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明智小五郎事件簿4 「猟奇の果」
明智小五郎事件簿4 「猟奇の果」
江戸川乱歩/集英社
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総合評価

9件)
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    明智小五郎の担当した事件を発生年順に並べたシリーズ。『猟奇の果』は1928~29年にかけての事件。 面白かったところ。 素人探偵明智小五郎、日本重要人物の2番手に挙げられる!? 明智小五郎の変装術は、10年間のたゆまぬ努力によりなされたものだった!シナやら印度やらに遊びに行ったのも変装術学びに行ってたんだろうか。 <猟奇の徒よ!君たちはあまりに猟奇者でありすぎてはならない。この物語こと善き戒めである。猟奇の果がいかばかり恐ろしいものであるか!(P9)> 資産家の青木愛之助は、若くして金には困らず美しい妻を持つという恵まれた生まれだが、そのためにか退屈屋で猟奇趣味を持っていた。怪しい女との密会も、表に出せないような遊びも行ったがそれにも飽きてくる(こんな設定他の江戸川乱歩小説でもありますね)。 しかし青木の友人で科学雑誌社長の品川四郎にそっくりの別人が現れて、しかもそのエセ品川四郎はどうやら犯罪者らしい。 『猟奇の果』は前後編になっていて、前編「猟奇の果」は青木愛之助と品川四郎がエセ品川四郎を探すのがメイン。覗き見、SMプレイ、お面のような美青年、逢引き、不貞、血腥い犯罪現場。やっぱり江戸川乱歩 笑  後編「白蝙蝠」で明智小五郎が出てきます。エセと騙したり、騙されたり、追いかけたり、捕まえたり。そして真相は…。えーっとですね、少なくとも『屋根裏の散歩者』とかとは系統が違う、私は終盤「これって犯人二十面相?(^_^;)」と思いましたよ、つまりかなりトンチキ。 私は『天知茂 江戸川乱歩美女シリーズ』を見て「江戸川乱歩の小説を元にしてかなりトンチキにしてるなー」と思っていましたが、元祖江戸川乱歩のほうが突き抜けていた笑 なぜこんなに前編後編趣旨が変わってるんだと思って検索してみたら、新聞連載で書き進めていったため、江戸川乱歩の気持ちが変わったり、出版社の望みを入れたりってことで変わっていったらしい。青空文庫には「もう一つの結末」が出ていました。前編は青木愛之助がニセ品川四郎と直接対面して…というあたりで終わるのですが、その種明かしがされて割と平穏に終わっていました。どうやら江戸川乱歩は独立した小説のつもりだったけど、途中で出版社からの明智小五郎出してくれ、と意向を組んだってところでしょうかね。 まあたしかに、後編の種明かしはスケールは大きいけれど、前編のニセモノの行動が矛盾していますので、後編は方向転換のためだと思えば納得です。 青空文庫はこちら https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/files/58467_73706.html

    34
    投稿日: 2025.02.19
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    最後の謎解きが若干やっつけ(雑)な感じもしたが、 全体を通して楽しくは読めた。 そもそもの品川四郎になった斧村錠一って誰だっけ? 前半に出て来た?マジで誰?スミマセン。

    1
    投稿日: 2024.09.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長編作「猟奇の果」のみを収録している。一冊まるまるで一つの作品だが、章立てが細かく分かれており、さらに前半と後半では視点と登場人物と作品の雰囲気ががらりと変わる。 前半は品川氏と青木氏の二人が出くわす怪奇を中心に不気味な雰囲気が漂っているが、後半は明智小五郎が活躍することで、急転直下で意外な結末を迎える。読み進めていくうちに「え、本当にあとこれだけで終わるの?」と思わずにはいられない。 特に最後、賊の一味と成り果てた人物が意外であった。そういえばこいつ居たな、と、なかなか印象深く記憶に残っていた人物であるにも関わらず思ったものである。そう、そう思わずに居られぬほど後半部分はスケールが大きくなるのだ。 そして、それ故にタイトルの「猟奇の果」が誰のことを指しているのかも自ずと明らかになるのである。確かに猟奇を拗らせた挙句、己が人生をあのような形で終わらせるのは「果て」である。

    2
    投稿日: 2023.03.15
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    猟奇趣味のあるお金持ちの青年、青木愛之助が友人品川四郎と同じ顔の男に出会うところから始まる犯罪話。前半は不気味な雰囲気たっぷりでゾクリとする展開から一転、後半は明智登場で派手な展開となる。後半のスケールの大きさに思わず笑う。大好き→ この話を最後にまとめ上げたのほんますごい。途中で乱歩が「(連載)もう無理」って言って当時の横溝編集長に「流行り物絡めてもいいから書いて」っていわれたエピソード大好き(笑)私が子供の頃にポプラ社のシリーズで読んでた雰囲気がこの後半部分に感じられて、懐かしかったなぁ。やっぱ乱歩最高

    2
    投稿日: 2022.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今まで読んだ江戸川乱歩の作品で一番好きかもしれない。 細かい伏線があるとかではないが展開の仕方が好きで、良い作品を読んだと実感できた。 前編では明智小五郎は出てこなく2人の人物を主軸に語られているが、後編になり話が進むにつれて最初自分が思い描いてた展開からずれていき予想だにしない展開となったのが読んでいて心地よかった。

    1
    投稿日: 2022.02.28
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    推理小説というよりは冒険譚だったけど、それはそれで面白かったな、と。 街で見かけた友人。その姿はよく知っている人物かと思いきや、中身が違う別人。しかも悪人だ、という入りから展開される不気味さにドキドキしたし、後半も「そこまで話を大きくするか」て笑ったけど、それって普通に楽しめたってことで。 要は江戸川乱歩の書く文章が好きなんだなと。笑

    1
    投稿日: 2021.11.06
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    探偵小説かもしれないが推理小説ではない。 トリックを見破る論理展開もなく、悪人を倒すアクションもなく、ただ不思議な出来事や悪趣味な事件が起きて、謎解きというよりネタバレがあって、終わり。 江戸川乱歩や明智小五郎の名前に期待しすぎていたのかもしれない。 巻末の「明智小五郎年代記」が面白く、作品の時代背景が分かる。頽廃的な作品が好まれた時代だったんだと思う。 恩田陸の解説が、作品の解説をほとんどしていないことも考えさせられる。 シリーズもあと8巻。全部買って読むか、そろそろ決断が必要か。といいつつ、全巻買って読むような気がする。

    2
    投稿日: 2016.09.15
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    クロニクル第4巻。 巻末の解説にある通り、長編としては瑕疵があることは否定しない……が、『乱歩らしさ』が非常によく出ていると思う。なんやかんや言ってイカモノ・キワモノを書かせると魅力的なのが乱歩なんだわな〜。

    2
    投稿日: 2016.08.26
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    明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた画期的なコレクションの第4巻。 明智小五郎が活躍する作品は殆ど読んでいると思っていたのだが、この作品は未読だった。『文藝倶楽部』という文芸雑誌に連載された作品だけあって、大衆小説といった色合いが強い。しかし、違和感を感じる構成には少し驚いた。じっくりと大いなる謎を描く前半と明智小五郎が登場し、二転三転の怒濤の展開が待つ後半とでは全くリズムが違うのだ。全く違う小説を繋ぎ合わせたと言ってもよいくらいだ。また、この後に描かれる怪人二十面相を思わせるシーンがあったりと、この作品を描くにあたり紆余曲折があったのではと推察する。 今回も巻末にはお馴染みの平山雄一の『明智小五郎年代記 4』が収録させている。本作の背景などが詳しく紹介されており、非常に面白い。

    1
    投稿日: 2016.08.24