
総合評価
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powered by ブクログひとまず変身を読んだ -どんな虫になったんだろう?たぶんかなり大きい? -家族の一見薄情にも見える態度がケアの現場で目にするような現実とリンクした。ケア対象の死が安堵と希望をもたらしてしまう。 -人の価値が家族への貢献度になっているリアル -愛とはいったい 流刑地にて -これ無理なやつ… -士官はアドルフ・アイヒマンですか
10投稿日: 2026.02.07
powered by ブクログ私にとって文学は、自分の感受性を鍛えてくれるもの。 一読するだけでは説明の列挙でつまらないと感じてしまうが、解説や他者の感想を読むと、現実社会とのメタファーに気付けたり、「そういう意味だったのか」「この文章を読んでそういう風に感じる人がいるのか」と、自分の発想に無いもので予想もしていない角度から殴られる感覚が気持ちいい。 この本は年齢や立場、読む時の自分の心情、誰に感情移入するか等で印象がガラッと変わる作品。 読み手が「虫」を「病気」「無職」「介護」「鬱」「依存」...何に置き換えるか。 物語の根幹である「虫」について「どんな虫なのか」「どうして虫になってしまったのか」あえて説明しないことで読み手に物語を委ねる「説明しない美学」が美しい作品。 「ブラック企業・社畜」 グレゴールは両親の借金を肩代わりし、自分の時間を犠牲にして五年間で一度も仕事を休むことなく働く献身的な人。しかし、「虫=病気=無職」になり、働けなくなった瞬間に価値を失い、家族に疎ましく思われる存在になってしまう。 「介護・ヤングケアラー・障害」 家族の誰かが意思疎通もできない状態になってしまっても、大切な人のために身の回りの世話をしなくては、という気持ちと、この人がいなくなった方が残された家族は身体的・経済的にも幸せなのではないかという葛藤。本当に辛いのは、「虫になったこと」ではなく「家族が徐々に冷たくなっていく過程」 「鬱病・メンタル不調・偏頭痛・理由なく朝起きられない人・引きこもり・依存症・社会的・性的少数派」 理解されにくい持病や、多くの人が当たり前にできることが当たり前でない人、説明できない苦しさ、理解されにくく、本人の意思でどうにもできない苦しみの投影。 タイトルの『変身』はザムザ? それとも家族?
1投稿日: 2026.02.01
powered by ブクログカフカの短・中・長編小説が12編と、公文書に書簡集が収められている。 カフカがどんな小説を書いたのか、どんな人物だったのかを知るには好個の一冊。
0投稿日: 2025.06.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多和田葉子さんの新訳『変身(かわりみ)』に惹かれて。 ‘‘グレゴールザムザがある朝のこと、複数の夢の反乱の果てに目を醒ますと、寝台の中で自分がばけもののようなウンゲツィーファー(生け贄にできないほど汚れた動物或いは虫)に姿を変えてしまっているのに気がついた。’’p9 カフカの『変身』というと、ある朝主人公が虫になっちゃうやつ、と認識されている方も多いですよね。 それはそれで間違いではないのですが、正確にはウンゲツィーファーという言葉で記されているそうなのです。 このウンゲツィーファー、ひきこもりの暗喩として見て取れる、という解釈をはじめて知ったのは斎藤環先生の著作だったと思います。カフカの時代にはhikikomoriなんて言葉はなかったのでしょうが、同様の状態はあったのでしょうか。 私は今回再読して、これは、モンスター小説を、モンスター(グレゴール)側からも、被害者(この場合は家族)側からも描いたダブル・ホラーの面もあるかな、と思いました。グレゴール側からも見ても、家族側から見てもホラー。 襲ってくるわけじゃなく、同じ家にいるだけで、忌み嫌われるんですね。 今、ヴィラン(悪役)映画って流行ってますよね。そんな感じ。 グレゴールは体は化け物じみたものに見えていて、人間の言葉も発せなくなっているけれど、中身はグレゴールのままなのです。 家族のほうも、一家の大黒柱から、突然モンスターに変身してしまった息子(妹から見たら兄)を持て余し、見たくない、存在すら認められないものに変わります。 両者のお互いの認識の違いがつらく、せつない。 また、グレゴールは、言葉を理解してないと思われてるけれど、実は完璧に理解していて、家族に姿を見られないように、空気を読んで、家具の下に隠れちゃったりしていて、胸が痛みます。 ある意味衝撃のラストシーンは、ホラー映画で、モンスターが倒された後のエピローグ的で、グレゴールに感情移入してきた身としては、複雑な、唯一無二の、この小説でしか感じ得ない(かもしれない)思いを感じます。 多和田さんは再読してみて、この小説に「介護」を読み取ったのだそうです。 今なお色褪せない古典。 後はおいおい読んでいきます。 何しろ803pもあるので…。
43投稿日: 2022.04.07
powered by ブクログカフカの新訳を多和田葉子さんが手掛けていると知り再読 といっても『変身』のみ再読で、他11編は初読なり。 全作品についての感想は控えて 一番ボリュームがあり且つ読了後あれこれ考えを巡らした『訴訟』について書くことにします。 ちなみにこの訳は多和田さんではなく川島隆さんです。 訴訟の手続きなんて冗長で煩雑で救いようがないさ! そしてそれって訴訟だけに限らないよねぇ。 っていう主題だと解釈していたのだけど まさかのラストを迎え呆然… 身に覚えもないし拘束されないくらいだし 罪はないのに訴訟されたのだと思ってた。 じゃあ死刑になるくらいなんだから それ相当の罪を犯したということなのか。 わからない…多和田さん、help! この主人公は制欲を持つが故に有罪判決を受け 法律の力でその無罪を証明するのは不可能であり 性を有罪とする判決が全くナンセンスであることを明らかにしている。 と、多和田さんは解説していた。 なるほど… それにしても悲惨な結末すぎやしないかと思うけれど 『変身』も同じことが言えるので納得。 他にも様々な解釈がされているらしい。 多角であることは読書の醍醐味でもあるもんね。 すごいわ、カフカ!
2投稿日: 2019.03.29
