
総合評価
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powered by ブクログ精神病の発作で耳たぶを切り落として娼婦に渡したゴッホを町中の人が怖がって精神病院へ入れるように訴え市長は冷酷にもそのまま従った。 謎でしかない経緯だが、なんとなくそう認識されている事件を、当時のアルルとその住人一人ひとりを調査し、何が起こったのかを暴き出す。さらっと書いていることの背景の調査量の多さが伺える読ませる良質なノンフィクション。 全く違う光景が見えてくる。
6投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログ『#ゴッホの耳 - 天才画家最大の謎』 ほぼ日書評 Day706 日本人なら、ほとんどの人が知っているであろう「ゴッホの耳」事件。 ところが、ゴッホが切り取ったのは、どちらの耳で、どれぐらいの大きさか? なぜ、そんな常軌を逸した行為に至ったのか? そして、それを渡したとされる「娼婦」とは誰なのか? その時、(事件の起こったアルルの街でかつてゴッホと共同生活を送っていた)ゴーギャンは何をして過ごしていたのか? これらの問いに明確かつ自信を持って答えられる人はほとんどいないはず。なぜなら、そこに光を当てた研究がなされてこなかったから。 著者は7年をかけて、各地の公文書館等で当時の人たちが書き残した手紙やメモにあたり、新聞の過去記事を精査し、独自に作成した1万人を超える当時の住民データベースをもとに探り当てた彼らの子孫に対するインタビューを行うことで、その真相に迫る。 なかなかに読み応えのある一冊、ゴッホ好きの方にはオススメだ。 https://amzn.to/3EoW7ys
0投稿日: 2023.09.03
powered by ブクログ私は今までゴッホが自らの耳を削ぎ落としたのは、耳の一部、耳たぶだと思っていた。が、著者は丹念な情報収集によって、ゴッホを診察した医師が書いたスケッチ、耳のほとんどを切って耳たぶが少し残っている状態を示しているものを見つけ出した。
0投稿日: 2022.04.02
powered by ブクログ多くの謎を持つゴッホの「耳」だけを取り上げて、当時の報道や書簡をひとつひとつ丁寧に掘り起こし取材して書かれた一冊。ゴッホそのものは勿論だが、当時のアルルの街の閉鎖的な様子や彼を精神異常者として糾弾した人々の偽証されたかもしれないサインの件等、研究論文と言うより物語としても読み易い。オーヴェル・シュル・オワーズの最期をどんな気持ちで過ごしたかを思うと胸が掻きむしられるようだ。
0投稿日: 2021.06.29
powered by ブクログ原田マハさんの たゆえども沈まず を読んで ゴッホに興味が湧き、お試し版から読み始め 結局止まらず本編を購入しました 多くのアーティストがそうであるように 心の葛藤や精神衰弱を抱えたゴッホ。 くらいの感覚でいました。 しかし、この本を読んで、星の数ほどある論文から 丁寧に丁寧に炙り出したゴッホの姿について 苦しみを抱えながらよくもまぁ あんなに彩豊かな作品を猛烈に描けたもんだなぁ と、尊敬の念を抱かざる得ませんでした そしてその人生の深さ、彩りを鮮明にしてくれた 著者の執念とも言える調査力には脱帽です。 一つの点としての論文は数あれど それが説得力を持って紡がれた糸は極太でした! 文章はストーリー仕立ての部分もあり 非常に読みやすく 著者の調査過程や苦労、悔しさ、喜びを一緒に味わえるものになっています。 この本を読みつつ、ナショナルギャラリー展を訪れ ゴッホのひまわりを目にすることができたことは わたしにとって幸運でした。 ギラギラとまるで、そのものが光を放つような そんな文面の魅力も感じながら本物に触れ合えました。
2投稿日: 2021.02.09
powered by ブクログまず、こんなにも謎が多く、そして謎解きつくされた人をまた謎解こうとした著者に感服。 もう正しいことでは無く好きか嫌いかで言えば、この本のゴッホは好きです。
0投稿日: 2019.12.01
powered by ブクログゴッホの耳 天才画家最大の謎 バーナデット・マーフィー著 山田美明訳 2017 9/25 初版 2019 11/13読了 狂気の天才画家 炎の人 フィンセント・ファン・ゴッホの あの「有名な事件」の真相を解き明かしたノンフィクション作品。 終始、真実だけを目指して 頑なに貪欲にデータを集める著者。 約130年前、過去にもいろんな人達が 調べに調べ述べに述べてきた題材に 敢えて好奇心だけで立ち向かうってもうホントゴッホ越えの狂気と言えますよ^^; そんな中から導き出された答えには 愛と思い遣りと情熱がある 血の通った当時の人々の姿がありました。 今でも世界中の人々に愛される理由があったんだね。 ゴッホの作品を改めて観てみたくなりました。 これがノンフィクションだ! 「つけびの○」高橋某よ。
7投稿日: 2019.11.13
powered by ブクログゴッホに関して知っていると思っていたこと。例えば、アブサンの飲み過ぎで精神的におかしくなっただとか。ゴーギャンとの関係は愛憎悲喜交々であったとか。そのような話が如何に後から脚色された虚飾であるかを、膨大な資料を文字通り掘り起こし系統建て積み上げた事実に基づいて質す。その執念のような仕事ぶり。美術史家でもなく伝記作家でもないイギリス人の著者が、ゴッホが切り取ったとされるものが耳たぶのみなのかそれとも耳の大部分なのかを解き明かそうと試みる。徐々に明らかとなるゴッホの人生の一部についても当然興味深いが、著者の積み上げる断片的な資料が徐々に形を成し百年以上昔のフランスの片田舎を活き活きと蘇らせる様そのものがとても興味深い。推理小説から感じる興奮とよく似た感情の高ぶりを覚える。 夥しく挿し込まれる注釈の殆どは一次資料への参照であり、一般的な読者には無機質な文字の羅列のようにしか思えない。しかしそのことが正に著者バーナデット・マーフィーの積み上げたものの確かさを支えている証拠でもある。特にアルルの市井の人々の実在を教会や病院の記録から立ち上げ、署名を一つ一つ突き合わせて真贋を見極め、コッホに係わった人々のその性格のようなものまで詳らかにしようとする徹底ぶりには唖然とさえする。そして、ゴッホが耳を届けたとされる女性に関する事実の解明に関する下りにはよく出来た法廷ものの小説を読むような興奮すら覚える。ラシェルなのかギャビーなのか、何故その混乱が起きたのか、その女性は本当に娼婦だったのか。もちろん最後の最後まで何故ゴッホが耳を彼女に渡したのかという問いに対する確実な答えには辿り着くことは出来ないのだが、手渡した耳とされるものが何であったのかを含め諸々の伝聞を事実に落とし込み解明する。何度も言うがその徹底ぶりには脱帽する。 ゴッホ〜最後の手紙、世界で一番ゴッホを描いた男。何だか最近ゴッホに引き寄せられているようだ。
1投稿日: 2019.03.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ゴッホはひまわりを描いた 酒と女に狂った おかしくなって耳を切り落とした そして自殺して時がたって絵が売れ出した そんなイメージだったけど、これを読んでみてそれらは一新。伝道師になりたかった。女性達を救いたかった。感受性の強い彼は周りの不幸を自分のことのように感じたのだろう。いてもたってもいられなくなった彼は奔走する。 けれども、それらは成功しなかった。多くの挫折の跡を感じ俺を悲しくなった。 自分は良しと思ってしていることがから回るなんてことはみんな経験してるんじゃないかなぁ 俺こそが彼女を幸せにできる!とかね でもうざがられる、みたいな それをめげずにめげずに何度も何度も繰り返す 狂ってると言われても不思議ではないけれど、不器用な彼を好きになった。確かに彼の絵からは泥臭さみたいなものを感じるし 絵というもの、とりわけ思いがこもっている絵は必ず人に届くってことがわかる良い例 そしてなぜ絵を描き続けたんだろうか 彼の絵は生前では一枚しか売れていない 『好きだから』で片付けてはいけない理由がここにあると思う 趣味や仕事それらとは違う絵の付き合いかたをしたい俺は、このことを考えたい。 彼の優しさ、不器用さを知れて、自分にとっての絵を考えさせてくれる本だった。
0投稿日: 2019.02.14
powered by ブクログ著者は、ゴッホの研究者でもなければ美術の専門家でもない。ただの英国人の女性・美術教師だった。しかし、ゴッホの「耳切り事件」の真相がただ知りたくて、当時のアルル住民1万5000人以上のデータベースを作り関係する書簡、論文を調べまくった。その間7年。いわば素人の執念が、この熱い1冊を生んだ。何と言っても功績は、ゴッホの耳のどの部分をどのように切ったのかが、これまでわからなかったのを、病院で初めて診察した医師のメモを見つけ出し、切った跡を特定したことだ。「偉大なる素人」の感動作だ。
0投稿日: 2018.10.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「自分はだめな人間のような気がする」フィンセント・ファン・ゴッホ 私は数分間その言葉を見つめた。すっかりやる気を失い、自分はゴッホの物語に新たな事実を何も加えられないのではないかと思った矢先の出来事だった。これまでの10ヶ月間に取り組んできたのは、ほかの人がすでに調べ上げたことなのだ。私はそのとき、実際に会ったこともないのに、この問題を抱えた男への共感で胸がいっぱいになった。その瞬間、私の心の中でこの芸術家が姿を変えた。世界的に尊敬されている画家が、自分をだめな人げんだと感じていたのだ。これを機に、ゴッホは単なる研究対象ではなく、現実の人間になった。(pp.62-63) 美の概念は変わる。現在では、巨大な看板、ディスプレイ、映画、雑誌、新聞など、生活の至る所に鮮やかあん色が無数にある。そのため、現代の目でこの『花咲く庭』を見ても、ゴッホの絵が当時の人々の目にどれほど過激に映ったかを想像するのは難しい。しかし私は、美術館で初めてゴッホの絵を見たとき、意外なほど強い衝撃を受けた。それなら、黄色に変色したニスに覆われた絵しか見慣れていない19世紀アルルの住民は、その絵をどう感じただろう?おそらく頭のおかしな人間の作品だと思ったに違いない。(p.158)
0投稿日: 2018.09.22
powered by ブクログゴッホが自分の耳を切り落とした事件を詳しく検証.その時の様子やら果たしてどの程度耳を切ったのかとか.物語は運命の瞬間に向かってじりじりと進んでいく.資料集めなど筆者の苦労話が多く,別に結果だけ書いてくれても良かったんじゃない?
0投稿日: 2018.03.21
powered by ブクログ地道な作業から積み上げて,ゴッホのアルル時代から自殺までの事件を解き明かす.耳全体か耳たぶか,アルルの人々がゴッホを追い出したのか,ゴーギャンはゴッホを冷たく見捨てたのかなどの疑問点に答えを出してすっきりさせている.そして何より傷つきやすくプライドの高いゴッホが,人の温もりを求めながらも手に入れられなかった様子が描かれています,ここにゴッホが生きて苦しんでいるのを見るようでした.労作だと思います.
0投稿日: 2018.03.19
powered by ブクログ著者はイギリス生まれでプロヴァンスに住む美術史教師だったが、病気をして暇ができたのを機に、ゴッホの耳切り事件のことを調べてみようと思い立った。ゴッホは耳を切ったというが、耳を全部切ったのか一部だったのか。切った耳を誰に手渡したのか。いったいなぜそんなことをしたのか。 専門家もびっくりの執念深い調査で彼女が明らかにしたことは3つ。1つは、いくつかの資料が伝えるようにゴッホが切り落としたのは「左耳の一部」なのか、ゴーギャンが言っているように左耳全部なのか。これについては、耳を切ったゴッホを最初に診察したレー医師が後年、『炎の人ゴッホ』の著者アーヴィング・ストーンに耳の切り方を図解したメモを発見する。事件から40年以上もたってからのメモだが、これは記憶違いをするような事柄ではないのでかなり信憑性があるとみていいだろう。 第2に、ゴッホが切った耳を近隣の娼館の娼婦ラシェルに手渡したと当時の新聞に書かれているのだが、この人物を特定したこと。それは娼婦でもなければラシェルでもないのである。 第3は、アルルの人々がゴッホを危険な狂人だとして騒ぎ立て、当局に嘆願書を提出して彼を追い出し、そのために彼はサン−レミの精神病院にはいることになるのだが、この嘆願書がアルルの人々の総意ではなく、ごく一部の人の利害に基づく、一種の隠謀だった証拠を発見したことである。 肝心のなぜゴッホが耳を切ってそれをラシェルならぬ、娼館の小間使いをしていたガブリエルなる少女に渡したのかである。しかしこれはゴッホの内面に関わることであり、彼がその内心を吐露した手記でも見つからないかぎり何ともいえないことである。著者の推測によれば、それはとても利他的な意図を持った行為であり、しかも誰にも理解されないような論理に駆動された行為なのである。著者の推測が当たっているかどうかはわからないが、それなりに説得力はあると思う。まるでゴッホは宮澤賢治的に思えてくるのだが。 ともあれ、ミステリを読むような面白さであった。
0投稿日: 2018.02.13
powered by ブクログゴッホといえば、ヒマワリの絵と耳を切り落とした狂気の人という印象は誰にでもあるだろう。そのゴッホの耳はなぜどのように切られたのかを徹底的に調べ上げたのが本書。 アルルを訪れ、公文書館で当時の膨大な記録を一つ一つ調べていくという地道な調査を積み上げ、少しづつゴッホに近づいていく。そして、少しづつ見えてくる当時のゴッホとその周辺の人々。ゴッホを支え続けた弟テオ、ゴッホを見捨てたと言われるゴーギャン。それぞれの新たな姿を探り出し、ゴッホの病の深刻さが読み取れる。 著者がエピローグでも書いているが、一つ一つは大きな発見とは思えなかったものの積み重ねが、新たなゴッホ像を構築していく。 ゴッホの画集をそばに読むとより面白さが増したかも。 今公開されているゴッホの絵が動くというゴッホの映画、見てみたくなった。
0投稿日: 2017.11.17
powered by ブクログ繊細で神経質ゆえ、苦悩した画家ゴッホ。 その謎にせまった本書。彼の真実はきっと永遠にわからないのかもしれないけれど、その色使いや筆遣い、作品に込められた思いの熱さは時を超えて響きます。日本を愛した画家。
0投稿日: 2017.11.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
謎に満ちた画家ゴッホ。 自ら切り落としたとされる「耳」の謎を追う。 著者の、大量のデータベースを作成し真実を探求していく姿勢にまず驚かされた。 けれどこれは単なる「耳」の謎解きに留まらず、ゴッホが過ごしたアルルの素晴らしい自然や、数々の絵を描いた背景も丁寧に綴られてあり、ゴッホの魅力を再確認させるものだった。 気性が激しく些細なことにも思い詰める質のゴッホ。絵を描くことに情熱を注ぎ、どんなに過酷な環境の中においても自分の絵を描き続ける。 彼が生み出す優しい色使いや筆のタッチは見ている者を癒してくれる。 病に侵され思うように描けない苦悩や絶望。 そして最期は非業の死を遂げてしまう。 そんな常に不安定な状況の中にある彼が、自分の甥の誕生を祝って描いた「花の咲くアーモンドの木の枝」は日本の桜を彷彿とさせる位優しさとおおらかさを感じる作品で、正に「生きる」力を連想させてくれる。 日本を愛し日本の浮世絵から多大なる影響を受けたゴッホ。 一度も日本の地を踏むことは叶わなかったけれど、彼の絵が彼に替わって日本の地を訪れ多くの日本人に愛されている。 それはとても素敵なことだと思う。
1投稿日: 2017.11.04
