ではない。 緊迫した社会情勢のなかで生きる若者たちの背景と、その社会情勢によって生じる若者たちの人生の変化が丁寧に描かれていたように感じた。 社会的な要素ばかりが目立っていた作品だったら自分にはついていくのが難しすぎたかもしれないが、登場人物たちが切磋琢磨しあい音楽にのめり込んでいく熱さや、巻き起こる様々な事件のハラハラ感もあり、そういった部分のおかげで堅苦しくなりすぎずに読むことができて良かった。 冷え冷えとした社会の雰囲気と音楽家たちの熱量の対比で、どちらの要素も引き立っている作品だったように感じた。

    21
    投稿日: 2025.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物全員、我が強くて、みんなある種の使命のようなものを背負って生きてるなぁって思いながら読んでたのに・・・途中から誰も信じられなくなった。 音楽は全然わからなかったのでYouTubeで聴きながら読んでみた。 オルガンの音、好きだなぁ。 中盤からは一気読み。

    0
    投稿日: 2025.12.12
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    1989年の旧東ドイツ。11月9日のベルリンの壁崩壊までの怒涛の東ドイツを描く。 この頃の日本はバブル真っ只中。バッハの音楽を追求したく、喧噪から逃れるように東ドイツへやってきた日本人音楽留学生が主人公である。 バッハの聖地でバッハに集中したかった眞山だが、大きな時代の転換のうねりの中、いつしか巻き込まれていく。密告や監視の恐怖に怯えながらも音楽に対峙し続け、人間的に成長していく姿が頼もしい。 この小説、クラシック音楽が好きな人にはたまらないと思う!特にバッハ好きには。ライプツィヒとか聖地巡礼の疑似体験をさせてもらえる。いやほんと、あの辺りの教会でオルガン曲聞きたくなる~ 私の数少ない読書体験の中で、ここまで深くクラシック音楽をリサーチされた小説は恩田陸の「蜜蜂と遠雷」以来かもしれない。 作者のクラシック音楽への造詣が深いので、音楽畑出身の方かと思ったら文学部史学科出身。しかもこの時代の東ドイツには行ったことがないという・・まるであの時代を体感したことがあるのかと思うくらいの臨場感だった。 文庫版は朝井リョウ氏の解説でこれがまた面白い。ある登場人物のオチまで明かされているので、これから読む方は文庫版をお勧めする。

    22
    投稿日: 2025.12.12
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    とても良い作品。 重たすぎず、けど決して軽くなく、考えさせられる作品。音楽をやってたらもっと入れこんだんだろうな。ベルリンの壁崩壊。高校生のときでした。訳もわからずテレビのニュース見て興奮したことを思い出しました。

    0
    投稿日: 2025.12.10
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    これが単なるフィクション、小説だとは思えない。 音楽に関する物語が読みたいという動機から 表紙に描かれたピアノに惹かれてこの本を選んだ。 私はドイツに関して無知であり、また、自分の優しさや穏やかさと言った性格が世間ん知らずの温室育ちによって出来上がり日本だからこそ成り立っていることあることを実感した。 この小説をもっとより深くリアルに感じるためにドイツについて学ぼうと思う。 そして私が心に残ったシーンは全てヴェンツェルがいる。

    8
    投稿日: 2025.12.01
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    どこでこの本を見つけたか忘れてしまいましたが、これはおもしろいと読む前から確信がありました。 そんな期待を裏切らない、むしろ超えていくほどの大作です。 ベルリンの壁が崩壊する前の東ドイツにピアニストを目指して留学をする主人公シュウジ。 彼のピアニストとしての苦悩と成長を軸に、日本の元号が平成になった日からベルリンの壁が崩壊するまでが描かれています。 世界史の知識がほとんどない私は、この小説を通して当時の東ドイツとその周辺国の状況に驚くことばかりでした。 美しい音楽の描写はもちろん、登場人物の心理、そして最後のミステリー要素まですべて圧巻です。 最後のページはとびきりのサプライズで震えました。 Do you believe that music has the power to change people? You would see it in this novel.

    21
    投稿日: 2025.11.25
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    ドイツ革命前夜、ベルリンの壁を壊すまでの物語。 ドイツで音楽がどのような立ち位置にあるかを痛感させられる本でした。

    1
    投稿日: 2025.11.20
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    物語に没頭し、気がついたら一気に読了。 中途半端にお人好しの日本人留学生が首を突っ込む話ではないだろうが、それが当時の日本を象徴する振る舞いなのかも。 対して同じく学ぶ仲間たちを疑い欺かなければならない情勢とは何事か。

    6
    投稿日: 2025.10.19
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    久しぶりのなんとも言えない重厚な読後感を感じました。 ブグログでの評価や感想をみて興味を持ちましたが、恥ずかしい話、 世界史が苦手だった私は、 ベルリンの壁についても深く知ることもなく、教科書のわずかなページをテスト勉強のためだけに読んだだけでした。 今回、最初は難しく暗い灰色のような出だしに、あまり読むペースも進まなかったのですが、中盤に入り、平和だったら音楽だけに 打ちこめる青春時代を、大変な 世界情勢に巻き込まれ、誰が真の友達かもお互い疑いながら、 生きることに必死な若者達に、 圧倒されました。 私たちにすれば、昭和が終わり平成が始まるついこないだのような 時期に彼らは、こんなにもがきながら必死で生きる道を探していたことに読み終わったあとも 余韻がすごかったです。 すごい本に出会えて大事な本がまた一つ増えました。

    42
    投稿日: 2025.10.14
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    ラカトシュやイェンツ、クリスタなど自分の信じるもののために闘い抜く姿に心打たれる。 一方、一生懸命努力するけど他の才能をもつ仲間に比べ、周りを魅了する華がないように思えて苦悩する主人公に、昔の自分を重ねて共感した。 自分の感性を信じて、ちっぽけに見える自分でも周りに惑わされずに積み重ねていけば、いずれ輝く奇跡になるのかなと。 あと、ドイツの歴史について。私は世界史に疎かったのだが、ベルリンの壁が存在する頃のドイツの国民性や生活の様が想像でき、もっと世界史を勉強していきたいと思わされた。作者の、自分の存在していない世界を表現する力に脱帽!

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    ベルリンの壁が崩れる(統合)される前の話。日本でいうと昭和から平成へ変わった時。私は昭和生まれなので、もちろんこの時代もうっすらと覚えている。 音楽(クラシック)、戦争、スパイ、差別。 日本にいてはわかることのない国境。たった一枚の壁が隔てる違い。 そしてやはりこの作品で感じる国境を超える音楽の力。 「君たちが自由な言葉を封じても、音楽をこの国から消すことはきでなかった。そして本物の音楽は必ず、人々の中に眠る言葉をよみがえらせる。」

    12
    投稿日: 2025.09.20
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    ドイツが東西に分断されていた頃の東ドイツが舞台。 正に革命前夜の東ドイツ。自分の知らない土地、時代の空気感がありありと浮かんでくるのは作者の力量の成せる技。この空気感を堪能できるだけでも読む価値あり。 音楽の描写は専門外なので良く分からないけど、時代背景との絡みで是とも否ともなる当時の価値観を説明してくれる要素として重要。色んなものを背負い、色んなことに気を配りながら修練に励まないといけない彼らは現代とは違った辛さがあったでしょう。 初めて読ませていただいた作者さんでしたが、他の小説も読んでみたいと思わせる小説でした。

    40
    投稿日: 2025.09.18
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    凄い本を読んでしまった! ベルリンの壁崩壊の頃のドイツ 世界史が苦手だった自分にとっては ちょっと読むのを躊躇っていたところがある 何も知らないからだ が、そんな心配は無用だった 当時のドイツ、音楽の世界、その中で 青春を過ごすさまざまな立場の若者たち すべてが頭の中で映像化されていった 自分が今まさに革命前夜に身をおいていた 日本が昭和から平成に変わる頃 バブル期で何もかもが花やいでいた頃 音楽を極めるために バッハの生活していた地へ 冷戦の最中、自由の効かない東ドイツへ 留学することになるシュウ そこは 留学生にとっては危険のない場所ではあるが 出会う友人や周りの人々との関わりの中で 政治的な出来事や、人々の苦悩を知ることによっていつのまにか巻き込まれていく 密告するかしないか! この国の人間関係にはそれしかない! 音楽を通じて交流を深めていく若者たち すばらしい音楽に触れて ますます心を研ぎ澄ましていく一方で 自分の音を失っていく どうしていいかわからないまま 歴史の渦に飲み込まれていく! 当時の若者がこんな世界にいたのかと 今更ながらため息が出る ベルリンの壁崩壊のニュースは 時に歴史の一場面として映像で流されることもあるが、ここまで考えたこともなく 歴史のひとつひとつに いくつもの物語が重なって 今に至るのだと思い知らされた パイプオルガンで奏でる バッハの曲は好きでよく聴いていた なぜか穏やかになれるから トーマス教会で聴いたら どんな気持ちになるのだろうか その響きの奥に きっといろいろなものが隠されている だから人々の心にいつまでも 残り、伝えられる 歴史と、音楽と、青春 すべてが詰まった一冊 ブラボー!

    86
    投稿日: 2025.08.30
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    ベルリンの壁崩壊の直前。緊張の中で音楽を追求する学生たち。監視や密告のなかでも音楽は暮らしを彩り、家族を結びつけ、人をつないでいく。でも、やはり戦争がそのつなぎ目を叩き壊していき、、、狂わされる部分と、人間が乗り越えるステージが幾重にも織り込まれ、躍動感を持って勢いよく読めます。学生のみずみずしいエネルギーに満ちあふれていて、悩みつつも励まされる作品。

    2
    投稿日: 2025.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第二次世界大戦後、ドイツ内ソ連占領地域に建国されたドイツ民主共和国(DDR)。秘密警察である国家保安省(シュタージ)による国民の監視が行われ、言論や表現の自由が制限されていた。多くのDDR国民は自由が保障されたアメリカ・イギリス・フランス戦領域のドイツ連邦共和国(西ドイツ)に憧れ、亡命を試みる者や改革を目指す者もいた。 本作の主人公である日本人音大生・眞山柊史は純粋な音を求めてDDRの音楽大学に留学。自由な感性と技巧で他を圧倒するバイオリン奏者と、正反対に楽譜に忠実に音楽を再現するバイオリン奏者、そして美しい音を奏でるオルガン奏者に出会う。 自由を求めるものはその志を砕かれても立ち上がる。監視国家であるDDRと国の誇りであり自由であるべき音楽。このふたつの物語の軸が混じり合ってつながるラストがとても良かった。

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    昔のドイツってこんなことになってたんだ。ベルリンの壁崩壊の映像がテレビで流れるたびに今までとは違った目線で見られるようになった。 主人公が音大留学生ということで音楽好きには特に嬉しい設定。登場する曲名は実際に存在する曲だからそれを探して聴きました。 構成が素晴らしく、たった1行で事実がひっくり返る場面が2箇所くらいあったかなぁ。あれには驚いたし、面白かった!

    1
    投稿日: 2025.08.06
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     日本が昭和から平成に変わる時代に、東ドイツの音大へ留学する眞山柊史。  まだベルリンの壁で東西が分断されていたドイツで、その情勢に戸惑いながらも才能あふれる学生に感化されながらピアノを学ぶ。  家族や友人であっても密告されるかも知れない、自分の発した言葉が盗聴されているかも知れない。  国家保安省の絶対的な権力の恐怖の中生活をしていく気持ちは想像を超えるものだ。  終盤では、ヴェンツェルがヴァイオリニスト生命を絶たれる程の襲撃に遭う。 また目の前でオルガニストのクリスタも襲われる。  この国の人々にとっての「自由」とは、私が想像するレベルをはるかに超えたものであることを実感させられた。  歴史小説のようでありながら、まるでBGMのように鳴り響いていた音楽もとても印象的だった。 バッハの聴き方が変わりそうな作品でした。

    0
    投稿日: 2025.07.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ、そしてクラシック音楽と、関心のある設定だったにも関わらず、読み始めはなかなか乗りきらず、断念しようかと何度も考えた。 序盤で主人公が「もともとラフマニノフはあまり好きではない」(P22)と、好きではない理由も含めて述べていてしょんぼりしてしまったというのもあるかもしれない。 自分の一番好きな作曲家について、そんなふうに言われるとは思っていなかったので……。 「第三章:監視者」のあたりから没頭できるようになり、特にピクニック事件あたりの展開にはハラハラさせられながら壁崩壊の瞬間を楽しみにしていたが、正直、これで終わり!?というラストだった。 『革命前夜』というタイトルだからそれはそうなのかもしれないが、不完全燃焼な感じがあった。 設定は私好みのはずなのに、心を揺さぶるものがなかった。 心をぐちゃぐちゃにされるあの感覚が、この小説では得られなかった。 ただこれは、この小説が悪いというわけではなく、今の私が欲しているものではなかったという、タイミングのミスマッチが起きてしまっただけのことなのだと思う。 素晴らしい作品であることは間違いない。 作者自身が経験していない世界をこんなにも密に描けるのか、という点は非常に驚いた。 東ドイツのヒリヒリした空気感、緊張感が伝わってきて、まるで当時の東ドイツを実際に経験しているかのような心地になった。

    0
    投稿日: 2025.07.20
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    読書苦手な私が、物語の世界に惹き込まれた。 東西ドイツの複雑な状況、それに伴った人間関係、音楽に対して真摯に向き合う若者たちの描写が描かれていて、少し難しかったけどとても面白かった。

    0
    投稿日: 2025.07.19
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    人生で1番好きな小説。音楽の描写はもちろん、ドイツの街並みや主人公の葛藤、嫉妬、色々な悩みが丁寧で情熱的で、読んでいて自分もその場にいるような感覚になった。音楽のことは詳しくないのに、バッハのことが好きになったし、ドイツにも絶対に行きたい。何度も読んでいるけど、読むたびに心に刻まれる大事な小説。

    1
    投稿日: 2025.07.03
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    西と東にドイツが分かれていて、東ドイツの大学に留学(ピアニスト)しに行った主人公の音楽とベルリンの壁が壊れる前夜までのドイツの雰囲気や人々を描いた話。 当時の空気感とかが本当にこうだったかはわかりませんが、留学生として徐々に溶け込んでいく主人公に合わせて読者もどんどんと話にのめり込んでいく感じがしました。 重厚な話でした。

    0
    投稿日: 2025.06.11
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     いい意味で裏切られた。実は本屋で惹かれて買ったはいいものの、少し読みかけて音楽の専門的なワードに面食らい、かなり長い間積読してた(下手すりゃ5年近く)。  久々に読み進めてみると(もちろん初めから)、これはおもしろい!自分がもっと音楽に詳しければ…と悔しい気持ちもあるが、そうでなくても十分楽しめる作品。逆に言うと音楽詳しい人からしたらたまらんと思う。  ベルリンの壁崩壊直前のドイツの社会情勢などが細かく描かれており、まだまだ知らないことがたくさんあるなと改めて気付かされる。ストーリー展開も後半怒涛のミステリー的展開で飽きさせない。個人的にはスレイニェットのピアノが聴いてみたくなった。曲名がよく出てくるのでその曲を流しながら読むのも粋だと思う。

    1
    投稿日: 2025.06.08
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    面白かったです! 音楽の話やベルリンの壁崩壊の頃のドイツの話などが少し難しいと感じましたが、ストーリーが面白く、すぐに読み終わってしまいました。 音楽の面で成長する主人公が見れるかと思って最初は読んでいたのですが、結構ドイツのあれこれに巻き込まれる展開でした。(音楽の面でも成長はしたと思いますが) 怖い描写で、私もちゃんと恐怖を感じたことがとても印象に残っています。 当時のドイツの生活など知らなかったことも知れて、とても勉強になりました。

    1
    投稿日: 2025.06.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    好きな曲とたまたま同じ題名で表紙に引かれ買ってみた。最初は少し難しい話なのかと期待していたものの宗教的な考えや今を考えさせられるような日本の外の様子がとても細かくそしてリアルに書かれていて少し見くびったなと感じた。少し残念だと感じてしまったのは恋愛要素だと思う。国境を越えてだの世界平和だの示唆しているのかは知らないがやはり女と男なのだと嫌気がさす。私的な理由だがそれも含めて星4の価値はあるだろう。過去の話を見るのはとても好きなので面白かった。

    1
    投稿日: 2025.05.16
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    音楽系の小難しい話かと思ってたら、西東ドイツのもっとややこしい話。しかし、思ったよりも読みやすく、主人公よりも周りの人々が魅力的で読み進められた。 最後は意外な展開ではあったけど、読み応えがあり満足。この作者の小説ははじめてだったけど、他にも作品も是非読んでみたい。

    1
    投稿日: 2025.05.12
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    ・音楽描写の言葉が豊富すぎて著者の方がピアノ経験ないことに驚愕。 ・後半急にドラマチックになったのは驚いた。でも、そのお陰で読みやすかった。

    0
    投稿日: 2025.04.20
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    義理のお母さんにオススメされ、貸してもらう、読む。 で、だ。 ベルリンの壁崩壊間近の東ドイツが舞台。 ピアニストとして音楽留学した主人公が東ドイツの社会に巻き込まれていく。 如何にも面白そうだが、実際そんなに楽しめなかった。 主人公の性格があんまり好きじゃない。陰鬱としているんだよなー。 舞台は面白いし、キャラクターも悪くないんだけどな。 星は3つ。3.5としたい。

    0
    投稿日: 2025.04.10
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    とても面白かった。シュタージがいる怖さが最初はうまく想像できなかったが、読むにつれて常に見られてるというねっとりとした気持ち悪さが伝わってきた。人を信じれないのはつらい。 それぞれがそれぞれ誰かを傷つけながら誰かを助けている。自分の中で登場人物に対する印象が視点一つでころころ変わるのがすごく面白く感じた。 昔の日本の村八分やウクライナやメキシコとの国境の壁などに対して一段思うところがでてきた。

    0
    投稿日: 2025.03.19
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    クラシック音楽のことは何も知らないが、音楽に対する言葉による表現が凄まじくて読みながら音が聞こえてきた。 当時の東ドイツの人々の想い、そこから生まれる音楽、そして人間ドラマ、これらをエンタメとして読める大傑作。

    0
    投稿日: 2025.03.06
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    日本では昭和が終わった時代の東ドイツに留学した日本人学生は、"東の世界"を目にしてしまう 国が違えば生き方も価値観も違うというある意味当たり前のようで当たり前じゃないことが突きつけられる 同時代に行きていた自分も胸にくるものがあった 自由が空気のような存在になった現在は、何か本質的なものを忘れていないだろうかと思わされる 序盤の音楽描写に苦戦したが、後半は怒涛のサスペンスでした

    9
    投稿日: 2025.03.06
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    このひと、“書けないものない系”の書き手だ──朝井リョウ   第18回大藪春彦賞受賞作。第37回 吉川英治文学新人賞 候補。 すごく陳腐な表現ですが、これはヤバい作品に出会った…。 まずそもそも“音楽を描写する”ことのハードルの高さ。それを実現している表現力が凄まじい。目を瞑ればその情景が浮かんでくる。 更に、そもそものベルリンの壁崩壊直前の時代背景を描く風景描写に加え、物語後半から香ってくるミステリーの様相。 そして、450ページを超えるボリュームを感じさせないくらい、物語の奥へ奥へと引き摺り込まれる没入感が凄まじい。 …語れば語るだけ陳腐になる、自分の語彙力の無さに絶望するわ。 須賀しのぶ作品、他のも気になるなー。 買ってみようっと。 ・ ・ ・ ・ ・ この国の人間関係は二つしかない。 密告しないか、するか──。 1989年、日本の喧騒を逃れ、ピアノに打ち込むために東ドイツに渡った眞山柊史。 彼が留学したドレスデンの音楽大学には、 学内の誰もが認める二人の天才ヴァイオリニストがいた。 正確な解釈でどんな難曲でもやすやすと手なづける、イェンツ・シュトライヒ。 奔放な演奏で、圧倒的な個性を見せつけるヴェンツェル・ラカトシュ。 ヴェンツェルに見込まれ、学内の演奏会で彼の伴奏をすることになった眞山は、 気まぐれで激しい気性をもつ彼に引きずり回されながらも、彼の音に魅せられていく。 冷戦下の東ドイツを舞台に、一人の音楽家の成長を描いた、 著者渾身の歴史エンターテイメント。

    6
    投稿日: 2025.02.22
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    どこで知った作品か忘れてしまったけど、(そしてそこからかなり時間をかけてしまったけど)やっと読み終わって、凄くよかった作品。読了後の満足度が高い、ちょっと味気ない言い方だけど、過不足なくすべてが満たされたラストで「読んでよかった」と本当に思わせてくれた作品(映像化とかしないかな…)。 この本を読もうと思ったのは、一にも二にも場所と時代。戦後の東ドイツ。“ベルリンの壁”崩壊前の時代。この本で描写されたことが、どの程度リアルを含んでいるものなのか、は分からないけど、この時代・場所特有の、その時の“匂い”というか、その中で懸命に生きる人々のその“味”というか、群像ものとしてきめ細やかに描かれていると思いました。逆に、クラシックに疎いし、ピアノも全く弾けないし興味も無いのだけど、作品中にでてくる数々の曲名や作曲家への言及、曲にまつわる話などは興味深く読めた。 「革命前夜」というタイトルは秀逸。もちろん、壁崩壊の「前夜」でもあるし、主人公シュウジにとっても「前夜」であるし、それぞれの事情で苦しみ、もがくほかの若い登場人物たちの「前夜」でもある。そして、革命とはなんなのか。世界を変えるような話でだけではない、それぞれの人の「革命」。自分の人生を自分の手に取り戻し、茨の道を進むための「革命」。そういったことを感じさせてくれる一冊でした。

    0
    投稿日: 2025.02.16
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    こんなに重厚な物語を日本人作家の作品で読めるなんて思ってもおらず、本当に感嘆した。 芸術、歴史、社会、人間性について、時に青春小説に、時にサスペンス小説に変容しながら、ずっとワクワクして読めた。 主題がいくつもありつつ、全てが絡み合いながらクライマックスまで盛り上がり続ける恐るべき筆力。 いくつか主人公のモノローグをスマホで撮影してみたけど、どれも社会と人生に対する重要な問いかけで、簡単に答えは出そうにない。 作者の他の作品も読みます!

    0
    投稿日: 2025.02.10
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    ベルリンの壁崩壊はかなりのニュースになったけどまだ幼かったので何が凄いのかいまいち理解できなかった。 その背景や心情や熱狂の理由を東側から日本人目線で理解できる。 改めて読書は良いなと思った。

    0
    投稿日: 2025.02.02
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    蜜蜂と遠雷よりこちらが先に書かれた本なのだが、同じように主人公が覚醒してゆく話かと思ったけど、ちょっと違った。 天安門事件やベルリンの壁崩壊は、とても印象に残る事件。35年経って改めてこの事件に触れ、、とても面白く読めた。 終盤、主人公の行動や思考にやや違和感を覚え、星1つ減。でも、すごく良かった。

    0
    投稿日: 2025.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の1ページで鳥肌がたちました。 革命に立ち向かうヴェンツェルとクリスタの生き様がかっこよかった。ベルリンの壁崩壊については歴史の授業程度の知識しかなかったけれど、こんなにも熱い想いを抱えた民衆の行動の末に実現したことなのだと実感しました。

    0
    投稿日: 2025.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本で描かれる東ドイツで張り巡らされていたシュタージとIMによる監視システムは、ドイツ人の国民性をよく反映していると思いますが、日本人も同じ特性を持っているため身近なものとして感じました。映画、GOOD BYE , LENIN! を見た時は、社会主義国家東ドイツを信じて疑わず理想を抱いていたご婦人が出てきたため、大半が体制を盲目的に信じていたのではと思っていたのですが、反体制派から見たベルリンの壁崩壊直前の東ドイツはまさに動乱の最中で、如何に激動の渦であったのかが紙面上から伝わってきます。そして、東ドイツ政府が如何に望みのない限界体制であったのかがありありと描かれています。音楽小説のつもりで読んでいたのですが、いつのまにか歴史小説となり、サスペンス、人間模様までにも幅を利かせているため、目まぐるしいテンポの良い展開は読みやすかったです。ただ、要素が多いため、見どころは見失いがちでした。主人公のシュウは芸術家としては半人前で誰かに反発することで初めて自分を持つことができるという特性を持っています。シュウの内面の成長とピアニストとしての成長の繋がりを個人的にはもう少し見たかったです。 アールマイティな優等生のような作品であると感じました。

    1
    投稿日: 2025.01.10
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    冷戦時代、東西に分断されたドイツを舞台にした物語。東ドイツの音楽大学に留学している日本人学生が主人公。昭和から平成に元号が変わった年に東ドイツへ渡った主人公。 反政府運動や民主化運動を目の当たりにしながら、最後にベルリンの壁崩壊を知らされるところで物語が終了する。 音楽による表現もこの物語の重要な要素ではあるが、それよりも、東ドイツの当時の状況が鮮明に伝わってくる文章に心が動いた。 監視されるか監視するかのどちらかしかない社会、 戦後30年東ドイツで大切に教育されてきた若者が西ドイツを目指し亡命していく様子、 西ドイツに自由があると信じて疑わない若者とあえて東ドイツに残る選択をする若者、 東ドイツの改革や復興を目指す若者。 自分の信念に基づいて自分の人生を決めていく者、 社会の荒波に飲み込まれた結果の人生を生きる者。様々な生き方が示される。 著者の『また、桜の国で』を読んででファンになり、続けて本作品を読んだ(ずっと積読になっていたことを後悔)。 『また、桜の国で』よりもずっと難しくて、ちょっと想像が追い付かないところも結構あったかな。 私は『また、桜の国で』の方が好みですが、本作品もとっても素敵。

    10
    投稿日: 2025.01.08
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    作者買いする作家が1人増えた。世界観は壮大、しかし心理描写は繊細でページを捲る事に物語のなかに惹き込まれた。読み終わった時にはどこか長旅から帰ってきたのかと思える程の満足感が残った。好み過ぎる作品に出会えた興奮を落ち着けるため好きだった所を語らせて欲しい。 なによりも、登場人物の生き様がかっこいいのが堪らなく好きだった。舞台は冷戦中のドイツなため超えてきた山場の数が多いのか、かなり肝が据わっている登場人物が多かったように思う。私よりも幼い子が窮地に立たされたとしても気丈に振る舞う様子に、読む人の心を動かすような、巨大なエネルギーを感じた。 また、最後まで自身の信じる道を貫こうとする姿勢があり、またその強さが人情によって揺らぐ優しさを垣間みた時、各々の人間性に厚みが増した感覚になった。途中までいけ好かない登場人物がいたが、その人物にも信念があり、痛みを感じながらもそれを貫き通そうとする強さを持っていた。人の数だけ正義がある、という言葉があるが、まさにこの物語に相応しい言葉だと思う。 また、舞台が音楽学校、主人公はピアニストだった事も良かった。音楽に陶酔している人間は独特の世界観と強さ、そして脆さを持っている。その魅力を作者の筆の力によって遺憾無く味わえたのも、満足感の高さに繋がっていると感じた。 まだまだこの作品の好きな所は沢山あるが、書ききれないのでこの辺で。年の始めにこんなに良い本に出逢えたので、今年は沢山の良い本との出会いが待っているような気がしてならない。

    5
    投稿日: 2025.01.04
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    須賀しのぶさん初めて読んだけど筆力が物凄い。 久々に良い小説を読んだ感がハンパ無い! コレはお薦めの1冊!

    0
    投稿日: 2024.12.22
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    東西ドイツ時代の国内状況が解像度高く描かれているため、一見難しそうではあるが情景がイメージしやすく読みやすい フィナーレも良く、当該の登場人物の良さが伝わる

    0
    投稿日: 2024.12.13
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    革命、歴史の1ページは数多の人間のドラマの積み重ね まやましゅう、クリスタ、ラカトシュ 自由を求め、家畜だと詰り、抗い続ける

    0
    投稿日: 2024.12.10
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    読み進めるにつれ、心の奥が震えてくる物語でした。 「音楽」というシビアな世界。 才能ある音楽家たちの苦悩とその先で起きてくる出来事に、ページを繰る手がとまらなくなりました。 表に現れるものと、内に秘められたものと。 途中出てきた「焔を守れ」という言葉がずっと心の中に響き続け、そして情景が、鮮明に胸に残りました。

    5
    投稿日: 2024.11.26
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    終わり方がすごく良かった。朝井リョウの解説も。 社会的統制が根強い中の立ち振る舞い、密告者の存在...。結果無くして祖国には戻れないと語る北朝鮮人や、それこそ家族が亡命者であるが故に苦しい仕打ちを受けてきたシュトライヒなど、各々の重荷がのし掛かった状態で共に音楽を追い求めているのが印象的。 歴史的事象には全て理由があるし、その事を心に刻まなければなと思った。「革命前夜」すごい。

    2
    投稿日: 2024.11.24
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    東ドイツ(DDR)へピアノの勉強のため留学した眞山柊史が主人公。小さい頃からピアノにのめり込み、バッハを心から尊敬する眞山は一人ピアノ留学で東ドイツに降り立った。未だベルリンの壁もあり、東西ドイツはまるで別の国の様である。 北朝鮮からの留学生である李や、ベトナムからの留学生ニエットなどの他、ハンガリー人の天才ヴァイオリニストのヴェンツェルや同じ様に天才のイェンツ等と留学生活を送る。 そんな中、教会でオルガンを弾いていたクリスタに心奪われたことから物語は急展開を迎える。 普段ミステリばかり読んでいるが、社会派の小説も中々面白かった。最後少しだけ謎解き要素があってそれもまたよし。音楽を言葉で表現できる力が素晴らしいと思った。

    0
    投稿日: 2024.11.22
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    前半は世界観がすごく好きでお気に入りの本になりそうだな〜と浸りながら読んでたら、まさかまさかの後半から急展開でそのままラストまで気づいたら読み終えてた さすがにあの時代の話だから、全員幸せめでたしめでたしとはならなくても、ラスト1ページで急に光が見えた気がする 最高の読後感でした。けど内容を理解しきれておらず、結局完全な悪人ではなかったのか、、?とか、読み返さないと見えてこない部分もたくさんありそう とにかく終わり方と、朝井リョウさんの解説が最高でした!

    0
    投稿日: 2024.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ベルリンの壁崩壊までの冷戦下のドイツを舞台に、東ドイツに音楽留学したピアニストの成長を描く物語。 音楽が頭に浮かんでくるように表現されていてとても読みやすく、内容もとても面白い。 冷戦下のドイツの状況に関して無知な中読んだが、当時の辛さも分かりやすく、その中で描かれる人の成長、感情も伝わってくる。 読みやすく、ミステリーの要素もありとても楽しめた。

    1
    投稿日: 2024.11.04
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    時代背景を踏まえて読まないとあっという間に取り残される緻密さ。序盤は正直退屈だと思ったが、最終的にはどんどん引き込まれていく。 事実は小説より奇なりとは言うが、やはり小説もなかなか奇なり。この時代に、この立場で、この状況に居たわけでもないのにどうしてこんな物語が編み出せるのだろうか。凄いなあ

    3
    投稿日: 2024.10.29
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    冷戦、東西ドイツ、ベルリンの壁 教科書で通り過ぎただけの情報に、初めて少しだけ厚みが出た気がする。 自らの音の純化を目的に、バッハの音楽が根付く東ドイツへ留学を決めた、ピアニスト志望の真山。バブル期の日本から冷戦下の社会主義国へ。 溢れる他人の才能の中で、溺れながら自分の音を模索する真山にも、時代の波が押し寄せる。 終始、くすんでいるような描写が、この時代そのものを表しているようで、自然と映像が立ち上がるのがすごい! 最初こそ、登場人物の位置関係を把握するのに四苦八苦したけれど、中ほどあたりからお話に集中できるようになり、終盤は、一体どうなっちゃうんだろう?とのめり込んだ。 文庫版だと、朝井リョウさんの解説がついていて、これがまた秀逸!

    0
    投稿日: 2024.10.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

     89年ドレスデンを中心に物語は進む。日本人音大生主人公と彼を取りまく共産圏留学生達の織りなす音色の色彩的な描写が印象的。一方で東独の街の色は決まって灰色。戦後復興が進む西側とは対照的に「ドレスデン爆撃」の傷跡が所々生々しく残っている。その重苦しさの中にシュタージを象徴とする監視社会が暗い影を落とす。それでも時代は89年。民主化という時代の流れに希望を見出しつつも、祖国を失いたくない東の人々の葛藤や主人公の心情変化が推しポイント。  登場人物全員に時代特有の背景や葛藤が垣間見える点も綿密な研究の跡を感じる。それでいてスカッと騙されるラストは鳥肌もの。 読み終わったときに、しばらく他の情報は取り入れたくなくなる様な、東独に浸っている様な感覚に陥った。  歴史要素としては「ライプツィヒの月曜デモ」「汎ヨーロッパピクニック」など壁崩壊に至るまでの重要なプロセスを中心に取り上げており、激動の時代の風がvividに伝わってくる。須賀しのぶさんの作品をもっと読んでみたいと強く感じさせる一冊。

    2
    投稿日: 2024.10.05
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    冷戦下のドイツを舞台に、若手音楽家たちの淡い恋愛と、革命に巻き込まれていく物語。 東ドイツ、西ドイツ、監視対象…不穏な空気のなか、ピアノとオルガンの音が行きつく先は、ハピエンではない。 後悔しきれない後悔もあるけれど、強く生きていかねばという意志を感じた。 帯に書いてあったとおり、しばらく放心状態。 時に音楽は言葉よりも饒舌。 2020.9.23読了

    11
    投稿日: 2024.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時代小説なのか、音楽小説なのか、 恋愛小説なのか、ミステリーなのか、 盛りだくさんだけどまとまっていて 後半になるにつれてページを捲る手が止まらなくなった。 ベルリンの壁がある頃の 東ドイツを中心にしたお話ということもあり 歴史や文化なんかの知的好奇心もくすぐられ いろんな本が読みたくなるという。 読書の秋の入り口にぴったりだった。 個人的には、ヴェンツェル・ラカトシュの 狂気なまでの天才っぷりが垣間見えた瞬間の鳥肌がすごかったな。 前半は、知らない国、知らない時代が故に少し読みづらいと思っていたけれど、入ってしまえばあっという間。 後半の展開に圧倒されつつ、まだ噛み砕けていない部分もあるから再読したい。

    2
    投稿日: 2024.09.29
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    久しぶりに読み終わった後もしばらく余韻に浸れるくらいの作品に出会えた。 自分に親切にしてくれている隣人も、仲が良いと思っている友人さえも信じられずに疑いの目で見てしまうこと、常に監視されているかもしれない恐怖の中で生活することがどんなに辛く息苦しいか、読んでいて苦しくなったし、何より著者がまるでそれを体験した人かのような描写が見事だった。 最初は恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」のような話かと思ったが、それに加えて激動の時代を生きた人々の心情や、歴史が動く瞬間のことも描かれていて今の時代の日本に生まれた私がどんなに幸せで恵まれているか、考えさせられた。 今もなお、こういった国がまだ存在することもあり是非読んでほしいオススメの一冊です。

    1
    投稿日: 2024.09.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第二次世界大戦も経験して、 東西の分断も経験した人がドイツにはいるんだ、 と思った。 人生のほとんどを歴史的には良くないとされる時代を生きた人なんだけど、 東の生活に誇りを持って生きてる人がいたんだと 知らないことが知れた感じが強かった本。 それにしても知らない間に周りに密告者がうようよいるなんて、誰も信じられないな。 ラストの一文の 我が親愛なる戦士たちへ捧ぐ というラカトシュのメッセージが一筋の光が見えた。 目に見えない音を言葉にする輝きが美しかったし、 本を消費じゃなく血肉する読書体験にしたいと思った。

    1
    投稿日: 2024.08.29
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    筆力が圧倒的すぎて本当に衝撃だった。作者が音楽経験がないというのも驚きすぎる。なぜこんなに多彩な表現で音楽を表せるのだろうか。文字から色が見えた気がする。華やかな景色が心に入ってきて、こんな傑作を今読めて本当に良かった。もっと知られて欲しい作品。

    4
    投稿日: 2024.08.25
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    東ドイツに音楽留学した日本人の青年が、前半は音楽を中心に人間関係、オルガン奏者クリスタとの出会い、自分のピアノについて苦悩する。後半は登場人物たちの想いが錯綜し、主人公も激動の時代の歴史的瞬間に立ち合うことになる。 東西ドイツ、日本、ハンガリーなど生まれ育った環境が異なる登場人物たちの生活、思想が繊細に描かれていて、特に後半は物語が大きく動くので一気に読み進めてしまった。

    1
    投稿日: 2024.08.24
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    とんでもない物語を読んだ… どうしてこんな話が書けるのか… 少し難しく感じる部分もあったが、後半は本当に読む手が止められなかった。 巻末の朝井リョウさんの解説も深く頷ける、共感できて面白かった。

    2
    投稿日: 2024.08.21
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    歴史と音楽がかけ合わさった、壮大なエンターテイメント。ここまでの作品を読んだのは久しぶりだ。初めは留学生の葛藤、苦しみを描いたものと思っていたが、中盤から一転、世界観に暗さがよぎる。ベルリンの壁崩壊直前の史実に基づいた抗争、密告による不信、そこにかけあわされる音楽。どれも緻密に練られた構想のもと、すべてがかけあわさって、衝撃の結末へ。鳥肌が立ちました。この名作に感謝を。

    6
    投稿日: 2024.08.14
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    評価が高かったので期待して読み始めたものの、序盤で読了が不安になり後半まで引きずった。音楽(クラシック)、ヨーロッパの歴史、地理にもう少し理解があれば何倍も楽しめたと思う。それでも後半はスリリングな展開になり読みきれた。カタカナの地名や人物名を覚えるのはすんなりいかなかったけど、結局は登場する人物は多くなかったんだな、と読了して思った。曲名ですぐに頭にフレーズが浮かぶような知識があるくらいならこの小説はかなり興奮する作品になるのだろう。評価が分かれるのはそのせいだ。

    0
    投稿日: 2024.08.12
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    とんでもなく素晴らしい物語だった。 息を呑んだ。 自分の正義や葛藤が鮮明に描かれている。 言葉にできないくらいたくさんの感情に飲み込まれるけど、 音楽って素晴らしい! そう思える作品。

    4
    投稿日: 2024.08.11
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    読む前は想像もつかなかったほど、素晴らしい一冊だった。歴史の一片に私も立ち会ったかのようで、読み終わった後はしばらく放心状態だった。 これまで抱いていた「ベルリンの壁崩壊」という歴史に対するイメージに一気に色が着き、歴史の重みが増した。

    2
    投稿日: 2024.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冷戦下での統一間近の東西ドイツが舞台の話。日本から音楽大学への留学生が主人公。 音楽に造詣のない私でも楽しめる作品だった。再読の際には登場してくる音楽を聴きながら読んでみるとまた違う臨場感が味わえそうな感じだった。 共産党の支配下であった東ドイツの環境が恐ろしかった。友達になれたと思ったものが密告者であったりと、当時の殺伐とした不信感がただよう世相を描いていたように思える。誰を信頼して良いかがわからない状況というのがとっても辛い気がする。 亡命を企てていると家族を密告した者が後悔から亡命を考えるようになってしまうことも、世界の情勢がそうさせてしまうのかと悲しくなってきた。 また、最後の天才バイオリストを刺したのは一体誰であったのか。なぜ刺された彼がそんなにも達観していられるのかなど考えさせられる結末だった。

    8
    投稿日: 2024.07.31
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    これまで読んできた小説の中で間違いなく5本の指に入るほど大好きで大切な作品。 前半はやや退屈ですが、後半は本当にページをめくる手が止まらない。 ラスト1ページがたまらなく好き

    0
    投稿日: 2024.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本のここが好き 「だが、明日にはSEDの政策が変わって、いきなり矯正施設にぶちこまれるかもしない。時代がつくる価値なんてのはその程度のものだ。西へ行く手段にしようが、出世の手段にしようが構わない。音楽は変わらない。ここにある音が全てだ。ちがうか」

    0
    投稿日: 2024.07.16
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    東西ドイツ分断後、革命に巻き込まれていく日本人青年の話。ピアノ留学が目的の主人公であり、ドイツの生活の中で常に音楽がある様子が素晴らしい。ただ、それとは真逆で波乱の時代に生きた人々の辛い生活も鮮明にに描かれる。歴史の教科書でしか知らなかった世界がそこにある。一度は読んでおくべき作品だと思った。

    0
    投稿日: 2024.07.08
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    本屋さんのおすすめ作品で置いてあり、なんとなしに手に取り購入したが、とても様々な感情を掻き立てられる作品。久しぶりに出会えてよかったと思えた本でした。 ベルリンの壁については聞いたことがある程度だったが本の中で西ドイツと東ドイツの関係性は想像以上に複雑なものなんだと知った。壁1つのために会いたい人にも行きたい場所にも中々いくことができないことはとても歯がゆいもの。 そんな中でピアニストになるために東ドイツに留学してきた主人公の眞山は、才能のある様々な人と出会う中で心が揺さぶられたり、時にはスランプに落ちたりながらも自分の「音」を見出していくところが印象的。 特に、スランプのシーンは自分も少し落ち込んでいる時期に読んだので、眞山と重なりとても共感しながらも励まされたなと思う。 また、本の中では様々な音楽に溢れていて、読んでいるだけで音楽を感じることができる文章になっている。 この本を通して音楽は誰かの心の苦しみや悲しみに寄り添う力があることを改めて気付かされた。 どんな国や時代でも人々が色んな音楽を作り出したのには音楽にはそれだけとても強い力があるんだなと感じることができ胸が熱くなった作品。 自由や言葉をどれだけ規制しても音楽を人々の中から消すことはできなくてそれがとても伝わった。  今、当たり前に得ている自由の尊さを感じながらも生きていこうと思えた。

    16
    投稿日: 2024.06.27
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    本を読む意味を改めて考えさせられた。 教科書で読む歴史が変わった日は、様々な人の複雑な思いの積み重ねである、という事を感じられれた。 どれだけの犠牲や想いがあって今の幸せな暮らしができているのか身に染みて感じられた気がする。 登場人物の1人ずつの心情を考えると寝れなくなりそうになる。それくらい細かい設定みたいな所や、当時の情勢下の辛すぎる立場、今の時代でも理解できる尊敬や愛や友情、絶妙なバランスで読み始めから最後まで苦しすぎるのにやめられない臨場感。 すごい本に出会ってしまった…ある意味不幸で、ある意味幸運。 自分自身の知識の無さや甘すぎる現実を突きつけられた。 とにかく苦しい…良い意味でも悪い意味でも。 所々に出てくる音楽を聴きながら読む事をお勧めします。 小説で味わえる重みでは無い気がするのですごくコスパはいい!笑

    1
    投稿日: 2024.06.27
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    序盤は音楽に疎いので知らない単語が多く読みづらかったのですが、少し進めると普通に読めるようになりました。後半はミステリー要素もあります。すらっと読んでしまったので十分な理解なしに進んでしまい、事件と人物の心情をしっかり読み取ることができませんでした笑少し時間を空けてもう一度読みます! これから読む方は、微妙な部分を疎かにしないで読むとラストにしっかり着いていけると思います(当たり前ですが笑)。 自分には少し難しかったので、誰かに詳しく解説してほしい!

    1
    投稿日: 2024.06.09
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    評判に違わぬ面白さだった。ストーリー、背景の深さ(史実だから当然だが)、キャラ立ちすべてが良かった。 雰囲気としては「灰色の」のだめカンタービレで、作品自体が陰鬱。そんな中で繰り広げられるロマンスは全然ときめかず、そんなことしていーんか、、という変なドキドキ感。信頼していた友人が実は…というのもミステリの謎解きぽくてビックリ感あり。 そして1番は、音楽の表現が説明的でありながらも情動が伝わってきて、文字から旋律が聞こえてきそうだった。素晴らしいエンタメ小説だと思う。

    0
    投稿日: 2024.06.02
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    ドイツの話なので、地名や人物名にカタカナが多く難しかったが、読み終えた時の感動はひとしおだった。 解説にもあったが、体験したことのないことをこんなに鮮やかに描写できるのはすごいと思う。 主人公たちが生きた、激動の時代を追体験したような気分になれる。

    0
    投稿日: 2024.05.17
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    2024.5.16 読了 クラッシック音楽の知識がほとんどないので最初のうちは演奏されている曲名が出てきてもピンときてなかったのですが途中から検索して曲を流しながら読むようにしたらそのシーンがより濃密に感じられるようになったのと耳から入ってくる曲のイメージとぴったりの描写が素晴らしくて感動しました。 いちいち検索するのは手間ですけど聴いてみないと気づけなかったので頭の中で自動的に音楽が流れてこない私のようなタイプの方には出てくる曲を聴きながら読むのオススメです。 革命が熱を帯びていくにつれどんどんスリリングになっていく展開も面白かったしそれぞれに与えられた罰についてももう少し考察してみたいなと思いました。 しかし天才とは傍若無人、大胆不敵であればあるほど魅力的に映るのは何でだろう最後にはヴェンツェルにすっかり魅了されてしまっていました。 彼の身に降りかかったある意味自業自得(?)な悲劇も全部飲み込んだ上で新たに生み出される音楽 それを手にしたシュウの興奮がありありと伝わってきたのと同時にめちゃくちゃ羨ましく思いました。 読み始めと読後のイメージがいい意味で全く違う作品でした。

    0
    投稿日: 2024.05.16
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    ヨーロッパ、ベルリンの壁崩壊前夜の東ドイツ、その暗い社会システム、クラシック音楽、ピアニストやバイオリニストを目指す若者の友情、葛藤、自覚、夢。こういった舞台背景と装置とテーマがあれば、だいたいどういう物語なのか想像はつく。そして、予想通りであった。 だが、読み進めるにつれて、この舞台の中で、読者である自分も主人公に寄り添い、同じ空気を呼吸し、同じ風景を見ているような気分にはなる。それだけ豊穣なテクニックが注ぎ込まれた小説であると思う。

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    投稿日: 2024.04.20
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    冷戦下の東ドイツの鬱屈した退廃的な世界が、これでもかと書き連ねられていた。面白いかと言われれば、正直首を傾げるだろう内容だったが、歴史エンターテイメントとして一定の価値はあると思った。それだけ歴史的背景と考察によって作り込まれた世界観が圧巻だった。

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    投稿日: 2024.04.15
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    読書好きの友人の勧めで読んだ 読んでいると冷戦時代の東ドイツの鬱屈とした感じ?がよく伝わった、読んでいて灰色の重たい雲がずっと頭上にあるような感じで、それだけに最後がとても爽快感があってよかった 音楽やこの時代の東側諸国のことなどにやや興味があったので面白かったが、家族に勧めたところ序盤で読み疲れてやめてしまっていた

    1
    投稿日: 2024.04.14
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    作中に出てくるバッハやラインベルガーの曲を聴きながら読書。ストーリーの急展開が、東ドイツ(DDR)の革命前夜を背景に繰り広げられていく。それぞれの登場人物が監視社会やそこからの変革に翻弄され、変わっていく。原罪を背負って嘘を貫き通したイェンツの周りは、救済されたのだろうか

    1
    投稿日: 2024.04.12
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    一つ前に読んだ本が重厚な歴史小説だったせいか、物足りない感じがしました。音楽の描写や洞察は素晴らしいし、面白い主題だなと思ったのですが、、、なんとなく散漫で、複数あるテーマがバラけてしまってポカン…でした。少し新しい知識がついたなと言う意味では読む意味はあったかと。若い人向けかも。

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    投稿日: 2024.04.03
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    冒頭の100ページくらいまでは、正直世界観に面食らってなかなか読み進めるのが難しかった。ベルリンの壁崩壊という文言はもちろん知っているが、実際どうして起こったのか経緯を知らない私からすると、どうも話が入ってこなかった。 中盤からはミステリー的な要素もあり話を進んでいくにつれて、ようやく内容が分かってきた。東ドイツが密告者や監視対象がいたなんて信じられないそんな状況だったことを知った。そこまでみんな自由を脅かされ西への憧れが強いのか。 フィクションだと分かっていても、ほんとにこういうことが起きていた、主人公たちが実在していたと思わせるくらいリアルな小説だった。

    12
    投稿日: 2024.03.30
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    90代の利用者さんから、「私、これ好きだからあなたも絶対ハマるわよ」とお薦めされた2冊目でした。 2024/03/28読破  一言 ドイツの歴史と音楽を通した主人公の感情の変遷、そして最後物語を占めるラストに感動しました。 感想  まだ、ベルリンの壁がある頃のドイツのお話。音楽や人種を主題に、当時の出来事や歴史と音楽を掛け合わせたようなエピソードが多く非常に読み進めるのが面白かったです。 教養のための読書にもなり、趣味としても読書になるそんな良書でした。

    3
    投稿日: 2024.03.29
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    音楽や歴史の聞き馴染みのない言葉たちに、序盤は読むのに時間がかかってしまったが、 終盤で色んなことが明かされて、どんどん面白くなっていった。 現代の日本では全く想像がつかないような、自由がない生活を当たり前にしている人がいたんだな、、

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    投稿日: 2024.03.21
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    数年前に読み、その時は普通に「あー面白かった」という感想。 しかしずっと私の心の奥にじんわり残る作品です。 買い戻して再度読みたい本です! 買い戻して読みました! やっぱり素晴らしい作品です。 もう、何というか読後感がすごい… きっとまた読みたくなるので、今度こそ本棚に保存します。2025.2.18

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    投稿日: 2024.03.19
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    ★3.5。 なかなか面白くて長旅とかに良さそうに思います。すらすらと読めますし。 しかしあれから30年超、ドイツ国内でも差が存在すると聞きますし、実際、どこかうらぶれてる感じがドレスデンにもライプツィヒにも、もっというとベルリンの東側にもなくはなく、現在生活をする現地の人たちはどう思ってるんだろう。。。 そういった現在の状況への言及(直接的ではなく、上手な間接的ほのめかし)の弱いところがこの小説には欲しい。 そういう小説ではない、ということはないと思う。そこに生きた人たちの想いを下敷きにしているのだから。

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    投稿日: 2024.03.07
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    若きピアニストの成長物語でもあり、ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ=DDRを描いた歴史小説でもあり、誰が味方で誰が敵なのか分からないミステリでもあり。 それらが散らかることもなく密接に絡み合い同時進行して行くのでグイグイ引き込まれてしまった。 ヴェンツェルもイェンツもそれぞれに許されないことをしているんだけど、それぞれに魅力的でもあり物語の真の主役は時代と社会情勢に翻弄されたこの二人とも言えるかも。 火事場の馬鹿力かもしれないけど、それはマヤマ強過ぎじゃない?ってシーンがありそこはちょっと笑ってしまった

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    投稿日: 2024.03.03
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    世界史専攻ではなかったからベルリンの壁が壊れた年月しか知らなかったが、そこまでの西東の人々それぞれの苦悩や葛藤を音楽のテーマにのせられながら知ることができた。留学生という立場から見る東西の国の現状は現地の人とはまた違う見え方をしていたのだろうし、マヤマの観察力に助けられながら登場人物の心の内を汲み取ることはただの読書という行為にとどまらない経験になったと思う。

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    投稿日: 2024.02.26
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    後半に差し掛かった途端に炸裂する伏線回収の数々と、鳥肌を覚えて読むのが止まらなかった 読み終わってから緊張状態が続き、よくわからない感情を覚えています。これは幸福感なのか、開放感なのか、何かを失った気がするのに、大きなものをやり遂げた感じのような。クラシックを聴きながら読んでいたのもあり、今までよりクラシック音楽の聴き方や見方も一変して変わりました。とても良い作品を読むことが出しました。今日は寝れそうにないです涙

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    投稿日: 2024.01.22
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    思ったよりクラシックの描写が多く驚いたが、非常にじっくりと読み進めることができた。 バッハの作品はどれも美しくて、他の音楽とは別次元のものに感じた。 ドイツの歴史に関してはベルリンの壁崩壊は知ってはいるが、具体的なところまでは知らなかったので非常に新しい知見を得た。なにより、朝井リョウさんの解説が本当にしっくりきた。 ドイツ…行きたいなあ…。

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    投稿日: 2024.01.16
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    これは何という感覚でしょうか。 須賀しのぶさんの世界観に圧倒されました。普段読む小説よりも読了までかなり時間がかかりましたかが、満足度大有りです。 音楽と歴史、そしてストーリーがたまらない。

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    投稿日: 2024.01.10