
師父の遺言
松井今朝子/集英社
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総合評価
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powered by ブクログ図書館で何気なく手に取ったこの書に引き込まれ一気に読み終えた 歌舞伎に浸かっている身として 松井今朝子さんの著書を読まなくてはと思いながら縁がなかったことに恥じ入る 私の育った環境のなかで 武智鉄二氏はゲテモノ扱いであり 夫人川口秀子は舞踊の才があるにもかかわらず 武智の妻であることで舞踊界からも抹殺されていた印象であった 子供の私にはそれが何故だかわからないまま さして探求することもなく 周りの大人の評を受け取っていた 今回この著書を読み ものごと一面だけではわからない 自分の目で見て調べて 偏見なく考えなくてはと改めて感じる もちろん松井氏が持つ武智鉄二の印象も偏っているのかもしれないが 少なくとも多方面から見ることができて興味深く思った 現代の演劇界はいかがなものか 「経済至上主義」「表現の平等」を未来の演劇の危機とみている 松井今朝子さんの 意見に同感 50年後の歌舞伎界を想うとき 絶望を感じるのは私だけなのか
0投稿日: 2022.05.22
powered by ブクログ歌舞伎の注釈も多く、歌舞伎の知識のない 自分にも読めるだろうか? と、思ったものの、一気読み。 松井今朝子さんの幼少期から、今に至る 生き方、運命、巡り合わせ。 どれも、普通の人には味わえないもので 一つ間違えば、またガラリと違う人生 それもまた、普通の人にはないようなものが 待ち受けたいただろうと思われるような境遇。 それを見事に活かし、ご自身の才能と努力のもとに 思いも掛けない巡り合わせを、舞台に作品にと 昇華された。 文章も読みやすいのに、重厚で、ずっしりと 心に残る。 良い作品に巡り会えたことを嬉しく思う。
1投稿日: 2021.09.07
