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世界地図の下書き
世界地図の下書き
朝井リョウ/集英社
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総合評価

169件)
3.9
37
59
48
4
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    身寄りを無くした太輔にとって、養護施設の同じ班の仲間達は同士であり家族なのだと思いました。亡くなった母の面影を年上でしっかりした優しい佐緒里に重ねてしまう、太輔の心細い気持ちが切ないです。そんな佐緒里に見せようとしたランタン飛ばしは、班のみんなそれぞれの希望が詰まった感動的なものでした。子供たちの未来が、たくさんの大切に思える人との出会いに満ちたものであってほしいと願います。

    0
    投稿日: 2025.12.09
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    この本に登場する子達は、様々な困難を抱えている。両親が亡くなって引き取られた先から虐待された過去があったり、退所して大学進学する希望が大人の事情で破れたり。子ども時代から順風満帆ではない、挫折がある人生だけど、彼らが彼ら自身と一緒に暮らす子ども達を否定することはない。その姿そのものが希望だと思ったし「失敗してもやり直せば良いし、困難から逃げても良い」と言うメッセージが優しく寄り添っていて素敵だと思った。

    5
    投稿日: 2025.12.07
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    ピュアっピュア!子供の、言語化できないもどかしさ、非力さを久々に思い出した感覚。なのに思いは真っ直ぐど直球だから、余計にもどかしい。

    0
    投稿日: 2025.12.06
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    朝井リョウ「世界地図の下書き」 2016年 集英社文庫 2013年第29回坪田譲治文学賞受賞作。 まず装丁のイラストが素敵だなと思ったら、スタジオジブリの近藤勝也さんでした!「魔女の宅急便」のキキのキャラクターデザイン他大好きな作画が多くて大好きな方です。 さて作品ですが、大人も読める児童文学ということですが、十二分に小説作品。幼くして様々な経験を持ち児童養護施設で育つ子供たちが主人公の物語。 単に可哀そうだと思ってはいけないのに、それでもやはり可哀そうな子供たちだと感じてしまう。でも全部がそうではない。ちゃんとこの子たちは考え、境遇は受け止め、乗り越え、前に進んでいこうという姿に胸を打たれます。 どうにかしてあげたい、どうにかならないのだろうかという思いの中での読了でした。 当時の朝井リョウの新境地とも言える作品でした。 #朝井リョウ #世界地図の下書き #集英社文庫 #読了

    6
    投稿日: 2025.12.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ただ重いだけの話じゃなくて希望が見える素敵なお話 最後に太輔くんがみんなに行かないでって言えたことが、ずっと本心を黙っていた太輔くんにとって大きな成長だと思った。よかったね

    0
    投稿日: 2025.12.01
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    児童養護施設が舞台の児童文学。小学生が主人公の作品を読んだのはいつ振りだろうか。 子供特有のまっすぐさや残酷さ。世界の不条理さ。"おとな"という存在に対する解像度の低さ。施設に入っている彼らは、"おとな"によってフラットな状態からひとつバランスを崩されて今を生きている。 正しさの一つ先へ踏み出した彼はとても強い。良いとか悪いとかはあとでちゃんとついて来させれば良い。 彼らが少しでも明るい未来を歩めるといいな。逃げてもいい。その先に希望があるのなら。

    0
    投稿日: 2025.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童施設にいる5人の子供達が、それぞれ抱えている悩みや厳しい現実を乗り越えようとする姿に感動した。逃げる事は負けじゃない。必ず、また新しい出会いがあるという言葉に、主人公と一緒に泣いてしまった。結局、最後まで子供達の悩みは変わらず、それぞれ自分で壁を乗り越えるしかない。でも5人で見たランタンの記憶が、ずっと励ましてくれると思う。子供だから流れに逆らう事ができない、そんな息苦しさと、流された先でも希望は必ずみつかると、信じる強さを感じた作品。良かったです。

    1
    投稿日: 2025.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    様々な理由で親と暮らせない子どもが集まる施設での物語。家族の都合で大学受験を諦めることになった子のために、小学生だけで密かな作戦を決行する。 朝井リョウはどうしてこんなに小学生が感じるものを書くのが上手いのか。なんとなく感じる年上の気持ちや大人の事情だったり、小学生の交友関係がリアル。 『密かな作戦』にはそれを達成できたら、というそれぞれの子どもの思惑が最後に回収されたのがよかった。

    1
    投稿日: 2025.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    両親を事故で亡くしてしまった太輔を中心とした、施設の仲間たちの話。 佐緒里の大学進学の話が無くなり、せめて夢を叶えさせたいと蛍祭のランタン飛ばし復活を子供達だけでがむしゃらにやり遂げようとする。まだまだ希望は形にならず、現実は厳しい状況に終始モヤモヤしてましたが児童文学という事知って少し納得しました! 2025年9月23日

    0
    投稿日: 2025.10.06
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    児童文学とは知らずに読みました 表紙の絵や挿絵にイメージが引っ張られすぎて最初は想像の邪魔になって嫌だなあ、と思いましたがそのイメージで読むと決めちゃってからは読みやすかった 児童文学とのことで少しでもイメージしやすくするための配慮だったのかな お行儀がよく清潔感がある作品なので人におすすめしやすいと感じた 若い人が読んで朝井リョウの伝えたいメッセージが伝わる事を願う

    19
    投稿日: 2025.09.30
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    前日読み終わった本で私の心にまで翳りが侵入していたので、朝井リョウさんに振り払って欲しかった。 朝井リョウさん、ありがとうございます。20代前半の作品らしく若さがほとばしっている。こういう色彩のある、熱のある話が読みたかった! 小学生の気持ちや思考パターン、会話にいたるまであまりにリアル。ストーリーはリアルでなくとも、朝井リョウさんが伝えたかったことが、一番のお姉さん、佐緒里を通して語られている。 優秀でありながら、直前で進学の道を諦めざるをえなかった彼女。いじめや虐待を受けている、受けた経験のある「青葉おひさまの家」の弟分妹分が、佐緒里との別れの前に夢をプレゼントしようとする。 逃げてもいい。どんな道を選んでも、道は狭まったりしない。必ず出会いと救いがある。 そう語る佐緒里自身が自分自身にも言い聞かせているんだとわかった時、どうしようもなく込み上げてくる。 この小説によって、心が軽くなった若者、読者はたくさんいるはず。 大袈裟に言うと文学の力、存在意義まで再確認できた。改めて朝井リョウさんに感謝したい。

    95
    投稿日: 2025.09.29
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    朝井リョウさんて小学生なんですか? と思うくらい小学生のあの頃しか見えない景色、会話の温度、大人の怖さ、大人の優しさ、夜の静けさ、期待と不安、どうにもならないこと、、が絶妙に表現されていて 多分この本に出会わなければ思い出さなかったであろうあの時のあの感じが沸々と湧き上がりました。

    9
    投稿日: 2025.09.14
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    両親を事故で亡くしたため児童養護施設で暮らすことになった少年が主人公。 同じ部屋の子どもたちとの交流や一時的に引き取られていた親戚との関わりを通して成長していく。 一言で言えば、まあまあどうでも良い話。ひとりでは生きていけないよね、ということと、誰かのためにがんばる、みたいな感じ。 しかも目的のために躊躇なくものを盗むとか、それを擁護する施設の大人とか、ちょっと理解できないところもある。

    1
    投稿日: 2025.09.12
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    悲しい別れの中で希望を持ち直す子供たち。この子供たちが本当にまた自分を大切にしてくれる友達や家族と出会うことができるのだろか。主人公たちと同じように祈ることしかできない。 朝井リョウさんの作風はいろいろなものがあるんですね。個人的には正欲や死にがいを求めて〜よように、淡々と人の渦巻いた感情の裏側を書き起こす作風が好きなので、★3にしました。

    4
    投稿日: 2025.09.05
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    家庭に問題を抱えた人が暮らす児童施設での、寄り添って生きる青春story。ずっと一緒にいれられるわけではない関係性の中で、複雑な家庭での問題を1人1人考えていく。前向きで健気な子供達に胸打たれます。

    5
    投稿日: 2025.08.03
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    小学生の生活を描いた描写に度々なつかしさを感じた。小学生の視点から見た大人の怖さ。とかも。 子どもたちそれぞれが違った理不尽さというか、地獄というか、孤独というか、を背負ってて、それを自分たちの力ではどうにもできないことを分かってて諦念ももっている。それでもそれぞれのエゴをもって、希望を託してあさり作戦を実現しようと力を合わせるところ、佐緒里が希望を語るところ、胸が熱くなった。

    1
    投稿日: 2025.06.25
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    自分が何不自由なく暮らし誰かの逃げ場を奪っていないか。 自分が誰にも話せないことがあるように、周りの人も話せない悩みは少なからずあって、心の中では怯えている・助けを求めている・辛く逃げ場を求めている・求めることすらできなくなっている人が周りにいないか。 いつも接する人の本当の思いに踏み込んだりはしないけど、少し想像力を持って接しないと、辛い思いをさせてしまうかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.05.25
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    児童養護施設で暮らす4人の小学生と1人の高校生のお話 ひと言では表せられないほどの理不尽を背負わされた子どもたちが、知恵を搾ったりおとなたちに抵抗したりして世の中を知っていく、知っていってしまう 無邪気な子どもたちの描写に見え隠れする各々の苦悩が読んでいて涙を誘います 読めて良かった

    1
    投稿日: 2025.05.07
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    子どもは純粋で、残酷で、大人の予想を上回る行動をする事がある。 誰かと関係築くって難しいし、一度築いた関係を0にするのは辛くて寂しいけど、これから先の人生で出会う何百人という人達の中に自分を好きになってくれる人がいるかもしれない、本当の家族みたいに思える人と出会えるかもしれないと思ったら、別れのある人生も悪くないと思える。

    1
    投稿日: 2025.04.17
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    児童養護施設で暮らす5人の子どもたちの話。 人生において困難な状況に陥った際、「逃げる」事の大切さを教えてくれる。「逃げる」ことは時に、戦うことや耐えることよりも勇気がいる。特に子どもたちにとっては。 自分も勇気を出して「逃げる」選択をあの時していれば、と考えさせる一冊だった。 ただし、少し文章構成が読みにくかったのでこの評価とする。特に児童書としての位置づけもあるので、子どもたちにとってもう少し読みやすい立て付けが欲しかったと思う。

    1
    投稿日: 2025.04.03
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    朝井リョウ2冊目。 着眼点がやっぱり今世代ですよね。でも私達世代にもわかりやすく又小中学生にも読んで欲しいと思いました。自殺する人が後を経たないこの世に若い子供が自殺するニュースを見るのは心が痛む。佐緒里は言った『いじめられたら逃げればいい。笑われたら笑わない人を探しに行けばいい。うまくいかないって思ったら、その相手が本当の家族だとしても離れればいい。その時誰かに、逃げたって笑われてもいいの』『逃げた先にも、同じだけの希望はあるはずだもん』そう私も思った。『希望は減らないよね』 太輔達のような境遇では無かったが、周りに居たら応援したい。たぶん応援出来ると思う。そんな世の中になったらイイですね。

    3
    投稿日: 2025.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「泉ちゃんもきっと変わらんってこと。ぼくらが全校分のランタンを作ったとしても、人をいじめるやつはいじめ続ける。約束とかそんなん、あいつらには関係ないんや」 いじめてくる奴らは一生変わらない。 「いじめられたら逃げればいい。笑われたら、笑わない人を探しに行けばいいの。」 逃げることは悪いことではない。 自分も子供の時を思い出しました。 子供にも子供同士の人間関係があって、悩みがある。 新しい場所はどうなるのか分からなくて怖いと思うけど、この子達が希望を持って強く生きていってほしいと思いました。

    1
    投稿日: 2025.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    評価の高い作家の、評判のいい作品でしたが、わたしには合いませんでした。 両親を事故で亡くした小学校3年生の太輔は、「青葉おひさまの家」で暮らすことになりました。 実はその前に伯父夫婦に引き取られたのですが、暴力という虐待行為を受けたため、施設入所となったのです。 小学生から高校生まで何十人もが暮らしている施設ですから、割と大きい施設だと思いますが、太輔は1班のメンバーとして、共同生活を送ります。 1班は太輔と同じ年の淳也、淳也の妹で小1の麻利、お母さんの暴力からの一時避難的入所の小2の美保子、親戚に病気の弟の入院費用を託し、自分はここに入所した中3の佐緒里の5人。 まずこの5人で大部屋っていうのが不自然。 いろんな事情で入所してきているこの中には、年齢相当の精神状態にはない子もいるだろうし、小学生4人を中学生の女の子が面倒見てるという班編成は、子どもの負担が大きすぎる。 しかも3年後までメンバーの入れ替わりなし。 6年生の男の子2人と高3の女の子が同室って、明らかに無理があるでしょう。 それぞれの事情を抱えながら施設に入った子どもたちは、互いに距離を縮めていくのですが、基本的に大人に甘えないし頼らない、というのが気になりました。 施設の大人も見守っているのでしょうが、年齢差の大きな子どもたちを何人の職員で見ているのか、ちょっと大人の目が届いていない時間が多すぎるとも思いました。 高校を卒業したら、施設を出ていかなければなりません。 その前にどうしても「願いとばし」という、ランタンを飛ばす市の伝統行事を復活させたいという強い願いを子どもたちが持った時、もっと大人たちを信じてほしかったと思いました。 学校と施設の連絡も不十分です。 もっと日ごろから連絡を密に取っていたら、スムーズに復活させることはできたはずなのですから。 だから子どもたちに、目的のためなら手段を択ばない、という選択をさせてほしくはなかったです。 その方が感動的な展開になるとしても、です。 学校もいろいろ問題ありです。 施設管理にも、物品管理にも問題はありますが、一番ひどいのはいじめの放置です。 教科書のドアを開けると、一人だけ離れたところに席が作られているってことは、先生が気づかないわけないじゃないですか。 『世界地図の下書き』 これから自分の人生で作り上げていく、自分の世界の地図は、何度でも書き直し可能なんだよっていう作家の主張はよくわかりました。 それはとても大事なメッセージだと思います。 だから余計に、暴力をふるう大人がいても、鈍感な大人がいても、頼りない大人がいても、それでも、寄り添ってくれる大人も、戦ってくれる大人もいることを、子どもたちに見せてあげてほしかった。 そのうえで、気持ちだけでは解決できないようなことが起きた場合には、逃げたっていい。 逃げた先に延びる道の太さは、これまでと同じ。 逃げるだけではなく、大人に頼ったりするのもありだ、と、そう、大人が言ってあげてほしかったなあ。

    1
    投稿日: 2025.02.22
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    「約束したことをちゃんと守っても、それでも変わらん人がおるってことを、麻利に知ってもらいたかった」 小学6年生の潤也がそう語ったシーンで号泣してしまった。 ほんとうにそう、それはもう悲しいけれど、あきらめて逃げることが自分を守ることになる。 この本を作者が 「逃げる場所がある』という想像力を失いかけている誰かに届けたいと考えた。 と語っていたとあとがきで読んで、すごく感動したし納得した。

    4
    投稿日: 2025.02.08
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    あらすじ 両親を事故で亡くし、施設で暮らす小学生の太輔。施設を卒業することになった高校生の佐緒里のために、仲間たちと「蛍祭り」を復活させる作戦を立てはじめ……。坪田譲治文学賞受賞作。─Amazon本の概要より 感想 とても暖かいお話でした。 それと同時に自分が子どものときのことも思い出しました。 親と分かり合えなくて反発したり、こっちを向いて欲しくてわざと悪いことしてみたり、友だちとうまくいかなかったり、いじめられたり… 子どもって大変だな、と今になって思います。 大人になってからも相変わらず悩みは絶えませんが、少なからずとも今よりマシな未来がまっているよとあの頃の私に伝えたい。 いろいろあったけど、やっと落ち着いたよと。

    1
    投稿日: 2025.01.19
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    最近ちょっと時間が取れなくて少しずつ読もうかと思いましたが、読み始めたら一気に読みたくなりました。 児童養護施設で暮らす子供達が主役のお話です。 本人達にどうする事も出来ない事情を抱えてここでの暮らしが始まり、また新たな出来事に向き合う姿に現実の厳しさを思います。そして自分達で決めた答えに、自分の人生を決める決断には大人と何も変わらない、不安であっても乗り越えなくてはいけないのは子供であっても一緒。 新しい場所はどうなるのかは分からなくても、怖くても希望を持ちながら進もうとする子供達。 人におすすめしたい本です。

    24
    投稿日: 2024.12.22
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    朝井リョウさんのエッセイが好き。小説は「何者」に続いて2作目。 特別擁護施設の子供達の話とは知らず、「世界地図の下書き」というタイトルに惹かれて読んでみた。 とてもいいストーリーだと思うけど、読んでいて心苦しくなったので星3つ。もしも私と夫が死んでしまったら、自分の子供達もこの本に出てくる子達のような思いをするのかもしれない、とどうしても考えてしまいました。 後書を読んで、著者が何でこの話を書いたのか知ることができ、なるほど、と思った。

    2
    投稿日: 2024.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これからどんな道を選ぶことになっても、その可能性は、ずっと変わらないの。どんな道を選んでも、それが逃げ道だって言われるような道でも、その先に延びる道の太さはこれまでと同じなの。同じだけの希望があるの。 逃げることは弱いこと。 そう思って今いる場所で無理をしている人はたくさんいると思う。そんな人に逃げ道を選んだって良いし、その先にある未来の可能性はどの道を選んでも変わらないと勇気付けてくれる作品。

    1
    投稿日: 2024.10.26
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     「世界地図の下書き」という素敵なタイトルに惹かれて読み始めたが、この小説に「世界地図」は出てこない。児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らす子供たちの話である。  両親が交通事故で亡くなったあと、預けられた親戚の家で虐待を受けて「おひさまの家」に来た大輔。同じく両親がもういない淳也と麻莉の兄妹。母親の虐待を受けている美保子。両親がおらず、弟が入院していて、遠方の親戚から経済的援助を受けている高校生の佐緒里。この5人が同じ1班として、「おひさまの家」で一つの部屋を共有している。自分を守ってくれるはずの親を亡くしていたり、親に傷つけられたりと心に傷を負った子供たちだが、施設の中では互いに心配しあい、助けあい、家族のように暮らしている。  私の身近には「児童養護施設」の生活を体験した人はいない。朝井リョウさんの身近にはそういう方がいらっしゃったから、よく知ってられるのか?それとも取材されたのか?と初め少しだけ頭を掠めたが、いやいやそういうことでは無いだろう。  朝井リョウさんは人の気持ちに対する「想像力」がすごく長けているのだと思う。児童養護施設の生活を書きたかったのではないだろう。究極的に書きたかったのは、後書きに紹介されていた坪田文学賞受賞の時の作者の話にあるように「逃げ場のない小さな子供たちに「逃げる」という選択があることを伝える」ことである。  1班でみんなのお姉さんだった高校生の佐緒里。その佐緒里が高校を卒業したら大学進学の夢を諦めて親戚の家で働かねばならないことになった。落胆し、そして遠い所に行ってしまう佐緒里に対し、あとの小学生の4人の1班のメンバーはなんとかして佐緒里の夢を一つだけ叶えてあげたいと思い、力を合わせる。夜、布団を被っての作戦会議。夜、学校の図工室に忍び込んでの材料集め。神社に集まっての製作…。学校の先生も自分達を虐めるクラスメイトもみんな巻き込んでの大胆な作戦。そして、そして…。  ああ、この作品は、是非映画化してもらいたい。最後の映像が美しい…!!そして、是非、上手くて、嫌味のない子役たちに演じてもらいたい。  この「おひさまの家」の子供たちは休日の外出許可で実家や親戚の家に行くたびに「何があった?」と様子で察せられるほど、傷ついて帰ってきたり、外で出会うクラスメイトの様子から明らかに虐められいることが分かったりするのだが、お互いに踏みこまずに労わっている。  佐緒里の旅立ち前に行った作戦は成功し、その美しい光の中で、佐緒里だけでなく、美保子も淳也、麻莉も旅立つことを明かす。その先の道は明るいのか険しいのかは分からない。だけどこの「1班」の仲間はこの先の人生でまた、同じような仲間にきっと出会うことがあると信じて旅立つ。逃げたくなるようなことがあったら「逃げていい」。そして、逃げた先にも道があってきっとどこかでまた佐緒里、太輔、淳也、麻莉、美保子のような仲間と出会うことが出来るから。最後にそう信じることが出来るのだった。  朝井リョウさんが「ある高校の男子バスケ部の部長が顧問からの体罰が原因で自殺した」というニュースを見て、「逃げる」という選択肢が彼の頭の中に浮かばなかったのはどうしてだろうと考えたことから生まれたというこの小説。一昔前のように「頑張れば、我慢すれば報われる」という子供へのメッセージではない。子供にも社会に出始めた若者にも、仕事や育児に疲れ「虐待して」しまう大人にも読んでほしいと思った。

    92
    投稿日: 2024.10.26
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    ちょっと涙拭くから待って… 児童養護施設で暮らす、子どもたちの一生懸命な物語。交通遺児、児童虐待、イジメなど、読むのがしんどくなるような内容がたくさんありましたが、「実際にこういうことが世の中にあるし、もしかしたらもっともっとひどいこともあるんだろうな」と思いながらモヤモヤしながら読みました。 自分たちだけではどうしようもない現実に置かれながらも、一生懸命に向き合い、なんとか希望を描きながら前に進んでいく子どもたちの姿に心打たれました。みほちゃんとまりちゃんの強さには本当に涙。 逃げたっていい。きっと素晴らしい人との出会いが待っている。そう思わせてもらいました。 子どもたちにも読んでほしいな。

    3
    投稿日: 2024.09.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の子どもたちそれぞれの決意は涙なしには読めないくらいでした。単純なハッピーエンドではないですけど、子どもたちの未来に希望が見えました。とても感動しました。

    1
    投稿日: 2024.09.11
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    小学生の日々の小さな事がすごく鮮明に描かれていて、7年前の小学生の頃を思い出した。 「世界地図の下書き」っていうタイトルから、なんか複雑で理屈っぽいイメージだったけど、暖かくて素敵なお話。こういう小説大好き。

    1
    投稿日: 2024.09.08
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    じんわりくる作品。施設に預けられた子供達の物語。 すべてがハッピーエンドではなく、現実的。 朝井リョウは心の機微を描くのが上手い。 ダメなら逃げるのもいい。希望は減らない。ところで、太輔の叔母とはどうなったの?

    1
    投稿日: 2024.07.30
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    子どもの頃は何にでも一生懸命でがむしゃらだった。 大きくなるに連れて引っ込み思案になったり、いじめられたり。 だけど連れ添う仲間ができて狭い世界がどんどん広くなっていった。 卒業して離れても今でも繋がってる友達もいるし、あの頃のような信頼できる友達もできた。 逃げた先にも同じだけの希望があるはずだから。 この言葉は子どもだけじゃなくて、年齢関係なく苦しんで悩んでる人の心に響く言葉だなって、救ってくれる言葉が散りばめられているグッとくる作品でした。 いじめっ子の嫌ーな部分を表すのリアルで上手だったなー。

    43
    投稿日: 2024.07.09
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    子どもが読むかなと思って図書館で適当に借りた本でしたが、かなり良かったです。最後は泣きながら読みました。本で泣くのは久しぶりです。朝井リョウさんの本を読むのは2冊目なのですが、人のこころの表現が素晴らしく感動しています。 児童養護施設で暮らす子どもたちのせつないけれども温かい日々をほんわか描いている本なのかなと最初思いました。確かにそういうストーリーには違いないのですが、子どもたちの気持ちが鮮やかすぎて刺さりました。 読み終わってみると、表紙の絵も内容と本当にぴったり寄り添っていて、ぐっときます。読む前は表紙が子どもっぽくて、大人が手に取る本?児童文学なの?どっちと思ってました。でもこの本にはこの表紙がいい。大人にも子どもにも読んでほしい。

    6
    投稿日: 2024.06.12
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    「逃げた先にもちゃんと、これまでと同じ広さの道がある」 この言葉がすごく好き。 子どもだからまだまだ親の都合に振り回される。その中でも前を向いて頑張る主人公達が本当にかっこよく思えます

    1
    投稿日: 2024.06.04
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    朝井さんの作品はヒトの嫌な面の描写がリアルで、読むのに体力を使いました。 いじめられたら逃げればいい。うまくいかないって思ったら、その相手がほんとうの家族だったとしても、離れればいい。 逃げた先にも、同じだけの希望があるはずだから。 子どもだけでなく、ブラック企業に勤める人、家庭内のDV,モラハラ被害者など大人にも通じる話しとして読みました。

    1
    投稿日: 2024.05.30
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    親からの虐待だったりいじめだったり現代の身近な話題がたくさん出てきた。読んでいて苦しくなるような場面もあったけど、子供世代でも読んでほしい作品だった。

    1
    投稿日: 2024.05.28
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    冷たくてままならない現実だけど、それでも、自分が捨てない限り、小さくても確かに希望はあるんだ、と感じた。登場人物みんな、がんばれ、負けるな、と強く思った。 こんなお話を子供たちを主人公に書くんだから、朝井リョウさん、ほんとに、えぐいなぁぁぁぁ。。かわいそうなお話、ではないところがさすがです。

    4
    投稿日: 2024.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子ども時代って、身体が小さい子と大きい子の格差ってあったと思う。それと現実をよく表しているし、身体が小さくいじめられている兄妹のもがきがささる。 さおりはみんなのお姉さんとしてしっかりしなきゃと思いながらも、誰かに甘えたいし助けてほしいという心の声が、実際に言葉として伝えてなくても伝わる。 大人になると自分で選択してどうにかできることが増えるけれど、子どもの頃ってどうすることも出来ないことばかりで、 大人以上に悩む感じが、子どもたち5人全員が自分の子どもの頃と重なった。 1班のみんなとみこちゃん、素敵でした。 じんわり心にきたり、クスッと笑えたり、朝井リョウさんの言葉の使い方が、とても好きです。

    3
    投稿日: 2024.04.04
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    「正欲」「何者」「桐島、部活やめるってよ」に続いて読んだ朝井リョウさんの作品。その3作は人の心の奥深い部分・嫌な部分などがリアルに描かれていて、今回もそんな感じを期待して読みましたが、この作品はちょっと毛色が違いました。小学生たちの話だったからか、アラフォーの私にとってはあまりぐっと来ませんでした(*´-`)

    2
    投稿日: 2024.04.02
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    最近再読した本。 もともと朝井リョウは表現が好きで読んでたんだけど、これは読んだことなくて、大学の時に友達におすすめしてもらったもの。 子どもたちについて書いてあるから本当に色々考えたし、先生になるにあたっても、大切な見方だなあと思って読んでた、まだまだ何回も読みたい。

    2
    投稿日: 2024.03.11
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    物語がゆっくり進みつつも現実を突きつけられる感じが小学生目線で語られていた。 今、家族がいて住む場所があるのは当たり前じゃないことを感じた。 逃げた先にも同じだけの希望がある。こう考えられるのがすごいと思った。

    2
    投稿日: 2024.01.26
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    中盤まで、登場人物である小学生たちの内面と行動を丁寧に描いているものの、最終数ページでバタバタっとそれぞれの旅立ちと、それに伴う覚悟を語るのは、ちょっと説明的すぎて興ざめしました。朝井リョウさんの小説は作品によってこのあたりの精度にブレを感じます。。 作品紹介・あらすじ 両親を事故で亡くし、施設で暮らす小学生の太輔。施設を卒業することになった高校生の佐緒里のために、仲間たちと「蛍祭り」を復活させる作戦を立てはじめ……。坪田譲治文学賞受賞作。(解説/森詠)

    8
    投稿日: 2023.12.23
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    こんな気持ちを持って小学校時代を過ごしていた友達がいたのかな‥家族や友達以外でもいつか自分が一緒にいて幸せだと思える人に出会えるということが希望になっている子供達がいることに切なさを感じた‥

    2
    投稿日: 2023.12.11
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    「世界地図の下書き」相変わらずタイトルセンスがいいなと読み終えてじーんときている。 共同生活する違う年代の子どもたちにハラハラドキドキじんわりしているうちに、「逃げたって笑われてもいい。逃げた先にも同じだけの希望があるはず。」という熱いメッセージを受け取った。 読み手の年代を問わない、いい作品だと思う。

    12
    投稿日: 2023.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    秀作。 朝井リョウさん、凄い。現代の若手作家の優秀さを感じさせる。子供の頃のことをほんとよく覚えている。 不幸な子供たちのお話で、読むのが辛い場面が多いけど、少しいいことがあると、人は幸せを感じることができると思い出さされる。

    2
    投稿日: 2023.11.18
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    ほんとに感情を表すのがうまい、特に負の。 施設で暮らす5人の子どもたちの話。 皆様々な境遇があり、性格もまるで違う。 そんな彼らが団結すると強い力になる。 切なさもあるが、未来、前を向く物語。

    3
    投稿日: 2023.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    養護施設の話。 子供たちはがんばって行動していたが、 火事起こしたらやだなーとヒヤヒヤしながら読んだ。 いじめっ子達は嫌なやつのまま。

    1
    投稿日: 2023.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童養護施設での5人の子供達の話。 それぞれの世界、悩みがあって。 ーーーーーどんな道を選んでも、それが逃げ道だって言われるような道でも、その先に伸びる道の太さは、これまでと同じなの。同じだけの希望があるの。どんどん道が細くなっていったりなんか、絶対にしない。 みんな上手く解決したとも言えないし、バラバラになるけど、また会える、っていうセリフじゃなく、また同じような人達に出会える、って言うのが切ない。 そして思いを伝えれないままのラスト。 うーーーー、切ないのとここで終わりかー! 全体的に今までの朝井リョウさんっぽくはない、けど読みやすい、けど切ない、、、

    1
    投稿日: 2023.07.09
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    児童養護施設にいる子供たちが色々な悩みを抱えながらも希望を持って進んでいくお話し。 良い話しではあったが印象には残らなかったです

    1
    投稿日: 2023.07.06
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    大好きな話なので再読しました。 児童養護施設で暮らす小学生の話です。子供たちの世界は狭いように思ってしまうけど、実は意外と広い。子供だけで何だって出来るし、夢も叶えることが出来る。逃げ場がないなんて思わないで欲しい。逃げ道といわれる道でも今と同じ太さの道が待っていて希望があり、応援してくれる人にきっと出会える。逃げるたびに道が細くなることはない、未来にも希望があるということを優しく教えてくれるこの本が大好きです!文庫版の解説もすごく温かく朝井リョウさんについて解説されていてグッときました!

    2
    投稿日: 2023.07.06
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    この作者さん、かつて読んだ「桐島…」があまりピンとこず、「何者」は読んだもののそれ以来遠ざかっていたのだが、先日、螺旋プロジェクトを読んで読まず嫌いだったかと思い直し、フォローしている方のレビューに惹かれてこの本を買ってみた。 児童養護施設で暮らす太輔と、同い年の淳也、その妹の麻利、太輔の1歳下の美保子、そして6歳上の佐緒里の五人の物語。 両親を事故で亡くし引き取られた伯父伯母の家での虐待で心を閉ざしていた太輔が、仲間たちとの日々で次第に心を開いてゆく話は悪い話ではないと思ったが、太輔のキャラクター、とりわけもはやバレているのに『証拠もないのに、おれたちが犯人だって決めつけるのはひどいと思います』と言うようなところが好きになれず。 最後に彼らが企てたことに対し『人からモノを盗んでまで、学校に忍び込んでまでこんなことをした。そこにはすごくすごく大きな理由があるはずなんです』で済ます展開も、自分たちの目的のために一生懸命であるならば不法行為でも許されるというようで受け容れ難かった。 またしばらく読まず嫌いになると思う。

    32
    投稿日: 2023.06.29
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    読み始めから途中生活の一変によってブランクを経てようやく2ヶ月ほど経て読了となった。 それゆえテンションがぼやけてしまったところもあっての評価になるが、面白いには面白かった。 線香花火のような印象でボタっと唐突に終わった感があるのはブランクが空いてしまったからだろう。 希望とも絶望とも取れる終わり方はタイトルともリンクしていて良いなと思ったし、希望に満ちた未来になってほしいと願わずにはいられなかった。

    1
    投稿日: 2023.06.22
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    両親を事故で亡くし、児童養護施設で暮らし始める小学生の話。ふと、「子供時代に両親がいなくなったら?」と自分の身に置き換えて想像した。世界は広い。けれど、まるでぽつんと一人になってしまった感覚は不安や恐怖でしかないと思った。色々と考えさせられる作品。

    2
    投稿日: 2023.06.20
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    子供の考えや行動の拙さも共感できるし、子供同士の会話分も何回も聞いたし、やったことがある。面白かったー

    1
    投稿日: 2023.05.17
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     本書は、朝井リョウさんの『何者』での直木賞受賞後第一作で、坪田譲治文学賞受賞作品です。  偶然このを2作続けて読むことで、朝井リョウさんの新たな側面(才能)を知ることができよかったです。  児童文学と位置付けてもいい本書は、小学生視点で描かれた、大人も子どもも読んで共有できる作品になっていると思います。文庫の表紙はスタジオジブリ・近藤勝也さん。柔らかなタッチのイラストが登場人物の生き生きとした表情を優しく描き、物語を象徴する雰囲気が出ています。近藤さんの挿絵は、YouTubeで公開されている本書の紹介動画でも使われているようです。  物語は、児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らす5人の子どもたちを中心に進んでいきます。  当然のことながら、それぞれ様々な事情や悩みを抱えている事実が見え隠れします。子どもの力では解決不可能な問題もあり、時に切なく現実の厳しさを感じさせます。けれども、明日への希望・温かさ・優しさが伝わる読後感です。また、浅井さんの小学生心理の描き方の匙加減が絶妙で、感心させられました。  子どもたちが施設を出たその先の世界は、余りに大きく広い世界なはずで、逆境からの逃げ場はあるのだと想像力を働かせ、自分の生きる場所を探すことが将来の輪郭を描くことにつながり、本書のタイトルの意味になるのかなぁ‥。  有川浩さんの『明日の子供たち』も、児童養護施設を舞台にした物語で心動かされましたが、本作も深く心に刻まれました。

    52
    投稿日: 2023.05.07
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    朝井リョウさんは映画でしか拝見したことがなく、本は初めて。 中高生向けの作品ということもあり読みやすかったです。 児童養護施設で暮らす小学生〜高校生の子たちの話。 児童養護施設で暮らす事になった事情や環境、また学校での思い悩み、もがき挑戦する様子が書かれています。 自分の人生を旅や地図に例えることは多いですが、子供のうちはその下書き。という考えがとても良いなと思いました。 また児童養護施設の職員さんの人柄にとても惹かれました。

    2
    投稿日: 2023.03.26
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    これまでと同じだけの希望が、これから先にも必ずある。 児童養護施設「青葉おひさまの家」。 太輔ら1班の5人と過ごす日々を描く。 子供だけではどうしようもない壁にぶつかったりと生きるのってままならない。でも希望は減らない。 太輔の恋がピュア過ぎて切なかった。

    2
    投稿日: 2023.03.14
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    施設で暮らす子供たちを描く。 来年には施設を出なければならない高校3年生の佐緒里のためになにか出来ないかと、子供たちだけで計画を立て、実行する力強さと優しさにジーンと来た。

    2
    投稿日: 2023.03.10
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    初めての朝井リョウ。初の児童文学にして坪内譲治賞受賞作。全然眠くならずにスラスラ読める。 細かい心の機微の描写が見事。 現実に感じた感性がそのまま言葉になっている感じ。 話として特別面白かったというわけでもないが、重いテーマを読みやすく書いていて、児童養護施設とか、いじめとかについて考えるのにいいかもしれない。

    1
    投稿日: 2023.02.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    老若男女問わずに読める作品。 美保子の「コドモ」を駆使して大人を自分の思うようにコントロールするところ、麻莉の子供らしく何も考えてないように見えて本質を射抜く観察眼、子供は大人が思ったほど純粋無垢では無いし色々考えているという事がよく表れされていて好感が持てた。 登場人物達の人生は、絵に描いたようなハッピーエンドとはいかなかった。だからこそ、自分が思ったように物事や人間関係がうまく行かず失敗しても、逃げてもいい、そんな、作者の現実に生きる私達へのメッセージが、よく届く。 人間関係、辛い現実に立ち向かおうと頑張りすぎてしまう人々に送りたい作品だ。

    3
    投稿日: 2023.02.15
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    『世界地図の下書き』朝井リョウ氏 もらい泣き⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 社会・世相⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 児童の視点⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 【舞台】 児童施設です。ここで生活をする高校生そして小学生が主人公です。両親が不慮の事故に会い、親戚での虐待を契機に施設にきた小学生。 彼を中心に、施設の児童、高校生、小学生、小学生の兄妹4名が関わり、物語が進行します。 ーーーーーーーー 【ページを閉じてしまう場面】 社会・世相が⭐️5個としました。理由は、施設で生活をする子供たちが、施設で暮らす事情、経緯、そして学校での生きづらさ・いじめなどの描写が存在するからです。子供の世界で「ヒエラルキー」が存在し、子どもだけでは「解消しづらい」状況が描写されています。子供たちの叫びが痛く切ないのです。 だから、なんどか読み進めることをためらう小説でもありました。 ーーーーーーーー 【こんなひとにおすすめ】 私は、通院する電車のなかで読みました。また、病院の待合室でも読みました。いつのまにか、涙を流していたのでした。 最初は、悲しい涙、そして最後のラストでは、応援したくなる涙に変わったのでした。 「つらい。。。でも、どうしていいかわからない、、、なんとかしたい・・・。」 ーーーーーーーー 児童施設でくらす子供たちの意思「世界は変わらないかもしれない。でも、信じることを止めない。」と出会えます。そのことをきっかけに、勇気の扉が少しだけ開くかもしれません。 タイトル『世界地図の下書き』。大人の世界は、大きくそして広い世界です。その前の子供が生きる・感じる・考える世界は、その前の準備・尊い下書きなのだと思います。

    25
    投稿日: 2023.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童養護施設で育つ様々な年齢の子どもたちの生活と現状、心情の物語だった。 児童養護施設に住む子どもたちの生活や心情などがよく分かり、勉強になった。 また、児童養護施設に住む子どもたちの家庭環境が様々で、その子供達の心の傷が普通の子供と比べて多くあることがよくわかった。 タイトル名が物語の内容と違い、良い意味で裏切られた。

    3
    投稿日: 2023.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【印象に残った場面】 P160 「叔母さんは、お母さんの代わりにはなれないよ」って太輔が叔母さんに言うところは心苦しくなった。 「それとおんなじで、おれは、叔父さんの代わりにはなれない」 P.162 "知らない町が両目いっぱいに映る。とんでもなく広い宇宙に放り出された気がした。自分は一体、これから、誰と生きていくのだろうと思った。" "戻れる、戻れないの話ではない。そんな世界なんて、もうどこにも存在しない。ずっと一緒にいてくれる人なんて、いない。どこにもいないんだ。後ろを振り返る。誰も追いかけてこない。"(太輔) P176 伯母さんの家から飛び出したとき、自分は、果てしなく広い宇宙にたったひとりきりで放り出されたような気がした。ここに帰ってくれば、きっと、その宇宙に誰かが入ってきてくれると思っていた。みんなに会えば、何もない宇宙がにぎやかになってくれると信じていた。麻利がびしょ濡れになって泣いている。淳也が、今までで一番悲しそうな顔をしている。美保子が泥に汚れたまま、ベッドの上で小さくなっている。勘違いをしていた。みんな、それぞれの宇宙の中にひとりっきりなんだ。 (太輔) ↑これらの場面はとても心苦しくなりました。 叔母さんが3年ぶりに太輔に会いに運動会に来て、その時カメラを持っていたけど結局メモリには写真が1枚もなかったことに太輔は気づいてそのまま叔母さんの家から出る場面。 あと、実は一緒に施設に住んでいる仲間もみんなそれぞれ一人きりなんだって主人公の太輔くんが気づく場面も。 朝井リョウさんって、登場人物がなにかに気づいた時の心の中の模様を表現するのがうまい。現実を叩きつけられた登場人物の心の中。 表現が本当にうまい。 「死にがいを求めて生きているの」を読んだ時もそう思った。 【心に残ることば】 P323 「これから中学生になって、高校生になって、大人になって、もっとたくさんの人、たくさんのことに出会うよ。いままで出会った人以上の人に、いっぱい出会うの(中略)その中でね、私たちみたいな人が、どこかで絶対に待ってる。これからどんな道を選ぶことになっても、その可能性は、ずっと変わらないの。どんな道を選んでも、それが逃げ道だって言われるような道でも、その先に延びる道の太さはこれまでと同じなの。同じだけの希望があるの。どんどん道が細くなっていったりなんか、絶対にしない」(佐緒里)

    4
    投稿日: 2023.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ある児童養護施設の班ごとに分かれている1班のメンバーたちの話。子供だから大人の事情でどうしようもないこともあります。それでも自分たちが声を上げて少しでも環境を変えていこうとする姿が健気で、真っ直ぐでまぶしさを感じる話でした。 大学に行く夢を閉ざされた高3の子に少しでも憧れの女優さんのようなシーンを魅せるために奔走する小学生組。それを通して小学生組それぞれが願いを託す。 虐められた兄弟は転校する勇気を。母親から虐待されていた子は家族と再構築をする勇気を。主人公はずっと一緒にいる仲間と別れるけど、絆を。高3の子は大学へ行けなくてもくじけないように。

    1
    投稿日: 2022.12.19
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    児童養護施設を舞台にした物語。 学校での疎外感、孤独や個々に抱える不安のなかで、大事な仲間のために何ができるか一生懸命に頭を悩ませる子どもたち。 まだ子どもだから、動こうとするとどうしても制約はあって行き詰まってしまう。だけど諦めないで、出来ることをやろうと頭を寄せあい行動する姿はまぶしい。 大きなことをやり遂げた経験は自信になるし、思い出は未来の支えにもなる。 何とか実現させて欲しいと思いながら読んでいました。 ラスト。不意打ちで大輔の思いの強さを感じて切なくなった。 いつか子どもたちが昔を思い出すときに、みんなが幸せであって欲しい。善き出会いがあって欲しい。 読了後、表紙を眺めてしんみりしました。

    5
    投稿日: 2022.11.11
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    久々に感動した。 大人にも子供にも読ませたい、その理由がよく分かった。死にたくなるくらい辛い環境にいるなら、自分から逃げ出せばいい。 麻利はとなりのトトロのメイのイメージで読み進めました。

    0
    投稿日: 2022.09.16
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    いい作品!意外な展開で、えっ、そうする…と悲しくなったけど勇気ある決断。勉強になった。 イジメ悩んでる子達読んでほしい。すごく子供たちの心情がリアルに描かれているなと。その場で見ているような感覚。子供たち、親御さんなど色々な方に読んでもらいたいと思った。純粋な子供の気持ちに共感し涙しました。

    1
    投稿日: 2022.08.24
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    一読の価値ありな本。 それぞれ事情がある子ども達が過ごす施設での物語。誰もが何かを背負って生きていて、たまたま同じ班として過ごす5人が家族のように暮らす。 よくある擬似家族モノのように「俺らがいる!」とか、「家族なんだからなんでも話せよ。」ということではなく、支え合いながらもどこか孤独に自分の人生に小さな体で立ち向かう。その姿がどこかリアルでやるせない場面さえある。 それでも彼らは悩みながらも前に進んでいく。自分の気持ちを大事にしてそれを実現させるために行動する。 彼らの未来が希望に満ちていることを切に願うばかりである。

    1
    投稿日: 2022.05.18
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    朝井リョウの作品は面白いと思って図書館で借りた一冊。児童養護施設の子たちがそれぞれに成長する作品。いじめる子は約束を守らない、こっちが守ってもなんだかんだと言って約束を守らないという淳也の言葉。いじめられても大好きな子にあなたといるといじめられるから一緒に痛くないと言われても自分の気持ちを大切にしていた麻里。自分のことを叩く母親のことをどうしたって嫌いになれない美保子。そして、急に両親を亡くしひとりぼっちになってしまった太輔。みんなそれぞれで、でも真っ直ぐで応援しないわけにはいかないほどちっぽけな存在だ。どうか彼らがまたみんなの様な仲間と出会い、幸せな人生だったと思える様に願ってしまう。

    0
    投稿日: 2022.05.01
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    施設が舞台となるお話は切なくて悲しくなる先入観があったけれどこのお話では、施設の中での喜びやつながりが描かれていてその点は救われました。 でも施設の外での苦難は存在していて。それに対して変に綺麗に片付くことなく、そのまま受け入れるしかなかったり、離れたり、チャレンジしたり、と現実的な流れになっているのが印象深かったです。 大仰にしないことが好感を持てましたが、登場人物たちが愛おし過ぎてもっと幸せな様子が見たかったという物足りなさも正直な感想です。 何気なく繰り返されていたことが、効果的に読者に伝わる仕掛けはお見事でした。 みんな幸せになってほしい。

    0
    投稿日: 2022.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数年前、大学在学中に出会って、その時は単行本を買うお金が惜しくて諦めた。でも、それは正解だったかもしれない。朝井リョウが描く、「逃げ」は今だからこそわかった。理解ができた。朝井リョウの作品が科学で、緻密に計算されていることも、今だからこそわかる。人と人が少しずつ繋がって、ストーリーを作り上げ、紡いでいく表現は彼にしかできない。彼の作品でしか味わえない感情が確かにある。 p.46 「弟、いるんだ」息を切らす佐緒里の肩が上下に古い得ている。太輔はぐっと、握った拳に力を込めた。「…淳也にだって、麻利がいる。ミホちゃんにだって、お母さんがいる」使わなかった五百円玉の分だけ、右側のポケットが重い。ランタンは、ひとつ五百円。「おれとじゃなくったって、お祭り、いけるじゃん。願い事、飛ばせる」「おれだけ、おれだけ」太ももをぐっ、ぐっ、と何回もつねる。佐緒里の背後、遠くの方で、あまのじゃくのランタンがひとつ、ふたつ、空へ飛んでいくのが見えた。 p.71 高校3年生の佐緒里は、夏が終わり、秋が終わり、冬が終わり、3年の門出の四季を終えると、ここを出て行く。頭ではそうわかっているけれど、それが本当に、これから先起こりうる出来事なのかどうか、太輔にはよくわからない。 p.178 佐緒里がもうすぐいなくなってしまう。だから太輔はその代わりを探した。伯母さんも、おれとおんなじだった。「ずっと一緒にいてくれる」人の代わりを、探さなければ行けなくなった。 p.187 みこちゃんは、ぱっくりと開いた口から、あ、とひらがなをひとつ落とした。 p.190 スニーカーの中に、じっとりと雨が染み込んでくる。靴下とスニーカー、二重に守られているのに、とてもとても冷たい。…途中で走ったりもしたのだろう、麻利の足は膝の下辺りまで汚れている。夜の闇にも負けない白い肌、小豆みたいに小さな爪。こんなに小さなふたつの足の上に、麻利のぜんぶが乗っかっている。そんな場所、やっぱり、靴下や靴で守らないとダメだ。太輔はそう思った。 p.222 太輔は、自分が何をしたところで、何も変わらないこともあるということを知っている。自分が関わっているのはこの世界の本の一部の一部の一部で、自分のいない99.999パーセントのところおで、宇宙も世界もまるごと動いているのだと知っている。みんなもきっと、あの雨の日に、そういうものを出会ってしまった。太輔はもう、どうしたって、お母さんやお父さんそのものには会えない。麻利はもう、あのクツを手に入れたときと同じ気持ちでは履けない。淳也は雨の中でなく妹をどうすることもできない。美保子は自分の悩みを誰にも話さない、話したってどうにもならない。佐緒里は大学にも東京にもいけない。だけど何かをしたい。 p.236 入り口も出口もよくわからないような衝動のど真ん中に、突然降り立ってしまうことがある。佐緒里がいなくなったその後も、途方もなく広がる人生の余白。その予感がほのかに薫った気がした。佐緒里はここからいなくなる。それでも自分の生活はこの場所で続いていく。太輔はだらんとした凧を見つめた。離れたくないのだ。この人と。 p.268 足を覆う、スニーカーやサンダルや革靴。ドアを開けるたびに、なくなっていてほしいと願っていた伯父の靴。あの夜、雨に濡れていた麻利の裸足。濃い色の土で汚れていた美保子の靴と、部屋の床。 p.274 長谷川、泉ちゃん、伯母さん、佐緒里の親戚。ぼう、ぼう、ぼうっと、順番に人の影が立ち上っていく。暗闇よりも濃い影が、ゆらゆらと揺れながら太輔たちを囲んでいる。麻利が、泉ちゃんたちのためにきれいに洗った旗。朱音ちゃんのピアノ。独りでDVDを観ている佐緒里。裸足の麻利、雨に濡れた淳也、丘の上からお母さんのいる場所を指差した美保子。みんなで小さく固まって、トレーシングペーパーを切ったり、針金をねじったりする。ここはすごく寒い。だけど負けない。負けないのだ、アリサ作戦は。何にも。 p.276 太輔はふと、こういうことが前にもあったなと思った。あれは、アリサ作戦の第一回s買う線会議のときだ。街中に貼るために作った【祭り復活】を呼びかけるチラシ、美保子が握るペンの先を、真っ暗な部屋の中で、こうしてみんなで見つめていた。あのときも、今と同じように、みんなの視線が集まるその一点に、ぼっと何かが灯りそうな気がしたのだ。「いくよ」力を込める。カチ、と、音がなった。小さな日が灯る。そのとき、自分たちを囲んでいた様々な黒い影が、ふわっと消えてなくなった気がした。 p.296 誰かにとっては、何時間も座りっぱなしのつまらない時間だ。誰かにとっては、友達と好き勝手しゃべることができてラッキーな時間だ。誰かにとっては、昨日からずっと落ち着かないまま過ごしてきたその先にある時間だ。同じ体育館の仲、こんなに小さな世界の中でも、いくつもの時間が流れている。 p.309 「誰からから何かを奪ってはいけないなんて、そんなこと、この子達はわかっています。きっと、私たちよりもずっと。だけど人から物を盗んでまで、g発行に忍び込んでまでこんなことをした。そこにはすごくすごく大きな理由があるはずなんです。 p.326 足の裏、その向こう側にあるコンクリートは硬い。なんて独りなんだろう。太輔はそう思った。ランタンを受け取った小さな子達は、送る会を見に来ていた保護者と一緒に笑っている。5,6年生はあえて自分の親と遠く離れた場所にいようとしている。そんな校庭の中で誰かを探し回っている美保子の姿は、あまりにもたったひとりだった。家族と笑っている一年生の女の子も、家族からわざと離れている六年生の男子たちも、結局、どんな距離感であっても、このばしょではたったひとりっではない。せっせとランタンを配っている兄妹と、校庭の中で行き先が定まっていない美保子と、硬いコンクリートの上からそのすべてを見下ろしている自分。圧倒的にひとりだ。 p.334 朱音ちゃんの向こうには泉ちゃんがいて、その向こうにはひゅうひゅうと囃(はや)し立ててくる男子のグループがいて、その向こう側にはランタンを待つたくさんの子とその保護者がいて、その向こう側でやっと、どの世界でも同じように日が暮れている。自分たちは、これからも、きっと、たくさんのものを超えていかなければいけない。突然、その予感が太輔の全身を包み込んだ。 p.348 「新しいお家でうまくいかなくたって、お母さんのこともう嫌いになっちゃったって、そのあと、また、ここが新しいおうちですって言えるような人に会えるかもしれない。毎日、夜中まで一緒にランタン作れるような、みんなみたいな人に」きっとこれから雄一郎も、あんな約束したくなるような子にまた出会うんだよね。この広い世界のどこかで差、あたしたちはあたしたちみたいなだれかとまた出会えるんだよね。 p.351 「だからな、わかっとった。泉ちゃんもきっと変わらんってこと。ぼくら全校分のランタン作ったとしても、人をいじめるやつはいじめ続ける。約束とかそんなん、アイツラには関係ないんや」「麻利がクツとられて裸足で帰ってきたとき、もうあの学校から逃げようって思った。いつまでもがまんして、いつまでも同じところにおる必要なんて無いって、その時やっと気づいた」・・・「ぼくな、絶対、アリサ作戦を成功させたかった」淳也の顔はすがすがしい。「約束したことをちゃんとモア持っても、それでも変わらん人がおるってことを、麻利に知ってもらいたかった」 p.353 「またおれだけ残されて、これからどうしたら」ツン、と、刺されたように鼻の頭が痛くなる。じん、と視界が滲んで、ランタンの光が空の中に溶ける。 「大丈夫」よく見えなくなった世界から、佐緒里の声がした。 「私たちは、絶対にまた、私たちみたいな人に出会える」太輔はごしごしと目をこする。瞼が痛い。「いじめられたら逃げればいい。笑われたら、笑わない人を探しに行けばいい。うまくいかないって思ったら、その相手が本当の家族だったとしても、離れればいい。そのとき誰かに、逃げたって笑われてもいいの」 目をこすってもまたすぐ、よく見えなくなる。 「逃げた先にも、同じだけの希望があるはずだもん」 佐緒里は、ランタンを目で追いかけながら話し続ける。 「ミホちゃんはこれから、これが新しいおうちだって言えるような人に、絶対に出会える。それがお父さんじゃなくたっていいの。次の挑戦で失敗したってそれは変わらない。これから先、ミホちゃんを叩かないし、叱らない、そんな人に絶対に絶対に出会える」じんわりと滲んだランタンの光が、両目いっぱいに広がる。 「淳也くんだって、これから、順やくんをいじめたりしない友達に絶対出会える。転校して、逃げたって思われたっていいんだよ。逃げた先にもちゃんと、それまでと同じ広さの道があるの。また失敗して、逃げても、その先にある道はどんどん細くなったりしないの。確かに、逃げた先にもまたいじめる人がいるかもしれない。だけど、それと同じだけの確率で、太輔くんみたいな人がいるかもしれないんだよ」 佐緒里は、自分に言い聞かせるように頷いた。「麻利ちゃんも、新しいクツを一緒にかわいいねって言ってくれる子、好きって言っても笑わないような子に、これから先、絶対に、絶対に出会える。麻利ちゃんのことを変じゃないって言ってくれる子は、絶対にいるから」ずびずび、と音を立てて、麻利は洟をかんだ。 「太輔くん」佐緒里がこちらを見る。 「これから中学生になって、高校生になって、おとなになって、もっと沢山の人、たくさんのことに出会うよ。いままで出会った以上の人に、いっぱい出会うの」お母さん。お父さん。伯母さん。伯父さん。みこちゃん。淳也。麻利。美保子。佐緒里。今まで出会った人。これまで生きてきた世界にいた人。「その中で寝、私たちみたいな人が、どこかで絶対に待ってる。これからどんな道を選ぶことになっても、その可能性は、ずっと変わらないの。どんな道を選んでも、それが逃げ道だって言われるような道でも、その先に延びる道の太さはこれまでと同じなの。同じだけの希望があるの。どんどん道が細くなっていったりなんか、絶対にしない」・・・「お姉ちゃん?」麻利が、鼻水でぐずぐずになった顔で、佐緒里を覗き込む。「出会えるのかな」広げたチラシの紙が、風に吹かれて音を立てる。「また、こんなふうに。私のために町じゅうにチラシを貼ってくれるような人に、これから出会えるのかな」佐緒里はそのチラシを見たまま、わあっと泣き出した。「出会えるよね、絶対」握りしめられたチラシが、くしゃ、と丸まる。「希望は減らないよね」嗚咽の中で、佐緒里は言う。「そう思ってないと、負けそう」これまでと同じだけの希望が、これから先にも必ずある。佐緒里。ほんとうはずっと、声に出して、そう呼びたかった。心の中ではずっと、そう呼んでいた。だけど一度も、声には出せなかった。佐緒里、と、独りの人間を、そのままの名前で呼びたかった。泣いているときは、頭をなででやりながら、その名前をそのまま呼んでやりたかった。好きだったのだ、この人を。とても。タイミングを逃したランタンがまたひとつ、春のはじまりの空へと昇っていく。太輔はこの春、中学生になる。 解説 p.360 朝井は、逃げ場がないという感覚が同世代の20代特有のものではなく、10代、それももっと下の世代にもあるのではないかと考えた。「小さな子どもたちが、自らの想像力で、今いる場所から二月、もとい、自分の生きる場所をもう一度探しに行く、という選択をする物語。そんな物語を書き、『逃げる場がある』という想像力を失いかけている誰かに届けたいと考えました」 p.364 いい小説というものは、必ず、どこかに救いがあるものである。そのため何度でも読み返したくなる。本書でも、最後、ランタンの上がる様を見ながら、太輔たちがみなばらばらになる不安を言うのに対して、佐緒里が「大丈夫」と優しく話し出す…未来にも希望があるという佐緒里のことばは心に響き、胸を打つ。きっと、太輔、麻利、淳也、美保子、佐緒里は、みんないい人たちと出会い、幸せになるという予感を抱かせる。

    0
    投稿日: 2022.04.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさんの作品は心理描写にリアリティがあり関心する半面、自分の中にある今まで誰にも見せていない・見せたくない感情まですべて詳細に書き連ねられてしまった気がして、胃の奥に不快感が残る。作品の完成度は高いためときどき読みたくなるが、手を出しては「あぁわかっているのになぜ読んでしまったのか」と後悔する。 みんな一生懸命に生きているのに救いはないのか。結末にリアリティはあったけど、創作の中だけでもハッピーエンドであってほしかった気持ちが残る。

    0
    投稿日: 2022.03.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中何度も表紙のイラストを確認した。 多分この灯りはそうなのだろうとは思っていたけれど、読み終わってから改めてみんなの目線の先にある空の美しさを想像してみたら、綺麗すぎて涙が出た。 みんなそれぞれの覚悟を胸に秘めている。 いい表紙です。 最後に突然、サオリが大学に行けることになったり、長谷川や泉が優しくなったり、アカリちゃんと仲良しに戻れたり…そういう変なハッピーエンドじゃなくて良かった。 辛いことを乗り越えた彼らは、きっとこれからの人生で起きる様々な苦難に無理矢理飲み込まれたりせずに、泣きながらも立ち向かったり、前向きな気持ちを持って逃げたりすることが出来るんだろう。 盗みをしたことが複雑な気持ちにさせるけれど…お小遣いとか大人たちに相談するとかしてほしかったけれど…あの子達だけでやることに意味があったのでしょう。 結局最後は大人の力を借りているけれど、無理と言われても出来る!とやりきったその結果が、みんなを強くさせたんだと思う。 描かれない物語の外側について考え過ぎてしまう。 Zippoのオイルを子どもに盗まれてしまった奥さんの、(子どもたちに何かあったらどうしよう、火事になってしまったら…、持ち主である夫はどうなる)と不安で過ごしたであろう日々を考えても胸が痛くなる。 アカリちゃんはマリがいなくなれば泉や他の生徒から何も言われなくなるのか。いなくなってホッとする瞬間もあるかもしれないけれど自分を責める日も来るだろう。アカリちゃんが心からの笑顔になれる日が来るのか、それも心配になる。 実在する人物ではないけれど、みんな10年後やその先が幸せであってほしいと願った。

    0
    投稿日: 2022.03.18
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    分かりやすくハッピーエンドにしないことが、より一人一人のキャラクターを際立たせている、温かいけど透明度のとても高い作品。

    0
    投稿日: 2022.02.26
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    20220223 図書館でたまたま見つけて、表紙のイラストがかわいくて読んでみた一冊。 施設の子供たちが過去の経験から背負ってるものが所々で感じ取れる小説だった。 みんないろんなものを背負って生きているんだよね。子どもでも、自分の気持ちと向き合って一歩踏み出そうとする姿がとても印象的だった。 人はやっぱり人とのつながりの中で生きているんだな、と実感した。 でも、思ったよりもハマらなかったカナ。。 タイトルと内容との関連性もちょっと分からずじまいだったな。

    0
    投稿日: 2022.02.23
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    いろんな境遇のひとが居て、それぞれ生き辛さを感じている。逃げ場が無いと感じている。 それは、子供たちも同じ筈。 しかし、逃げられないことは無い。 新しい道を作っていけるんだよ。 それを応援してくれる人がきっと何処かに居るよ。というメッセージを込めて書かれた作品でした。 全てを描き切らない感じが良かったな。と思いました。 彼らが進んでいく様子を、後ろから見守っているような感覚で読み進めました。 ハッピーエンドになりきらない、 解決しきらない、 成長しきらない、 そんなご都合主義じゃないリアルな感じが、もう、、、ぐっ、、、となりますね

    6
    投稿日: 2021.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大切な人たちとの時間ってずっと続いて欲しいし、バラバラになりたくないって思うけど、それが叶わない現実を受け止めることも必要で、その先の道にも期待を持って生きていくことが大切って教えてくれた。「世界地図の下書き」っていうのは、これから色んな旅立ちを迎える5人が、強くなったり学んだりをする準備期間っていうことなのかな。 個人的にはみこちゃん目線で書かれた章がすごく心に刺さった。大人の立場も、太輔たち子供の立場も理解できる真ん中にいる存在としてのみこちゃん、そんな彼女の辛さが滲み出てる感じがした。

    2
    投稿日: 2021.12.25
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    TBSで昔やってた昼ドラ枠で、夏休みになると子どもたちがたくさん出てくるドラマを毎年放送してたけど、なんかそれを思い出した。 児童養護施設を舞台にしたお話ということで興味を持ったが、そこにいる子どもが主人公で語り手だったので、ちょっとがっかり。 みこちゃん目線で読みたかった。それでは児童文学にはならないが。 「逃げてもいいんだよ」ということを書きたかったと言うが、後半のアリサ作戦の辺りは、ちょっと違う気がした。 映像的にはきれいだけど作戦的には無謀で、最終的には大人が入ってくれて事なきを得たけど、火を使ったり校舎に忍び込んだり盗んだり、純粋な目的があるからいいというものではない。 とはいえ、子どもたちのこれからに幸あれ。

    2
    投稿日: 2021.10.29
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    幼少期に見ていた景色、肌で感じ取っていた感覚、 大人になるにつれて忘れていっていた感覚が ひとつひとつ大切に蘇ってきた。 5人の子どもたちがそれぞれ苦難を経験しながら、 勇気を出して一歩踏み出して成長していく。 けれど、その先に成長の余地を存分に残し、 読者にその先の物語を、それぞれの明るい未来を 想像させてくれる。 リアルな孤独、苦しみが描かれつつ、とても暖かい。

    2
    投稿日: 2021.10.05
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    大人になってしまってなんか忘れていた感覚。小さな世界の中で生きて、それが全てだと思い込んでいた。本当の世界は、もっともっと広大で、色んな人、価値があって、そして暗闇もあるけど希望もあって。そのことを知るには、やはり大人になる必要があって。そして、地図を手にすることで、世界の広さを知り、自分たちが新たに進む道を選び、自分の中の世界を広げていくのかな。 みんなが一生一緒に居られる世界なんて存在しない。それぞれ、葛藤しながらも、生きていく道、世界を選んだ。 最初、何が言いたいのか分からなかったし、なんか纏まりがないなーなんて思ったけど、子供の心情が丁寧に描かれていて、人の感情を察するのが得意ではない自分にとっては、いい教材になった。

    1
    投稿日: 2021.09.06
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    世界地図の下書き(集英社文庫) 著作者:朝井リョウ 発行者:集英社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 人生には、逃げる覚悟が必要な時もある。

    1
    投稿日: 2021.08.21
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    ◼︎逃げるという選択肢を選べるようにする本 大人になればなるほど、取れる選択肢は増えていく。だけど、「逃げる」という選択肢はなぜか選ばれにくい。逃げてもいいというメッセージはたまに聞くけど、逃げちゃダメだっていう常識感の方がより多く触れてきた。 物語では、身寄りのない小学生の主人公視点だからこそ、余計に選択肢が少ないように感じられる。 自分が小さい頃も目の前の世界が全てで、教室の中で好きな人・仲良くしたい友達を「選び」「選ばれる」ことが必要で、それに漠然とした緊張感を持っていた。実際、周りのレベルが低いようなイジメとかを見て見下すような、一緒にいたくないと思う気持ちが芽生えたことも何回もあった。 こんな本に昔に出会っていたとしたら、違う選択肢を取れたのかもしれない。また、ターニングポイントで、その環境を変えるための努力をできたのかもしれない。 「視野を広げる」「逃げた先にも希望がある」言葉にまとめようとするとありふれたものになっちゃうけど、とても大切だなって実感した。

    1
    投稿日: 2021.08.17
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    児童施設で暮らす子どもたちの話。 最後の言葉が沁みました。 これからのそれぞれの道と希望がじんときました。

    0
    投稿日: 2021.08.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童養護施設で暮らす子どもたちの物語。 それぞれがどうしようもない思いを抱えながらも生きていて、もどかしさも感じるけれど、最後は逃げてもいいんだよと優しく包み込んでくれるような作品。 逃げてしまったとしても、今後素敵な出会いがある可能性が無くなるわけではない。希望は変わらない。

    1
    投稿日: 2021.07.21
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    朝井リョウの世界地図の下書きを読みました。 事故で両親を失った大輔は、引取先の伯父伯母から家庭内暴力をうけたため、児童養護施設に引き取られます。 大輔は児童養護施設で5人の班に所属して生活することになります。 大輔以外の4人も、学校でひどくいじめられていたり、実の母親から育児放棄をされていたり、いろいろな自分たちでは解決出来ない悩みを抱えています。 それでも、彼らは前を向いて進んでいこうとします。 一番年長の佐緒里が大学進学を断念して春には遠くの親戚に引き取られるということをきいて、大輔たち4人は佐緒里を送るためにある計画をたてます。 児童たちは困難に立ち向かうけどその壁はとても厚くて大きい、でもどこかに希望はある、あきらめないで、という主張が心に残る物語でした。

    2
    投稿日: 2021.07.07
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    なんだろう、ハッピーエンドだと思うけど、読み終わって胸を締め付けられる想いになったし、逃げるは悪いことでは無い。と再認識した。世代問わず悩んでいる人には一度読んでもらいたいかな。物語の続きが非常に気になる。

    0
    投稿日: 2021.07.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・逃げない。逃げても良い。 ・部活の顧問にパワハラされて自殺しちゃった子のニュースを見て、「何で逃げなかったのか?」「逃げる選択肢は幼少期に培われる」って考えた朝井さんスゴ ・家族がいることで「どこにも行けない」こともある

    0
    投稿日: 2021.06.29
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    題名に惹かれて。 くだけた文調に違和感もあったけど、 子どもたちと視点が揃うようになってからは気にならなくなった。 それに、健気な子どもたちに元気をもらえた。

    2
    投稿日: 2021.05.21
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    児童養護施設が舞台。挑戦すること。そこには逃げることへの挑戦も含まれていること。必ず悪は存在するけれども、希望も同じく存在すること。 胸ぐらを掴まれるような、悲しみの底を見据えた上の未来へ続く物語でした。

    3
    投稿日: 2021.04.14
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    子どもたちの したたかさ 子どもたちの しなやかさ 子どもたちの いたらなさ 子どもたちの あたたかさ もう逃げ場がないと 思い込んでしまっている 子どもたちに そっと 手渡したい一冊です

    1
    投稿日: 2021.04.12
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    人を想う気持ち、思いやりや優しさをストレートに感じて切なくなれる一冊。戦時中の描写や言葉遣いは現代的すぎる気がして、やや考察が足りない??と感じたが、細かいことを気にしなければ非常に心を打つ物語だと思う。 まだ読了していないので、クライマックスに向けての展開が楽しみである。

    1
    投稿日: 2021.04.12
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    テーマは逃げ場。 行き場をなくした子供達が新しい居場所を見つけ、共に成長し、自信を持ち、未来へ向かって再び羽ばたく。 逃げてもいい。また出会えるはずだから。 感動した。

    0
    投稿日: 2021.03.28
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    タイトルとあらすじが気になって手に取った。 ありがちなハートフルストーリーかと思ったが、「世の中どうにもならないこと」を描写した作品だった。それぞれが現実に対峙していく姿は時には頼もしく、時には辛く感じた。特に、委員会の話し合いで麻利が泉ちゃんにきっぱりと言い切るシーンに心打たれただけに、「どうにもならない」現実が心苦しかった。それでも人間は絶望するだけじゃなく、別の世界に逃げてもいいんだと一筋の光を差し伸べてくれる結末で、佐緒里の「希望は減らないよね」にぐっと来た。 「どこへいっても私たちは繋がっているよ」なんて陳腐な言葉じゃない、「私たちは、絶対にまた、私たちみたいな人に出会える」という希望に、どの世代の読者もきっと救われるはず。 2021.3.2 読了

    1
    投稿日: 2021.03.02
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    情景が浮かんでくるような温かいお話し。 「逃げてもいい」逃げた先に広がる道は、決して狭くなったりしない。ただ違う道を歩く。それだけ。 そのメッセージが胸に響きました。 けど、麻利は悲しかったな。この先、麻利の良さをわかってくれるお友達ができるといいな。 何かに迷った時、八方塞がりで辛い時に、思い出したいと思える一冊でした。

    0
    投稿日: 2021.02.26
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    "自分たちが生きていくためには、自分の力ではどうしようもないところの支えが必要なのだと実感するときがある。" "私たちは、絶対にまた、私たちみたいな人に出会える" "いじめられたら逃げればいい。笑われたら、笑わない人を探しに行けばいい。うまくいかないって思ったら、その相手が本当の家族だったとしても、離れればいい。そのとき誰かに、逃げたって笑われてもいいの" "逃げた先にも、同じだけの希望があるはずだもん" "希望は減らないよね" 時にはどうしようもない時がある。 そんな時は逃げたっていい。逃げる事は悪いことではない。 何かに悩んでいて苦しい思いをしている、そんな境遇にいる、特に若い人達にこの本を読んで欲しいと思った。

    1
    投稿日: 2021.02.20
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    桐島の部活辞めるやつはあんまりぴんとこんかったけど、これは好き!わたしたちが生きるこの世界の主人公はいつだって子どもたちだし、そうあってほしいって思う。この本は色んな事情から施設で暮らす子どもたちの話だけど、きっと大人になっていく過程は誰しもが経験することの積み重ねなんだろうなぁ。大きさの差はあれど、いろんなことを経験して、主役の子どもたちを輝かせられる、素敵な大人になりたいものです!

    0
    投稿日: 2021.02.04
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    朝井リョウさんてこういう児童文学っぽいものも書くんだというのが最初の感想です。 孤児院で暮らす子供たちを主役にした物語で、皆色々な痛みを抱えながら生きています。 結構世の中多いパターンの物語なので意外性が有る訳ではないのですが、親と一緒にいることが出来ない事情を抱えた子供たちを素直に書いていると感じました。 物事に立ち向かっていく大事さと同じくらい、自分の居場所が見つけられそうな場所にたどり着くまで自分を守って逃げ切る事も大事、というメッセージを感じました。 よく、話せばわかるという事を言う人がいますが、人の心が分からない人には何を言っても無駄。むしろそれをネタにまた傷つけてくるなんて日常ですよ。 人をいじめる事が楽しいと感じている人からは出来るだけ離れる事が大事です。

    1
    投稿日: 2021.01.27
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    両親を事故で亡くした小学生の太輔は「青葉おひさまの家」で暮らしはじめる。心を閉ざしていた太輔だが、仲間たちとの日々で、次第に心を開いてゆく。中でも高校生の佐緒里は、みんなのお姉さんのような存在。卒業とともに施設を出る彼女のため、子どもたちはある計画を立てる…。子どもたちが立ち向かうそれぞれの現実と、その先にある一握りの希望を新たな形で描き出した渾身の長編小説。

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    投稿日: 2021.01.27