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戦争にチャンスを与えよ
戦争にチャンスを与えよ
エドワード・ルトワック、奥山真司/文藝春秋
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総合評価

37件)
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    言いたいことは分かるのだけれど。。戦争の当事国以外の第三国が当事国同志の和解のために仲介すると、戦争で負けた側の国としての再建が遅れてしまうというのが著者の主な主張なのですが、戦争中に失われる無垢な命を無視した完全な血の通っていない合理主義的な考えには自分は賛同できませんでした。本書の後半になってくると、「現在起きている少子化は、闘うことを求める戦士としての男が減り、女は戦士を好むのが原因なのだ」といった戦争や暴力をポジティブに評価するような発言が度々出てくるので、最期まで読むことは止めました。どんなことがあっても暴力は肯定できないと思います。

    0
    投稿日: 2025.12.12
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    国連などが戦争に中途半端に介入して止めることはマイナスしかない。当事者同士が最後まで戦って完全な勝者と敗者ができるか、双方がもうこれ以上戦いたくないと思うまでやってやっと平和が生まれ、復興が始まる。 この主張は理解できる。中途半端な正義感や覚悟のない介入では負の連鎖は止まらないし、筆者の言うようにやらない方が良い。 ただ自然に任せるのがベストだと言うような主張はダーウィニズムや新自由主義のニオイが感じられ、人間の知恵を軽視する方向になる。 人類の歴史は戦争の歴史であり、今も続いている通り根絶は困難である。だからと言って止める努力を放棄してはいけない。その手段が哲学や宗教などの思想であり、政治である。

    0
    投稿日: 2025.03.06
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    戦争を始めたら中途半端に休戦したりしてはならない。難民キャンプなどを作ってしまうと越境攻撃したりする拠点になってしまい難民以外の生き方をしらない世代も生まれてしまう。そのため徹底的にやらせるべきだし二度と歯向かう気が起きないようにすべきであると。つまり戦争当事者の両国の戦争欲を失くすために、心を折るまで戦わせるということ。 「うまくいくだろう」という考えはなにもしていない以上にひどい最悪の状態。降伏したほうがましなくらい。やるかやられるかしかない。備えよ常にや平和のために備えよが正しい。 男は戦士であるべきで、女は戦士を好む、としてそれが少子化や衰退の原因であるとしている。イーリアスの戦士の文化と呼んでいる。イスラエルのような危機にさらされている国では女性の社会進出もあるものの3人以上子供が産まれ少子化にはなっていないそう。韓国では似たような状況ではあるが少子化は起きている。その点への言及がほしかった。しかし男は強くあれ、戦士であれというマッチョな思想には同意する。女性に対して強くあれというのではなく外敵に対してであるのでいわゆる男尊女卑とは重ならないのがよい。みんなもイーリアス読もう。 そして進歩的社会の象徴とするヨーロッパの移民受け入れにもこの点から反対しておりヨーロッパの消滅は確実と言っているが、その点賛成である。移民は受け入れるべきではない。 最後のまとめで、戦争をしたいわけではなくて調略とか外交をつかってなるべく回避するものとしている。そしてその外交の時の圧力の一つとして軍事力を保持しておくというのが主張であり、やはり外交の一手段という王道の考え方であるので受け入れやすい。軍事力が強くても同盟関係を構築すれば戦闘に負けても戦争には勝てるのである。

    0
    投稿日: 2024.12.31
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    2024.02.07 2017年に刊行された本だが、ロシアのウクライナ侵攻、ハマスとイスラエルの戦いが現在進行形のいま読むと示唆に富んでいることに驚く。すると、尖閣はどうなるのか! 考えると恐ろしさしかないが、そういった「思考停止」状態こそ筆者の忌むところである。

    1
    投稿日: 2024.02.07
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    タイトルが気になり本書を手に取ってみた。一見すると戦争する事で生み出される利益に注目する様な刺激的な内容を想像するタイトルだが、戦争は極力避けるべきという考え方に基づいて書かれている。 筆者エドワード・ルトワックが1999年に記した同タイトルの論文について訳者のインタビュー形式にて日本語化されたもののようだ。全編にわたってベースとなる考え方は「パラドキシカル・ロジック(逆説的理論)」で、私の理解ではある一方向からみた正しさはその影響を受ける他方から見た場合、誤った見方になっているという点だろうか。良かれと思ってしている事が、実は物事の根本解決にはなっておらず、逆に本来望んでいる姿とは真逆の結果を引き起こしているという事だ。例に挙げられているものの一つに、一方的に攻撃を受けて、難民化した人々の難民キャンプを支援するNGOのケースである。食糧支援や過度の保護が、却ってキャンプ内の反撃者を増加させ、結果的に「一時的な停戦状態」を作れても、攻撃者に対する憎しみは「永久に消えない」といったものだ。こうしたパラドキシカル・ロジックを国家の戦略レベルに適用する必要性を説く。太平洋戦争での日本の真珠湾攻撃も部分的な戦術では勝利したが、最終的に日本への原子爆弾投下によって敗戦に繋がった。日本に足りなかったのは長期視点に基づく戦略があまりに甘い予想だった事もあるが、期待する同盟関係が全く役に立たなかった事が最終的な敗北に繋がった。当時同盟を結んでいたドイツ・イタリアは遥かに遠い存在であり、戦力的な面でも軍需支援もほぼ期待できない。ソ連との不可侵条約も中身が無く強固なものではないから(何より相手は簡単に裏切るソ連)、最後の最後で北方領土まで失った。日本は決定的に同盟の存在が足りてなかったと言える。ならば外交力であろうか。筆者は何より周辺諸国の情報を重視するが、これも我が国では耳が痛いインテリジェンスの話だから、当時のレーダー能力が示す様に、また現代においても期待は薄い。ならば対外的には意思をはっきり表示せよ、これは尖閣問題での中国に対する態度をはっきり示す必要性へと繋がる。 いずれにしても、日本の周辺は北朝鮮に代表される危険な国、アジア最大の経済国となったが大国として安定性に欠ける中国、そして態度を明確にせずに安全に慢心しつつ自国経済最優先する韓国と、同盟相手になり得ない国家から、同盟関係を築いてもさして得られる利益の無い国家ばかり。当面はアメリカの軍事力頼みになるのは間違いないし、その結果戦後の高度成長の恩恵が得られたのも事実だ。 筆者は日本の読者のためにか、戦国武将の武田信玄や徳川家康、織田信長も引き合いに出し、それらの戦い方や戦略における凄さにも着目している。遥か歴史上には優れたリーダーが多くいたが、再び世界に目を向け、今日本がとるべき戦略(大戦略)を真剣に考える時が来ていると、読みながら強く感じた。 現在の敵は将来の味方、その逆、今の味方は将来の敵といった様に必ずしも近視眼的に相手を選ぶのでは無く同盟国は長期視点で選ぶべきであり、また仮に不安定で先読みの難しい状況では、一時的な利用と割り切る事も必要だ。そのベースには相手を知る深い情報と、グローバル化によって距離に関係なく地球規模で影響し合う国家間の力関係を見誤らない事が重要だと感じた。

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    投稿日: 2023.06.03
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    「戦争を無理に止めると平和はやってこないから最後までやらせろ」 「西ヨーロッパの国々では人々の戦う気持ちが失われてるから人口が減少している」 「アメリカはロシアを刺激するのではなく、ロシアとうまくやるべき。そのために、ウクライナの大統領を親露派にするなどの交渉をロシアに持ちかけるべき」 主張が極論すぎる。

    0
    投稿日: 2022.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦略家であり国防アドバイザーでもあるらしい著者のインタビュー記事をまとめた本。読んでいる最中にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、こうも絶妙なタイミングで該当ジャンルの本に出合うもんかね、と、我ながら驚きつつ読了。 著者は「戦争の目的は平和をもたらすことにある」と説く。戦争は人の夢や希望、野望によって始められ、戦争が進むにつれて資源や資産を消耗させるプロセスに発展し、当初の夢や野望が幻滅に変わっていき、最後には資源や資産が底をつき、人材が枯渇し、国庫が空になって戦争が終わり、その後の再建のプロセスの中で平和が訪れる、というのが著者の考え方。 その「平和を作るプロセス」としての戦争に対し、中途半端に他国が干渉したりNGOなどが仲裁することで、資源や資産がしっかり消耗されず、戦争当事者間の合意が形成されず、「戦闘行為が凍結されたまま」火種がくすぶり続けるため、いつまでも平和が訪れない。だから、いったん戦争が始まったら当事者間で徹底的にやらせるべきだ、というのが、簡単にまとめると本書全体を通じての著者の主張になる。 仲介者、仲裁者である第三者の国や組織が、責任を引き受ける覚悟無しに安易に独立を承認したり、片方に味方して強制的に調停を結んでしまうことは、結局は紛争を長引かせるだけだ、という著者の視点には、頷かざるを得ないところもある。特にアフガニスタンの混乱において、アメリカが打ち立てた政権をアフガニスタン人は決して認めないだろう、という主張は、タリバンが甦ってしまった今、事実を言い当てていたとするしかないだろう。 それでも、私は著者の主張には賛成できない。 著者はあくまで「戦略」としての戦争の有効性、あるいは必要性を述べているに過ぎない。これは、自らは手を汚さず、空調の効いた部屋でモニターを見ながら侵略を指示する指導者たちが見ている世界と変わらない。「ウクライナに平和をもたらすための戦いだ」というプロパガンダを流し続けるプーチンの思想と著者の主張は、不気味なまでに合致する。 戦禍に巻き込まれ、肉親を目の前で吹き飛ばされ、それまでの平穏な日常が一瞬にして灰燼に帰し、人権を踏みにじられながら必死に生き延びる、「戦争に巻き込まれた人たち」の悲しみ、怒り、絶望を、著者は理解していない。理解しているのかもしれないが、少なくとも本書の主張において考慮はしていない。 著者の主張は、極論すれば「国家戦略として必要である以上、戦争が行われている地域の人は死んでも構わない」ということになる。しかし、「戦略」と「人権」は相反するものではなく、どちらかを立てればどちらかが立たない、というものでもないはずだ。 自らの身体、財産、地位に被害が及ばない、安全な場所から高見の見物を決め込んでいる著者の「戦略論」は、検証や議論の的として取り上げるにはいいかもしれないが、人としての尊厳と人権を尊重するにあたり、現実世界で実践されてはならないものだと思う。 第三者による「中途半端な介入」が駄目ならば、「徹底的に当事者意識と責任を持った介入」であれば、戦争をやり尽くさなくても平和をもたらすことはできるのではないか。その可能性を模索せず、安易に戦争という暴力に希望を見出す著者の理論を、私は許容できない。

    0
    投稿日: 2022.03.17
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    稀代の戦略家エドワード・ルトワックの論文や講演録に関するインタビュー集 「戦争にチャンスを与えよ」は、エドワード・ルトワックにより1999年に発表された論文。この本はこの論文の他にこれまで発表した論文や講演録に関するインタビューを奥山真司氏が行い翻訳したものである。  日本人にとってはなかなか飲み込み難いタイトルの論文かもしれないし、内容に対する感想も十人十色だろう。 「戦争には目的がある。その目的は平和をもたらすことだ。人間は人間であるがゆえに、平和をもたらすことには、戦争による喪失や疲弊が必要になる。」ということだ。外部の介入によって、この自然なプロセスを途中で止めてしまえば、平和は決して訪れなくなってしまうのである。 現在では、じつに多くの国際組織が他人の戦争に介入することを己のビジネスにしている。これらの組織の際立った特徴は、戦闘を行うことは拒否しながら戦場に入り込むことである。 NGOも、自らの組織の永続を目指している。したがって、彼らの最優先事項は、目立つような状況下での活躍を誇示することで、善意の寄付を募ることにある。  ほーほー。時々、ニュースを見て胡散臭さを感じていたのはこういうことだったのかと腑に落ちた。しかし日本人として、西方の大国から侵略された時に、「今後の平和をもたらすために、アメリカや国連の介入はしないでください。」などとは決して言うことはできまい。難しいところだ。  第6章の「パラドキシカル・ロジックとは何か 戦略論」、第7章の「戦争から見たヨーロッパ 『戦士の文化」の喪失と人口減少」も必読である。多くの人に読んでほしい。

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    投稿日: 2021.10.31
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    表題の1999年の論文はPKOが「戦闘に巻き込まれたり、意図的に攻撃される民間人を守れないことを恐れて」「消極的な傍観者」にとどまる、と看破する。日本と同じぐらい(自国民の命を重んじる)マスコミがうるさいらしい(マスコミは本質的に左翼)セルビア。NGOの「難民支援・保護」活動は、「生地に戻れるという虚しい希望を抱かせて」難民状態を長期化するだけ。パレスチナ問題がまさにそうで、ハマスは失地回復でなくイスラエルの《完全な消滅》を目指している。パレスチナ人難民を国連難民救済機関が養い、その子供をハマスが教育する

    0
    投稿日: 2019.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

     なかなか挑発的なタイトルです。  本書は経済学者、戦略家、歴史家、国防アドバイザー、シンクタンクの上級顧問といった様々な肩書を持つエドワード・ルトワックの著作。    「戦争の目的は平和をもたらすことにある」  著者は本書の中でそう説きます。  この逆説的に思えるテーゼが何故言えるのか、それを実際の戦争(紛争)の歴史を振り返って説明をしてくれます。  本書は著者が過去に寄稿したいくつかの論文で構成されています。  そのため章ごとにテーマが変わるので、最初から最後まで一貫したテーマで通底しているわけではありません。  いうなれば過去論文の短編集、といった感じです。 ◆「1. 自己解題「戦争にチャンスを与えよ」」および「2. 論文「戦争にチャンスを与えよ」」  冒頭にある通り、著者は「戦争は平和をもたらす」と説明します。  太平洋戦争や第二次世界大戦後、日米や西欧諸国の間に戦争は起こっていません。  一方でパレスチナや旧ユーゴスラビア諸国、ルワンダなど、長年にわたって紛争状態が続き、ゆえに国土が荒廃して発展の余地すらない地域が数多くある。両者の違いはどこから来るのか。著者は「外部から戦争が調停されたか否か」であるといいます。  なぜ外部調停により停戦を迎えた紛争が長年にわたり対立状態を解消できないのか、その理由が語られます。なかなか説得力のある理論であはありますが、現代の価値観からすると受け入れづらいものでもあります。 ◆「3. 尖閣に武装人員を常駐させろ(中国論)」  ここでは、日中の尖閣諸島をめぐる対立について、日本側の「あいまいな」態度に警鐘をならしています。  なぜ「あいまいな」態度が事態を悪化させてしまうのか。中国の特異な政体と絡めて理由が語られます。 ◆「4. 対中包囲網の作り方(東アジア論)」  中国(というよりも習近平)の野心的な行為と中国という国の幼児性・特異性が分析されると同時に、その覇権主義的な行動を抑え込むためのアジア各国およびアメリカの連携について語られています。  中国の分析がなかなか面白い。それと同時に反中同盟から脱落しつつあるフィリピンの分析もなかなか面白い。 ◆「5. 平和が戦争につながる(北朝鮮論)」  本章は以下の指摘から始まります。 「北朝鮮は特異な政権である。特異な点として二つ挙げられるだろう。一つはリーダーのヘアスタイルがひどい、ということだ。」  ちょっと吹き出しました。本書ではこのような表現がちょいちょい出てくるのでなかなか楽しませてくれます。  しかしその後はまじめな話となり、北朝鮮が侮れない国であると説きます。  そして北朝鮮に相対する日本に選択肢を提示しますが、これがなかなか厳しい。。。 ◆「6. パラドキシカル・ロジックとは何か(戦略論)」  パラドキシカル・ロジック(逆説的論理)について説明がされます。  これは1章や2章にも通底する内容です。つまり「戦争が平和をもたらす」「敗北が勝利をもたらす(逆に勝利が敗北をもたらす)」「大国は打倒できるが、小国は打倒できない」ということ・・・。なぜそのように言えるのか?  身近な例でいうと「中国は大洋覇権を握るために空母建設を進めているが、それがゆえに大洋覇権を握れない」。なぜそのように言えるのか。この分析はなかなか面白い。 ◆「7. 「同盟」がすべてを制す(戦国武将論)」  ここでは戦国時代の武田信玄、徳川家康、織田信長の3名を取り上げて、彼らの戦略的優秀さを語っています。  外国人が日本の戦国大名について分析するとはなんだか違和感がありますね。ただここでの分析は一般論の範囲であり、要は戦術性と戦略性の2点が語られています。  本章終盤のメッセージは、今の日米同盟に照らし合わせるとなかなか含蓄があります。 「「同盟」は大戦略を遂行し、勝利を獲得するうえで不可欠な選択である。あらゆること(を一国でなす)には限界があるからだ。 ・・・そして、もう一つ忘れてはならないのは、「同盟」という戦略は、しばしば不快で苦難を伴うものでもある、ということだ。」 ◆「8. 戦争から見たヨーロッパ」  ここはなかなか面白い。著者の(マッチョイムズな)性格がもっともよく表れた章といえます。  一言でいうと、「戦士の文化の衰えた国は衰退する」ということです。  なんじゃそら!?と思いますが、ここで展開される論理がなかなか面白い。 「いずれにせよ、ここにシンプルな一つの事実がある。アンダーソン・クーパー(CNNのアンカー。すこぶるイケメンで紳士。だがゲイである。)には子供がいないが、トランプには子供が五人、孫に至っては娘のイヴァンカだけでも三人いる。将来、孫が10人から15人程度になるのはほぼ確実だ。  もちろん、アンダーソン・クーパーはフライトアテンダントの胸を触ったことがないほど上品だろう。ところが、彼には未来がない。トランプには未来がある。」 ◆「9. もし私が米国大統領顧問だったら」  タイトル通りアメリカに提言する政策論が展開されます。それがビザンティン帝国や徳川幕府の戦略から導出されている点が面白い。  それに著者がオバマ大統領を良く思っていないところも面白い。オバマ大統領の上品さと著者のマッチョイムズの相容れなさがよくわかります。 ◆「10. 日本が国連常任理事国になる方法」  まず著者が指摘するのは「常任理事国入りを目指して日本がとっている戦略は全くの誤りだ」という点です。  日本はブラジル、インド、ドイツ、ナイジェリア、南アフリカなどとタッグを組んで常任理事国入りを目指しているが、これで目標を達成できる見込みはゼロである、なぜか?日本は「誰も欲しない」プランを追及しているからだ、と著者は言う。  ではどうすればよいか?「カギを握るのはインド、そしてロシアである。」著者がこう説く論理はなかなか面白い。  本書は上記の1,2が本書のハイライトでしょう。挑発的なタイトルですし。  ここでのメッセージを簡単に要約するならば「対立する両者が自国のリソースを使い切るまで戦ってこそ、その後に平和が訪れる」ということです。  もし外部の調停で生煮えの状態で戦争を終えても、両者はまだ戦う力と戦意を残しているため、その後も対立と緊張状態が解消されないのです。この状態は国土の復興と発展を妨げるわけです。  また上記のアジェンダを通して分析される北朝鮮や中国、ロシアの性格についても興味深い。  著者は中国を「鈍感な国」といいます。 「さらに厄介な問題がある。中国は、隣国を完全に見誤る伝統を持っている点だ。 ・・・この理解力のなさは1979年の中越戦争を考えても驚きだ。 ・・・つまりベトナムは、中国にとって、隣国であるだけでなく、つい最近も一度敗北した相手なのだ。にもかかわらず、今回もまた失敗を繰り返しているのである。」  この鈍感さは中国の「組織的欠陥」に由来すると著者は言います。この分析はなかなか面白い。  またロシアにおいて、プーチンの国民に対する態度について説明した以下の内容はおもしろい。ロシアという国と国民の特異性をよく表していると思います。 「プーチン氏が自国民に発しているメッセージは、以下のようなものだ。 ”ロシア国民よ、あなた方はアメリカ人のようにリッチにはなれないし、フランス人のようにエレガントにはなれないし、イタリア人のようにおいしいものも食べれられない。しかしあなた方は、世界最大の領土を持つ帝国の人間であり、これは誰に与えられたものではなく、戦争に勝つことによってロシア人自身が獲得したのである。・・・その代わりにロシア人は耐えなければならない。帝国の人間として耐え忍んでほしい”  このメッセージに対してロシア国民たちは「いいでしょう。あなたの言う通り耐え忍びます。国際的な経済制裁にも負けずに頑張ります」といっているのだ。」  こういった著者の歯に衣着せぬ分析やマッチョイムズな主張はなかなかユニークです。しかしその内容には的確さがある。  いつもは「まじめな評論家先生」の国際分析本を読んでいる方に、本書は面白い視点を与えてくれると思います。

    2
    投稿日: 2019.06.15
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    人道介入が戦争を長引かせてしまっているのが現実だった。 どの国も人も様々な違いが必ずある。第三者はともかく、当事者同士が互いに無関係でいられる社会ではないので、干渉することなくやっていくことは難しい。

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    投稿日: 2019.02.13
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    著者の根本的な考え方は「人間は戦争をするもの」であり、なくすことは困難、だったら肯定的に考える、というようだ。雄は子孫を残すために他の雄と争うという、そもそも動物的本能として、争うことは避けられないという考え方。すべての人間が平和主義者であればよいが、争いを好む男性も一定数存在する限り、戦争をなくすことは難しい。

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    投稿日: 2019.01.20
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    2016年10月来日時のインタビューをまとめたもの。戦略的思考の方法など語ってる。 ちょうど米大統領選でゴタゴタしてたころで,オバマ外交はダメだとか,日本外交へのアドバイスとか,そういった話も。 表題の意味は,「当事者が疲弊しないうちに外部の介入で停止された戦争は,次の争いの火種を残してしまい,長期的な平和にはつながらない。とことんやった上で終わった戦争こそが真の平和をもたらすのだ」ってことだそうで,ちょっとにわかには受け容れがたい命題だ。リアリズムというより さらに,欧州の衰退を論じているところ,随分雑な感じでいろんな方面から反感を買いそう。曰く「戦いが、『野蛮』で『原始的』で『後退的』とみなされるようになれば、子供は生まれなくなる。『男は戦いを好み、女は戦士を好む』という文化を失った国は、いずれ消滅する」p.168 その例示がまたひどい。CNNのクーパー氏(ゲイのイケメン)とトランプ(子供が5人,孫も二桁)を挙げて,「クーパーは、フライトアテンダントの胸など触ったことがないほど上品だろう。ところが、彼には未来がない。トランプには未来がある」p.170 …えっ…?こんなので戦略家…?って感じである

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    投稿日: 2018.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中国は隣国の問題でいつも判断を誤る。 中国は外の世界を全く理解できないだkでなく、大国としてふるまうことができない。中国は大国としての行動を身に着けていない。 1900年n時点で、今から20年後の世界はどうなると人々に尋ねると、ドイツが世界を支配していると答える人が大半だった。同盟は大戦略を遂行し、勝利を獲得するうえで不可避な選択。

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    投稿日: 2018.12.14
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    ・戦争は「現象」である。 ・戦争の最大の役割は、「戦争をしたい」当事者の感情を疲弊させ、最終的に、その後の「平和」を生み出す。 ・「当事者の感情=火」が燃え尽きる前に紛争を凍結してはならない。結局、長期化し、そこで争われている本当の問題は解決しない。 ・こちらの動きが、相手に戦略的なメッセージとして明確に伝わることが重要。 ・「あいまいなメッセージ」ではなく、例えば「尖閣諸島を守る」という明確なメッセージ(人員を常駐させる)を伝えるべき。 ・優れた軍事力で相手にサプライズを与えても、外交や同盟で負けていれば最終的には勝てない。戦前のドイツと今日の中国は同じ。 ・ドイツ・ブラジル等との「チームの一員としての常任理事国入り」は誰も欲しないプランである。特にスペイン語圏のラテンアメリカ諸国はブラジルを望まないし、ヨーロッパにはドイツを支持する国はない。アフリカも自国すら統治できていない。インドは別。日本はインドとの共同管理を狙う。

    0
    投稿日: 2018.12.09
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    "コミュニケーション能力が高く、周囲の状況を俯瞰的に観察でき、腕力がすこぶる強い紳士であるべきであり、暴力が必要な場合は躊躇することなく行使できること。 現実的な世界観を持ち、真剣に平和を考えるのであれば、中途半端な停戦協定を結ぶのではなく、勝者と敗者が明確になるまで戦争を続けるべきというのが著者の視点。 示唆に富んだ内容、まずは先入観を持たずに読むことを進める。"

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    投稿日: 2018.11.25
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    本来は数々の紛争や戦争を体験してきた著者による主張を一冊にまとめたもので、『中国4.0』や『日本4.0』とは違い、その主張を軸にしてあることもあって、まとまりがあり読みやすい。 ここでのルトワックは、平和維持活動がまったく機能しないのはなぜなのか、という問題に迫りつつ、平和的な解決に必要な戦闘行為を肯定する。 本書のタイトルである戦争にチャンスを与えよという言葉を要約すると、「「戦争と平和のサイクル」が過去には存在していたが、現代では他国や国連の中途半端な介入などで無理やり戦闘を中断してしまうために、いつまでも勝者と敗者が決まらない平和が得られてしまい、真の和解を得られていない危険な状態が永遠に続く、というもの。 くわえて大国は小国に勝てないという現実を(直観的に正しいことが起きにくいという事実を)「パラドキシカル・ロジック」と表現して解説する。 『中国4.0』でも進歩主義のような考えを否定したルトワックだが、ここでも彼は線的なロジックを批判し、戦略の世界では「成果を積み重ねることはできない」とする。そのようなロジックに対して、本書は「規律(ディシプリン)」を戦略の重要な要因と捉えて変化に対応する姿勢の重要性を説く。 この「規律」についての解説が素晴らしい。「英国の没落を招いたのは他でもない英国自身で、それは生き残るために規律をもって事態に対応した」と例を挙げるのだが、最初はなかなか理解できなかった。何度か読み直して、この点がよく理解できたときに「戦略」というものの奥深さを感じた。 本書の原題は『Give War a Chance』で、ジョン・レノンの『Give Peace a Chance』を逆にしたタイトルとなっている。 ルトワックは暗に「プラカードで戦闘行為は止めらるかもしれないが、その後、永遠に続く戦争状態はプラカードでも止められない」という鋭い主張をしているようにみえる。 https://twitter.com/prigt23/status/1059059699734069249

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    投稿日: 2018.11.04
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    【由来】 ・最初に知ったのは週刊文春の広告だったような気が。 【期待したもの】 ・ルトワックだし、刺激的なタイトル。 【要約】 ・ 【ノート】 ・チラ読みしたところ、どうしてもカントを想起せざるを得ない。余計な介入はカントが唱える「永遠平和への道」に至る「歴史」が用意したみちを、あえて途絶させるものなのかも知れない。 ・ガンダム(富野以外)、そして銀英伝で描かれていたのと同じことなのかも知れないな。つまり、「なぜ戦争、闘争が人類から消えないのか」 【目次】

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    投稿日: 2018.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自己解題、論文、インタビュー3編。訳者(インタビュア)による解説。 題名にもなっている論文「戦争にチャンスを与えよ」これは、戦争が外部の力で「中断」されることにより、永遠に「戦後」が来ない。(戦争が凍結されたまま)むしろ、当事者が戦争に疲弊し尽くすまで続けさせた方が、戦争が本当に終わる。戦後が本当に来る。 まあ、わからんではないが。 確かに、手厚く保護されている難民キャンプの存在が、紛争を長期化させ、難民二世、難民三世を生み出しているのは当事者から未来を奪っている側面は否定できないとは、思う。 (難民キャンプで生活している限り、避難先に同化することはない) 中国に関するインタビューで一番印象に残ったのは、 ・中国は大国としての振る舞い方を知らない。 ・中国は、(付き合いの長い)ベトナムのメンタリティすら理解できないでいる。 ・中国相手には、曖昧戦略はむしろ誤ったシグナルになりかねないのではないか。 おち:ロシアは戦略はすごいが、経済がダメ だが、経済センスがないからこそ、経済制裁に鈍感でいられるのかもしれないw あと、実体験に基づくイタリアと英国の違いw ああ、英国食ってのは、暴力と陰謀の存在を建前で否定しない紳士だよな。

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    投稿日: 2018.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かなり功利主義的だが,説得力がある。 少子化のところの議論はあまり納得できなかったが。 ・戦争は当事者を疲弊させ平和を生む。 ・第三者が中途半端に介入することで戦争が凍結され,解決されない。 ・戦争を含む戦略的行動時には,パラドキシカル・ロジック(逆説的論理)が働く。 ・日本が国連常任理事国に入るには,6カ国の協調はやめてインドと一席を共有するべき。

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    投稿日: 2018.07.22
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    戦争には役割がある。仲裁は復興を呼ばない。逆説の論理が示す事実だという。戦略を上回るのは冷酷な同盟。同盟には規律が必要だという。英国の忍耐は日本が学ぶ道のようだ。

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    投稿日: 2018.04.16
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    男は戦争を好み、女は戦士を好む、そして子供が生まれる。戦争を否定すれば少子化となり国は消滅する。博識の著者の予測だけに安易に否定できない強いメッセージ。自然界と同じで肉食系が子孫を残すというのは道理だろう。

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    投稿日: 2018.02.21
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    論文とインタビューを纏めた本だけあって、ルトワック氏のいつもの論調、という印象。 8章だけは頂けない。理屈も結論も共感できない。あとは程よく逆説に満ちておもしろい。

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    投稿日: 2018.02.07
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    難民問題、戦争にチャンスを、という話ではかなり共感した点があった。 イスラエル・パレスチナ問題を考える際には 「なんで戦争の結果なのに、こんなに残り火があるんだろう」と思う事がある。 例えば、日本はアメリカに原爆を落とされ、町は無くなり、後遺症に苦しむ人もいる。 しかし、日本人の中でアメリカに憎しみを抱いている人はその割に少なく、もはや憧れの対象である。 それは、本書で述べているように、残り火さえなくなるくらいはっきりとした勝敗がつき、人々が敗戦を認め、復興に尽力したから今の日本があるのだと思う。 だが、中東問題においては、他国々が口を出し(問題の根本が他国から始まっているというのもあると思うが)パレスチ人を難民キャンプに匿い、その中でイスラエルへの憎しみを育ててしまった事は問題を永久に保存する手助けをしたのではないかと思う。 エドワード・ルトワックの述べていることはかなり現実離れしているのではないかと感じる事も多いが、それも見方としては面白いと思う。

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    投稿日: 2018.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごくよくまとまってる。GOOD! ・宗教的狂信者でさえ、買収可能であることを忘れるな。狂信者は、もともとクリエイティブなので、自分の大義に背く行動でさえ正当化できるものなのだ。 (イスラムの最終的勝利は、いずれにせよ明らかなのだから、云々) 大爆笑

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    投稿日: 2017.12.15
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     本書はルトワックの書下ろしではなく、訳者である奥山真司氏との東京での対談を10章に分けて収録したものである。一部は、文藝春秋誌に掲載されている。  対談は2016年10月で米大統領選の直前の時期である。彼の自説であるパラドックスの論理をもとに、対中国や対北朝鮮の戦略や、日本の戦国武将論、ヨーロッパ論、ビザンティン帝国、国連常任理事国、など日本の取るべき戦略論を展開している。織田信長や武田信玄など、よく勉強している。  ただ、このルトワック戦略を日本がそのまま採用することはないであろう。実行にはやや無理がある。ただ、ひとつの考え方として興味深く、頭の体操としてはいいと思う。  現代の戦略論大家として、今後も注目していきたい。

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    投稿日: 2017.11.15
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    インタビューをまとめたものなので仕方ないのかもしれないが、全般的に根拠が薄く、思いつきを体良く並べた感が否めない。

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    投稿日: 2017.09.26
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    些か煽情的なタイトルの本書。 内容としては、1999年にforeign affairsに掲載された同タイトルの論文を中心として、2016年に東京でインタビューされた記事によって構成されている。 要点としては①「戦争は平和へとつながる。中途半端に止めなければ」②「戦術の成否は戦略の成否とはつながっていない」③「イギリス凄い」④「強い国との同盟は大切」あたりだろうか。 ①が本書の大きな柱の一つを成している。中途半端に止めることは、戦争から平和へとつながる「決定的な勝利」と「戦争による疲弊」の流れを滞らせ、戦闘状態を凍結するだけである。実例としては、アメリカのアフガン紛争、イラク戦争介入、ルワンダ大虐殺の際のNGO支援、パレスチナ・イスラエル紛争への国連の紛争介入など。戦闘状態が中途半端にとどめ置かれたことにより、戦後復興が行われず、難民は難民のままテロの温床となってしまう。著者が提唱する、戦時には平時とは異なる論理が通じるとする「paradoxical logic」として、「戦争が平和につながり、平和が戦争を呼び起こす」 他には、日本の周辺国である中国、北朝鮮、ロシアなどの分析に頁が割かれている。近頃ミサイルの発射実験のほか、水爆の実験にも成功したと推測され、脅威の水準が近頃急激に上昇している北朝鮮に対し、降伏、先制攻撃、抑止、防衛、何もしないという選択肢があり、現状は何もしないという選択しかしていないと筆者は指摘する。これまでの経済制裁は効果を上げておらず、ミサイル防衛、核装備など明確な力で抑止につなげないと戦争を招きかねないと。 ほかにはイスラムに飲み込まれるヨーロッパなど、この点は他論者にも指摘され始めてきた事柄のため、ここではあえて深い言及は避ける。 全体としてさっくりしているものの、ここ数年の東アジア情勢を俯瞰するうえでは有効な書ではなかろうか。

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    投稿日: 2017.09.17
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    戦争を、平和の世界から見てはならない、と何かの本で読んだ記憶があって、そのことを証明する内容だった。 この国で、戦争にチャンスを与えよ、だなんて、刺激の強い題名をつけたものだと本屋で見かけ、つい購入。 ワイドショーやニュース、新聞、それにまつわる様々な人々のコメント、それらはただ、弾も何も飛んでこない場で行われていて、今目の前をどうにかする、数年の間にっていう考え方でしかなくて、実際それらは半世紀以上の覚悟がいるのだ。 でもそれは、戦争が、先の大戦でしかないこの国の人じゃ考えられないんじゃないかと考えされられた。 学校で、世界は広いなどと言われるけれど、言ってる人たちの頭の中の世界は、さほど広くはなかったのだ。

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    投稿日: 2017.08.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【文章】  読み易い 【気付き】  ★★★★・ 【ハマり】  ★★★★・ 【共感度】  ★★★★・ 相対する概念というのは常にお互いを内包し合って存在している。 平和は戦争が終わったのあとに訪れる。 戦争が中途半端に打ち切られた後には平和はやってこない。 外部組織が戦争を途中でやめさせる事により、小競り合いが続き、復興もままならない状態へと陥ってしまう。 介入するのなら、最期まで責任を持つ覚悟がなければならない。

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    投稿日: 2017.08.12
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    金正恩の髪型やモンテカルロの娼婦など冗談か本気かわからない話も出てきてそれがちょこちょこ笑わせる。その他はルトワックの戦略思想について本人が語ったインタビュー集といったところ。不安定で隣国を理解しない中国、あいまいさが誤解を生む日本の対応、パラドキシカルロジック、イギリスなどのディシプリン、オデュッセイアとイーリアスなどなどについて。

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    投稿日: 2017.07.10
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    昔から思ってたことが書かれてた。 他国の紛争に中途半端に介入して、それで平和になるわけでなく、紛争状態がだらだら続くだけなのが不思議で、いっそどっちかに肩入れしてさっさと終わらさせちゃえば良いのにと思ってた。

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    投稿日: 2017.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アメリカ戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問。戦略家。歴史家。経済学者。 ルーマニアのトランシルバニア地方のアラド生まれ。イタリア、イギリス軍にて教育を受ける。一時イスラエルに居住。第3次中東戦争と第4次中東戦争を戦っている(陸戦でそれなりの戦果をあげている様子)。ロンドン大学で経済学の学位を取ったのちアメリカのジョンホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。国防省の官僚や軍のアドバイザー。ホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーも歴任。著書に「中国4.0」「自滅する中国〜なぜ世界帝国になれないのか」「クーデター入門ーその攻防の技術」他多数 全体のトーンとしては非常にエキセントリックで、実際の兵士や民間人の立場としてより、純粋な軍師、戦略家として、戦争という状態を人類のエコシステムの一部と捉え、それをあえて紛争から中途半端に抑えたり、人道支援として介入する国連、NGO等の戦争、紛争状態からの回避、支援が、かえって不安定状況の悪化、より非道い紛争を招く、という、読者に知的挑戦を与えている。これはシステム思考論におけるレバレッジポイントの考え方に似ており、(システム思考の求めているところとは異なるが)あえて平和という状態を無理に維持して、腐敗や不満の鬱屈をため込んだ不安定な状況を解放するためにあえて手放す(システム思考の中にも手放すことでレバレッジを得るというポイントがある)ことで戦争状態に放置する(争いが起こったら不介入で鎮まるのを待つことでそのエネルギーの解放により、平和という状態が確保できるという視点を持ち込んでいる。(著者は戦争を好んでいるわけではないし、避けるべきだとするが、避けざるを得ない状況になると、回避すべきではない、その代わり選択肢として戦略的思考による同盟の構築や電撃戦、欺瞞や包囲殲滅戦、戦略的な撤退等、総力戦は絶対避けるべきとの考え方をしている。また、敵との対応もインテリジェンスを駆使し、可能であれば買収する等、あらゆる手段を取るべきだ(戦争になってもドアは開け続け、交渉を継続すべきというインテリジェンス論(彼の独自の考え方で戦略は政治より強いという考え方がある)をベースに知的戦略論を読者に提示することで新たな視点を紹介している。 個人的にはあえてABC兵器等の非人道的及び人類の存亡に関わる兵器の使用について、忌避して書かれているようにも見えることから、1960年代のMAD(Mutual Assured Destructive:相互確証破壊)戦略等の戦略自体が狂っている状態からは距離を置いているところが気になるところである。

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    投稿日: 2017.06.26
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    雑な戦略論で、返って驚いた。個々の事例も簡略化し過ぎのままそれを根拠として自論へ持っていく我田引水ぶりで、正直これはない。

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    投稿日: 2017.06.20
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    ★戦争にチャンスを与えよ ・戦争の目的は平和をもたらすこと、 ・戦争の妨害=平和はもたらされない=決定的な勝利、戦争による疲弊という終戦要因が阻害される ・NGO、国連等の無責任な介入が戦争を長引かせる ・和平合意、難民移住などに関する責任をすべて引き受ける 覚悟がある場合はOK ・難民キャンプが自然な拡散を阻害し難民、紛争を永続化させる ★尖閣に武装人員を常勤させる提案 ★同盟こそ最強の戦略、軍事力のみでは負ける。

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    投稿日: 2017.06.18
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    中国4.0の続刊というポジショニングで、前書で導入した戦略の逆説的論理、大国小国理論などを、中国に閉じない形にgeneralizeして戦争の有用性を説いている。が、結局中国集中砲火に再帰結している気がしないでもない。

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    投稿日: 2017.06.04
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    【ベストセラー『中国4・0』に続く第2弾!】「戦争は平和をもたらすためにある」「国連介入が戦争を長引かせる」といったリアルな戦略論で「トランプ」以後を読み解く。

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    投稿日: 2017.04.13