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かたづの!
かたづの!
中島京子/集英社
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総合評価

19件)
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    歴史というのは実に面白いというか、こんな風に突然に女城主の話が描かれて、しかも史実ではないか。今や話題の初の女性総理大臣も、なってしまえば既成事実というか、普通に受け入れられて、このあたりの日本人の感覚?は面白いのう。 でもって主人公は女性らしさの細やかさとかではなく、女性であること以外は至って普通というか、なんだか現代のドラマを見てるような。いや、要はすぐに戦争やら切腹やら言い出す男どもを説得する主人公が、なんかオカンみたいな感じで不思議な雰囲気なんよなぁ。 その分ドカンてな盛り上がりはないけども、淡々と進むのですよ。

    0
    投稿日: 2025.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    八戸の女大名になった祢々のお話。ずっと寄り添った羚羊(かもしか)の片角が語ります。河童や猿が出てきたり片角が祢々に乗り移ったり、不思議な世界が展開されます。叔父の無茶苦茶に振り回されながらも、戦を避けた賢い生き方を貫きます。良い話でした。

    1
    投稿日: 2025.02.25
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    時代小説棚にあるのがわかっていて、どんどん時間が過ぎてしまった。ようやく読めた。読み応え半端ねえ、その分満足感がある。直虎を見ていたので、でも寧々さんは知らなかった、悔し涙。歴史に翻弄されたんだけど、性格そのままで器でした。羚羊の字も良いし、語り口も500年以上生きている筈の伝説ですね。遠野に行った事あるので景色が浮かび、河童が主役ってとても素敵だな、とにかく色々要素が織り込まれて賞も獲れる思います。いやあ読み切ったよ、長いお別れに小さいお家にどんどん読めてる

    7
    投稿日: 2024.02.14
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    歴史小説はそれほど好きではないけど 面白く読めた。 東北の歴史に詳しくなくてどこまでがファンタジーなのかよくわからなかった、知ってたらもっと面白かったと思う。

    0
    投稿日: 2022.04.25
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    いきなりの羚羊目線である。 そして歴史話というものに対して、「あれがあっちについた、これがこっちについたとわかりにくい」と主人公祢々に言わしめてしまう。 「私には、胃袋並みに三つか四つ、脳みそが必要…」とは羚羊の言葉。 時代物が苦手な身としては、ちょっと体をほぐしてもらったような気持ちになった。 といってもお家や藩の話ではあり、油断は禁物(笑) そこをゴツゴツとした堅さや重量感を削った、さらりとしたタッチで導いてゆく。 異界との交わり具合も自然で程よい感じ。 「遠野物語」にも少しばかり興味が出てきた。

    1
    投稿日: 2022.03.21
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    実在した女城主と角とのファンタジー? どうしたら、こんなに強く生きられるの? 責任感だけじゃ無いよね。 心持ちの少しでも、真似できたらと思いました。

    0
    投稿日: 2021.10.09
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    南部氏が治めていた青森、岩手、秋田にまたがる地。 その地で生まれ育った袮々は、女大名として手腕を振るう。 しかしそこに至るには、悲しみと、怒りと、忍があった。 物語の語り部はアオシシ、羚羊である。 しかも一本角の! 彼もまた美しき白い羚羊と出会い、悲しみの別れを経験している。 死後は霊となり、物語を語り続ける。 本書で繰り返されるのは、「戦で一番重要なことは戦をやらないこと」だ。 どこぞの大馬鹿者(それを選んだ有権者も相当程度責任があると思うが)が、我が土地を戦争で取り返しましょうといっていたが、戦争をゲームか何か、血は流さず、自分も死なないと思っているのだろうか? それともただ単に、「戦争しようとか言えちゃう俺ってかっこいい」なのか。 あるいは何にも考えてないのか。 何れにせよ、人が死に、腐るのを間近に見る生活は、普通じゃない。 袮々は、武士なら戦って散ることこそ、と息巻く家臣を諌め、「二度と私の大切な者の命を奪わせない」(296頁)、「生きる道を、選べ」(306頁)という。 これがどれほど大変で立派なことか! なんども登場する不思議な鳥、ぺりかん。 本文に直接影響を及ぼすわけではないが、張り詰めた空気を和らげ、息をつかせる。 さすが、愛の鳥。 遠野といえば、のカッパも登場して「遠野物語」の世界にも触れられる。 涼しくなったら、不来方城近くまで墓参りに行こうか。 銀河鉄道より、少し派手な色の列車に乗って。

    0
    投稿日: 2019.09.22
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    八戸南部家→遠野のお家のことは知らなかった。 マイナーな土地・家の小説は、知らないことが多くて面白く、ありがたい。 史実に軸を置きつつ、人の感情の彩りがよかった。 かたづのの語りであるとか、河童のみんなの話はファンタジー。 歴史的な物語と、時折すっと入るファンタジーな挿話のバランスが良かった。

    0
    投稿日: 2019.09.12
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    中島京子「かたづの!」読了。重い歴史物の風格と、ユーモア、ファンタジーが混在する素晴らしい作品でした。中島さん、面白いなぁ…今、一番好きな作家さんです。☆四つ!

    0
    投稿日: 2019.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    きっかけ:タイトルがずっと気になっていた。 読み終わって、これがフィクションであることに驚く。 そもそも人の言葉がわかる一本角のカモシカが語り部となって、一人の女性が戦国時代を生き抜く様を語ったり、河童が現れたりとかなりファンタジーなのだけど、そんなことを忘れて一気に読んでしまった。

    0
    投稿日: 2019.01.05
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    「羚羊の角」を語り手に配し、遠野ゆかりの「河童」や絵から抜け出した「ぺりかん」やらも登場する、ファンタジー色の強い作品となっています。 ―― https://bookmeter.com/reviews/72976384

    0
    投稿日: 2018.06.23
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    遠野の羚羊の片角が語る江戸時代唯一の女大名の一代記。 夫と幼い嫡男を立て続けに失う。二度と大切な人たちを失いたくないと、戦わず困難に知恵と勇気で立ち向かう。 しかし、謀略と武士を気取る男どもに何度も窮地に陥り、身を削りながら、最後にようやく短いけれど静かな時を迎える。 河童や、絵か抜け出たペリカンも出てきて、どこまでが事実で、どこからが創作なのか判然としないが、一気に読んでしまった。「小さいおうち」にも似た空気感を感じた。

    0
    投稿日: 2018.01.20
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    女大名、その波乱万丈の一生。 骨太の歴史小説かと思いきや、河童も出てくるし、羚羊の角が語り手だし、ファンタジーのよう。 「戦でいちばんたいせつなことは、やらないこと」を信条に祢々は、次々と降り注ぐ過酷な運命に立ち向かう。矜持よりも命。でも、分かり合えないこともある。異なる意見の人もいる。これが祢々の一人称だったら、もっと引っ張られたり、反発したりしたかもしれない。でも、語り手は角なので俯瞰的になっている。河童の話もあって、民話や伝説のようだ。そこが他の歴史小説と違う。 今年の大河ドラマがちょうど井伊直虎で、祢々も尼になっているからか、どうしても脳内イメージは柴咲コウになってしまう。で、この祢々は実在の人物? あまりこの時代の、そして東北の歴史に明るくないので、わからなかった。それは些細なことなのだけど。

    0
    投稿日: 2017.12.20
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    女城主としての生きざまが、井伊直虎を彷彿させる。違うのは、直虎は外圧との戦いだったが、祢々は身内との戦い。でも共通しているのは、男には分からない苦労を背負ったということ。

    0
    投稿日: 2017.12.17
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    江戸時代にたった一人、奥州南部藩に実在した女大名の祢々(後に清心尼)を主人公にした歴史時代小説。 祢々は八戸南部氏の当主・直政の妻となるが、夫や幼い嫡男が不審な死をとげる。 これはかねてより八戸を狙っていた叔父の仕掛けた陰謀だと確信した祢々は城を継ぎ、女亭主となった。 その後も叔父の策略によって次々に襲いかかる難事に翻弄される祢々の長い闘いが始まった―。 中島さん初の時代小説。 実在した女大名を描いた物語ということで面白そうだなと思って手に取りましたが、読んでみてびっくり。 なんと語り手は祢々のそばに寄り添うカモシカで、死んで角だけになっても「片角(かたづの)」として彼女を助けるという存在。 遊び心が効きすぎたぶっとんだファンタジー要素におののきながらも、読み進めていくうちにすぐ夢中になりました。 多くの困難に直面しながらも祢々は領土と領民を守るため、悩み苦しみ、時に毒づきながら、たくみな手腕で難事を乗り切っていきます。 「戦でいちばん重要なのは、戦をやらないこと」 「戦いが起きてしまったら勝つのではなく負けぬことであり、なるべく傷が浅いうちにやめること」 領土と領民を守るために語られる彼女のこの信条は現代でも実現が難しいものであり、子どもを産むことができる女性ならではの考えだと思いました。 藩内の争いが激化して一触即発の危機を迎え、血の気が多い武士たちは争いを起こすことですぐに死に向かおうとします。 「何でもいいから思う存分叩きたい」「戦いで死ぬのは本望 。自分が討たれることで新しい筋道が立つのであれば、それを大義として死んでもいい」などという男性ならではの荒い理屈には辟易しましたが、それは領土問題や差別問題に揺れる現代日本の姿そのもので、考えさせられました。 彼女に降りかかる艱難辛苦は過酷すぎて、読んでいてつらくなってきますが、河童や大蛇などの伝奇的なエピソードが随所にはさみこまれているので軽妙でユーモアあふれる筆致になっています。 史実や伝説を交錯させて、不可思議な世界で遊ばせてくれるので飽きません。 また、彼女の一生は男たちに翻弄されるものでしたが、耐えて忍んで…という印象ではなく、さっぱりとした、感情的にならない少年のような気質なので、読んでいて気持ちいいんですよね。 友達になりたいくらい笑。 「片角」が最終的に辿り着いた世界で見つけたものは――読み手もまた最後に不思議な伝承あふれるみちのくに誘われ、深い余韻に浸ることができます。

    0
    投稿日: 2017.12.05
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    感想はブログでどうぞ http://takotakora.at.webry.info/201710/article_6.html

    0
    投稿日: 2017.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    南部に実在した女性大名・祢々を描いた作品。 正確には領地を幕府から与えられたわけでは無いので大名ではありません。幕府から認められているのは対抗する祢々の八戸南部家はその分家で、藩内の城持ちの(非正式な)支藩です。 史実に沿って描かれる時代小説ですが、語り手が一本角のカモシカの霊だったり河童がちょろちょろ現れたり、伝奇要素がかなり混ざっています。 中島さんの特徴は不思議なユーモア感です。まっとうに南部の藩内抗争を描くと、そういったユーモア感が出しにくいがために伝奇要素を取り入れたのではないかと思います。 しかし、なんとなく中途半端な気もします。思い切って真正面から描くか、妖怪変化の類を使わず祢々の近くに面白い人物を置いてその人の視点で描くとかしたほうが良かった良かったような気がします。

    0
    投稿日: 2017.10.09
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    ときは江戸時代、徳川家康が天下統一を成し遂げようとする頃から2代目将軍秀忠の頃、ところは現在の青森、八戸辺りから岩手の遠野周辺を仕切っていた南部藩所縁の年代記。しかし、このお話は一風変わっています。語り手は羚羊(カモシカ)それも一本の角しか持たない鹿の角が死後も「南部の秘宝」と呼ばれて意思を持ち語りだすのです。 かたづのが出会いを語るその人は、後に女性ながら八戸の南部氏の第二十一代当主になった祢々(ねね)。まだ15歳でしたが、第二十代当主となった直政氏のご内儀となっていたのでした。祢々の波乱万丈とも表現されるその後の人生を、かたづのは当に直に側で見聞きして語ることになります。時には人の中に入って降臨し、南部に伝わる小正月の行事の「叱り角」として登場します。祢々は夫や子どもを政略の果てに殺され、叔父の政略を逃れるために尼になり、戦で大切なことはやらないこと、と無駄な血を流さないことを信条に女大名として藩を導いていきます。 遠野の民話で有名な河童の挿話があり、ペリカンや蛇が化身として登場するのも、殺伐とした争いの世の中を描きながら、ほのぼのとした味を醸しだしています。

    0
    投稿日: 2017.07.30
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    祢々と羚羊の出会いから始まる。祢々は不思議な魅力に溢れる女性で羚羊はじめ、河童、猿など生きとし生けるものから愛され、加護を受ける。祢々は何事にも冷静で、ずっと先を見て判断を下す。(時々、毒も吐くが)そして人間だから動物だからなど差別せず、心と眼差しを傾ける。夫、息子、娘、最後には故郷を捨てざるを得ず、幸福とは言い難い人生だったかもしれないが祢々は知っていた。味方がたくさんいることを。だからこそ波乱に満ちた人生を生き抜くことができた。羚羊、河童の祢々への敬愛が微笑ましく、そして素晴らしいのが本書の魅力。

    0
    投稿日: 2017.07.12