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内部の真実
内部の真実
日影丈吉/東京創元社
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総合評価

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    基本的には短編作家で長編では代表作と呼べる作品がないような事をどこかの解説で読んで気がするが、長編も充分に楽しめた。文庫の解説にある通りアラ探しすれば、おかしな所もあるけれどガチガチのトリックより雰囲気優先の方が作品としては楽しめるし。日本統治下の台湾でしかも日本軍を舞台にした娯楽ミステリーなんて、今後描かれる事なさそうだし貴重な作品です。

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    投稿日: 2024.08.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリー小説には違いないが、日本統治下の台湾が舞台ということもあってか、非常に文学的な香りのする作品である。台湾語(中国語?)が随所に出てくるがゆえの読みにくさはあるが、情景描写などはとても緻密で、ときにミステリー小説を読んでいたことをわすれてしまいそうになる。 一方、ミステリーとして用意された舞台は、きわめて骨太だ。日本人の軍人同士での決闘騒ぎ。片方が撃たれて死ぬが、撃ったとおぼしき銃には銃弾は装填されておらず、撃った形跡も認められない。あまつさえ、現場に残された二挺の銃は、いずれも指紋が拭きとられている。このシチュエーションから同じ隊の軍人が事件の検証をするが、真相にたどり着いたと思いきや、別の矛盾が生じる。正しいと思われた仮説が、新たな謎を生む。パズルのようなストーリーに、読み手もおぼつかない足場の上を歩かされるような、迷宮の中を彷徨うような感覚に捉われるだろう。 日影丈吉の作品は初めて読んだが、単なる犯人当てや謎解きといった既定の枠にとどまらない、その意味で文学性の高い作品を書く作家であった。パズルのような物語は、完全に理解するためには再読が必要なのかもしれない。だが、それ以上にストーリーテラーとしての日影丈吉を楽しんだように思う。 いずれ再読するかもしれないが、今は、良質な物語を読み終えたあとの余韻にしばし浸っていたいと思う。

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    投稿日: 2018.12.12
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    他の出版社で出されたものを創元で復刊……とのこと。なので再刊となるようですね。 第二次大戦中の台湾で起こる曹長殺人事件。謎が謎を呼ぶような展開、捜査をしてもなかなか決め手を欠く状況にやきもきしながら読みました。楽しかったです。

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    投稿日: 2018.09.29
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    随分、前に書かれたもので文章が現代文ではないから読みにくく、物語に入るまでも少し時間はかかったがそれでも面白かった。 ミステリーなんだけれど、ちょっとした浮遊感?クラゲが浮いている様な、フワフワしたもの?そういうものが作品の中に存在して不思議な印象もした。 終始、真犯人が誰か?!という括りで進んでいくが様々な人間の証言によって掻き回されて最後の最後で、こいつが真犯人か!?と思ったけれど、よく分からないまま終わってしまった。いつもならこの作品みたくあやふやな終わり方すると、モヤモヤだけが残って、えぇい!!ハッキリ解決しろ!と言いたくなるが何故かこの作品に限っては、そのあやふやな終わり方が良い。真昼の白昼夢みたいな。

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    投稿日: 2018.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    河出文庫から短編集が出ていたが、長編小説が創元推理文庫で復刊。 台湾を舞台にしたエキゾチックな長編ミステリで、幻想的でもある。ミステリとしても逸品なのだが、台湾の、蒸し暑い空気が紙の上に立ち上っているかのような風景描写も素晴らしい。

    0
    投稿日: 2017.12.24