
総合評価
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powered by ブクログJCOM 2025.4.30 「鍵老人」 睦まじい夫と妻、恋人同士、女友達、父と娘、嫁と姑の間に巧妙に隠された嘘、過去、そして殺意。ありふれた日常に、突如開かれる戦慄の扉。幸福な人々に待ち受ける恐怖の陥穽。ホラーサスペンス8編。
5投稿日: 2025.05.01
powered by ブクログホラー・サスペンス風味の短編集。人間関係で生じた軋轢や不和が(短編という都合もあるだろうが……)かなりスムーズに殺意に昇華されて、実行に移されていくのもちょっと面白かった。どの話の主犯も「こいつが居なくなったらいいのにな……。よし、殺るか」となるまでの決断が早く、その後も怖気付くことなくサクッと邪魔者を消している。勿論完全犯罪の条件を揃えた上での犯行なので、真相を知るのは主犯を除けば我々読者のみ。彼や彼女たちの計画通りに転んでゆく結末に、一緒になってこっそりほくそ笑むことが出来るのもこの本の良さなのかもしれない。 個人的には「花火」の結末が好きだった。同じ本の中でも完全犯罪を達成して恙なく暮らしている主人公がいれば、こうして後から自身の行いを理由に一生罪悪感に苛まれていそうな主人公がいるのも良い。 従姉とその旦那、従姉の間男、そして主人公の久美子。なんとも不思議な組み合わせの四人旅行。間男と自分がカップルで、その旅行に同伴することになったのが従姉夫婦、というのが従姉の立てたシナリオであるらしい。実際、従姉の間男と久美子は無関係で、それほど認識がないのにも拘らず。……そんな風に、従姉の不倫旅行の口実(ダシ)に都合よく使われたことを不満に思っている久美子。その意趣返しか、彼女は従姉の夫である忠彦と二人きりになったタイミングで、従姉の不倫について言及してしまう。 「あんなにも分かりやすく夫の前で間男といちゃついているのだから、あれは気弱な忠彦の性質を利用した夫公認の不倫なのだろう」。そう考えての発言だったが、結果的にそれが最悪の事態を招く。鈍感な忠彦は久美子に指摘されるまで、妻の不貞など勘付いてすらもいなかったのである。愛していた妻に裏切られた悲しみからか、彼は湖上に打ち上げられた花火のひかりに紛れて入水自殺する。ボートから足を投げ出し、沈みゆく忠彦に気づいたのは久美子のみ。決定的な瞬間を目撃して凍りつく久美子を他所に、何も知らない従姉と間男だけが花火に歓声を上げるシーンが醜悪だが、美しいとも感じた。口は災いを招く。いくら相手に腹が立ったとしても、勢いに任せた感情的な言動は避けた方が良いし、芽生えた悪意にも蓋をしてやり過ごした方が良いのかもしれない。 後味の悪さで言うなら「囚われて」もなかなかサイコな話で良かった。束縛癖の旦那にほぼ軟禁に近い生活を送らされ、狂った妻が旦那を刺殺してしまう話。しかし実際のところ、妻が語る「夫とは似ても似つかぬ優しく美しい恋人(不倫相手)」は存在せず、また旦那が殺した愛犬というのも幻覚で、取り調べ中に妻は(旦那に壊された)ボロボロのぬいぐるみを掻き抱き、泣きながら(架空の)愛犬の名前を呼んでいるという壮絶な描写にゾッとさせられる。 ネットで感想を見ていると「天使の棲む家」の評判も良いようだった。天使のようだと称される優しい奥様が、厚かましい嫁(しかも不倫していて、息子を困らせている)を手にかけるシーンは実に鮮やか。話自体のテンポも良く、かつては世間知らずのお嬢様と呼ばれた貴婦人がこんなにもあっさり完全犯罪を成し遂げてしまうのかと思うと、いやはや参りました。お見事、という感じ。表現的にはあまりよろしくないかもしれないが、読んでいて一種の気持ち良さを感じてしまった。 ちなみに、表題作の「危険な食卓」は収録されている8編の中では最もコミカルだった。トリを飾る位置にあるが、この本の中では珍しく読了感が爽やかな話なので、この編集順はよく考えられていると思う。 食生活の違いから関係が冷め切り、離婚に踏み切った夫婦。元は夫を支える良妻だった基子。しかし、途中から自然食至上主義の友人に感化され(今で言う過激なヴィーガンに近いかも)、過剰なまでの食事制限や節制を夫に強いるようになる。添加物は当たり前、ジャンクな食べ物を愛する夫からすれば、それは苦痛に満ちた結婚生活だった。これまで受けた仕打ちに業を煮やした夫は、基子に仕返しすることを考える。 ……しかし、彼が考案した仕返しは残念ながら失敗に終わる。愛しさ余って憎さ百倍、その復讐からとうとう妻の殺害を考えて実行に移さんとする夫だったが、この話は全てにおいて妻の方が一枚上手だ。結果的には、彼一人が苦渋を舐める羽目になっていて笑ってしまう。知らず知らずのうちに自分の酒に仕込まれた強烈な下剤によって、耐え難い便意に襲われて殺害計画を阻まれるなんてオチ、面白すぎないか?深夜にひとり、公衆便所で終わりない腹痛と便意と戦わなければならなくなった彼を思うとより笑いが込み上げてくる。悪いことはしようとするもんじゃないな〜。
0投稿日: 2024.02.09
powered by ブクログやっぱり読みやすい小池真理子3作目! 少しゾクっとするけど 実際にありそうな人間模様を描いた短編集。 『姥捨ての街』の展開が1番好き。 『天使の棲む家』の殺し方が爽快。 『花火』のように死んでゆく旦那さんが素敵。 身近にはないけどこんな不可解な事が この世には溢れているんだろうなー。
2投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【収録作品】 囚われて/同窓の女/路地裏の家/姥捨ての街/天使の棲む家/花火/鍵老人/危険な食卓 異常に嫉妬深い夫の束縛を受ける妻、美貌で実業家としても成功したが恋人と不穏な秘密を共有している女性、可愛がってくれた近所の女性の秘密を知る少女、殺人を犯し自首する決心がつかないまま街をうろつく男、ケガをして入院している間に思い入れのある古い家電を断りもなく一新した嫁に不満を抱きつつ口に出さない姑、崇拝していた従姉のつまらない浮気を知った女子大生、家族から疎外された孤独な老人、健康至上主義の妻と離婚することになった節制嫌いの夫。 読後感はよくない。何がいやといって、ありそうなことやいそうな人がいやなのだ。かくして読後は臆病になる。
8投稿日: 2022.03.05
powered by ブクログ短編集。 どのお話も怖い〜。 日常の出来事でもありそうなんだけど、ちょっとした非日常な感じ? 優しそうな人が本当はそうじゃ無かったりとか。 刺激があって面白い作品でした。
3投稿日: 2022.01.13
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父が昔に買った本で随分色褪せていたけど、暇だったので読んでみた。 ゾクゾクする内容ばかりでページをめくる手が止まらなかった。「囚われて」は特に面白かった。まさか全部幻想だったとは、、、( °_° ) 最後の最後まで目が離せない展開が素晴らしい!
0投稿日: 2021.08.10
powered by ブクログいわゆるどんでん返し物とは違う種類の そうきたか...な裏切りを豊富なバリエーションの鳥肌と共に味わえるハズレ無しの短編集。 人間の根本的な恐ろしさと人間故の賢さの融合で産まれた「闇の部分」を、ライトで簡潔なボリュームで楽しむ事が出来る。 ヒェッ:( ;´꒳`;): となるものから シュン(´・_・`) となるもの、 ホッε-(´∀`*) と出来るものと 怖いけど....( *´艸`)クスッ となる、飽きが来ない素晴らしいセットリスト。
33投稿日: 2020.10.01
powered by ブクログ本のタイトルに惹かれて手に取ったけど、1つ読み始めると止まらなかった。結局、1日で読んでしまった… 同じ作者の本を読んでみようとおもう。
0投稿日: 2019.02.10
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*妻と夫、姑と嫁、同窓生など、ごく普通の人々の、ありふれた日常に芽生える小さな悪意、裏切りの予感、殺意の兆し。人間の心理を、恐怖というスパイスをきかせて鮮やかに料理した極上のメニュー8編* どの短編も骨格がしっかりとしていて、さすがの出来です。ただし、後味はよろしくないです。
1投稿日: 2017.03.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1997年(底本1994年)刊行。短編サスペンス8編。この著者はグロい描写はしない。また、伏線というか、前振りがきちんとあるので、衝撃度は控えめ。という意味で安心して読めるものの起伏は小さいとの感はある。まぁ、ないものねだりを承知で言うが、もう少し吃驚させてもよいのでは…。つまり、前振りの描写を少なくしてもよかったのでは、と思わないではない。なお、結果的に一番他愛のない話であった「危険な食卓」の結末が一番予想外だったかも。
0投稿日: 2017.01.20
powered by ブクログ2016.3.13(日)読了。 . 絶対無いとは言い切れない怖い話って感じ。 …あったら嫌だな怖い話。かな。 初めて読む作家さんでしたが 読みやすくてあっという間でした。 またまた短編集なんですが それぞれ違った意味の怖さがありました。 . 短編集ってあっという間に終わってしまって、もっと読みたかったのにと思うのが苦痛なものが多いですが(私の中で)これはそれを感じることなく読めるのが多かったです。
2投稿日: 2016.03.14
powered by ブクログ短編集って、ぜったいハズレの話があるって思い込んでたわたしですが、小池さん作品を読んで反省しました。ほんとにどの話も、短い中にもちゃんと起承転結があり、ぞくっとこわいオチがある。。 小池さん短編集の中では、『会いたかった人』が1番すきだったけど、この『危険な食卓』はそれを上回りました。何と言っても短編集だし、ひとつひとつの話は短いけど、読み終わった後には、長編ミステリーを読んだ後か?ってくらいの満足度を味わえました。 特に、囚われて、同窓の女、天使の棲む家がすき!同窓の女は、なんとなく予想できるのに、そうくるかーっていう恐ろしさが、、たまりませーん♡ 久々短編集のヒット!
0投稿日: 2015.08.24
powered by ブクログ女性を奇妙などこか影のある謎の状態にさせておくほど恐ろしく描くことができるから簡単に騙されるのがいかに滑稽なことがよく分かる。 簡単に信用してはいけない、誰もかも。
0投稿日: 2015.08.21
powered by ブクログさくっと読めて、なかなか恐い。 面白かった。 小池真理子は得意じゃないと思ってたんだけど、そんなことなかったかも。
0投稿日: 2015.04.19
powered by ブクログ再読。8編収録。 囚われて、同窓の女、路地裏の家、姥捨ての街、天使の棲む家、花火、鍵老人、危険な食卓 後味の悪い話ばかりではないが、総じて良くはない。 「同窓の女」は後で思えば予想がつくような話だが、面白かった。
0投稿日: 2014.09.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
推理,恐怖小説短篇8話 囚われて 同窓の女 路地裏の家 姥捨ての街 天使の棲む家 花火 鍵老人 危険な食卓 解説は篠田節子 他の短編集にも入っているものがある。 囚われては、愛犬も恋人も妄想という怖さ。 同窓の女は、同級性に夫を押し付けられる恐さ。 路地裏の家は、夫を殺す女性を目撃した少女。大人になって自分が夫を殺す嵌めに。 姥捨ての街は、殺人者が老人を保護する 天使の棲む家は、死体を閉じ込める。 花火は最後が自殺を想像させるので怖い。 鍵老人は、殺人の可能性を秘める。 危険な食卓は、下剤程度なので可愛いもの。 1つ一つが、しっかりとした骨組みを持っていて読み甲斐がある。
0投稿日: 2012.10.03
powered by ブクログこれ前読んだかもしれない。それにしてもどこがで読んだことのあるような話が多かったです。短編集ですが,人間の醜い部分を描いている作品でした。読み易いのでサラッと読みたい時には良い作品かと思います。
0投稿日: 2010.11.04
powered by ブクログ小池さんの小説ははずれなしなのが うれしい♪ 今回も不安がつきまとう。 『同窓の女』が意外な展開ですき。
0投稿日: 2009.12.17
powered by ブクログ【2004.01.28.Wed】 短編集。家庭の中で起こる様々な騙し合いが、狂気という名のスパイスで華麗に描き出される。普段は幸せそうに見える家庭でも、その中には見えない愛憎がこもっており、それが爆発するとき…人は狂人にでもなりうる。
0投稿日: 2007.03.13
powered by ブクログミステリー短編。全8話。 背筋がぞーっとなります。これよ、これなのよ、私が好きな小池真理子さんは!!日常に潜む殺意っていうか、誰でもちょっとした歯車の狂いで陥りうる怖さ。 小池真理子さんは長編もめちゃくちゃいいけど、短編もすごくうまい。心理サスペンスの女王だね♪
0投稿日: 2007.02.17
powered by ブクログこの短編集はかなり読みごたえがあります。「囚われて」「同窓の女」「路地裏の家」の三篇がお気に入り(*´∀`*)子供のころの体験が大人になってもあとを引きずる話、つまりノスタルジアとサイコが交じった話が、彼女の作品の中では凄く魅力的に感じます。人間は、頭の中で何を考えてるのかわからない、ふとした瞬間に何しだすかわからない…だから怖いのですね。。。
0投稿日: 2006.10.06
powered by ブクログ人を悪く言ったことのない姑が・・・。 20年ぶりに電話をかけてきた同窓生が…。 妻が、夫が・・・。 ごく普通の人々の心に芽生えるさまざまな思いが見事に描かれています。
0投稿日: 2006.03.30
powered by ブクログ改めて私は”女”が好きじゃない、と実感しました(ねちっこく女々しい女が嫌いなので)話はありきたりだけど文章や構成は上手いと思う。でもこの作家さんの他の作品も読みたい!と惹かれるものがなかった。それだけ”女”を描くのに長けてるって事なのかもしれません。読んでいて嫌気が差してきた。
0投稿日: 2006.02.04
