
現代日本の開化
夏目漱石/ゴマブックス
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総合評価
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powered by ブクログ明治維新以後、文明開化に関する、1911年、夏目漱石44歳当時の講演録。 本書の内容は以下のとおりである。 開化の進展は、労力を節約したい、あるいは娯楽を発展させたい、という内部欲求によるものであるが、開化が進むほど競争は激しくなり、生活は困難になっている。 また、西洋が内発的に100年かけて進展させてきた開化を、日本では鎖国が明け西洋からの圧力によりわずか10年程度で進めたため、そこに歪みが生じ負担が積み重なった結果、個々人は神経衰弱となり窮状に陥った。 ではこの急場を切り抜けるためにはどうすべきか。「ただできるだけ神経衰弱に罹らない程度において、内発的に変化して行くが好かろうというような体裁の好いことを言うよりほかに仕方がない。」として、本書を締めくくっている。 外圧による文化や経済の著しい変化という共通点において、現代のグローバル化や経済成長などに対するアンチテーゼとしてそのまま繋がるような論考であると感じた。また、文明開化は西洋との文化格差を目の当たりにした日本人が内発的に進めたものだとばかり思っていたが、外発的に進められたものであったとする世論も当時はあったのかと、新たな発見があった。
0投稿日: 2023.11.05
