
総合評価
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powered by ブクログ妻殺しの罪を着せられた男に死刑執行の時が刻一刻と迫る中、事件当夜のアリバイを証明できる「幻の女」を探すというタイムリミット・サスペンス。最近似たような設定の国内作品を読んだが、本作は冤罪とか法曹の問題とかに焦点を当てるわけではなく、あくまで謎解きを中心に据えた作品なので、余計なことを考えずシンプルに楽しめた。 今から80年以上前に発表された作品であるにもかかわらず、古臭さをあまり感じずに読めるというのが何気に凄い。文体も特徴的で、格調高さに最初はやや違和感があったんだけど、すぐ慣れて途中からこの作品にはこの文体以外考えられないと思うに至った。真相は言われてみればなるほどといった感じだけど結局読めなかった。てっきりもう一人のキーマンのほうが怪しいと踏んでいたんだけどなあ。 さすがオールタイム・ベストのミステリランキングに毎回選ばれるだけのことはある。面白かった。
0投稿日: 2026.02.06
powered by ブクログ一文目で一気に引き込まれる。これぞ名書き出しであろう。 現代の我々が読むと、もちろん粗はある。ただ、それ以上に魅力的。
1投稿日: 2025.12.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公スコット・ヘンダースンは自宅に帰宅すると、妻の殺人容疑で逮捕されてしまい、死刑判決を受ける。彼は無実を証明するために、親友ジョン・ロンバードや恋人キャロル・リッチマンを頼りに、スコットが事件当時に会った女性の行方を、そして妻殺害の真犯人を探していく。刑事たちはスコットが当日に出会った人々や場所に赴くが、それらしき女性が一向に見当たらないうえに、話が進むにつれて彼の死刑執行が刻々と迫ることもあって、緊張感が増していく。最後の最後で、実は犯人が身近なところにいたという衝撃的な事実が判明する。
0投稿日: 2025.11.29
powered by ブクログ素晴らしい読書体験、読後の爽快感と満足感に感動を覚えた。タイムリミットが刻々と迫る焦り、結末が気になってページを捲る手がとまらなかった。これが80年以上前に書かれたとは驚嘆に値する。 テンポの良いストーリー展開、どんでん返し、そして美しい文章から漂う幻想的な雰囲気と3拍子揃った傑作だと感じた。 次はぜひ、原書にチャレンジしたい。
1投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった・・」 ・・という、ポエミー且つオシャンティ(死語(^^;)な書き出しで有名なクラシックの名作を今更ながら読んでみる事に。 妻と喧嘩し、家を飛び出したスコットは、とあるバーで“パンプキン”のような帽子をかぶった女に出会います。 彼はその女性を誘って食事をし、ショーを観てから別れますが、帰宅すると妻が絞殺されていて、スコットはその場にいた警官に殺害容疑で拘束されてしまい・・。 こ、これは・・読む手が止まらんヤツ! スコットのアリバイを証明できる“パンプキン帽子の女(以後、幻の女)”がどこの誰だかわからないどころか、街で聞き込みをしても皆口を揃えて“その女を見ていない”と言う始末。 あれよあれよという間に有罪判決を受けて、死刑執行までのカウントダウンが始まってしまうという、スコットからすれば悪い夢を見ているとしか思えない状況ですよね。 で、勾留されているスコットの代わりに、彼の友人のロンバードと、恋人(てか愛人)のキャロルが“幻の女”を捜し出すべく奔走するのですが、これがまぁ見つからないし、話を聞いた関係者達が、悉く不審死をしてしまうんですよ。 そんなこんなでスコットの死刑執行日が刻一刻と迫ってきて・・と、この緊迫感が堪りません! そして、終盤での怒涛の展開とまさかのどんでん返し的な真相に“な、何だと・・!”となった次第です。 ということで、上質なタイムリミットサスペンスを堪能させて頂きました。 ところで、私は序盤からずーっと気になっていた事がありまして、“ま・・真相解明時にこの件も明かされるのかな・・”と、とりあえずそのモヤモヤを脇によけて読んでいたのですが・・結局、解明されず!(;´Д`)。 それで、その気になる事というのは、 「スコットの妻の死体の第一発見者&警察に通報したのは誰なのか」 って事です。 あの・・これ、書かれていませんでしたよね?え?私が見落としてる?・・と何度か確認するもやはり見つからず(;'∀') うーむ、私の「幻の通報者」は何処に~?!
41投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログ比喩表現がいちいち凝っていて面白い サスペンスとしても優れているが、文章が読んでいて楽しい作品 「昔から優秀な機械のように運動能力がずばぬけていて、皮膚でくるまれているよりはレーシングカーのボンネットの下におさまっているほうがいいような男なのである」
1投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ再読。妻の殺人容疑をかけられた男が、自身のアリバイを証明するためバーで出会った「幻の女」を探すが何故かまったく見つからず、死刑執行の期日が刻一刻と近づいてくるサイコスリラー。死刑まで残り何日間かが章のタイトルで明示されるため、タイムリミットものとしての面白さもある。男が追い詰められていく様子を見ていると、次第に読者側もただの思い込みや夢にすぎなかったのか……?という気持ちにさせられ、サイコロジカルな恐怖がつきまとい素敵だ。 また、どこか甘美で寂寥感を感じる翻訳がすばらしく、冒頭の有名な一文に限らず全編にわたって美しい文体が味わえることだろう。 とはいえやはりこの一文は引用せずにいられない。 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」
8投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ江戸川乱歩お勧め小説と聞き、ずっと読みたかったミステリー。真犯人に「うわー!?」となった。信じられなくて、思わず、読み返してしまったよ……。
1投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ2025/5/4読了(再読) 言わずもがなのタイムリミット・サスペンスの名作。初読は'17年頃だったか? 「名作は、名作と言われるだけのことはある」と思った。――死刑囚スコットの無実を証明できる”幻の女”は何処にいるのか? ただでさえ乏しい手掛かりは次々に途絶え、刑執行の日は刻々と迫る。筋立ては単純だが、展開は読めず、結末まで飽きさせない。Simple is best. を体現した作品(コレのお陰で、後続は話をもう少し複雑にしないと通用しなくなったのでは、という当然の突っ込みは無視します)で、ミステリのファンでなくとも、読まないなんて勿体ないと思う。 ところで……作中、スコットの要望に応じて、恋人キャロルの名を伏せた警察。現在だったら、そんな要望など一顧だにされず、キャロルはマスコミに追われ、SNSで晒され、ワイドショーのコメンテーター辺りが「でもこの人、法的な責任はないかも知れませんけど、事件の原因となったことでの道義的な責任はありますよねェ?」とかのたまうのだろう。こっちの方が、昔のハードボイルドな世界よりも遥かに冷酷非情かもしれない(?)。
21投稿日: 2025.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
創立70周年記念作品 不朽の名作、ついに新訳版で登場! けんか別れした妻が殺された。そのとき、夫は街で出会った奇妙な帽子の女と過ごしていた。唯一の証人は彼女だけ……今はどこに?(解説:池上冬樹)
0投稿日: 2025.04.25
powered by ブクログ1942年に発表された古典ミステリー 舞台はニューヨーク 妻と喧嘩をしたヘンダースンはあてもなく街をさまよう… たまたま入ったバーで出会った風変わりな帽子(パンプキンみたいな…)を被った女を誘い、食事をし、劇場でショーを観て別れる その後、深夜に帰宅するとヘンダースンを待っていたのは絞殺された妻の死体と刑事たちだった 警察は夫であるヘンダースンを疑う 彼のアリバイを証明できるのはバーで出会った女だけ… しかし、誰も女を見ていない… そしていよいよヘンダースンに有罪の判決が下り死刑が言い渡される 死刑執行まで87日 ヘンダースンの友人と恋人が内密に捜査に協力し「幻の女」を追って奔走するが… 刻一刻と迫る死刑執行にハラハラドキドキ… ⦿女は一体どこにいったのか? ⦿なぜ誰も女のことを覚えていないのか? ⦿妻を殺したのは誰なのか? ヘンダースンは冤罪で死刑執行されてしまうじゃないか… 一体どうなっているんだ! もしかしてヘンダースン自身が信用できない語り手なのか?…(笑) ツッコミどころはあったけど… 確かに「読んでないなんてもったいなかった」 大どんでん返った… その追い詰め方がすごかった! まだこの作品が未読という人がうらやましい…(笑)
10投稿日: 2025.03.26
powered by ブクログ2025.02.09 新訳版というが、私は初めて読んだ。 良作。 昔の作品でもスリリングさが最後まで保たれていることが良かった。 終章の謎解きが今のものと違って丁寧に細かくされているのが印象的。 また、訳者あとがきも楽しめた。
1投稿日: 2025.02.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ハヤカワの『海外ミステリ・ハンドブック』から。 こーれは面白かったです!オススメ。 【あらすじ】 妻と喧嘩して家を飛び出し、あてもなく街をさまよっていたヘンダースンは、”パンプキンのような”帽子をかぶった見ず知らずの女と出会う。食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れて家に帰ると、待っていたのは絞殺された妻と警察だった――。 第一章から「死刑執行日の百五十日前」と始まり、続く章もすべてその形式でタイムリミットが近づいていきます。 死刑執行を待つのみのヘンダースンに代わり、親友であるロンバードが”幻の女”を探すのですが、なかなか一筋縄ではいかず。あらゆる疑念が浮かぶ中で、すっかりロンバード視点の物語に夢中になっていただけに、真相には度肝を抜かれたといってもいいでしょう。私はてっきり”幻の女”はその筋の奥方で、だから出てこないのだと思っていましたが……。 自分の無実を証明してくれるはずの女が見つからない、というストーリーは横溝正史の短編にもありましたが、オチも同じでは、というのは全くの杞憂でした。 本書は、プロットの鮮やかさだけでなく、詩的な文章表現も特徴的です。 ミステリーでありながら、登場人物の内面を豊かに表す文学的な表現が多く、一般小説としても読み応えがあると思います。 ただ、あれだけ印象的な振る舞いをした同伴者を忘れるか?!と思わなくもないのですが、これは偏見かもですが男性だったらありがちなのかな。。 そして今回なにより感じたのが、予備知識のない状態で読むミステリーの面白さ! 私はこれまで、”王道ミステリー”だとか”外せない名作”だとか、どうしても期待値の上がってしまう作品を手に取ることが多くありました。 本書も、広く愛され評価の高い一冊ではあるのですが、どんな探偵だとか評価ポイントだとか、そういった事前情報はほぼゼロの状態で読み進めたので、「この先どうなってしまうのだろう」と新鮮にワクワクすることができました。 詩的な表現に触れながら、緊張感のあるミステリーに触れたい方に、ぜひオススメの一冊です!
14投稿日: 2025.01.29
powered by ブクログアイリッシュは短編集を中学生の時に読んで好きになり、これもその時に読んだ。 何十年ぶりかで読んで、ニューヨークのバー、レストラン、劇場などのシーンや、服装、小物のセンスがとてもおしゃれで、アイリッシュは都会派の粋な作家だな、と改めて思った。 ちょっとサリンジャーに通じる所がある。 残酷なシーンもあるけど、昔のミステリーって温かみや倫理観がある。 刑事のバージェスが頭が切れる人で良かったな、って感じ。
2投稿日: 2024.10.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
妻と喧嘩して家を飛び出したスコットは、バーで特徴的なオレンジ色の帽子を被った女と出会う。食事とショーをともにした後スコットが帰宅すると、家には警察がおり妻が殺されていた。妻の首にはスコットのネクタイが巻き付いていて、彼は殺人の容疑で逮捕されてしまう。スコットはバーで出会った女が自分の無実を証明してくれると思い彼女のことを思い出そうとするが、記憶にあるのは特徴的な帽子だけ。刑事とともにバーやレストラン、劇場をまわりスコットと一緒にいたオレンジの帽子の女を見ていないか尋ねるも、みな口を揃えたように一人でいるスコットしか目撃していないと証言する。そんな中、ついにスコットに死刑判決が下る。 スコットは死刑執行までの日々をただひたすら過ごすだけだったが、彼を逮捕した刑事バージェスは、もしかすると本当にスコットは無実なのではないかと考えるようになる。そこでバージェスは、スコットの親友ロンバードに、スコットの無実を証明するため幻の女を探すように依頼する。スコットの浮気相手だったキャロルの協力も得ながら、少しずつ幻の女へと近付いていくが、行く先々で、幻の女のことを目撃していた人々が何者かに消されていく。 犯人がオレンジ色の帽子の女を「幻の女」に仕立て上げた方法についてはやや強引だが、犯人にとってもその女が幻となってしまったところは皮肉が効いていて面白い。 「死刑執行日の◯◯日前」という章題が焦燥感を駆り立てる。どれだけ訴えても自分にとって不利な状況を打開できないもどかしさと恐怖が上手く表現されている。読みやすい訳でテンポもいいので、あっという間に読み終わる。
1投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ海外作品は私にとって読みづらさがあるが、 この作品はスラスラ読めました。 順に追って真相に近づいていく緊張感が良かったです。 ただし、「幻の女」と言う設定は少し物足りなかったです。 ラストがちょっとね!
0投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログ知らなかったがミステリーの古典らしい。 ストーリーは今から見れば強引な展開が多いものの、バーや観劇といったニューヨークの都会的な雰囲気、幻想的な描写、唯一のアリバイ証言者となる消えた幻の女を探すという仕立てが上手く嵌っていると思えた。 ネタバレしてしまうから映像化は難しいと思ったけど、何度も映画やテレビドラマになっているらしい。
0投稿日: 2024.08.07
powered by ブクログ妻と喧嘩した男は、街で風変わりな帽子をかぶった女と出会う。気晴らしにその女と劇場などで過ごして帰宅すると…。 どうやら私は海外ミステリー沼に足を踏み入れてしまったみたいだ。 誰も自分のことを信じてくれない。 自分は幻を見ていたのか? 面白くてどんどんはまっていく。 章立てが「死刑施行日の○○日前」となっているので、迫ってくる執行日に男と同じ気持ちで焦る。ネタバレを見ずに読めて良かった。さすが名作。最後まで面白かった。 訳者さんのおかげで、海外ミステリ初心者の私でも楽しめた。 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」 冒頭の1文。クリスティーとはまた違う魅力に惹き込まれた。 『幻の女』は江戸川乱歩が選んだ海外ミステリー作品の中に入っていると後から知った。 乱歩が大好きなので、好きな作家が好きな作品は、やっぱり自分も好きだった。 クリスティーに行き着いたのも綾辻行人さんと三谷幸喜さんからだった。 乱歩が選ぶ作品の中にクリスティーの『アクロイド殺し』が入っていた。私の好みと同じで嬉しい。 次に読むAudibleは、乱歩が選んだ作品にも入っているエドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』に決めた。 史上初の推理小説で、1841年とクリスティーよりだいぶ前の時代なので、楽しめるかわからないけど、乱歩のペンネームの由来にもなってる作家を読んでみたい。 Audibleにて。
80投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログあらすじ(ハヤカワオンラインより)妻と喧嘩し、街をさまよっていた男は、奇妙な帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼はその女を誘って食事をし、ショーを観てから別れた。帰宅後、男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった! 唯一の目撃者〝幻の女″はいったいどこに? 新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。解説/池上冬樹(https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013088/) 先が全然読めなかった…!60年代に書かれたとは思えない。 今読んでもちゃんと面白い。随所に出てくる詩的な表現が素敵ですね。原語もお洒落なんだろうなあ。 私も人の顔を全く覚えられないタイプなので、最後の教訓が身に沁みました(そんなことしませんが) あとキャロル、よー頑張ったねえ… The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.
0投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログ面白かった。 古典ミステリー?古いのは読みづらくて最初の状況把握までは時間が遅く感じたけど妻が殺害されて死刑執行日までカウントダウンされていく時にはもう物語にのめり込んでいた。 昔の親友を頼って幻の女を探してもらう 同時並行でキャロルにも動いてもらって情報収集するとき緊迫した雰囲気が楽しめた。 なかなか情報収集が上手くいかずどうなるんだろうと思っていた矢先に急に真実を突きつけられて驚いた。 犯人探しなんてすっかり忘れていたので、そうかそういえばミステリーだから犯人がいるのだなとハッとした。 そこからの展開は早く、焦るように読了してしまった。 面白かった! 独特で詩的な文章最初はなれなかったけど、読み進めるうちにすんなり入ってきて違和感がない。 他の作品も読んでみたいと思った。
0投稿日: 2024.04.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・あらすじ 妻殺しで捕まった男。アリバイを唯一証明できる消えてしまった幻の女を捜索する関係者。 ・感想 解説読むまでこの本がそんなに有名だったとは知らなかった。 サスペンスの詩人と言われてるようで確かに詩的な表現が多かった。 その詩的な表現と曖昧模糊とした状況、暗中模索な捜索が噛み合ってた気がする。 初めて読んだけど面白かった。 幻の女の正体と殺人犯の正体を探っていくけど殺人犯の方は予想つけやすいからすぐわかった。
0投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログ“夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。” 80年前に出版された古典ミステリーの新訳版。 無実の罪で死刑判決を受けた主人公の無実の証拠となる女を探していくのだが、章ごとに死刑までのカウントダウンになっておりハラハラしながら読んだ。 内容も面白かったのだが、詩的な文章がとくに好みだった。 お洒落な言い回しが随所にあるので、普段ミステリーを読まない方や文学好きも楽しめるのではないだろうか。 ちょうど読んだ時期が某漫画家さんの悲しい出来事があったあたりなので、作品に携わる人の原作者や名訳をした故稲葉明雄氏へのリスペクトが感じられたのも良かった。(あとがきでは新訳者の熱い思いが綴られている) 原作者の大切にしたいものをしっかりと護って送り出して欲しいと思う。 古い作品だがミステリー好きに是非おすすめの1冊。 こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ ・ミステリーが好きな人 ・どんでん返しが好きな人 ・詩的な文章が好きな人 ・サスペンスが好きな人
11投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
洋書は登場人物の名前が中々覚えられなくて苦手なのだが、この本は登場人物も限られており、すんなり読む事ができた。 80年位前の本だが古臭さは感じず、真相も予想できず驚いた。 ただ刑事が犯人を泳がせていた事であれだけ一般人に危険が及んだり亡くなった人もいるのに、ドヤ顔で真相を語るシーンは少し違和感があったかな。
1投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
捉えられそうで捉えられない幻の女。 なぜ真犯人はここまで先回りが出来るのか?と疑問を抱いたときに、突然膨れ上がる違和感がたまらない。 迫るタイムリミットと真相に気づいてる人はいるの?という焦り。 推理小説では大概無能な刑事がちゃんと優秀だったことが意外と嬉しかった(笑) 古典なのに今っぽい。
1投稿日: 2024.01.10
powered by ブクログ無実の罪を着せられたスコット。死刑執行までに彼のアリバイを証明する“幻の女”を探し出すべく、友が立つ。 夜のニューヨークをさまよい歩く男。どうやらムシャクシャと荒れているようだ。彼スコットは、妻と離婚について争っている最中だった。知らないバーに入ってゆきずりの女と酒を飲み、劇場でショーを見る。少し気が晴れて帰宅すると、刑事たちが待ち構えていた。ベッドで妻が絞殺されていたのだ。アリバイを証明するべく、ゆきずりの女を探し出さねばならない!しかし街へ戻って聞き込みをしても、誰も彼女のことを覚えていない。皆が口をそろえて、スコットが一人で酒を飲み、一人で劇場にいたと言うのだ。彼はそのまま妻の絞殺の疑いが晴れず、死刑宣告を受けてしまう。はたして“幻の女”はどこに……。 ミステリーの古典的傑作として有名な本作。タイトルだけがずっと頭に残っていて、昔一度読んだことがあると記憶していたが……あれ?この話は初見だ……!たぶん、何か他の作品と勘違いしている。なんだろう? それにしても冒頭から引き込まれる展開だ。いったい何が起こっているのかさっぱりわからない不気味さ。主人公自身にも顔が思い出せない無個性な“幻の女”の幻想性。「死刑執行まであと何日」といった章立てで、タイムリミットがあるスリル感。投獄されてしまったスコットに代わり、彼を救うべく、親友と愛人が探偵役として立ち上がるのがアツい。次々と判明する不可解な出来事に、最後まで目が離せず一気に読める。そして至る衝撃の結末とは。はたしてスコットは助かるのか?もはやこれ以上は言うまい。20世紀前半の小説なので、エンタメに慣れている現代人には古さや既視感は感じられるかもしれないが、いまだにミステリーの名作として愛される傑作。ぜひともこれはネタバレにぶつかる前に読んでほしい。 本作「幻の女 ウィリアム・アイリッシュ」と似た感じのタイトルか作者名で、同じようなミステリーの古典を昔読んだ記憶があるのだが、なんだったかさっぱり思い出せない……。何と勘違いしている?本作を堪能した今後は、この、自分自身にとっての“幻の作品”を探し出さねばならないようだ……(笑)。
9投稿日: 2023.12.17
powered by ブクログ古典的名作の新訳! 今でこそ古今東西、ミステリーの終盤のどんでん返しは珍しくないけれど、当時の読者はこの「幻の女」の展開に衝撃を受けたんだろうなって思う。 ミステリーの歴史を感じた一冊でした!
0投稿日: 2023.11.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画で観たけど、やっぱり翻訳のこちらも堪能したかったので読了。 詩的な表現とサスペンスの仕掛け。更に読者を騙す構造と言う二重三重の作りが本当に圧巻です(少し掴みづらい箇所もあったものの)。 最後の真相解明パートも過不足無く納得出来るものでした。 ただ、疑問が2点残ります。 1:キャロルとロンバードがラストより前に接触するシーンは無かったか。 2:ロンバードの内面描写シーンがミステリ的にアンフェアになっていないか? ちょっとロンバードの描写がミスリードギリギリのような気もしました。でも、これが数十年前に描かれていた事実が驚愕です。☆×4.2。
0投稿日: 2023.11.10
powered by ブクログ妻と喧嘩し家を飛び出し、その晩はじめて会った女性と、観劇し、食事をする。帰ってきたら妻が殺されていて、殺人の容疑者として逮捕されてしまう。 唯一自分のアリバイを証言してくれる女性は、誰に聞いても見ていないと言われ...。 古典ミステリーの傑作といわれるだけあって、とても面白かった。夫婦とは?友情とは?いろいろと考えさせられる。 まったく予備知識なかったので、 “夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった“ という冒頭が名訳として有名なことを知らなかった。 自分としては、新訳なのに訳し方がいきなり直訳でがっかりした(その後は読みやすい)ので、ここも新しい訳に挑戦して欲しかった。
0投稿日: 2023.10.12
powered by ブクログ「幻の女」はおよそ80年前に出版されたミステリー小説だ。しかし今読んでも全く色あせていない。 冤罪をきせられたスコットの無実を証明するため、アリバイを実証してくれる見知らぬ女性を探す。しかし、バーやレストラン、タクシー、劇場・・・スコットは女性と同伴だったにもかかわらず、誰もがそんな女性は知らないと言う。 一体誰が嘘をついているのか本当のことを言っているのか。実際にその女性は存在したのか・・・。 スコットの冤罪を晴らすために親友のロンバートとスコットの恋人キャロルは奔走するが、なかなか決め手に辿り着かない。 スコットは死刑をまぬがれるのか・・・。 久しぶりに読み応えのあるミステリーに出会った。 お見事としか言いようがない。
2投稿日: 2023.08.21
powered by ブクログ『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。』 一文目にくる文章に惹き込まれました。 古典ミステリーの随所に見られる詩的な表現や幻の女の手掛かりに手が届きそうで届かない緊張感に一気に読み終えました。
2投稿日: 2023.05.08
powered by ブクログ喪服のランデヴーが面白かったので、二作目。喪服〜が犯人が初めからわかってる系の作品であるのに対して、こちらはそれとは真逆のタイプ。どちらもそれぞれ面白い。喪服〜は主人公の復讐を軸にして、一人また一人と殺されていく序盤から終盤までの流れはある意味読者には予想がつく範囲で、終わらせ方こそが要だったが、こちらは犯人は誰なのか?女は誰なのか?そもそも存在するのか??と複数の謎を同時進行で解き明かしていくスリリングな展開が面白い。
0投稿日: 2023.05.02
powered by ブクログだいぶ前に電子書籍で購入。良い意味での昔のミステリー色が強く、でも話の展開も飽きさせないし面白かった。原文がかっこ良いんだろうな、という言い回しがいろいろある。
1投稿日: 2023.04.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
間違いなくミステリーの傑作。これまだ読んでなかったんだな。びっくりする作品はだいたい二重構造とか、ひとつのことに二つの意味があって、読み終わったら、なんで気づかなかったんだろうって、ちょっと体調とか、冴えてるときだったら、分かってたのにとか思ったりするけど、これは自分がどんなコンディションでも、解ける気がせず。すごい。うまい。 冒頭のリリカルな表現はもちろんスタイリッシュでいい感じ。別れるときの女のセリフもちょっとクサイくらいあるけど、なんか好きだな。
2投稿日: 2023.02.19
powered by ブクログ臨場感たっぷりの物語で読んでいてドキドキしました。ただ、わたし的にはちょっと読みにくく、読み進むのに時間がかかりました。 でも最後は色々ななぞも無事に解決し、全てスッキリ!ウィリアム・アイリッシュさんすごいです。
10投稿日: 2023.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
書き出しが有名だが、元になったジャズのスタンダードナンバーは牧歌的なメロディがなんだか呑気なトーチソングで全く雰囲気が違う。ミステリの詩人とは言い得て妙で、話もまあ、犯人による事後のセットアップの仕方などなかなか面白かった(ただしアクロイド同様犯人の工作が時間的物理的に無理っぽいところはご都合主義か)。冤罪死刑囚が人好きのしない性格で、助けなきゃという盛り上がり感が生まれないのが極めて残念。洒落者で外見も経済状況も良い、既婚者なのに本当の恋を見つけたと言って離婚に応じない配偶者に苛立っている(被害者は確かに悪妻だけどそうなった原因は夫の性格に負うところが大きいと思う)、そもそも人の顔覚えるのが苦手というか覚える努力をしない、自分大好きで他者に関心がなく謙虚さや温かみに欠けるタイプ(最後までご丁寧に強調されている)。冤罪に陥るまで怒涛の展開という程でもなく、小洒落た彷徨に淡々とページを使うならその間に少しでも感情移入できる人物像を展開して欲しかった。 彼女があれほど慕って危険な献身する動機が見えず、そもそも刑事が若い女性をわざわざ荒れた人物に接触するようもっていくのは小説とはいえあまりに現実離れしていて鼻白む。舞台女優の描写はどう見てもアルゼンチンではなくてブラジル人ですね。デザイナー、お針子の描写は良かった。転落現場の情景は細く揺れる紫煙や、夜空にきらめく星、冷たく艶やかな床、銀色のカーペット、転がった靴などが詩的。ただし(買収に応じた人は用心で口封じもあるかもしれないけど)帽子繋がりで足がつくこと無さそうなのになぜこの人だけ? 残り3分の1位になったらもう犯人はこの人しかないと内容以前に物理的に結論が出てしまうのも残念。クリスティとかやたら登場人物が多いけどそれも必然だなと改めて思った。解決篇で語られた幻の女の真実が後味悪めで背筋の寒くなる悲しいオチだった。
2投稿日: 2023.02.11
powered by ブクログこんな面白い推理小説はそう多くない。古典中の古典とのことだが、今読んでもプロットが古くなくてびっくりする。
0投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ面白かった。 男が記憶を保管して幻を見ている、みたいなありがちな展開かと思ったがそうではなく、しっかりとミステリーだった。 所々おしゃれでとても良かった。死刑執行までの日にちが章立てになっていて、何も動きがない日はそのまま次の章に行くところも、最後の刑事の一言も。 また、登場人物がどれも印象深いのも良い作品と感じた理由の一つで、物乞い、歌姫、妻、どれをとっても一癖あって一キャラクターとして見ることができた。またそれを下手にミステリー仕立てにせず、キャラクターとして描いているのも良い、、、。
0投稿日: 2023.01.09
powered by ブクログ言葉選びと文章がとても綺麗で惹き込まれた。 予想だにしなかった結末にまんまと騙された。 面白かった!
0投稿日: 2022.12.20
powered by ブクログとても面白かった。文章がオシャレで、感覚に訴えてくる感じ。特に冒頭の一文は素敵すぎた。 男は、こんなに特徴のある帽子の女と特別な夜を過ごし、アリバイがあるにも関わらず、容疑者となってしまう。警察の聞き込み捜査では、帽子の女が本当に居たのか、読んでいるこちらまでわからなくなってしまった。 死刑執行が迫る中、帽子の女探しは繰り広げられ、ハラハラドキドキのスリリングな展開で、どんどん読み進めてしまう。 最後は、全くの予想外な結末にそう来たか〜っと 大変驚いた。80年ほど前に書かれたとは思えない斬新な作品で、本当に出会えて良かった。この作者の他の作品も読んでみたい。
2投稿日: 2022.12.04
powered by ブクログリリカルな文章と、あっと声が出るような大どんでん返し。冒頭の一文で物語に一気に引き込まれていき、最後のネタバラシで謎がほどけていく瞬間が気持ちよかったです。 ただ、中盤は少々展開が冗長だった気も。
2投稿日: 2022.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今なら、防犯カメラがあるので、こんなことできないだろうなーと思いながら一気読み。 不倫はだめだが、キャロルの行動力はすばらしい!
0投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
妻殺害の容疑で逮捕された主人公。無実を主張するが有罪判決が下され、死刑が宣告される。アリバイを証明するには、街で出会った女の証言を頼るしかない。しかし彼女の名前もどこにいるのかもわからない。友人や主人公の恋人、刑事が必死に探すが見つからない。主人公が話す女は本当にいるのか。主人公の死刑が迫る中、関係者は不審な事故死を遂げていく。っていうミステリ小説。 叙述トリックの名著らしいので読んでみた。世界観や人物たちの描写がちょっと古くさいけど、1942年の作品なので仕方ない。 幻の女の正体、事件の真犯人が気になるので読み進めてしまう。終盤、刑事は真犯人の目星がついていたことがわかる。けど確証がないから言わなかったって、読者にも明かさないってずるいでしょ。 そして幻の女。もっとも気になっていたんだけど、事件の少しあとに精神病が悪化して入院。記憶がないので名乗り出ることができなかったってのもずるい。すっきりしない。 スリリングな展開は楽しめるけど、後から実はこうだったと明かされると、都合よく配置されていただけなんだなと気づいてしまう。
0投稿日: 2022.10.13
powered by ブクログタイムリミット・サスペンス・ミステリの古典。ミステリ好きなら必ず一読したい作品。死刑執行に近づくにつれ、高まる緊張感。最後のどんでん返し。幻の女。たまらない興奮を感じることができるだろう。
1投稿日: 2022.07.05
powered by ブクログ犯人わからなかった!結末を知るとあぁ、たしかにあの時違和感あったんだよな、とか、そうだったのか!とか色々思う(笑)おもしろかったです。
1投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミステリーの古典でどんでん返しの結末、それだけでも興味津々ですが、 J・ディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズの面白さを知った私が本作を手にするのはもはや必然だったように思います。 エドガー・アラン・ポーのモルグ街の殺人から始まった推理小説の歴史。 本作も不朽の名作であることは読めばわかります。 主人公は株式ブローカーのスコット(職業は本作では全く重要ではありません)。 妻となんとか離婚をしようとしていたスコット、それまでとは手法を変え食事と劇場に妻を誘う。 直前になって行かないと言い出す妻と激しい言い合いの末に家を飛び出したスコットは何気に立ち寄ったバーで不思議な帽子をかぶった女性と出会い、妻と訪れるはずだった食事と劇場にその女性を誘う。 出会ったバーで再度酒を飲み、何事もなく女性と別れ、家に帰り着くと警官が。 スコットが外出している間に妻が絞殺されており、スコットは殺人容疑で勾留されてしまう。 妻の死亡時刻にはバーにいたと言うスコット。 彼がその時間にバーにいたことが証明できればスコットの無実は証明される。 しかし、バー、レストラン、タクシー、劇場の関係者はスコットは1人だったと証言し、彼は電気椅子による死刑を宣告される。 スコットに残された時間はわずか。 彼の無実を証明できる唯一の存在、"幻の女“はどこに消えたのか? スコットは"幻の女“探しを親友であるジョンに依頼する。 友の為、ジョンは"幻の女“を探し始め、手がかりを掴むごとに情報源となった人々が次々に不審な死をとげます。 スコットが処刑されるまさに当日、ジョンはついに"幻の女“に辿り着く。 ジョンと時を同じく、スコットの無実を証明しようと走り回っていたのが、彼の若い恋人(愛人)キャロル。 裁判でのスコットの発言からもしかしたら彼は真実を語っているのかもと疑念を持ち始めた刑事バージェス。 三者三様で追い詰めた"幻の女“。 そこで明かされた驚愕の真実。 もはや古典とも言われる本作ですが、全く古さを感じることなく読み終えました。 説明 内容紹介 創立70周年記念作品 不朽の名作、ついに新訳版で登場! けんか別れした妻が殺された。そのとき、夫は街で出会った奇妙な帽子の女と過ごしていた。唯一の証人は彼女だけ……今はどこに?(解説:池上冬樹) 内容(「BOOK」データベースより) 妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか?最新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) アイリッシュ,ウイリアム 1903年12月4日ニューヨークに生まれ、1968年9月25日ニューヨークのホテルに死す。コーネル・ウールリッチやジョージ・ハプリィ名義でも作品を発表 黒原/敏行 1957年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
27投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログ綺麗なミステリーで、途中解決するか不安だったけど、最後は納得。人間って脆いし、この本では野生的な面が人をダメにしたとあったのは時代か、アメリカの考え方なのだろうか。 面白かった。
0投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログ死刑宣告をされた男が、自分のアリバイを証明してくれるはずの"幻の女"を探す……もうこのフックだけで最高の作品だと分かる。 序盤はこのフックが興味深く、中盤はサスペンス調で進んでいく調査に釘付けになり、終盤ではあっと驚くクライマックスが待っている。 加えて文章表現も豊かで、キャラクターや情景がスッと頭に浮かんでくる。本文一行目を読むだけでも楽しめる(もちろん一行目を読むと二行目が読みたくなるのだが)。 どこを取ってもおもしろい、不屈の名作である。
0投稿日: 2022.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いつものように喧嘩して別れたのに 帰宅してみたら 妻が死んでいた。 その間 自分は見知らぬ女性と 食事をして ショーを見ていたのに その事を証言してくれる人が誰もいない。 そして死刑を求刑されてしまう。 その後 友人が色々骨折ってくれる。 各章のはじめに 死刑執行前 ○○日 となっていて 時間がどんどん進んでいく様子がわかる。 もしかして 幻の女というのは 本当に幻あるいは 幻覚なのかと思っていたら 証言してくれそうな人が どんどん直前で死んでしまう。 となると 誰が犯人なのだろう? 最後まで 予測できなかったです。 ネタバレです 犯人は自分を助けてくれようとしてくれた友人だったんです。 友人は実は 奥様と不倫関係で 彼女は 本気ではなく 遊びだったのに 友人が熱を上げていて ふられたので 衝動的に殺してしまった。 ついでに 犯人を 友人にしてしまえと いう事でした。
7投稿日: 2022.03.12
powered by ブクログほぼ30年ぶりの再読。 本作のすごいところは 1)「東西ミステリーベスト100」(文藝春秋)の2位、「ミステリーハンドブック」(早川書房)の堂々1位 2)戦後まもなく本作の原書を読んだ江戸川乱歩のメモ「世界十傑に値す。(中略)。不可解性、サスペンス、スリル、(中略)、申し分なし」 内容については何も書きません。とにかくお読みください。3回目を読んで、やはり本作が個人的ミステリーベストワンです。 読んでない人は幸せです。
6投稿日: 2022.02.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
“夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった“ もちろん原文もだが、やはり訳も素晴らしい。 洒落た表現、抒情的な雰囲気、読み始めてすぐにハマってしまった。 展開も読者を飽きさせず、現代的な視点で見るとどんでん返しは少し弱いかもしれないものの(もちろん驚きはしたが)、最後に明かされる絨毯のトリックや、“幻の女”を見つけてヘンダースンの無罪を証明するのではなく、代役を立てて真犯人の有罪を示すという転換などは単純にミステリとして面白い。 スーッと影が引いていくような幕引きも美しい。 まさに名作。 いやー良いもの読んだ、って感じがする。
5投稿日: 2021.12.24
powered by ブクログ名作と呼ぶのにふさわしいのは、いつの時代に読んでもおもしろい作品であり、まさにこの本は名作としか言いようがありません。 読んでいて登場人物の顔や服装や街の情景が目に浮かぶ表現力の高さはまるで映画を見ているよう。信用できない人間ばかりの中でヒロインの健気な姿には胸を打たれました。目次を見れば大筋がどういう展開になるかどうなっているのか解っているのに、まったく先の読めないストーリーでラストまで一気に読むことができました。
2投稿日: 2021.08.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古典ミステリを読もう企画 まさに映画。 ミステリというよりサスペンス色強く進むが、ラストでどんでん返し。 本物の幻の女がなんかパッとしないけど、連れてかれる女が実は…というのは面白かった。 解説にもあったが、ミステリらしからぬ詩的な文章が多かった。 カウントダウン章と次々と死んでいく証言者たちとハラハラしながら読めた。
1投稿日: 2021.07.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
未読だった海外ミステリ古典中の古典。 妻と仲たがいし、苛々しながら街へくり出したスコットは最初のバーで出会った特徴的な帽子を被った女に声をかけ、その日妻と行く予定だったレストラン、観劇へ誘う。 とらえどころのない女との一夜のデートに気が落ち着き、家へ帰ったところに待っていたのは、刑事たちと妻の死体。 さすが名作と言われる古典。 色褪せないリーダビリティを備えている。 今更読むとなるといささか古めかしい構成や展開(次々と消えていく重要人物。。。)だが、タイムリミットサスペンス、どんでん返しの原型なんだろうなぁと思うと感慨深いものがある。 幻の女のふわりとした存在感、消えゆく様はもう一つのストーリーとしてはかなく秀逸。
8投稿日: 2021.04.17
powered by ブクログ乱歩が「新しき探偵小説現れたり。世界十傑に値す。直ちに訳すべし。不可解性、サスペンス、スリル、意外性、申分なし……」と 表紙裏に書いたという作品。 海外ミステリってあまり読んでこなかったのですがおもっしろかったー! 1942年の作品ということですが全く古びてない。 一章目を読んで、ふむ、という感じで二日ほど空いて二章目から読みだしたのだけど、これが偶然にも私にとっても「幻の女」感が強まってよかった。笑 思い出そうとしても確かに曖昧になってる。 パンフレットの角を折っていた、なんて言われてやっと思い出したよ。 章名がカウントダウンになっているのも上手く、 死刑執行が刻一刻と迫ってくる切迫感に急かされて最後まで一気読みしてしまった。 ここで同じ作者の「黒衣の花嫁」もおもしろいとの感想を見たので読んでみます。
2投稿日: 2021.04.04
powered by ブクログヘンダースンは妻と喧嘩をし、誰でもいいからと知らない女(幻の女)と食事をし、観劇をして家に戻ったら、妻が死んでいた!!疑われるヘンダースン。アリバイを証明してくれるはずの幻の女は一向に見つからず、更に一緒にいた姿を見ているはずの人々は口を揃えてヘンダースンは1人でいたと証言… もう、どういうこと!?迫り来る死刑執行日にドキドキしながら、先が気になって気になって夢中で読みました。ラストもスッキリ、新訳もわかりやすいし読んで良かった!
4投稿日: 2021.02.07
powered by ブクログミステリの初心者に良心的かもしれない。 ストーリーのシンプルさ、タイムリミット、詩的表現、どんでん返しと、さほどミステリを読まない方でも味わえる食材が多い。 それでいて、今読んでも見劣りしない出来。
1投稿日: 2021.01.20
powered by ブクログ『幻の女』は、アメリカの作家ウィリアム・アイリッシュにより1942年に発刊された、ミステリー小説『Phantom Lady』。 当時でも相当な衝撃があったようで、戦後日本でも江戸川乱歩から紹介されるなど、特別な物語という。 2015年新訳は「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」で始まり、ラストまでスリリングで予測不能なまま、ページをめくる手が止まらない。 読み終わったのは午前3時。まだ日曜でよかった。 読んでない人の為に、ストーリーは書かない。全ては読んでみてのお楽しみ。
4投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログ謎解きミステリというよりもサスペンスな小説。途中で話の展開が単調でちょっと退屈かもと思った人はおそらく結末で騙される。 物語そのもの以外にも魅力的な部分のある本だが、おそらく原文(英語)の方が詩的で美しいフレーズが楽しめるのだと思う。
2投稿日: 2020.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み進むにつれて、主人公の寿命が縮まっていく。このまま死刑が執行されるのではないかとドキドキしました。 参考人を手繰り寄せても、プツンとキレてしまう。何度も繰り返し、はじめ幻の女はいなかったのではないかと考えましたが、彼ら参考人の存在の裏に事実を隠蔽する人が見え隠れし、やはりまぼろしの女はいるんだと。事実を隠蔽する人物には、見事に騙されました。
2投稿日: 2020.05.13
powered by ブクログ最後はばーっと、飛ばし読みしてしまったが、なるほどなるほどな結末でおもしろかった。 外国の物語は、ちょっと苦手。名前も外国でややこしや。
2投稿日: 2020.04.20
powered by ブクログ名作の声高い本作を遂に読む。 表紙裏の紹介文、妻と喧嘩して街に出て、ある女と劇場に行き、帰ると妻が殺されていた。アリバイはその女だが誰も見ていないという。それで幻か、と興味をそそられる。 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」(The night was young,and so was he. But the night was sweet,and he was sour.)冒頭の文が一番印象に残る。そしてこの一文が事件の内容をすごく表していると思う。この本は新訳なのだがここは旧訳の稲葉明雄氏のままにしたということだ。 ここずっとクリスティを読んでいて、犯罪をとりまくからまった家族の人間関係に浸っていたので、装飾のある文体に慣れないのと、被害者と加害者の人間が読んでる間は見えてこなかった。 まあ最後の刑事さんの説明で若い彼の生活は見えたのだが、「幻」になってしまった女のからくり、分かってみるとあっけない。映画とか2時間ドラマならぐいぐい引き付けるだろう。 1942発表 2015.12.25発行(新訳版) 2016.3.10第2刷 図書館
4投稿日: 2020.03.04
powered by ブクログ変わった作品だった。最初の方でに主人公がナンパして一緒に食事をした女性の顔を思い出せないために殺人犯にさせられてしまう。「いくら初対面でも数時間一緒にいた人間の顔をまったく覚えていないはずがないでしょ!」と、かなり違和感を覚えた。 しかし、なぜか続きを読みたくなってしまう。「寝る前に10分」と思って気がつくと30分経っていることが3回。さらに、”ある女性がバーのカウンターで開店から閉店までバーテンダーをガン見し続ける””という描写を読んだら、理由なく気持ちが高揚してしまい目がらんらんに。結局一晩眠れなかった。 とにかく不思議な魅力のある作品だった。でも事件の結末はかなり強引。そんなに人は簡単に死なないし、そんなに都合のいい人間なんて見つからない。なので自分的には4.5点。
4投稿日: 2020.03.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2020.2.21読了 古典の名作とのことで手に取り、時間をかけて味わった。 表現に装飾が多くまどろっこしく感じたのは始めだけで、ストーリーの面白さに引き込まれ、どんでん返しが評価されてると知っていたはずなのに驚かされた。 純粋に楽しめた作品。さすが古典として残り続けているだけあって、古びてない。 しかし、世の中が便利になればなるほど、こうした味わい深いお話は生まれにくくなるだろうと思う。現在にもし置き換えたなら、人探しなどあちこちに設置されたカメラやSNSによってこれほど苦労することはなさそうに思うし、そもそも情報が多すぎて一人の死刑囚のことを誰もが知ってるという状況にはなりにくい。口止めは容易ではないし、科学捜査の精度は上がっているだろう、建築物の安全対策は法律で厳しく取り決められているし、状況証拠だけで死刑判決とはならないかもしれない。我が国で考えれば、執行日を明確にカウントダウンすることはできないだろう。 なんてあれこれは野暮な話。お話に身を委ね行き着く先をぼんやりとしか意識せず流されていくことで鮮やかに欺かれる心地の良さは、良質の読書体験そのものと言って良い幸福な時間だ。
9投稿日: 2020.02.24
powered by ブクログ西の空は、紅をさしたように赤く空もデートに出かけようとお洒落をして、星をふたつ、ダイヤのブローチがわりに夜会服に飾っているよう。並木道でまたたきをはじめたネオンサインは、今夜街に出ているすべての人たちと同じようにウインクをして通行人の気を惹こうとしていた。 タクシーのクラクションは、陽気に歌い、空気は、ただの空気では、なく爽やかに、泡を立てるシャンパンのようで、そこに香水をたっぷりとふりまいたかのようだった。 気をつけてないと、この空気は頭にのぼってしまう。さもなければハートを、酔わせてしまう。 チカチカブンの女の人ほんとにいた!カルメンミランダ 訳がすごくおもしろくてきれい!! 話の内容は、まぁほぉおほぉって感じで最後は、真犯人逮捕にむけてがんばってうごいた不倫相手と結ばれるの珍しいなっておもった。親友が犯人っていうのは、すごく うーんなんていうか、本当にこういうミステリー系には、決まった犯人がいるんだよなっていう確実なネタバレを感じてしまった笑まぁまぁかなーでも昔の映画で映画としてやってる白黒とかチカチカブンのフルーツの帽子は、ちょっと感動した!幻の女は、入院か…なんか他にもう少しひねりがほしかった!
1投稿日: 2020.02.20
powered by ブクログアガサクリスティー以外の推理小説を久しぶりに読んだ。時代を経ても決して色あせないこのジャンル。後半すぐに犯人がわかったけど、それでもなぜ?と疑問が残ったまま、ラストまで一気読み。タイトルの幻の女を巡って翻弄された主要人物たち。一縷の望みをかけてある行動に挑んだ結果は予想だにしないものだった。
5投稿日: 2020.02.20
powered by ブクログ夫が図書館で借りたので、ついでに私も読んでみました。 有名な古典ミステリだそうですが、私は知らなかったー 妻殺しの容疑で死刑判決を受けた彼を救えるのは、犯行時間のアリバイを証明できる「幻の女」だけ。 死刑執行日までに名前も知らない彼女を探そうと立ち上がったのが、刑事と親友と愛人。 手がかりを得ては空振りで終わるじれったさや焦りがドキドキ感を盛り上げ、一気に読むことが出来ました。 騙された!面白かった! (古典ミステリなので、少々偶然が多すぎたり展開が強引だったりで現代ミステリと比べるとリアリティに欠けるんですが、そのあたりにはこだわっちゃダメです(笑))
3投稿日: 2020.02.14
powered by ブクログ本屋の平積みで見て購入。前の訳で読んでいるはずなのだが,老人力がついたせいで全く思い出せず,面白く読了。トリックがちゃんとある由緒正しいミステリー。
5投稿日: 2019.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
黒いトランク→江戸川乱歩→江戸川乱歩の挙げる10大小説→本書 という流れでたどり着いたと思う。 本格推理小説というわけではないのかもしれない。サスペンスという分類なのだろうか。論理的に破綻がないような(最後に全て説明がつけられるような)緻密な構成にもかかわらず、最終盤でいわゆる「どんでん返し」が待っている。 ただ、本書の「どんでん返し」は、現代のミステリーを読み慣れた読者であれば、もしかすると驚きの度合いが小さいものであるかもしれないとも思った。もちろん、自分にこんな素晴らしい小説が書けるかといわれれば、絶対に書けないだろうが、現代で「意外な結末」と話題になるほどのミステリーは、さらにもう一捻りというか、より独創性を求められているようにも思う。しかしそれは、ミステリというジャンルが持っている宿命的な「意外性のインフレ」の結果なのかもしれない。 本書の優れている点は、結末の意外性にのみあるのではなく、冒頭の「幻の女」との一夜から始まる、それこそ夢幻的な読書体験を提供してくれることにあると思われる。本書におけるアメリカの夜の街のイメージは、華やかで楽しげな一方、怪しく幻のように脆く危険であり、しかもそこから逃れられないような印象を受けた。結末部分で明らかになった「幻の女」の現状も、哀れで儚いものだけれど、それだけに冒頭の幻の一夜の情景が、たった一夜のことなのに、印象強く(作中主人公は記憶がおぼろげなところはあっても)、刹那的であるゆえに美しくさえある。たった一夜の出会いや出来事が、例えもっと些細なことであっても後に何かにつけて思い出されたり、本書のように実際にその後の人生の重要な局面で再登場したりすることは現実にもあるのではないだろうか。 本書の大部分を占める、主人公のために恋人や親友が証人を探そうと奮闘する場面も、次々に様々な証人達との対決が描かれ、飽きさせない展開だった。またここに登場する麻薬の常習者や、裏にそれぞれ個人の単純でない事情を抱えて生きている人たちの姿は、大都会ニューヨークの暗部と言おうか、たくましくも陰惨なものだった。 全体を通して見通しのきかない、霧に包まれた都市の姿のような小説だったが、夜景のように美しい詩的な描写もある、優れた古典的名作である。
3投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログもちろん、まずは稲葉訳のあの美しい書き出しの一文がどう訳されているのか、真っ先に確認。 そうだよね、そうなるよね。 細かいところはすっかり忘れ、自己演出で捩じ曲げて記憶しているところも多々あったけれど、リリカルでクールで、素晴らしい。 何十年ぶりで、オトナになった(はず?)の自分が読んでもやはり素晴らしいのだった。むしろ今の自分のほうが、人物造型に感心するところが多いかもしれない。 1942年の作品だが、現代に置き換えても充分にいける。 ラストの1文こうだったっけ。洒脱だなあ。
3投稿日: 2019.05.28
powered by ブクログ殺人事件は一つしか起きないので、この分量のミステリーにしては事件自体はシンプルだと思います。 ただ、登場人物一人ひとりのキャラが立っていて、おもしろい! そして中々犯人が分かりそうで分からない。。 帯(「江戸川乱歩が絶賛した大どんでん返し!」)につられて買いましたが、つられたかいがありました。笑
3投稿日: 2019.04.29
powered by ブクログ妻殺しの罪を着せられ、死刑執行を待つばかりのスコット。事件の直前に行動を共にした謎の女だけが彼のアリバイを証明できるのだが、杳として行方がわからない。そんな彼を救うべく、親友ロンバートとスコットの恋人キャロルが謎の女を探し始める。 ”古典的ミステリの傑作”とのことで、期待しつつも古い作品だしどうなのかな、などと思いながら読み始めたところ、手に汗握る展開にびっくり! どんでん返しが鮮やかに決まり、ひさしぶりにミステリの醍醐味を味わえた。
2投稿日: 2019.04.14
powered by ブクログ50年以上前に書かれたものだがサスペンスとして 中々凝った作品であった。 やや文体が昔風なので読み辛い部分もあったが 現代でも通じる面白さだ。
1投稿日: 2019.02.27
powered by ブクログ叙情的なのに簡潔かつ適確な文体。サスペンスと謎で引っ張るプロット。どんでん返しのラスト。完璧な作品だ。個人的な飲みだけどラストですべての謎を明らかにしてしまうので余韻が足りない。
1投稿日: 2019.02.07
powered by ブクログザ・どんでん返し。予想出来なかった、面白かった!読み始めると止まらなかった。これが1942年の作品だなんて…何年経っても色褪せない名作。
1投稿日: 2019.01.11
powered by ブクログ「ミステリーの詩人」と言われる感じが 随所に見られる。 捻りのこの感じを、ディーヴァーより何年も前にやっていたのもすごい。 同様に幻の女を追うことになる 「償いは、今」よりも 「空気感の描写の美しさ」と「展開のツイスト」の二つの良さが際立つ。 名作と言われる理由だと思う。
2投稿日: 2018.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。ーー有名な冒頭の一文で始まる名作サスペンス。新訳版でも冒頭の名句はそのままでした。 妻と喧嘩し家を飛び出した男は、パンプキンのような風変わりな帽子を被った見ず知らずの女とバーで出会う。気晴らしに彼女と食事をし、ショーを観て、酒を飲んで家に帰った彼を待っていたのは妻の遺体と刑事たちだった。彼のアリバイを証明できるのはたった一人、帽子の女だけだったが、その夜いったバー、レストラン、劇場のどこでも彼と一緒にいた女は目撃されていなかった・・・ 死刑執行150日前の章からカウントダウンしていくタイムリミット・サスペンスは章が進むごとに緊張感が高まっていく。やっと「幻の女」に繋がる手掛かりを掴んだと思った端から手からするりとこぼれ落ちるように、重要な証言者が死体となって発見される恐怖ともどかしさ。 「第21章 死刑執行日」「第22章 死刑執行時」を読むころにはドキドキは最高潮。そして江戸川乱歩も絶賛したという驚きのラスト。 1942年に刊行されたにもかかわらず、今読んでも決して古びることなく面白い。さすが、ミステリーの古典と呼ばれるだけのことはあります。
3投稿日: 2018.12.20
powered by ブクログ妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか?最新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。(裏表紙) 出だしと結末で有名な、もはや古典と呼ばれる一冊。 読み終えるまで、書かれた年代(1942年)を全く意識せず、「少し前の時代だなぁ」程度に思っていました…。 ミステリとしては首をひねる部分もありますが、タイムリミットが迫ってくるさまはまさにサスペンスで、一気に読めました。
1投稿日: 2018.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2018.7.8 宮部みゆき「火車」の読書会参加時、類似書としておすすめされたので、火車を忘れる前に読んでみた。 火車との類似点は、・終始キーパーソンである女性を探すこと・事件性を伴っていること・最後まで女性が出てこないこと である。どちらも上記3点が話の大筋であるので、酷似であることは間違いなかった。 火車では、それ以外に、カード社会への問題定義がクローズアップされているので、別物になり得ている。 本書の特徴としては、外国ものである故(偏見?)、おしゃれな言い回しが多い。しかしそれゆえの読みにくさはなくて、死刑執行の時間制限が設けられているため、スピード感を以って引き込まれる。 冒頭の訳はとても有名だそう。そういわれると、確かにうまいなと思う。 “夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。” 「江戸川乱歩絶賛のどんでん返し」という帯通り、まさかの犯人であったが、動機など無理があったかなあと。主事件も、隠ぺい事件もばれないもんかなあという疑問が残りつつもしっかり盛り上げてどんんでん返される展開だったので良かった。 どんでん返しに多少の無理はつきものですな。 物語の構成は、主人公が妻の殺人容疑をかけられ、唯一アリバイとなる女性を探すため、刑事の指示で主人公の彼女(不倫)と友人がそれぞれ奮闘する。 やっとの思いでヒントが出ると、証言者がことごとく事故で死に、初めからとなる。この展開になんでや!!!なんでや!!と思いつつ・・ なんでなのか後半で判明してすっきり。けど!半分はほんとに偶然の事故だった。どんでん返しに無理はつきもの・・・ 多少無理はあったが、全体的にはスピード感もあって、最後まで引っ張ってしっかり驚かせてもらったので良かった。 ハッピーエンドだし!
1投稿日: 2018.07.19
powered by ブクログ最初の一文で心を掴まれ、ぐいぐい読み進めてしまった。最後のセリフの軽やかさも、the海外ミステリって感じで好き。
1投稿日: 2018.03.16
powered by ブクログ海外ミステリーの超有名作「幻の女」は絶対に読むべき作品です。 恥ずかしいながらこの作品は知っていたものの、今まで読んでいなかったことに後悔しています。 かなり古い作品ではありますが、かなり面白いです! この作品の最大の魅力はズバリ謎です! 殺害容疑をかけられた主人公のアリバイを唯一証明してくれる「幻の女」を探し出す物語となっています。そこから明らかになる真実にあなたは必ず騙されること間違いないです! また、サスペンスとしての色もかなり強いと思われます。 とにかく先が気になって手が止まりませんでした。 読んだ方には分かると思いますが、作中に出てくるある人物がかっこよすぎです(笑) 最近新訳版も出ていて凄く読みやすくなっています。 まだ未読の方はぜひご覧になって下さい!
7投稿日: 2018.03.08
powered by ブクログミステリにはあまり興味がなかったし、海外小説も殆ど読まないけど、ちくまの「絶望図書館」にアイリッシュの短編「瞳の奥の殺人」が編まれていて、別の作品も読んでみたくなり購入。ストーリーはもちろん、詩的で幻想的な文章は描写が的確でまるで映画を観ているかのよう。見事にハマりました。
1投稿日: 2018.02.03
powered by ブクログこの展開はまったく予想できなかった! まさにどんでん返しの本書は、1942年に出版されたウイリアム・アイリッシュの名作ミステリー「幻の女」です。 あらすじは簡単。無実の罪を着せられ、死刑執行の迫る男。その罪を晴らすべく男の友人は、彼のアリバイを唯一証明する”幻の女”を探してニューヨークを駆け巡る!果たして”幻の女”は見つかるのか!? テンポのいい展開で読ませる読ませる。そのためか、ちょっと「ん?」と疑問に思ったところも気にせず読み進めていましたが、まさかあんな展開が待ち受けているとは…最初は意味がわからず前後を二、三度読み直しました笑 そして、あらためて読み返してみると、巧妙に仕組まれた構成になっていて感心するばかり。こりゃあ古典的名作と評されるのも理解できます。 ところで、そもそも犯行当日から僅か150日で死刑が執行されるのか?という重箱の隅をほじくるような疑問が読み始めた時から抱いていました。執筆当時と時代は違えど、現在では刑の確定までに膨大な時間を要するし、はたまた死刑執行となると相当程度の期間がかかるという印象。 ということで興味本位でかるーく調べてみました。参考になったのは電気椅子による死刑執行の写真で有名なルース・スナイダー事件。こちらは1927年3月に犯行に及び、死刑執行は1928年1月。150日ほど短期間ではありませんが、まあ程度としては似たようなもの。昔はそんな短期間で処刑されていたのかとちょっと勉強になりました。
1投稿日: 2018.01.20
powered by ブクログ本屋さんで江戸川乱歩が大絶賛!というような見出しを見たのがきっかけで読んだ。最後にいろんな謎が一気に解決されるけど、手が混みすぎなものが多くて、少し現実味がないようにも思えた。翻訳だからか、古いからか、読みやすい文章とは言えず、しっかりと理解しながら読み進めるのは正直疲れた。
0投稿日: 2017.11.02
powered by ブクログオールタイムベストでの上位ランクミステリーで1942年の作品。 クラシック的な評価も盛られてる感じはしますが 75年前に書かれた小説と考えてると名作なのかな 謎解きはちょっと強引に感じましたが タイムリミットが設定されたハラハラドキドキの サスペンスを楽しむ小説なんでしょうね 期待が高すぎた感じかな ヒッチコックの『裏窓』の原作者だそうです
0投稿日: 2017.10.19
powered by ブクログ「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」――という印象的な冒頭から始まる1942年刊行の名作サスペンス改訂版です。 一夜にして最愛の人を失い、無実の罪を問われた主人公スコット。自分の無実を証明するため昨晩ともに過ごした“かなり個性的な帽子をかぶりこなした”女性を探そうとしますが、スコットの足跡を辿ると不思議なことに例の女性の痕跡が見当たりません。酒場の亭主も、タクシーの運転手も、誰一人彼女を「知らない」と言い、「スコットは一人だった」と証言します。 読み手も、どこまでが真実でどこまでが虚構なのか混乱することに。 「幻の女」の行方や関係者の不審死、そしてスコットの死刑執行日へのカウントダウン……謎が謎を呼ぶ焦燥感溢れる展開に一気読みでした。終始古き良き時代のフィルム映画を観ているような描写も印象的です。 真相部分は賛否分かれそうですが、結末に至るまで読み応え十分だったので満足です。 ============== ・“The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.”
5投稿日: 2017.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある男に無実の罪での死刑執行が迫る.彼のアリバイの証人(=幻の女)を追うサスペンス. 古典中の古典らしいが,ANAの機内誌中の誰かのエッセイで取り上げられており,旅先で買ってみた.出張中に読み始めたにもかかわらず,数日で読破.手がかりのしっぽが手の中から逃げていくことが何度も繰り返されるサスペンス性の高さもさることながら,75年前に書かれた小説とは思えないほど読みやすく(「新訳」ということだが),熱中して読み終えてしまった. 少し最後の種明かしパートがくどいようにも思えるのだが,万人にお勧め.
1投稿日: 2017.07.16
powered by ブクログいっしょだったというのに。 行ったはずの先々で誰しもが「いなかった、見ていない」と証言する、謎の女性。 死刑執行日までのカウンダウン。 見つからぬ手がかり。 尾行、心理作戦、次の死。 サスペンス感もあって楽しめた。 キャロルが健気。 私の中では、古いレンガビルが建ち並ぶ、霧のロンドンのような空気感で展開(本当はアメリカ) 読み落としたかなという点もあり、ネタはわかってもなお、もう一度読んでみたい。
1投稿日: 2017.07.02
powered by ブクログ事件発生の死刑執行まで150日前から91日前、 と急に跳び、さらに21日前へと期限が迫る中、 誰がどうやってひっくり返すのか、 まさか「どんでん返し」とは無実の罪で 死刑が執行されることなのか、と読み進める。 掴みかけた手がかりが、消えていく中で 明らかに第三者の意思、意図が見えてくるが さて、それは誰か。。。。 そうやって楽しんでみると、幻の女の正体が 分かってしまえば、ちょっと拍子抜け。 でも、そうでもなければ幻であり続けるのが困難なので 後から思い返せば、よく考えられているのかな。 最後に、バージェスさん。プロなんだから、 よくよく考えてみるとじゃなく最初から頑張りなさいよ。
1投稿日: 2017.06.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この文体になじめなかった。 詩的な文体と言えば聞こえはいいけど、単に仰々しいおべっかと僕には思える。 ごてごてしい言葉を使おうが語と語の合間から湧き上がってくるパワーを感じなければ、それは「詩」とは言えないだろう。 またこの本の最大の謎かけである「幻の女」の正体がなんともあっけない。ポエジーを感じないね。 そもそもミステリーに期待しすぎる。 帯に「全てのどんでん返しを過去のものにする」とかあったけど、ごく普通のミステリーだと感じた。 バージェスとキャサリンは絶対グルになって殺人をもみ消しているに違いない。 そうでないと言うのなら、僕はお前の言うことなんて一切信じないぞ。
0投稿日: 2017.05.27
powered by ブクログ犯人もそんな感じなのかなと思ってしまったし、女の人もそんなオチ?というようなちょっとがっかりが強かった。 期待値が高すぎたのか、読んでいる途中ワクワクからえ?終わり?感が強かった。
0投稿日: 2017.02.27
powered by ブクログ妻殺しの嫌疑を掛けられた男。 無実を証明するためには、 ある晩6時間だけ共に過ごした女を 証人として見つけ出すしかない。 だが彼らと接触した人々は皆、 その晩男は一人きりだった証言する。 男の無実を証明するため、 彼を信じる者達が幻の女を探し回る。 ストーリーはよく知られている。 幻の女は本当に実在するのか、 実在するなら、何故人々は 「見ていない」と証言するのか。 妻を殺した真犯人は一体誰で、 目的は何だったのか。 謎だらけ。 新訳だけあって読み易い。 ハードボイルド調の洒落た文章が 物語の雰囲気を高めていてた。 死刑の期日が刻一刻と迫って来る中、 光明が見えた途端に消えてゆく歯痒さに 無実の罪を着せられた男と同じ 焦燥を感じ、頁を捲る手が止まらない。 そして待ち受けていた、驚愕の真実。 エグいくらいに面白かった…
1投稿日: 2017.01.25
powered by ブクログ前々から(それもかなり前から)気になっていながら未読だったこちらを読みました。 珍しく1日で一気に。 それだけの名作です。 さすが古今東西のミステリー・オールタイムベストのような企画があると必ず上位にランクインしている作品だけありました。 1942年刊。すでに「古典」の部類と思いますが、色褪せませんね。大いに楽しませてもらいました。
1投稿日: 2016.11.21
powered by ブクログ夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。 最初の一行に、衝撃を受けました。 カッコイイ。 というか、「あ、これって決まり文句?名文句?としてどこかで聞いたことがある…これが出処だったのか!」と思いました。 # 1942年、アメリカ小説。 いわゆる「海外ミステリーの古典」です。 レイモンド・チャンドラーさんが「大いなる眠り」を出したのが1939だそうなので。文体としてはチャンドラーなどの影響下、というか同世代と考えていいのでしょうか。 一人称ではなくて三人称なんですけれど、乾いて洒落て気の利いた文体で世界観に持っていってくれています。 # ウィリアム・アイリッシュさんの作。 ぢぁあこの人はアイルランド人なのかというとよく知らないのですが、アイリッシュはペンネームで。コーネル・ウールリッチという本名でも色々書いている人だそうです。 「黒衣の花嫁」も書いてはる、ということを初めて知りました。トリュフォーさんの監督した映画の原作ですね。 # ずっと昔。多分30年くらい前から本屋さんで背表紙は見ていた本。 今回、なんとなく、とうとう読んでみました。 40年代、ニューヨーク。夜。 若い男が、バーで初対面の女性に声をかける。 女は奇抜な帽子が目立つ、妙齢のたたずまい。 二人は名乗ることもなく、食事をして軽演劇を楽しんで、名乗ることもなく別れる。。。 若い男は、若い妻と大喧嘩して飛び出してきた勤め人だった。 妻との中は冷えて、今は別に恋人がいる。 すべて正直に話したが、妻は意地悪く離婚に応じてくれないのだ。 憂鬱な気分で帰宅した男だったが、待っていたのは。 自分のネクタイで絞め殺された妻の遺体と、彼を犯人と信じて疑わない警察だった…。 逮捕された男は、 「奇抜な帽子の女、あの女が僕のアリバイを証明してくれる」。 だが、その女は幻のように消えてしまった。 その女と彼を見たはずの店員たちも、「そんな女は知らない」と口を揃える。 死刑が確定した男。 絶望に陥る彼を、友人と、恋人、ふたりが励ます。 「死刑執行のその日まで、絶対に、幻の女を探し出してみせる」 # なかなか、面白かったです。 ミステリーっていうのは。 (何だか偉そうで恐縮なんですが) だいたいが、謎がありまして。そうぢゃないとちょっと盛り上がらない。 で、その謎は最後には解けることになるんですけど。 謎の解け具合とか、真相のトリックとか、そういうことのリアリティだとか信憑性とか説得性とかっていうのは、実はまあ、それほど重要ではないと思うんです。 (だからと言って、「宇宙人でした」「超能力者でした」みたいなことでも、それはそれでちょっとまあ、どうなんだろう、とは思いますが。でも持って行き方が面白ければ、ありですね) 大事なのは、そのミステリアスな、謎めいた感じの、ちょっと不安でふわふわして、足元がしっかりしていない、サスペンスな味わいっていうか。 前半から中盤にかけて、その謎や問題で、どういう世界観を見せてくれるのかなあ? みたいなことが、キモなのではないでしょうか。 # という訳で。 「幻の女」も、最終盤、謎解きに関して言うと、「ああ、なるほどね」と思いつつ、「それぁちょっとひどいなあ」なんてニヤッとしちゃったりもするんです。 でも、中盤過ぎまで、終盤までの、なんというか。都市の闇、夜な味わい。ダーク。犯罪。わくわくする欲望と、ゾクゾクする恐怖。そして飽きさせない展開。 そんなところで、十分に楽しませてもらいました。 そして、原文がそうなんでしょうが、文章素敵ですねえ。 やっぱり、それも冒頭が、ノック・アウトでした。 ネットで見たら昭和の英文翻訳家の人が「どれだけの人が衝撃を受けただろう」とおっしゃってるそうです。 歌謡曲の「恋人よ我に帰れ」に似たような一文があるそうで、そこから着想した一文だそうですけど。 僕も、何も知らずに読み始め、冒頭、「おおおおお」と、目を丸くしました(笑) 名文、っていうのは、力がありますね。意味を超えて。いや、名文そのものに表現としての意味が、あるんですね。 # 以下、ネタバレ備忘録 ●苦労して何人かの証言者が見つかる。「何者かに脅されて、あの女を見なかったと警察に言え、と言われました」 ●だがその証言者たちは、次々と殺されてしまう。 ●実は、奔走していた友人が、犯人だった。主人公の妻と、不倫関係。痴情もつれて、殺し。証人も自分で見つけては殺していた。 ●最後、警察と恋人が、真相を見抜いて逮捕。めでたし。 ●奇抜な帽子の女は、なんと精神病院の入院患者でした…。
1投稿日: 2016.11.11
powered by ブクログミステリーの古典とも言える「幻の女」。 今回、新訳が出たということで読んでみようと思った。 夫婦の間も冷え、夫は妻へ離婚の話をするが相手にされない。恋人の勧めもあり妻とゆっくり話すために観劇と食事に誘う一笑される。腹を立てながらも、自分で決めた最初に出会った女性と一晩を過ごすことにする。変わった帽子を被る女性に声をかけ、自宅に戻ると妻は死んでいた。 突然殺人犯にされ、死刑執行を待つ身となった男は、昔の友人に捜査を依頼する。その頃、事件担当だった刑事も違和感を感じ事件を単独捜査しはじめる。 単純な物語で、意外とも感じたけれど、これがちっとも単純じゅんじゃなく、何故か帽子の女のことを憶えているひとが全くおらず、まさに幻の女。 死刑執行までの日数を章に表し、読者をさり気なく焦らせながら、物語は進んでいく。 一体、幻の女とは誰なのか。妻を殺したのは誰なのか。 無駄がなく、とてもよく出来た作品だと思う。 1942年刊行で、作品の端々からも戦争の香りをかすかに感じられる。 どうでもいいけれど、海外では死刑囚との面会で死刑囚監房に入れるようだ。 作品では刑事も友人も死刑囚である男に触れんばかりな状況で会話をしている。こういった設定にとても驚く。 日本では面会室で強化ガラスかなにか越しでしか会えないし、それも未決死刑囚だけだったと思う。 死刑囚が煙草を吸いながら面会人と話す姿というのは、随分自由だ。 有名な書き出しである 夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。 この書き出しだけで既に名作の薫りがする。 単なるミステリーに終わらせず、文学作品でもあるかのように始まる叙情的な文章はとても美しい。 さっさと事件起きて犯人さがしさせろとがっついていた若いわたしには、この作品の持つ余裕というか最早格調の高さを感じさせる書き出しを味わうことは出来なかっただろう。今読むことが出来て良かった。 最後まで堪能出来る素晴らしい一冊だった。 悩みながら翻訳した黒原敏行さんもお見事。 この作品を読んだら、他の古典も読みたくなるじゃないかあ。 もうこれ以上《次に読もう棚》に入らない。だから追加で《次の次に読もう箱》を作成。早速つまずいて蹴っ飛ばしていた夫に、蹴らないでと無茶な言いがかりをつけながら。
1投稿日: 2016.08.12
powered by ブクログ面白かった。 冒頭のあまりに有名らしい(自分は知らなかった)書き出しを読んでこれはどんなジャンルでもいいから読んでみたいと思い読み始めた。 ジャンルはミステリーとかサスペンスになるのか。 普段そこまで多く読まないジャンルなので最初は少し読み止まってしまうことがあったが、中盤からの先が全く読めない展開からは一気に読み切ってしまった。 衝撃の結末もおおいに楽しめたがこの本の一番の魅力は序文からあるようにセンスの固まりのような文章にあると思う。 ところどころでものすごい描写がでてくることと世界観全体がモノクロで夢見心地な感じがする。ところどころで出てくる乗物(電車、自動車、エレベーター)の描写などは読んでいてぞくぞくした。 舞台は1940年代のニューヨークだがなぜか最初はもっと昔のロンドンだと思って読んでいた。
1投稿日: 2016.07.30
powered by ブクログ1942年発行、最初の邦訳は1955年という、古典的なミステリの新訳。 著者は、コーネル・ウールリッチ、ジョージ・ハプリィの別名義も持ち、本作以外に『黒衣の花嫁』、『死者との結婚』などでも知られる。映像化された作品も多い。 男がいらいらしながら夜の街を足早に行く。不仲の妻を宥めようと外出に誘ったが、こっぴどくはねつけられたのだ。腹立ち紛れに入ったバーで、派手な帽子の女と隣り合わせる。男はふと思い立ち、その日、妻といくはずだったショーに女を誘う。一夜限り。下心はなし。互いの連絡先も名前も聞かない。ただ食事をして、ショーを見て、グラスを傾け、「おやすみなさい」と別れよう。妻への当てつけと憂さ晴らしのつもりだった。女は承諾する。それなりに楽しい時間を過ごし、帰宅してみると、妻は殺されており、彼は容疑者だった。 彼の無実を証明できるのは、あの女だけ。しかし、その行方は杳として知れなかった。 出だしがなかなかの名文である。訳者あとがきに原文が引かれている。 The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour. 新訳ということで、あとがきには歴代の訳を紹介する解説が記載されている。 まだ宵のうち、これからデートを楽しもうとする街の華やぎの中を、男は苦虫を噛みつぶしたように刺々しく歩く。冒頭で読者を作品世界にぎゅっと引き込む巧みな描写である。 冒頭に限らず、情景描写、心理描写に気が利いている印象深い箇所が多い。帽子ばかりが目を引くが、容貌は取り立てて取り柄のない女。伝票に記された番号、「13」。エキゾチックでエキセントリックな歌手。 絶望的な状況に陥った男だが、刑事も男が真犯人なのか疑いを持ち始めていた。 けれど、このままだと男は死刑に処される。カウントダウンが進む中、男の恋人と友人が捜査に協力する。 「幻の女」はどこだ。しかし、女に手が届きそうになると、するりと手がかりは逃げ去っていく。このあたりの展開も計算されスリリングで、終盤に向かってサスペンスが増していく。 手詰まりかと見せておいて、最後に意外な結末が待つ。 難を言えば、個々の描写は小粋だが、性格描写が今ひとつに感じる。容疑者の男には妻以外の恋人がいる。妻の機嫌を取って、離婚話を進めようとしていたのがその夜の計画だったのだ。ここで、妻が非常に邪悪であるとか、男が妻と結婚してしまうどうしようもない理由があったとか、それなりの「よんどころのない事情」が絡むならばともかく、そういうわけでもない。恋人はただ美しくて優しい女性で、彼はただ真実の愛が妻との間にはないことを悟ったのだ、といわれても、今ひとつ、男やその恋人に肩入れはできない。個人的にはそのあたりが少し「薄い」感じがした。 ともあれ、全般にはらはらさせられるページターナーとは言えるだろう。 余韻を残す「幻の女」も印象深い。
3投稿日: 2016.05.27
powered by ブクログ妻との喧嘩からむしゃくしゃして行きずりの女性とデートし、家に帰ってきたら死体の妻が待っていて、妻殺しの嫌疑から死刑執行を受けてしまった男のアリバイを証明できるのは名前も知らないその女性だけ・・・という設定が名探偵の不在と共に個人的には素晴らしいと思う。 妻殺しの犯人も重要だが、「女性をどう発見するか?」に重きを置かれており、デート中の描写が伏線となってくる。 そして名探偵の不在から、女性が判明する(若しくはしない)のは死刑の執行後になってしまうのではないか??という結末が見えない緊迫感が良い。
1投稿日: 2016.05.24
powered by ブクログ不朽の名作と名高い作品のようだけど、 存在を知ったのは恥ずかしながらつい最近で 新訳版が出たということで手にとってみた。 読んでみると、さすがの名作で引きこまれて すぐに読んでしまった。 1942年の作品ということだけど、 今まで自分が読んできたり見てきた いろんな小説や映画の中に 本作のエッセンスを感じ取ることができた。 そのくらいいろんなところに影響を及ぼしている 名作だということに今更気がついた。
2投稿日: 2016.04.20
powered by ブクログ古典中の古典であるが、どんな内容か知らなかったので、新訳版が出たと聞いたので読んでみた。死刑執行の日が刻一刻と迫る中、ある女が鍵を握っているというので、事件の新たな展開が見えるかと死刑執行の日が来るのと合わせて先が気になってしまい、ハラハラドキドキしながら読みすすめていった。幻の女とは一体どのような人物なのか、目的は何か、どこで登場するのか、てかがりとなる証言があるのか、警察に何か動きがあったのか、真相究明が掴めないまま、執行して良いのか、最後まで気になる。ラストは衝撃が大きく、改めて名作だと感じる作品。
1投稿日: 2016.03.13
powered by ブクログ翻訳ミステリー小説の名訳と言われる『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。』で始まる、これを読まずして・・・という超有名なこの小説。これが1942年作ってことがミステリーや。 結末のかなり強引な感じは否めないが、まあ、何といいますか、映画ですよ、映画、これは映画ですやん。(映画化されてますね。1943年) 個人的には翻訳小説は表現が面倒臭くて苦手ですが、やはり名作と言われる物は今読んでも楽しめるのも事実。 ネタバレしますと、この幻の女とは・・・・・ おっと、誰か来たようだ。
2投稿日: 2016.03.11
